7984 コクヨ 2020-10-26 16:00:00
2020年12月期 第3四半期連結業績概要 [pdf]

                                                       2020 年 10 月 26 日



      コクヨ株式会社 2020 年 12 月期 第3四半期連結業績概要

    ~新型コロナウイルス感染拡大影響を受けるも足元では回復の兆しが見え始める~

当社は、2020 年 12 月期第3四半期の連結業績を発表しました。主な業績数値は以下の通りです。
                                                           (単位:百万円)
                       2019 年 12 月期     2020 年 12 月期
                                                              増減率
                         第3四半期           第3四半期
                                                              (%)
                        連結累計期間           連結累計期間
        売上高                   243,469         223,664                △8.1
       営業利益                    14,749           12,198              △17.3
       経常利益                    15,674           11,787              △24.8
    親会社株主に帰属する
                               11,574            8,330              △28.0
      四半期純利益
1 株当たり四半期純利益                    97.86            70.42              △28.0

1.全体業績概要


新型コロナウイルス感染拡大影響により減収減益

・    2020 年 12 月期第3四半期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大により、経済環
     境は急速に悪化しました。緊急事態宣言解除後は国内の経済活動において一部持ち直しの動き
     が見られるものの、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
・    当社グループは、2021 年を最終年とした第2次中期経営計画「持続的な成長力の獲得
     Smart & Sustainable Transformation 2021」として、メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向
     上と中長期の事業成長を前提とした効率的な事業運営に取組んでおります。
・    新型コロナウイルス感染拡大影響によって当社グループを取り巻く経営環境は激変し、大きな影響
     を受けました。当社グループは、顧客及び従業員の安心安全を第一に、社会企業として事業継続
     との両立を目指してまいりました。
・    売上高は、全ドメインにおいて売上が減少したことにより、前年同期比 8.1%減の 2,236 億円とな
     りました。売上総利益は、前年同期比 7.3%減の 813 億円となりました。商品構成の変化や一部
     製品の値上げにより、売上総利益率は 0.3 ポイント向上の 36.4%となりました。販売費及び一般
     管理費は、不要不急の経費の削減により、前年同期比 5.3%減の 691 億円、売上高販管費率

                                  1
     は 30.9%となりました。
・    以上により、営業利益は、全ドメインにおいて営業利益が減少したことにより、前年同期比 17.3%
     減の 121 億円、経常利益は、持分法適用関連会社であるぺんてる株式会社に係る持分法による
     投資損失の計上等により、前年同期比 24.8%減の 117 億円となりました。親会社株主に帰属す
     る四半期純利益は、前年同期に投資有価証券売却益を計上していた反動等により、前年同期比
     28.0%減の 83 億円となりました。

2.セグメント業績概要


経済活動停滞の動きを受け、全ドメインで減収減益

・    2020 年 12 月期第3四半期のセグメント別業績は以下の通りです。
                                                              (単位:百万円)
                             2019 年 12 月期      2020 年 12 月期
                                                                 増減率
                              第3四半期             第3四半期
                                                                 (%)
                              連結累計期間            連結累計期間
                      売上高         116,897           109,591         △6.2
     空間価値ドメイン
                      営業利益            13,186         11,367         △13.8
                      売上高             88,445         82,153         △7.1
    ビジネスサプライドメイン
                      営業利益             1,725          1,656         △4.0
グローバルステーショナリー         売上高             62,532         53,743         △14.1
        ドメイン          営業利益             4,829          3,890         △19.4
                      売上高              1,956          1,857         △5.1
        その他
                      営業利益               104             55         △47.2
                      売上高         △26,362           △23,681              -
       調整額
                      営業利益            △5,096         △4,771              -
                      売上高         243,469           223,664         △8.1
        合計
                      営業利益            14,749         12,198         △17.3


・    空間価値ドメインでは、働き方・空間ニーズの多様化を取り込んだ新たな価値を創りつつ、盤石な
     収益性の構築に取組んでおります。国内事業は、緊急事態宣言解除後、延期されていた案件の
     納入が再開し、新型コロナウイルス感染拡大防止対策への相談対応や新しい生活様式に合わせ
     た提案活動等に注力しました。経済正常化の動きにより、需要回復の兆しも見え始めております。
・    海外事業は、非日系顧客へ向けて、国内で培った知見を活かしたワークスタイル提案に注力しまし
     た。新型コロナウイルス感染拡大影響により厳しい状況が続いておりますが、中国では今後も成長
     が見込める市場へ販売活動を推進しております。



                                  2
・   アクタスは、緊急事態宣言による店舗休業等の影響を受けましたが、インテリア需要の高まりにより、
    直営店の受注が好調に推移しております。
・   このような状況のもと、売上高は、前年同期比 6.2%減の 1,095 億円となりました。営業利益は、
    国内事業の減収の影響が大きく、前年同期比 13.8%減の 113 億円となりました。
・   ビジネスサプライドメインでは、流通基盤の統合とお客様にとって最適な販売体制の構築を図るマイ
    グレーション戦略を推進しております。
・   カウネット事業は、衛生用品を軸とした販売活動への取組みや顧客の出社率回復影響により、需
    要が戻りつつあります。
・   代理店販売事業は、マイグレーション戦略として販売面及び物流面の効率化の検証を進めておりま
    す。
・   このような状況のもと、売上高は、前年同期比 7.1%減の 821 億円となりました。営業利益は、前
    年同期比 4.0%減の 16 億円となりました。
・   グローバルステーショナリードメインでは、国内市場のシェア拡大・収益維持を実現するとともに、海外
    市場の成長に取組んでおります。
・   国内事業は、ノートや周辺用品の学び商材を中心とした販売活動へ取組みました。付加価値と収
    益性に拘り、特にBtoC市場におけるシェアの拡大を図りました。
・   海外事業は、中国では経済環境の回復もあり、文具売上が好調に推移し、「学ぶ」市場をターゲッ
    トとして、シェアの拡大と独自ポジションの確立に取組みました。インドでは、段階的なロックダウンの解
    除により、新型コロナウイルスの感染者が少ないエリアから順次経済活動が再開しております。しかし
    ながら学校再開の遅れ等により、需要回復には一定の時間がかかる見通しです。
・   このような状況のもと、売上高は、国内・海外市場ともに新型コロナウイルス感染拡大影響による需
    要低迷により前年同期比 14.1%減の 537 億円となりました。営業利益は、前年同期比 19.4%
    減の 38 億円となりました。

3.2020 年通期見通し


経済正常化への動きによる全ドメインの需要回復が進んだことにより、業績予想を上方修正へ

・   2020 年4月 27 日付「2020 年 12 月期連結業績予想および配当予想の修正に関するお知ら
    せ」において 2020 年 12 月期連結業績予想及び配当予想を一旦取り下げて未定としたのち、
    2020 年8月3日付「2020 年 12 月期連結業績予想修正ならびに剰余金の配当(第2四半
    期末配当)および配当予想の修正に関するお知らせ」において改めて業績予想の開示を行いまし
    た。
・   その後の経済正常化への動きによる全ドメインの需要回復が進んだこと等によって業績予想を上方
    修正致します。




                               3
・    2020 年 12 月期通期連結業績予想
                                                                          (単位:百万円)
                    前回発表予想     今回発表予想          増減額              増減率              (参考)前期実績

                      (A)         (B)          (B-A)                (%)         (2019 年 12 月期)

      売上高            290,000      296,000           6,000             2.1%            320,200
      営業利益             9,500       12,400           2,900            30.5%             16,743
      経常利益             9,100       12,200           3,100            34.1%             18,198
親会社株主に帰属する
                       5,000        6,900           1,900            38.0%             15,303
     当期純利益
     1株当たり              円 銭         円 銭             円 銭                                 円 銭
                                                                     38.0%
     当期純利益             42.27        58.32           16.05                              129.39


・    ドメイン別 業績予想数値
                                                                          (単位:百万円)
                               前回発表         今回発表        増減額           増減率           (参考)前期実績

                               予想(A)        予想(B)       (B-A)             (%)       (2019年12月期)

       空間価値          売上高       136,700      140,900         4,200         3.1%         152,066
        ドメイン        営業利益        10,750       12,200         1,450         13.5%         15,361
     ビジネスサプライ        売上高       110,200      112,500         2,300         2.1%         118,081
        ドメイン        営業利益         1,750        2,200          450          25.7%          2,318
    グローバルステーショナリー    売上高        72,100       71,600         △500      △0.7%             81,845
        ドメイン        営業利益         4,150        4,500          350          8.4%           6,017
                     売上高         2,400        2,500          100          4.2%           2,642
        その他
                    営業利益               0         50           50                -          139
                     売上高       △31,400      △31,500         △100                -      △34,435
        調整額
                    営業利益       △7,150       △6,550           600                -       △7,092
                     売上高       290,000      296,000         6,000         2.1%         320,200
        合計
                    営業利益         9,500       12,400         2,900         30.5%         16,743




                                        4
4.第2次中期経営計画の修正


目標数値を修正するも、新たな事業機会の確保に向けた取り組みを加速

・   当社グループにおきましては現在、2021 年を最終年とした第2次中期経営計画(2019 年度~
    2021 年度)を推進しておりますが、足元の状況に鑑みてその目標数値につき修正を行います。当
    初目標数値を下方修正する内容にはなっておりますが、空間価値ドメインではいよいよニューノーマル
    な働き方を見据えた動きが始まっている他、各ドメインにおいて変化の兆しが見え始めており、当社グ
    ループにおきましても新たな事業機会の確保に向けた取り組みを加速しております。
・   また、第2次中期経営計画では、資本政策に関して株主還元や設備投資(戦略投資含む)を積極
    的に行う旨に言及しておりました。配当額につきましては、2020年8月3日付「2020年12月期連
    結業績予想修正ならびに剰余金の配当(第2四半期末配当)および配当予想の修正に関する
    お知らせ」に記載の通り、長期的に当社グループの成長を期待して頂いている株主の皆様に報いる
    ものとして方針を修正させて頂いております。設備投資につきましては、引き続き更なる成長に向けた
    投資を行っていくものの、戦略投資枠の設定は一旦取り下げることと致します。今後開示予定の
    2030年をゴールとした「長期ビジョン2030」及び第3次中期経営計画の中で将来に向けた戦略
    投資方針を説明させて頂きます。
・   新型コロナウイルス感染拡大によって当社グループ事業に対する影響も引き続き継続することが見
    込まれますが、それに伴う事業リスクをむしろチャンスと捉え、新たな実験・検証の場の構築や新製品
    投入を推進することによって、更なる成長に向けて取り組んでまいります。

・   第2次中期経営計画の目標数値


                                                            (単位:億円)

            2019 年 12 月期 2020 年 12 月期               2021 年 12 月期
                実績           予想          当初目標         修正目標         当初目標比
     売上高          3,202        2,960       3,460~        3,050~     △11.8%
    売上総利益         1,139        1,056       1,278~        1,093~     △14.5%
     (率)      (35.6%)      (35.7%)      (37.0%~)     (35.8%~)      (△1.2pt)
    営業利益             167          124       215~          130~      △39.5%
     (率)       (5.2%)       (4.2%)      (6.2%~)       (4.3%~)      (△1.9pt)
※2020 年 12 月期の数値は、2020 年第3四半期決算発表時点の予想数値です。




                                   5
・   ドメイン別の目標数値


                                                       (単位:億円)

                                        2021年12月期通期
                           当初目標           修正目標           当初目標比

                売上高           1,620~          1,390~       △14.2%
     空間価値
      ドメイン      営業利益             190~          125~        △34.2%
                (率)         (11.7%~)         (9.0%~)       (△2.7pt)

                売上高           1,240~          1,170~        △5.6%
    ビジネスサプライ
      ドメイン      営業利益             35~            26~        △25.7%
                (率)          (2.9%~)         (2.2%~)       (△0.7pt)

     グローバル      売上高              940~          750~        △20.2%
    ステーショナリー
                営業利益             90~            53~        △41.1%
      ドメイン
                (率)          (9.6%~)         (7.1%~)       (△2.5pt)



5.トピックス

①空間価値ドメイン


ニューノーマルな働き方の実現に向け、顧客ニーズに応える新たな製品を発売
・   新型コロナウイルス感染拡大影響によって加速するニューノーマルな働き方の実現に向けて、新たな
    製品の提供を含むコクヨならではのソリューションを提案。


<エアトリーブ>
・   オフィスの会議シーンの会話で生じる飛沫や呼気を吸引し、室内への飛沫の拡散を防止する会議テ
    ーブル「エアトリーブ」を発売、12 月より受注開始。
・   新型コロナウイルスの感染症の影響で急速に進んだ在宅勤務のワークスタイルは、企業やワーカーか
    ら前向きに受け入れられる一方で、社員同士の気軽な雑談や相談、お客様との商談や社内での重
    要な意思決定を伴う会議など、これまでオフィス内の個室を利用して当たり前に行われていたフェイ
    ス・トゥ・フェイスのコミュニケーションは行いにくくなっている。
・   「エアトリーブ」は、天板下に電子式集塵フィルターを内蔵した空気清浄ユニットを搭載し、天板中央
    の吸引部から毎秒 2.5 メートルの風の流れを発生させることで、会話で生じる飛沫や呼気を吸い込
    み、室内への飛沫の拡散を防ぐ。さらに、空気清浄ユニットが毎分 15 ㎥(ユニット 1 台あたり)の
    風量で空気のろ過もするので、室内の衛生面での安心感を与える。

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写真:エアトリーブ                          写真:天板中央の吸引部



<WORKPOD(ワークポッド)>
・   「WORK POD(ワークポッド)」は、働き方や気分に合わせてオフィス内で手軽に 1 人用のワークスペ
    ースを確保できる製品。ウイルス感染拡大防止対策としてリモートワークによる在宅勤務者や取引
    先との Web 会議が増えている中で、周囲への音漏れを気にせずに集中できる空間を実現する。
・   7 月に発売した 1 人用に続き、2021 年 1 月からは対面でのミーティングにも対応可能な 1on1 タ
    イプも発売。




写真:WORK POD(ワークポッド)1on1タイプ       写真:1on1シーン



②ビジネスサプライドメイン


個人ワーカーニーズ(BtoW、Business to Worker)への取り組み
・   個人ワーカーニーズ(BtoW、Business to Worker)への取り組みとして、オフィス以外の領域に
    向けた衛生・介護用品カタログを発刊。




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<衛生・介護用品>
・    カウネットは、「衛生・介護用品カタログ」を 2020 年 10 月に発刊。「衛生・介護用品カタログ」では、
     「食事・口腔ケア用品」から「入浴・清拭用品」「トイレ・排泄用品」「衛生用品」「レクリエーション用
     品」にいたるまで、介護現場で必要となる商品を約 8,000 品番掲載。




写真:衛生・介護用品カタログ



                                                       以上


<業績予想の適切な利用に関する説明>
    本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社グループが現在入手している情報及び合理的で

あると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社グループとして約束する趣旨のものではありません。また、実際

の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

    連結業績の詳細は、決算短信をご参照ください。




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