8309 三住トラスト 2020-12-17 15:30:00
議決権行使書集計業務の見直し及び再発防止策等について [pdf]

                                                       2020 年 12 月 17 日
各位
                                       三井住友トラスト・ホールディングス株式会社
                                                    (コード番号 8309 東名)
                                                  三井住友信託銀行株式会社


              議決権行使書集計業務の見直し及び再発防止策等について


 三井住友トラスト・ホールディングス株式会社(取締役執行役社長:大久保 哲夫、以下「三井住友トラス
ト・ホールディングス」)及び三井住友信託銀行株式会社(取締役社長:橋本 勝、以下「三井住友信託銀
行」)は、三井住友信託銀行による2020年9月18日付リリース「当社取引先の議決権行使書集計に係る業
務について」 1及び同年9月24日付リリース「当社取引先の議決権行使書集計に係る業務についての調査
結果のお知らせ」 2に記載した、取引先企業から受託している株主総会の議決権行使書集計業務(以下
「集計業務」)において、適切でない取り扱い(以下「先付処理 3」)がなされていたことについて、外部弁護
士による調査及び検証を行ってまいりました。かかる調査及び検証を踏まえ、今後の業務の適切性確保
に万全を期すべく、今般、新たな集計方法の導入を含めた再発防止策を策定いたしましたので、以下の
通りお知らせいたします。


1.先付処理の不適切性認識について
  三井住友信託銀行は、100%子会社である三井住友トラスト TA ソリューション株式会社(以下「TA ソ
 リューション」)に集計業務を委託し、同社は日本株主データサービス株式会社(以下「JaSt」) に対して
 当該業務を再委託しております。また、三井住友信託銀行に加え、三井住友信託銀行の連結子会社で
 ある東京証券代行株式会社(以下「東京証券代行」)及び日本証券代行株式会社(以下「日本証券代
 行」)が受託した集計業務についても、TA ソリューションを通じて JaSt に再委託されており、三井住友
 信託銀行からの委託分と同様の方法で JaSt において集計業務が行われております。
  集計業務の委託先である JaSt では、大量の議決権行使書を受領する繁忙月に、限られた時間内で
 集計業務を処理することを目的として先付処理を実施しておりました。本来、議決権行使書集計業務は、
 株主の意思を株主総会に伝達し経営に反映させる機能の一部であり、コーポレートガバナンスの根幹を
 支える業務ですが、先付処理に関して、JaSt 及び三井住友信託銀行等上記各社においてその不適切
 性が認識されておりませんでした。
  本事案は株式会社東芝(以下「東芝」)からの調査依頼を受けて発覚したものですが、先付処理が長
 年の実務慣行になっていたことから、東芝の調査依頼を受けた後も、集計業務の取り扱いの適切性に
 疑義を抱かなかったため、当初は事態の適切な報告を行うことができず、再調査依頼により、集計業務
 の不適切性の認識に至りました。




1 三井住友トラスト・ホールディングスは同日付で「子会社による取引先の議決権行使書集計に係る業務について」としてリリース
2 三井住友トラスト・ホールディングスは同日付で「子会社による取引先の議決権行使書集計に係る業務についての調査結果のお知ら
せ」としてリリース
3 JaSt において、例年 3 月、5 月及び 6 月の株主総会が集中する繁忙月に、大量の議決権行使書の集計を行う業務時間を確保するた
め、郵便局と調整の上、郵便局の所定の作業が完了する本来の配達日の前日に郵送物を受領し、本来の配達日の日付が記載された「交
付証」の日付を基準に議決権行使書を集計していた処理を指します。先付処理の結果、議決権行使期限に受領した議決権行使書が集計
対象外とされていました。
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2.議決権行使書の受領方法の見直し等について
  先付処理については、その運用を取りやめ、郵便局から議決権行使書を実際に受領した日を基準に
 集計を行う方法に変更いたします。先付処理の廃止後も、議決権行使書の受領方法の見直し、集計作
 業の処理能力の向上を図ることにより、委託会社の株主総会運営に支障が出ないよう、厳格かつ円滑
 な議決権行使集計事務に取り組んでまいります。


(1)議決権行使書の受領方法の見直し
  これまでの JaSt の事務センターを所管する郵便局からの配達により議決権行使書を受け取る方法か
 ら、新東京郵便局に私書箱を設置し、JaSt にて議決権行使書を引き取りに行く方法に変更いたします。
 かかる受領方法の変更は 2021 年 3 月開催の株主総会 4から実施する予定です。
  なお、上記見直し後の郵便物の受領方法を含めた新たな集計方法について、外部の弁護士の検証を
 経て、適切性・適法性に問題ない旨を確認しております。


(2)集計作業の処理能力の向上
  議決権行使書受領後の集計作業については、委託会社への報告時間をはじめ、従来と同様のサー
 ビスを提供できるよう、システム機器の増強等による処理能力の向上を図ってまいります。




3.再発防止に向けた取り組みについて
  本事案の反省を踏まえ、以下の取り組みにより、グループを挙げて再発防止に努めてまいります。
 ① 法令等遵守態勢
   本事案において、JaSt による先付処理の法的問題点を長年検知できなかったことを踏まえ、グルー
   プ会社や外部事業者に委託している業務に関するルールの適法性の検証において、法務・コンプラ
   イアンス部門の関与を従来以上に強化いたします。
 ② 外部委託管理
   重要な業務を委託する委託先に対しては、委託業務における法務面等のリスクの度合いやステー
   クホルダーへの影響度合い等に応じて、業務運営状況の管理をきめ細かく行ってまいります。
 ③ 内部監査態勢
   内部監査については、法令等遵守態勢の有効性により一層重点を置き、グループ会社に対する監
   査を含め、その実効性を高めてまいります。
 ④ フィデューシャリー・デューティー
   当グループが提供するサービスのバリューチェーンに含まれる顧客、顧客の株主等のステークホル
   ダーの皆様に対するフィデューシャリー・デューティーの意識徹底を図るべく、グループ会社を含め
   た社員への教育・指導を拡充、強化いたします。
 ⑤ 証券代行業務における対策
   三井住友信託銀行では、JaSt と連携して、JaSt の法令等遵守態勢の強化、JaSt に対するモニタリ
   ング機能の強化に一層取り組むとともに、証券代行業務全般の業務プロセスにおける法的問題点
   等を主体的に検知するため、組織体制を強化いたします。


4 先付処理は、例年 3 月、5 月及び 6 月の株主総会が集中する繁忙月において実施していた処理であり、本事案が発覚した 2020 年 8
月以降、先付処理を実施したことはありません。
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      また、三井住友信託銀行及び JaSt では、第三者である弁護士・会計コンサルタントのサポートを受
      けて、議決権集計以外の証券代行業務にかかる業務プロセスについても、関連する規程やマニュア
      ル等について見直しを行い、業務の適切性の点検を進めております。




4.議決権行使の電子化の推進について
     本事案の背景には、株主総会の開催日が集中する繁忙月に、大量の郵送による議決権行使、それ
    に伴う膨大な集計業務が発生するということもあります。当グループとしては、より正確かつ迅速、また
    委託会社の株主にとって利便性の高い電子行使の普及の取り組みを従来以上に促進してまいります。


(1)委託会社の電子行使の採用促進
     三井住友信託銀行、東京証券代行、及び日本証券代行では従来から電子行使の普及拡大に取り組
    んできましたが、電子行使利用による、委託会社でのタイムリーな行使状況の把握や議決権行使書返
    送に伴うコスト削減等のメリットの訴求や、導入を促進するためのご提案等、電子行使採用会社の裾野
    の拡大に向けた施策の推進により、一層の電子行使採用の促進を図ってまいります。
     また、機関投資家の電子行使の利用促進に向けて、株式会社東京証券取引所や株式会社 ICJ 5等と
    も意見交換を行いながら、議決権電子行使プラットフォームの採用を促進すべく、委託会社に対する積
    極的な働きかけを行ってまいります。


(2)個人株主の電子行使の利用促進
     議決権行使の電子化の促進にあたっては、議決権行使の大半を占める個人株主への働きかけが重
    要であると認識しております。三井住友信託銀行、東京証券代行、及び日本証券代行が受託している委
    託会社の株主数ベースでは、既に 81%の個人株主が電子行使を利用できる環境にありますが、電子行
    使やスマートフォンによる行使(以下「スマート行使」)の認知度が低いこともあり、実際の電子行使率は
    19%にとどまっております 6。
     三井住友信託銀行、東京証券代行、及び日本証券代行では、委託会社の協力を得ながら、行使期限
    まで何度も議決権行使をやり直せる利便性の訴求やQRコードを利用して簡単に議決権行使ができるス
    マート行使の認知度向上を通じ、個人株主の電子行使の利用促進を図ってまいります。


     これらの取り組みを通じて、議決権行使の電子化を推進するとともに、市場全体の議決権行使率の向
    上にも貢献してまいります。




5.本事案の責任の所在の明確化について
     本事案の発生を招いたことにより、委託会社の皆様をはじめ、幅広い関係者の皆様に多大なご迷惑・
    ご心配をおかけすることとなり、役員及び社員一同、その責任を重く受け止めております。本事案の発生
    を踏まえまして、以下のとおり、責任の所在の明確化を行うことといたします。



5
  株式会社 ICJ は、機関投資家向けに株主総会での議決権の電子行使を可能にする「議決権電子行使プラットフォーム」の運営を主な事
業としている株式会社東京証券取引所の関係会社です。
6
  2020 年 5・6 月実績
                                3
(三井住友信託銀行株式会社)
 取締役社長                          橋     本         勝    月額報酬 20%減額 3 か月
 取締役専務執行役員                      海     原         淳    月額報酬 10%減額 3 か月
 常務執行役員                         下 別 府        俊 也     月額報酬 10%減額 3 か月
 執行役員 証券代行部長                    佐 藤         正 克      月額報酬 10%減額 3 か月


(三井住友トラスト・ホールディングス株式会社)
 取締役執行役社長                       大 久 保        哲 夫     月額報酬 10%減額 3 か月


【ご参考】
(日本株主データサービス株式会社)
 代表取締役社長                       日     向          研    月額報酬 10%減額 3 か月
 代表取締役副社長                      粟    野       徳   之    月額報酬 10%減額 3 か月




 本事案に関しまして、当グループに証券代行業務を委託頂いている委託会社の皆様、委託会社の株主
の皆様はもとより、資本市場参加者の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけいたしましたこと、改めてここ
に深くお詫び申し上げます。
 当グループは、コーポレートガバナンスの根幹を担い、社会から着実・堅確な業務遂行を期待される専
業信託銀行グループとして、その責任を改めて強く認識し、資本市場の健全な発展に貢献してまいります。


 なお、本件による三井住友トラスト・ホールディングスの2021年3月期の業績予想の変更はありません。


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<日本株主データサービス株式会社(JaSt)の概要>
商号         日本株主データサービス株式会社
           (Japan Stockholders Data Service Company, Limited)
本社所在地      東京都杉並区和泉2-8-4
設立         2008年4月1日
資本の額       20億円
出資者・出資比率   三井住友信託銀行                       50%
           みずほ信託銀行株式会社                    50%
事業内容       証券代行業務における株主名簿管理及び特別口座管理にかかる事務の受託に
           関する業務、株主名簿管理及び特別口座管理にかかるシステムの開発及び運営
           に関する業務


                       <本件に関する問い合わせ先>
              三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 広報室
                             TEL:03-6256-6302

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