7965 象印マホービン 2020-01-14 15:30:00
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]

                                                             2020 年1月 14 日
各     位
                                       会 社 名   象印マホービン株式会社
                                       代表者名    取 締 役 社 長         市川   典男
                                               (コード   7965     東証第1部)
                                       問合せ先    取締役管理本部長          真田     修
                                                  (TEL.06-6356-2368)


                株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ

    当社は、当社の株主(以下「提案株主」といいます。)である Ace Frontier Limited より、2020 年2
月 19 日開催予定の第 75 期定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)における議案につい
て株主提案(以下「本株主提案」といいます。)を行う旨の書面(以下「本株主提案書面」といいます。)
を受領しておりましたが、本日開催の当社取締役会において、本株主提案について反対することを決議
いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

                                   記

Ⅰ.本株主提案の内容及び理由
    1. 議題
          取締役(監査等委員である取締役を除く。)1名選任の件
    2.議案の要領及び提案の理由
          別紙1に記載のとおりです。なお、提案株主から提出された本株主提案書面の該当記載を原文
      のまま掲載したものであります。


Ⅱ.    本株主提案に対する当社取締役会の意見
    1.本株主提案の概要
          本株主提案は、以下の取締役候補者1名を取締役として選任することを提案するものでありま
          す。
               候補者名   長野   聡   氏
    2.当社取締役会の意見
           取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
    3.反対の理由
           当社は、本定時株主総会でご承認いただけることを条件として監査等委員会設置会社に移行
          することを予定しております。あわせて、業務執行と監督機能の分離を進め、取締役会の適切
          な監督のもとで経営の意思決定及び執行のさらなる迅速化を図るため、執行役員制度について
          も見直しを行う予定です。
           また、これを機に、当社取締役会は、監査等委員会設置会社へ移行後の新たな取締役会に求
          められるスキルセットの見直しを行うとともに、これを踏まえて、企業経営者によるグローバ
          ルな視点からのコーポレート・ガバナンスの強化を図る目的で、今回新たに、鳥井信吾氏を社
          外取締役候補者として提案しております。
    氏名                                                         所有する当社の
                                            略歴
  (生年月日)                                                         株式の数

                   1980 年 4月     伊藤忠商事株式会社入社
                   1983 年 6月     サントリー株式会社(現 サントリーホールディングス株
                                 式会社)入社
                   1992 年 3月     同 取締役
                   1999 年 3月     同 常務取締役
    鳥井 信吾          2001 年 3月     同 代表取締役専務
                                                                 ― 株
1953 年 1 月 18 日生   2003 年 3月     同 代表取締役副社長
                   2009 年 2月     サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副社長
                   2014 年 5月     ビームサントリー社 取締役(現在に至る)
                   2014 年 10 月   サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長
                                 (現在に至る)
                   2015 年 6月     ロート製薬株式会社 社外取締役(現在に至る)

(社外取締役候補者とした理由)
企業経営者としての豊富な経験と幅広い識見、国際的な視野を有し、他社の社外取締役も務めております。
当社の企業価値向上のために、グローバルな視点での経営への関与や、客観的、中立的な立場からの経営に対する監
督を行っていただくため、社外取締役候補者としております。

(特別利害関係の有無)
鳥井信吾氏と当社の間に特別の利害関係はありません。

      提案株主から推薦された候補者につきましても、当社の社外取締役2名を含む複数名の取締
    役と面談したうえで、候補者の資質・実績・専門性等の観点から取締役会で検討・審議を行い
    ましたが、以下の理由により、当該候補者を選任する必要はないと判断いたしました。
      ①当社の提案する新取締役会の体制(以下「新取締役会体制案」といいます。)は下記表の
        とおりであり(詳細は 2019 年 12 月 25 日に公表いたしました「役員の異動および監査等
        委員会設置会社移行後の役員人事に関するお知らせ」をご参照ください。、高い監督機能
                                         )
        を有しているとともに、ダイバーシティも強化されていること
         取締役(監査等委員である               10 名   うち独立社外取締役3名
         取締役を除く。)                          うち女性取締役1名
         監査等委員である取締役                3名     うち独立社外取締役2名
                                           うち女性取締役1名
                   合   計            13 名   うち独立社外取締役5名
                                           うち女性取締役2名
                                           (独立社外取締役比率 38%、女性取締役比率 15%)
      ②当社は、新取締役会体制案の検討にあたって、当社の取締役会に求められるスキルセット
        を総合的に考慮しており、その結果決定した新取締役会体制案は、当社の持続的成長と中
        長期的な企業価値向上に資する必要かつ十分な体制であること(当該スキルセットに即し
        た新取締役会体制案に係るスキルマトリックスは、別紙2をご参照ください。)

      ③当社の事業内容や企業規模を鑑みた取締役会の適正規模の観点からも、合計 13 名という
        新取締役会体制案は適切であること
      以上から、当社取締役会としては、新取締役会体制案が企業価値ひいては株主共同利益の向
    上の観点から最も適切かつ十分な体制であると確信しており、本株主提案による候補者1名の
    社外取締役としての選任はかかる観点から最適な選択ではないと判断しているため、本株主提
    案に反対いたします。
                                                                    以上
<別紙1>
1.株主総会の目的事項
  取締役(監査等委員である取締役を除く。
                    )1名選任の件
2.本件議案の要領及び提案理由等
 (1)本件議案の要領
  長野聡氏を貴社取締役(監査等委員である取締役を除く。以下同じ。
                                )に選任する。
  なお、長野聡氏より、貴社取締役就任の内諾を得ております。
 (2)提案理由
   貴社は、2018 年 11 月期まで、 期連続で減収、 期連続で減益決算となっているうえ、 (2019
                      3       2                 今期
  年 11 月期)においても前年同期比減収減益を予想されています。また、貴社の直前期における株
  主資本利益率(ROE)及び総資産利益率(ROA)はそれぞれ 6.5%、4.8%と、東京証券取引所第一部
  上場企業の平均(製造業平均、9.14%及び 6.04%(2018 年))を下回っており、資本及び資産の回
  転効率は低位にあります。こうした事実から明かなように、貴社の株主その他のステークホルダー
  の皆様の利益に資する経営が行われておりません。
   国内市場の縮小が不可避である現状を考えると、中国・東南アジア・北米を中心とした海外事業
  の拡大を成長戦略の中心に据えることが貴社グループの企業価値を中長期的に向上させるために
  必要不可欠です。
   また、貴社におかれましては、近時、最大 28 万人に上る貴社の顧客情報が外部に流出していた
  という企業価値を毀損する深刻な問題が発生しており、早期のガバナンス強化が必要な状況にあり
  ます。
   このような現状を早期に打開するためには、貴社の対外的な信用の確保が急務であり、グローバ
  ルな視点を有する事業経営力と専門的知見を有する人材を起用して、外部的な視点を取り入れた経
  営改革の端緒とすることが極めて有益です。
   本件議案にて提案する長野聡氏は、取締役等として直接会社の経営に関与した経験こそありませ
  んが、日本銀行ロンドン事務所次長などとして海外での豊富な業務経験を有し、日本銀行大阪支店
  副支店長も務めるなど、マクロ経済的な観点からの事業の分析に長けており、加えて、長野聡氏が
  貴社の本拠である大阪の出身であり、長らく地方創生の活動に従事していることから貴社のアイデ
  ンティティを構成する大阪に根ざした伝統企業の在り方の側面からの助言も期待できます。さらに、
  長野聡氏は、情報法を専門分野のひとつとする弁護士であるとともに、他社における社外取締役の
  経験も有しているため、それらを活かし、中立的な立場から貴社の経営活動に対する助言を行うこ
  とができるだけでなく、近時の情報漏洩問題の信用回復に不可欠なガバナンスの強化を図るための
  豊富な専門的知識と経験を有しています。このように、長野聡氏は、貴社の企業価値の更なる向上
  を図るうえで最適な人材であることから、貴社の社外取締役に選任することを提案するものであり
  ます。
(3)候補者の氏名、略歴等
     氏名                                                        所有する
                                         略歴
   (生年月日)                                                     貴社株式数

                   1986 年 4月     日本銀行入行
                   1989 年 1月     大蔵省出向
                   1991 年 9月     フランス政府給費留学、パリ第二大学聴講、フランス銀行
                                 研修
                   1998 年   5月   日本銀行 考査局調査役
                   2001 年   5月   日本銀行 信用機構室調査役
                   2004 年   1月   日本銀行 ロンドン事務所次長
      長野 聡
                   2006 年   4月   日本銀行 システム情報局・日銀ネット開発担当(課長)    0 株
 1962 年 9 月 2 日生
                   2007 年   7月   日本銀行 総務人事局 人事制度担当(課長)
                   2009 年   5月   日本銀行 北九州支局長
                   2011 年   7月   日本銀行 大阪支店副支店長
                   2014 年   6月   日本銀行 審議役(地域金融担当)
                   2017 年   8月   日本銀行金融研究所 シニアリサーチフェロー
                   2018 年   3月   弁護士(瓜生・糸賀法律事務所)(現任)
                   2019 年   5月   株式会社エスケイジャパン 社外取締役(現任)

(注)1.取締役候補者と貴社との間には、特別の利害関係はありません。
     2.取締役候補者は、現在貴社の取締役ではありません。
<別紙2>
                      スキルマトリックス


                                         商品企
                    当社事業          営業・           ガバナンス・    財務・税
  取締役       企業経営・          国際的          画・生産・
                    に関する         マーケテ           リスクマネジメン   務・会計・
  候補者氏名     経営企画           経験            技術・
                     知見           ィング            ト・法務        金融
                                        研究開発

 1 市川典男      〇       〇     〇      〇      〇
 2 松本龍範      〇       〇            〇      〇
 3 宮越芳彦      〇       〇     〇      〇
 4 真田   修    〇       〇                             〇         〇
 5 造田英治      〇       〇     〇                       〇         〇
 6 宇和政男      〇       〇            〇      〇
 7 治京宏明      〇       〇                   〇
 8 高岸直樹      〇                    〇                〇         〇
 9 伊住弘美      〇                    〇
10 鳥井信吾      〇             〇      〇      〇         〇
11 平井義嗣              〇            〇
12 塩野香苗      〇                                               〇
13 宇都宮一志                                           〇