8303 新生銀 2021-09-17 16:00:00
SBI地銀ホールディングス株式会社による当行株式に対する公開買付けに関する意見表明(留保)のお知らせ [pdf]

                 NEWS RELEASE
                                                         2021 年 9 月 17 日
各   位
                                                   会社名   株式会社 新生銀行
                                             代表者名 代表取締役社長 工藤 英之
                                                   (コード:8303 東証第一部)


                  SBI 地銀ホールディングス株式会社による
            当行株式に対する公開買付けに関する意見表明(留保)のお知らせ


 当行は、SBI ホールディングス株式会社(以下「SBIHD」といいます。)の完全子会社である SBI 地
銀ホールディングス株式会社(以下「公開買付者」といい、SBIHD と総称して「SBIHD ら」といいま
す。)による 2021 年 9 月 10 日に開始された当行の普通株式(以下「当行株式」といいます。)に対す
る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
                      )に関して、本日、当行取締役会において取締役
全員の一致により、現時点においては、本公開買付けに対する意見の表明を留保する旨を決議いたし
ましたので、お知らせいたします。


 当行は、SBIHD らに対して質問を行っておりますが(詳細は下記「7.公開買付者に対する質問」
をご参照ください。、当行の質問に対する対質問回答報告書が公開買付者から提出され次第、対質問
         )
回答報告書の内容その他の関連情報を併せて慎重に評価・検討を行った上で、本公開買付けに対する
当行の賛否の意見を最終決定の上、表明する予定です。


 当行の株主の皆様におかれましては、当行から開示される情報に十分にご留意いただき、慎重に行
動していただきますよう、お願い申し上げます。


1.公開買付者の概要(注 1)

(1)     名                称   SBI 地銀ホールディングス株式会社

(2)     所        在       地   東京都港区六本木一丁目 6 番 1 号

(3)     代表者の役職・氏名            代表取締役 森田 俊平

        事    業       内   容   (1) 有価証券等の保有、管理、運用および取得等の投資事業
                             (2) 企業の営業譲渡、資産売買、資本参加、業務提携および
                                合併に関する調査、企画並びにそれらの斡旋、仲介
(4)                          (3) 経営一般に関するコンサルティング
                             (4) 会社の帳簿の記帳および決算に関する事務並びに経営、
                                経理に関する診断および指導
                             (5) 情報提供サービス業

                                    1
                            (6) システムの開発、販売およびレンタル
                            (7) 上記各号に附帯または関連する一切の業務

(5)   設    立   年   月   日    2015 年 8 月 25 日

(6)   資        本       金    100,000,000 円(2021 年 9 月 10 日現在)

(7)   大株主及び持株比率
                            SBI ホールディングス株式会社                    100.00%
      (2021 年 9 月 10 日現在)

(8)   当行と公開買付者の関係
                            公開買付者は、当行株式を 100 株(所有割合(注 2)     :0.00%)所
                            有しております。
      資    本       関   係    また、SBIHD は、当行株式を 42,737,700 株(所有割合:20.32%)
                            所有しております。
                            当行と公開買付者との間には、記載すべき人的関係はありませ
                            ん。
      人    的       関   係    また、  当行と SBIHD との間には、記載すべき人的関係はありませ
                            ん。
                            当行と公開買付者との間には、記載すべき取引関係はありませ
                            ん。
                            なお、当行と SBIHD との間には、以下の取引関係があります。
                            ・当行は SBIHD の関連会社であるマネータップ株式会社の株主
                             です。
                            ・当行は SBIHD の子会社である地方創生パートナーズ株式会社
                             の株主です。
      取    引       関   係    ・当行は SBIHD の子会社である SBI インベストメント株式会社
                             が設立運営する FinTech ビジネスイノベーション投資事業有
                             限責任組合、SBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合及び
                             SBI 4&5 投資事業有限責任組合へ出資しております。
                            ・SBIHD、SBI リーシングサービス株式会社及び SBI FinTech
                             Solutions 株式会社は当行との間で融資取引を行っておりま
                             す。
                            公開買付者は、当行の関連当事者には該当しません。
      関 係 当 事 者 へ の
                            なお、SBIHD は、当行株式を 42,737,700 株(所有割合:20.32%)
      該    当       状   況    所有する当行の主要株主であり、かつ筆頭株主です。

(注 1) SBIHD らに関する記載は、公開買付者が 2021 年 9 月 10 日に提出した公開買付届出書(以下
      「本公開買付届出書」といいます。
                     )の記載に基づくものです。
(注 2) 「所有割合」とは、当行が 2021 年 9 月 3 日に提出した「自己株券買付状況報告書」(金融商品
      取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。
                                                )第 24 条
      の 6 第 1 項に基づくもの)に記載された 2021 年 8 月 31 日現在の当行の発行済株式総数
      (259,034,689 株)から、当行が所有する同日現在の自己株式数(48,724,159 株)を控除した
      株式数(210,310,530 株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、別途の記載が
      ある場合を除き、比率の計算において同様に計算しております。
                                  )をいいます。以下、同じで
      す。

                                       2
2.買付け等の価格
  普通株式 1 株につき、2,000 円


3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由
(1)意見の内容
    当行は、現時点においては、本公開買付けに対する意見の表明を留保いたします。


(2)意見の根拠及び理由
    当行は、本公開買付けが開始されて以降、本公開買付けの内容を慎重に評価及び検討してまい
  りました。しかし、本日、当行取締役会において、取締役全員の一致により、以下の理由から、
  現時点においては、本公開買付けに対する意見の表明を留保する旨を決議しました。なお、当該
  取締役会には、当行の全ての監査役である監査役 3 名が出席し、出席した監査役はいずれも上記
  決議を行うことに異議がない旨の意見を述べております。


  (ア) 本公開買付けは、当行に対して、事前の連絡もないまま一方的に開始されたものであり、
      本公開買付けについて評価及び検討する上で重要であると考えられる多くの事項の詳細が
      明確ではないこと


        本公開買付けは、当行に対して、事前に何らの通知や連絡もなく、また、事前協議の機
      会もないまま、一方的に開始されたものです。SBIHD が当行の議決権の約 20%弱を取得し
      た 2021 年 3 月下旬以降、当行は、SBIHD から大株主としての意見を伺うべく、SBIHD に対
      して複数回にわたり会談等を申し入れて来ました。しかし、SBIHD からは、特に伝えるこ
      とは無いとの回答があったのみで、会談等の申し入れは応諾されず、SBIHD と当行経営陣
      との間で当行の経営のあり方等をめぐる協議は全くなされておらず、SBIHD から本公開買
      付けに関するご相談もいただけませんでした。
        このような中、公開買付者による本公開買付けの突然の公表を受け、当行は、本公開買
      付けに対する当行の意見を表明することに向けて、直ちに、本公開買付届出書の内容その
      他の関連情報を精査の上、本公開買付けの内容の評価及び検討を慎重に進めてまいりまし
      た。
        しかしながら、当行は、当行の株主の皆様に、本公開買付けに応募するか否かを適切に
      ご判断していただく前提となる意見を形成及び表明するためには、本公開買付届出書に記
      載された内容を含め、現時点までに入手することができた情報のみでは不十分であると考
      えております。また、本公開買付届出書では、SBIHD と当行との間の業務提携に関する協


                            3
  議・接触に関する事項が複数の箇所で記載をされていますが、当行の認識と大きく異なる
  箇所もあり(詳細は 2021 年 9 月 16 日付で公表しました「SBI 地銀ホールディングス株式
  会社による公開買付けにかかる意見表明に向けた当行の検討状況について」の別紙「SBI
  地銀ホールディングスによる当行株式の公開買付けまでの経緯に関する当行の認識」をご
  参照ください。、これらの点について SBIHD らにその内容を確認する必要があるとも考え
         )
  ています。
    したがって、当行としては、本公開買付けが当行の企業価値の向上及び株主の皆様の共
  同の利益を確保するために資するものであるかについては、公開買付者から詳細な情報を
  得た上で、慎重に分析及び検討を行う必要があると考えています。


(イ) 本公開買付けにより、SBIHD らは実質的に当行の経営を支配することが可能であると考え
  られるところ、少数株主の利益の観点から慎重に本公開買付けを評価及び検討する必要が
  あること


    本公開買付けにおいては、株式の買付予定数に上限が設けられており、応募株式数の合
  計が買付予定株式数の上限を超える場合には、超過した当行株式の買付けは行われませ
  ん。そして、当該上限は当行の総株主の議決権の過半数に満たない数に設定されていま
  す。当行の現状の株主構成及び過去における概ね 9 割前後の議決権行使比率に鑑みます
  と、SBIHD らは当行の総株主の議決権のうち過半数を取得しなくとも、実質的に当行の経
  営を支配することが可能であると考えられます。加えて、SBIHD は、銀行持株会社として
  の認可を取得するには不適切な子会社(すなわち、銀行持株会社の子会社としては行うこ
  とが出来ない業務を行っている子会社、例えば、SBIHD のバイオ・ヘルスケア&メディカ
  ルインフォマティクス事業に属する会社や不動産仲介業務を行う会社が含まれます。
                                       )を
  保有しており、その提案において、銀行持株会社となることもなく、また、発行済株式の
  全部を取得することもなく、あえて当行の議決権の過半数を取得することなく、最大で
  48%の所有割合に相当する当行株式の取得を求めるものです。それはすなわち、当行の総
  株主の議決権の過半数を取得することなく投資額を節減し、実質的に当行の経営を支配し
  ようとする提案にほかなりません。当行は、上記のとおり SBIHD らは当行の総株主の議決
  権の過半数を取得せずとも実質的な経営権を取得しうる状況にあるため、銀行持株会社と
  しての認可を取得することなく、いわば低額な投資により、残置された株主の犠牲のもと
  に、実質的経営権を取得することも可能な状態にあると考えています。このような手法に
  より当行の実質的な経営権が取得される事態は、当行の企業価値ないし株主の皆様共同の
  利益の最大化の観点から重大な問題をはらむものであり、残置された株主の投資は実質的
  に SBIHD の支配に服し、同社の利益に供されるおそれがあります。当行は、そのような認


                       4
     識の下、少数株主の利益の観点から慎重に本公開買付けを評価及び検討する必要があると
     考えています。


  (ウ) 金融サービス業の中核たる銀行として、高い公共性を有し、広く経済・社会に貢献してい
     くという重大な責任を負っている企業として、経営のあり方や当行を支配しうる大株主の
     あり方については慎重にこれを検討する必要があること


      当行は、上場企業として市場経済の発展に寄与すべき責務を負うと同時に、金融サービ
     ス業の中核たる銀行(預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け等の銀行業を行う会社)
     として、高い公共性を有し、広く経済・社会に貢献していくという重大な責任を負ってい
     る企業であります。当行はフルサービスの銀行業を営むものであり、当行の事業の公共性
     に鑑みても、当行経営のあり方や当行を支配しうる大株主のあり方については、予め当行
     と買収者との間で慎重かつ十分な検討と協議がなされるべきであるところ、このように一
     方的に開始された本公開買付けにより支配的な株主の異動が生ずることとなれば、当行経
     営の継続性が失われ当行経営に深刻な混乱が生じる可能性が高く、その結果として当行事
     業の公共性に悪影響が及び、広く経済・社会に貢献していくという当行の重大な責任を果
     たすことができなくなるおそれがあり、ひいては当行の企業価値ないし株主の皆様の共同
     の利益が害されるおそれもあります。当行は、そのような認識の下、慎重に本公開買付け
     を評価及び検討する必要があると考えています。


   公開買付者は、法第 27 条の 10 第 11 項及び金融商品取引法施行令 13 条の 2 第 2 項に従い、当
  行が提出した意見表明報告書の写しの送付を受けた日から5営業日以内に、下記「7.公開買付
  者に対する質問」及び別紙に記載された質問に対して、法 27 条の 10 第 11 項に規定される対質
  問回答報告書を提出することが予定されております。当行の質問に対する対質問回答報告書が公
  開買付者から提出され次第、当行は、対質問回答報告書の内容その他の関連情報を併せて慎重に
  評価・検討を行った上で、本公開買付けに対する当行の賛否の意見を最終決定の上、表明する予
  定です。
   株主の皆様におかれましては、当行から開示される情報に十分にご留意いただき、慎重に行動
  していただきますよう、お願い申し上げます。


(3)上場廃止となる見込み及びその事由
   当行株式は、本日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。
                                          )市
  場第一部に上場されております。
   本公開買付届出書によれば、本公開買付けは、当行株式の上場廃止を企図したものではなく、


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  本公開買付け成立後も引き続き当行株式の上場を維持する方針であることから、買付予定数の上
  限(58,211,300 株)を設定しているとのことであり、本公開買付け成立後に SBIHD らが所有す
  ることとなる当行株式の数は、最大で 100,949,100 株(所有割合:48.00%)にとどまる予定と
  のことです。したがって、本公開買付け成立後も、当行株式は、引き続き東京証券取引所市場第
  一部における上場が維持される予定とのことです(以上、本公開買付届出書 11 頁)。


(4)本公開買付け成立後の公開買付者による当行の株券等の追加取得の予定
   本公開買付届出書によれば、SBIHD らは、本公開買付けにより、(i)当行を SBIHD の連結子会
  社とすること、及び(ii)当行の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員体制を実現することを
  可能にするための議決権を確保することを企図しているとのことであり、本公開買付けによっ
  て、公開買付者が、上記(i)及び(ii)の目的を達成するために必要な当行株式を取得できた場合
  には、SBIHD らは、2021 年 9 月 10 日現在、本公開買付け成立後に当行の株券等を追加で取得す
  ることは予定していないとのことです。
   一方、本公開買付けによって、公開買付者が、上記(i)及び(ii)の目的を達成するために必要
  な当行株式を取得できなかった場合には、SBIHD らは、上記(i)及び(ii)の目的達成に向けて必
  要な範囲で、市場内取引その他の方法により当行株式を追加で取得することを予定しているとの
  ことですが、その手法、条件、実施時期及び適否について本公開買付け成立後の市場株価の動
  向、当行や当行の他の株主その他の関係者との協議状況、SBIHD らにおける資金調達の可否等を
  踏まえて決定した上で、取得する方針とのことです(以上、本公開買付届出書 11 頁)
                                          。


(5)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等
   本公開買付けは当行株式の上場廃止を企図したものではなく、また MBO や支配株主による公開
  買付けでもありません。また、公開買付者の完全親会社である SBIHD は当行の主要株主であり、
  かつ筆頭株主ではありますが、本公開買付けは当行に対して、事前の連絡もないまま一方的に開
  始されたものであることから、特に本公開買付けに関する意見表明の公正性を担保する必要があ
  ると判断される事情は本件ではないものと思料されます。
   但し、当行は、本プラン(下記「6.会社の支配に関する基本方針に係る対応方針」に定義さ
  れます。)の運用面に関して、独立社外役員が協議にあたり助言を得ることができるよう、当行
  取締役会から独立した独自の外部専門家(フィナンシャル•アドバイザー、弁護士、公認会計
  士、税理士等)を起用するものとし、かかる助言を得るに際して要した費用は、合理的な範囲で
  全て当行が負担することとしております。これにより、本プランの運用に際して、独立社外役員
  が外部専門家からの独立した専門的助言等を受けることができる体制を構築しています。


4.公開買付者と自社株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する


                          6
  事項
   該当事項はありません。


5.公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容
   該当事項はありません。


6.会社の支配に関する基本方針に係る対応方針
   本日付で公表しました「SBI 地銀ホールディングス株式会社からの当行株式を対象とする公開
  買付けの開始を受けた、株主意思確認を必須前提とする買収防衛策の導入に関するお知らせ」
  (以下「本買収防衛プレスリリース」といいます。
                        )に記載のとおり、当行は、本公開買付けの
  公表を受け、本日開催の当行取締役会において、当行の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利
  益を確保し、向上させることを目的として、
                     「当行の財務及び事業の方針の決定を支配する者の
  在り方に関する基本方針」
             (会社法施行規則第 118 条第 3 号。以下「本基本方針」といいます。
                                                )
  を決定し、さらに、本基本方針に照らして不適切な者によって当行の財務及び事業の方針の決定
  が支配されることを防止するための取組み(会社法施行規則第 118 条第 3 号ロ(2))として、買
  収防衛策(以下「本プラン」といいます。)を導入することを決議いたしました。


(1)本プランの導入の判断に至った経緯及び理由
   本公開買付けにおいては、株式の買付予定数に上限が設けられており、応募株式数の合計が買
  付予定株式数の上限を超える場合には、超過した当行株式の買付けは行われません。上記「3.
  当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」に記載のと
  おり、当行は、本公開買付けは、当行の総株主の議決権の過半数を取得することなく投資額を節
  減し、実質的に当行の経営を支配しようとする提案にほかならないと考えています。
   このような手法により当行の実質的な経営権が取得される事態は、当行の企業価値ないし株主
  の皆様共同の利益の最大化の観点から重大な問題をはらむものであり、残置された株主の投資は
  実質的に SBIHD の支配に服し、同社の利益に供されるおそれがあります。さらに、当行は、上場
  企業として市場経済の発展に寄与すべき責務を負うと同時に、金融サービス業の中核たる銀行
  (預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け等の銀行業を行う会社)として、高い公共性を有
  し、広く経済・社会に貢献していくという重大な責任を負っている企業であります。SBIHD が当
  行の議決権の約 20%弱を取得した 2021 年 3 月下旬以降、当行は、SBIHD から大株主としての意
  見を伺うべく複数回にわたり会談等を申し入れて来ました。しかし、SBIHD からは、特に伝える
  ことは無いとの回答があったのみで、会談等の申し入れは応諾されず、SBIHD と当行経営陣との
  間で当行の経営のあり方等をめぐる協議は全くなされておりませんでした。そうした状況の中、
  本公開買付けは当行へ何らの予告も説明も協議も無く突然開始されたものであります。当行はフ


                          7
  ルサービスの銀行業を営むものであり、当行の事業の公共性に鑑みても、当行経営のあり方や当
  行を支配しうる大株主のあり方については、予め当行と買収者との間で慎重かつ十分な検討と協
  議がなされるべきであるところ、このように一方的に開始された本公開買付けにより支配的な株
  主の異動が生ずることとなれば、当行経営の継続性が失われ当行経営に深刻な混乱が生じる可能
  性が高く、その結果として当行事業の公共性に悪影響が及び、広く経済・社会に貢献していくと
  いう当行の重大な責任を果たすことができなくなるおそれがあり、ひいては当行の企業価値ない
  し株主の皆様の共同の利益が害されるおそれもあります。
   かかる認識の下、SBIHD らによる本公開買付けの公表を受け、当行取締役会は、当行の企業価
  値ないし株主の皆様共同の利益の最大化を妨げる事態が生じないよう、本公開買付けを含む大量
  買付行為(本買収防衛プレスリリースにて定義されます。)が当行の企業価値やその価値の源泉
  に対してどのような影響を及ぼし得るかについて、株主の皆様が適切なご判断を下すための情報
  と熟慮のための時間を確保するため、かかる大量買付行為は、当行取締役会の定める一定の手続
  に基づいてなされる必要があるとの結論に至りました。
   その結果、当行取締役会は、本日開催の当行取締役会において、当行の企業価値ひいては株主
  の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として、本基本方針を決定すること及び本
  プランを導入することを決議いたしました。


(2)株主意思確認総会の開催確保のための措置及び今後の手続等
   本プラン上、仮に、当行取締役会が本公開買付けに反対であり、これに対して対抗措置を発動
  すべきであると考える場合には、株主総会を開催することを取締役会評価期間(下記にて定義さ
  れます。)内に決定し、当該決定後速やかに株主総会を開催することになっています(以下「株主
  意思確認総会」といいます。。株主意思確認総会においては、対抗措置の発動に関する議案に対
               )
  する賛否を求める形式により、本公開買付けがなされることを受け入れるか否かに関する株主の
  皆様のご意思を確認します。株主意思確認総会において、株主の皆様が、当行取締役会が提案す
  る対抗措置の発動に関する議案が普通決議をもって承認され、かつ、本公開買付けが中止又は撤
  回されない場合には、当行取締役会は、かかる株主の皆様のご意思に従い、対抗措置((a)差別的
  行使条件等及び取得条項等が付された新株予約権(以下「甲種新株予約権」といいます。
                                         )の無償
  株主割当て、及び(b)それに続いて、当行株式を対価として非適格者(本買収防衛プレスリリース
  にて定義されます。
          )以外の保有者から当該新株予約権を強制取得することにより、大量買付者の
  保有する当行の議決権を希釈化すること)を発動します。これに対し、株主意思確認総会におい
  て株主の皆様が対抗措置の発動に関する議案を承認されなかった場合には、当行取締役会は、株
  主の皆様のご意思に従い、対抗措置を発動しません。


   そして、株主意思確認総会の開催の確実を期すため、当行は、SBIHD らに対して、本日付けの書


                        8
簡において、2021 年 9 月 30 日の正午を期限として、公開買付期間の終了日を 2021 年 12 月 8 日
(水曜日)
    (法令上認められる最長の公開買付期間である 60 営業日にあたる日)まで延長するこ
とを内容とする公開買付届出書の訂正届出書を提出することを要請いたしました。


 当行の今後の対応は、SBIHD らが当行の要請に対して、どのように対応するかによって、大要、
以下の 2 つの可能性があります。


 (ア)公開買付者が 2021 年 9 月 30 日の正午までに、公開買付期間の終了日を 2021 年 12 月 8
 日(水曜日)まで延長した場合


    当行取締役会は、公開買付者から提出された情報に基づき、本公開買付けがなされること
  に賛同するか反対するか、また、反対する場合に対抗措置を発動すべきかを評価検討いたし
  ます。当行取締役会は、本公開買付けの是非について株主の皆様に適切にご判断いただくた
  め、及び当行取締役会において評価・検討等を行うため、公開買付者に対し、必要に応じ情
  報の提供を請求することができるものとします。
    当行取締役会は、本日以降、必要に応じて当行から独立した地位にある第三者(投資銀
  行、証券会社、ファイナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士その他の専門家を含
  みます。)の助言を得ながら、公開買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、本公開
  買付けに関する当行取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公開買付者に通知するとと
  もに、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行います。この過程において、当行独立社外
  役員は取締役会の場とは別に独立社外役員のみによる協議を行うことを妨げられず、また、
  独立社外役員のための外部専門家の助言を得ることもできます。
    また、必要に応じて、当行取締役会は公開買付者との間で本公開買付けに関する条件・方
  法について交渉し、さらに、当行取締役会として、株主の皆様に代替案を提示することもあ
  ります。


    当行取締役会による上記の評価・検討については、本日以降可及的速やかに実施します
  が、評価・検討のため必要な資料の準備等に要する時間も考慮し、十分な検討ができるよ
  う、30 日程度の期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)を見込んでおります。なお、
  当行取締役会が取締役会評価期間内に対抗措置の発動又は不発動に関する決議に至らないこ
  とにつきやむを得ない事情がある場合、当行取締役会は、必要な範囲内で取締役会評価期間
  を最長 30 日間(当初の取締役会評価期間の満了日の翌日から起算します。
                                     )延長することが
  できるものとします(なお、当該延長は 1 度に限るものとします。。当行取締役会が取締役
                                  )
  会評価期間の延長を決議した場合、当該決議された具体的期間及びその具体的期間が必要と
  される理由について、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行います。
    本公開買付けによる当行株式の買付けは、取締役会評価期間の経過後(但し、株主意思確
  認総会が開催されることとなった場合には、対抗措置の発動に関する議案の否決及び同総会


                            9
    の終結後)にのみ開始されるべきものとします。


   (イ)公開買付者が 2021 年 9 月 30 日の正午までに、公開買付期間の終了日を 2021 年 12 月 8
   日(水曜日)まで延長しなかった場合


      この場合、SBIHD らが、株主意思確認総会を開催する以前において公開買付けによる買付け
    を実行しようとする可能性があるため、当行取締役会は、当行株式 1 株につき 1 個の割合で
    なされる甲種新株予約権の無償割当て(以下「本暫定措置」といいます。
                                    )のみを先行して暫
    定的に実施した上で、株主意思確認総会を開催し、株主の皆様のご意思を確認するものとし
    ます。
      当行は、株主意思確認総会を開催することとなった場合及び本暫定措置を実施することと
    なった場合に備え、株主意思確認総会において議決権を行使することができる株主及び本暫
    定措置に基づく甲種新株予約権の無償割当てを受ける株主を確定するため、2021 年 10 月 13
    日(水曜日)を基準日と定め、同日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主をもって、
    株主意思確認総会において議決権を行使することができる株主及び本暫定措置に基づく甲種
    新株予約権の無償割当てを受ける株主といたします。株主意思確認総会における開催日時及
    び開催場所、付議議案の詳細につきましては、今後開催する取締役会において決定次第、お
    知らせいたします(詳細は、本日付で公表しました「臨時株主総会招集及び新株予約権無償
    割当てに係る基準日設定に関するお知らせ」をご参照ください。。
                                 )


7.公開買付者に対する質問
   添付別紙をご参照ください。


8.公開買付期間の延長請求
   該当事項はありません。
   但し、上記「6.会社の支配に関する基本方針に係る対応方針」に記載のとおり、当行は SBIHD
  らに対して、本日付けの書簡において、株主意思確認総会の開催の確実を期すため、2021 年 9 月
  30 日の正午を期限として、公開買付期間の終了日を 2021 年 12 月 8 日(水曜日)まで延長するこ
  とを内容とする公開買付届出書の訂正届出書を提出することを要請いたしました。公開買付者
  が、この要請に応じた場合、本公開買付けの公開買付期間は 60 営業日となります。なお、公開買
  付者が当行からの要請に対して 2021 年 9 月 30 日の正午までに応じない場合、当行は、甲種新株
  予約権の無償株主割当てを実施することとなります。詳細は、上記「6.会社の支配に関する基本
  方針に係る対応方針」の「(2)株主意思確認総会の開催確保のための措置及び今後の手続等」の
  「(イ)公開買付者が 2021 年 9 月 30 日の正午までに、公開買付期間の終了日を 2021 年 12 月 8 日
  (水曜日)まで延長しなかった場合」をご参照ください。



                              10
                          以 上


            お問い合わせ先
     新生銀行 グループ IR・広報部
            下村、紀、伊佐
      Shinsei_PR@shinseibank.com




11
                     公開買付者に対する質問

 本公開買付けは、SBI 地銀ホールディングス株式会社を公開買付者とするものです
が、本公開買付届出書によれば、本公開買付けの実施決定者として、SBI ホールディ
ングス株式会社の代表取締役社長の氏名が記載されているため、     実質的な決定主体は、
当行の主要株主であり、  かつ筆頭株主である SBI ホールディングス株式会社と理解し
ております。そのため、質問の宛先として、SBI 地銀ホールディングス株式会社のみ
ならず、SBI ホールディングス株式会社も含めております。
 なお、事前協議が一切なくして開始された公開買付けであることにより、公開買付
けの開始の経緯や公開買付届出書に記載された内容に関連して確認を要する部分が
多く、質問が様々な領域に亘っております。当行の株主の皆様が判断を行うための情
報提供を目的としておりますので、何卒、詳細なご回答をよろしくお願いします。

1 SBIHD らについて
(1)公開買付者の概要等
    ① 公開買付者の組織概要、事業内容、財務内容、並びに役員の氏名、職歴及び
       SBIHD との関係性についてご教示ください。

(2)SBIHD らの過去の投資活動、資本業務提携等
  ① SBIHD らの当行以外の主要な投資先、投資方針の詳細、過去 5 年間における
     主要な投資活動の詳細をご教示ください。
  ② SBIHD らの上記①の投資後の実績の推移がどのようなものであったかを具体
     的にご説明ください。

2 本公開買付けに至った経緯について
(1) 本公開買付けの開始の動機について
   ① 本公開買付届出書によれば、         「2021 年 7 月上旬に、対象者から、議決権行使の
     理由や事業提携について対話を求める書面を受領しておりますが、 「                  上記 (1)
     本公開買付けの概要」のとおり、従前の SBIHD との資本業務提携に関する提
     案や SBI 証券との証券業務に関する提携の提案に対する反応等を踏まえると、
     現経営陣と事業提携の協議をしても従前の議論からは発展は見込めないと考
     えた」  と記載されています。      「従前の SBIHD との資本業務提携に関する提案」
     とは 2019 年 9 月のご提案と解されますが、         同年 8 月 28 日時点の SBIHD によ
     る当行株式の所有割合は 4.66%とのことです。それに対し、2021 年 7 月上旬
     の当行からの対話の申入れは、SBIHD が当行株式の 20%弱の取得を取得し、
     2021 年 6 月 23 日開催の当行の定時株主総会における SBIHD による議決権行
     使の結果を踏まえて、        当行の株主としてのご要望を拝聴するための SBIHD へ
     の対話の提案であり、これまでの当行と SBIHD との間の協議・会話とは異な
     る段階に入っております。そうした状況下で、              「従前の議論からは発展は見込
     めないと考えた」ことの根拠を具体的にご教示ください。
   ② 上記①に関して、       「SBI 証券との証券業務に関する提携の提案」については、
     当行は証券業務に関する業務提携自体を拒絶したわけではなく、複数の証券
     会社から提案を受けた上で、当行が最善と考えた先と証券業務に関する業務
     提携を行うこととしたものです。当行にとって最善なものを選択するのは、
     当行の株主の皆様に対する当然の義務と考えておりますが、ご自身の提案が
     受け入れられず、競合する事業者を当行が提携先として選んだことが不服な
    のでしょうか。
  ③ 上記②に関して、     仮に自己の提案がより優れていたことを示すわけでもなく、
    大株主である自己の提案が受け入れられて当然であることを前提理解とする
    のであれば、そのような立論は受け入れ難いと当行は考えております。当行
    経営陣は、  当行の株主の皆様全体の利益を考える義務があり、      とりわけ、この
    ような提携の無理強いは、     もっぱら SBIHD のみの利益に帰するものであると
    当行は考えております。これについて、SBIHD は、当行の少数株主の利益の
    配慮の観点から、     どのように考えられておられるか具体的にご教示ください。
  ④ 本公開買付届出書では、     「現経営陣と事業提携の協議をしても従前の議論から
    は発展は見込めないと考えた」と記載されていますが、当行は SBIHD からの
    提案に対しては、実現可能性等を含めて真摯に検討をして参りました。例え
    ば、2019 年 9 月の提携提案は、最初のステップとして一般株主から株式をそ
    の時点の時価で買い取り、     次のステップとして当行を非上場会社とした上で、
    公的資金の返済として、一般株主への支払の金額を超える金額での株式の買
    取りを行うという提案を不可分の一部とした提携を目的とした提案でありま
    したが、当行は、最初のステップで株式をお譲りいただく一般株主の保護の
    見地から、かかるステップの全内容を開始前に開示しない限り、かかる提案
    は到底受け入れられないものであると考えるとともに、一般株主の利益を軽
    んずる提案がなされたことに対して大変危惧しておりました。当行からは、
    SBIHD からの提案の実現可能性の点で疑問が残る旨申し上げたところ、
    SBIHD からは、その点について代替策が示されることもありませんでした。
    本公開買付届出書では、このような提携提案の不可分の重要な一部を記載し
    ないまま、   あたかも当行が SBIHD の提携提案を理由もなく拒絶しているかの
    ような印象を作出していることは、大変遺憾であると考えています。公開買
    付届出書の訂正を含めて、ご検討ください。

(2)本公開買付けの検討開始時期、検討内容等について
  ① 本公開買付けの検討開始時期、検討内容を具体的にご説明ください。本公開
    買付届出書では 2021 年 8 月上旬から買付予定の株券等の数などの諸条件を決
    定されたと記載されていますが、本公開買付けによる株式取得に関して 2021
    年 8 月 13 日付で銀行法上の認可の申請を行われていることや、               海外当局から
    の承認取得にも相応の期間を要することを考慮すれば、2021 年 8 月上旬より
    も早い段階で公開買付けの検討を開始されていたものと理解しています(例
    えば、  ニュージーランド海外投資局からの承認を 2021 年 9 月 2 日付で取得し
    ていますが、同局の公式ウェブサイトによれば、公開買付者が取得した
    「Significant business assets only」の種別の承認取得に関する平均的な処理期間
    は、2020 年 7 月から 2021 年 6 月までの期間において、承認申請の提出から
    61 営業日であるとされています。。                )
  ② 上記①に関連して、本公開買付届出書では、2019 年 9 月上旬に、               「SBIHD が
    対象者株式の公開買付けを実施するためのデューディリジェンス実施のため
    の協力の依頼等を行いました」とありますが、公開買付けの開始の検討はこ
    の時点から継続して存在していたということになりますでしょうか。少なく
    とも、当行が対話を提案した 2021 年 7 月上旬の時点では、当行とのいかなる
    話し合いも拒絶し買増しをするという意思決定をしていたと理解してよろし
    いでしょうか。

                              2
  ③ 本公開買付けの期間・開始時期が適切と判断された理由を具体的にご説明く
    ださい。
  ④ 本公開買付けが成立した場合、当行株式の流動性が低下することから、現在
    予定されている株式会社東京証券取引所の市場区分変更により当行株式が割
    り当てられる市場区分に影響を与える可能性があります。これに対する
    SBIHD のご見解をご教示ください。

(3)過去の当行株式取得の状況、経緯
  ① 本公開買付届出書によれば、       「SBIHD は、  将来的な株価の上昇による値上がり
    益の実現及び配当収入により、対象者株式に対する投資から得られる投資利
    益の向上を目的として」      (下線は当行によるもの。、      ) 2020 年 1 月 7 日に当行株
    式 13,004,000 株(所有割合:6.18%)を所有するに至ったとのことですが、同
    じく、それに先立つ時点のこととして、本公開買付届出書において、                     「SBIHD
    グループと対象者グループの事業が相互補完的であり、両グループの経営資
    源を有機的に組み合わせることができれば顧客の利便性向上につながり、両
    グループの企業価値向上を図ることができると考えたことから、SBIHD は、
    2019 年4月2日から同年8月 28 日までの期間において断続的に対象者株式
    11,281,100 株(所有割合:5.36%;当該時点の所有割合(注)         :4.66%)を市場
    内取引により所有するに至りました」          (下線は当行によるもの。         )と記載され
    ており、2019 年 8 月 28 日から 2020 年 1 月 7 日にかけて当行株式の取得目的
    に変更があったものと見受けられますが、当該変更の理由についてご教示く
    ださい。

(4)公開買付けに関する事前の通知・連絡を行わなかった点について
  ① 事前に当行に対して通知・連絡することなく、        突然、本公開買付けを開始する
    ことが、SBIHD らが要望される当行との資本業務提携の実現に向けてどのよ
    うな影響を与えるかについて、      いかなる評価・検討を行われたのかにつき、  具
    体的にご説明ください。なお、ご説明にあたっては、以下の 2 点をご留意く
    ださい。
     本公開買付届出書では、     「従前の SBIHD との資本業務提携に関する提案
      や SBI 証券との証券業務に関する提携の提案に対する反応等を踏まえる
      と、現経営陣と事業提携の協議をしても従前の議論からは発展は見込めな
      いと考えた」ことが理由として記載されています。しかしながらこれは、
      これまで個別事業分野での連携に関して当行から提案を行っていたとこ
      ろ、上記(1)①のとおり、   貴社による当行株式の取得及び当行株主総会にお
      ける議決権行使の内容を勘案すれば、        貴社が当行経営に対してご意見をお
      持ちであり、  従前とは明らかに異なる状況と考え、      当行取締役会として貴
      社に対して対話を提案したものです。これまでの当行と SBIHD との間の
      協議・会話とは異なる段階に入っており、        「従前の議論からは発展は見込
      めないと考えた」  ことは説得力のあるご主張ではないと当行は考えていま
      す。
     本公開買付届出書では、     「未確定の情報の漏洩により市場株価が乱高下す
      る状況を招く可能性」     の観点を掲げられていますが、   本公開買付届出書に
      おいては、2019 年 9 月上旬に SBIHD が「対象者株式の公開買付けを実施
      するためのデューディリジェンス実施のための協力の依頼等を行いまし

                              3
       た」
        (下線は当行によるもの。  )とあるように、公開買付けのご相談を頂戴
       しており、当行はこれを公にすることは一切なかったことも踏まえますと、
       漏洩の恐れは理由にならないのではないかと当行は考えています。また、
       業務提携について、 金融機関同士が協議するのは日常的なことであり、      そ
       の際、公表までは秘密として扱うことは、常識以前の問題であり、当行が
       この点において疑念を持たれる理由は些かもありません。       この懸念が現実
       的なものであれば、SBIHD は「SBI 証券との証券業務に関する提携の提
       案」も、地方創生パートナーズ社に係る提携の協議も、当行との間で行う
       ことができないはずです。
 ②   上記①に関連して、当行の株主、お客さま、従業員、取引先等あらゆるステー
     クホルダーに対して少なからぬ驚きや懸念を与えることは十分想起され、当
     行が協議を提案しているにも拘わらず、事前の協議一切なく本公開買付けの
     開始に至ったのは、当行経営にネガティブな影響を与えるのみならず、各種
     ステークホルダー全体を軽視しているとも受け止められかねないと考えてお
     ります。お考えをお示しください。
 ③   上記と同様に、事前に当行に対して当行株式の買付けについて何らの協議も
     申し入れることなく、突然、  本公開買付けを開始することが、     当行のステーク
     ホルダーの皆様(当行の取引先様、従業員、他の株主等を含みます。       )にもた
     らす不安・混乱等の影響、 ひいては、 当行の企業価値に及ぼす影響について、
     いかなる評価・検討を行われたのかにつき、具体的にご説明ください。
 ④   上記③に関連して、本公開買付届出書では、    「金融業においては人材こそが価
     値の源泉であり、特に対象者においては、小口ファイナンスやストラクチャ
     ードファイナンスなど専門性の高い分野において優秀な人材を多数抱えてい
     ることから、これらの従業員の皆様の雇用を守ることは当然ながら、提携に
     伴う業務拡大において必要不可欠な存在であると考えており、SBIHD らとし
     ては更なる活躍の場を提供させていただきたいと考えております」と当行の
     従業員について評価を頂いておりますが、事前に何ら協議なく「意向に沿わ
     ない人間を代える」ためと見える一方的に開始された本公開買付けにより、
     当行の従業員の間では懸念・不安の声が聞こえております。当行としてはこ
     れらをきっかけとした大量離職が発生するのではないかとの懸念も有してお
     りますが、こうした公開買付けを開始することによる当行の従業員に対する
     影響についてどのような分析・評価をされたのでしょうか。      過程を含めて、 詳
     細をご教示ください。
 ⑤   上記③に関連して、SBIHD 及びそのグループ会社(  「SBIHD グループ」とい
     います。)のレピュテーション、ひいては今後の地域金融機関向けサービス提
     供や地域金融機関に対する資本・業務提携の申出に対する反応など、事業活
     動に及ぼす悪影響をどう評価されているか、詳細をご教示ください。

(5)事前の他の株主との接触又は協議について
  ① 本公開買付けに関して、SBIHD らが当行株主、当行の取引関係先、その他の
    第三者との間で、何らかの連絡、協議、合意、その他の意思連絡等をなされた
    か、なされた場合にはその具体的な内容をご教示ください。  また、今後このよ
    うな連絡、協議、合意等を行う予定がある場合は、  その相手先及び内容等につ
    いて、具体的にご教示ください。


                       4
(6)大量保有報告書の記載(純投資目的)について
  ① SBIHD が 2021 年 9 月 10 日に提出した当行株式に関する大量保有報告書の変
    更報告書(No12)では、2021 年 9 月 9 日付で保有目的が「純投資」から「企
    業価値の向上及び株主等の利益のため、重要提案行為等を行うこと」に変更
    がなされ、また公開買付者が SBIHD の共同保有者として追加されています。
    かかる変更のタイミングについての適切性・適法性についてどのような分析
    をされているか具体的にご教示ください。             なお、ご回答に際しては、     本公開買
    付届出書にて、     (ア)SBIHD において、2019 年 9 月上旬、SBIHD の経営陣が
    当行社長に対して、当行を連結子会社又は持分法適用関連会社として SBIHD
    グループの中核的企業として位置付けるため、関連当局の許認可取得を前提
    に議決権割合にして最大で 33.4%から 48%の範囲で対象者株式を取得するこ
    と及び、SBIHD が対象者株式の公開買付けを実施するためのデューディリジ
    ェンス(以下「DD」といいます。         )実施のための協力の依頼等を行ったと記載
    されていることや、       (イ)2019 年 11 月中旬から 2020 年 10 月上旬にかけて、
    SBIHD グループとして地方創生における連携に関する協議を行いつつ、証券
    業務分野における提携の可能性など個別業務に関する議論は継続して行って
    きたとの記載との整合性についてのご説明も含めてください。

3 本公開買付けの経緯・内容・価格

(1)上限及び下限の設定理由
  ① 本公開買付けは買付予定数に上限を設定されており、    最大で 58,211,300 株(所
    有割合にして 27.68%、SBIHD らの現所有分を加味した所有割合にして
    48.00%)まで取得するいわゆる 「部分買付け」に該当します。 部分買付けは、
    公開買付けの対象会社の株主が公開買付けの成立後、対象会社の企業価値が
    低下すると考える場合においても、当該公開買付けの阻止のために公開買付
    けへの応募を控えるのではなく、むしろ売却をするインセンティブを持つ点
    において、   いわゆる強圧性があるとされています。 この強圧性に対して、       どの
    ような検討プロセスを経た上で、部分公開買付けの開始をされたのか、具体
    的にご教示ください。
  ② 本公開買付けに買付予定数に上限を設定された理由として、本公開買付届出
    書では、 SBIHD が銀行持株会社となることについての銀行法第 52 条の 17 第
          「
    1項に定める内閣総理大臣の認可(以下「銀行持株会社認可」といいます。            )
    を含む各種法令上の許可等の取得が必要となりうること」    が挙げられつつも、
    SBIHD が掲げられた目的(事業上の提携関係の構築・強化、当行の役員の全
    部又は一部を変更)   のために追加の株式の取得の可能性も示唆されています。
    このように、当行取締役の選定を実質的に支配することを目的とし、あるい
    は会計基準上の連結子会社となる可能性を認識しているのであれば、本来的
    には株主、とりわけ少数株主との利益相反の問題を回避するために、銀行持
    株会社認可を得て 100%の株式を取得されるべきであると当行は考えますが、
    SBIHD が銀行持株会社認可を取得することに関する見込みについてご教示く
    ださい。なお、ご回答にあたっては、SBIHD が、銀行持株会社としての認可を
    取得するには不適切と思われる子会社(すなわち、銀行持株会社の子会社と
    しては行うことが出来ない業務を行っている子会社)を保有されていること
    をどのように解決されるのかをご言及ください。

                           5
  ③ 上記②に関連して、銀行持株会社として保有するのが不適切な、SBIHD の子
    会社の事業を継続するために、当行を銀行法上の子会社とすることを技巧的
    に回避することは、当行のようなフルレンジの銀行業務を行なう銀行の少数
    株主が、銀行持株会社であれば得られるであろう保護が得られなくなるもの
    であると当行は考えますが、その点についてお考えをご教示ください。

(2)方法として公開買付けを選択した理由
  ① 当行の株式の買い集めの手法として、約 20%までは市場で買い増しを進め、
    その後、公開買付けを選択された理由をご教示ください。

(3)公開買付価格の算定根拠及び資金の裏付け
  ① SBIHD らは、当行に対して簡易的なレベルのものを含めて DD は、一切行わ
    れていないと認識をしていますが、そのような分析が十分とは言えない状況
    の中、  市場株価に対して一定のプレミアム   (注)を付された上で公開買付けの
    公表をされています。  SBIHD らの役員の善管注意義務 忠実義務の観点から、
                                 ・
    上記についてどのような整理をされているのか、具体的にご教示ください

    (注)本公開買付届出書では「本公開買付価格である 2,000 円は、本公開買付
    けを実施することについての公表日の前営業日である 2021 年 9 月 8 日の東京
    証券取引所市場一部における対象者株式の終値 1,453 円に対して 37.65%(小
    数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)につ
    いて同じです。    )のプレミアムを加えた価格、過去1ヵ月間(2021 年 8 月 10
    日から 2021 年 9 月 8 日)の終値単純平均値 1,416 円(小数点以下四捨五入。
    以下、終値単純平均値の計算において同じです。               )に対して 41.25%のプレミ
    アムを加えた価格、過去 3 ヵ月間(2021 年 6 月 9 日から 2021 年 9 月 8 日)
    の終値単純平均値 1,460 円に対して 36.95%のプレミアムを加えた価格、過去
    6 ヵ月間(2021 年 3 月 9 日から 2021 年 9 月 8 日)の終値単純平均値 1,591 円
    に対して 25.71%のプレミアムを加えた価格です。また、本書提出日の前営業
    日である 2021 年 9 月 9 日の東京証券取引所一部における対象者株式の終値
    1,440 円に対して 38.89%のプレミアムを加えた価格となります。 とされてい    」
    ます。
  ② 上記①に関連して、本公開買付届出書によれば、2021 年 7 月上旬に、当行か
    ら事業提携について対話を求める申し入れを行うに至っているという記載が
    あります。当該記載を前提とした場合、SBIHD が、            「当行に DD を求めたとし
    ても応じられることはなかった」と考えられるのは不自然ではないでしょう
    か。
  ③ 本公開買付届出書では、      「シティバンクは公開買付者が本公開買付けに係る決
    済及び諸費用の支払に要する資金を SBIHD が公開買付者に対して貸し付ける
    資金等を、SBIHD に対して貸し付けることを予定しております」とあり、シ
    ティバンクからの借入れ資金を本公開買付けの決済のために使用するものと
    理解しています。本公開買付けの決済の確実性を確認するため、シティバン
    クからの融資証明書をご開示ください。また、本公開買付届出書の「第8【買
    付け等に要する資金】      」の「 (2)【買付け等に要する資金に充当しうる預金又
    は借入金等】 においてシティバンクからの借入れに関する記載がないことと
             」
    の関係をご教示ください。

                           6
(4)今後の買付条件の変更の有無
  ① 当行が提出した意見表明報告書に記載のとおり、   当行は公開買付者に対して、
    本プラン(意見表明報告書に定義された意味を有します。   )上の株主意思確認
    総会を開催するために、公開買付期間を 60 営業日まで延長することを要請し
    ています。かかる要請に対して、応じていただけるか否かご教示ください。   要
    請を謝絶される場合には、その理由を具体的にご教示ください。

4 本公開買付け後の方針について
(1)本公開買付け後の当行の経営への関与の方針
   SBIHD らが提示するガバナンス体制は、 機関銀行化回避及び当行少数株主利益の
   最大化の観点から果たして十分か、という問題意識を持っております。万が一機
   関銀行化することがあれば、少数株主の株式価値は著しく毀損しうるためです。
   そのような問題意識に基づき、以下、具体的な質問をさせていただきます。
   ① 現状、当行取締役 7 名の内、5 名は独立社外取締役です。また、それが極めて
      高いフィデューシャリー・デューティーの意識に基づいた、   政府(預金保険機
      構及び整理回収機構)を含む株主一般の利益に忠実なガバナンスを可能とし
      ていると考えます。本公開買付届出書によれば、SBIHD らは、独立社外取締
      役の人数を、半数未満となりうる「3 分の 1 以上」とするとのことですので、
      当行が採用している独立社外取締役によるガバナンスを弱めるということに
      なり、これは近時のガバナンスをめぐる議論と逆行するものと思料いたしま
      す。どうして、そのような体制が「最適な役員体制」とお考えなのでしょう
      か。
   ② 上記に関連して、SBIHD らは、当行の取締役の構成に関して業務執行取締役
      (社内取締役)を増やすべきというお考えなのか、ご教示ください。
   ③ 上記に関連して、SBIHD らは「独立社外取締役が多数を占める任意の指名委
      員会及び報酬委員会の維持・採用」されるとのことですが、これにより、独立
      社外取締役の割合が減少することの対応策として十分であるとのお考えなの
      でしょうか。
   ④ 「利益相反管理体制」においては、とりわけ市場価格の存在しない取引の取
      扱いが重要になると考えております。   市場価格の存在しない取引については、
      どのように管理される予定でしょうか。
   ⑤ 独立社外取締役による牽制が機能するためには、高い見識、専門性及び多様
      性が不可欠というのは、  近時のコンセンサスとなっていると当行は考えます。
      また、 本公開買付けは、完全買収ではないことから、  多くの少数株主の皆様が
      引き続き当行の株主となりますことから、独立社外取締役の役割が少数株主
      保護の観点から重要となります。以上より、今後の経営を託す独立社外取締
      役の具体名は、 当行の株主の判断にとって、  極めて重要な事項と考えます。本
      公開買付届出書によれば、  「本公開買付けの公表・開始前に対象者の役員候補
      者となりうる人物との十分な接触ができていない」とのことですが、本公開
      買付けが公知となった今、現況についてご教示ください。
   ⑥ 本公開買付けが成立した場合に就任予定の役員と公開買付者らの関係をお示
      しください。
   ⑦ 本公開買付届出書によれば、取締役会の構成について「特定の外資系証券会
      社等、 社外取締役の出身母体に偏りがある」  とのことですが、偏りがあるとい

                     7
    う言葉が「同じ企業グループからの出身取締役が複数名いる」という意味で
    あれば、ゴールドマン・サックス証券株式会社の出身の取締役が 2 名いるこ
    としかこれに該当しません。ゴールドマン・サックス証券株式会社からの出
    身者が複数名いることが、ガバナンスに関して改善するべきであるというご
    趣旨でしょうか。また、このことがガバナンスの遂行に支障をきたしている
    ことは全くないと考えておりますが、具体的にいかなるガバナンス機能上の
    問題が生じているとお考えか、ご教示ください。
⑧   本公開買付届出書では、       「ゴールドマン・サックス証券株式会社やマネックス
    グループ株式会社など、社外取締役の出身母体に偏りがあるように見受けら
    れる」と取締役会の構成についての問題点を指摘しつつも、SBIHD らが内諾
    を得たとされる取締役候補者 3 名は、その 2 名が SBIHD 出身となっていま
    す。これはご自身が批判される          「出身母体に偏り」  そのものではないのでしょ
    うか。
⑨   本公開買付届出書では、       「対象者の役員の全部又は一部を変更し、最適な役員
    体制を実現することを可能にする議決権を確保すること」 SBIHD らの目的      を
    として掲げられていますが、         当行の役員は、 2021 年 6 月 23 日開催の当行の定
    時株主総会において、賛成割合にしていずれも 73%以上の支持(SBIHD を除
    くと、賛成割合は 94%以上の支持)を頂戴しており、2/3 を優に超えるご支持
    を頂戴しております。      そのような中、    公開買付けを実施し、       大量の当行株式の
    買い集めをされた後、     「対象者の役員の全部又は一部を変更するために対象者
    の臨時株主総会の招集請求を行う」ことは、本公開買付けの開始日からわず
    か約 80 日前の 2021 年 6 月 23 日開催の当行の定時株主総会において示された
    株主意思を無視していることに等しいことは明らかです。SBIHD の分析をご
    教示ください。
⑩   本公開買付届出書では、      「SBIHD らは、 対象者の意思決定の適切性や機動性が
    欠如している一因は、      取締役会メンバーの中には、       ゴールドマン・サックス証
    券株式会社やマネックスグループ株式会社など、社外取締役の出身母体に偏
    りがあるように見受けられる面もあるなどの対象者の役員体制にあるものと
    考えておりますが、自発的に役員体制を見直し、ガバナンス機能の回復に努
    めることを対象者に期待することは難しい状況にあると考えております」と
    記載をしているところ、ゴールドマン・サックス証券株式会社やマネックス
    グループ株式会社の出身者の方であれば、          「意思決定の適正性や機動性が欠如
    する」「ガバナンス機能に問題がある」と読める、極端に事実を歪曲化し、意
       ・
    図的にバイアスをかけた記載が複数個所においてあります。このような記載
    を含む書類を TDnet や EDINET に提出することで、     (本公開買付けの当事者で
    すらない)ゴールドマン・サックス証券株式会社やマネックスグループ株式
    会社のレピュテーション等に対する悪影響が生じないかといった点のご検討
    はなされなかったのでしょうか。検討過程を詳細にご教示いただき、本公開
    買付届出書の関連する箇所の文章を訂正することを含めご検討ください。
⑪   本公開買付け後において、当行グループのガバナンス体制について変更を予
    定されていましたら、その内容をご教示ください。
⑫   本公開買付届出書では、2019 年 11 月中旬に、当行の取締役が「大株主の出現
    により現在の経営体制が変更されることを単に回避したいのではないかと認
    識しうる対応」をしたと記載されています。当行は、ご提案の資本・業務提携
    の問題点につき、当行にとってデメリットがメリットを上回る旨を丁重にご

                           8
      説明し、かつその結論について「違和感ない」と仰っていただいた上で、まず
      は事業上の連携を検討していく旨、双方合意しました。それは別途開示した
      事実経緯に関するプレスリリースの通りです。こうした事実に照らせば、当
      時当行の取締役が保身を図ったと貴社が認識される理由はない(当行の取締
      役が保身を図りたいのであれば、むしろメリットのない提携でも推進するほ
      うが合理的であるから。)と当行は考えますが、それにもかかわらず、当行の
      取締役が「大株主の出現により現在の経営体制が変更されることを単に回避
      したいのではないかと認識しうる対応」をとったと貴社が認識されたのであ
      れば、その根拠をご教示ください。
  ⑬   本公開買付け後において、公開買付者が現時点で想定されている当行の事業
      計画、財務・資金計画、投資計画、資本政策・配当政策等があれば、その内容
      を具体的にご説明ください。
  ⑭   本公開買付け後であるかを問わず、今後、当行グループについて、増資・減
      資、合併、事業譲渡・譲受け、株式交付、株式交換・株式移転、会社分割その
      他これらに類する行為、重要な財産の処分若しくは取得等の取引に関する提
      案、助言又は影響力の行使(株式買取請求権の行使を含みます。)を行う可能
      性があるかどうか、ある場合はその具体的内容についてご教示ください。
  ⑮   役員及び従業員等の処遇の計画があれば、その内容をお示しください。
  ⑯   本公開買付届出書に記載された事項以外に、経営体制の変更の計画があれば、
      その内容をお示しください。

(2)公的資金返済
  ① 本公開買付届出書によれば、SBIHD らは公的資金の返済に関して「明確な水
    準は把握していない」とのことですが、国会答弁(第 147 回国会、参議院、金
    融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第 9 号 平成 12 年 5 月 15 日 の
    議事録より、谷垣禎一 金融再生担当大臣(当時)     、森昭治 金融再生委員会事
    務局長(当時)の答弁)及び会計検査院の平成 19 年度決算検査報告における
    内容を前提とすると、  要返済額水準は約 3,490 億円と考えられます。     SBIHD ら
    は、その水準の額の返済は予定されていないということでしょうか。
  ② 「内部的に具体的な返済方針は未定」  とのことですが、    2021 年 9 月 16 日の日
    経電子版によれば、北尾吉孝氏が「うちのリソース(経営資源)を入れて公的
    資金を返すために全力をあげる。うちがかかわるからには企業価値の上昇に
    全力投球する」と強調したとのことであり、また、      「銀行が金(公的資金)を
    返すのは当たり前だ」とも語ったとのことです。株価が上記①の水準に到達
    しない場合でも、何らかの方法で、公的資金の返済が可能であるとお考えで
    しょうか。  当行に注入された公的資金は現在普通株式の形となっていますが、
    その方法は株主平等の原則を踏まえ、他の普通株主との平等な取扱いを前提
    にしたものでしょうか。お考えになっているスキームがあればご教示くださ
    い(下註参照)  。
  ③ 普通株式となっている公的資金を返済するのに、仮に 2021 年 9 月 16 日付
    「SBI 地銀ホールディングスによる当行株式の公開買付けまでの経緯に関す
    る当行の認識」に示されたような何らかの手法により、現株価より高い水準
    での返済を企図すると、SBIHD にも、自己の株主への説明責任が生じると考
    えます。上場企業が大株主となることにより、公的資金返済は著しく困難化
    することはないでしょうか。お考えをお示しください。

                         9
 註:
   現在当行は 8,387 億円の普通株式等 Tier 1 資本を有しており、また、平年で
    500 億円程度の連結利益を上げています。     従って、 上記要返済額を長くかけず
    に返済する相応の資本的余裕は有していると言えます。
   公的資金は、国が当行の優先株式を引き受ける形で注入されましたが、当該
    優先株式には普通株式への転換条項が付されていました。その後転換期限を
    迎え、優先株式は普通株式へ転換され、現在国は 46,912 千株(2021 年 3 月末
    時点の議決権比率 21.79%)の普通株主となっています。公的資金の要返還額
    は約 3,490 億円とされますが、この 46,912 千株の普通株式の価値総額が約
    3,490 億円となるのは一株あたり価値が約 7,450 円となったときです。
   公的資金返済上のハードルは、     優先株式とは異なり、   普通株式には「株主平等
    原則」があり、全ての普通株主を平等に扱わなければならないことにありま
    す。優先株式のままであれば、優先株式だけを買い戻すことにより国に対し
    て約 3,490 億円を返済すればよいはずのところ、普通株式に転換された結果、
    21.79%の国の持分価値を約 3,490 億円にするためには、他の全ての普通株主
    の一株あたり価値を同様に上げる必要が生じ、実質的には公的資金返済のた
    めに必要な株主資本の額が膨れ上がった(合計約 1.6 兆円)ことにあります。
    これが公的資金返済問題の本質であり、約 3,490 億円を返済する原資がない
    ということではありません。
   しばしば、ウルトラ C 的な「公的資金返済スキーム」がないのかということ
    が問われます。    しかしながら、前述の株主平等原則から、    公的資金返済につな
    がるアクションを行う場合には、株主全体へ公正に開示を行うこと及び国以
    外の少数株主も平等に取り扱うことが必要となるのです。

(3)事業上の連携
  事業上の連携に関しては、        以下の問題意識に基づいた質問をさせていただきます。
  (i) 顧客ニーズは顧客セグメント毎に大きく異なるが、          当行と SBIHD らの各事業
        の顧客セグメントは真に補完的か     (例えば、  資産形成層の資産運用ニーズや、
        資産運用顧客の消費者ローンのニーズは限定的である)        。さもなくば、SBIHD
        らの顧客基盤は、   当行グループが強みを持つ各事業の対象顧客とはなり難く、
        クロスセルや送客による収益貢献は限定的となる。よって当行少数株主にと
        ってのメリットは大きくない。極端なたとえをすれば、        「南極で氷を売る」よ
        うなことにならないか。
  (ii) 上記の点は 2019 年 9 月における資本・事業提携提案(9 月 16 日付「SBI 地銀
        ホールディングスによる当行株式の公開買付けまでの経緯に関する当行の認
        識」参照)に際して、SBIHD に対して伝達しているが、本公開買付届出書に
        記載されているシナジー効果は、2019 年 9 月当時の提案と比べて改善がある
        か。
  (iii) 本公開買付届出書によれば、    SBIHD らは、
                                 「対象者グループの主力事業である
        事業分野を高く評価」されているとのことだが、所有割合 48%を上限とする
        場合、SBIHD らも認めているように、機関銀行化を避ける、また当行少数株
        主の利益を保護する観点から、SBIHD と当行との間の利益相反取引の排除及
        びアームズ・レングス・ルールの徹底が必要となる(それは約 20%の持分比
        率の現状と同様である)    。アームズ・レングスを確保し、利益相反を排除した
        上で、当行少数株主にとってメリットのある取引が SBIHD らとの間でどの程

                          10
     度可能であり(例えば、当行が関連会社であるが故に優遇レートを適用した
     り、SBIHD らがアレンジャーとなる案件で融資を供与することは難しいので
     はないか) 、当行少数株主はどの程度のメリット(単なる送客数といった KPI
     的なもののみならず、収益面で)を得られるか。
(iv) 優越的地位の濫用を排除した上で、   当行顧客を SBIHD らに送客することがど
     の程度可能であり、当行少数株主はどの程度のメリット(同上)を得られる
     か。
(v) 以上を総合的に踏まえると、本公開買付けは、SBIHD らのメリットはあって
     も、当行少数株主にとってのメリットはデメリットを下回らないか。

① 地域金融機関との取引
      SBIHD らの系列となることで、出資先地銀以外の地域金融機関との取引に悪
      影響が生じ得ないでしょうか。お考えをお示しください。
② リテール口座と証券分野
   i.    提示されているような利便性の向上は、     マネックス証券株式会社との提携
         により実現されると考えています。    上記のとおり、 証券業務に関する提携
         の提案については、株式会社 SBI 証券よりもマネックス証券株式会社の
         提案の方が、優れていたと当行は考えました。当行の株主にとって、株式
         会社 SBI 証券との連携に、マネックス証券株式会社との提携よりもメリ
         ットがあるとお考えになる具体的根拠をお示しください。
  ii.    株式会社 SBI 証券は、既に住信 SBI ネット銀行株式会社と預金連携がな
         されていると認識しています。このような中、SBIHD グループの顧客に
         対して、  どのような動機付けを行い、   どの程度の当行への送客及び収益増
         を期待できるかご教示ください。
 iii.    上記 ii に関連して、この分野について連携先を当行のみに変更していた
         だけるお考えがあるのか、ご教示ください。
 iv.     当行を子会社した場合、住信 SBI ネット銀行株式会社との事業上の重複
         や利益相反をどのように解決するお考えでしょうか。
  v.     当行はリテール顧客のセグメント毎に戦略を有しており、     リテール口座の
         増加のみでは必ずしも利益水準の増加に繋がらないと考えております。     リ
         テール顧客の増加が収益強化に繋がると考えられている具体的な根拠を
         お示しください。

③ 小口ファイナンス
   i. 当行もかつて FX 取引に関するサービスを提供していましたが、   コンシュー
      マーファイナンスの顧客層との重なりは大きくありませんでした。この分
      野について当行への大規模な送客が可能とお考えになる具体的根拠(顧客
      の分析など)をお示しください。
  ii. 株式会社 SBI 証券の若年層顧客に、当行グループのクレジットカード・プ
      リペイドなどのクロスセルを行うことは、様々なパートナーと既に行って
      いる業務提携と同じであり、  株式会社 SBI 証券の独自顧客は想定しづらく、
      顧客基盤は、これらのパートナーの方々の顧客基盤と多くは重複している
      と思われます。送客及び収益増に関して想定されている規模をお示しくだ
      さい。
 iii. ビッグデータの活用は当行も注力しているところですが、SBIHD グループ

                     11
       の保有されるデータ(行動分析等)が、当行の与信判断やマーケティングに
       活用できると考えられる具体的な根拠及び想定される与信費用低下率をご
       教示ください。
 iv. SBIHD グループで活用を考えられている当行グループのデータがどのよう
       なものかお示しください。
④ ストラクチャードファイナンス
      提示されているような、地域金融機関へのディストリビューションは、既に
      当行も広範に行っており、    約9割の地方銀行と取引実績があります。また、プ
      ロジェクトファイナンスや不動産ノンリコースファイナンスは、    「営業力で販
      売」するようなパッケージ商品ではなく、顧客自身の高度なリスク判断が必
      要であり、個別に丁寧な説明が求められます。そのため、この分野は、大手の
      地方銀行が主たる顧客となり、SBIHD グループの顧客基盤とは異なると当行
      は考えています。当行の認識を踏まえて、SBIHD グループは、この分野にお
      いて、どのような貢献ができるのか、想定される実行額・収益増も含め、具体
      的に教示ください。
⑤ プリンシパル・トランザクション
   i.   当行は、現在でも、良好なリスクリターンの見込める投資機会の連携は、
        積極的に追求しており、良い案件があれば、SBIHD グループも含めて、
        連携を前向きに考えております。    しかしながら、そのような案件は限定的
        であると当行は理解しています。    また、当行は既に地域金融機関と広範な
        取引を行っております。この点につきまして、SBIHD グループが提携し
        ている地方金融機関「以外」の先との共同投資の金額・件数をご教示くだ
        さい。
  ii.   当行グループへ共有可能なノウハウの例をご教示ください。
⑥ 市場営業・トレジャリー
      現状でも、複数のカウンターパーティの中から最良価格で執行することを原
      則としています。市場で観測されるビッドオファーと比較して、どの程度有
      利となるか、通貨ごとにお示しください。
⑦ リース事業
   i.   「ストラクチャードファイナンス」と同様、この分野においては、SBIHD
        グループの顧客基盤は、    対象顧客となりにくいと当行は考えています。こ
        れを踏まえて、SBIHD のお考えを具体的にご教示ください。
  ii.   SBIHD グループの取引先や資本業務提携・業務提携先の金融機関の取引
        先へのリース関連商品を提供するとのことですが、    優越的地位の濫用とな
        らないよう慎重にこれを行う必要があり、また、アームズ・レングスでの
        取引となる以上、   際立った効果は期待できないと考えられます。 この点に
        ついての SBIHD らの考えを具体的にご教示ください。
⑧ 当行と既存取引先との関係
   i.   本公開買付届出書では、    当行が証券業務分野における提携に関する株式会
        社 SBI 証券からの提案を謝絶したことを理由の一つとして、 「現経営陣と
        事業提携の協議をしても従前の議論からは発展は見込めない」    と結論付け
        られています。しかし、当行の証券業務分野における提携は、3 社の候補
        者からの提案をいただく入札形式を採用しており、株式会社 SBI 証券の
        提案が採用されなかったことは株式会社 SBI 証券の提案が最も競争力の
        ある提案とは評価できなかったに過ぎません。ここで、SBIHD らは、本

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         公開買付の目的として「事業上の提携関係の構築・強化」を掲げておりま
         すが、本公開買付けの成立により、   入札形式による最も競争力のある提案
         を採用した結果である、   当行とマネックス証券株式会社との間の包括業務
         提携が実現できなくなるのではないでしょうか。   入札形式による最も競争
         力のある提案を採用できなくなることで生じる事業価値の向上への障害、
         当行の少数株主への影響についてどのような分析 評価をされたかご教示
                                  ・
         ください。なお、ご回答にあたっては、SBIHD が本公開買付届出書にお
         いて、本公開買付け成立後の経営方針として、下記に抜粋するとおり、対
         象者と SBIHD グループとの間の重要な取引に関する利益相反管理体制等
         について言及をされていますが、   「アームズ・レングス・ルールを原則と
         し、市場規律に基づき取引条件を適切に決定」しても、   「入札形式による
         最も競争力のある提案の採用」   に比べて、明らかに当行にとって契約条件
         で劣る事態が生じると当行が考えていることをご留意ください。

           <本公開買付届出書の関連する記載の抜粋>
           「対象者の業務面においては、   対象者と SBIHD グループとの間の重
           要な取引の決定に際しては、当該取引が対象者の少数株主にとって
           不利益をもたらさないかについて3分の1以上の独立社外取締役を
           含む対象者の取締役会において慎重に審議・検討を行うとともに、
           アームズ・レングス・ルールを原則とし、市場規律に基づき取引条
           件を適切に決定するなど、SBIHD グループとの十分な利益相反管理
           体制を敷きつつ、対象者の金融機関としての業務の適切性及び財務
           の健全性を維持するために、SBIHD グループとの間の一定の金額基
           準以上の取引は事前協議事項として、SBIHD においてもその内容に
           ついて適切にモニタリングできるような体制を整えることを考えて
           おります。なお、SBIHD グループの社内取締役又は従業員及び、そ
           れらの経歴を有する者など SBIHD グループと関係の深い役員につ
           いては、SBIHD グループと対象者との間の取引についての対象者内
           での意思決定に関与しない予定です。   」

   ii.   当行が結果的にマネックス証券株式会社を業務提携先として選んだ証券
         仲介業務の提携のような件に限らず、本公開買付け後、当行の取引先等に
         ついて何かご提案をされることはありますでしょうか。該当するものがあ
         れば、その内容をご教示ください。

(4)機関銀行化
  ① SBIHD の子会社である SBI ソーシャルレンディング株式会社は、関東財務局
    長より、2021 年 6 月 8 日付で、金融商品取引法第 52 条第 1 項及び第 51 条の
    規定に基づき、業務停止命令及び業務改善命令を受けております。結果的に
    同社は廃業し同事業から撤退するとのことですが、かかる業務停止命令及び
    業務改善命令を受け、SBIHD のグループ管理体制の観点から、どのような改
    善策が講じられる予定か、具体的にご説明ください。
  ② 上記①に関連して、SBI ソーシャルレンディング株式会社の投資家には損失
    補填をされましたが、不正融資先であるテクノシステム株式会社からの資金
    の流れは解明されていないと認識しております。      また、   この件で、 不祥事を起

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    こした企業が公表する調査報告書の格付けを行う「第三者委員会報告書格付
    け委員会」は、第 24 回格付けにおいて、当該案件の第三者委員会報告書は、
    SBI ソーシャルレンディング株式会社の親会社である SBI ホールディングス、
    ひいては SBI グループ全体を率いる北尾吉孝氏の責任が抜け落ちていると批
    判しています。      また、 SBI ソーシャルレンディング株式会社の代表者には早期
    の上場への強いプレッシャーがあったと報道されておりますが(月刊 FACTA
    の 2021 年 4 月 29 日号外速報) そのように上場を求めた親会社のグループガ
                            、
    バナンスの観点の説明は提供されていないと理解しています。SBIHD らが当
    行の主要株主となった場合、同様の問題が起こらないかということは、当行
    の一般株主の関心事と思われますし、グループガバナンスの観点からは、当
    行の一般株主の利益に大きく関連するものと思われます。つきましては、上
    記の点について、より詳しいご説明をお願いします。
  ③ 月刊 FACTA の 2021 年 9 月号によれば、SBIHD らが資金提供をされている株
    式会社 THE グローバル社へ、       SBIHD らの出資先である地方銀行が社債引受け
    及び融資で「側面支援」されているとのことです。この「側面支援」も機関銀
    行化の観点から当行としては憂慮しております。出資先である地方銀行への
    圧力の有無、出資先である地方銀行における SBIHD らへの配慮の程度、特殊
    なインセンティブが出資先である地方銀行においてなかったか等について、
    詳しいご説明をお願いします。貴社が掲げる「第 4 のメガバンク」構想全体
    が、SBIHD らの傘下の銀行を機関銀行化したり、また利益相反取引により
    SBIHD らから収奪されることが万が一にもないことを、当行少数株主は確信
    する必要があると考えております。

(5)「第 4 のメガバンク」構想における当行の位置付け
  ① SBIHD らが現在進めている地方銀行の「連合構想」「第 4 のメガバンク」
                                (         )に
     ついてご説明ください。
  ② 「第 4 のメガバンク」はどの程度の規模感(資産、収益、利益など)を想定さ
     れているのでしょうか。
  ③ 「第 4 のメガバンク」がどのように地域経済の活性化や地方創生に資するか
     をご説明ください(当行は地方創生パートナーズの参画を通じて相当程度理
     解していると考えていますが、株主の皆様のために改めてご説明ください)     。
  ④ 「第 4 のメガバンク」における当行の位置付けをご教示ください。
  ⑤ 「第 4 のメガバンク」の現在の主眼は運用委託とシステム共通化にあると理
     解しています。仮に、SBIHD が当行を「第 4 のメガバンク」における核のよ
     うな位置付けに据えるお考えである場合、それによって当行少数株主が享受
     するメリットは何でしょうか(どの程度の収益増を見込まれているのでしょ
     うか) 。当行は SBIHD が今後地域金融機関に出資・買収する際の受け皿とな
     るのでしょうか。

                                               以上




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