8252 丸井G 2021-05-12 15:00:00
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                         2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                                                         2021年5月12日
上 場 会 社 名   株式会社丸井グループ                                                                   上場取引所 東
コ ー ド 番 号   8252 URL https://www.0101maruigroup.co.jp
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長                (氏名) 青井 浩
問合せ先責任者 (役職名) 財務部長                     (氏名) 飯塚 政和                               (TEL) 03-3384-0101
定時株主総会開催予定日       2021年6月25日         配当支払開始予定日                                  2021年6月28日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月25日
決算補足説明資料作成の有無        : 有
決算説明会開催の有無           : 有 ( 機関投資家・アナリスト向け                                    )
 
                                                                                        (百万円未満切捨て)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                        (%表示は対前期増減率)
                                                                                  親会社株主に帰属する
                   売上収益               営業利益                     経常利益
                                                                                     当期純利益
                   百万円         %       百万円          %          百万円          %             百万円          %
  2021年3月期        220,832 △10.8      15,310 △63.5            14,607 △63.9      2,327 △90.8
  2020年3月期        247,582  △1.5      41,944   1.8            40,415   1.6     25,396   0.2
(注) 包括利益         2021年3月期     10,490百万円( △55.6%)          2020年3月期     23,645百万円( △11.7%)

                               潜在株式調整後
                 1株当たり                            自己資本               総資産                   売上収益
                                1株当たり
                 当期純利益                           当期純利益率             経常利益率                 営業利益率
                                当期純利益
                        円 銭            円 銭                   %                     %                   %
  2021年3月期             10.86             -                0.8              1.6                      6.9
  2020年3月期            117.58             -                8.8              4.6                     16.9
(参考) 持分法投資損益      2021年3月期            -百万円          2020年3月期            -百万円

(2)連結財政状態
                   総資産                 純資産                 自己資本比率                  1株当たり純資産
                          百万円                    百万円                        %                      円 銭
  2021年3月期              901,070            290,704                      32.2                    1,353.40
  2020年3月期              885,969            290,330                      32.7                    1,351.57
(参考) 自己資本         2021年3月期      290,183百万円     2020年3月期            289,792百万円

(3)連結キャッシュ・フローの状況
                営業活動による             投資活動による                財務活動による                現金及び現金同等物
               キャッシュ・フロー           キャッシュ・フロー              キャッシュ・フロー                  期末残高
                          百万円                    百万円                   百万円                        百万円
    2021年3月期              22,193               △16,241                △5,600                     41,179
    2020年3月期              39,909               △20,315               △25,487                     40,827
 

2.配当の状況
                                   年間配当金                                                        純資産
                                                                   配当金総額          配当性向
                                                                                                配当率
               第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末            期末         合計        (合計)           (連結)
                                                                                                (連結)
                  円 銭    円 銭    円 銭              円 銭        円 銭        百万円                 %           %
    2020年3月期        -     28.00        -         22.00     50.00      10,794             42.5        3.8
    2021年3月期        -     25.00        -         26.00     51.00      10,962            469.8        3.8
2022年3月期(予想)        -     26.00        -         26.00     52.00                         65.4

3.投資者が通期業績を見通す際に有用と思われる情報
    2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
                                                                        (%表示は、対前期増減率)
                                                                  親会社株主に帰属 1株当たり当期純
                 売上収益              営業利益            経常利益
                                                                   する当期純利益     利益
                 百万円      %     百万円        %     百万円         %     百万円             %               円 銭
   通 期   212,000 2.3            36,500 138.4     34,500   136.2    16,500       608.9             79.57
自己資本当期純利益率(ROE)予想              2022年3月期通期          5.9%
2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日)等を適用するため、上記の連結
業績予想における売上収益については、当該会計基準を適用した後の金額となっています。対前期増減率については、
当該会計基準を遡及適用後の数値との比較によるものです。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                           : 無
         新規   -社 (社名)           、 除外     -社 (社名)
 



(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
  ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                 : 無
     ②   ①以外の会計方針の変更                   : 無
     ③   会計上の見積りの変更                    : 無
     ④   修正再表示                         : 無
 



(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)       2021年3月期   223,660,417株   2020年3月期   223,660,417株

     ②   期末自己株式数            2021年3月期    9,249,279株    2020年3月期    9,248,452株

     ③   期中平均株式数            2021年3月期   214,411,622株   2020年3月期   216,001,704株
 
    (注)期末自己株式数には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式を含めています。
         2021年3月期 545,184株 2020年3月期 545,184株
       期中平均株式数の算出において、発行済株式数から控除する自己株式数には、役員報酬BIP信託及び株式付
       与ESOP信託が保有する当社株式を含めています。
         2021年3月期 545,184株 2020年3月期 479,820株

※
 
        決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※       業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
    本資料に掲載されている業績予想等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断
    する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提
    となる条件および業績予想のご利用にあたっての注記事項等については、添付資料6ページ「(4)次期の見通し」
    をご覧ください。
                              (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


○添付資料の目次
 

    1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………                2

     (1)当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………                2

     (2)当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………                5

     (3)当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………                6

     (4)次期の見通し …………………………………………………………………………………                6

     (5)株主還元 ………………………………………………………………………………………                7

     (6)中長期的な会社の経営戦略 …………………………………………………………………                9

    2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ……………………………………………………… 17

    3.連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………… 18

     (1)連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………… 18

     (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ………………………………………………… 20

     (3)連結株主資本等変動計算書 ………………………………………………………………… 22

     (4)連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………… 23

     (5)連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………… 25

      (継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………… 25

      (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) ……………………………………… 25

      (重要な会計上の見積り) ……………………………………………………………………… 25

      (表示方法の変更) ……………………………………………………………………………… 26

      (追加情報) ……………………………………………………………………………………… 26

      (セグメント情報) ……………………………………………………………………………… 26

      (1株当たり情報) ……………………………………………………………………………… 28

      (重要な後発事象) ……………………………………………………………………………… 28

    4.その他   …………………………………………………………………………………………… 29

       役員の異動   …………………………………………………………………………………… 29




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                             (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
(連結業績)
  ・グループ総取扱高は2兆9,192億円(前年比+1%)となりました。新型コロナウイルスの感染
   拡大への対応により2カ月近く店舗を休業したことや消費者行動の変化などにより上半期は取扱
   高が減少しましたが、下半期は前年比+5%と伸長し、累計では前年を上回りました。
  ・第4四半期において、利息返還損失引当金繰入額を194億円追加計上したことなどにより、営業
   利益は153億円(前年比△63%)12期ぶりの減益となりました。休業した店舗の固定費について
   は、臨時性のある費用と判断し73億円を販管費等から特別損失へ振替えています。
  ・また、雇用調整助成金収入を営業外収益に6億円、特別利益に9億円を計上したことや、特別損
   失に上記の固定費などを「感染症関連費用」として77億円計上したことなどにより、当期利益は
   23億円(前年比△91%)10期ぶりの減益となりました。
  ・当期を最終年度とする中期経営計画は、前期まで順調に推移していたものの、上記の結果、KP
   IであるEPS、ROE、ROICはすべて計画未達成となりました。
  ※「1.経営成績等の概況」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入してい
   ます。
  □ 連結業績




 新型コロナウイルスの感染拡大への対応と影響および営業利益増減の主な特殊要因
  ・マルイ・モディ店舗においては、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、お客さま、お取引先
   さま、社員の健康と安全を最優先に考え感染拡大を防止するため、2020年4月から5月の緊急事
   態宣言期間中は食料品売場および一部テナントを除き全店舗を休業しました。宣言が解除された
   後は、感染防止対策を講じたうえで順次営業を再開しました。
  ・この未曾有の危機を店舗に出店しているお取引先さまとともに乗り越えるため、休業期間中の家
   賃・共益費の免除などの施策を実施しました。これにより売上収益が42億円減少しています。
  ・店舗休業中の固定費については、小売セグメントで67億円、フィンテックセグメントで5億円を
   特別損失に振替えています。
  ・上記に加えて、小売セグメントでは定借変動収入や商品荒利の減少などにより、営業利益が推定
   で約73億円減少し、フィンテックセグメントではカードキャッシングの取扱高が減少したことな
   どにより、営業利益が約26億円減少しました。



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                                   (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


  ・カードキャッシングの利息返還に備えるため、利息返還損失引当金繰入額232億円(前年差+187
   億円)を計上したことにより、営業利益が187億円減少しました。

   □ 営業利益増減要因




     ※コロナ影響:今期が、前期のコロナ前(2019年4月~2020年2月)の基調で推移したと仮定した場合との差


   □ 新型コロナウイルスの感染拡大による営業利益と特別損失への影響




       ※   「感染症関連費用」には固定費の振替額のほか、その他の対応費用4億円を計上しています。


(セグメント別の状況)
  ・小売セグメントの営業利益は15億円(前年比△85%)、前年を85億円下回りました。
  ・フィンテックセグメントの営業利益は203億円(前年比△47%)、前年を181億円下回り、9期ぶ
   りの減益となりました。

   □ セグメント営業利益




  <小売セグメント>
  ・ショッピングセンター型店舗への転換による収益改善および利益の安定化に続く新たな戦略とし
   て、モノを売る店から体験価値を提供する店への転換を進めています。D2C(ダイレクトトゥ
   コンシューマー)ブランドやコンテンツ、サブスクリプションなどのテナント導入を拡大し、体
   験やエンゲージメントなどアフターデジタル時代のリアル店舗ならではの価値を提供する「売ら
   ない店」をめざしています。
  ・4月期、5月期については新型コロナウイルスの感染拡大にともなう店舗休業や外出自粛などに


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                          (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


 より取扱高が大きく減少しました。その後は、郊外店を中心に回復傾向にあるものの、年間の累
 計では減収減益となりました。

<フィンテックセグメント>
・エポスカードのご利用客数の拡大に向け、マルイ・モディ店舗やネット・サービス領域での新規
 入会の促進を強化するとともに、アニメコンテンツのコラボレーションカードの発行や、全国の
 商業施設との提携カードの発行を進め、提携施設数は33施設(前年差+3施設)に拡大しまし
 た。また、利用率・利用額のさらなる向上に向けて、家賃保証やリカーリングなどに取り組み、
 家計消費におけるシェア最大化をめざしています。
・取扱高については、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛などにより伸びは鈍化し
 たものの、ショッピングクレジットは2兆1,860億円(前年比+1%)と前年を上回りました。
 ECの利用は前年比33%増と伸長しましたが、トラベル・エンターテイメントの利用が前年比46
 %減と大きく減少しました。家賃保証などのサービス取扱高は4,609億円(前年比+30%)と引
 き続き大きく拡大しました。
・カード会員数は709万人(前年比△2%)となりました。プラチナ・ゴールド会員は、独自の家
 族カード「エポスファミリーゴールド」の会員増加など、お得意さまづくりを着実に進めたこと
 により、270万人(前年比+8%)と伸長しました。

 □ フィンテックセグメントの状況




(LTVの安定性を表す指標)
 当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入
 やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利
 益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であ
 るリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえる
 ことが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTV(生涯利
 益)を重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。

・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は店舗休業中にテナントの家賃・共益費を
 免除したことなどにより、1,236億円(前年比△6%)となり、売上総利益に占める割合は67.7
 %(前年差+2.4%)まで高まりました。
・成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約残年数、リボ・分割手数料やカードキャッシ
 ング手数料は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期
 間をもとに行っています。


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                             (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


  ・当期末の成約済み繰延収益は3,340億円(前年比△5%)となり、当期の売上総利益の約1.8倍の
   将来収益が見込まれます。
   □ LTV経営の指標




  (注)売上総利益ベースのリカーリングレベニューおよびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り
     (お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。


(2)当期の財政状態の概況
  ・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、109億円減少し5,447億円となりました。投資有価証券
   が時価の上昇等にともない148億円増加したことなどにより、総資産は151億円増加し9,011億円
   となりました。
  ・有利子負債(リース債務、預り金を除く)は、47億円増加し4,846億円となり、営業債権に対す
   る有利子負債の比率は89.0%(前期末差+2.6%)となりました。
  ・自己資本は、4億円増加し2,902億円となり、自己資本比率は32.2%(前期末差△0.5%)となり
   ました。
  ・当期を最終年度とする中期経営計画では、グループの事業構造に見合った「めざすべきバランス
   シート」の構築を掲げ、有利子負債は営業債権の9割程度での調達、営業債権の25%程度の計画
   的な債権流動化などの資本政策を通じて、目標としていた総資産1兆円以内、自己資本比率30%
   前後の最適資本構成を達成しました。




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                                  (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信



   □ バランスシートの状況




       ※1   流動化比率=債権流動化額/(営業債権+債権流動化額)
       ※2   営業債権比=有利子負債/営業債権


(3)当期のキャッシュ・フローの概況
  ・営業キャッシュ・フローは、222億円の収入(前期は399億円の収入)となりました。営業キャッ
   シュ・フローから営業債権の増減等を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、税引前利益の減少
   などにより、前期より184億円減少し、206億円の収入となりました。
  ・投資キャッシュ・フローは、固定資産の取得104億円、投資有価証券の取得66億円などにより162
   億円の支出(前期は203億円の支出)となりました。
  ・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による46億円の収入や配当金の支払101億円など
   により56億円の支出(前期は255億円の支出)となりました。
   □ キャッシュ・フローの状況




  (注) 当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した
      「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。


(4)次期の見通し
  新たに2026年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しました。グループの経営資源を有効
  活用し、最終年度のEPS200円以上、ROE13%以上、ROIC4%以上を目標に、さらなる企
  業価値向上に取り組みます。詳細につきましては9ページ記載の「(6)中長期的な会社の経営
  戦略」をご覧ください。



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                               (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


 ・新型コロナウイルス感染症の影響からの回復は2024年3月期を見込み、2022年3月期において
  は、EPSは79.6円(前年比+633%、前年差+68.7円)、ROE5.9%(前年差+5.1%)、R
  OIC3.2%(前年差+1.8%)を計画しています。
 ・グループ総取扱高はショッピングクレジットの順調な拡大により3兆4,100億円(前年比+17
  %)となる見通しです。
 ・売上収益は2,120億円(前年比+2%)、営業利益は365億円(前年比+138%)、当期利益は165
  億円(前年比+609%)を計画し、増収増益の見通しです。
 ・小売セグメントの営業利益は20億円(前年比+35%)の見通しです。
 ・フィンテックセグメントの営業利益は410億円(前年比+102%)の見通しです。引き続きショッ
  ピングクレジットの拡大により、リボ・分割払い残高は3,710億円(前年比+4%)となる見込
  みです。
 ・年間配当金は10期連続の増配となり過去最高の52円(前年差+1円)となる見通しです。

  □ 2022年3月期連結業績見通し




 (注)2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日)等を適用するた
    め、上記の連結業績見通しにおける売上収益については、当該会計基準を適用した後の金額となっていま
    す。21年3月期比、21年3月期差、20年3月期差については、当該会計基準を遡及適用後の数値との比較に
    よるものです。


(5)株主還元
  <基本方針>
  ・中期経営計画では、事業で創出されるキャッシュ・フローを有効活用し成長投資と株主還元を強
  化してきました。今後の利益配分については、新たに策定した2026年3月期を最終年度とする中
  期経営計画に基づき、成長投資と株主還元を強化します。具体的には、中期経営計画5年間の基

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                                  (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


 礎営業キャッシュ・フローは2,300億円を見込み、そのうち株主還元に1,000億円程度を配分しま
 す。
・配当については、EPSの長期的な成長に応じた継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と
 「高還元」の両立を図ります。
・連結配当性向は、2024年3月期以降55%程度を目標に、長期・継続的な増配をめざします。
・自己株式の取得については、キャッシュ・フローの状況等を総合的に勘案し、資本効率と株主利
 益の向上に向けて連結総還元性向70%を目処に適切な時期に実施します。また、2026年3月期を
 最終年度とする中期経営計画期間中に、資本最適化を目的として500億円の自己株式の取得を行
 う予定です。資本政策の考え方の詳細につきましては9ページ記載の「(6)中長期的な会社の
 経営戦略」をご覧ください。なお、取得した自己株式は原則として消却します。
 □ 株主還元指標のイメージ




<当期および次期の見通し>
・当期の期末配当金については、公表の通り1株当たり26円とします。中間配当金25円と合わせた
 年間配当金は51円(前年差+1円)、9期連続の増配となり5期連続で過去最高を更新、連結配
 当性向は469.8%(前年差+427.3%)となります。連結総還元性向は471.0%となりました。
・次期の年間配当金は、長期・継続的な増配をめざす株主還元の基本方針に基づき1株当たり52円
 (前年差+1円)、10期連続の増配を見込んでいます。
・次期の自己株式の取得については、本日公表の通り300億円を計画しています。これにより、連
 結総還元性向は246.3%となる見込みです。

                                      自己株式      連結        連結
           年間配当金
                   中間配当金   期末配当金       取得      配当性向     総還元性向

2018年3月期    38円     18円     20円       150億円    40.8%    112.3%

2019年3月期    49円     23円     26円       70億円     42.2%     69.9%

2020年3月期    50円     28円     22円       70億円     42.5%     70.1%

2021年3月期    51円     25円     26円         -      469.8%   471.0%
2022年3月期
            52円     26円     26円       300億円    65.4%    246.3%
  (予想)




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(6)中長期的な会社の経営戦略
 ■ 会社の概要
  当社グループは、小売とフィンテックの一体運営により、幅広い年代のお客さまに豊かなライフ
  スタイルを提供する企業グループです。1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビ
  ジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立してまいりました。

 ■ 会社の経営の基本方針
  当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業
  の成長」という経営理念に基づき、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊
  かな社会をステークホルダーの皆さまと共に創ることにあります。
  当社グループがめざすのは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先
  さま、社員、将来世代すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大です。
  そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づく
  りに取り組み、結果として企業価値の向上を図る「共創サステナビリティ経営」を進めてまいり
  ます。
  当社グループの「共創サステナビリティ経営」の詳細につきましては、「共創経営レポート
  2020」「VISION BOOK 2050」をご覧ください。
   共創経営レポート(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)
   VISION BOOK 2050(https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/s-report.html)

 ■ 中期経営計画の策定について
  急速な事業環境の変化が予測される中、前中期経営計画の目標を早期に達成し、さらなる企業価
  値の向上を実現するため、2026年3月期を最終年度とする5ヵ年の新中期経営計画を策定しまし
  た。

 ⅰ.事業環境の変化
  2030年に向けた今後の10年においては、「現役世代から将来世代へ」、「デジタル技術は導入期
  から展開期へ」、「有形資産から無形資産へ」という3つの大きな転換が起き、社会の世代交代
  により、デジタル、サステナビリティ、ウェルビーイングといった将来世代の常識に対応できな
  い企業は急速に支持を失うリスクがあります。

 ⅱ.今後の方向性
  ・将来世代との共創を通じて、社会課題解決と企業価値向上を両立
  ・店舗とフィンテックを通じて、「オンラインとオフラインを融合するプラットフォーマー」を
   めざす
  ・人材、ソフトウェアに加え、新規事業、共創投資への無形投資を拡大、知識創造型企業へと進
   化
  ・ステークホルダーをボードメンバーに迎え、「利益と幸せの調和」に向けた共創経営を推進

 ⅲ.具体的な取り組み
 <事業戦略>
 (グループ事業の全体像)
  ・小売、フィンテックに「未来投資」を加えた三位一体のビジネスモデルを創出します。未来投
   資には、共創投資と新規事業投資が含まれます。




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                           (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信




(小売)
・新型コロナウイルス感染症の影響による市況の悪化が懸念される中、これまで取り組んできた
 百貨店業態のトランスフォメーションをさらに推進し、新たな成長を実現します。店舗を「オ
 ンラインとオフラインの融合」のプラットフォームと位置づけ、EC中心に展開する新規事業
 がさまざまなイベントを開催し、このイベントが来店動機となる店づくりを進めます。また、
 これらのイベントをフィンテックと連携し、丸井の店舗だけでなく全国の商業施設で展開する
 ことを視野に、事業化をめざします。

(フィンテック)
・4月からスタートした新カード、新アプリを通じて、UXを飛躍的に高め、LTVのさらなる
 向上をめざします。また、ゴールドカードに次ぐ第二の柱に成長してきた、アニメに代表され
 るコンテンツカードなど、「一人ひとりの『好き』を応援する」カードを拡大します。
・リアル店舗中心の会員募集を見直し、ネット入会の比率を高めるほか、拡大が見込まれるE
 C・ネット関連サービス、家賃などを中心に家計シェア最大化の取り組みを強化することで、
 5年後の取扱高は2倍の5.3兆円をめざします。
・また、50万人以上のお客さまに再生可能エネルギーをエポスカード払いでご利用いただき、C
 O2削減とLTV向上の両立に挑戦します。

(未来投資)
・未来投資は、サステナビリティ、ウェルビーイングなどのインパクトと収益の両立をめざして
 イノベーションを創出します。新規事業投資は社内からのイノベーション創出、共創投資は社
 外からのイノベーション導入をめざします。
・新規事業は、ECを中心にメディア、店舗、フィンテックを掛け合わせた独自のビジネスモデ
 ルを構築します。
・共創投資は、共創の理念に基づき、共に成長し価値をつくる取り組みを進め、小売・フィンテ
 ックへの貢献利益と、ファイナンシャルリターンの両方を追求します。

<資本政策>
・小売は定借化にともない安定化も、自己資本比率は依然として高い水準のため、この余剰資本
 を再配分し、自己資本比率25%前後を目標にバランスシートの見直しを進めます。
・また5年間の基礎営業キャッシュ・フロー2300億円を、未来投資を含めた成長投資に800億円、
 資本最適化のための自社株取得に500億円、株主還元に1000億円を配分する計画です。




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                               (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信




<インパクト>
・2019年に策定した「丸井グループビジョン2050」に基づき、サステナビリティとウェルビーイ
  ングに関わる目標を「インパクト」として定義しました。「将来世代の未来を共につくる」
  「一人ひとりの幸せを共につくる」「共創のプラットフォームをつくる」の3つの目標を達成
  すべく、主要な取り組み項目を中期経営計画の主要KPIとして設定します。
・また、ステークホルダーの求める利益と幸せを共に実現する共創経営に向けて、ステークホル
  ダーをボードメンバーに迎えることで、ガバナンス体制を進化させていきます。

ⅳ.主要KPI
 2026年3月期の目標として、インパクトについては、「CO2排出削減量100万トン以上」「将
 来世代との共創の取り組み150件以上」など6つのKPI達成をめざします。そして、これらの
 インパクトを実現することで、EPS200円以上、ROE13%以上、ROIC4%以上を実現し
 ます。




■ 会社の考えるサステナビリティ
 当社グループでは、2016年からビジネスと環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取
 り組みが一体となった未来志向の共創サステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それ
 まで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテー
 マでとらえ直し、あわせて国連の「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development
 Goals)と関連付けることで、4つの重点テーマに整理しました。インクルージョンには、これま
 で見過ごされてきたものを包含する・取り込むという意味があり、SDGsの理念と同じ方向性
 を示すものです。
 そして、2019年には本格的な共創サステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン
 「丸井グループビジョン2050」を策定しました。また、そのビジョンの実現に向けて、4つの重
 点テーマを踏まえ、共創を基盤とした3つのビジネスを設定しました。


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                                (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信



 (丸井グループビジョン2050)
  「ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る」

 (共創を基盤とした3つのビジネス)
  ⅰ.世代間をつなぐビジネス
   「グリーン・ビジネス」と「ヒューマン・ビジネス」を通じて、将来の地球・世代と共存する
   選択肢を提供していきます。
  ⅱ.共創ビジネス
   社会におけるプラットフォームのような存在として、バリューチェーンに関わるすべてのステ
   ークホルダーとの共創により、「私らしさ」と「他者とのつながり」の実現を支える場やサー
   ビスを提供していきます。
  ⅲ.ファイナンシャル・インクルージョン
   世界中の人々が抱えるお金に対する不安と所得格差を解消する選択肢を提供していきます。

 (インクルージョンの視点からの4つの重点テーマ)
  当社グループは、長期ビジョンの実現に向けた3つのビジネスを推進するため、4つの重点テー
  マに積極的に取り組んでいきます。

  ⅰ.お客さまのダイバーシティ&インクルージョン
   お客さまの年齢・性別・身体的特徴などを超え、すべてのお客さまに喜んでいただける商品・
   サービス・店舗のあり方を追求していきます。

 (重点取り組み)
                    年齢や性別に関係なく、高齢者、障がい者、外国人やLGBTの方など、
インクルーシブな店づくり        すべてのお客さまに楽しく安心してお買いものいただけるよう、設備環境
                    と接客の両面から、居心地の良い店づくりに取り組んでいます。
                    丸井グループが考えるモノづくりは、一人ひとりの身体的特徴に合った商
                    品をつくることです。身体的特徴を超えて、誰も排除することなく、すべ
インクルーシブなモノづくり
                    ての人のお役に立てるよう商品の開発・販売の仕組みを構築し、新たな需
                    要の創造をめざしています。
                    「すべての人に金融サービスを」をミッションとし、富裕層を中心とした
                    限定的なサービスではなく、収入や世代を問わず、すべての人が必要な時
ファイナンシャル・インクルージョン
                    に必要なサービスを受けることができるファイナンシャル・インクルージ
                    ョンに取り組んでいます。

  ⅱ.ワーキング・インクルージョン
   「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という考えのもと、
   社員一人ひとりにとっての活躍の場を提供していきます。

 (重点取り組み)
                    「個人の中」「男女」「年代」の3つの多様性を促進することで、約5,000
                    人の社員が互いの個性を認め合う組織風土をつくっています。また、グル
                    ープ会社間の人事異動「職種変更」による個人のスキル・ノウハウの向上、
「多様性」を活かす組織づくり
                    年齢・役職を超えて議論する「グループ横断プロジェクト」への参加など、
                    互いが持つ知と知を融合することにより、ノウハウ・ナレッジなどの人的
                    資本を、グループの組織資本へと転換していきます。
                    「病気にならないこと(基盤)」だけでなく、「今よりもっと活力高く、
                    しあわせになること(活力)」が重要と考え、「活力×基盤のウェルネス
人の成長を支える「ウェルネス経営」
                    経営」を進めてきました。ウェルネス経営を戦略の一つに掲げ、グループ
                    全体でウェルネス経営を進めています。




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                                   (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


                     「人のお役に立ちたい」という想いを持つ社員こそが、企業価値創造の源
                     泉であると確信し、多様な価値観の尊重はもちろん、一人ひとりがイキイ
新たな成長に向けた「人材への投資」
                     キと成長し続けられる組織風土の醸成をめざし、積極的な人材育成と採用
                     への投資を実施します。

  ⅲ.エコロジカル・インクルージョン
   環境負荷の少ない事業を推進し、脱炭素社会や循環型社会の実現をめざし、自然と環境の調和
   を図るエコロジカルなライフスタイルを提案していきます。

 (重点取り組み)
                     温室効果ガス削減への取り組みとして、2019年9月に策定した新たな温室
                     効果ガス削減の中長期目標は、国際的なイニシアチブである「Science
                     Based Targets(SBT)イニシアチブ」により「1.5℃目標」として認定
                     されました。
                     グループ全体の温室効果ガス削減目標は次の通りです。
                       2030年までに、2017年3月期比で
                       ・Scope1(※1)+Scope2(※2)を80%削減
                       ・Scope3(※3)を35%削減
                       2050年までに、2017年3月期比で
                       ・Scope1+Scope2を90%削減
                     (参考)2020年3月期の実績
グループ一体で進める環境負荷の低減
                       ・Scope1(13,799トン)+Scope2(67,916トン)合計26.7%削減
                       ・Scope3(351,962トン)12%削減
                       温室効果ガス排出量原単位(※4)は10.3(前年比83.0%)となり
                       ました。
                     2018年7月、RE100に加盟し、2030年までにグループの事業で使用す
                     る電力を、すべて再生可能エネルギー化していくこととしています。2019
                     年度の再生可能エネルギー比率は23%、2020年度は52%となりました。
                     ※1自社の燃料の使用による温室効果ガスの排出量
                     ※2自社の電力等の使用による温室効果ガスの排出量
                     ※3自社のバリューチェーンに関わる温室効果ガスの排出量
                     ※4温室効果ガス排出量(トン)/連結営業利益(百万円)にて算出
                     材料の調達からモノづくり、商品の販売から廃棄されるまでのバリューチ
                     ェーン全体において、生産者としての責任があると認識しています。ステ
お取引先さまとの責任ある調達
                     ークホルダーとの共創により、地域の社会貢献はもちろんサプライチェー
                     ン全体での人権や労働環境の改善につなげていきます。
                     小売とフィンテックにおける事業に、ITや物流などグループの強みを重
                     ね合わせた独自のプラットフォームを活用し、世の中の変化とお客さまの
環境負荷低減を実現する革新的サービス
                     ニーズに対応した新たな利便性の提供と環境負荷低減を両立する革新的な
                     サービスの開発を進めます。

  ⅳ.共創経営のガバナンス
   すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和を図るために、ステークホルダー
   をインクルードした経営の仕組みづくりに着手します。

 (重点取り組み)
                     すべてのお客さまに喜んでいただけるビジネスを実現していくために、社
                     員をはじめ、お客さま、株主・投資家の皆さま、地域・社会の皆さま、お
ステークホルダーとの共創
                     取引先さまに対しても、インクルージョン視点による活動にご賛同いただ
                     けるように、建設的な対話を通じた共創経営を強化しています。




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                                    (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


                    共創サステナビリティ経営に基づく3つのビジネスの推進に向けて適時活
                    動を検証するとともに、サステナビリティとビジネスの両立に向けた重点
                    指標(KPI)の進捗を確認していきます。
                    サステナビリティマネジメント体制の強化に向け、2019年にサステナビリ
                    ティアドバイザーおよびサステナビリティ委員会を設置しました。
                    また、取締役に対する業績連動型株式報酬に関して、業績達成条件に第三
サステナビリティマネジメントの推進
                    者機関の調査に基づくESG評価指標の目標を追加しました。
                    目標とする指標
                    ・2021年3月期 DJSI World(注)の構成銘柄への選定の有無
                    (注) Dow Jones Sustainability World Index :長期的な株主価値向上へ
                         の観点から、企業を経済・環境・社会の3つの側面で統合的に評
                         価・選定するESGインデックス
                    2017年4月より次世代経営者育成プログラム「共創経営塾(CMA)」を開
次世代リーダーの育成          設しました。毎年10人~20人程度を選抜し、社外取締役の監修のもと、次
                    世代の経営を担う人材の発掘と育成をめざします。
                    共創サステナビリティ経営の礎として、「グループ行動規範」を定め、そ
                    のもとに「丸井グループ人権方針」「グループ安全衛生方針」「丸井グル
                    ープ環境方針」等を定めています。
                    また、外部環境の変化に対応し、デジタル化・技術革新の事業構造転換の
                    さらなるスピードアップに向け、CDO(Chief Digital Officer)を任命
                    しました。
                    2018年に「グループ情報セキュリティ方針」「グループプライバシーポリ
                    シー」「グループソーシャルメディアポリシー」「グループ税務方針」を
                    制定しました。規範・各種方針は実効性を年1回検証するとともに、研修
リスクマネジメント
                    などを通じてグループ社員へ周知を図っています。
                    また、情報セキュリティリスクへの対応を強化するため、情報セキュリテ
                    ィ委員会を設置し、グループ全体の情報資産などを保護・管理する最高セ
                    キュリティ責任者としてCSO(Chief Security Officer)を配置しまし
                    た。
                    なお、2020年度には、「お客さまエンゲージメント方針」「人材開発方
                    針」「腐敗行為防止方針」を新たに策定しました。
                    今後も適宜見直しを行い、時代に合わせたリスクマネジメントを推進して
                    いきます。

 ■ 気候変動への取り組みとTCFDへの対応
  気候変動は、もはや気候危機としてとらえるべきことであり、当社グループは、重要な経営課題
  のーつと認識し、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」の実現をめざしてい
  ます。「丸井グループ環境方針(2020年4月改定)」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた
  脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析や気
  候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応への取り組みを推進しています。
  当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タ
  スクフォース)による提言に賛同し、有価証券報告書(2019年3月期)にて、提言を踏まえ情報
  を開示しました。さらに分析を重ね、有価証券報告書(2020年3月期)にて、気候変動による機
  会および物理的リスク等の内容を拡充しました。今後も情報開示の充実を図るとともに、TCF
  D提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、共創サス
  テナビリティ経営を進めていきます。

 <ガバナンス>
  気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、2019年5月に代表取締役
  を委員長とする取締役会の諮問機関、サステナビリティ委員会を新設しました。また、その下部



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                                  (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


  組織として関連リスクの管理および委員会が指示した業務を遂行する機関、ESG・情報開示分
  科会を設置しました。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制をもとに「丸井グル
  ープ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に
  関するガバナンスの強化を進めていきます。

<事業戦略>
(事業のリスクと機会)
  気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上
  昇を1.5℃以下に抑制することをめざす動きにともに貢献していくことが重要であると考えて
  います。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会
  がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。
  当社グループは、小売・フィンテックに、経営理念やビジョンを共感しあえるスタートアップ企
  業等への投資により、相互の発展につなげる「未来投資」を加えた、三位一体の新たなビジネス
  モデルの創出をめざしています。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害
  や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者
  の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グ
  ループのビジネスの機会であるととらえています。

(財務影響の分析・算定)
  事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等に基づき分析し2050年までの期間内に想定
  される利益への影響額として項目別に算定しています。リスクについては、物理的リスクとし
  て、気温上昇が1.5℃以下に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうる
  と予測しています。店舗の営業休止による不動産賃貸収入等への影響(約19億円)および建物被
  害(約30億円)を算定。移行リスクとしては、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、再生
  可能エネルギーの調達コストの増加(約8億円)および炭素税導入による増税(約22億円)を算
  定しています。機会については、環境意識が高い消費者へのライフスタイル提案による店舗収益
  への影響(約19億円)およびクレジットカード会員の増加による長期的収益(約26億円)、環境
  配慮に取り組む企業への投資によるリターン(約9億円)を算定。クレジットカード会員の再生
  可能エネルギー電力の利用によりリカーリングが増加しゴールドカード会員化に繋がることでの
  長期的収益(約20億円)、電力小売事業への参入による調達コストの削減(約3億円)および炭
  素税の非課税(約22億円)を算定しています。今後も様々な動向を踏まえ定期的に分析し、評価
  の見直しと情報開示の充実を進めていきます。

(前提要件)
対象期間   2020年~2050年
対象範囲   丸井グループの全事業
       気候変動シナリオ(IPCC・IEA等)に基づき分析
       項目別に対象期間内に想定される利益影響額を算定
算定要件   リスクは事象が発生した際の影響額で算定
       機会は原則、長期的な収益(LTV)で算定
       公共事業等のインフラ強化やテクノロジーの進化等は考慮しない




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                                       (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


    (気候変動によるリスクおよび機会)
     世の中の変化      丸井グループのリスク              リスクの内容                利益影響額

物                             営業休止による不動産賃貸収入等への影響              約19億円
理                  店舗の営業休止
     台風・豪雨等
的
      による水害                   浸水による建物被害(電源設備等の復旧)              約30億円
リ       ※1
ス
                  システムセンター                                      対応済
ク                             システムダウンによるグループ全体の営業活動休止
                     の停止                                        ※2
移    再エネ需要の                                                    約8億円
行                 再エネ価格の上昇    再エネ調達によるエネルギーコストの増加
       増加                                                      (年間)
リ
ス     政府の                                                      約22億円
                   炭素税の導入     炭素税による増税
ク   環境規制の強化                                                    (年間)

     世の中の変化       丸井グループの機会               機会の内容                利益影響額

                                                               約19億円
                              環境配慮に取り組むテナント導入等による収益
                                                                ※3
               サステナブルな                                         約26億円
    環境意識の向上・ ライフスタイルの提案       サステナブル志向の高いクレジットカード会員の増加
                                                                ※4
     ライフスタイル
       の変化                    環境配慮に取り組む企業への投資によるリターン           約9億円
機
会                一般家庭の再エネ需要                                     約20億円
                              クレジットカード会員の再エネ電力利用による収益
                    への対応                                         ※5

        電力調達の                                                  約3億円
                 電力小売事業への参入   電力の直接仕入れによる中間コストの削減
         多様化                                                   (年間)

      政府の                                                      約22億円
                   炭素税の導入     温室効果ガス排出量ゼロの達成による炭素税非課税
    環境規制の強化                                                    (年間)
    ※   1   ハザードマップに基づき影響が最も大きい河川(荒川)の氾濫を想定(流域の2店舗に3カ月の影響)
    ※   2   バックアップセンター設置済みのため利益影響は無しと想定
    ※   3   不動産賃貸収入の増加およびクレジットカード利用の増加
    ※   4   クレジットカードの新規入会や利用による収益を算定
    ※   5   リカーリング等でのゴールドカード会員の増加による収益を算定

    <リスク管理>
     当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリ
     オの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビ
     リティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社(小売
     業・施設運営・物流・ビルマネジメント等)の役員で構成されるESG・情報開示分科会で議論
     された内容は、サステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取
     締役会への報告・提言を行っています。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法
     制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等
     の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。

    <指標と目標>
    ・当社グループは、グリーン・ビジネスの指標として、環境効率(営業利益/CO2排出量)およ
        びサーキュラーレベニュー(サーキュラー売上高・取扱高/小売総取扱高)を設定しています。
    ・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3
        月期比Scope1+Scope2を80%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1
        +Scope2を90%削減)」が、2019年9月にSBTイニシアチブにより「1.5℃目標」として認
        定されています。
    ・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再
        生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。


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                            (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信



 ■ 新型コロナウイルスの感染拡大への対応
   当社グループでは、ステークホルダーの皆さまの健康と安全を第一に考え、さまざまな対応を進
   めています。この未曾有の危機をともに乗り越えるために関係を見つめ直し、パートナーシップ
   をより強固なものにしていきたいと考えています。

 (お客さま)
  マルイ・モディ店舗においては、2020年4月から5月の緊急事態宣言期間中は食料品売場および
  一部テナントを除き全店舗を休業しました。宣言が解除された後は、感染防止対策を講じたうえ
  で順次営業を再開しました。また、2021年1月から3月の緊急事態宣言期間中は一部店舗の営業
  時間短縮を実施しました。なお、2021年4月から5月の緊急事態宣言期間中は、一部店舗を休業
  しています。
  エポスカードにおいては、お支払い期日の変更などの対応に加え、家賃決済のお客さまには政府
  の住居確保給付金制度をご案内しています。

 (お取引先さま)
  ステークホルダーの利益拡大をめざす共創理念に基づき、休業期間中の家賃全額免除をはじめと
  するパートナーシップ強化策を実施しています。お取引先さまとのパートナーシップを強化する
  ことでこの未曽有の危機をともに乗り越え、中長期的な企業価値向上につなげていきます。

  当期に実施したパートナーシップ強化策
  ・お取引さまの休業期間中の家賃および共益費を全額免除
  ・消化仕入取引先の最低保証売上の撤廃(4~8月期分)
  ・ご希望に応じて敷金1~2カ月分を返却(6カ月以上預託するお取引先さまが対象)
  ・ご希望に応じて5~7月期のお支払いを6カ月間猶予
  ・お取引さまに対する「家賃支援給付金申請」のサポート

 (株主・投資家)
  新型コロナウイルスの感染拡大によって世界情勢が大きく変化し先行きが不透明でありますが、
  適時・適切に情報を開示していきます。また、事業の継続性や安定性を確保することで、株主・
  投資家の皆さまに信頼していただける経営を進めていきます。

 (社員)
  店舗の休業などにより自宅待機となった社員は特別休暇とし、コールセンターや物流センターな
  ど出社が不可欠な部門においては、事務所の分散化や飛沫感染防止の徹底など、安心して働ける
  環境整備を実施しました。本社においては、働き方改革の一環として進めてきたモバイルPCの
  導入が完了していたことで、テレワーク実施率は上昇し、感染防止とともに新たな働き方が浸透
  しています。

  当社グループは、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会の実現を
  めざしています。新型コロナウイルス感染症の影響は依然不透明でありますが、今後もお取引先
  さまとの共創により、お客さまにさまざまな選択肢を提供し、魅力ある店舗づくりを推進してい
  きます。

2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
  当社グループの事業展開は国内中心であり、海外からの資金調達の必要性も乏しいため、会計基
 準については日本基準を適用しています。
  なお、国際会計基準(IFRS)の適用については、今後の外国人持株比率の推移および国内外
 の諸情勢を考慮のうえ、適切に対応していく方針です。



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                            (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
                                                  (単位:百万円)
                          前連結会計年度             当連結会計年度
                         (2020年3月31日)        (2021年3月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                           40,839              41,190
   受取手形及び売掛金                         5,153               4,903
   割賦売掛金                           416,250             426,668
   営業貸付金                           139,313             118,039
   商品                                4,766               3,111
   その他                              36,550              46,296
   貸倒引当金                          △16,106             △16,423
   流動資産合計                          626,766             623,787
 固定資産
   有形固定資産
     建物及び構築物                       248,241             250,771
      減価償却累計額                    △186,489            △190,230
      建物及び構築物(純額)                   61,751              60,540
     土地                            103,542             103,542
     建設仮勘定                           1,190                 486
     その他                            33,762              34,322
      減価償却累計額                     △25,481             △25,941
      その他(純額)                        8,281               8,380
     有形固定資産合計                      174,765             172,950
   無形固定資産                            8,113              10,149
   投資その他の資産
     投資有価証券                         27,388              42,144
     差入保証金                          30,912              27,583
     繰延税金資産                         13,868              18,176
     その他                             4,153               6,278
     投資その他の資産合計                     76,323              94,183
   固定資産合計                          259,202             277,283
 資産合計                              885,969             901,070




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                           (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


                                                 (単位:百万円)
                         前連結会計年度             当連結会計年度
                        (2020年3月31日)        (2021年3月31日)
負債の部
 流動負債
   買掛金                              7,145               8,105
   短期借入金                          102,335              99,380
   1年内償還予定の社債                      15,000              30,000
   未払法人税等                          10,724               6,310
   賞与引当金                            3,482               3,333
   ポイント引当金                         20,583              23,577
   株式給付引当金                             -                   84
   商品券等引換損失引当金                        160                 152
   その他                             54,996              49,918
   流動負債合計                         214,425             220,860
 固定負債
   社債                              90,000              80,000
   長期借入金                          272,500             275,200
   繰延税金負債                           1,884                 135
   利息返還損失引当金                        4,663              22,810
   債務保証損失引当金                          166                 128
   資産除去債務                             953               1,101
   その他                             11,045              10,129
   固定負債合計                         381,212             389,505
 負債合計                             595,638             610,366
純資産の部
 株主資本
   資本金                             35,920              35,920
   資本剰余金                           91,824              91,760
   利益剰余金                          180,522             172,747
   自己株式                          △19,661             △19,662
   株主資本合計                         288,606             280,765
 その他の包括利益累計額
   その他有価証券評価差額金                     1,185               9,417
   繰延ヘッジ損益                            △0                    0
   その他の包括利益累計額合計                    1,185               9,417
 非支配株主持分                              538                 520
 純資産合計                            290,330             290,704
負債純資産合計                           885,969             901,070




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                               (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
 連結損益計算書
                                                        (単位:百万円)
                             前連結会計年度               当連結会計年度
                           (自 2019年4月1日          (自 2020年4月1日
                           至 2020年3月31日)         至 2021年3月31日)
売上収益                                 247,582                220,832
売上原価                                  51,916                 42,499
売上総利益                                195,666                178,332
販売費及び一般管理費
 広告宣伝販促費                                7,545                  5,002
 ポイント引当金繰入額                            20,583                 23,577
 貸倒引当金繰入額                              15,982                 15,590
 給料及び手当                                29,484                 26,497
 賞与引当金繰入額                               3,124                  2,772
 支払手数料                                 16,009                 15,344
 地代家賃                                  15,552                 12,308
 減価償却費                                  7,861                  8,413
 利息返還損失引当金繰入額                           4,422                 23,170
 その他                                   33,156                 30,345
 販売費及び一般管理費合計                         153,721                163,022
営業利益                                   41,944                 15,310
営業外収益
 受取配当金                                    225                    265
 雇用調整助成金                                   -                     615
 その他                                      282                    374
 営業外収益合計                                  507                  1,255
営業外費用
 支払利息                                   1,330                  1,243
 その他                                      705                    714
 営業外費用合計                                2,036                  1,958
経常利益                                   40,415                 14,607
特別利益
 投資有価証券売却益                                211                  2,539
 雇用調整助成金                                   -                     878
 その他                                       44                     -
 特別利益合計                                   256                  3,418
特別損失
 固定資産除却損                                1,299                  1,574
 減損損失                                     128                    233
 投資有価証券評価損                                126                  3,110
 関係会社株式評価損                              1,010                     -
 感染症関連費用                                  410                  7,746
 その他                                      288                    260
 特別損失合計                                 3,263                 12,924
税金等調整前当期純利益                            37,408                  5,101
法人税、住民税及び事業税                           16,048                 12,527
法人税等調整額                               △4,077                 △9,684
法人税等合計                                 11,971                  2,843
当期純利益                                  25,437                  2,257
非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に
                                           40                   △69
帰属する当期純損失(△)
親会社株主に帰属する当期純利益                        25,396                  2,327




                          20
                     (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


連結包括利益計算書
                                              (単位:百万円)
                   前連結会計年度               当連結会計年度
                 (自 2019年4月1日          (自 2020年4月1日
                 至 2020年3月31日)         至 2021年3月31日)
当期純利益                       25,437                 2,257
その他の包括利益
 その他有価証券評価差額金               △1,792                  8,232
 繰延ヘッジ損益                        △0                      0
 その他の包括利益合計                 △1,792                  8,232
包括利益                         23,645                10,490
(内訳)
 親会社株主に係る包括利益                23,604                10,560
 非支配株主に係る包括利益                    40                  △69




                21
                                                                (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


(3)連結株主資本等変動計算書
 前連結会計年度(自   2019年4月1日         至     2020年3月31日)
                                                                                            (単位:百万円)
                                                                          その他の包括利益
                               株主資本
                                                                             累計額
                                                                      その他        その他の        非支配     純資産
                       資本       利益                     株主資本          有価証券 繰延ヘッジ 包括利益        株主持分      合計
             資本金                            自己株式
                      剰余金       剰余金                     合計             評価    損益   累計額
                                                                      差額金          合計
当期首残高        35,920   91,323   166,858      △12,327        281,774    2,977    0    2,977     -     284,752

当期変動額

 剰余金の配当                        △11,731                 △11,731                                      △11,731
 親会社株主に帰属す
                                   25,396                   25,396                                   25,396
 る当期純利益
 自己株式の取得                                    △7,886         △7,886                                   △7,886

 自己株式の処分                   0                    552            552                                      552
 利益剰余金から資本
                         △0             0                       -                                        -
 剰余金への振替
 非支配株主との取引
 に係る親会社の持分               501                                   501                                      501
 変動
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純                                                            △1,792   △0   △1,792     538   △1,254
 額)
当期変動額合計          -       501       13,664   △7,334           6,831   △1,792   △0   △1,792     538     5,577

当期末残高        35,920   91,824   180,522      △19,661        288,606    1,185   △0    1,185     538   290,330




当連結会計年度(自 2020年4月1日        至    2021年3月31日)
                                                                                            (単位:百万円)
                                                                          その他の包括利益
                               株主資本
                                                                             累計額
                                                                      その他        その他の        非支配     純資産
                       資本       利益                     株主資本          有価証券 繰延ヘッジ 包括利益        株主持分      合計
             資本金                            自己株式
                      剰余金       剰余金                     合計             評価    損益   累計額
                                                                      差額金          合計
当期首残高        35,920   91,824   180,522      △19,661        288,606    1,185   △0    1,185     538   290,330

当期変動額
 剰余金の配当                        △10,102                 △10,102                               △11    △10,114
 親会社株主に帰属す
                                    2,327                    2,327                                    2,327
 る当期純利益
 自己株式の取得                                        △1             △1                                       △1

 自己株式の処分                                                        -                                        -
 利益剰余金から資本
                                                                -                                        -
 剰余金への振替
 非支配株主との取引
 に係る親会社の持分              △63                                   △63                                      △63
 変動
 株主資本以外の項目
 の当期変動額(純                                                             8,232    0    8,232     △5      8,226
 額)
当期変動額合計          -      △63    △7,775           △1         △7,840     8,232    0    8,232    △17        374

当期末残高        35,920   91,760   172,747      △19,662        280,765    9,417    0    9,417     520   290,704




                                                      22
                            (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                    (単位:百万円)
                          前連結会計年度              当連結会計年度
                        (自 2019年4月1日         (自 2020年4月1日
                        至 2020年3月31日)        至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税金等調整前当期純利益                       37,408                5,101
 減価償却費                              9,191               10,482
 減損損失                                 128                  233
 ポイント引当金の増減額(△は減少)                  6,402                2,994
 貸倒引当金の増減額(△は減少)                    2,288                  316
 利息返還損失引当金の増減額(△は減少)                △294                18,147
 賞与引当金の増減額(△は減少)                     △34                 △149
 受取利息及び受取配当金                        △240                 △294
 雇用調整助成金                               -               △1,493
 支払利息                               1,330                1,243
 固定資産除却損                              407                  480
 投資有価証券売却損益(△は益)                    △211               △2,539
 投資有価証券評価損益(△は益)                    1,238                3,277
 売上債権の増減額(△は増加)                       985                  249
 割賦売掛金の増減額(△は増加)                   11,930             △10,418
 営業貸付金の増減額(△は増加)                  △1,840                21,274
 たな卸資産の増減額(△は増加)                      719                1,876
 買掛金の増減額(△は減少)                    △3,086                   960
 その他                             △12,831              △13,109
 小計                                53,493               38,632
 利息及び配当金の受取額                          233                  272
 利息の支払額                           △1,342               △1,248
 雇用調整助成金の受取額                           -                 1,493
 法人税等の支払額                        △12,851              △16,974
 法人税等の還付額                             377                   17
 営業活動によるキャッシュ・フロー                  39,909               22,193
投資活動によるキャッシュ・フロー
 固定資産の取得による支出                    △10,979              △10,374
 固定資産の売却による収入                          6                    0
 投資有価証券の取得による支出                   △9,035               △6,621
 投資有価証券の売却による収入                      212                2,988
 差入保証金の差入による支出                      △25                  △23
 差入保証金の回収による収入                     1,005                2,105
 その他                              △1,500               △4,316
 投資活動によるキャッシュ・フロー                △20,315              △16,241




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                           (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


                                                   (単位:百万円)
                         前連結会計年度              当連結会計年度
                       (自 2019年4月1日         (自 2020年4月1日
                       至 2020年3月31日)        至 2021年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の純増減額(△は減少)                 21,701               11,037
 長期借入れによる収入                       23,500               39,700
 長期借入金の返済による支出                  △42,000              △51,000
 社債の発行による収入                       19,895               19,901
 社債の償還による支出                     △30,000              △15,000
 自己株式の取得による支出                    △7,892                   △1
 配当金の支払額                        △11,731              △10,102
 その他                               1,039                △135
 財務活動によるキャッシュ・フロー               △25,487               △5,600
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)              △5,892                   351
現金及び現金同等物の期首残高                    46,720               40,827
現金及び現金同等物の期末残高                    40,827               41,179




                      24
                             (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


(5)連結財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
    該当事項はありません。

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
   該当事項はありません。

(重要な会計上の見積り)
   新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループにおける影響は、緊急事態宣言にともなうマ
  ルイ・モディ店舗の臨時休業や営業時間短縮、外出自粛や消費マインドの低下などによる店舗収益
  の低迷、ショッピングクレジット取扱高の回復の遅れを主なものと考えています。当社グループで
  はこれらの影響と従来の業績基調への回復は一定期間継続するものと仮定し、会計上の見積りを行
  っています。


  1.店舗固定資産の減損について
  (1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
     減損損失:233百万円


  (2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
     各店舗の店舗固定資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積るにあたっ
    ての主要な仮定は、店舗別の販売戦略に基づく将来の商品売上高、店舗賃貸収入、店舗固定
    費、カード発行数、カード利用率等および新型コロナウイルスの感染拡大と収束時期です。店
    舗別の販売戦略に基づく将来の商品売上高、店舗賃貸収入、店舗固定費については、過年度の
    実績をもとに、各店舗の改装計画・リニューアル計画等の影響を考慮し、見積もっています。
    また、将来のカード発行数・カード利用率等については、安定的な成長を見込み、それぞれ見
    積もっています。新型コロナウイルスの感染拡大と収束時期については、事業計画に基づき、
    一定期間新型コロナウイルス感染症の影響が続く前提のもと、会計上の見積りを行いました。
     なお、将来キャッシュ・フローの算定等に用いた仮定に大幅な変更が生じた場合には、翌連
    結会計年度の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。


  2.貸倒引当金の見積りについて
  (1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
     貸倒引当金:16,423百万円
     貸倒引当金繰入額(販管費及び一般管理費):15,590百万円


  (2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
     当連結会計年度末において、新型コロナウイルスの感染拡大やそれにともなう経済活動停滞
    による影響は一定期間継続するとの仮定を置いています。こうした仮定のもと、当該影響によ
    り生じる可能性がある損失に備えるため、信用リスク度合が最も近いと想定される直近の貸倒
    実績率を基礎として算出した貸倒引当率によって、今後の回収不能見込額を見積もっていま
    す。
     当連結会計年度末の貸倒引当金は現時点における最善の見積りであるものの、見積りに用い
    た仮定には不確実性があり、経済環境等の変動により債務者の信用リスクが変化した場合に
    は、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する貸倒引当金および貸倒引当金繰入額の金
    額に重要な影響を与える可能性があります。



                        25
                               (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


(表示方法の変更)
  (「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の適用)
    「会計上の見積りの開示に関する会計基準」(企業会計基準第31号 2020年3月31日)を当連結会
    計年度の年度末に係る連結財務諸表から適用し、連結財務諸表に重要な会計上の見積りに関する注
    記を記載しています。
     ただし、当該注記においては、当該会計基準第11項ただし書きに定める経過的な取扱いにしたが
    って、前連結会計年度に係る内容については記載していません。

(追加情報)
  (連結納税制度導入にともなう会計処理)
    当社および一部の連結子会社は、当連結会計年度中に連結納税制度の承認申請を行い、翌連結会
    計年度から連結納税制度を適用することとなったため、当連結会計年度より「連結納税制度を適用
    する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」(企業会計基準委員会 実務対応報告第
    5号 2015年1月16日)および「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い
    (その2)」(企業会計基準委員会 実務対応報告第7号 2015年1月16日)に基づき、連結納税制
    度の適用を前提とした会計処理を行っています。
     なお、「所得税法等の一部を改正する法律」(2020年法律第8号)において創設されたグループ
    通算制度への移行およびグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項
    目については、「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取
    扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第39号 2020年3月31日)第3項の取扱いにより、「税
    効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2018年2月16日)第44項の
    定めを適用せず、繰延税金資産および繰延税金負債の額について、改正前の税法の規定に基づいて
    います。

(セグメント情報)
  1.報告セグメントの概要
      当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手
     可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行
     う対象となっているものです。
      当社グループは、提供する商品、サービス等により「小売」「フィンテック」の2つを報告セ
     グメントとしています。
      「小売」は、商業施設の賃貸・運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、店舗内装、広告宣
     伝、ファッション物流受託、建物等の保守管理等を行っています。「フィンテック」は、クレジ
     ットカード業務、カードキャッシング、家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸等を行っ
     ています。
 
    2.報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
      報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している
     会計処理の方法と同一です。
      報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部売上収益および振
     替高は市場実勢価格に基づいています。




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                                                 (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信



    3.報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
 
      前連結会計年度(自   2019年4月1日     至 2020年3月31日)
                                                                     (単位:百万円)
                               報告セグメント                               連結財務諸表
                                                          調整額
                                                                       計上額
                                                          (注)1
                     小売        フィンテック           計                      (注)2

売上収益
    外部顧客への売上収益       110,960     136,622        247,582          -      247,582
    セグメント間の内部
                       5,311       2,923          8,235   △8,235             -
    売上収益又は振替高
            計        116,271     139,546        255,817   △8,235        247,582

セグメント利益               10,027      38,399         48,426   △6,482         41,944

セグメント資産 (注)3         275,779     622,438        898,217   △12,248       885,969

その他の項目
    減価償却費              6,816       1,897          8,713       477         9,191
    有形固定資産及び
                           8,311  3,448 11,759 △1,291 10,468
    無形固定資産の増加額
      (注) 1 調整額は以下の通りです。
           (1) セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去2,334百万円、各報告セグメントに配分していな
               い全社費用△8,816百万円です。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない連結財務諸表提出会
               社の費用です。
           (2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権の相殺消去△398,869百万円、各報告セグメントに配
               分していない全社資産389,314百万円などです。全社資産は主にグループ内の資金を一元管理するキ
               ャッシュマネジメントシステムに係る連結財務諸表提出会社の貸付金等です。
          2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
          3 店舗の固定資産は小売セグメント資産に含まれていますが、当社グループの「店舗・カード・Web」
              が相乗効果を発揮するビジネスモデルに基づき、店舗は新しい顧客獲得の重要なタッチポイントであ
              り、エポスカードの発行拠点としてフィンテックセグメント利益にも貢献しています。


      当連結会計年度(自   2020年4月1日     至 2021年3月31日)
                                                                     (単位:百万円)
                               報告セグメント                               連結財務諸表
                                                          調整額
                                                                       計上額
                                                          (注)1
                     小売        フィンテック           計                      (注)2

売上収益
    外部顧客への売上収益        85,505     135,326        220,832          -      220,832
    セグメント間の内部
                       3,419       2,016          5,436   △5,436             -
    売上収益又は振替高
            計         88,925     137,343        226,268   △5,436        220,832

セグメント利益                1,481      20,288         21,769   △6,459         15,310

セグメント資産 (注)3         258,125     627,693        885,818    15,252       901,070

その他の項目
    減価償却費              6,875       2,362          9,238     1,244        10,482
    有形固定資産及び
                           7,813 4,707 12,520 △1,967 10,553
    無形固定資産の増加額
      (注) 1 調整額は以下の通りです。
           (1) セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去1,893百万円、各報告セグメントに配分していな
               い全社費用△8,352百万円です。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない連結財務諸表提出会
               社の費用です。
           (2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権の相殺消去△369,791百万円、各報告セグメントに配


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                                          (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


              分していない全社資産388,402百万円などです。全社資産は主にグループ内の資金を一元管理するキ
              ャッシュマネジメントシステムに係る連結財務諸表提出会社の貸付金等です。
         2   セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
         3   店舗の固定資産は小売セグメント資産に含まれていますが、当社グループの「店舗・カード・Web」
             が相乗効果を発揮するビジネスモデルに基づき、店舗は新しい顧客獲得の重要なタッチポイントであ
             り、エポスカードの発行拠点としてフィンテックセグメント利益にも貢献しています。

 (1株当たり情報)
                             前連結会計年度                        当連結会計年度
                           (自 2019年4月1日                   (自 2020年4月1日
                            至 2020年3月31日)                  至 2021年3月31日)

1株当たり純資産額                               1,351円57銭                    1,353円40銭

1株当たり当期純利益                                117円58銭                      10円86銭

(注) 1   潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
    2   1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下の通りです。

                                         前連結会計年度                当連結会計年度
                                       (自 2019年4月1日           (自 2020年4月1日
                                        至 2020年3月31日)          至 2021年3月31日)

1株当たり当期純利益

  親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)                               25,396                2,327

  普通株主に帰属しない金額(百万円)                                      -                   -
  普通株式に係る親会社株主に帰属する
                                                     25,396                2,327
  当期純利益(百万円)
  普通株式の期中平均株式数(千株)                                  216,001             214,411


 (重要な後発事象)
   自己株式の取得
        当社は、2021年5月12日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替え
   て適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議しました。


   1.自己株式の取得を行う理由
        当社グループでは、2026年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画において、小売、フ
   ィンテックに「未来投資」を加えた新たな三位一体モデルの推進により、さらなる企業価値の拡
   大をめざしています。資本政策において、小売は定借化にともない安定化も、自己資本比率は依
   然として高い水準のため、この余剰資本を再配分し、自己資本比率25%前後を目標にバランスシ
   ートの見直しを進めます。また、5年間の基礎営業キャッシュ・フローを有効活用し、未来投資
   を含めた成長投資、資本最適化、株主還元に配分します。このうち資本最適化に向けた対応とし
   て、中期経営計画期間中に500億円の自己株式取得を行い、今期中に300億円を取得する予定で
   す。下記内容は、以上の考え方のもと決議したものです。


   2.自己株式の取得に係る事項の内容
   (1)取得対象株式の種類            普通株式
   (2)取得し得る株式の総数           1800万株を上限とする
                           (自己株式を除く発行済株式総数に対する割合                     8.40%)
   (3)株式の取得価額の総額           300億円を上限とする
   (4)株式の取得期間              2021年5月13日より2022年3月31日まで



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                                (株)丸井グループ(8252) 2021年3月期 決算短信


4.その他
役員の異動(2021年6月25日予定)
 1.新任取締役候補
     取締役(社外取締役)中神     康議        (現 みさき投資株式会社 代表取締役社長)

     取締役(社外取締役)ピーターD.ピーダーセン(現 特定非営利活動法人ネリス 代表理事、
                                    大学院大学至善館 専任教授)

     取締役 執行役員   小島    玲子        (現 執行役員 CWO、ウェルネス推進部
                                   長、当社専属産業医)

 2.退任予定取締役
     取締役(社外取締役)田口     義隆

     取締役(社外取締役)室井     雅博

     取締役 専務執行役員 中村    正雄        (退任後も専務執行役員を継続)

     取締役 上席執行役員 青木    正久        (退任後も上席執行役員を継続)

     取締役 執行役員   伊藤    優子        (退任後も執行役員を継続)




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