7932 J-ニッピ 2019-12-11 17:30:00
社内特別調査委員会の調査結果受領に関するお知らせ [pdf]
2019年12月11日
各 位
会 社 名 株式会社ニッピ
代 表 者 名 代表取締役社長 河村 桂作
(JASDAQ・コード7932)
問 合 せ 先
役職・氏名 取 締 役 大浦 顕逸
電 話 03-3888-6651
社内特別調査委員会の調査結果受領に関するお知らせ
当社は、2019年11月12日付「不正行為に係る社内特別調査委員会設置のお知らせ」で公表のとおり当社
海外連結子会社の元幹部社員らによる不正行為が判明したことについて、社内特別調査委員会を設置し、
全容の解明及び原因究明について調査を行なってまいりました。
このたび、社内特別調査委員会からの調査報告書を受領いたしましたので、下記のとおりお知らせいた
します。
記
1.不正行為発覚の経緯
2019 年 6 月 17 日、当社は、海外子会社の取引先より、海外子会社元幹部社員が、取引先に対し
不正なリベートを要求し、それを受領してきたこと、及びその他の取引先からも不正なリベートを受
領していること等について記載された告発状を受領しました。告発状記載の不正行為に関する調査
の過程において、当該元幹部社員及び従業員による取引先からの不明朗な金銭の受領及び複数の販
売取引先に対する不正なリベートの提供等(以下、
「本件不正行為」という。
)を行なっていた疑いが
判明しました。
これを受けて、当社は、関係者に対するヒアリング、関係者の電子メールデータの分析、海外子会
社の会計データ及び銀行口座記録等の分析、並びに関係者より任意提出を受けた銀行口座記録の分
析等を行い、社内調査を進めましたが、他の不正行為の有無の調査を含め調査の十分性を担保するた
め、調査の客観性及び信頼性を高めるとともに、不正行為の全容把握とその根本的な原因を解明して
実行性の高い再発防止策を策定するために、2019 年 11 月 11 日に第三者を委員に加えた社内特別調
査委員会(以下、「当委員会」という。)を設置し、事実関係の徹底調査を開始しました。
2.社内特別調査委員会の調査結果
社内特別調査委員会の調査結果につきましては、別紙の「調査報告書(概要)」をご覧ください。
当該報告書につきましては、個人情報及び秘密情報保護の観点から、個人名及び会社名等につきまし
て、匿名としておりますことをご了承ください。
3.過年度決算に与える影響
本件不正行為が行われた期間の損益に与える影響は軽微であることから、当社の過年度の財務諸
表に重大な影響を及ぼさないと判断し、過年度決算への遡及修正は行いません。
4.2020年3月期第2四半期決算への影響
当第2四半期累計期間におきまして、当該連結子会社の税金費用を見直した結果、32百万円を追加
計上する予定です。
5.今後の対応について
(1)2020年3月期第2四半期決算発表について
2020年3月期第2四半期決算短信の開示につきましては、2019年12月13日を予定しておりま
す。
(2)2020年3月期第2四半期報告書の提出について
2020年3月期第2四半期報告書の提出につきましては、2019年11月14日に公表いたしました
「2020年3月期第2四半期報告書の提出期限延長申請に係る承認のお知らせ」に記載のとお
り、2019年12月13日を予定しております。
(3)再発防止策及び処分について
当社は、今回の調査結果を真摯に受け止めるとともに、社内特別調査委員会からの提言を踏
まえ、具体的な再発防止策を着実に実行してまいります。
また、今回の本件不正行為が発生した事態を重く受け止め、その経営責任を明確にし、関係
する取締役の処分を含め厳正に対処いたします。
株主の皆様、お取引様をはじめ、関係者の皆様には多大なるご迷惑とご心配をお掛けいたしまして深
くお詫び申しあげます。当社は今回の件を厳粛に受け止めるとともに、再発防止に全社を挙げて取り組
み、信頼の回復に努めてまいりますので、今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以 上
調 査 報 告 書(概要)
第1 調査の概要
1 社内特別調査委員会を設置した経緯
2019 年 6 月 17 日、当社は、海外子会社の取引先 A 社より、海外子会社元幹部社
員 a が、A 社に対し不正なリベートを要求し、それを受領してきたこと、及びその他
の取引先からも不正なリベートを受領していること等について記載された告発状を
受領した。告発状記載の不正行為に関する調査の過程において、当該元幹部社員 a 及
び従業員 b による取引先からの不明朗な金銭の受領及び複数の販売取引先に対する
不正なリベートの提供等(以下、
「本件不正行為」という。)を行なっていた疑いが判
明した。
これを受けて、当社は、関係者に対する追加ヒアリング、関係者の電子メールデー
タの分析、海外子会社の会計データ及び銀行口座記録等の分析、並びに関係者より任
意提出を受けた銀行口座記録の分析等を行い、社内調査を進めたが、他の不正行為の
有無の調査を含め調査の十分性を担保するため、調査の客観性及び信頼性を高める
とともに、不正行為の全容把握とその根本的な原因を解明して実行性の高い再発防
止策を策定するために、2019 年 11 月 11 日に第三者を委員に加えた社内特別調査委
員会(以下、「当委員会」という。)を設置し、事実関係の徹底調査を開始した。
2 調査の内容及び範囲
当委員会は、調査の内容及び範囲として以下の事項を当社から嘱託された。
① 本件不正行為の事実関係及び金額の解明
② 類似事象の有無の確認
③ その他不正行為の有無の確認
④ 本件不正行為の原因分析
⑤ 本件不正行為の再発防止策の提言
3 社内特別調査委員会の構成
(1)委員
委員長 早山 徹 社外監査役
委 員 吉田 安 常勤監査役
委 員 篠田 憲明 弁護士 三宅坂総合法律事務所
委 員 高岡 俊文 公認会計士 株式会社 KPMG FAS
委 員 大浦 顕逸 取締役 労務人事部長
1
(2)調査補助者
三宅坂総合法律事務所 弁護士 下瀬 隆士
弁護士 野田 陽一
弁護士 中谷 岳
株式会社 KPMG FAS 公認会計士 須賀 永治
米国公認会計士 荒木 吾郎
公認会計士 水野 宏之
他、株式会社 KPMG FAS 11 名
KPMG 24 名
金杜法律事務所 弁護士 閔 煒
弁護士 王 臻婷
弁護士 洪 曉芸
弁護士 陸 妲汐
他、金杜法律事務所 1 名
第2 調査手続の概要
1 調査実施期間
2019 年 11 月 11 日から同年 12 月 11 日までの間(以下、
「本調査実施期間」とい
う。。
)
2 調査対象期間
2015 年4月から 2019 年9月までの間(以下、「本調査対象期間」という。。
)
3 調査手続
当委員会は、本調査実施期間の間、①本件不正行為の関係資料の確認、②デジタル・
フォレンジック、③社内議事録・報告書の確認、④関係者に対するヒアリング、⑤海外
子会社の財務諸表に係るその他調査手続き、⑥その他の関係資料の確認、⑦当委員会の
開催による委員間の協議により、調査手続を実施した。
第3 本件不正行為の概要
1 取引先から海外子会社元幹部社員に対する金銭の交付
本調査の結果、仕入取引先 A 社の代表者 c 氏が取引関係を円滑に進める意図をもっ
て、海外子会社元幹部社員 a に対し同元幹部社員 a の個人口座等に送金し、金銭の交
付が行われていたことが判明した。金銭の額は 114 万人民元。ただし、うち 84 万人
2
民元は個人的な立場で受領したという認識がある。同元幹部社員 a は、ビジネスを行
うに際し取引先から便宜を図ってもらうための費用(以下、
「関係調整費用」という。
)
として使用したとの供述をしているが客観的資料は確認できなかった。
2 取引先との取引を利用した裏金の捻出
2016 年 5 月又は 6 月頃から 2017 年 6 月にかけて、海外子会社の従業員 b が、関係
調整費用として使用するために、c 氏と共謀の上、裏金の捻出を行っていた。具体的
には海外子会社が同社の子会社を通じて仕入取引先 A 社から商品を仕入れる際に、仕
入れ代金に裏金用の金額を上乗せする方法で捻出した。従業員 b が裏金として受領し
た金額は 128 万人民元。従業員 b は金額のほとんどを従業員 b の上司である元幹部社
員 a の銀行口座に送金したと供述している。元幹部社員 a は関係調整費用として使用
したと供述しているが客観的資料は確認できなかった。
3 取引先及び販売取引先との取引を利用した裏金の捻出
2017 年 1 月から 2018 年 9 月にかけて、海外子会社の従業員 b が、販売取引先 B
社の担当者及びその他の顧客の担当者に対してリベートを供与するために、販売取引
先 B 社の担当者及び仕入取引先 C 社の d 氏と共謀の上、裏金の捻出を行っていた。
具体的には海外子会社が仕入取引先 C 社から商品を仕入れる際に、仕入れ代金に裏金
用の金額を上乗せして仕入れて同商品を販売取引先 B 社に同様に裏金用の金額を上
乗せして販売した。仕入取引先 C 社は当該裏金用金額から自らの取り分を差し引いた
額を従業員 b の銀行口座に送金した。従業員 b は自らの取り分を差し引いた額を販売
取引先 B 社の担当者に渡した。
仕入取引先 C 社から従業員 b に送金された金額は、従業員 b の預金通帳を確認した
ところ 141 万人民元である。従業員 b は、このうち 91 万人民元を販売取引先 B 社の
担当者に渡し、残りの金額で販売取引先 D 社の担当者に関係調整費用として渡した
り、その他の接待交際費に使用したと供述したが、使途については客観的資料による
確認は取れなかった。
4 海外子会社の仮払金制度を利用した裏金の捻出
海外子会社の従業員 b が、顧客の担当者に対するリベートの供与や顧客招待費とし
て使用するために、海外子会社から従業員に対する現金の仮払制度を利用して現金を
引き出す方法により、裏金の捻出を行っていた。従業員 b の仮払金の記録から総額は
68 万人民元であり、顧客の担当者へのリベート供与および接待費に使用されたと考え
られる。
3
5 海外子会社と顧客の関係者との顧問契約等を利用したリベートの供与
本調査の結果、海外子会社と顧客の関係者らの間で、
①顧問契約を締結する方法(2016 年 8 月から 2017 年 2 月)
②社員派遣契約(2019 年 1 月から 2019 年 7 月)
を締結する方法により、当該関係者らに対し、実質的にはリベートとして供与する金銭
が、①については顧問料の名目で、②については労務費の名目で、それぞれ支払われて
いたことが判明した。総額は 28 万人民元である。このリベート供与に関与したのは元
幹部社員 a と従業員 b と他の従業員 1 名である。
6 海外子会社の交際費支出による不正行為
本調査の結果、デジタル・フォレンジックによって保全された電子メールデータを
精査したことにより、販売取引先 B 社の担当者の旅行資金 3 万人民元を海外子会社が
交際費として支出していることが判明した。
第4 その他の不正行為
本調査の結果、本件不正行為に類似する事案は発見されなかった。また、その他、不正
経理などの他の不正行為も発見されなかった。
第5 本件不正行為が発生した背景(原因分析)
1 本件不正行為による当該子会社の役職員の利益が動機となっていた
当該子会社の主要な役職員は、受注の維持や価格低減要請の軽減が当該子会社の業
績に寄与し、その目的のためには、取引先担当者からのリベート供与の要請に応じるこ
とだと広く共有されていたものと認められる。
本件不正行為を実行した動機は、売上目標の達成に関して本社からプレッシャーは
特段なかったものの、役職員は、業績を上げることがボーナスの安定的な支給という形
で生活の安定に資するとの認識を有していた可能性が認められ、本件不正行為を実行
する動機の一つとなったと考えられる。加えて、コンプライアンス意識のレベルを考慮
すれば、本件不正行為を実行、関与又は黙認した理由と考えられる。
2 役職員のコンプライアンス意識が著しく欠如していた
本件不正行為の発生した背景には、当該子会社の主要な役職員が、前記1のとおり市
場環境において本件不正行為が会社の利益になるとの認識のもとに「会社の利益にな
ることであれば不正行為もやむを得ないと思っている」ことにあると考える。
このように、当該子会社の主要な役職員にはコンプライアンスに関する意識が著し
4
く欠如しており、不正行為が会社及び役職員の利益になるのであれば、安易に許容され
るような風土があり、それが本件不正行為の背景になったものと考えられる。
3 当該子会社における内部統制が機能していなかった
本件不正行為は、いずれも地位及び権限を背景として、自ら実行し又は部下に実行さ
せたものである。日常業務の権限が集中することはやむを得ない面があり、それ故に監
当該子会社に監査役が新設されたのは 2019 年 8 月 28 日であった。
督は必要となるが、
それ以前の本調査対象期間中に取締役会が監督する何らかの措置を講じていたことは
認められなかった。
監督機能が存在せず、元幹部社員が自らの裁量で事業を行っている状況であり、内部
監査部門を設置していない当該子会社の内部統制は極めて脆弱なものと言わざるを得
ない。これにより、元幹部社員が権限を濫用して本件不正行為を実行することが容易に
可能となる状況となったと考えられる。
4 当社グループの当該子会社に対する内部統制が機能していなかった。
(1)当社グループにおけるコンプライアンスコードの位置づけである「私たちの行動
規準」の周知徹底及びコンプライアンス教育がなされていない
当社取締役会は当社グループの内部統制体制の一環として、当社グループにお
いて「私たちの行動規準」の周知徹底を図ることとされているが、コンプライアン
ス教育が当該子会社によって行われていたことは確認できなかった。
したがって、当社取締役会及び当社総務部が、当社グループにおいて「私たちの
行動規準」の周知徹底及びその他のコンプライアンス教育を怠っていたことによ
り、当該子会社の役職員において不正行為に対する問題意識を持つことができず、
それにより本件不正行為を阻止することができなくなったものと考えられる。
(2)当社担当事業部に専属する従業員がおらず、同部との間の報告及び協議の手続も
定められておらず、直轄部署による管理体制が機能していなかった
当該子会社を管理する立場にあったのは、当社当該事業担当取締役のみであり、
調査期間中においては、当社常務取締役又は代表取締役社長が当該事業担当取締
役であり、また、必要な協議をする体制は整備されておらず、当社当該事業部とし
て元幹部社員の業務執行の監督、指導等の管理を行っていると認められる事実関
係は確認できなかった。
当該子会社の元幹部社員から見て、常務取締役又は代表取締役は、日常的な経営
課題について相談及び報告を行うには心理的なハードルが相応に高かったと考え
られ、相談及び報告を抑制する方向に繋がっていったものと考えられる。
このような直轄部署の管理体制の甘さにより、経営を単独の判断に依存する体
5
制をもたらし、権限の濫用による本件不正行為の背景となったものと考えられる。
第6 実効性の高い再発防止策の提言
1 当社取締役会による不正行為の根絶宣言及びコンプライアンス教育の徹底によるコ
ンプライアンス意識の改革
本件不正行為の背景として、当該子会社におけるコンプライアンス意識が低く、会社
の業績のためであれば不正行為も一定程度許容されるという風土があったにもかかわ
らず、コンプライアンス教育を実質的に全く行っていなかったことが指摘される。
顧問弁護士と協議し、効果的なコンプライアンス研修の実施について助言を受け、場
合によっては弁護士による研修を定期的に実施させる等、より実効的なコンプライア
ンス教育の方法を検討するべきである。また、利用可能な内部通報制度を早急に構築し、
その積極的な利用を役職員に周知することも必要である。
2 不正行為に対する処分等の強化
不正行為の根絶宣言において、今後不正行為に対して当社として厳正な処分を実施
することを明らかにし、かつそれを周知することが考えられる。
本件不正行為のような不正行為が行われた際には、それに対して法令上許容される
限度で厳正な懲戒処分を実施するとともに、場合によっては被った損害について、実行
行為者に賠償請求し、また、実行行為者に対する刑事告発を行う可能性を明示し、実際
に不正行為が生じた場合にはそれに従って処分を行うようにすることが考えられる。
これにより、不正行為を実行する動機を弱めることで、それを抑止することが考えら
れる。
3 当該子会社における内部統制の構築
業務上の責任者の権限行使に対する内部統制体制を整備し、監査役を通じた監督体
制を具体的に整備、その他にも、職権濫用を防ぐため、一定の牽制を行うことも検討に
値する。業務範囲を限定する方法や、社員を派遣し、日常の経営管理に関する一定の重
要事項を決定する場合には、協議し決定しなければならない等を定める方法が考えら
れる。
取締役会の運営についても、年に数回程度は定期的に開催し、日常業務の執行状況の
報告を受けることにより、内部統制の強化に繋げることが考えられる。
4 当社担当事業部による実効的な監督体制の構築
子会社管理体制においては、当該子会社を管理すべき部署が、当社担当事業部である
ことを明らかにした上で、当該事業部に当該子会社を管理するに足る実体を備えさせ
6
ることが必要であると考えられる。
当該事業に知見のある実務レベルの担当者を配置し、当社グループの当該関連事業
を統括させるべきである。それと併せて、当該子会社からの当社当該事業部に対する報
告事項をコンプライアンスに関する事項も含めて明確に定めた上で、さらに、当該子会
社の現地幹部と当社当該事業部との間での会議を定期的に実施し、上記によって定め
られた報告事項について報告を受けるとともに、経営課題やコンプライアンス上の課
題について意見交換及び指示を行うことが考えられる。さらに当社当該事業部から人
員を複数出向させ、本社当該事業部による内部からのチェックを機能させることも検
討すべきである。
また、当社として、当社当該事業部及びその他海外事業を抱える部署を対象に、外部
講師による研修の実施や勉強会の開催を含め、海外事業の管理に関するノウハウを積
極的に蓄積できるよう留意すべきである。
5 当社経理部による指導
仮払金制度を利用した裏金の捻出については、不審を抱いて不正行為を早期に発見
できた可能性はあったと考えらえる。また、顧問契約等を利用したリベートの供与につ
いても、かかる顧問料の実態の有無を判断できると考えられることから、やはり不正行
為を早期に発見できた可能性があったものと考えられる。
当社経理部より当該子会社の経理担当者との間で定期的にやり取りを行うことで適
切な問題意識を与えるとともにスキルを高めさせ、もって比較的発見が容易な不正行
為については早期発見の可能性を少しでも高めていくことが考えられる。
以 上
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