8057 内田洋行 2021-09-10 11:00:00
内田洋行グループ 第16次中期経営計画(2022年7月期~2024年7月期)について [pdf]

                                                            2021 年 9 月 10 日
各 位
                                      会 社 名 株式会社内田洋行
                                      代表者名 代表取締役社長      大久保 昇
                                            (コード番号 8057 東証第 1 部)
                                      問合せ先 執行役員
                                            経営・人事・総務グループ統括
                                                       佐藤 将一郎
                                                 (℡:03-3555-4072)


 内田洋行グループ 第 16 次中期経営計画(2022 年 7 月期〜2024 年 7 月期)について

 このたび、内田洋行グループは、第 16 次中期経営計画(3 ヵ年)を策定しましたので、お知らせします。

         2018〜2021                 2021〜2024                  2025〜
       女性/高齢者の 少子化加速                                        生産年齢人口の
 社会    労働参加つづく                   ゆるやかな労働人口減少                加速度的な減少
 構造
 変化                 !     デジタル化の加速                         社会構造変化に対応
       2020TOKYO
                    "                                      スマート社会の実現
       クラウドシフト      #     「人」への投資
       新学習指導要領                                              (SGDsの実現)
                    禍     モノからサービスに大きくシフト

        第15次中期経営計画                第16次中期経営計画
 主要
 テーマ    収益性改善を優先                  中核事業の再構築へ
                                                           「人」と「データ」
                              コロナ後の景気回復と新需要への対応              の時代に対応
        伸長需要への対応
                          ●アフターGIGAスクール   ●広がる顧客基盤で接点を強化
                                          ・
 収益性   ●Windows10 ●GIGA   ●公共・民間のDX需要     ●DX時代の働く場
  向上   ●教育ICT拡大    スクール
       ●首都圏オフィス
                           新たな競争優位の確立        中核事業再構築       機動的に変化対応する
                                                           内田洋行グループへ

         再構築の準備に着手        ●顧客資産を土台に需要開発 ●ダイナミズム            社会構造変化後も
中核事業
       ・組織横断でスキルの結集                         創出のための変革       ROE8%以上が達成
 再構築
       ・先行的な組織改編          ●ICT×環境で独自性発揮 ●マネジメント改革と見える化     できる経営基盤の確立




 前第 15 次中期経営計画では、伸長需要として Windows10 更新、教育 ICT 拡大、首都圏オフィスに焦点
 を定めて注力し大きな成果となりました。その後の想定外のコロナ禍においても GIGA スクール構想にグルー
 プをあげて対応するなどから高い結果をあげ、最重要課題として掲げた「収益性の向上」を実現、2 期連続で
 最高益を更新しております。次の第 16 次中期経営計画では、中長期課題である 2025 年以降の労働人口の
 急激な減少を見据え、「新たな競争優位の確立」と「中核事業の再構築」を目指します。


 ■目指すべき姿と方向性


 日本の経済政策は、バブル経済の崩壊からリーマンショック以降まで長期にわたるデフレ環境下にありました
 が、2012 年以降の大胆な金融緩和と財政処置で成長を促し、女性・高齢者と外国人の労働参加の増加策か
 ら景気の好転を引き出しました。しかし、2020 年からのコロナ禍で巨額の財政支出を余儀なくされ、国の財政
 運営の将来は厳しさが増すことも予想されます。
 今後はコロナ禍後の景気の反転が見込まれるものの、2025 年以降から加速する労働人口の急速な減少は
 潜在成長率の更なる低下を呼び起こします。低下を補うための生産性向上には、社会全体のスマート化が必
 須となりますが、このコロナ禍での行政や医療、教育の現場では、デジタル化や規制緩和の遅れが一気に顕
 在化してきました。このままでは 2025 年以降の国内経済はマイナス成長の可能性も懸念されるところです。
 この状況を打開すべく官民とも方向転換に動きだし、2021 年 9 月にはデジタル庁が設置され、成長戦略で
 あるデジタル化への集中投資・実装と規制改革がいよいよ本格化します。民間企業でも DX 投資が加速し始
 めました。この官民あげての DX(トランスフォーメーション)時代に対応するには、将来のデジタル社会の担い
 手の育成が重要となり、「人」と「データ」への投資の強化がより一層必要となります。
 当社グループの主要顧客である企業・自治体・教育機関では、「人」と「データ」が重視される DX 時代に向
 け、デジタル化の推進とともにそれを支える ICT と環境の構築ならびに働き方、学び方の変革が進むことでし
 ょう。
 2025 年以降を見据え、お客様の社会変化への対応をご支援することが、内田洋行のこれからの成長機会と
 考え、このような社会変化に対応すべくグループのリソースを最大限に活用するため、従来の事業の枠から脱
 却し、本格的なグループ経営の実現を目指すことを第 16 次中期経営計画の主要課題といたします。


■第15次中期経営計画において前倒しで着手した「中核事業の再編」に向けた施策

                 4つのマトリクスでみる内田洋行グループの事業構造
                                ICT
            環境構築関連                       市場別

             オフィス
             関連事業分野

                          %ビ
                          事ジ
                          業ネ
       公共                 (ス
                     情報   別
  関連事業分野         関連事業分野




             ICT関連


                               環境
 第 15 次中期経営計画期間では、製品とスキルの軸から環境構築関連ビジネスと ICT 関連ビジネスに、市
 場の軸から民間市場と公共市場にわけた、4 つのマトリクスを設定し、従来の三セグメントに内在する各事業を
 SBU(スモールビジネスユニット)として分類したうえで、内田洋行グループが持つ事業ポートフォリオを俯瞰的
 な視点から見直してリソース再編の検討を始めました。そのうえで一部を先行着手しております。


 (1) 従来の事業分野枠を超えた事業の強化
  ネットワークビジネス、ガバメントビジネス推進、ドキュメント&ECO ソリューションビジネスを、旧来の事業部か
  ら独立させ、事業部格として成長させる戦略を推進。また、分社し民間市場を中心としていたウチダ人材開
  発センタの教育研修事業を公共市場にも展開し、大きく事業拡大を果たす。

                                2
 (2) ICT リソースの集約(機能の集約)
  内田洋行内の営業系に事業部に分散していたエンジニア(SE)の一体化と、ICT 関連の製品・サービス開
  発機能のリソースを集約する。(その後の GIGA スクール構想への対応の中核となる)


 (3) 情報システムの一元化の準備
  グループ間で分断されていた情報システムの一元化に着手


■第 16 次中期経営計画の考え方


 2025 年以降を見据え、新たな競争優位と中核事業の再構築に向けて、以下の重点施策に取り組んでまいり
 ます。


 (1) 2025 年を見据えながら、コロナ後の景気回復と新たな需要への対応


   ○大手民間市場へのリソース集中
    ・生産性向上に直結するオフィス構築
    ・DX 時代に向け、シェアの高いソフトウエアと顧客基盤の連携から新たな競争優位を形成
   ○ICT×環境への挑戦(独自性の発揮)
    ・人とデータを結びつける環境構築と ICT 構築の事業連携
   ○民間の DX 対応と中堅中小での業種特化
    ・マイナンバー、電子帳票、電子インボイスで加速する DX に向けた強化
    ・食品業、建設業、社会福祉、化成品業の深堀と新たな業種への展開


   ○公共の DX(デジタルトランスフォーメーション)
       ・GIGA スクール後の新需要への対応へプラットフォームの強化
       ・政府・自治体のシステム標準化にむけた DX 推進への対応
   ○再度地方創生の高まり
       ・地方の公共需要、コロナ後の対策拡大への対応


 (2) 2025年以降を見据えた中核事業の再構築に向けて


   新たな競争優位の獲得を推進するには、従来事業を横断した施策が必要となる。15 次中計で着手した再
  編から中核事業の再構築に入る。まずは先行して、公共 ICT、地域施設で組織を、ICT エンジニアでは人
  材とスキルに横串を通すことを推進する統括を置き、変革のスピードアップを図る。今後は、大手民間市場な
  どを念頭に、市場と事業スキルを縦横の軸とした 4 つのマトリックスに沿って、新たな統括の設置やグループ
  各社を含む再編等により柔軟に再構築を進める。


 (3) ダイナミズムを創出するための構造の見直しを支えるマネジメント改革


   ○情報システムのグループ対応
    ・会計・販売管理のグループ統合

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   ・単体・グループ人事 ID の統合とグループネットワーク基盤の増強
   ・新たなビジネスモデルに対応できるシステム化(サブスクリプションモデル)
  これらを通じてデータの可視化と新たなビジネスモデルの対応を進める


  ○統合した財務と各ビジネスユニットの新たな事業評価
  ○人事・総務等の制度改革
  ○セグメントの見直しの検討


■利益計画の考え方

            顧客基盤と競争優位により、着実なベースアップを図る
                                           2021年7月期
    GDP成長率以上の伸び率を                         売上高2910億円
    ベースに安定的に拡大する                          営業利益103億円
                                                         成長イメージ
                              GIGAスクール等




                Windows10更新                                    2024年7月期
                教育ICT拡大 等                          2025年以降に    売上高2200億円
                                                   向けての投資を
                                                   見込む         営業利益60億円
                                       ベースアップ                 安定的にROE8%を
                                                              達成できる経営基盤づくり

                                          第15次中期経営計画
                                          売上高1700億円
                                          営業利益38億円




2020 年度、2021 年度に獲得した期間が限定された大きな増収要因は今後は予測されていませんが、顧客
基盤が拡がり各事業での競争力も向上していることから、特需を除いたベースラインアップは堅実に今後も伸
長できると考えます。そのなかで、2025 年以降に向けての中核事業再編ならびにグループ経営推進のため、
システム投資や人材投資、ICT 関連の製品・サービス開発など、将来に向けた投資を見込みます。


<第 16 次中期経営計画(2024 年 7 月期)目標値>
売上高 2200 億円以上                               計画期間における日本の GDP 成長率を 6~7%と推定し、
営業利益 60 億円以上                                (2021 年 7 月期にあった特需を除く)売上高 2000 億円

ROE 8%を安定的に達成できる経営基盤の確立を目指す                 をベースとして、その伸び率を上回る 10%以上を目指す。



■持続的成長に向けて


内田洋行グループは、「働き方変革」「学び方変革」「場と街づくり変革」に取り組むことを、2015 年から先駆
けて方針として掲げました。コロナ禍を経た 2021 年、この方針の先につながる、デジタル化社会の実現、「人」
と「データ」への投資の強化、新たな地方創生という大きな社会課題の解決に挑戦します。


第 16 次中期経営計画(2021-2024)では、従来のマネジメントから脱却を図り、売上構成三分の二となる ICT
事業を基盤として活用し、ICT と環境の両方のリソースを駆使することで、グループ全体で新たなダイナミズム

                                   4
を生み出すことから、2025 年以降に予想される大きな社会構造変化に対処することを目指します。


2021 年に内田洋行グループは創業 111 周年を迎えました。歴史の中で創り上げた事業領域にこれからの
社会課題を重ね、中核事業の再構築に取り組むことが、ESG 経営と SDGsの実現につながるものと考えます。
グループビジョン「情報の価値化と知の協創をデザインする」のもと、内田洋行グループは社会構造変化に対
応し、将来に向けて社会に貢献してまいります。
                                                  以 上




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