8309 三住トラスト 2021-10-22 15:00:00
議決権行使書集計業務の見直し等の実施状況について [pdf]

                                                        2021 年 10 月 22 日
各位
                                       三井住友トラスト・ホールディングス株式会社
                                                    (コード番号 8309 東名)
                                                  三井住友信託銀行株式会社


               議決権行使書集計業務の見直し等の実施状況について


 三井住友トラスト・ホールディングス株式会社(取締役執行役社長:高倉 透)及び三井住友信託銀行株
式会社(取締役社長:大山 一也、以下「三井住友信託銀行」)は、両社による2020年12月17日付リリース
「議決権行使書集計業務の見直し及び再発防止策等について」(以下「前回リリース」)に記載した、取引
先企業から受託している株主総会の議決権行使書集計業務(以下「集計業務」)の見直し、再発防止策の
実施状況、及び議決権の電子行使(以下「電子行使」)促進の状況について、以下の通りお知らせいたし
ます。


1.新たな集計業務フロー・体制の見直しについて
 三井住友信託銀行は、集計業務を日本株主データサービス株式会社(以下「JaSt」)1に委託しておりま
すが、前回リリースにて記載の通り、JaSt では 2021 年 3 月に開催された証券代行受託先(以下「委託会
社」)の株主総会より、適切でない取り扱いであった先付処理2を取りやめ、郵便局から議決権行使書を実
際に受領した日を基準として集計処理する方法に変更しました。また、郵便局からの配達により議決権行
使書を受け取る方法から、郵便局に私書箱を設置し、JaSt が議決権行使書を引き取りに行く方法に変更
しました。これらの新たな集計業務フローの見直しは、外部の弁護士・会計士・コンサルタント(以下「外部
専門家」)から適切性・適法性に問題ない旨の確認を受けて、実施しております。
 加えて、集計作業人員の増強やシステム機器の増設、システム機能改善による集計作業の処理能力
向上等を図った結果、繁忙月である本年 6 月に開催された各委託会社の株主総会においても、集計処理
を滞りなく完了いたしました。


2.再発防止策の実施について
 当グループにおいては、本事案(先付処理)の発生原因分析を踏まえ、グループを挙げて組織・管理体
制、実効性強化、継続的な意識醸成といった再発防止策を講じております。三井住友信託銀行において
は、外部専門家や、証券代行事業から独立して業務を監視・監督する機能を担うリスク管理部署各部を中
心としたプロジェクトチームによる検証を実施し、先付処理導入時等の検証の不十分性、事務ルールその
ものの適切性・適法性の検証の不足、証券代行事業の人員の固定化による業務見直し機会の不足等を
本事案の発生原因として認識のうえ、各々に対して対策を講じております。



1 三井住友信託銀行では、100%子会社である三井住友トラスト TA ソリューション株式会社(以下「TA ソリューション」)に議決権行使書
集計業務を委託し、同社は日本株主データサービス株式会社(三井住友信託銀行とみずほ信託銀行株式会社の共同出資会社。)に対し
て当該業務を再委託しております。また、三井住友信託銀行に加え、三井住友信託銀行の連結子会社である東京証券代行株式会社及び
日本証券代行株式会社が受託した集計業務についても、TA ソリューションを通じて JaSt に再委託されており、三井住友信託銀行からの
委託分と同様の方法で JaSt において集計業務が行われております。
2 JaSt において、例年 3 月、5 月及び 6 月の株主総会が集中する繁忙月に、大量の議決権行使書の集計を行う業務時間を確保するた
め、郵便局と調整の上、郵便局の所定の作業が完了する本来の配達日の前日に郵送物を受領しながら、本来の配達日の日付が記載さ
れた「交付証」の日付を基準に議決権行使書を集計していた処理を指します。先付処理の結果、議決権行使期限内に受領した議決権行使
書が集計対象外とされました。
                                  1
<実施した再発防止策の内容について>
① 法令等遵守態勢
  グループ関係会社・重要な外部委託先における法的リスクを内包する規定等の制定・改廃時には、
  グループ関係会社の所管部や外部委託先の委託元部署の検証に基づき承認する取り扱いから、法
  務・コンプライアンス部署による確認を経て承認する取り扱いに運営を見直すなど、グループ関係会
  社や外部委託先の業務に関するルールの適法性検証における法務・コンプライアンス部署の関与強
  化を図っております。
  この法令等遵守態勢に関するグループ全体での取り組みに従い、証券代行事業においては、証券
  代行業務の実務運営にかかわる全ての規定等の制定・改廃時には、証券代行事業と法務・コンプラ
  イアンス部署が連携して適法性の検証を行う体制を構築しました。
  加えて、証券代行事業内に、グループ関係会社・外部委託先のモニタリングを含む証券代行事業の
  コンプライアンス・リスク管理を統括する部署を新設いたしました。同部署においては JaSt 等への立
  入調査ほか、規定や業務運営を定期的に確認する仕組みを強化し、規定等の適切性とその着実な
  実践の両面から適法性の確保を図ることとしております。


② 外部委託先管理
  外部委託先のモニタリング時において、管理強化を要する業務か否かを確認したうえ、管理を高度化
  する契約を特定して関係部と対応を協議するなど、重要な業務の委託先に対する、委託業務におけ
  る法務面等のリスクの度合いやステークホルダーへの影響度合いなどに応じたきめ細かな業務運営
  の管理を行っております。


③ 内部監査態勢
  JaSt の監査部門との連携強化の観点から、着眼点の共有等の情報連携を密に行う他、同社監査機
  能強化の観点より、共同出資者であるみずほ信託銀行株式会社の監査部門も加えた 3 社での定期
  的なミーティングを実施するなど、グループ関係会社の監査において法令等遵守態勢の有効性に一
  層の重点を置き、内部監査の実効性を向上させる取り組みを行っております。


④ フィデューシャリー・デューティー
  「プリンシプルベースの取り組み」等の全社員向けeラーニングや、信託業務に関する全社員向け研
  修を実施するなど、当グループが提供するサービスのバリューチェーンに含まれる様々なステークホ
  ルダーの皆さまに対するフィデューシャリー・デューティーの意識徹底のため、グループ関係会社を含
  めた社員への教育・指導を拡充、強化する取り組みを行っております。


⑤ 第三者評価を含むプロセス全体を再評価
  証券代行業務を対象とした業務プロセスの適切性・適法性の再評価を行うため、関連する規定やマ
  ニュアル等の外部専門家による点検を行った結果、法令違反を構成するような事項は検出されませ
  んでした。なお、同点検活動を通じて外部専門家より受けた業務手順・処理方法の改善に関わる指
  摘を含め、堅確性向上等を順次進めてまいります。




                         2
⑥ 人材育成・コンプライアンス意識の向上、人員固定化への対応
   証券代行事業所属員全員に対して、改めて認識すべきリスクや、各種ステークホルダーの目線での
   業務見直しの必要性等について研修を実施し、リスク感度を高める取り組みを行いました。また、お
   客さま本位を浸透させる取り組みに加えて、「業務に対する問題意識」や「不安な業務」などの現場の
   声を、定期的なアンケートの実施や弁護士相談会の開催などで吸い上げる等、潜在的なリスク検知
   に向けた取り組みを行っております。
   加えて、業務遂行の継続性、業務知識の組織的な継承を第一としつつ、配置転換等で人材の固定
   化を避けることにより、常に新たな視点で業務の見直しを行っていくとともに、外部委託先を含む証券
   代行事業全体の人材ローテーション計画を策定し、取り組んでおります。


3.議決権の電子行使促進について(本年 6 月に株主総会を開催した委託会社3(以下「6 月総会委託会
社」)についての前年比較)
(1) 議決権電子行使の状況
 当グループは、委託会社を通じた利便性の高いシステムの提供、迅速・適切な議決権行使書の集計業
務を通じて健全かつ持続的な資本市場の発展に貢献するという観点から、電子行使制度の採用会社拡
大および委託会社の株主による議決権の電子行使4利用促進を進めています。
 委託会社の約 60%が集中する 6 月開催の株主総会において、電子行使比率、議決権行使比率とも、
以下表 1 の通り改善いたしました。


     【表1】             2020/6           2021/6
                                            前年比

     電子行使比率(※1)        18.0%   45.6%     +27.6 ポイント

     議決権行使比率(※2)       35.2%   40.8%     +5.6 ポイント
     (※1) 電子行使した株主数÷議決権を行使した株主数
     (※2) 議決権を行使した株主数÷議決権を保有する株主数


(2) 個人株主向け電子行使促進の取り組み
 市場全体の電子行使の促進には、株主全体の約 98%(株主数ベース、6 月総会委託会社(836 社))と
大宗を占める個人株主への働きかけが重要となります。当社は、2021 年 5 月開催の株主総会より、電子
行使のなかでも個人株主にご利用頂きやすい「スマート行使5」の認知度・利用率向上を目的とした、委託
会社の株主宛てプレゼント企画6を実施しました。




① 電子行使採用会社の拡大
  6 月総会委託会社のうち、電子行使を採用した委託会社は、612 社(前年比+155 社)と、全 836 社に
  占める割合は 73.2%(同+16.1 ポイント)に拡大しました7。特に、個人株主に利用頂きやすいスマート

3 三井住友信託銀行の証券代行受託先を指しています。以降、本文中の数字は、全て三井住友信託銀行の証券代行受託先を対象とし
ています。
4 議決権の電子行使の方法には PC もしくはスマートフォンによるものと議決権電子行使プラットフォーム(後述)によるものがあります。
5 スマート行使とは、議決権行使書に記載された QR コード🄬をスマートフォンで読み取り、ID・パスワードを入力することなく専用サイトに
ログインし、議決権を行使することができるサービスです。
6 スマート行使の利用促進リーフレットを招集通知に同封。実際にスマート行使を利用し、アンケートに回答いただいた株主を対象に抽選
で QUO カードを進呈。
7 6 月総会以外の委託会社も含めると、2021 年 9 月末現在、電子行使採用会社は 952 社、スマート行使採用会社は 897 社。
                                   3
 行使を採用した委託会社は 576 社(同+236 社)、同 68.9%(同+26.5 ポイント)と大幅に増加しました
 (表 2 ご参照)。


    【表 2】                             2020/6                       2021/6
                                                                            前年比

    電子行使採用会社                          457 社              612 社             +155 社
    (6 月総会委託会社に占める割合)                 (57.1%)            (73.2%)         (+16.1 ポイント)

        うちスマート行使採用会社                  340 社              576 社             +236 社
        (6 月総会委託会社に占める割合)             (42.4%)            (68.9%)         (+26.5 ポイント)



② 個人株主の電子行使比率改善
 電子行使利用促進の取り組みにより、個人株主の電子行使は増加し、また議決権行使比率も改善し
 ました。
 6 月総会委託会社において個人株主の議決権行使比率は 40.6%(前年比+5.8 ポイント)に改善すると
 ともに、電子行使の割合も以下の図 1 の通り増加しました。


 【図1】 個人株主の議決権行使比率推移(三井住友信託銀行 6 月総会集計受託分)


  50%           うち書面行使
                うち電子行使                                           40.6%
  40%                                           34.8%
            31.8%    32.3%   32.8%
            1.9%     2.1%     3.2%              6.1%             18.5%
  30%

  20%
            29.9%    30.2%   29.6%              28.7%
  10%                                                            22.1%


   0%
         2017/6     2018/6   2019/6           2020/6            2021/6



③ プレゼント企画による電子行使利用拡大
 プレゼント企画に参加いただいた委託会社 401 社においては電子行使促進などの効果が特に大きく、
 電子行使比率は 54.4%(前年比+35.6 ポイント)、議決権行使比率も 44.3%(同+9.1 ポイント)と共に大
 きく改善しました(表 3 ご参照)。


    【表 3】                      2020/6                            2021/6
                                                                            前年比

    電子行使比率(※1)                 18.8%                    54.4%            +35.6 ポイント

    議決権行使比率(※2)                35.2%                    44.3%            +9.1 ポイント
   (※1)電子行使をした株主数÷議決権を行使した株主数
   (※2)議決権を行使した株主数÷議決権を保有する株主数



                                      4
  引き続き、スマート行使を含む電子行使の認知度・利用度向上に資する取り組みを継続し、個人株主
  の電子行使促進を図ってまいります。


(3) 機関投資家向け電子行使促進(議決権電子行使プラットフォーム利用促進)の取り組み
 当社は議決権電子行使プラットフォーム(以下「プラットフォーム」)を運営する株式会社 ICJ(東京証券
取引所 50%出資会社。以下「ICJ」)と共同で、委託会社へプラットフォームの採用と利用促進を働きかけ
ました。
 その結果、6 月総会委託会社のうち、プラットフォームを採用した委託会社は 331 社(前年比+36 社)と
なりました。
 2021 年 6 月にコーポレートガバナンス・コード8が改訂されたことを受けた委託会社のプラットフォーム採
用の加速に向け、引き続き ICJ と協働しながら委託会社への働きかけを行ってまいります。
 また、資産運用会社が資産管理銀行(カストディ)を通じてプラットフォームを利用する前提となるアセッ
トオーナーからの同意取得については、信託協会等の業界団体を通じた主要な関係者との協議により、
同意取得を不要としました。これによりアセットオーナーの負担を軽減し、機関投資家等のプラットフォー
ム利用を後押しいたします。


 今後とも、当グループは、コーポレートガバナンスの根幹を担い、社会から着実・堅確な業務遂行を期
待される信託銀行グループとして、その責任を改めて強く認識し、資本市場の健全な発展に貢献してまい
ります。




                                                               以 上




                        <本件に関する問い合わせ先>
                三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 広報室
                           TEL:03-6256-6302




8 2022 年 4 月に行われる市場区分見直し後のプライム市場上場会社は、「少なくとも機関投資家向けに議決権電子行使プラットフォーム
を利用可能とすべき」とされました。
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