7911 凸版印 2021-11-10 16:00:00
フォトマスク事業の会社分割による分社化等に関するお知らせ [pdf]

                                                2021 年 11 月 10 日
各 位
                               会 社 名     凸 版 印 刷 株 式 会 社
                               代表者名      代表取締役社長       麿   秀晴
                                       (コード番号 7911 東証第一部)
                               問 合 せ 先    取 締 役 専 務 執 行 役 員
                                          経営企画本部担当 坂井 和則
                                          (電話番号 03-3835-5588)



            フォトマスク事業の会社分割による分社化等に関するお知らせ
           インテグラル社との合弁事業化によるさらなる成長と発展を目指して



 凸版印刷株式会社(以下、
            「当社」又は「凸版印刷」
                       )は、当社の完全子会社として新たに設立されるトッパ
ンフォトマスク準備株式会社(以下、
                「新設会社」 社名につきましては、
                     。           今後の協議により変更する予定です。
                                                 )
に対して、当社及び当社の完全子会社である株式会社トッパンエレクトロニクスプロダクツ(以下、
                                            「TEP」
                                                )が
営む半導体用フォトマスク事業(以下、
                 「本事業」
                     )を吸収分割(以下、
                              「本会社分割」
                                    )の方法で承継させたう
え、新設会社株式の 49.9%をインテグラル株式会社が運用アドバイザーを務める投資ファンド(以下、インテ
グラル株式会社とあわせて「インテグラル」
                   )に譲渡すること(以下、
                              「本株式譲渡」といい、本会社分割とあ
わせて以下、
     「本取引」
         )を本日取締役会において決議いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
 なお、本株式譲渡については、インテグラルにおける国内外の競争法その他の法令等に基づき必要なクリア
ランス・許認可等の取得等を条件として実施する予定です。
 また、
   本会社分割は、
         当社及び当社の完全子会社である TEP から当社の完全子会社への会社分割であるため、
開示事項・内容を一部省略しております。


                          記
1.本取引の目的
 世界の半導体市場は、AI や 5G 等のテクノロジーの進化を受け、様々なエンドマーケットにおけるデジタル
イノベーションが加速する中、急激な拡大を続けており、その規模は 2030 年に約 100 兆円を超える水準に達
すると推測されております。世界的な半導体不足に後押しされ、足元では半導体メーカー各社による生産能力
増強の動きが活発化するとともに、米中をはじめ、各国政府は経済安全保障の観点から半導体自給率の向上に
向けた産業政策を打ち出しており、半導体の地産地消の動きが広まるなかで、半導体製造に不可欠な半導体用
フォトマスクの需要も世界各地域でこれまで以上に高まっており、半導体用フォトマスク市場はグローバルに
今後もますます大きな成長が見込まれております。
 当社は、1961 年に本事業を開始して以来、技術力を磨き上げ、日本、欧米、アジアへと製造拠点の拡大を進
め、強固な事業基盤を背景に、半導体市場の成長を支え続けてまいりました。現在、上述の通り半導体の地産
地消の動きが広まる中、当社はグローバルな生産体制を構築している唯一の半導体用フォトマスクメーカーと
して半導体用フォトマスクの外販市場における No.1のマーケットシェアを築いております。そうした背景か
ら当社は、半導体用フォトマスク市場拡大の波に乗る絶好のポジションにつけており、更なる成長及び事業価
値向上に向けこれまでにない好機が訪れております。他方で、半導体市場の急速な成長により半導体用フォト
マスク市場も変曲点を迎えており、本事業が今後も拡大・成長を継続していくためには、市場環境の変化・顧
客動向などを見極めながらも、これまで以上に迅速かつ柔軟に研究開発投資及び設備投資を実行し、外部環境
の変化に対応しながら顧客のニーズを満たしていくことが求められております。
 上記環境のなか、本事業が継続的に一定規模の研究開発投資及び設備投資を要する事業であること等の事業
特性も踏まえ、当社として選択し得る戦略的オプションを幅広く検討した結果、本事業を当社から独立させた
上で、独立企業体として経営の自由度を高めることで俊敏性をもって市場のニーズをとらえて必要な投資を実
行し、更なる成長と競争力の強化を実現・継続していくことが、本事業及び本事業に従事する従業員の成長・
発展に繋がり、ひいては顧客と株主への価値向上に資するとの結論に至り、この度の対象事業の分社化を決定
しました。
 また、独立した企業体としての持続的成長に加えて、将来的には資本市場における機動的な資金調達を実現
できるように、株式上場(以下、
              「IPO」
                  )を目標として掲げ、経営体制強化、ガバナンス体制整備などにより、
迅速かつ柔軟な意思決定が可能な独立企業体を作り上げることが必要であると判断し、経営・財務・事業のサ
ポートを得意とし、幅広い人材領域にネットワークを持ち、IPO 支援及び事業支援の実績が豊富なパートナー
に新設会社の株主として参画してもらうことが望ましいとの結論に至りました。
 パートナーの選定にあたっては、野村證券株式会社をファイナンシャル・アドバイザーとして起用した上、
高い成長可能性を持つ本事業の事業特性をよく理解した上で、それを最大限引き出すことができ、長期的視点
に立って本事業の成長を一緒に目指していくパートナーとして相応しいかという観点から、複数の選択肢のな
かで慎重に分析・検討を重ねてまいりました。
 その結果、豊富な経営・ガバナンスの知見を活用し、経営・財務・事業と多面的に支援いただくことで本事
業の高い可能性を最大限引き出すことが可能となると見込んで、国内随一の IPO 実績と幅広い人材ネットワー
クを持つインテグラルが最適なパートナーであると判断いたしました。
 インテグラルは 2007 年に創業した日本の独立系プライベートエクイティファンドであり、投資先企業と信
頼関係を構築し、長期的視野に立ったエクイティ投資を行うことを理念としています。
                                      『経営と同じ目線・時間
軸』をもって投資先企業と共に歩み、投資先の事業方針を尊重して企業価値の最大化に向けて様々な支援を行
うことを方針としており、投資先企業の事業成長及び企業価値向上の実績に加えて、マイノリティ出資形態で
の事業参画の経験も豊富です。
 この度、本会社分割によって本事業を新設会社に吸収分割し、新設会社株式の 49.9%を譲渡することで、新
設会社は当社が 50.1%、インテグラルが 49.9%を保有する合弁会社となります。新設会社は、当社の連結子会
社として、これまで通り当社のサポートを受けながら半導体フォトマスクの製造を続けてまいります。また、
IPO 支援の実績が豊富なインテグラルから経営や運営面でのノウハウについて支援を受けることにより、 ・
                                                 経営
ガバナンス体制が強化されるとともに、
                 積極的な成長投資により潜在的な成長力が十分に引き出されることで、
将来的な株式上場まで見据えた飛躍的成長が達成可能であると確信しております。


2.新設会社の設立
(1)設立の理由
上記「1.本取引の目的」をご参照下さい。


(2)新設会社の概要
名称                   未定
所在地                  東京都港区芝浦3-19-26(予定)
代表者の役職・氏名            代表取締役社長 二ノ宮 照雄(予定)
事業内容                 半導体用フォトマスクの製造及び販売(予定)
資本金                  未定
設立年月日                2021 年 12 月下旬(予定)
大株主及び持株比率            凸版印刷株式会社 100%
                               新設会社設立時点において、新設会社に対する当
                               社の出資比率は 100%となる予定です。なお、本
当社と新設会社の関係           資本関係      株式譲渡により、新設会社に対する当社の出資比
                               率は 50.1%、インテグラルの出資比率は 49.9%
                               となる予定です。
                                                  当社より取締役及び監査役、従業員を派遣する予
                                      人的関係
                                                  定です。
                                                  新設会社は営業を開始していないため、当社との
                                      取引関係
                                                  取引関係はありません。
(注)新設会社は 2021 年 12 月設立予定であるため、確定した最終事業年度はありません。


(3)設立日・取締役会決議日
下記「3.本会社分割の要旨(1)本会社分割の要旨 ①本会社分割を含む本取引の日程」をご参照下さい。


(4)今後の見通し
新設会社の設立が当社連結業績に与える影響は軽微であります。


3.本会社分割の要旨
(1)本会社分割の要旨
   ① 本会社分割を含む本取引の日程
    本 株 式 譲 渡 契 約 締 結 日                   2021 年 11 月 10 日
    新設会社設立承認取締役会 決議日                      2021 年 11 月 10 日
    新   設     会       社       設   立   日   2021 年 12 月下旬(予定)
    本会社分割契約承認取締役会決議日                      2022 年1月下旬 (予定)
    本 会 社 分 割 契 約 締 結 日                   2022 年1月下旬 (予定)
    本会社分割契約承認株主総会開催日
                                          2022 年2月下旬 (予定)
    ( T E P     及 び 新 設 会 社 )
    本 会 社 分 割 効 力 発 生 日                   2022 年4月1日(予定)
    本   株   式     譲       渡   実   行   日   2022 年4月1日(予定)
    (注1)本株式譲渡については、インテグラルにおける国内外の競争法その他の法令等に基づき必要
        なクリアランス・許認可等の取得等を条件として実施する予定です。
    (注2)当社から新設会社への吸収分割は、会社法第 784 条第2項に規定する簡易吸収分割に該当す
        るため、株主総会の承認を得ずに実施する予定です。


   ② 本会社分割の方式
     凸版印刷及び TEP を吸収分割会社とし、新設会社を吸収分割承継会社とする吸収分割方式となりま
     す。なお、凸版印刷を吸収分割会社とする吸収分割については物的分割を採用しております。


   ③ 本会社分割に係る割当ての内容
     凸版印刷を吸収分割会社とする吸収分割に際しては、
                            新設会社は普通株式50,000,000 株を発行し、
     その全てを凸版印刷に割り当てます。一方、TEP を吸収分割会社とする吸収分割に際しては、新設
     会社は、株式の割当てその他対価の交付は行いません。


   ④ 本会社分割に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
     該当事項はありません。


   ⑤ 本会社分割により増減する資本金
     現時点では確定しておりません。


   ⑥ 承継会社が承継する権利義務
     新設会社は、本会社分割の効力発生日において、吸収分割契約に定める凸版印刷及び TEP の本事業
     に関する資産・負債・契約上の地位及び権利義務等を承継いたします。
   ⑦ 債務履行の見込み
        本会社分割の効力発生日以降において新設会社が負担すべき債務について、履行の見込みに問題は
        ないと判断しております。


(2)本会社分割の当事会社の概要(2021 年3月 31 日現在)
   ① 吸収分割会社
                                                              株式会社トッパンエレクトロニク
                                   凸版印刷株式会社
                                                                        スプロダクツ
 (1)                                                          株式会社トッパンエレクトロニク
        名               称   凸版印刷株式会社
                                                              スプロダクツ
 (2)    所       在       地   東京都台東区台東一丁目5番1号                   東京都台東区台東一丁目5番1号
 (3)    代表者の役職・氏名           代表取締役社長 麿 秀晴                      代表取締役 髙田 一広
 (4)                        情報コミュニケーション事業分
                                                              半導体及びディスプレイに関する
        事   業       内   容   野、生活・産業事業分野、エレク
                                                              部品類の製造に関わる事業
                            トロニクス事業分野など
 (5)    資       本       金   104,986 百万円                       400 百万円
 (6)    設   立   年   月   日   1908 年6月4日                        2009 年4月1日
 (7)    発 行 済 株 式 数         349,706,240 株                     8,000,000 株
 (8)    決       算       期   3月 31 日                           3月 31 日
 (9)                        日本マスタートラスト信託銀行株
                            式会社信託口 10.16%
                            株式会社日本カストディ銀行信託
                            口 5.73%
                            日本生命保険相互会社(常任代理
                            人 日本マスタートラスト信託銀
                            行株式会社) 4.36%
                            東洋インキSCホールディングス
                            株式会社 2.76%
                            第一生命保険株式会社(常任代理
        大株主及び持株比率                                             凸版印刷株式会社 100%
                            人 株式会社日本カストディ銀
                            行) 2.66%
                            従業員持株会 2.08%
                            株式会社講談社 1.95%
                            凸版印刷取引先持株会 1.73%
                            SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
                            (常任代理人 香港上海銀行東京
                            支店) 1.45%
                            株式会社日本カストディ銀行信託
                            口5 1.36%
 (10)   直前事業年度の経営成績及び財政状態
                                                              株式会社トッパンエレクトロニク
                               凸版印刷株式会社(連結)
                    決算期                                            スプロダクツ(単体)
                                       21 年3期                           21 年3期
  連     結   純       資   産                         1,453,164                      1,189
  連     結   総       資   産                         2,363,503                      5,842
  1株当たり連結純資産( 円)                                   3,870.14                      148.65
    連       結        売       上    高                     1,466,935                        15,099
    連   結        営       業   利    益                       58,789                              454
    連   結        経       常   利    益                       58,053                              454
    親会社株主に帰属する
                                                          81,997                              287
    当       期        純       利    益
    1株当たり連結当期純利益(円)                                       237.16                          35.93
                                                            (単位:百万円。特記しているものを除く。
                                                                               )


        ② 吸収分割承継会社
名称                                                 未定
所在地                                                東京都港区芝浦3-19-26(予定)
代表者の役職・氏名                                          代表取締役社長 二ノ宮 照雄(予定)
事業内容                                               半導体用フォトマスクの製造及び販売(予定)
資本金                                                未定
設立年月日                                              2021 年 12 月下旬(予定)
発行済株式数                                             未定
決算期                                                3月 31 日(予定)
大株主及び持株比率                                          凸版印刷株式会社 100%
(注)新会社は 2021 年 12 月設立予定であるため、確定した最終事業年度はありません。


(3)分割する事業部門の概要
     ① 分割又は承継する部門の事業内容
     半導体用フォトマスクの製造及び販売


     ② 分割又は承継する部門の経営成績
                                                              2021 年3月期 部門実績
売                            上                 高                     13,251 百万円
(注)21 年3月期の本事業全体の売上高は、当社海外子会社の売上を合わせ、55,839 百万円です。


     ③ 分割又は承継する資産、負債の項目及び帳簿価格
                             資産                                         負債
            項目                         金額                   項目                    金額
流       動        資       産            5,639 百万円    流    動        負     債           258 百万円
固       定        資       産            66,391 百万円   固    定        負     債          1,234 百万円
            計                         72,030 百万円            計                     1,492 百万円
(注)上記金額は 2021 年3月 31 日時点の貸借対照表をもとに算出したものであり、実際に分割する資産・負
     債の金額は効力発生日までの間に生じた増減を加除した金額となります。



(4)本会社分割後の状況
     ① 吸収分割会社の概要
                                                            吸収分割会社
 (1)                                                                 株式会社トッパンエレクトロニクス
            名                     称   凸版印刷株式会社
                                                                     プロダクツ
 (2)        所            在        地   東京都台東区台東一丁目5番1号                東京都台東区台東一丁目5番1号
 (3)        代表者の役職・氏名                 代表取締役社長 麿 秀晴                   代表取締役 髙田 一広
 (4)                       凸版印刷は、
                                「印刷テクノロジー」
                           をベースに「情報コミュニケーショ
                           ン事業分野」「生活・産業事業分
                                 、              半導体及びディスプレイに関する部
       事   業       内   容
                           野」及び「エレクトロニクス事業分     品類の製造に関わる事業
                           野」の3分野にわたり幅広い事業活
                           動を展開しております。
 (5)   資       本       金   104,986 百万円          400 百万円
 (6)   決       算       期   3月 31 日              3月 31 日


   ② 吸収分割承継会社の概要
                                          吸収分割承継会社
 (1)   名               称   未定
 (2)   所       在       地   東京都港区芝浦3-19-26(予定)
 (3)   代表者の役職・氏名           代表取締役社長 二ノ宮 照雄(予定)
 (4)   事   業       内   容   半導体用フォトマスクの製造及び販売(予定)
 (5)   資       本       金   未定
 (6)   決       算       期   3月 31 日(予定)


4.今後の見通し
  本会社分割及び本株式譲渡に伴う当社連結業績に与える影響は軽微であります。


【参考:インテグラルの概要】
インテグラル株式会社(代表取締役 山本礼二郎)は、日本国内の上場企業・未公開企業等を対象とした日本の
独立系プライベート・エクイティ投資会社として、2007 年9月に創業されました。インテグラルとは【積分、
積み重ね】を意味しており、投資先企業の経営陣等とハートのある信頼関係を構築し、最高の英知を真に積み
重ねてまいります。インテグラルは、自己資金・ファンド資金の両方を用いた独自のハイブリッド投資により、
長期的視野に立ったエクイティ投資を行っております。投資後は『経営と同じ目線・時間軸』をもって投資先
企業と共に歩み、企業価値向上支援チーム「i-Engine」による経営・財務の両面での最適な経営支援を行いま
す。インテグラルは、投資先企業の発展を通じて社会に貢献し、
                            【信頼できる資本家】たることを目指しており
ます。