7940 ウェーブロックHD 2021-02-10 15:30:00
連結子会社の異動を伴う株式の一部譲渡、資本業務提携の解消及び特別利益計上に伴う業績予想修正に関するお知らせ [pdf]

                                             2021 年2月 10 日
各    位
                     会 社 名   ウェーブロックホールディングス株式会社
                     代表者名    代表取締役兼執行役員社長 木根渕     純
                                 (コード番号:7940 東証第一部)
                     問合せ先    取締役兼執行役員 管理本部長 石原 智憲
                                       (TEL:03-6830-6000)


         連結子会社の異動を伴う株式の一部譲渡、資本業務提携の解消
          及び特別利益計上に伴う業績予想修正に関するお知らせ

    当社は、本日開催しました当社臨時取締役会において、2021 年3月 31 日(予定)をもって、
当社の連結子会社である株式会社ウェーブロックインテリア(以下、「WIT」)の発行済株式総数
20,000 株のうちの 51.0%(10,200 株)を、株式会社サンゲツ(以下、
                                         「サンゲツ」)に譲渡する
こと(以下、
     「本件株式譲渡」
            )を決定し、本日、サンゲツとの間で本件株式譲渡に係る株式譲渡
契約を締結いたしました。本件株式譲渡に伴い、WIT は、当社の連結子会社でなくなることとな
ります。
    また、併せて、当社とサンゲツは、本日、 の新たな資本構成
                       WIT      (当社 49.0% サンゲツ 51.0%)
                                         :
の下での WIT の運営及び今後の株式の異動の可能性を含む合意事項(当社が保有する WIT 株式
の更なるサンゲツに対する売却に関する合意を含みます)につき、株主間契約を、締結するとと
もに、WIT の当社に対する借入金の返済及び当社の連結子会社である株式会社イノベックスから
WIT への資産の譲渡を行うことについて合意いたしました。
    本件株式譲渡及び関連する取引に伴い、当社は 2021 年3月期において特別利益約 21 億円を
計上する見込みであり、2021 年3月期の連結業績予想についても合わせて修正いたします。
    さらに、サンゲツと当社との間で締結していた資本業務提携に基づく壁紙事業における当社
グループとサンゲツとの業務提携関係は、当該業務提携が主として当社の子会社である WIT か
らサンゲツに対する壁紙の供給という取引により行われていたものであることから、本件株式
譲渡により WIT が当社の連結子会社ではなくなることにより、当社との関係では業務提携は解
消となります。また、かかる資本業務提携の解消に伴い、サンゲツは現在保有している当社株
式を今後売却していく方針となります。


                             記


1.株式譲渡・資本業務提携解消の背景と理由
・   当社とサンゲツの資本業務提携について
     当社とサンゲツは、壁紙を中心とするインテリア分野において、中長期的視点に立
    ったアライアンスを企図し、2015 年 10 月に資本業務提携を締結しました。サンゲツ
    にとっては、壁紙製造メーカー最大手の WIT とのアライアンスによる戦略的調達の推
    進を、また、WIT にとっては、壁紙ブランドメーカー最大手のサンゲツとの安定的関
    係をベースに、中長期的視点に立った生産体制の強化を推し進めることで、生産効率
    向上や品質安定化を図り、コスト面を含め、競争力のある壁紙供給体制の構築を目指
    しました。
     資本業務提携締結後、サンゲツは当社の発行済株式の 25%超を保有し、その緊密な
    資本関係の下、当社とサンゲツは、相手方の事業領域の理解を深め、デザイン、材料、
    品質、生産、販売、物流、情報管理等を含め、製造から販売、施工に至るまでの壁紙
    事業のバリューチェーンを総合的に強化する取り組みを行い、両社間の壁紙取引量を
    大きく増加させると共に、生産効率向上、品質安定化、コスト削減等を実現し、両社
    間の戦略的調達及び供給関係の構築を当初の想定に沿った形で達成してまいりまし
    た。


・   事業環境の変化
     しかしながら、ここ数年で壁紙関連事業を取り巻く環境は大きく変化しており、特
    に世界規模での新型コロナウイルス感染症の感染拡大による人々の価値観や生活様
    式の変貌は、非連続的に加速しています。このため、ポストコロナ社会への対応は、
    WIT のような住宅に密接に関連する企業にとって喫緊の課題であり、ICT 分野の技術
    革新をベースとしたデジタルトランスフォーメーションなどとも相まって、従来の既
    成概念から一歩踏み出した、抜本的かつ早急な改革が必要となっております。
     このような事業環境の変化の中で、当社は、当社グループの事業ポートフォリオを
    再検討してまいりましたが、その結果、当社グループのインテリア事業を担う WIT の
    壁紙関連事業については、当社ではなくサンゲツによる経営主導の下で、製造から販
    売、施工までのバリューチェーンの更なる強化拡充、高度化を推し進めることが、WIT
    の壁紙関連事業の将来にとって最善であると判断いたしました。そこで、当社は、サ
    ンゲツとの間で、サンゲツによる WIT 発行済株式の 51.0%(10,200 株)の株式取得、
    及び、その後のサンゲツのコールオプション権の行使又は当社のプットオプション権
    の行使によるサンゲツによる WIT 発行済株式の残りの 49.0%(9,800 株)の株式取得
    を含む段階的な取引について合意いたしました(合意の概要については、後記参照)
                                         。
     当社は、当社自体を取り巻く事業環境も大きく変化する中、本件株式譲渡の成立に
    よって得られるキャッシュ及び純資産の増加を元に、ポストコロナ社会において持続
    可能な企業となるため、当社グループが営む各事業の積極的な成長戦略の構築や企業
    買収の方法による新規事業への進出を目指すことができることから、本件株式譲渡を
    含む取引は当社にとって最善の策であると判断しております。
2.本件株式譲渡を含む取引の概要等
(1)取引の概要
   当社及びサンゲツは、本件株式譲渡に際して以下の内容を合意しております。
  ・    WIT による新設分割
        WIT から壁紙関連事業に関連しない資産を切り離すため、本件株式譲渡に先立ち、
       WIT が、壁紙事業の継続に直接必要としない資産(一関第2工場及び佐倉工場に関す
       る土地及び建物、付帯設備、並びに WIT の販売子会社の株式等)
                                      (2020 年 12 月現在の
       簿価総額:約 14 億円)
                   (以下「本件承継資産」
                             )を、新設分割(分割型分割)の方法に
       より設立する新設会社(商号:ウェーブロック・アセットマネジメント株式会社、以
       下「WAM」
            )に承継させること及び当該新設会社の株式の全てを当社に剰余金の配当の
       方法により配当することを内容とする、新設分割(分割型分割)を行います。


  分割概略図
   【現時点】                 【①】                   【②】

       ウェーブロック             ウェーブロック                           ウェーブロック
      ホールディングス            ホールディングス                          ホールディングス
                                                     100%              100%


                          ウェーブロック                                  ウェーブロック・
      ウェーブロック                                    ウェーブロック
                           インテリア                                     アセット
       インテリア                                      インテリア
                                                                    マネジメント

                                                                       サクラ
         サクラ              ウェーブロック・                                     ポリマー
         ポリマー               アセット
                           マネジメント
                                                                         ヤマト
           ヤマト                                                            化学
            化学                 サクラ
                               ポリマー                                      Wavelock
                                                                       International
           Wavelock
                                                                           Asia
         International
                                 ヤマト
             Asia
                                  化学

                                 Wavelock
                               International
                                   Asia




        ① 新設分割の方法により、WIT の子会社として WAM を設立し、かかる新設分割の効
            果として、WIT が WAM に対し本件承継資産を移転。
        ② 剰余金の配当の方法により、WIT から当社に対し、WAM の株式を配当。


  ・    本件株式譲渡
        当該新設分割後、当社は、サンゲツに対し、 の発行済株式の 51.0%
                            WIT           (10,200 株)
       を約 24 億円で譲渡いたします。
                       この結果、 は、
                            WIT サンゲツが発行済株式総数の 51.0%
       (10,200 株)を、当社が発行済株式総数の 49.0%(9,800 株)を保有する合弁会社と
       なります。また、本件株式譲渡により、2021 年 3 月期第 4 四半期において、当社は連
       結上で特別利益として、約 21 億円を計上する見込みです。
 本件株式譲渡後の資本関係図
    【譲渡前】                【譲渡後】


     ウェーブロック                           ウェーブロック
                          サンゲツ
    ホールディングス                          ホールディングス


    100%
                          51%              49%

     ウェーブロック                     ウェーブロック
      インテリア                       インテリア




・   既存の資本業務提携関係の解消及び WIT の運営に関する新たな株主間契約の締結
     当社は、サンゲツと締結した資本業務提携契約に基づき、WIT を通じた壁紙の取引
    を行ってきましたが、上述のような環境変化を受け、サンゲツに WIT の株式の過半数
    を譲渡することにより、当社グループとしては壁紙事業への関与は間接的なものとな
    ります。また、サンゲツによる当社株式の保有も、当初より、壁紙事業における提携
    を主要な柱としていたことから、今般、その関係も見直すこととし、サンゲツからは
    当社株式を漸次売却していく方針と伺っており、両社は、資本業務提携関係を解消す
    ることで合意しております。
     他方、当社は、上記の説明のとおり、2021 年4月1日以降は、WIT の発行済株式総
    数の 49.0%を保有する株主となることから、本日、サンゲツとの間で、WIT の運営に
    関する株主間契約を締結しております。当社とサンゲツが締結した株主間契約の内容
    には、当社からの取締役の派遣、一部の重要事項についての当社の拒否権、当社及び
    サンゲツの WIT のオペレーションについての協力関係、WIT の今後の配当政策が規定
    されております。この株主間契約の下では、当社は、一定の条件の下、サンゲツに対
    し、当社が保有を継続する WIT 株式の買取を請求できる権利(プットオプション)を
    有し、サンゲツは、一定の条件の下、当社に対し、当社が保有を継続する WIT 株式の
    売却を請求できる権利(コールオプション)を有します。これらのオプション権(以
    下「本オプション権」 が行使された場合、
              )         サンゲツは、 の発行済株式総数の 49.0%
                              WIT
    (9,800 株)を、本件株式譲渡における 1 株あたりの譲渡価格に 1.2 を乗じた価格で
    当社から取得し、かかる取得後、WIT は、サンゲツの 100%子会社となります。


・   貸付金の返済
     WIT は、当社に対し、本件株式譲渡に際して、当社が WIT に貸し付けている金銭の
    全額(2020 年 12 月現在の簿価総額:約 16 億円)を返済いたします。


・   本件株式譲渡に伴う不動産の譲渡
     WIT は、現在、当社の 100%子会社である株式会社イノベックス(以下、
                                         「INX」)から
    主要生産拠点の一つである一関事業所の土地と当該土地に存する一部の建物設備を
      賃借して使用しているところ、当社はサンゲツとの間で、INX が WIT に対し、かかる
      資産を本件株式譲渡実行日付で約7億円にて譲渡することを合意しております。


  ・本件株式譲渡後の配当金
       本件株式譲渡後、当社は、本オプション権が行使されるまでの間に少なくとも総額
      2.94 億円の配当を WIT から受領すること及び本オプション権が行使された段階で WIT
      から当社への配当額が 2.94 億円に達していない場合は、税効果考慮後の差額をサン
      ゲツから受領することを合意しております。


(2)取引後の当社による WIT への支援及び当社の事業について
  ・   取引後の当社による WIT への支援について
       当社は、本件株式譲渡に際し、WIT が、サンゲツの下で円滑に事業を継続でき、更
      には、一層強固な企業となるようサポートを続けます。
  ・   取引後の当社の事業について
       本件株式譲渡、株主間契約に基づき本オプション権が行使された場合、当社は、現
      在の主力事業の1つであるインテリア事業から撤退することになります。しかし、一
      方で、今回の取引により、環境問題等の社会変化への早急な対応を求められながらも
      大きな成長余地が期待できるマテリアルソリューション事業及びアドバンストテク
      ノロジー事業に経営資源を集中することができることになり、当社にとっては最善の
      選択肢であると考えております。
       当社はここ数年財務健全性向上のため、利益の最大化、有利子負債の削減を進めて
      まいりましたが、今回の株式譲渡や資産譲渡を通じて、相当程度のキャッシュと利益
      を獲得することにより、更に財務健全性の向上が見込まれます。これにより当社の財
      務状態は、事業の長期利益獲得、成長路線構築のための投資等に対してある程度のリ
      スクを許容できるものになると認識しております。当社といたしましては、今後の事
      業展開において、マテリアルソリューション事業及びアドバンストテクノロジー事業
      への積極的な成長投資、例えば海外マーケット獲得への探索、技術的な競合優位性を
      高めるための設備投資等を実現してまいりたいと考えております。また、既存事業隣
      接分野、新規事業分野における他社との提携や M&A についても成長戦略の一環とし
      て検討してまいります。
3.異動する子会社の概要

(1)名称             株式会社ウェーブロックインテリア
(2)所在地            東京都中央区明石町8-1聖路加タワー13階
(3)代表者の役職・氏名      代表取締役 兼 執行役員会長 福田 晃
                  代表取締役 兼 執行役員社長 井上 弘一
(4)事業内容           壁紙の製造・販売、生活雑貨関連商品の販売
(5)資本金            1億円
(6)設立年月日          2006年(平成18年)4月1日
(7)大株主及び持株比率      ウェーブロックホールディングス(株) 100%
                                     当社は、当該会社の全株式(100%)を所
                  資本関係
                                     有しております
                                     当社役員2名と監査役1名が同社役員・監
(8)上場会社と当該会社との間   人的関係
                                     査役を兼任しております。
の関係
                                     当社は、当該会社との間で、経営指導料や
                  取引関係               業務委託手数料等の徴収、資金貸付等を行
                                     なっております。
(9)当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態
決算期                 2018年3月期          2019年3月期        2020年3月期
連結純資産                   1,300百万円         1,438百万円       1,811百万円
連結総資産                   7,265百万円         7,063百万円       6,742百万円
1株あたり連結純資産              65,004.32円       71,905.83円      90,539.15円
連結売上高                   9,029百万円         8,792百万円       9,694百万円
連結営業利益                   864百万円           635百万円          923百万円
連結経常利益                   821百万円           695百万円          900百万円
親会社株主に帰属する当期純利益          563百万円           516百万円          620百万円
1株あたり連結当期純利益            28,160.62円       25,797.87円      31,006.27円



4.株式譲渡の相手先の概要

(1)名称              株式会社サンゲツ

(2)所在地             愛知県名古屋市西区幅下一丁目4番1号

(3)代表者の役職・氏名       代表取締役 社長執行役員 安田 正介
                   壁紙、床材、カーテン、椅子生地などトータルインテリア商品の開
(4)事業内容
                   発・ 販売
(5)資本金             136億1,610万円

(6)設立年月            1953年4月

(7)純資産             92,510百万円

(8)総資産             147,930百万円
                                 日本マスタートラスト信託銀行株式会社
(9)大株主及び持株比率             1)                                              6.21%
                                 (信託口)


                                 Northern Trust Co,(AVFC)Re Silchester
(2020年3月末現在 上位10名)       2)                                              5.50%
                                 (常任代理人:香港上海銀行 東京支店)


                                 日本トラスティサービス信託銀行株式会
                         3)                                              3.61%
                                 社(信託口)
                         4)      株式会社三菱UFJ銀行                             3.43%
                         5)      株式会社大垣共立銀行                              3.40%
                         6)      日比祐市                                    3.04%
                         7)      日比東三                                    3.02%
                         8)      日比喜雄                                    2.97%
                         9)      三輪雅恵                                    2.95%


                                 Northern Trust Co,(AVFC)Re US Tax
                         10)     Excepted pension funds                  2.85%
                                 (常任代理人:香港上海銀行 東京支店)


                                 当該会社は当社の筆頭株主であり、2020年9月末現在の
                         資本関係    持株比率は25.11%。また、同社は当社のその他関係会
                                 社に該当します。
(10)当該会社と当社の間の関係                 当該会社より、当社に2名の社外取締役が任命されて
                         人的関係
                                 おります。

                         取引関係    該当項目はありません

                         関連当事者 当該会社は「その他の関係会社」として、関連当事者
                         の該当状況 に該当します。



5.譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況

(1) 譲渡前の所有株式数        20,000株
                     (議決権の数:20,000個)
                     (議決所有割合:100.0%)
(2) 譲渡株式数            10,200株
                     (議決権の数:10,200個)

(3) 譲渡価額             47億円×0.51

(4) 譲渡後の所有株式数        9,800株
                     (議決権の数:9,800個)
                     (議決所有割合:49.0%)
6.日程

(1)取締役会決議日        2021年2月10日
(2)契約締結日          2021年2月10日
(3)株式譲渡実行日
                  2021年3月31日(予定)
   及び業務提携解消日



7.今後の見通し
 本件株式譲渡を含む取引(本オプション権の行使及び将来における WIT からの配当を除く)に
より、当社グループ全体の売上高の約3割(約 90 億円)及び資産の約2割(約 55 億円)が減少い
たしますが、他方で、当社グループは本件株式譲渡及び関連する資産の譲渡代金として約 31 億
円の金銭を受領するほか、本件株式譲渡に合わせて、当社から WIT への貸付金(約 16 億円(2020
年 12 月末現在)
         )の返済を受けることになります。
 当社は、当社自体を取り巻く事業環境も大きく変化する中、本件株式譲渡の成立によって得ら
れるキャッシュ及び純資産の増加を元に、ポストコロナ社会において持続可能な企業となるた
め、当社グループが営む各事業の積極的な成長戦略の構築や企業買収の方法による新規事業へ
の進出を目指してまいります。
 なお、本件株式譲渡により、2021 年3月期第4四半期において、当社は連結上の特別利益と
して、約 21 億円を計上する見込みで、当期の連結業績予想について、下記のように予想修正い
たします。


当期の連結業績予想数値の修正(2020年4月1日~2021年3月31日)
                                                      親会社株主に帰属      1株当たり
               連結売上高        連結営業利益       連結経常利益
                                                      する当期純利益       連結当期純利益
                   百万円         百万円          百万円            百万円          円 銭
前回発表予想(A)          29,000       1,600        1,580          1,000       102.58

今回修正予想(B)          29,000       1,600        1,580          2,500       256.45

増 減 額(B-A)             0             0            0         1,500           ー

増 減 率( % )            0.0         0.0          0.0         150.00           ー

(参考)前期連結実績
                   29,251       1,622        1,598          1,108       116.30
 (2020年3月期)



                                                                         以上