7958 天馬 2021-05-13 15:30:00
第3次中期経営計画の策定に関するお知らせ [pdf]

                                             2021 年5月 13 日
                            会 社 名 天馬株式会社
                            代表者名 代表取締役社長 廣野 裕彦
                                (コード:7958、東証第一部)
                            問合せ先 経営企画部長 鈴木 直人
                                 (TEL. 03-3598-5642)



         第3次中期経営計画の策定に関するお知らせ


当社グループは、2022年3月期から2024年3月期までの三ヵ年を対象とする第3次中期経営
計画を策定いたしましたので、その概要を下記の通りお知らせいたします。


                        記
1.中期経営計画の概要
 (1) 長期ビジョン
       当社は百年企業への歩みをテーマとして「人とプラスチックの調和する豊かな社
       会」の実現を目指します。
 (2) 基本方針
       第3次中期経営計画期間を、10年後の目指す姿の実現に向けた「変革期間」と位
       置付け、下記2つを基本方針として取り組みます。
       ① :サステナブル経営の推進
       ② :成長基盤の構築
 (3) 主要施策
       2つの基本方針に紐づけられた6つの戦略展開を通じて、長期ビジョン達成の基
       礎となる「変革」を推し進めてまいります。
       ①人財への取り組み、②環境問題への取り組み、③ガバナンス強化、
       ④DXと自動化の推進、⑤技術開発の推進、⑥ビジネス領域の拡張


【添付資料】
 詳細につきましては、添付資料「第3次中期経営計画」をご参照ください。


2.補足
   本資料に記載されている業績数値目標等の将来に関する記述は、当社が現在入手して
  いる情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々
  な要因により大きく異なる可能性があることをご承知おきください。
                                                       以上
天馬グループ 業界ポジショニング

          プラスチック成形加工メーカー
   自社製品事業                   受託製品事業
    ●家庭用品        両輪とする希少な存在 ●OA機器部品
     ・収納ケース                 ●家電機器部品
     ・キッチン用品                ●車両部品
     ・サニタリー など              ●メディアケース など


   カテゴリートップの              アジアの成長市場において
 コンシューマーブランド企業        グローバル企業を顧客とする受託製造会社
  Fits累計販売数:1億個超         年平均成長率:5.9%(過去10年度)




                                               1
    前中期経営計画 振り返り

●第2次中期経営計画の最終年度(2021年3月期)は、コロナ禍の影響を受け、業績は
 目標数値を下回る
●しかし、第2次中期経営計画期間に、不採算事業からの撤退を概ね完了し、収益体質は改善
●事業環境は、コロナ禍により社会変革が加速したことで、成長戦略を長期の目線から見直して
 いくべき状況となってきた


                 第2次中期経営計画
                  2019年3月期~2021年3月期                   【第2次中計の主要な戦略】
                2019/3   2020/3
                          実績
                                  2021/3    2021/3
                                             目標
                                                       グローバル戦略の
売    上      高
                                                         積極推進
    (百万円)
                84,765   85,762   73,639    91,000   (海外において拡大する事業機会への対応)

営 業 利 益          2,349    3,065    2,892     4,500
    (百万円)
                                                      国内自社製品分野の
営業利益率
     (%)
                   2.8      3.6       3.9      5.0      採算性改善

                                  コロナ禍
                                  の影響                                       2
 前中期経営計画 振り返り

経営戦略・骨子(定性的目標)

⚫ 要素技術である射出成形技術と   ⚫ 最終年度のクレーム数
  金型等周辺技術の深耕         ⇒初年度比 48%減

⚫ グローバル戦略の推進       ⚫ ベトナム:ノイバイ工場の竣工
                     タイ:プラチンブリ工場の増設
   中国自社製品分野の強化
   ベトナム・タイへの積極投資   ⚫ 高付加価値商品の開発

⚫ 国内自社製品分野の採算性改革   ⚫ 全社的に自動化プロジェクトを推進
                     ⇒6工場でロボット導入
⚫ 製造工程における自動化推進
                   ⚫ インドネシア、ベトナムの現地社員を
⚫ 海外拠点の人材育成強化        実習生として受け入れ


                                         3
  目指す姿と新中期経営計画の位置づけ


百年企業への道を歩む!                              【目指す姿】
2049年に創業100周年を迎える。天馬グループは、「百年企業」を目
指して、10年後・20年後の長期の目線から、あるべき姿や、そこに至る
までの歩み方を再検討し、新たな歩みをスタート                    長期ビジョン
                                     「人とプラスチックの調和した
                                     豊かな社会」の実現を目指す
「目指す姿」達成に
                                              長期目標
向けた“変革期間”                              (2031年3月期目標数値)

                                       売上高       営業利益
                            第5次       1,100億円    90億円
                    第4次                 ROE      ROIC
  第3次                                  9%以上      9%以上
中期経営計画
2022年3月期~2024年3月期


                                                        4
 天馬グループ 長期ビジョン



    人とプラスチックの調和した豊かな社会



 環境問題             事業の            従業員の
への取り組み           発展と進化           成長と幸福
 樹脂成形メーカーとして   すべてのステークホルダーと共に   ワクワクする働きがい
社会課題の解決に取り組む     成長の果実を享受する        のある会社へ



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第3次中期経営計画 基本方針

    第3次中期経営計画          (2022年3月期~2024年3月期)
      【基本的な位置づけ】   「目指す姿」達成に向けた“変革期間”


基本方針1      サステナブル経営の推進
▶「サステナビリティ推進室」(2021年5月新設)を中心に、E(環境)・S (社会)・G(統治)を
 重視したサステナブル経営を推進
▶ビジョン実現に向けた活動の指針として、SDGsが定める17の目標のうち、当社事業
 との関連性が深い6つの項目を選定し、全社的に活動




基本方針2      成長基盤の構築
▶研究開発およびDXへの重点投資をはじめ、これまでの資金配分のあり方を根本的に
 見直し、天馬グループが長期的に成長していくための基盤構築に注力
                                                    6
 第3次中期経営計画 全社戦略

                   これらの戦略展開を通じて
       “目指す姿”(ビジョンと長期目標)達成の基礎となる“変革”を推し進める




戦略 ①     人財への取り組み         戦略 ④   DXと自動化の推進

戦略 ② 環境問題への取り組み           戦略 ⑤    技術開発の推進

戦略 ③      ガバナンス強化         戦略 ⑥   ビジネス領域の拡張


         【基本方針1】                  【基本方針2】
   サステナブル経営の推進                   成長基盤の構築

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第3次中期経営計画 全社戦略

戦略 ①   人財への取り組み

競争力の源泉である“人財”の活躍推進を強化
1)多様な人財の登用に向けた取り組み
  ●ダイバーシティの尊重:性別・年齢・国籍に関わらず全従業員が能力を発揮
              できる職場づくり
  ●人事・報酬制度改革:職能と責任の重さに応じた待遇・評価へ
  ●働き方改革:ライフステージに応じた働き方の選択を可能に
         (テレワーク・フレックス制の導入など)

2)従業員満足度向上に向けた取り組み
  ●社員の労働環境・職場環境の改善・向上
  ●非正規社員を正社員に登用する制度の確立
  ●「天馬グループ」の企業ブランド価値向上(社員の帰属意識やステータス向上)


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第3次中期経営計画 全社戦略

戦略 ② 環境問題への取り組み

樹脂成形のリーディングカンパニーとして、プラスチックの3Rを推進

●プラスチックを、より有効に活用すべく、                      ●耐久性の高い製品
 再生プラスチックの製品化を目指す                Reduce   ●廃棄材料削減



●当社製品へのバイオプラスチックの
 活用を研究                           3R
                       Recycle            Reuse
                       ●再生プラスチック          ●設備・資材を大切に
                        の製品化               する社風の継続



                                                       9
第3次中期経営計画 全社戦略

戦略 ③   ガバナンス強化

●任意の指名報酬委員会を2020年11月に設置
   ⇒ より客観的な指名・報酬の決定プロセスを確保

●独立社外取締役比率は最低3分の1以上とし、更なる向上をはかる
   ⇒ 客観的かつ活発な取締役会の議論を行う
   ⇒ 透明性、および実効性の高い取締役会の実現

●内部統制室を新設し、以下を推進
   ⇒ 海外子会社の統制強化、規程の見直しと統一性の確保

●IT投資による監査業務の効率化

                                  10
 第3次中期経営計画 全社戦略
                                 *コア組織:「デジタル戦略室」
戦略 ④    DXと自動化の推進
DX推進によって業務効率化から新たなビジネス機会へとシフトする
 1 生産と業務におけるデジタルシフトを積極に推進
⚫ 全社的なインフラのデジタル化を進め、業務効率化と蓄積するデータを用いた事業戦略を計画・実行・評価
  することができる経営基盤を整える
⚫ 製品の組み立て、場内物流等の自動化による、コスト競争力の強化

 2 自社製品のEC戦略の強化とグローバル展開
⚫ オンラインを積極的に活用し新製品のマーケティングを強化し、市場のニーズを的確に捉えた商品展開を行う
⚫ EC市場の成長を見据え、ITを活用した自社製品のグローバル展開と商品開発を行う


 3 新規ビジネスの創出
⚫ レガシー企業文化からの脱却を図り、従来の装置産業の枠組みに囚われない、新たな事業機会に挑戦する。
⚫ ITを活用し、国内流通網やブランド認知力を梃子とした、新しいビジネスモデルの構築を目指す


                                                      11
第3次中期経営計画 全社戦略

戦略 ⑤     技術開発の推進

技術開発に専念する「研究開発室」を、生産本部に新設(2021年5月)

「研究開発室」の主な取り組み内容
       ●特殊成形技術、素材開発技術を自社の要素技術として確立
       ●開発部・営業部・技術部・経営企画部と連携し、これからの市場に求めら
        れる機能を具現化するための技術を確立
       ●川上技術である素材や金型に関する研究活動を推進し、付加価値向上
        につなげる
       ●既存事業の付加価値向上に向け、加飾成形技術やロボット活用技術の
        強化を推進


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第3次中期経営計画 全社戦略

戦略 ⑥    ビジネス領域の拡張

マーケティング戦略と技術開発の推進により、ビジネス領域を拡張
   (戦略④)     (戦略⑤)

「営業企画部」(2021年5月新設)が主体となり、事業化を検討

   ▶環境配慮型商材の開発(バイオプラ等)
   ▶ハウスウエア分野での新領域参入
   ▶ハウスウエア事業のアセアン進出
   ▶金型製作技術獲得による金型ビジネスの展開
   ▶物流資材・メディカル・ドローン・玩具などの新規商材への挑戦
       など

                                    13
    第3次中期経営計画 事業戦略

                         地域別の区分           ◎ :注力
                                           :高シェア維持
                    日本     中国     東南アジア
                                          ☆ :新規立ち上げ
             OA
             事業                    ◎       :現状維持
                                          - :対象外
事
業
領
    受託製品
     事業
             家電
             事業            ◎       ◎
域
別
の
             車両
             事業
                           ―
                                   ◎      事業領域別の
                                            戦略
区
分
    自社製品
     事業
           ハウスウエア
             事業            ◎       ☆
                    ☆
           ●医療
     新規
           ●物通資材           ―       ―
     事業    ●環境 ほか




                         地域別の戦略
                                                     14
 第3次中期経営計画 事業戦略

事業領域別の戦略
受託製品事業                    自社製品事業(ハウスウェア事業)
         OA・家電事業          新販路開拓、新商材開発、海外展開
   製造受託のトップ企業へ            ●新販路:「HC(ホームセンター)ルート」に加え、
                             「専門店・雑貨店」、「ファクトリー」、「EC」へと販路拡大
●付加価値向上施策
 (ユニット受注、組立技術、加飾技術など)     ●新商材:新販路に訴求できる新商材の開発
●新たな技術力を活かした受注範囲拡大        ●海外展開:中国事業の深掘り、アセアンでの事業立ち上げ
 (特殊成形技術、金型製作技術など)
                          新規事業
          車両事業
    東南アジアへの注力             DXを軸とした新ビジネスモデルの構築
                          とアライアンス推進
●進出済みの東南アジア地域におけるビジネス
 展開を強化                    ⚫ DXによる新しいビジネスモデルの構築
                          ⚫ 既存事業とシナジーが期待できる新領域ビジネスとのアラ
   これを皮切りに、グローバルな展開へと拡大     イアンスや投資




                                                             15
第3次中期経営計画 事業戦略

 地域別の戦略
                   国内:
                   ●研究開発活動の充実
東南アジア:             ●物流ネットワークの再編
●受託製造事業におけるユニット    ●自動化ノウハウの蓄積
 受注強化              ●ECの体制整備
●成長が見込まれる家電・車両
 事業の売上げ拡大
                  中国:
●新拠点の設立を視野に
                  ●金型製作能力の獲得
●ハウスウエア事業の本格推進    (金型製作会社を設立)

                  ●新領域の受託製造事業進出
                  ●ハウスウエア事業の市場シェア拡大
                  (上海と中山のハウスウエア販売を統括する
                   販社を設立)



                                         16
 第3次中期経営計画 投資戦略・資本政策

       投資戦略                    資本政策
                        企業価値向上に向けた取り組みとして、
    3か年投資総額             資本政策を通じた株主還元を継続的に

     180億円              実施する

                        配当政策▶ 株主資本配当率(DOE)
 ▶基盤構築: 108億円                  2.5%以上
 ▶収益力強化: 50億円
 ▶事業拡大: 22億円            自己株式取得▶
                         ・長期的に、総額100億円規模の自己
*収益力強化投資と事業拡大投資は、         株式取得を進め、株主還元に努める
 案件ごとに投資リスクと収益率を精査
                         ⇒うち、2020年8月7日に総額20億円
*新規投資においては、資本コストを意識し、     を上限とする自己株取得を公表済
 ROIC向上を念頭に置きながら、規律ある     (取得期間:21年8月10日まで)
 投資判断を行う

                                                17
第3次中期経営計画 数値目標と経営指標

▶数値目標                                      第2次中期経営計画 実績                                                  第3次中期経営計画
                                      2019/3             2020/3           2021/3               2022/3                 2023/3            2024/3
売上高(百万円)                               84,765             85,762           73,639               81,000                84,500            87,000
営業利益(百万円)                                2,349                  3,065            2,892              3,400              3,800             4,200
戦略費用控除後の
                                                   -               -                  -             3,900              4,600             5,400
営業利益(百万円)
営業利益率(%)                                      2.8                 3.6              3.9                  4.2                    4.5          4.8
同 [戦略費用除く] (%)                                     -               -                  -                 4.8                    5.4          6.2

                          売上高


                                                                                      第2次中計                     第3次中計




        第2次中計                 第3次中計

                                                                        2018/3    2019/3   2020/3   2021/3   2022/3   2023/3   2024/3     2031/3
                                                                                                                                                   18
2018/3 2019/3 2020/3 2021/3 2022/3 2023/3 2024/3       2031/3
       【ご参考1】 事業ポートフォリオの変遷
  ■事業領域別の売上高構成の推移                                                        新領域
                                                             HW          50億円
       *2021/3は実績。他はすべて計画値。
                                                             330億円       5%
                                                                                   OA
                                                             30%                400億円
                                                                                  36%


                                          HW
                                          233億円
                               その他        27%
                                                     OA
                              77億円                390億円
                                9%                  45%              【2031/3】
                                                                  1,100億円
 その他       HW
71億円       201億円
 10%       27%
                        OA
                     324億円             【2024/3】
                       44%
                                       870億円
                                                                                家電
                                                            その他     車両          133億円
          【2021/3】                                        100億円   87億円          12%
                                                             9%     8%
          736億円
                                  車両        家電
                                75億円        95億円
                                  8%        11%

    車両        家電
  64億円        74億円
    9%        10%                                                                       19
  【ご参考2】 ROE9%達成までのロードマップ
(億円)                                                                                                                             (億円)
                                          当期純利益(左軸)                        自己資本(右軸)
100                                                                                                                              1,000

                                                                    764        787        793        795        795        793
 80                     721        733        737        748                                                                     800
             712                                                                                           69         72
                                                                                     64         67
                                                                          63
 60                                                            55                                                                600
                                                    50

 40                           31         34                                                                                      400
        30         30

 20                                                                                                                              200


  0                                                                                                                              0
        2021/3     2022/3     2023/3     2024/3     2025/3     2026/3     2027/3     2028/3     2029/3     2030/3     2031/3
(%)                                                                                                                              (%)
                                          ROE(左軸)                         総還元性向(右軸)
10.0                                                                                                        8.7        9.0       160
                                                                           8.1        8.2        8.4
 8.0     131        131                                         7.3                                                              140
                                                     6.7

 6.0                                      4.6                                                                                    120
         4.2        4.1        4.3                                                                          100        103
                                                                                      92         96
 4.0                                      88                                                                                     100
                                                     79
 2.0                                                            71                                                               80
                               62                                          63
 0.0                                                                                                                             60
        2021/3     2022/3     2023/3     2024/3     2025/3     2026/3     2027/3     2028/3     2029/3     2030/3     2031/3
       *2021/3は実績。他はすべて計画値。                                                                                                            20