8013 ナイガイ 2019-12-27 16:00:00
東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ [pdf]

                                             2019 年 12 月 27 日
各   位
                                会 社 名    株 式 会 社 ナ イ ガ イ
                                代表者名     代表取締役社長 今泉         賢治
                                    (コード番号:8013 東証第一部)
                                問合せ先    取締役管理部門担当 市原 聡
                                           (Tel 03-6230-1654)


           東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ


 当社は、過年度決算短信等を訂正した件につきまして、2019 年 12 月 13 日付で株式会社東京証券取引所
より、有価証券上場規程第 502 条第 1 項第 1 号に基づき、その経緯及び改善措置を記載した「改善報告書」
の提出を求められておりましたが、本日別添のとおり提出いたしましたので、お知らせいたします。




別添書類:改善報告書



                                                        以   上
                                  改       善   報   告    書


                                                                     2019 年 12 月 27 日


株式会社東京証券取引所
代表取締役社長               宮原    幸一郎       殿



                                                                      株式会社ナイガイ
                                                            代表取締役社長          今泉 賢治




     この度、過年度決算短信及び四半期決算短信、並びに有価証券報告書及び四半期報告
書(以下「過年度決算短信等」といいます。)の訂正の件について、有価証券上場規程
第 502 条第 3 項の規定に基づき、その経緯及び改善措置を記載した改善報告書をここに
提出いたします。




                                          目       次


1.    経緯 ................................................................... 4
 (1)       過年度決算訂正の内容................................................... 4
 (2)       過年度決算短信等を訂正するに至った経緯 ................................. 6
      ア         不適切な会計処理が発覚した経緯及び過年度決算短信等を訂正するに至った経緯 . 6
      イ         関係当事者及びその略称 .................................................. 7
      ウ         S1 における不正 .......................................................... 7
          (ア)      S1 における業績の推移及び不正に至った経緯 .................................... 7
          (イ)      S1 における会計処理や在庫管理の方法 .......................................... 7

          (ウ)      不適正開示の原因となった行為の内容 .......................................... 8

          (エ)      不適切な会計処理の内容 ...................................................... 9
          (オ)      不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況 .......................... 9

          (カ)      不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等 ........................ 9

      エ         台北ナイガイにおける不正 ............................................... 10


                                              1
         (ア)       不適正開示の原因となった行為の内容 ......................................... 10

         (イ)       不適切な会計処理の内容 ..................................................... 11
         (ウ)       不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況 ......................... 11

         (エ)       不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等 ....................... 11

     オ         香港ナイガイにおける不正 ............................................... 11
         (ア)       不適正開示の原因となった行為の内容 ......................................... 11
         (イ)       不適切な会計処理の内容 ..................................................... 12

         (ウ)       不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況 ......................... 12
         (エ)       不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等 ....................... 12

     カ         上海ナイガイにおける不正 ............................................... 12
         (ア)       不適正開示の原因となった行為の内容 ......................................... 12
         (イ)       不適切な会計処理の内容 ..................................................... 13

         (ウ)       不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況 ......................... 13
         (エ)       不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等 ....................... 14

2.   改善措置 .............................................................. 14
 (1)      原因分析 ............................................................. 14
     ア         当社の問題点 ........................................................... 14
         (ア)       当社役職員のコンプライアンス意識に対する問題 ............................... 14
         (イ)       子会社社長の選任・再任に関する問題 ......................................... 14

         (ウ)       経理部門における子会社経理チェック体制の不備 ............................... 14
         (エ)       子会社担当役員制の実効性の問題 ............................................. 15
         (オ)       子会社に対する内部監査の不備 ............................................... 15
         (カ)       TR 部による海外子会社の管理体制の不備 ....................................... 15

     イ         S1 の問題点 ............................................................. 15
         (ア)       ガバナンス体制の不備 ....................................................... 15

         (イ)       管理会計及び会計システムの不備 ............................................. 15
         (ウ)       組織・人事の問題 ........................................................... 16
         (エ)       役職員のコンプライアンス感度が低かったこと ................................. 16

     ウ         海外子会社の問題点 ..................................................... 16
         (ア)       ローカルスタッフの適正、適法会計に対する認識不足 ........................... 16

 (2)      再発防止策(実施済みのものも含む) .................................... 16
     ア         役職員の処分等 ......................................................... 16
     イ         当社における再発防止策 ................................................. 17
         (ア)       コンプライアンス意識の醸成と企業風土改革(2.(1)ア(ア)に対応) ............... 17

         (イ)       当社執行役員、子会社社長の選任、再任方法の見直し(2.(1)ア(イ)に対応) ....... 18
         (ウ)       当社執行役員、子会社社長及び子会社常勤役員に対する教育(2.(1)ア(イ)に対応) . 19


                                              2
         (エ)      当社管理部門による子会社管理機能強化(2.(1)ア(ウ)及び(エ)に対応) ............ 19

         (オ)      内部監査機能の強化(2.(1)ア(オ)に対応) ..................................... 20
         (カ)      海外子会社の監督体制の整備(2.(1)ア(カ)に対応) ............................. 20

     ウ         S1 における再発防止策 ................................................... 20
         (ア)      経営ガバナンス体制の刷新(2.(1)イ(ア)に対応) ............................... 20

         (イ)      管理部門機能の設置と人員強化(2.(1)イ(イ)及び(ウ)に対応) .................... 21
         (ウ)      管理会計制度の導入による相互牽制体制の構築(2.(1)イ(イ)に対応) ............. 21

         (エ)      会計管理 IT システムの再構築(2.(1)イ(イ)に対応) ............................ 22
         (オ)      職場環境・風土改革(2.(1)イ(ウ)及び(エ)に対応) .............................. 22

     エ         海外子会社における再発防止策 ........................................... 22
         (ア)      ローカル役職員の再教育(2.(1)ウ(ア)に対応) ................................. 22

 (3)      改善措置の実施スケジュール ............................................ 23
3.   投資家及び証券市場に与えた影響についての認識 .......................... 24




                                           3
1. 経緯

(1)   過年度決算訂正の内容
      当社は、2019 年 11 月 12 付「特別調査委員会の調査報告書公表及び今後の対応に関
      するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、特別調査委員会から同日付「調査報
      告書」を受領し、同年 11 月 15 日に過年度決算短信等の訂正を行いました。
        訂正した過年度決算短信等及び本件訂正が業績に及ぼす影響額については、以下
      のとおりです。


      【訂正した過年度決算短信等】
      ・訂正を行った有価証券報告書
        第 120 期 有価証券報告書    (自 平成 28 年 2 月 1 日    至 平成 29 年 1 月 31 日)
        第 121 期 有価証券報告書    (自 平成 29 年 2 月 1 日    至 平成 30 年 1 月 31 日)
        第 122 期 有価証券報告書    (自 平成 30 年 2 月 1 日    至 平成 31 年 1 月 31 日)


      ・訂正を行った四半期報告書
        第 120 期 第 3 四半期報告書(自 平成 28 年 8 月 1 日     至 平成 28 年 10 月 31 日)
        第 121 期 第 1 四半期報告書(自 平成 29 年 2 月 1 日     至 平成 29 年 4 月 30 日)
        第 121 期 第 2 四半期報告書(自 平成 29 年 5 月 1 日     至 平成 29 年 7 月 31 日)
        第 121 期 第 3 四半期報告書(自 平成 29 年 8 月 1 日     至 平成 29 年 10 月 31 日)
        第 122 期 第 1 四半期報告書(自 平成 30 年 2 月 1 日     至 平成 30 年 4 月 30 日)
        第 122 期 第 2 四半期報告書(自 平成 30 年 5 月 1 日     至 平成 30 年 7 月 31 日)
        第 122 期 第 3 四半期報告書(自 平成 30 年 8 月 1 日     至 平成 30 年 10 月 31 日)
        第 123 期 第 1 四半期報告書(自    2019 年 2 月 1 日   至   2019 年 4 月 30 日)


      ・訂正を行った決算短信
        平成 29 年 1 月期   決算短信 [日本基準](連結)
        平成 30 年 1 月期   決算短信 [日本基準](連結)
        平成 31 年 1 月期   決算短信 [日本基準](連結)


      ・訂正を行った四半期決算短信
        平成 29 年 1 月期   第 3 四半期決算短信 [日本基準](連結)
        平成 30 年 1 月期   第 1 四半期決算短信 [日本基準](連結)
        平成 30 年 1 月期   第 2 四半期決算短信 [日本基準](連結)
        平成 30 年 1 月期   第 3 四半期決算短信 [日本基準](連結)
        平成 31 年 1 月期   第 1 四半期決算短信 [日本基準](連結)
        平成 31 年 1 月期   第 2 四半期決算短信 [日本基準](連結)

                                4
    平成 31 年 1 月期 第 3 四半期決算短信 [日本基準](連結)
    2020 年 1 月期 第 1 四半期決算短信 [日本基準](連結)


  【過年度決算短信等の訂正による連結業績への影響額】
   過年度決算の本件訂正による連結財務諸表への影響額の概要は以下のとおりです。
  (連結財務諸表)                                            (百万円)
                                    訂正前      訂正後      影響額
    期間                  項目          (A)      (B)      (B-A)
                 売上高                11,628   11,531     △97
                 営業利益                  450      255    △194
    第 120 期
                 経常利益                  261       67    △194
(平成 29 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する四半期純利益      198        4    △194
   第 3 四半期
                 総資産                13,832   13,656    △176
                 純資産                 8,508    8,316    △192
                 売上高                16,900   16,807     △93
                 営業利益                  461      272    △188
   第 120 期
                 経常利益                  377      189    △188
(平成 29 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する当期純利益       309      121    △188
      通期
                 総資産                14,064   13,879    △185
                 純資産                 9,017    8,829    △188
                 売上高                 3,471    3,469      △2
                 営業利益                  173      146     △27
    第 121 期
                 経常利益                  192      165     △27
(平成 30 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する四半期純利益      162      135     △27
   第 1 四半期
                 総資産                14,413   14,207    △206
                 純資産                 9,091    8,876    △215
                 売上高                 7,802    7,891       89
                 営業利益                  124      173       49
    第 121 期
                 経常利益                  188      237       49
(平成 30 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する四半期純利益      136      185       49
   第 2 四半期
                 総資産                13,467   13,338    △129
                 純資産                 9,085    8,945    △140
                 売上高                11,597   11,687       90
                 営業利益                  252      286       34
    第 121 期
                 経常利益                  321      355       34
(平成 30 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する四半期純利益      236      270       34
   第 3 四半期
                 総資産                14,215   14,076    △139
                 純資産                 9,335    9,181    △154
                 売上高                16,952   17,042       90
                 営業利益                  369      411       42
   第 121 期
                 経常利益                  472      514       42
(平成 30 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する当期純利益       543      567       24
      通期
                 総資産                14,516   14,378    △138
                 純資産                 9,763    9,601    △162
                 売上高                 3,560    3,562         2
                 営業利益                  169      168      △1
    第 122 期
                 経常利益                  184      183      △1
(平成 31 年 1 月期)
                 親会社株主に帰属する四半期純利益      152      151      △1
   第 1 四半期
                 総資産                14,827   14,689    △138
                 純資産                 9,797    9,631    △166




                           5
                       売上高                 7,768    7,771      3
                       営業利益                  174      157    △17
          第 122 期
                       経常利益                  229      212    △17
      (平成 31 年 1 月期)
                       親会社株主に帰属する四半期純利益      141      124    △17
         第 2 四半期
                       総資産                13,752   13,586   △166
                       純資産                 9,763    9,582   △181
                       売上高                11,856   11,859      3
                       営業利益                  300      271    △28
          第 122 期
                       経常利益                  372      344    △28
      (平成 31 年 1 月期)
                       親会社株主に帰属する四半期純利益      224      195    △28
         第 3 四半期
                       総資産                15,137   14,951   △186
                       純資産                 9,793    9,600   △193
                       売上高                17,381   17,379     △1
                       営業利益                  411      333    △78
         第 122 期
                       経常利益                  500      421    △78
      (平成 31 年 1 月期)
                       親会社株主に帰属する当期純利益       449      371    △78
            通期
                       総資産                14,731   14,508   △223
                       純資産                 9,696    9,453   △243
                       売上高                 3,746    3,745     △1
                       営業利益                   73       69     △4
          第 123 期
                       経常利益                   75       71     △4
      (2020 年 1 月期)
                       親会社株主に帰属する四半期純利益       53       49     △4
         第 1 四半期
                       総資産                15,032   14,839   △193
                       純資産                 9,728    9,481   △247


(2)     過年度決算短信等を訂正するに至った経緯
ア      不適切な会計処理が発覚した経緯及び過年度決算短信等を訂正するに至った経緯
         当社は、当社グループ内部通報制度への通報により、連結子会社であるセンティー
       レワン株式会社(以下「S1」といいます。)において過年度にわたり不適切な商品在
       庫の計上(以下「本件 S1 不正」といいます。)が行われていた可能性を 2019 年 8 月
       中旬に認識し、速やかに、社外取締役 2 名と常勤監査等委員取締役 1 名を中心とす
       る社内調査委員会を設置し、関係者へのインタビュー、会計データ及び関係資料等の
       保全・調査を行う等、実態解明に努めました。
         社内調査委員会の調査の過程において、当社グループのガバナンス体制に係る事
       実関係の把握や原因分析等のために相応の調査が必要な状況となったことから、当
       社は、独立性・専門性の高い第三者である弁護士・公認会計士を新たに調査委員に加
       えた特別調査委員会を設置し、深度のある多角的な調査を実施することとしました。
       当該調査の過程において、複数の海外子会社において各種会計不正がなされてい
       るという疑義があることが認識されたため、特別調査委員会は、他にも会計不正
       がないか海外子会社を含めて調査範囲を拡大して徹底的な調査を行うこととし
       ました。
         その後、2019 年 11 月 12 日付で調査報告書を受領しました。調査報告書を踏まえ、
       当社において、不適切な会計処理の概要は後記ウ乃至カの項記載のとおりと判断し
       ており、これにより前記(1)の項記載の過年度決算短信等の訂正を行ったものです。



                                 6
イ   関係当事者及びその略称
    以下に記載の関係当事者及びその略称は下表のとおりです。


     No.        対象者                 役職
      1    A氏          前 S1 代表取締役社長 兼 当社執行役員/営
                       業第 3 部門担当
      2    B氏          執行役員 営業第 2 部門担当/海外子会社(ロ
                       ンデックス事業除く)担当
      3    C氏          営業第 1 部門販売 2 部長(前 TR 部長)
      4    D氏          営業第 2 部門 TR 部長
      5    E氏          商品部門商品部商品 1 課長(前 上海ナイガイ
                       副総経理)
      6    F氏          台北ナイガイ董事兼総経理
      7    G氏          香港ナイガイ董事兼総経理
      8    H氏          上海ナイガイ董事兼総経理


ウ   S1 における不正
(ア) S1 における業績の推移及び不正に至った経緯
     A 氏が S1 の社長に就任した 2008 年以降、出店する EC サイトを拡大・増加させる
    等したこともあり、S1 の事業は急激な成長を遂げました。2016 年 2 月には、A 氏は
    S1 での功績等を評価されて当社の執行役員に就任しました。一方で、S1 では、2016
    年 1 月期から直近の 2019 年 1 月期にかけて、売上及び営業損益の成長が鈍化してい
    きました。
     A 氏は、自ら立てた予算や中期経営計画を達成できない状況に陥り、営業利益の予
    算達成のために、当社の経理財務課に対して、S1 の在庫金額を水増しして報告し、
    S1 の会計上の在庫金額を水増し(本件 S1 不正)を行うに至りました。
(イ) S1 における会計処理や在庫管理の方法
     S1 には経理課がないため、S1 の会計処理も、S1 から提出される資料に基づき当社
    の経理財務課が行っていました。すなわち、S1 においては、業務課が、売上高・仕
    入高・月末在庫について、月次で「発送基準売上金額」「仕入れ合計表」及び「事業
                             、
    別ブランド別月末在庫表」
               (これらを総称して、S1 では「3 点セット」と呼んでいま
    した。)という資料を作成し、当該資料を当社の経理財務課に提出し、当社の経理財
    務課が S1 の売上高・仕入高・月末在庫についてそれぞれ当社にて会計システムに手
    入力することによって、これらに関する S1 の仕訳記帳がなされていました。
     在庫管理については、S1 では、クラウド型の在庫管理システム(以下、単に「在
    庫管理システム」といいます。)を使用しており、在庫システムにより実棚在庫管理

                         7
    及び仕入・出荷管理を行っていました。3 点セットのうち、「事業別ブランド別月末
    在庫表」は、在庫管理システム内のデータを元に作成していました。
(ウ) 不適正開示の原因となった行為の内容
     A 氏は、①在庫管理システムに基づいて作成された「事業別ブランド別月末在庫表」
    の在庫金額を書き換えて改ざんする手法、及び、②「事業別ブランド別月末在庫表」
    の基となる在庫管理システム自体に、水増しした在庫数量を入力する手法を併用す
    ることにより、会計上の在庫金額を水増ししていました。また、A 氏は、③棚卸の際
    に、在庫管理システムにおけるデータ上の在庫金額と現物在庫の金額との間に乖離
    があることが露見することを回避するために、実地棚卸の際に架空在庫の計上を指
    示しました。
     以下、①乃至③について説明します。
①   「事業別ブランド別月末在庫表」の改ざん
     A 氏は、2016 年 8 月以降、利益を不当に計上して予算を達成したかのように見せ
    かけるために、S1 業務課の担当者に対して、毎月、「事業別ブランド別月末在庫表」
    における在庫金額の増加を指示していました。その際には、具体的な数値を指示し
    て修正させていました。指示を受けた同担当者は、同表の金額を書き換えた上で、当
    社の経理財務課に同表を送付していました。これにより、S1 の会計上の月末在庫が
    水増しされました。
     「事業別ブランド別月末在庫表」の改ざんは、2019 年 7 月まで継続して行われて
    いました。
②   在庫管理システムでの在庫金額の水増し
     前記①の「事業別ブランド別月末在庫表」の在庫金額を毎月水増ししたことによ
    り、当社の経理財務課に提出された「事業別ブランド別月末在庫表」と S1 の在庫管
    理システムにおける在庫金額に乖離が生じ、それが積み重なる結果となりました。こ
    のため A 氏は、2017 年 8 月、増大した水増しの隠蔽や水増しの管理の便宜のため、
    部下に指示して在庫管理システムにおける在庫金額を 71 百万円水増しすることによ
    り、乖離額を減少させました。なお、その際には、廃番となった品番を用いて架空の
    在庫データを入力させました。
     A 氏は、2017 年 8 月以降も S1 の業績が芳しくなかったので、前記①のとおり、
                                                「事
    業別ブランド別月末在庫表」における在庫金額の水増し、これによる S1 の利益の水
    増しを継続していました。その結果、
                    「事業別ブランド別月末在庫表」における在庫
    金額の水増し額が蓄積して増大しました。このため A 氏は、2017 年 8 月と同じ理由
    から、2018 年 11 月、部下に指示をして、前記と同じ方法で在庫管理システムの在庫
    金額を 78 百万円水増ししました。この結果、在庫管理システムの在庫金額は合計 150
    百万円分水増しされました。



                        8
③   棚卸の際の架空在庫の計上
     在庫管理システムにおける在庫金額の水増しに伴い、毎年 1 月末と 7 月末に行わ
    れる実地棚卸で実在しない在庫データの存在が判明し、本件 S1 不正が露見するおそ
    れがありました。そこで、A 氏は、在庫管理システムにおいて水増しした 71 百万円
    に相当する架空在庫が実地棚卸でも実在するかのように見せかけるため、2018 年 1
    月、S1 のゼネラルマネージャーに指示をして、実地棚卸において、廃番となってい
    た品番(前記のとおり、廃番となった品番を用いて架空の在庫データを入力すること
    により、在庫管理システム上の在庫データを水増ししていました。)でバーコードを
    発行させ、それを読み取らせて適宜商品の数量をハンディ端末に入力させました。
     A 氏は、2018 年 7 月、2019 年 1 月、2019 年 7 月の実地棚卸の際にも、同様に、各々
    71 百万円(2018 年 7 月)、150 百万円(2019 年 1 月)、150 百万円(2019 年 7 月)の
    架空在庫を計上させました。
(エ) 不適切な会計処理の内容
     商品を増額することで、売上原価が減額しました。その結果、利益と資産が増加し
    ました。
(オ) 不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況
     前記(ウ)①乃至③の各行為は、A 氏が部下に指示して実行させました。
     前記(ウ) 「事業別ブランド別月末在庫表」
          ①の              上の在庫金額の水増しについては、
    S1 業務課の担当者が、A 氏の指示を受けて、同表の金額を書き換えたうえで当社の
    経理財務課に毎月報告していました。
     前記(ウ)②については、S1 の流通課の課長が、A 氏から指示を受けて、2017 年
    8 月と 2018 年 11 月に、在庫管理システムに架空の在庫データを入力するなどして実
    行しました。
     前記(ウ)③については、A 氏から指示を受けたゼネラルマネージャーからさらに
    指示を受けた流通課の課長が実行しました。
     当社の監査等委員でない取締役 3 名及び監査等委員である取締役 3 名は、いずれ
    も本件 S1 不正の存在を認識していませんでした。また、A 氏以外の当社の執行役員
    も、本件 S1 不正を認識していませんでした。
(カ) 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
     A 氏は、S1 の成長が鈍化して予算達成が困難な状況となる中、自ら作成した予算
    は達成しなければならないという責任感から、不正との認識を有しつつ、予算を達成
    したかのように見せかけるため、本件 S1 不正に至りました。
     前記(ウ)①の「事業別ブランド別月末在庫表」の金額の書き換えを行った業務課
    の担当者については、A 氏から指示されたために、実施したものです。その際の認識
    については、A 氏から具体的に指示された金額を機械的に「事業別ブランド別月末在
    庫表」に反映していたに過ぎず、A 氏の指示が利益の水増しという不正目的であるこ


                              9
    とを認識していませんでした。
     前記(ウ)②及び③を実行した S1 流通課の課長は、社長である A 氏から指示され
    たため、当該指示が、在庫管理システム上の在庫金額との乖離を埋める目的であるこ
    とを認識しつつ、実行しました。 氏から直接指示を受けたゼネラルマネージャーも、
                   A
    同様の認識を有していました。


エ   台北ナイガイにおける不正
(ア) 不適正開示の原因となった行為の内容
①    2016 年上期の売上の前倒し計上について
     当社の海外子会社である台北内外發展股份有限公司(以下「台北ナイガイ」とい
    います。)の 2016 年の業績は厳しく、予算の達成はおろか債務超過目前の状況にあ
    りました。このような状況下において、同年 5 月頃、2016 年上期の予算達成が実現
    困難であることが明らかになってきました。このため、海外子会社を所管する TR 部
    の部長(当時)であった C 氏は、予算を達成するため、台北ナイガイの副総経理(当
    時)であった F 氏に対して、2016 年度は中期経営計画の初年度であり、販売予算を
    下回ることは絶対にできないとして、下期に販売する商品を前倒し出荷してでも上
    期の予算を達成するよう指示しました。
     これを受けた F 氏は、本来は 2016 年 7 月に現地の代理店である W 社に販売するは
    ずであった商品のうち、1,142,857 NTD(台湾元・当時の為替レートで 3 百万円)分
    の商品について、W 社の了承を得たうえで、2016 年 6 月に販売したかのような伝票
    を作成し、2016 年 6 月の売上として計上しました(以下「2016 年上期前倒し販売」
    といいます。。
         )
②    2016 年下期の架空販売について
     2016 年下期に入っても台北ナイガイの業績は好転せず、予算を達成することが困
    難な状況にありました。このため、 氏は、
                    F   2016 年 12 月に 1,428,571NTD 百万円)
                                                (4
    分の商品を W 社に販売したかのように装い、売上実績に計上しました(以下「2016
    年下期架空販売」といいます。。その後、F 氏は、台北ナイガイが 2017 年 4 月から
                  )
    6 月にかけて実際に商品を W 社に販売した代金を売上計上せず、受領した代金を、
    2016 年下期架空販売に係る売上金の回収に充てました。
③    2017 年上期の架空販売について
     2017 年 4 月、当社執行役員であり当時 TR 部長を兼任していた B 氏に対して、F 氏
    から 2017 年度の業績見込みが提出されました。提出された業績見込みは予算に対し
    て低調であったことから、B 氏が F 氏に理由を確認したところ、F 氏は 2016 年下期
    架空販売の事実を B 氏に報告し、2017 年 4 月から 6 月にかけての売上を未計上にし
    ていることが、業績見込みが悪い理由であると説明しました。
     F 氏の報告を受けた B 氏は、2017 年上期の売上予算、在庫予算の達成が絶望的で


                          10
    あったことから、せめて積み上がった在庫金額を減らすことで在庫予算だけは達成
    したい(在庫残高を予算で定めた金額以内に収めたい。 と考えました。
                             )       そこで、 氏
                                         B
    と F 氏は協議のうえ、428,571NTD(1 百万円)分の商品を原価で販売したかのように
    装い、売上を架空計上しました(以下「2017 年架空販売」といいます。。
                                       )
     その後、2017 年架空販売に係る売掛金について、F 氏は、2016 年下期架空販売と
    同様の手法で、2017 年下期の売上の一部を計上せず、当該取引の入金を 2017 年架空
    販売に対する入金に充てるとともに、2017 年架空販売の一部については売上を取り
    消す等しました。
(イ) 不適切な会計処理の内容
     売上高の計上により、売掛金が増額し、商品が減額しました。その結果、利益と資
    産が増加しました。
(ウ) 不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況
     2016 年上期前倒し販売及び 2016 年下期架空販売は、当時副総経理であった F 氏が
    実行したものです。もっとも、前者については、C 氏の指示に基づき実施されたもの
    です。また、2016 年下期架空販売については、前記のとおり、B 氏は F 氏から事後報
    告を受けて認識するに至りましたが、これを黙認しました。
     2017 年架空販売は、F 氏と当社執行役員兼 TR 部長であった B 氏が共謀のうえ、F
    氏において実行したものです。
(エ) 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
     2016 年上期前倒し販売については、中期経営計画の初年度であり、販売予算を下
    回ることは絶対にできないとの考えから、C 氏が F 氏に指示したものです。F 氏は、
    本意ではなかったものの、やむなく指示に従いました。2016 年下期架空販売を行っ
    た F 氏の動機についても、予算達成の目的であったと考えられます。
     2017 年架空販売については、前記のとおり、在庫予算だけでも達成したように仮
    装するために、F 氏と B 氏が協議の上、実施されたものです。
     当社執行役員である B 氏以外の執行役員や当社の取締役(監査等委員である取締
    役を含みます。)については、台北ナイガイでの前記各行為を認識していませんでし
    た。
     各関与者の不正の認識については、F 氏は、いずれについても、不適切な処理であ
    るとの認識を有していました。C 氏は、当該指示をメールでしたこと自体記憶にない
    とインタビューで供述しているものの、メールの記載からすれば、不適切な処理であ
    るとの認識を有していたものと考えられます。また、2017 年架空販売に関与した B
    氏も、同様の認識を有していたものと考えております。


オ   香港ナイガイにおける不正
(ア) 不適正開示の原因となった行為の内容


                        11
      当社の海外子会社である NAIGAI APPAREL (H.K.)LTD.(以下「香港ナイガイ」と
     いいます。)が 2018 年 6 月にライセンサーである Y 社から仕入れた X 社のブランド
     商品(以下「本件 X 社商品」といいます。)につき、請求書の到着が 7 月中旬以降ま
     で遅れました。しかしながら、本件 X 社商品の販売自体は 6 月中に上海ナイガイに
     対して行ったため(以下「本件販売取引」といいます。、請求書の到着を待ってから
                              )
     仕入れ処理を行うと 6 月に計上した売上に対応する原価が計上できない事態が生じ
     ました。このため、香港ナイガイの董事兼総経理であった G 氏は、本件販売取引の原
     価相当額を計上するため、本件 X 社商品とは全く関係のない別の仕入取引のために
     前払金計上していた金額を、本件販売取引の原価として振替計上しました。
      この際、本来計上すべき仕入金額より少ない金額で振替計上したことから、2018 年
     上期のマージン(粗利)がかさ上げされることとなりました。その結果、6 月の営業
     利益が赤字から黒字になるとともに、本来未達であった営業利益に係る当初予算が
     達成されたかのような状況が作出されました(以下「本件原価付替え」といいます。。
                                           )
(イ) 不適切な会計処理の内容
      仕入高が過少計上となりました。その結果、利益が増加しました。
(ウ) 不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況
      本件原価付替えは、董事兼総経理であった G 氏が単独で実行したものです。当社
     の役員は皆、本件原価付替えを認識していませんでした。
(エ) 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
      実行した G 氏自身は、不正との認識は無かったと供述していますが、特別調査委
     員会及び監査法人としては、状況から誤謬であるとは言えないため、不正と認定して
     おります。


カ    上海ナイガイにおける不正
(ア) 不適正開示の原因となった行為の内容
 ①    在庫の架空販売について
      当社の海外子会社である上海奈依尓貿易有限公司(以下「上海ナイガイ」といい
     ます。)は、当時、債務超過に陥る危機にあるなど、厳しい経営状況が続いていまし
     た。そのうえ、大量の在庫が滞留し、2014 年頃には上海ナイガイの在庫の削減が最
     重要課題とされ、当時の TR 部長の C 氏が、副総経理であった日本人駐在員の E 氏に
     対し、厳しく在庫削減を求めていました。当時 TR 部の課長であった D 氏は、前記状
     況を TR 部内で見聞きし、E 氏から窮状を聞く等して、上海ナイガイの在庫を何とか
     しなければならないと考えました。こうした意識から、D 氏は、E 氏に対し、年度を
     またいだ架空販売及び買戻しを行うこと、その相手方として TR 部で取引があり自ら
     も親交があった Z 社が考えられることを提案し、自らが当該会社に話を通す等しま
     した。


                           12
      これを受けて、E 氏は、2014 年 12 月に、Z 社に対し、在庫を出荷することなく、
     請求書等の書類のみを送付する形で、数量 7000 足、合計 313,588RMB(5 百万円)の
     架空販売を行いました。その上で、2015 年 1 月に、当該金額分について、商品の架
     空買戻し及び他の取引における仕入単価への上乗せにより、前記架空販売に係る売
     掛金の回収を装いました。その際には、架空販売の発覚を防ぐため、架空買戻しの
     数量を架空販売分より少なくし、差額分について Z 社から請求を受ける他の取引
     代金に上乗せしました。
 ②    在庫数量の過少報告及び評価損の未計上について
      前記のとおり、上海ナイガイにおける滞留在庫の処理が重要課題となっていたた
     め、C 氏は、2014 年 2 月に TR 部長となって以降、各海外子会社に対し、
                                             「在庫処分
     計画」の表に、各年度の仕入れ分の数量及び原価、並びに、今後販売可能な商品の数
     量及び原価等を記載させて、在庫量等を報告させていました。また、C 氏は、2014 年
     7 月、会計監査人から指摘を受けた当時の担当役員の指示により、海外子会社在庫の
     評価損の計上時期等を定める「海外子会社(香港・上海・台北)在庫評価基準案」を
     策定しました。
      このような状況下、E 氏及びその後任の H 氏は、評価損を計上することで会社に損
     失をもたらしてはいけないと考え、会計上滞留在庫について評価損を計上せず、ま
     た、当社への「在庫処分計画」の報告に当たり、評価損の計上対象となる 3 年以上前
     の年次の在庫数を過少に報告し、その分を直近の年次の在庫数へと振り替えること
     により、在庫数量について不適正な報告を行いました。
      「在庫処分計画」の作成に当たり当該調整がなされていたことは C 氏の知るとこ
     ろとなりましたが、C 氏はこれを黙認しました。
      前記対応により、上海ナイガイの決算期である 2015 年 12 月及び 2016 年 12 月の
     各年度末における在庫について、評価損が適正に計上されませんでした。
(イ) 不適切な会計処理の内容
      架空販売については、売上高の計上により、売掛金が増額し、商品が減額しました。
     商品評価損の未計上については商品が過大計上となりました。その結果、利益と資産
     が増加しました。
(ウ) 不適正開示の原因となった行為への全関係者の関与状況
      在庫の架空販売は、当時副総経理であった日本人駐在員の E 氏が実行しました。
     もっとも、在庫削減計画を達成するために架空販売及び買戻しの処理を行うこと、及
     びその相手方を E 氏にアドバイスしたのは、当時 TR 部の課長であった D 氏でした。
      在庫数量の過少報告及び評価損の未計上は、2015 年 12 月末時点の在庫に関しては
     E 氏が、翌 2016 年 12 月末については後任の H 氏が実行したものです。また、在庫数
     等の報告に当たり当該調整がなされていたことは、E 氏の報告により当時 TR 部長で
     あった C 氏の知るところとなりましたが、C 氏はこれを黙認しました。


                          13
       当社の役員は皆、上海ナイガイでの前記各行為を認識していませんでした。
 (エ) 不適正開示の原因となった行為に係る認識、目的、動機等
       在庫の架空販売については、滞留在庫の削減を強く当社から求められている中で、
      E 氏において、在庫削減計画を達成したかのように見せかけるために実施したもので
      す。かかる方策をアドバイスした D 氏においては、在庫削減が思うように進まない E
      氏の窮状を知り、何とかしてあげたいという気持ちから提案したものです。
       在庫数量の過少報告及び評価損の未計上については、評価損を計上することで損
      失が発生することを避けるために、E 氏及び H 氏が実行したものです。
       不正の認識については、在庫の架空販売については、実行した E 氏は、不適切な行
      為であるとの認識が欠けていた旨供述しています。一方、アドバイスした D 氏は、不
      適切な行為であるとの認識を有していました。
       在庫数量の過少報告及び評価損の未計上については、実行した E 氏及び後任の H
      氏は、不正であるとの認識を有していたものと考えられます。当該処理について報告
      を受けて黙認した C 氏も、同様の認識を有していたものと考えられます。


2. 改善措置

(1)   原因分析
      本件の不適切な会計処理が発生した原因については、以下のとおり分析しています。
 ア    当社の問題点
 (ア)当社役職員のコンプライアンス意識に対する問題
       本件に関わった一部役職員のコンプライアンス意識が希薄であり、また、予算達成
      へ過度に執着していました。このため、意図的な売上調整や在庫調整などの不適切な
      会計操作自体が、重大なコンプライアンス違反に該当することであるとの認識があ
      りませんでした。
 (イ)子会社社長の選任・再任に関する問題
       子会社社長の選解任基準及び任期、再任基準などの明確な規定がありませんでし
      た。このため、一部子会社では同一人物による長期にわたる社長在任を許す結果とな
      りました。子会社社長への権限の集中と、経営のブラックボックス化を生じさせる可
      能性を見過ごす結果となりました。
 (ウ)経理部門における子会社経理チェック体制の不備
       当社経理部門における子会社決算チェック体制については、人員が慢性的に不足
      しており、子会社の決算チェックに十分な体制が整えられていませんでした。これに
      加え、当社経理部員の子会社事業特有の商流に対する理解、認識が不足しており、業
      務フロー上の問題点を発見することが困難な状況にありました。さらに、子会社から
      提出される在庫内容等の数値に対する実在性及び証憑書類等の確認作業が不足して
      いました。

                         14
(エ)子会社担当役員制の実効性の問題
     当社は子会社の監督体制として、取締役、執行役員による子会社担当制を導入して
    いました。しかし、実質的には、子会社の経営は子会社社長に一任されており、現場
    に対する具体的な監督やサポートが不足していました。この結果、子会社監督体制が
    有効に機能していませんでした。
(オ)子会社に対する内部監査の不備
     内部監査部員の人員不足により子会社監査に対する十分な体制が整えられておら
    ず、内部監査機能が十分に働いていませんでした。
(カ)TR 部による海外子会社の管理体制の不備
     海外子会社は TR 部の所管とされ、経理財務課は海外子会社に関して連結決算の書
    類作成以外には関与していませんでした。しかし、TR 部には財務に関する特別な知
    識を有する従業員がおらず、海外子会社の事業進捗(予算達成)を監督するのみで、
    管理機能を果たせていませんでした。
     経理財務課が関与する体制が構築されておらず、決算への監督機能を担っていな
    い部署(TR 部)に任せきりになっている状況でした。このことが、本件を阻止でき
    なかった一因と考えております。


イ   S1 の問題点
(ア)ガバナンス体制の不備
     社長の在任期間が長期にわたり、社長へ全権限が集中しており、社内牽制作用が全
    く効いていませんでした。また、当社よりアサインされた非常勤取締役、監査役によ
    る監督機能が不十分でした。
     なお、当社や他の子会社では、同様の問題は発生しておらず、また、特別調査委
    員会の調査においても類似事象の発生を疑うに足りる事項は認められませんでした。
(イ)管理会計及び会計システムの不備
     S1 には管理会計制度がなく、事業進捗 KPI もないため、業績管理は社長のみが知
    る体制となっていました。このため、他の役職員によるチェック機能が欠落していま
    した。
     また、会計 IT システム面では、在庫管理のシステムと、販売管理のシステムが
    別々に存在しており、自動連携機能がなかったため、仕入〜販売〜在庫の一連の商流
    を一元で捉える仕組みとなっていませんでした。さらにはシステム操作責任者の権
    限が曖昧で在庫管理のシステムデータを容易に改竄できる環境にあったことも複合
    的に重なり、不適切な会計処理を容易に行える環境となっていました。
     なお、当社や他の子会社では、上記各問題と同様の問題は発生しておらず、また、
    特別調査委員会の調査においても類似事象の発生を疑うに足りる事項は認められま
    せんでした。


                      15
(ウ)組織・人事の問題
       管理部門機能が不存在で、経理知識に乏しい少人数の業務課社員が社長の指示で
      決算対応をしていました。その結果、全ての経理処理判断は事実上社長の一任で行わ
      れていました。また、縦割り組織の弊害で、従業員の他部門への関心が薄く、問題・
      疑問を感じても、あえて声を上げる者おらず、社員間の相互牽制機能が働きませんで
      した。
       なお、当社や他の子会社では、同様の問題は発生しておらず、また、特別調査委員
      会の調査においても類似事象の発生を疑うに足りる事項は認められませんでした
(エ)役職員のコンプライアンス感度が低かったこと
       社長自身の予算達成へのコミット意識が強すぎ、独断で予算利益達成のための在
      庫操作を実行していたことが判明しています。このため、従業員がこうした操作に気
      付いていても意見具申をしにくい風土がありました。役職員のコンプライアンス感
      度が低いことも相まって、社長に声を上げることができませんでした。
       なお、当社や他の子会社では、同様の問題は発生しておらず、また、特別調査委員
      会の調査においても類似事象の発生を疑うに足りる事項は認められませんでした


ウ     海外子会社の問題点
(ア)ローカルスタッフの適正、適法会計に対する認識不足
       ローカルスタッフの適正・適法な会計処理に対する認識不足もあり、上長の指示に
      従いあるいは上長の意向を酌んで不適切な会計操作をしてしまいました。


(2)   再発防止策(実施済みのものも含む)
       特別調査委員会の調査報告書及び当社自身の分析を踏まえ、以下のとおり再発防
      止策を実施します。


ア     役職員の処分等
       本事案の当事者である、S1 前代表取締役社長の A 氏につきましては、取締役の地
      位を解任しました。また、当社執行役員職については、辞任の申入れがあり、これ
      を受け入れました。
       また、本事案に係る経営責任を重く受け止め、管理監督責任を負う当社取締役及
      び関係執行役員について、以下の処分を行いました。
       代表取締役社長                 月額報酬の 30%を減額(3 ヶ月)
       取締役常務執行役員国内子会社担当        月額報酬の 10%を減額(3 ヶ月)
       取締役常務執行役員管理部門担当         月額報酬の 10%を減額(3 ヶ月)
       執行役員経理部長兼 S1 監査役        月額報酬の 10%を減額(3 ヶ月)
       執行役員海外子会社担当             月額報酬の 20%を減額(3 ヶ月)


                          16
     なお、上記処分以外に、当社監査等委員である以下の取締役については、各自の
    申出を受け、以下の対応を行っております。
     常勤取締役監査等委員             月額報酬の 10%を減額(3 ヶ月)
     社外取締役監査等委員             月額報酬の 10%を減額(3 ヶ月)
     社外取締役監査等委員             月額報酬の 10%を減額(3 ヶ月)


イ   当社における再発防止策
(ア)コンプライアンス意識の醸成と企業風土改革(2.(1)ア(ア)に対応)
①   コンプライアンスマニュアルの改訂
     今回の事案の反省を踏まえ、当社グループ・コンプライアンスマニュアルを改定し
    ます。改定したコンプライアンスマニュアルについては、コンプライアンス研修を通
    じて周知徹底を図ります。
     コンプライアンス委員会事務局及びリスク管理委員会事務局が主管となり現在コ
    ンプライアンスマニュアル改訂案を作成中です。2020 年 1 月末までに策定し、2 月
    から社内説明を開始いたします。
②   当社企業理念・憲章・行動指針の改訂
     また、新たにナイガイ憲章・行動指針を策定し、これらをトップメッセージとして
    明確に発信し、全役職員に健全な企業人としての行動規範を浸透させます。当社で
    は、当社の社是、企業理念、企業憲章、4 つの行動文化、行動指針(なお、これらは
    現在改訂版を策定中です。)に規定されることを実践する役職員を「ナイガイマン」
    と定義し、法令及び社会規範を遵守し、誠実かつ公正にビジネス活動を遂行し、一切
    の不正、不誠実な行為は行わない人間形成に努める人財であるナイガイマンの育成
    を行います。
     新たな憲章や行動指針等については、社長が主導して現在策定中であり、2020 年
    2 月から社内説明を開始する予定です。
③   全役職員に対するコンプライアンス教育の実施
     全役職員に対してコンプライアンス教育を実施し、コンプラアンスの重要性を説
    いてまいります。これにより、全役職員に対して、コンプライアンスが予算達成に優
    先するという意識付けの徹底を図ります。
     当該施策は、コンプライアンス委員会、経営管理部が主管し、2020 年 2 月から 4
    月にかけて社内説明を行います。以降は、最低でも年に 1〜2 度の頻度でリマインド
    の意味を含めてコンプライアンス研修を実施します。同研修のプログラムには違反
    事例研究等を組み入れ、コンプライアンス意識の醸成・定着化を図ります。
④   部組織単位での定例のコンプライアンスミーティングの実施
     部組織単位で定期的に対話会を実施し、部内コミュニケーションの促進を図ると
    ともに、相互牽制効果を醸成します。各部長が主管となり、2020 年 2 月以降、2 ヶ月


                       17
    に 1 回程度の頻度で実施する予定です。
⑤   「コンプライアンス相談室(仮称)
                   」の設置
     身近なコンプライアンスに関する疑問に答える「コンプライアンス相談室(仮称)」
    をイントラ上に設置します。コンプライアンス NG 集や相談窓口に寄せられる Q&A
    の掲載などのナレッジも蓄積し、コンプライアンス問題を常に身近に感じられる、ま
    た考えさせられる仕組みを構築します。
     コンプライアンス委員会及び経営管理部を主管部署とし、2020 年 2 月 1 日に開設
    し、運用を開始します。
⑥   コンプライアンス違反による処罰規定の見直しと周知
     コンプライアンス違反による処罰規定の見直しと周知を図ります。営業会議等を
    通じての業績モニタリング、人事評価、業績評価などの際にも、コンプライアンス違
    反を厳しく戒める仕組みを構築し、見直し後の規定を周知、適用してまいります。こ
    れにより、不正行為に対する抑止効果を期待するとともに、その過程を通じて役職員
    のコンプライアンス意識を醸成してまいります。
     経営管理部が主管し、2020 年 2 月から 4 月にかけて規定の見直しを行います。見
    直し後、直ちに周知を図り運用を開始します。
⑦   内部通報制度の周知徹底及び海外子会社への適用拡大
     コンプライアンス違反の早期発見策として、内部通報制度の利用方法等について、
    あらためて全役職員へ周知徹底を図ります。また、海外子会社においても内部通報制
    度を利用できる仕組みを構築いたします。海外子会社への適用拡大に関しては、法律
    事務所が担当している外部の通報窓口の利用を可能とする方向で検討しています。
     経営管理部が主導し、2020 年 2 月から 4 月にかけて新しい体制を構築し、速やか
    に運用に移行します。
⑧   経営トップによる定期的な浸透度モニタリンググラウンドの実施(定着化への牽制)
     前記①乃至⑦の各施策の実践により、どの程度従業員にコンプライアンス意識が
    芽生え、育っているかを確認するために、経営トップによる浸透度モニタリンググラ
    ウンドを実施します。社長と取締役が半期に一度、各職場を回り、従業員との対話会
    を通じて従業員へのコンプライアンスの浸透度を把握します。また、従業員における
    コンプライアンスの迷い(正しいのか、間違いなのかといった悩み・疑問)やコンプ
    ライアンス違反の芽などの異変の発見につなげることを目指します。経営陣が従業
    員と直接対話することにより、従業員へのコンプライアンスの浸透度を経営陣が感
    じ取り、場合によってはその場での質疑応答なども行い、修正行動を促し、コンプラ
    イアンス意識浸透度の PDCA を回していくことを計画しています。
     社長及び取締役が主導し、2020 年 7 月以降、半期に一回実施します。
(イ)当社執行役員、子会社社長の選任、再任方法の見直し(2.(1)ア(イ)に対応)
     当社執行役員、子会社社長の選任、再任については、当社代表取締役社長の指名す


                       18
  る候補者に対して、監査等委員である取締役による面談を実施します。その際に、資
  質、業績成果、任期期間等の妥当性について厳正に審査し、監査等委員会の同意を得
  た者に限り取締役会において決定することといたします。
   監査等委員会及び取締役会が主管することとします。既に適用を開始しており、見
  直し後初となる 2020 年 2 月 1 日付の人事異動で任命予定の候補者について、本年 12
  月に面談を実施いたしました。
(ウ)当社執行役員、子会社社長及び子会社常勤役員に対する教育(2.(1)ア(イ)に対応)
   当社執行役員、子会社常勤役員に就任する者に対しては、コンプライアンス教育、
  経営管理教育を十分に行います。また、就任後も、当社取締役会において、定期的な
  経営管理状況のモニタリング(ヒアリング等)を行い、適宜継続的な指導を行ってま
  いります。
   主管部署は、取締役会、監査等委員会及び経営管理部とします。実施スケジュール
  については、次年度の人事異動から適用を開始し、2020 年 1 月に社内研修を実施し、
  その後順次社外研修を実施してまいります。以降、四半期に一度程度の頻度で経営管
  理状況のモニタリングを行ってまいります。
(エ)当社管理部門による子会社管理機能強化(2.(1)ア(ウ)及び(エ)に対応)
   当社経理部による子会社決算の監督機能強化のため、経理部員を 1 名増員し S1 常
  駐の当社経理部員を配置します。加えて、子会社担当者(国内子会社担当 1 名、海外
  子会社担当 1 名の計 2 名)を明確に定めた上で、四半期決算書の正確性のチェック
  を必ず行う体制といたします。担当を定めることで、子会社事業特有の商流に対する
  理解や認識を深め、業務フロー上の問題点の発見につなげることを企図しておりま
  す。経理部が主管し、2020 年 1 月 1 日以降、四半期決算書の正確性のチェックを行
  います。
   また、海外子会社については事業監督を務める事業担当役員とは別に、子会社の決
  算を監督する経理担当役員を任命し、子会社決算のプロセス及び適正性のチェック、
  指導を行います。
   これらの子会社決算に際しては、子会社任せにせず、子会社担当にアサインされた
  当社経理部員が、決算書内容の正確性を確認する業務ルーティンを定めます。具体的
  には、売上計上と原価の対応の正確性の確認、売掛金のエイジングリストを用いた確
  認、在庫現調のトレーシングの徹底、経費仕訳の正確性の確認などを実践することを
  予定しています。また、子会社担当の経理部員による確認に加え、国内子会社は当社
  の常勤監査等委員が監査役を務めて監査を行い、海外子会社については、経理担当役
  員が自ら子会社の決算書内容の正確性を確認する体制とします。その際には、子会社
  担当の経理部員による確認の方法に準じて、重ねて決算書の正確性を確認してまい
  ります。これらの施策により、子会社決算の適正性を担保することを計画していま
  す。


                      19
     海外子会社経理担当役員が主管し、2020 年 2 月 1 日付の人事異動で上記各担当を
    任命します。以降、四半期決算ごとに子会社決算のプロセス及び適正性のチェック、
    指導を行います。さらに、少なくとも年間に一度は現地に入り往査を行ってまいりま
    す。
     国内子会社の監査役については、当社の常勤監査等委員である取締役が全社とも
    務めることといたします。2020 年 2 月 1 日付で各国内子会社において選任手続を行
    います。
     さらには、当社の子会社担当役員は、子会社社長の監督並びにガバナンス体制の監
    督に責務を追うことを明確にして、当社取締役会において定期的に報告するものと
    いたします。子会社担当役員が主管し、2020 年 2 月以降、3 か月に 1 度の頻度で報
    告させることにいたします。
(オ)内部監査機能の強化(2.(1)ア(オ)に対応)
     2020 年 2 月 1 日付の人事異動で内部監査部員を 1 名増員して子会社監査専任者を
    任命します。また、子会社監査をルーティン化する監査計画を同年 3 月に策定し、計
    画的な内部監査の実施によりグループ内部統制監査の実効性を強化してまいります。
(カ)海外子会社の監督体制の整備(2.(1)ア(カ)に対応)
     海外子会社の監督部門を明確化し、TR 部は事業進捗を、経理財務課は財務決算を
    監督する体制とします。これに合わせ、海外子会社の決算を担当する経理担当役員を
    新たに任命し、事業進捗と財務決算を別の担当役員が所管する体制にします。
     2020 年 2 月 1 日付の人事異動で当該経理担当役員を任命し、以降、上記の体制で
    海外子会社の監督に当たります。


ウ   S1 における再発防止策
(ア)経営ガバナンス体制の刷新(2.(1)イ(ア)に対応)
     S1 の取締役会の実効性改善のために、取締役会を四半期ごと開催から月次開催に
    改めます。また、取締役のほか、オブザーバーとして管理職を出席させ(後述のとお
    り、S1 に配置する当社経理財務部所属の経理担当者も出席させます。、現場実態を
                                    )
    報告させることで情報共有を促進し、事業進捗のモニタリング体制を整えて実行し
    てまいります。S1 社長が主導し、2020 年 2 月の取締役会から運用を開始し、以降毎
    月の取締役会で実施します。
     また、子会社担当役員によるサポート・監督の実効性を担保するため、当社子会社
    担当役員が子会社の営業会議等へ出席し、現場実態を定期的にモニタリングするよ
    うにいたします。当社の当該子会社担当役員が所管し、2020 年 2 月の営業会議から
    運用を開始し、以降毎月開催される営業会議等において実施します。
     なお、当社は、取締役会に加え、経営会議(常勤役員が参加)、営業会議(常勤役
    員、部長、子会社社長が参加)が開催されており、前述のとおり、現場実態を報告さ


                        20
  せることで情報共有を促進し、事業進捗のモニタリング体制を構築しております。
   また、S1 以外の子会社については、紳士・婦人衣料の製造及び卸販売を業とする
  NAP は取締役会非設置会社であるため、取締役会と監査役を置く機関設計に変更した
  うえで、前記の S1 に準じる体制の構築を順次進めてまいります。具体的には、取締
  役会を四半期ごと開催し、取締役のほか、オブザーバーとして管理職を出席させる体
  制とします。また、当社子会社担当役員が NAP の営業会議等へ出席し、現場実態を定
  期的にモニタリングします。
   NAP における前記施策については、2020 年 2 月 1 日付で機関設計を変更し、同月 2
  月の取締役会等から運用を開始する予定です。
(イ)管理部門機能の設置と人員強化(2.(1)イ(イ)及び(ウ)に対応)
   当社経理部所属部員を経理担当者として S1 に配置することで、管理会計資料の作
  成及び決算帳簿の作成管理を行わせる組織体制といたします。2020 年 1 月 1 日付の
  人事異動で配置し、当社経理部が主導し運用を開始します。
   当社が配置した経理担当者は、自ら月次で取締役会及び親会社経理部への報告を
  行う責務を担う仕組みといたします。こちらについては、2020 年 2 月以降、毎月報
  告させることにいたします。
   なお、当社、 以外の国内子会社、
         S1        タイ子会社は、管理部門が設置されています。
  タイ以外の海外子会社については、会社規模の観点から設置する予定はなく、管理担
  当者の強化と、現地の会計事務所との連携、当社経理部や内部監査によるモニタリン
  グを強化することで対応します。
(ウ)管理会計制度の導入による相互牽制体制の構築(2.(1)イ(イ)に対応)
   全役職員に会計知識の教育を実施し、無知、無理解による不適切な経理処理の見逃
  しを予防できる組織体を構築します。具体的には、グループ全体の部長職以上が理解
  しておくべきことと、一般社員が理解しておくべきことなど、それぞれの職位レベル
  に合わせた教育を、原則グループ全従業員を対象にして OJT も含め行います。この
  施策を通じて、組織全体で知見の醸成に努めてまいります。
   S1 社長と当社経理部員が主管することとし、2020 年 2 月から 4 月にかけて教育を
  実施します。以降は、日々の業務において適宜指導を継続します。また、新入社員に
  は都度実施することとし、以降は同様に日々の業務過程で指導を行ってまいります。
   また、経理処理の業務フローを明文化し、決算チェックポイントを管理職以上で共
  有させ、明確にしてまいります。S1 社長と当社経理部員が当該施策を推し進めるこ
  ととし、2020 年 2 月から 4 月にかけて社内周知を行い、速やかに運用開始に移行し
  ます。
   さらには、現在、管理会計を実施する際に使用予定のフォーマット(様式・方式)
  を策定中です。当該フォーマットを使用することで、月次決算進捗を全役職員と社内
  共有し、営業会議で相互モニタリングができる仕組みを構築してまいります。S1 社


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    長と当社経理部員が共同して策定中であり、2020 年 2 月の営業会議から運用を開始
    します。
     なお、当社及び S1 以外の子会社では、管理会計制度が運用されており、相互牽制
    体制も敷いていますが、これらの一層の強化を進めてまいります。
(エ)会計管理 IT システムの再構築(2.(1)イ(イ)に対応)
     仕入・販売・在庫の一元管理システムを構築し、人為的な操作及びミスが起こらな
    い IT 環境を整えてまいります。当社情報システム課、S1 システム担当者が主管し、
    2020 年 8 月の導入を目指しています。
     また、当社システム部門において、子会社の IT 統制監視を行うルールを定め、デ
    ータアクセス権限等セキュリティー管理を徹底してまいります。こちらについては、
    2020 年 2 月からルールの適用開始を予定しています。
     なお、当社及び S1 以外の国内子会社については、仕入・販売・在庫を一元管理す
    る会計管理 IT システムが運用されております。海外子会社については会社規模の観
    点から導入する予定はなく、当社経理部や内部監査からのモニタリングを強化する
    ことで対応いたします。
(オ)職場環境・風土改革(2.(1)イ(ウ)及び(エ)に対応)
     定期的な人事ローテーションを行います。このことで、組織・人事の硬直化、属人
    化を回避し、相互牽制機能を強化してまいります。S1 社長が主導し、2020 年 8 月か
    ら適用を開始します。
     また、全役職員のコンプライアンスに対する感応性を高めるため、コンプライアン
    ス教育を継続的に実施してまいります。こちらは、当社コンプライアンス委員会事務
    局及び経営管理部が担当し、2020 年 2 月から 4 月にかけて順次開始します。
     さらには、S1 を含めたグループ企業の全ての従業員を対象として、コンプライア
    ンス教育を実施します。国内子会社については、当社と同じタイミング、頻度で実施
    します。


エ   海外子会社における再発防止策
(ア)ローカル役職員の再教育(2.(1)ウ(ア)に対応)
     現地語によるコンプライアンスマニュアル、ナイガイ憲章、行動指針を作成、配布
    します。そのうえで、海外事業担当役員が現地に赴き、研修を行います。これにより、
    ローカル役職員に対するコンプライアンス教育並びに会計ルールに関する教育及び
    指導を徹底してまいります。
     海外子会社担当役員(事業担当及び経理担当)が主管することとし、2020 年 1 月
    以降、3 か月に 1 度の頻度で各海外子会社を巡回して実施します。




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(3)   改善措置の実施スケジュール
                             2019 年   2020 年
          再発防止策の項目
                             12 月     1月       2月     3月     4月       5月     6月
ア 役職員の処分等                    2019 年 11 月に実施済み
イ 当社における再発防止策

(ア)コンプライアンス意識の醸成と企業風土改革

①     コンプライアンスマニュアルの改訂       改定案作成             社内説明
②     当社企業理念・憲章・行動指針の改訂      改定案作成             社内説明
③     全役職員に対するコンプライアンス教育の
                             検討・準備             社内説明                   以降、 1~2 度研修実施
                                                                         年
      実施
④     部組織単位での定例のコンプライアンスミ
                             検討・準備             実施            実施              実施
      ーティングの実施
⑤     「コンプライアンス相談室(仮称)
                     」の設置    検討・準備             運用
⑥   コンプライアンス違反による処罰規定の見                                               運用
                                               検討・準備
    直しと周知
 ⑦  内部通報制度の周知徹底及び海外子会社へ                                               運用
                                               検討・準備
    の適用拡大
 ⑧  経営トップによる定期的な浸透度モニタリ      2020 年 7 月以降、半期に一回実施
    ンググラウンドの実施
(イ)当社執行役員、子会社社長の選任、再任方法の     候補者面     取締役会
                                               人事異動
   見直し                       談実施      決議
(ウ)当社執行役員、子会社社長及び子会社常勤役員     検討・準備    社内研修     社外研修を順次実施
   に対する教育
(エ)当社管理部門による子会社管理機能強化

①     経理部員の増員                         実施
②     海外子会社経理担当役員の任命
                                               実施
③     常勤監査等委員が全ての国内子会社の監査役
                                               実施
      に就任
④     子会社担当役員による当社取締役会への報告
                                               報告実施                   報告実施

(オ)内部監査機能の強化                                   人事異動   監査計画
                                                             運用
                                               専任決定   書策定
(カ)海外子会社の監督体制の整備                               運用
ウ S1 における再発防止策

(ア) 経営ガバナンス体制の刷新             検討・準備             運用
(イ) 管理部門機能の設置と人員強化                             運用
                                      人事異動

(ウ) 管理会計制度の導入による相互牽制体制の構
                             検討・準備             社内周知~運用
    築
(エ) 会計管理 IT システムの再構築

①     一元管理システムの構築            検討・準備                                2020 年 8 月導入を目指す
②     IT 統制監視ルールの設定          検討・準備             運用
(オ) 職場環境・風土改革

①     定期的な人事ローテーション          2020 年 8 月適用開始
②     コンプライアンス教育の継続的実施       検討・準備             順次実施

エ 海外子会社における再発防止策             検討・準備    実施                     実施
(ア) ローカル役職員の再教育



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3. 投資家及び証券市場に与えた影響についての認識

   この度の不適切な会計処理により過年度決算を訂正することとなり、株主・投資家を
  はじめ取引先及び市場関係者の皆様には多大なるご迷惑、ご心配をおかけしましたこ
  とを深くお詫び申し上げるとともに、上場会社としての重大な責任があると深く反省
  しております。

   当社といたしましては、本件を厳粛に受け止め、全社を挙げてコンプライアンス意識
  を高めるとともに、再発防止策の実行及び内部管理体制を再構築し、信頼の回復に努め
  てまいります。

                                      以上




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