8439 東京センチュリー 2019-09-09 16:01:00
米国航空機リース会社Aviation Capital Groupの完全子会社化について [pdf]
神鋼不動産株式会社の株式取得について
2019 年 9 月 9 日
各 位
会 社 名 東京センチュリー株式会社
代 表 者 名 代表取締役社長 浅 田 俊 一
(コード番号 8439 東証 1 部)
問合せ先 広 報 I R 部 長 山 下 圭 輔
(TEL03-5209-6710)
米国航空機リース会社 Aviation Capital Group の完全子会社化について
当社は、2019 年 9 月 9 日開催の取締役会において、当社連結子会社 TC Skyward Aviation U.S., Inc.(以下 SKY-U)の持
分法適用関連会社である、米国大手航空機リース会社 Aviation Capital Group LLC(以下 ACG)の持分を取得し、完全子
会社とすることを決議するとともに、同社の親会社で米国大手生命保険会社である Pacific Life Insurance Company(以下
Pacific Life)と持分譲渡契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。なお、今後、必要各国の競争
法に係る許認可の取得手続きなどを経て、当該持分の取得を完了させる予定です。
記
1. 本件完全子会社化の理由
当社は2009年4月の合併以降、規制に縛られない自由な経営環境のもと、リースや金融の枠を超え、パートナ
ー企業との事業性ビジネスの推進と、サブスクリプションやフィンテック、レンタカー、再生可能エネルギー事
業など、「金融×サービス×事業」のビジネスモデルによる新領域の拡大・発展に取り組んでまいりました。
これらの取り組みを更に進化させるため、2019年4月には新たに第四次中期経営計画をスタートさせ、経常利
益1,000億円以上という新しいステージに向けた持続的な成長を着実に進めるとともに、
「金融機能を持つ事業会
社」として、社会課題の解決に貢献する新しい金融・サービスを創出することで、中長期的な企業価値の向上を
目指しています。
スペシャルティ事業分野においては、専門性と発想力を発揮することで、「船舶」「航空機」「環境・エネル
ギー」「不動産」の既存重点分野における各事業の更なる洗練を志向しており、中でも「航空機」分野に関して
は、引き続き、最も成長が期待される最注力分野として、より一層の事業の深掘りと基盤強化を企図しておりま
す。
こうした取り組みを進める中で、 今般、 航空機オペレーティングリース事業へのコミットメントを強化するた
め、また、これから先の10年を見据えた中長期的かつ安定的な持続的成長を早期に実現できる企業を目指すため、
持分法適用関連会社であるACGの残り75.5%の持分をPacific Lifeより取得し、ACGを完全子会社とすることとい
たしました。
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2. 当社航空機事業の展開について
当社は、1980年代より日本型航空機レバレッジドリースの組成や航空機体担保付ローン等を中心に、30余年に渡っ
て航空機事業に取り組み、経験とノウハウを積み上げてまいりました。2012年以降は、航空機関連ビジネスを長期的
な成長が見込まれる注力分野と位置付け、他社と一線を画すユニークな戦略として、航空機のライフサイクルバリュ
ーチェーンに着目、ビジネス拡大の機会と捉えることで、当社の成長を牽引しています。
(当社航空機事業の歩み)
1980年代 航空機レバレッジドリース事業に参入
2012年 スタートアップLCCであるジェットスター・ジャパン株式会社へ資本参加
2012年 航空部品・中古機関連ビジネス、エンジン整備事業等を手掛けるGA Telesis, LLC(以下GAT)の
持分20%を取得し、持分法適用関連会社化
2014年 米国CITと航空機オペレーティングリース事業に関する合弁会社を設立
2017年 同合弁会社を完全子会社化
2017年 ACGの持分20%を取得
2018年 GATの持分を49.2%に引き上げ、筆頭株主に
2019年 全日空商事株式会社、GATと共同で航空機エンジンリース会社を設立
2019年 ACGの増資引受け、持分追加取得(現在24.5%)
2019年 ACGを完全子会社化(今回)
世界の航空機ビジネスにおいては、新興国 途上国の旅客輸送需要の増加、
・ それに触発されたLCCの成長等を受け、
更なる民間航空機需要の拡大が見込まれています。ジェット旅客機の運航機数は2018年の約24,000機から、2038年に
は40,000機超1となる見込みで、エアラインの航空機オペレーティングリース利用率も一層高まるものと予想されます。
こうした中、2017年12月に航空機オペレーティングリース事業への取り組み強化の一環として、ACGの持分20%を
取得し、持分法適用関連会社といたしました。更に、本年3月には増資を引き受けることで持分比率を24.5%まで引き
上げ、経営への関与を高めるとともに、同社の成長を後押ししてまいりました。
今般、ACGを完全子会社化することで、従来以上に航空機オペレーティングリース事業に主体的に取り組むととも
に、日本型オペレーティングリース(JOL、JOLCO)をはじめとした、当社自身が手掛ける航空機ファイナンス事業
や、GATが強みを持つ中古機体・中古部品売却等に関わる知見を活かした航空機のアフターマーケット事業等、各事
業を有機的に連携させ、航空機ビジネスのバリューチェーンへの対応を強化することで、航空機ビジネス市場におけ
る当社のプレゼンスを一層高めることが可能となります。
また、今回の買収を決断した大きな背景として、2017年12月の持分取得以降、当社から2名の取締役及び複数の従業
員の派遣を通じて、 強固な信頼関係を築いてきたことがあげられます。
ACGスタッフと様々な局面で協働し、 今後も、
両社役職員が互いに協力し、更なるシナジーを最大限に発揮できるものと確信しております。
3. ACGについて
ACGは、今年で創立30周年となる世界最古参の大手航空機リース会社の一社であり、流動性の高いナローボ
ディ航空機を中心に、世界45カ国超の90社以上のエアラインに向けてリースを行っております。グローバルに
張り巡らされたネットワークはもちろんのこと、 マーケティング、テクニカル、 アセットマネジメント機能等、
航空機リース事業に必要不可欠な強固なフルプラットフォームを擁し、 2019年6月30日時点における保有管理及
び発注済機体数は約500機と、世界有数のオペレーション規模を有しています。
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出典:一般財団法人 日本航空機開発協会「民間航空機に関する市場予測 2019-2038」
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航空機アセット及び航空機リース事業に関する高い専門性、 強固なリスク管理体制のもと、1989年の創業以来、
一貫して黒字を計上してきており、また、順調に新造機の発注残を増やすことで、 事業を拡大させてきました。
合従連衡が進む航空機リース業界において、1980年代来、名称を変更することなく、継続して業績を拡大させ
てきた数少ない航空機専業リース会社です。
4. 買収ストラクチャー及び専門家
本件は、 当社100%米国子会社であるSKY-U経由で持分を追加取得する計画です。なお、フィナンシャルアドバイザ
ーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社及びみずほ証券株式会社、 法務アドバイザーとしてDavis Polk &
Wardwell LLP、会計アドバイザーとしてデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社、税務アドバイ
ザーとしてデロイトトーマツ税理士法人を起用しております。
5. 当該子会社(SKY-U)の概要
(1) 名 称 TC Skyward Aviation U.S., Inc.
(2) 所 在 地 9137 E. Mineral Circle Suite 320 Centennial, CO 80112, USA
(3) 代 表 者 の 役職 ・ 氏 名 Director 原 真帆子
(4) 事 業 内 容 航空機リース事業
(5) 設 立 年 2014 年
(6) 大株主及び持株比率 東京センチュリー株式会社 100%
6. 異動する子会社(ACG)の概要
(1) 名 称 Aviation Capital Group LLC
(2) 所 在 地 840 Newport Center Drive, Suite 300, Newport Beach, CA USA
(3) 代表者の 役職・ 氏名 President and Chief Executive Officer Khanh T. Tran
(4) 事 業 内 容 航空機リース事業
3,227 百万米ドル(2018 年 12 月 31 日時点の Members’ equity)
(5) 資 本 金 米国法上の Limited Liability Company であり、資本金の概念と正確に一致す
るものがありません。
(6) 設 立 年 1989 年
Pacific Life 75.5%
(本件持分取得前)
(7) 持 分 比 率 SKY-U 24.5%
(本件持分取得後) SKY-U 100.0%
資本関係 当社は、当社の完全子会社であるSKY-Uを通じてACG
の持分の24.5%を保有しております。
人的関係 当社の執行役員のうち2名がACGの取締役に就任して
上場会社と 当該会社
(8) おります。また、当社の社員のうち2名がACGに駐在し
と の 間 の 関 係
ております。
取引関係 当社は、当社子会社保有の航空機に関するアセットマ
ネジメント業務をACGに委託しております。
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(9) 米国会計基準による当該会社の最近 3 年間の連結経営成績及び財政状態(単位:百万米ドル)
決算期 2016 年 12 月期 2017 年 12 月期 2018 年 12 月期
連 結 売 上 高 963 950 1,048
連結当期純利益 78 1,044(※) 266
連 結 純 資 産 1,908 2,956 3,225
連 結 総 資 産 9,081 9,847 11,317
※ 2017 年 12 月期に LLC への組織変更を行い、米国税法において、出資者(メンバー)を納税主体とする、いわ
ゆるパス スルー課税を選択する法人となりました。
・ これに伴い、繰延税金負債の戻入益を計上しております。
7. 持分取得の相手先(Pacific Life)の概要
(1) 名 称 Pacific Life Insurance Company
(2) 所 在 地 700 Newport Center Drive, Newport Beach, CA, USA
(3) 代 表 者 の 役職 ・ 氏 名 Chairman, President and CEO James T. Morris
(4) 事 業 内 容 生命保険事業
(5) 設 立 年 1868 年
(6) 米国会計基準による連結経営成績及び財政状態(Pacific Mutual Holding Company)(単位:百万米ドル)
決算期 2018 年 12 月期
売 上 高 10,699
親会社帰属当期純利益 913
純 資 産 13,072
総 資 産 157,699
(7) 大株主及び持株比率 Pacific Mutual Holding Company 100%
資本関係 該当事項はありません。
上場会社と 当該会社 人的関係 該当事項はありません。
(8)
と の 間 の 関 係 取引関係 該当事項はありません。
関連当事者への該当状況 該当事項はありません。
8. 取得価額
約3,000百万米ドル(321,300百万円)(概算額、1米ドル当り107.10円(2019年9月6日現在)にて換算)
(※)アドバイザリー費用などの手数料は、必要各国の競争法手続きに係る費用などが未確定のため記載しておりません。
なお、実際の取得価額は、クロージング時点での財務数値及び本持分譲渡契約所定の方法に基づいて調整される
予定です。
9. 本件に係る資金調達について
本件、持分取得に係る資金については、財務健全性の維持に配慮した資金調達を行う方針です。具体的には、持
分取得時点では手元資金及びブリッジローンで調達した後、順次パーマネントファイナンスに切り替える予定であ
り、パーマネントファイナンスでは金融機関からの借入金のほか、ハイブリッドファイナンスによる資本性資金の
調達も検討しております。
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10. 日程
(1) 持分譲渡契約締結日 2019 年 9 月 9 日
(2) 持分譲渡実行日 2019 年 12 月(予定)(※)
(※)持分の取得は、必要各国の競争法に係る許認可の取得手続きなど、取引実行のための前提条件が満たされること
を条件としております。
11. 今後の見通し
本件に伴う当社の 2020 年 3 月期連結業績への影響については、今後、確定次第速やかに公表いたします。また、
2019 年 5 月 9 日公表の第四次中期経営計画(2019 年度~2021 年度)の見直しを行う予定であり、見直し後の中期経
営計画につきましても、確定次第速やかに公表いたします。
以 上
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