8244 近鉄百貨店 2021-04-12 16:30:00
「中期経営計画(2021-2024年度)」の策定について [pdf]

                                          2021 年 4 月 12 日
各位

                      会 社 名 株式会社近鉄百貨店
                      代表者名 代 表 取 締役 社 長執 行 役 員 秋田 拓士
                            (コード番号 : 8244 東証第1部)
                      問合せ先 常務執行役員 総合企画本部長 長野 公俊
                            (TEL 06-6655-7030)



           「中期経営計画(2021-2024 年度)
                               」の策定について



 当社は、2024 年度を最終年度とする新たな 4 カ年計画「中期経営計画(2021-2024 年度)」
を策定いたしましたのでお知らせいたします。

                         記

Ⅰ.前回「中期経営計画(2018-2020 年度)」の総括

 当社グループは、2018-2020 年度を、百貨店事業の収益力を強化しつつ、さらなる成長に向
けての新たな収益の柱になる事業モデルの強化期間と位置づけ、    4つの基本方針に基づき、様々
な施策を実行してきました。
 具体的には、「Ⅰ.新・百貨店事業モデル」の構築として、地域ごとのお客さまニーズに合わ
せた店舗開発、売場の再編をおこない、生駒店・草津店において新たな「地域共創型百貨店」
を構築しました。
 「Ⅱ.将来の発展に向けた様々な事業モデルの構築」では、フランチャイズ(FC)事業にお
いて新規業態への進出や既存業態の多店舗展開による拡大を図り、2020 年度には 11 業種、36
店舗までに拡大いたしました。また越境EC事業への進出や、近鉄百貨店アプリの導入による
販促手法の転換をおこないました。
 「Ⅲ.あべの・天王寺エリアの魅力最大化」としては、あべのハルカス近鉄本店2階化粧品・
婦人洋品フロア全面リニューアル、Hoop 地階ダイニングコート化、and「成城石井」オープンに
より、あべのハルカス近鉄本店・Hoop・and3館が強力に連携する体制を整備するとともに、免
税カウンターの拡充、海外エージェントとの提携強化によりインバウンドの戦略的取り込みを
図りました。
 「Ⅳ.業務の効率化、高度化、働き方改革の推進」としては、基幹システム、利益管理システ
ムの再構築による業務フローの簡素化や RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導
入による業務効率化、在宅勤務制度の導入による働き方改革の推進を図りました。
 以上のとおり、基本方針に掲げた施策は概ね計画通りに実現し、経営数値も計画どおりに推
移いたしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、最終年度である 2020 年度は
営業損失を計上することとなりました。一方で環境変化とその加速により、コスト構造の大幅
な見直し、新たな事業モデルへの転換のスピード化が急務であることを認識しました。

Ⅱ.新たな飛躍に向けた長期戦略

 中長期的な地方・郊外の人口減尐に加え、2020 年の新型コロナウイルス感染拡大の影響によ
                          1
り、当社を取り巻く経営環境は激変し、消費行動・生活様式の変容、デジタル化の進行、衣料
品・アパレルの低迷、インバウンド需要の減退等、今まで以上に変化のスピードが加速してお
ります。今後、持続的な成長を続けるためには、これまでおこなってきた構造改革のスピード
をあげるとともに、新たなビジネスモデルの構築が必要となります。
 本計画では、長期的に 2030 年の当社の目指す姿を設定し、その実現に向けて、2024 年度まで
の中期的に行うべき構造改革を策定しました。

1.長期ビジョン
  2030 年の日本は、健康寿命の延伸やデジタル技術の浸透、価値観とライフスタイルの変化
 により、   “豊かで持続可能な社会”の構築が進むものと思われます。そのような社会を踏ま
 え、当社の目指す姿として、   「くらしを豊かにするプラットフォーマー」をビジョンとして
 掲げます。
  当社の目指す「プラットフォーマー」とは、沿線生活経済圏に「暮らす・働く・訪れる」
 顧客と、当社および当社が連携する取引先・近鉄グループ各社・外部アライアンス先等が提
 供する「モノ・コト・サービス」を、当社が持つ顧客接点である「店舗」や「外商」「EC」
                                         、   、
 「アプリ・SNS」などを通じて「つなぐ場」を提供する事業者になることを意味します。
  当社は生活者のための“くらしのプラットフォーム”を構築し、持続可能な社会実現に向
 けて、生活にまつわるサービスを総合的に提供することで、   「豊かなくらしと価値ある生活
 文化」を創造することを目指します。

2.ESG経営の推進
  当社は鉄道沿線を主要商圏として事業を展開しており、経営理念においても「市民生活の
 向上と地域社会の発展に貢献」することを掲げております。地域産業である小売業として、
 地域社会の課題解決に取り組み、「豊かで持続可能な社会」の実現に貢献するため、
                                      「地域に
 寄り添い、地域と活きる」を方針に、ESG経営を推進します。

3.事業ポートフォリオの変革
  2030 年に向け、さらなる成長を目指して事業ポートフォリオの変革を進め、百貨店事業を
 商業ディベロッパー事業へと変革するとともに、百貨店の強みを自立・収益事業化し、既存
 事業の構造改革による安定化と、新規事業の戦略的拡大を図ります。
  事業構成は、新たな成長事業の占めるシェアを 2030 年には 50%程度まで伸ばし、2019 年
 度は百貨店事業単体で 80%のシェアですが、商業ディベロッパー事業で 50%程度とする計
 画です。

Ⅲ.「中期経営計画(2021-2024 年度)」の概要

 以上を踏まえて当社は、このたび以下のとおり新たな「中期経営計画(2021-2024 年度)」を
策定しました。

 ■事業戦略         ― くらしを豊かにする共創型マルチディベロッパーへの変革 ―
                           百“貨”店 から 百“価”店へ
               私たちは、顧客の暮らし方が大きく変わっていく中で、その
               変化に寄り添い、新たな価値を創造し提供する事業者となる

 ■期   間       2021 - 2024 年度   4 カ年

 ■基本的な考え方     今後の 4 年間を構造改革と事業ポートフォリオの変革による「新た
              なビジネスモデル」を創造する期間と位置づけます。お客さまの満
              足度を生涯にわたって高め、  沿線の生活経済圏での当社消費シェア
              最大化を目指します。

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 ■基本方針
  1.あべの・天王寺エリア「ハルカスタウン」の魅力最大化
  2.地域中核店・郊外店のタウンセンター化
  3.百貨店の強みの収益事業化
  4.成長を支える機能と基盤強化

 ■経営数値目標
  計画最終年度である 2024 年度の数値目標は以下のとおりです。当社は、コロナ禍で未
 達となった前・中期経営計画の数値目標に再チャレンジし、株主、従業員および地域社会
 への還元のバランスをとり、持続的安定成長を目指します。
  また、自己資本を充実させながら純利益を確保していくROEを経営指標とし、10%以
 上を目指してまいります。
                                              【参考】
              2019 年度    2020 年度    2024 年度
                                               2021 年度
             (実績)
                (※1)    (実績)
                           (※1)    (計画)
                                      (※2)
                                              (予想)
                                                 (※2)
 連結営業利益       45 億円      △20 億円     65 億円     (   18 億円   )

 連結当期純利益      32 億円      △49 億円     40 億円     (   17 億円   )

 ROE           8.5%        -       10.0%以上
 ROA
               3.5%        -       5.0%以上
 (営業利益ベース)
  (※1)2019 年度および 2020 年度実績は、
                           「収益認識に関する会計基準」等を適用前の発表数
       値となっております。
  (※2)2021 年度業績予想および 2024 年度計画は、
                               「収益認識に関する会計基準」等を適用し
       た数値となっております。


 ■総投資額    200 億円
            内訳 成長・戦略的投資 110 億円
                維持・更新投資  90 億円
  あべの・天王寺エリアや、地域中核店・郊外店のタウンセンター化、DX 戦略等、戦略
 的に投資し、構造改革・事業ポートフォリオの変革を推進します。




Ⅳ.重点施策


1.あべの・天王寺エリア「ハルカスタウン」の魅力最大化
  当社最大の収益拠点である「あべの・天王寺エリア」の魅力を最大化するため、あべのハ
 ルカス近鉄本店の強化や街づくり事業を推進します。長期的には西日本の国際化の玄関口と
 して「あべの・天王寺エリア」のグローバル化を目指します。

 (1)あべのハルカス近鉄本店のさらなる収益力の強化
   旗艦店であるあべのハルカス近鉄本店の更なる強化を図ります。国内外の超広域から集客
  できる魅力ある店づくりを目指し、特選ゾーンの確立と集客機能を再構築するとともに、
  客層幅の拡大に向け、新たな価値を創造するライフスタイルを重視した新ゾーンの開発を
  おこないます。



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(2)「あべの・天王寺エリア」街づくり事業の推進
  あべの・天王寺エリアを世界から人が集まり、楽しんでいただける街とするため、あべの
 ハルカスを核施設としたハード・ソフト両面にわたる街づくり事業を周辺企業や施設と連
 携して推進し、エリアブランディングを強化します。

(3)インバウンド需要の再創出
  新型コロナウイルス感染症拡大の影響により激減したインバウンド需要について、今後の
 回復を見込んだ施策を実施します。個人旅行客や東南アジア諸国からの訪日客の取り込み、
 モノからコト・サービス全般を含めた提案により、需要の再創出を図ります。

2.地域中核店・郊外店のタウンセンター化
  タウンセンター化とは、今後地方・郊外においてコンパクトシティ化が進む中、駅前立地
 の強みを活かし、生活機能・商業機能・コミュニティ機能を融合した複合商業サービス施設
 への転換を目指すものです。
  食料品フロアのさらなる充実や大型専門店の導入、地域コミュニティ機能、シティサービ
 ス機能など魅力あるコンテンツを整備し、地域生活に「なくてはならない存在」を目指しま
 す。
  また、地域産業である小売業として、地域の事業者、生産者、団体、行政などと連携し、
 地域文化の発信や地域産品の販売等、地域の活性化につながる事業を共創することで、地域
 共創事業に取り組みます。

3.百貨店の強みの収益事業化
  百貨店の強みを収益事業化するとともに、新たな事業創造にも取り組み、事業ポートフォ
 リオの変革を進めます。

(1)自主(フランチャイズほか)事業の進化
  当社が前・中期経営計画期間中に育ててきたフランチャイズ事業は、  更なる収益事業へと
 成長を図ります。
  2021 年4月、台湾で人気の食雑貨セレクトショップ「神農生活」日本フランチャイズ 1
 号店を、あべのハルカス近鉄本店にオープンします。今後は、当社が日本でのフランチャ
 イザーとして神農ブランドを拡大させていきます。
  また、  お客様の様々なご要望や購買スタイルに合わせ、従来の事業の枠組みを超えた取り
 組みをおこないます。業態を組み合わせた「マルチフランチャイズ」に、当社独自の「食」
 「住」  「サービス」のコンテンツを組み合わせ、新しい小売フォーマットを開発します。
  業種、店舗数のさらなる拡大と新しい業態導入の推進により、2024 年には 20 業種・70
 店舗、売上高 150 億円(※)を目指します。
     (※)…「収益認識に関する会計基準」等適用前売上高

(2)EC事業の強化
  リアルとの融合を促進することで顧客接点の最大化と事業拡大を図り、2024 年にはEC
 事業全体で売上高 100 億円(※)を目指します。
  国内ECにおいては、強みであるギフト、食品、化粧品等に加え、くらしの必需品やデイ
 リーな食料品、SDGs対応商品など幅広く提案するサイトを構築するとともに、外部モ
 ールへの出店強化、およびBtoB領域での新たな卸ビジネスを構築します。
  越境ECでは、  販路の拡大や商品力強化に加え、 国内外へのプロモーション強化で外部へ
 事業を拡大します。中国人気ECサイトを始めとした外部モールへの出店強化、バイヤー
 向けサイト(BtoB領域)でのビジネスを強化します。
     (※)…「収益認識に関する会計基準」等適用前売上高


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(3)外商機能の顧客サービス事業への変革
  当社の資産である「顧客」に関する取り組みを、外商機能を軸に、顧客政策・カード戦略
 など顧客マネジメントを一元化し、 “エリアのコンシェルジュ”として、近鉄グループ内外
 のあらゆるモノ・コト・サービス・情報を提供する新たな収益事業「顧客サービス事業」
 へと変革します。
  また、長期的には、キャッシュレス決済・顧客データを活用した新たな収益事業の検討を
 進めます。

(4)法人外商機能の商社機能への取り組み
  法人企業や団体向けの外商機能に加え、 企画開発から卸・販売までを手掛ける商社機能を
 有する事業への進化を図ります。

(5)商業開発事業の拡大
  百貨店業で培ったリーシング力、売場編集力を生かしたコンサルティング事業、プロパテ
 ィマネジメント事業等への取り組みをおこないます。

4.成長を支える機能と基盤強化
   以上の成長を支えるため、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略、人財戦略、
  財務戦略、グループ会社の成長戦略を推進します。

(1)デジタル技術の活用による多様な“つながり”と“利便性”の拡充
   リアル店舗、外商、EC、百貨店アプリ・SNS を融合し、当社の強みである「カード顧
 客 190 万人・足元商圏人口 600 万人」と「いつでも・どこでも・誰とでも」つながる顧客
 接点の多様化を進め、発信力と利便性を強化していきます。あべのハルカス近鉄本店の商
 品を全店で購入できる仕組みを構築するとともに、顧客の行動履歴に基づいた One to One
 コミュニケーションの実現を目指します。

(2)事業パフォーマンスを最大化する多様な働き方と組織体制
  構造改革を進めていくためには、人財および組織のパフォーマンスをいかにあげるか
 が重要となってきます。従業員一人ひとりの「ワークライフバランスの充実」と「生産
 性の高い働き方」との両立を実現させるため、労働環境整備に注力します。
  また、事業ポートフォリオの変革に対応できる組織体制づくりを推進します。

(3)財務戦略
  株主資本の充実、有利子負債の圧縮により、財務基盤の強化を優先します。また、業績に
 応じた安定的な株主還元を実現いたします。P/L 経営から B/S 経営への移行を推進し、成
 長に向けた戦略投資枠も計画していきます。

(4)グループ会社の成長戦略
  百貨店グループ各社では、 機能子会社としての役割や、近鉄グループへの依存経営からの
 脱却を図ります。
  ジャパンフーズクリエイトでは中食・外食産業分野への取引強化、Kサポートでは「総合
 人材サービス業」への変革、近創では「総合開発事業者」への変革、近畿配送サービスで
 は配送ネットワークの再構築による事業構造改革をおこないます。
   強み分野をさらに強化し、外部とのアライアンス等による新たな事業領域への挑戦をお
 こないます。

                                          (以上)

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