7942 JSP 2021-04-30 15:00:00
当社欧州グループ会社における資金流出事案に関する調査結果及び再発防止策の策定並びに役員報酬の一部自主返上に関するお知らせ [pdf]

                                                            2021 年4月 30 日
各   位
                                         会 社 名 株   式   会   社 J S P
                                         代表者名 代表取締役社長 酒 井 幸 男
                                               (コード番号:7942、東証第 1 部)
                                         問合せ先 経 営 企 画 本 部
                                               広 報 IR 室 長 中 嶋 一 浩
                                              ( TEL    03-6212-6306)

         当社欧州グループ会社における資金流出事案に関する調査結果及び再発防止策の策定
                 並びに役員報酬の一部自主返上に関するお知らせ



    当社は、2020 年 11 月 18 日付「当社欧州グループ会社における資金流出事案について」にて公表し
ましたとおり、当社欧州グループ会社において、悪意ある第三者による虚偽の指示に基づき資金を流出
させる事案(以下「本事案」と言います。)が発生いたしました。当社は、本事案の発覚後、社外取締役
を責任者とし、外部の弁護士を含む対策チームを設置し、事実関係の解明に向けた調査を進めてまいり
ました。その結果、当社は対策チームより、2021 年 4 月 12 日付「調査報告書」を受領いたしました。
    当社としましては、その調査結果と提言を真摯に受け止め、本日開催の取締役会において再発防止策
について決議いたしました。また、当社関係役員より役員報酬の自主返上の申し入れがありましたので
お知らせいたします。
    株主をはじめ関係者の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、改めて深くお詫
び申し上げます。当社としましては、この様な事案の再発防止に向け更なる管理体制の改善、強化に取
り組んでまいります。また、流出した資金の保全・回収手続きを継続して実施しておりますことを併せ
てご報告申し上げます。


                                     記


1.今回の資金流出事案の調査結果
    (1)本資金流出事案の概要
         2020 年 10 月 20 日、当社欧州グループ会社であるチェコ法人 JSP International s.r.o の財務マ
        ネージャ―が、悪意ある第三者から買収案件に係る資金を内密に送金するよう虚偽の指示を受け、
        10 月 20 日から 11 月 4 日の間、複数回に渡り送金を実行し、合計 8,073 千ユーロ(約 10 億円)
        に上る資金を流出させたものです。本送金は、同マネージャ―が単独で送金手続を実施したもの
        で、同社の親会社であるフランス法人 JSP International SARL(当社の子会社)の財務責任者によ
        る送金状況のチェックにより 11 月 5 日に資金流出の事実が発覚しました。


    (2)当社及び欧州グループ会社役職員の関与について

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    現時点において把握している客観的事実、関係者へのヒアリング及び本事案を捜査しているチ
   ェコ警察の捜査等から、当社及び欧州グループ会社役職員の上記の資金詐取行為への関与は認め
   られておりません。


 (3)本事案に係る情報漏洩(IT システムへの不正アクセス等)の有無について
    本事案に関連して、外部からの IT システムへの不正アクセス及び内部から悪意ある第三者へ
   の情報漏洩の有無について専門業者の協力を得て調査した結果、そのような事実は認められませ
   んでした。


 (4)本事案以外の資金流出の有無について
    欧州グループ会社をはじめ、その他のグループ会社を対象として、本事案以外の虚偽の指示に
   基づく資金流出の有無について調査した結果、本事案同様の資金流出は認められませんでした。


2.再発防止策について
   本事案発生の直接的原因は、欧州グループ会社の対外送金プロセスにおける管理体制が適正に機
 能していなかった点、出金状況のモニタリングが不十分であった点等が挙げられますが、以下の対策
 を実施することで当該会社のみならず、当社グループとして管理体制の更なる改善、強化に取り組
 み、再発防止に努めてまいります。


 (1)本事案に関する再発防止策
   ① 欧州グループ会社に対して
   ・対外送金プロセスに対する管理体制の強化
   ・出金状況のモニタリング強化
   ・余剰資金の管理体制(仕組み)の構築
   ・詐欺被害に対する社内教育と周知
   ・当社による上記についての定期的なモニタリング
   ② その他のグループ会社に対して
   ・対外送金プロセスに対する管理体制の強化
   ・各グループ会社の企業規模等に応じた新規取引先及び出金業務に対する管理強化を順次実施


 (2)グループガバナンス・コンプライアンス体制の強化
   ① グループガバナンスに関連した諸規程の整備及び周知
     グループガバナンス向上の観点から、当社への報告事項の拡充とレポートラインの明確化を
    図る。
   ② グループ会社のリスクマネジメントの強化
    各グループ会社個別のリスクアセスメント・リスク対策実施の徹底及び当社への実施状況の
    報告体制を構築する。
   ③ グループ会社のコンプライアンス体制の強化


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     重要なグループ会社(欧州及び北米)を対象に、法務・コンプライアンス機能強化のため担当
     部署又は責任者を設置する。
   ④ 当社内部監査部のグループ会社監査の強化
     当社内部監査部のグループ会社への往査頻度、監査品質の向上を図る。


3.役員報酬の自主返上について
   本日開催の取締役会において、関係役員より役員報酬の自主返上の申し入れがありました。


 (1)役員報酬自主返上の内容
   ① 代表取締役社長 報酬月額の20%
   ② その他の役員     報酬月額の10%


 (2)役員報酬自主返上の期間
     2021 年 5 月より3ケ月間


 4.当社欧州グループ会社の関係者に対する処分について
    欧州グループ会社における本事案関係者の処分につきましては、解雇、降格または報酬減額とい
   たしました。


                                               以上




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