7925 前沢化成 2021-05-13 15:00:00
中期経営計画策定に関するお知らせ [pdf]

                                                  2021 年 5 月 13 日
各   位
                             会 社 名   前 澤 化 成 工 業 株 式 会 社
                             代表者名    代表取締役社長 久保           淳一
                                      ( コード番号 7925 東証 1 部 )
                             問合せ先    取締役          伊東      正博
                                           (TEL:03-5962-0711)


                   中期経営計画策定に関するお知らせ


 当社は、2021 年度(2022 年 3 月期)から 2023 年度(2024 年 3 月期)の 3 か年を対象とする中期
経営計画を策定いたしましたので、お知らせいたします。


                               記


1.前中期経営計画「TakeAction2020」の総括
        2018 年度から 2020 年度の 3 か年を対象とする前中期経営計画
 当社グループは、                                   「TakeAction2020」
を策定し、
    「将来の柱となる事業の創造」
                 「経営基盤の強化」というテーマに取り組んでまいりました
が、その総括は以下のとおりです。


(1)将来の柱となる事業の創造
 ①災害、ビル設備分野の拡大
    災害分野につきましては、大雨・ゲリラ豪雨対策用の後付け逆流防止弁などを市場投入いたしま
 したが、その他の災害への対応製品を上市するには至りませんでした。ビル設備分野につきまして
 は、「ビニコア」のラインナップを拡充するとともに周辺製品を取り揃えることにより、順調に売
 上を拡大することができました。


 ②海外展開
    東南アジア最大の経済規模と人口を擁し、今後も安定した成長の見込める事業環境にあるインド
 ネシアに着目し、同国において PVC 製のパイプ・継手の製造・販売を行っている、PT.Wahana Duta
 Jaya Rucika 社と、技術支援を目的としたテクニカルサポート契約を締結いたしました。しかしな
 がら 2020 年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、進捗が滞っ
 ております。


 ③新規事業開拓
    植物工場市場への進出の足掛かりとして、かねてより取り組んでまいりました植物の栽培工程を
 効率化する製品の開発に成功し、売上実績も上がってまいりました。
    一方、新たな樹脂素材の開発や工法の研究を通じて金属の代替となる製品の研究開発を進めてま
 いりましたが、事業化に結び付きそうな成果を上げるまでには至っておりません。

                               -1-
(2)経営基盤の強化
 ①自動化・標準化の推進
  製造部門につきましては、設備、機器の導入により成形工程の自動化を図るとともに、部署ごと
 の作業標準化を推進し、無駄の削減と効率化を進めてまいりました。これにより、一定程度の生産
 性向上を図ることができました。
  営業部門につきましても、新規システム導入による定型事務の自動化を段階的に進めていく予定
 でありましたが、システム導入時期が遅れたため、
                       「TakeAction2020」期間中の計画達成には至り
 ませんでした。


 ②フレキシブルな体制の構築
  IT システムを利用した事務処理の統合や勤務体制の柔軟化により、効率化と働きやすい職場環境
 の構築の両立を図ってまいりました。
  新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、時差出勤・テレワーク勤務といった柔軟な勤務体
 制が必須となり、結果的にある程度の実績ができたものの、当初計画していた施策とはやや異なる
 部分もあり、引き続き取り組むべき課題と考えております。


 ③赤字セグメントの収益改善
  水処理分野につきましては、商材販売の拡充やメンテナンス業務受注拡大等により収益改善を目
 指してまいりました。その結果赤字幅は少しずつ減少しつつあるものの大幅な改善には至りません
 でした。
  各種プラスチック成形分野につきましては、新規顧客の開拓および既存顧客からの受注拡大と徹
 底したコスト削減により、一時は黒字回復したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影
 響を強く受け、2020 年度は大幅なセグメント損失となりました。


 以上の結果により、定量目標としておりました売上高 235 億円、営業利益 11 億 20 百万円、親会社
株主に帰属する当期純利益 7 億 70 百万円、ROE2.1%につきましては、いずれも未達となりました。




2.新中期経営計画「Look Forward 2023」の概要
 当社グループは、前中期経営計画「TakeAction2020」の結果および当社グループを取り巻く事業
環境を踏まえ、2021 年度から 2023 年度の 3 か年を対象とする中期経営計画「Look Forward 2023」
を策定いたしました。主な施策は以下のとおりです。


(1)ESG を意識した取り組み
 サステナビリティの向上を伴う成長を実現すべく、中期経営計画「Look Forward 2023」のテーマ
として設定いたしました。環境問題への取り組みとして、太陽光発電設備導入や非化石証書付き電力
の使用等により CO2排出量 30%削減(2019 年度比)を目指します。また、社会課題・ガバナンス
への取り組みとして、労務関連課題の整理・中長期的方向性の検討や、新しいコーポレートガバナン


                             -2-
ス・コードへの対応を行ってまいります。その他現在すでに取り組んでいる ESG 関連施策について
は、活動の継続とその積極的な周知を図ってまいります。


(2)成長ドライバーの創出
 ①既存事業・既存製品の拡充
  前中期経営計画「TakeAction2020」を通じて、ある程度具現化されてきた事業・製品について
 さらなる拡充を目指してまいります。「災害分野」においては主に豪雨対策に関連する製品群を中
 心に拡販を図り、また災害用浄水器のリニューアルにも取り組んでまいります。
                                    「ビル設備分野」
 においては、「ビニコア」の拡販を継続するとともに新規商材を開拓してまいります。順調に実績
 を伸ばしてきている「エクステリア分野」につきましても、さらなる拡充を目指してまいります。


 ②新規事業・新規市場の開拓
  今後の新たな成長の種を生み出していくために、継続的な新規事業・新規市場の開拓を行ってま
 いります。海外展開につきましては、前中期経営計画期間中にテクニカルサポート契約を締結した
 インドネシアの PT.Wahana Duta Jaya Rucika 社との協力体制を軸に、同国における市場開拓の
 可能性を探索してまいります。植物工場に関連する事業につきましては、前中期経営計画期間中に
 製品化した培地用ウレタンマットの拡販・改良を行うとともに、この製品を端緒とした新たな展開
 の方向性を検討してまいります。また熱硬化性樹脂に関する研究を継続し、事業化を目指してまい
 ります。その他経常的に新規事業、新規製品に関する案件を探索してまいります。


(3)事業基盤整備(Phase2)
 ①収益構造の改革
  管工機材分野においては、引き続き製造工程における自動化・標準化を推進し、また既存製品群
 の見直し・強化、物流関連コストの最適化についても継続的に取り組んでまいります。
  水処理分野においては、新規案件、メンテナンス案件、商材販売に投下するリソース配分につい
 て再考すること、各種プラスチック成形分野においては、売上構成を転換し、生産効率の一層の向
 上を図ることなどにより収益改善を目指します。


 ②フレキシブルな体制の構築
  販売管理システムの更新を契機として、営業事務作業の一部自動化を図れるような仕組みを導入
 してまいります。また、ペーパーレス化、ワークフローシステム化を推進し、多様な勤務体系の導
 入を行うことで従業員一人一人の働き易さを向上させ、結果として生産性の向上を図ってまいりま
 す。




                            -3-
3.新中期経営計画「Look Forward 2023」の数値目標(連結)


                    2021 年度         2022 年度      2023 年度

        売上高           212.3 億円        217.4 億円     220.0 億円


       営業利益            10.8 億円         11.0 億円      13.1 億円

      親会社株主に
                        8.4 億円          8.4 億円       9.5 億円
    帰属する当期純利益

        ROE               2.3%            2.3%         2.6%


       株主還元             純資産配当率 2%程度を目安に配当実施。




中期経営計画に関する資料につきましては、次頁以降および当社ホームページに掲載しております。


(注)本資料には、当社の将来についての計画や業績に関する予測および見通しの記述が含まれてお
ります。また、経済動向、市場動向などに関するリスクや不確実性を含んでおります。実際の業績な
どは様々な要因により大きく異なる可能性があることをご承知おきください。


                                                           以   上




                              -4-
中期経営計画   Look Forward 2023
     前澤化成工業株式会社




         2021年5月13日
【 目次 】

 1   当社の現状
 1.前中期経営計画「TakeAction2020」の振り返り
 2.業績の推移

 2   中期経営計画「Look Forward 2023」
 1.方向性
 2.全体像
 3.数値目標
 4.施策詳細




                                  1
1   当社の現状




            2
前中期経営計画「TakeAction2020」の振り返り

                                          実績
          計画
                            できたこと               できなかったこと
                            (成果)                  (課題)

                       ○「災害」主に豪雨対策品上市      ○ 本質的な新規事業分野の開拓
                       ○「ビル設備分野」は目途
       将来の柱となる事業の創造    ○ 植物工場、インドネシア
                         FRP代替足がかり
  主
  要
  な
  課                    ○ 生産自動化・標準化、活動実施    ○ 販管システム更改を軸とした、
  題
                       ○ 営業事務の集約             営業事務コストダウン
       経営基盤の強化                             ○ 人件費効率適正化のための諸施策
                                           ○ 水処理分野の収益改善
                                           ○ 各種プラスチック成形分野の
                                             収益改善


                      計画                       実績(2021/3月期)

        売上高                 235億円                209.8億円

   数    営業利益                11.2億円                9.2億円
   値
   指    当期純利益                7.7億円                7.5億円
   標
        ROE                  2.1%                  2.0%


                                                               3
連結業績の推移(売上高)

                                                               中期経営計画                       中期経営計画
 (百万円)                                                       CHALLENGE2017                TakeAction2020
  25,000

  20,000

  15,000

  10,000

   5,000

        0
            2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度




  分野        2010年度   2011年度   2012年度   2013年度   2014年度   2015年度   2016年度   2017年度     2018年度   2019年度   2020年度

  管工機材      17,873   18,848   19,124   21,215   19,618   19,535   19,803     19,926   19,846   20,083      18,818
  水処理                                              502      891      495       367       580      505        999
  各種P        2,414    2,239    2,235    2,364    2,328    2,061    1,800      1,864    2,156    2,056       1,564
  内部取引         △1      △47     △133     △121     △102     △178     △136       △293     △340     △348        △396
  売上高       20,287   21,040   21,226   23,368   22,346   22,310   21,963     21,865   22,243   22,296      20,985

                                        ※ 2014年度より住環境改善製品分野を管工機材分野・水処理分野に分割(セグメントの変更)
                                                                ※各種P ・・・ 各種プラスチック成形分野




                                                                                                                    4
連結業績の推移(営業利益)


  (百万円)                                                    中期経営計画                  中期経営計画
                                                         CHALLENGE2017           TakeAction2020
   2,000                                                                                                  8%

                                                                                                          7%
   1,500
                                                                                                          6%

   1,000                                                                                                  5%

                                                                                                          4%
       500                                                                                                3%

                                                                                                          2%
         0
                                                                                                          1%

      (500)                                                                                               0%
              2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度



  分野          2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度

 管工機材            878   1,483   1,494   1,425   1,147   1,285   1,098      758    793   1,016      1,109
 水処理                                           △140    △224    △170      △177   △97     △92        △80
 各種P              34    108      96     177     132       5     △23      △84      38       5       △86
 調整             △31     △34     △34       8      22       0      △0       △0       0       0       △12
 営業利益            881   1,558   1,556   1,612   1,163   1,066    904       498    734     929       929
 営業利益率          4.3%   7.4%    7.3%    6.9%    6.2%    4.8%    4.1%      2.3%   3.3%   4.2%       4.4%
                                  ※ 2014年度より住環境改善製品分野を管工機材分野・水処理分野に分割(セグメントの変更)
                                                          ※各種P ・・・ 各種プラスチック成形分野



                                                                                                               5
2   中期経営計画「Look Forward 2023」




                                6
方向性

 前中期経営計画 「TakeAction2020」の方向性
 ① 新製品・新事業の種をまくこと。
 ② 徹底した効率化を行い筋肉質な(利益を創出できる)体質にすること。



 現状
 ① 芽を出しつつあるものもあるが、将来の柱となりそうなものは見出せていない。
 ② 全般的に、目標の途上にある。



 中期経営計画 「Look Forward 2023」の方向性
 ① 新規開拓、効率化の施策に関しては、TA2020を発展的に継承。
 ② 「ESG」に対しての具体的取り組みを表明し、今後の中長期的な会社の在り方
  を全社的に考えていく。
                                          7
方向性(イメージ図)




             8
全体像

  成長ドライバーの創出                                            ESGを意識した取り組み

・災害/ビル設備/
                                                  ・活動中施策の継続と社内外への周知推進
 エクステリア分野製品拡充・拡販
                                                  ・サステナブルな成長を実現するための
・海外展開/植物工場開拓継続
                                                   課題(マテリアリティ)検討
・新たな事業テーマ探索継続
                              管工機材分野

                             売上高      194.9億円
                           セグメント利益     12.6億円



                            売上高      220億円

                            営業利益 13.1億円

             水処理分野                               各種プラスチック
                                                   成形分野
           売上高       9億円                          売上高     16.4億円
         セグメント利益   0.3億円
                                                セグメント利益    0.2億円




                           ・水処理/各種プラスチック成形分野の収益改善
            事業基盤整備
                           ・自動化/標準化、既存製品群見直し等による収益構造改革
            (Phase2)       ・フレキシブルな体制構築による働き易さの向上

                                                                        9
数値目標(損益・投資・株主還元)

  損益計画                                            投資計画
 ※「収益認識に関する会計基準」適用。                      (億円)     ※金額は3年累計        3   1.3     (億円)

               2021年度       2022年度    2023年度
                                                                              8.7
                 計画          計画        計画

    売上高           212.3       217.4     220.0
                                                       23.1

   営業利益            10.8        11.0      13.1
 親会社株主に帰属する
  当期純利益               8.4       8.4       9.5
                                                     成長ドライバーの創出       ESG関連
  ROE(%)              2.3       2.3       2.6
                                                     事業基盤整備           通常投資


  株主還元                                            中計関連投資
                                                    成長ドライバーの創出
※新中期経営計画「Look Forward 2023」においては、純資産をベースに還元
 を実施します。配当総額はDOE(純資産配当率)2%程度を目安とします。                 ・・・3億円(研究開発費含む)
                                                    ESG関連
               2021年度       2022年度    2023年度         ・・・1億3千万円
                 計画          計画        計画           事業基盤整備
                                                     ・・・8億7千万円
 配当(1株・円)          50.0        50.0      50.0            (基幹システム更改・新潟成型含む)
                                                  通常投資
 配当(総額・億円)            7.4       7.4         7.4
                                                    設備・金型更新等
 DOE(%)               2.0       2.0         2.0      ・・・23億1千万円

                                                                                     10
数値目標(ESG関連)

  ESG関連数値

                                 実績                             目標

                     2018年度     2019年度      2020年度          2023年度


 エネルギー使用量(原油換算 Kl)      4,168     3,908      ※   3,628   2019年度比 △3%

 エネルギーの使用に係る原単位
 (対前年度比 %)
                         93.4      98.2       ※   99.1   前年度比   △1%を継続


 CO2排出量(t)              8,107     7,569      ※   6,996   2019年度比 △30%

 水使用量(㎥)              402,038   340,812      283,502     2019年度比 ±0%


 廃棄物の直接埋立率(%)            0.00      0.03           0.00      0%を継続


 女性従業員比率(%)              18.5      18.6           19.7      20%目標

                                                          法定雇用率+0.2%
 障がい者雇用率(%)               1.6         1.6          3.0      (2.5%)

 有給休暇取得率(%)              56.2      60.3           55.2    65%以上を目指す

                      ※ 速報集計値のため、若干の修正の可能性があります。

                                                                         11
施策の概要


            ESGを意識した取り組み


 ❶ 環境問題への取り組み
    ◆ CO2排出量30%削減(2019年度比)
      ⇒ 太陽光発電設備導入、非化石証書付き電力の使用 等
    ◆ エネルギー使用量・原単位の低減 等
      ⇒ 活動中施策の継続と社内・社外周知推進


 ❷ 社会(課題)・ガバナンスへの取り組み
    ◆ 活動中施策の継続と社内・社外周知推進
    ◆ 労務関連課題の整理と中長期的方向性の検討
    ◆ 新コーポレートガバナンス・コードへの対応 等

 ❸ サステナブルな成長を実現するための課題
 ❸ サステナブルな成長を実現するための課題(マテリアリティ)について検討

                                        12
施策の概要


               成長ドライバーの創出

   既存事業・既存製品の拡充
 ❶ 災害分野製品拡充の継続
   ◆「豪雨対策」に関する既存製品群を改めて整理・PR
   ◆ 新製品の開発
   ◆「災害用浄水器」リニューアル品の開発


 ❷ ビル設備分野の確立

   ◆「ビニコア」の拡販継続と新規商材の開拓



 ❸ エクステリア分野の拡充

                               13
施策の概要


             成長ドライバーの創出

   新規事業・新規市場の開拓
 ❶ 海外展開
   ◆ インドネシアにおける活動継続
   ◆ 現地に根差した営業活動実行

 ❷ 植物工場
   ◆ ウレタンマットの改良
   ◆ 全般的な事業展開の方向性検討

 ❸ 熱硬化性樹脂
   ◆ 事業化に向けて活動継続


 ❹ 新たな事業テーマの探索を継続

                          14
施策の概要


            事業基盤整備(Phase2)


   収益構造の改革

 ❶ 水処理分野/各種プラスチック成形分野の収益改善



 ❷ 自動化・標準化の推進(製造)による原価構造の改革



 ❸ 既存製品群の見直し・強化



 ❹ 物流関連コストの最適化


                              15
施策の概要


            事業基盤整備(Phase2)


   フレキシブルな体制の構築
 ❶ 営業事務作業自動化の推進
   ◆ 働き易さ向上
   ◆ 人力作業量の段階的削減


 ❷ ペーパーレス化・ワークフローシステム化の推進
   ◆ 無駄の排除
   ◆ スムーズな仕事進捗の支援


 ❸ 多様な勤務体系の導入
   ◆ 働き易さ向上
   ◆ 結果としての生産性向上

                             16