8254 さいか屋 2019-11-19 16:00:00
事業の現状、今後の展開等について [pdf]

                                                  2019 年 11 月 19 日
各     位
                             会 社 名 株 式 会 社         さ い か 屋
                             代表者名 取締役社長兼社長執行役員 岡本 洋三
                                    (コ ー ド 番 号 8254 東 証 第 二 部 )
                             問合せ先 企 画 開 発 本 部 総 務 部 長 岡村     亨
                                    (TEL:046-845-6814)

                  事業の現状、今後の展開等について

 当社は、下記のとおり、事業の現状および今後の展開等について、株式会社東京証券取引所に対し、
同社有価証券上場規程第 601 条第1項第4号 a 本文に定める書面を提出致しましたので、お知らせ致し
ます。
 本書面の提出により、2020 年5月末日までのいずれかの月に於いて、月間平均時価総額および月末時
価総額が 10 億円以上になった時は、上場廃止基準に該当しないこととなります。
 当社はこの度、時価総額基準に抵触致しましたが、下記「2.今後の展開について」に記載致しまし
た事業計画の推進により、業績の向上をはかり、市場の信頼を回復することによって、今後も東京証券
取引所市場第二部上場を維持するよう努めてまいる所存です。

                            記

1.事業の現状について


(1)経営の基本方針
     当社は、百貨店事業を核として、
                   「人々に安心と潤いのある生活の提案を行う生活文化企業」をめざ
    し、永い間培ってきた信用を命として、
                     「地域のお客様に最も支持される百貨店」を目指すことを企業
    理念としております。


(2)当社事業の現状 <表1参照>
     当社は、企業理念を実現するため、「いつ行っても欲しいものがあり、いつ行っても気持ちよく買い
    物ができ、また行ってみたいと思っていただける百貨店」の企業ビジョンのもと、社会構造の変化や環
    境変化にともなうお客様の消費嗜好の多様化に対応し、地域の皆様の生活に貢献することで、企業価値
    の向上に努めてまいりました。しかしながら、百貨店業界におきましては、大都市圏はインバウンドの
    伸長や富裕層消費の活況もあり回復基調にある中、地方では依然として厳しい状況が続いております。
     このような状況の下、当社は、2018 年2月期を初年度とする3年間の中期経営計画を策定し、
                                                 「営業
    力の強化」「財務基盤の強化」「CS 徹底の推進」の3つの基本戦略に対応するとともに、2019 年5月
         、        、
    21 日開示の「2020 年2月期計画」実現に向け施策実行に全社を挙げて取り組んでおります。
     2020 年2月期第1四半期では、売上高が前年同四半期比 98.7%となりましたが、第2四半期で予定
    していた一部の費用削減が前倒しで実現したこともあり、営業利益は 56 百万円となり、計画に沿った
 結果となりました。第2四半期に入り、6月以降の低温多雨、長梅雨など天候不順の影響もあり、夏物
 商材を中心に厳しい結果となり、売上高は前年同四半期比 92.2%と大きくマイナスいたしました。一
 方、費用面においては、第1四半期で実施した施策を第2四半期におきましても推進しました結果、第
 2四半期の販売費および一般管理費は、前年同四半期比で約 50 百万円削減ができました。
  その結果、2020 年2月期第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は 9,176 百万円(前
 年同期と比べ 442 百万円の減収)、営業損失1百万円(前年同期は営業損失 20 百万円)、経常損失 65 百
 万円(前年同期は経常損失 88 百万円)
                    、親会社株主に帰属する四半期純損失 66 百万円(前年同期は親
 会社株主に帰属する四半期純損失 98 百万円)となりました。


<表1> 連結業績実績及び連結業績予想                                         単位:百万円
           2018 年2月期      2019 年2月期      2020 年2月期     2020 年2月期修正予想
            実   績          実   績          期初予想         (期初予想に対する増減額)

売上高             19,855         19,384         19,600     19,100   (▲500)
 内、藤沢店          10,600         10,820         11,183     10,809   (▲374)
 内、横須賀店          7,654          7,018          7,045      6,829   (▲216)
 内、川崎店              993            951           970        962    (▲8)
営業利益                ▲13            ▲34           150        125   (▲25)
経常利益             ▲124           ▲157             30          5    (▲25)
当期純利益            ▲125           ▲145             20          5    (▲15)
  ※2019 年 10 月 10 日付で 2020 年2月期通期の業績予想の修正をおこないました。


 各店舗別の業績は以下のとおりです。


 ①藤沢店
  基幹店の藤沢店では、2018 年2月期から 2019 年2月期にかけて、顧客支持の高いテナントとして、
 ニトリ、タリーズコーヒーを導入、百貨店ゾーンの見直しとして、澤光青果の導入や婦人服・紳士服を
 中心に地元のお客様に支持されているショップの導入をはかりました。更に、2019 年8月にネイルズ
 ユニーク、資生堂ビューティーサロンを導入しました。その結果、入店客数が 2019 年2月期に引続き
 2020 年2月期上期においても前年実績を上回るなど、これまで実施した諸施策の成果が着実に出てき
 ております。しかしながら、2020 年2月期上期におきましては、6月・7月の低温多雨や長梅雨等の天
 候不順の影響や、クリアランスセールが低調に推移したこともあり、売上高 5,109 百万円(前年同期比
 96.7%)と前年実績を下回る結果となりました。
 ②横須賀店
  横須賀店では、2018 年2月期から 2019 年2月期にかけて、売上比重が高くデイリー商材でもある食
 品の強化のため、九州屋を導入、横須賀・三浦の食品を取りそろえた「よこすかすきショップ」をオー
 プンするなど、地元に根差した施策を実行しました。更に、2019 年4月の「外商サロン」新設などによ
 り、外商顧客ロイヤリティー向上施策を実行するなど、外商顧客様の来店頻度・顧客接点の向上をはか
 りました。しかしながら、2020 年2月期上期では、第1四半期に引続き、第2四半期も厳しい結果とな
 り、売上高 3,267 百万円(前年同期比 92.7%)と前年実績を下回りました。
 ③川崎店
   川崎店におきましては、藤沢店・横須賀店同様に外商顧客様向け「さいか屋カード」ポイント付与率
 アップ施策をおこなうなど、川崎店での売上比重が高い外商部門の強化を進めてきたことにより、2020
 年2月期上期では、売上高 513 百万円(前年同期比 100.9%)が前年実績を上回る結果となりました。


2.今後の展開について <図1参照>
   3年間の中期経営計画の最終年度を迎える 2020 年2月期においては、売上高は、上期トレンドを踏
 襲することなく、下期は、順調に推移する入店客数の効果を最大化することで、売上高減少に伴う損益
 減少額(▲198 百万円・図1:A)の圧縮をはかります。また、大半が上期に実行済みの固定費削減施策で
 は、下期におきましても上期と同様の水準での削減を見込んでおります(277 百万円・図1:C+D+E)。営
 業施策におきましては、上期中では、効果が発揮しきれなかった施策についても、徐々に効果があがっ
 てきているため、下期では、その効果の増大を見込んでおります (93 百万円・図1:F+G)。更に、新た
 な「固定費削減施策と営業力強化施策」を実行することにより、営業利益 125 百万円(前年同期に対し
 159 百万円の損益増加、期初計画に対し 25 百万円の損益減少)を着実に実現し、企業価値の向上をはか
 り、早期に時価総額基準 10 億円以上へ回復するよう全社一丸となり取り組んでまいります。


   <図1> 2020 年2月期 営業利益(125 百万円)黒字化イメージ (連結)

 125
                                                                       G       H        I
                        期初には計画していなかった、新たな固定費削
        単位:百万円          減施策および営業力強化施策により、前年同                                   +5      +12
                        期に対し 17 百万円の損益増加。                     F
                        (期初計画から 17 百万円の損益増加)         E                 +58


                    A      設備工事竣工などによる
                           一時的費用 30 百万円。
                                                             +35
         ▲34               (期初計画から 10 百万                       営業力の強化のための基盤整備により可能
                           円損益増加)                              となった「新たな営業施策の実行」により、前
                                            D                  期実績に対し 93 百万円の損益増加
                                    C                          (期初計画から 37 百万円の損益減少)
                                                    +148
                                            +21                業務およびコストの可視化による「大幅な固
                            B                                  定 費削減」により、前期実績に対し 277
                                                               百万円 の経費削減。 (期初計画から 37
                 ▲198      ▲30     +108                        百万円の損益増加)
       2019年2月 売上高トレン    設備工事竣    委託業務の   電力の自由    効率的な要員    店舗・EC部   外商部門に   新たな固定   新たな営業
       期営業利益   ドなどによる    工などによる   より効率的   化などを活用   配置、役員報    門による損    よる損益    費削減施策   力強化施策
               売上高減少     一時的費用増 な仕様変更     した固定費    酬の見直しな    益増加額     増加額
               に伴う損益減             による固定   削減額      どによる人件費
               少額                 費削減額             削減額



(1)財務基盤の強化
   ①経費の削減
   【通期】 削減額:期初計画 240 百万円→修正計画 277 百万円 (期初計画に対し 37 百万円損益増加)
   【上期】 削減額:期初計画 120 百万円→実績 141 百万円 (期初計画に対し 21 百万円の損益増加)
 【下期】 削減額:期初計画 120 百万円→修正計画 136 百万円 (期初計画に対し 16 百万円の損益増加)
  (ⅰ)2020 年2月期上期進捗を受けた下期施策について
   ・委託業務のより効率的な仕様変更まで踏み込んだ見直し
    [上期概況] 2019 年2月期に交渉を開始したことにより、2020 年2月期第1四半期から固定
            費削減が実現しており、概ね計画どおりの固定費削減ができました。
    [下期施策]固定費削減施策が実行済みであることから、上期と同様の水準での固定費削減が可
            能となっております。 「新たな固定費削減策」
                      更に          を下期中に追加することにより、
            更なる固定費削減を見込んでおります。
   ・水道光熱費などの削減
    [上期進捗]横須賀店での電気料金の見直しがスタートしたことに加え、2019 年2月期から進
            めてきました固定費削減施策の効果が出て来たことにより、計画どおりの固定費削
            減ができました。
    [下期施策]現在進めている固定費削減施策につきましては、下期中に実現いたします。また、
            追加となる「新たな固定費削減策 」を実行することにより、更なる固定費削減を
            見込んでおります。
   ・人件費の削減
    [上期進捗]効率的な業務運用を含めた要員配置をおこなうことにより、定年退職者をはじめと
            した退職者の補充を最小限に留めたことに加え、2019 年2月期の業績を勘案し、
            役員などの報酬・給与の見直しを実行したことにより、計画以上の人件費削減がで
            きました。
    [下期施策]上期同様に効率的な業務運用をすすめ、上期同様の水準の人件費削減を見込んでお
            ります。


(2)営業力の強化
 ①店舗部門・EC 部門
 【通期】 損益増加額:期初計画 44 百万円→修正計画 35 百万円(期初計画に対し9百万円の損益減少)
 【上期】 損益増加額:期初計画 22 百万円→実績 13 百万円 (期初計画に対し9百万円の損益減少)
 【下期】 損益増加額:期初計画 22 百万円→期初計画と修正なし
  (ⅰ)2020 年2月期上期進捗を受けた下期施策について
   ・店頭販売力の強化
    [上期進捗]マネージャーの店頭での指揮時間を増加させ、繁閑による販売員の適正配置などを
            リアルタイムで実行したことにより、お客様との接点が拡大し、お客様のお声を営
            業活動により反映しやすい環境が整いました。
    [下期施策]お客様のご要望による店舗づくりをより一層拡大し、接客力向上も含め、店頭クオ
            リティーを高め、売上高増加につなげてまいります。
   ・食品強化によるデイリーユース商材の拡大
   [上期進捗]基幹店の藤沢店では、施策効果が早期にでやすい催物関連(前年比 118.1%)や、
          主力の鮮魚・精肉・野菜・パン(前年比 100.8%)の売上高が前年実績を上回り、
          食品全体(前年比 99.6%)では、前年実績に近づくことができました。
          横須賀店では、近隣商業施設の顧客取込みを積極的におこなった結果、中元ギフト
          センター(前年比 101.2%)の売上高が前年を上回りました。
   [下期施策]更なる売上高増加をはかるため、藤沢店の菓子売場に、9月に和菓子の名店「京菓
          子處 鼓月」をオープン、10 月には、初の試みとなる3週連続物産展を藤沢店・横
          須賀店で開催するなど、速効性の高い入店客数・売上高増加施策を実施してまいり
          ます。
  ・EC 部門の活性化
   [上期進捗]中元ギフト EC サイトのデザイン刷新や、食品を中心とした掲載商品数増をおこな
          いました。その結果、地元銘菓の販売が好調に推移するなど、EC 売上高は、前年比
          112.6%となりました。
   [下期施策]新たな販売チャネルを増やすなど、間口を拡げることにより、売上高増加をはかり
          ます。
  ・集客力を高める話題のショップの導入
   [上期進捗]基幹店の藤沢店に新規ショップを導入。店舗のイメージアップ、早期に効果が期待
          できる固定客を持ち、地域での顧客支持の高いショップの導入をはかりました。
          ➢3月 地域での顧客支持の高いレディスブランド、メンズブランドを誘致しまし
                た。「スキャパ、キース、マックレガー、MU スポーツなど」
          ➢4月 フランス・パリ 17 区、モンソー公園に面したアパルトマンの一角で生まれ
                たフラワーショップ「モンソーフルール」がオープンしました。
          ➢8月 近隣商業施設で長らく営業をしていた「資生堂ビューティーサロン」を誘
                致しました。また、業界最大手のネイルサロン「ネイルズユニークアルテ
                ィミッド」がオープンしました。
   [下期施策]藤沢店・横須賀店におきまして、引続き集客力を高めるショップの導入をはかりま
          す。
          ➢9月 創業 1945 年。京菓子の文化や伝統と、時代のみずみずしい感性を融合させ
                た商品づくりをコンセプトとする「京菓子處 鼓月」が藤沢店にオープンし
                ました。


②外商部門
【通期】 損益増加額:期初計画 86 百万円→修正計画 58 百万円(期初計画に対し 28 百万円の損益減少)
【上期】 損益増加額:期初計画 43 百万円→実績 25 百万円 (期初計画に対し 18 百万円の損益減少)
【下期】 損益増加額:期初計画 43 百万円→修正計画 33 百万円 (期初計画に対し 10 百万円の損益減少)
 (ⅰ)2020 年2月期上期進捗を受けた下期施策について
  ・外商顧客様向け「さいか屋カード」ポイント付与率アップ
      [上期進捗]2019 年3月におこなった「さいか屋カード」ポイント付与率アップを外商活動に
            活かし、外商顧客様との接触回数拡大、新たな外商顧客様との接点拡大を実行しま
            した。
      [下期施策]9月に「900 ポイント→期限付き 1,000 円分ポイント券」への交換会を実施するな
            ど、ポイントアップにより増加した付与ポイントを、プラスワンのお買物につなげ
            る施策を実行し売上高増加をはかります。
    ・外商サロンの新設
      [上期進捗] 2019 年4月、横須賀店に「外商サロン」を新設したことにより、ご利用の外商顧
            客様(約 2,500 名)の店舗での滞在時間が増え、ごゆっくりとお買物を楽しんでい
            ただける環境が整いました。
      [下期施策]横須賀店の好事例を活かし、2019 年 10 月に、藤沢店に「外商サロン」をオープン、
            横須賀店同様の効果を見込んでおります。
    ・スペシャルインビテーションの新規開催
      [上期進捗]2019 年4月に、藤沢店、横須賀店で外商顧客様をはじめ、各ショップの上得意様
            をお招きした「スペシャルインビテーション」を開催しました。(藤沢店:売上高前
            年比 150.0%、横須賀店:売上高前年比 108.4%)
      [下期施策]上期の成功事例を更に踏み上げるため、上期は平日開催でしたが、下期は、より売
            上高増加が期待できる土曜日開催として、9月と 12 月に開催いたします。また、
            藤沢店では、10 月に外商顧客様限定の「湘南デラックスセール」を開催し、更なる
            売上高増加をはかりました。


  また、業績が低迷している横須賀店におきましては、地域の皆様に支持していただける存在であり続
 けるために、「高付加価値商品群の導入」や「地域オンリーワン商品群の導入」などを目指し、百貨店
 面積の適正化を含めた店舗改装の検討や、更なるコスト構造の見直しをはかるなど、業績の改善策を進
 め、企業価値の向上に邁進してまいります。


3.今後の見通しおよび上場維持について
  当社は、2020 年2月期連結会計年度の見通しにつきまして、売上高 19,100 百万円(前期比 284 百万
 円減)、営業利益 125 百万円(前期比 159 百万円増)、経常利益5百万円(前期比 162 百万円増)、親会社
 株主に帰属する当期純利益5百万円(前期比 150 百万円増)を予想しております。
  当社は、2020 年2月期の黒字化実現のための諸施策を着実に実行することにより、市場からの信頼
 回復と企業価値の向上に向けて取り組んでまいります。これにより、当社株式の月間平均時価総額およ
 び月末時価総額について、株式会社東京証券取引所の定める基準を上回ることにより、今後も東京証券
 取引所市場第二部上場を維持するよう努めてまいる所存であります。



                                                       以上