8303 新生銀 2019-05-15 14:00:00
株主提案に対する取締役会意見に関するお知らせ [pdf]

             NEWS RELEASE
                                                                2019 年 5 月 15 日
各 位
                                                       会社名 株式会社新生銀行
                                                 代表者名 代表取締役社長 工藤 英之
                                                   (コード番号 : 8303 東証第一部)



                    株主提案に対する取締役会意見に関するお知らせ


 当行は、2019 年 6 月 19 日開催予定の第 19 期定時株主総会(以下「本総会」)における議案について、下記のと
おり株主提案を受けておりましたが、本日開催の当行取締役会において、株主提案に対する当行取締役会の意見と
して、本議案に反対することを決議しましたので、お知らせします。

1.   提案株主
      DALTON KIZUNA (MASTER) FUND LP(ダルトン・キズナ(マスター)ファンド・エルピー)

2.   株主提案の内容および理由
     (1) 株主提案の内容
          取締役 1 名選任の件
          議案の要領は、別紙に記載のとおりです。なお、提案株主から提出された株主提案書の該当記載を
         原文のまま掲載しております。

     (2) 株主提案の理由
          提案の理由は、別紙に記載のとおりです。なお、提案株主から提出された株主提案書の該当記載を
         原文のまま掲載しております。

3.   株主提案に対する取締役会の意見
      当行取締役会としては、本議案に反対いたします。

4.   取締役会意見の理由について
      当行取締役会は、慎重に審議・検討を重ねた結果、以下の理由から本議案に対しては「反対」いたします。

      ■ 独立社外取締役によるガバナンスの充分性の観点
        当行取締役会は 2 人の業務執行取締役と 5 人の独立社外取締役から構成され、独立社外取締役
         が過半数を占めております。また、本総会においても、2 人の業務執行取締役と 5 人の独立社外取締
         役の計 7 人の取締役の選任を付議しており、引き続き独立社外取締役が過半数を占め、業務執行
         に対する監督機能が十分に確保された取締役会の体制を維持することをご提案しており、取締役数を
         増員し社外取締役を更に追加する必要性は乏しいと考えております。

      ■ 取締役ポートフォリオの多様性と専門性の観点
        会社提案の選任候補者は 7 人中 6 人が会社経営の経験を持ち、金融に専門性を持つ選任候補者
         も 5 人いることから、Dalton 社が提案するローゼンワルド氏がお持ちの知見の領域については、全て会社
         提案の選任候補者で既に高い水準でカバーできており、その観点からも追加選任の意義は認められま
         せん。

      ■ 早期健全化法、およびこれに基づく経営健全化計画遵守の観点
        当行は、公的資金注入行として早期健全化法に基づき金融庁に提出している「経営の健全化のため
         の計画」(以下「経営健全化計画」)における計画値の一つとして、取締役の人数を 7 名と定めておりま
         す。当行取締役会は、経営健全化計画において定めた計画値である 7 人という取締役の人数を遵守
         する必要があり、かつ上記のように会社提案の 7 人は取締役ポートフォリオとしてベストと考えております
         ので、ローゼンワルド氏選任の必要性はありません。


                                      1
    公的資金返済は経営の最重要課題の一つであり、返済の道筋をつける取組みの一環としての株主還
     元の向上に関しては、名目的な 1 円配当のみの状況から大幅に改善し、「国内銀行の一般的な総還
     元性向の範囲内でその維持・向上を目指す」旨、当局との協議を踏まえ、経営健全化計画に記載す
     るに至りました。つまり、株主還元に関しては他の金融機関と遜色のない水準に近づきつつあり、返済
     原資を着実に蓄積していくことを前提とした早期健全化法の趣旨も踏まえると、株主の利益の最大化
     に向け、株主還元については、既に法令上可能な範囲で最大限の努力を行っていると考えております。
     Dalton 社の提案理由にある「大規模な自社株買い及び金庫株の消却」は、これまでの Dalton 社のご
     提案の金額規模を前提とすると、早期健全化法に基づく経営健全化計画で許容された総還元性向
     の範囲から逸脱するものであることが予想されます。このような、早期健全化法の趣旨に反するような提
     案を当行取締役会としては受け入れるべきでないと考えております。

■ 適切な取締役報酬の設計の観点
  以上に加え、Dalton 社は、その提案理由において、納税者資金が完全に返済されるまでは、取締役
   全員の現金報酬を 1 円以下とするとしています。しかし、適切な取締役を確保するために取締役の職
   責に相応しい金額の報酬が支払われるべきであることは当然であり、これは株主の利益の観点からも重
   要と考えます。Dalton 社の提案は、独立社外取締役を初めとする適切な取締役の人材確保の観点
   からも、当行取締役会としては不適切と考えております。なお、取締役の報酬については、2019 年 3 月
   20 日に設置した、独立社外取締役により構成される指名・報酬委員会における慎重な審議を経て、
   客観性・透明性ある手続のもと、適正な金額を決定いたします。
  なお、取締役の利害をより株主の利害と一致させるため、譲渡制限付株式を活用した取締役報酬に
   ついて、昨年度、株主総会の承認を経て業務執行取締役に導入済みであり、社外取締役に関しても
   非居住者に関する技術的な課題を解決した上での導入を検討中です。

■ 結論
  上記の点を踏まえ、指名・報酬委員会において慎重に議論を重ねた結果、会社提案の取締役選任
   候補者を本総会に付議しております。従いまして、当行取締役会は、当行取締役会が提案する取締
   役会構成が最良と考えており、本議案に反対いたします。


                                                          以 上


                                                お問い合わせ先:
                                         新生銀行 グループ IR・広報部
                                                  幡野、紀、風間
                                              Tel. 03-6880-8303




                           2
                                                                                  別 紙

【株主提案の内容および理由】
提案株主から提出された株主提案書の該当記載を原文のまま掲載しております。

1.   議案の要領

      取締役 1 名の選任を提案します。取締役候補者は以下の通りです2。

      <氏名> James B. Rosenwald III
      <生年月日> 1958 年 1 年 19 日
      <略歴及び重要な兼職の状況>
      1981 年〜1988 年
      Oliver R. Grace & Family, シニア投資アドバイザー、ポートフォリオマネージャー
      1984 年 Rosenwald Capital Management, Inc. 創業、会長 兼 CEO(現任)
      1996 年 Beach Front Properties LLC 共同創業、Managing Partner(現任)
      1998 年 Dalton Investments LLC 共同創業、Managing Partner(現任)
      2012 年 New York University, Leonard N. Stern School of Business 非常勤教授(現任)
      <所有する貴行の株式数> 0 株

2.   提案の理由

      弊社は株主に代わり、貴行の公的資金返済という全てのステークホルダー(政府、経営陣、株主)にとっての最
     重要課題の達成に資する一連の政策を提案してまいりました。残念ながらこれまでの進捗は迅速とは言えず、こ
     の度ローゼンワルド氏の貴行取締役としての選任を提案いたします。同氏が選任された場合、以下の内容を取締
     役会において提案させて頂きます。

      1.   納税者資金が完全に返済されるまでは、同氏自身を含んだ取締役全員の現金による報酬(但し、株式
           報酬は除き、株式報酬制度の一環としての金銭報酬債権の付与や信託等への資金拠出は除く)を 1 円
           以下とすること
      2.   経営陣と株主との利害一致を図るための株式所有を重視した新たな報酬制度の導入
      3.   大規模な自社株買い及び金庫株の消却


                                                                                  以上




2
 上記候補者が取締役に就任する際には、就任期間中、弊社の顧客及び弊社には、入手出来る情報及び貴行株式の取引に対して
制限がかかります。



                                             3