7855 J-カーディナル 2021-08-05 16:00:00
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ [pdf]
2021 年8月5日
各 位
上場会社名 カーディナル株式会社
代表者 代表取締役社長 山田弘直
(コード番号 7855)
問合せ先責任者 取締役財務部長 宮家正行
(TEL 06-6934-4141)
MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ
当社は、本日開催の取締役会において、以下のとおり、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)
(注)の
一環として行われる山田マーケティング株式会社(以下「公開買付者」といいます。
)による当社の普通株式(以
下「当社株式」といいます。
)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。
)に関して、賛同の意見
を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしましたの
で、下記のとおりお知らせいたします。
なお、上記取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を経て当社を非公開化するこ
とを企図していること、並びに当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
(注)マネジメント・バイアウト(MBO)とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部
を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
記
1. 公開買付者の概要
(1) 名 称 山田マーケティング株式会社
(2) 所 在 地 大阪市城東区今福西二丁目 11 番 17 号
(3) 代 表 者 の 役 職 ・ 氏 名 代表取締役社長 山田弘直
1.各種事業への投資並びに株式その他有価証券の保有、売買及び運
用
(4) 事 業 内 容 2.前号に附帯又は関連するコンサルティング及びアドバイザリー
業務
3.前各号に附帯又は関連する一切の事業
(5) 資 本 金 1万円
(6) 設 立 年 月 日 2021 年4月 28 日
大 株 主 及 び 持 株 比 率 山田弘直
(7) 100%
(2021 年8月5日現在)
1
公開買付者と当社の間には、記載すべき資本関係はあり
ません。なお、公開買付者の代表取締役社長である山田
資本関係 弘直氏(以下「山田弘直氏」といいます。
)は、当社株
式を 150,000 株(所有割合(注)7.37%)所有しており
ます。
(8) 上場会社と公開買付者の関係 当社の代表取締役社長である山田弘直氏は公開買付者の
人的関係
代表取締役を兼務しております。
取引関係 該当事項はありません。
関連当事 公開買付者は、当社の代表取締役社長である山田弘直氏
者への該 が議決権の全部を所有しており、当社の関連当事者に該
当 状 況 当します。
(注)「所有割合」とは、当社が本日公表した「2022 年3月期第1四半期 決算短信〔日本基準〕(非連結)(以
」
下「本決算短信」といいます。
)に記載された 2021 年6月 30 日現在の発行済株式総数(2,143,000 株)か
ら、同日現在の当社が所有する自己株式数(107,245 株)を控除した株式数(2,035,755 株)に対する割合
をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。
2. 買付け等の価格
普通株式1株につき、851 円
3. 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由
(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、本日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載
の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、
本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議の詳細は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益
相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害
関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者か
ら受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けにより、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいま
す。
)の開設する市場である東京証券取引所JASDAQグロース市場に上場している当社株式の取得
及び所有等を目的として、2021 年4月 28 日付で設立された株式会社であり、当社の代表取締役社長で
ある山田弘直氏が、公開買付者の発行済株式の全部を所有し、かつ、代表取締役を務めているとのこと
です。なお、本日現在、公開買付者は、当社株式を所有しておりません。
2
今般、公開買付者は、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及び以下に定義する本不応募
合意株式を除きます。)を取得することにより、当社株式を非公開化する一連の取引(以下「本取引」
といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することとしたとのことです。本取引は、当社の代
表取締役社長である山田弘直氏が公開買付者の代表取締役及びその唯一の株主として関与するいわゆ
るマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、山田弘直氏は、本取引後も継続して当社の経営にあ
たることを、山田弘直氏の義理の父で当社の創業者である元屋地文明氏の三女である加藤亜弥氏の配
偶者であり、かつ当社の取締役である加藤玄也氏は、本取引後も継続して当社の取締役としてその経
営にあたることを、それぞれ予定しているとのことです。なお、公開買付者の発行済株式の全部を所有
しかつ公開買付者の代表取締役を務めており、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定し
ている山田弘直氏、及び、前述のとおり山田弘直氏の親族であり本取引後も継続して当社の取締役と
してその経営にあたることを予定している加藤玄也氏を除く、当社の全ての取締役及び監査役と公開
買付者との間には、本公開買付け後の役員就任について特段の合意はないとのことです。
本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、本日現在当社の第1位株主である山田弘直氏(所有株
式数 150,000 株、所有割合 7.37%)
、本日現在当社の第1位株主(山田弘直氏と同順位)であり山田弘
直氏の配偶者である山田美紀氏(所有株式数 150,000 株、所有割合 7.37%)
、本日現在当社の第3位株
主であり、かつ山田弘直氏の義理の父で当社の創業者である元屋地文明氏(所有株式数 125,000 株、所
有割合 6.14%)
、本日現在当社の第7位株主であり元屋地文明氏の三女である加藤亜弥氏(所有株式数
50,000 株、所有割合 2.46%)
、本日現在当社の第7位株主(加藤亜弥氏と同順位)であり、かつ加藤亜
弥氏の配偶者で当社の取締役である加藤玄也氏(所有株式数 50,000 株、所有割合 2.46%)
、同日現在当
社の第7位株主(加藤亜弥氏及び加藤玄也氏と同順位)であり元屋地文明氏の次女である松永里佳氏
(所有株式数 50,000 株、所有割合 2.46%)
、元屋地文明氏の孫であり、同氏の養子となった元屋地駿氏
(所有株式数 33,000 株、所有割合 1.62%)
、加藤亜弥氏の長女である加藤瑠菜氏(所有株式数 28,000
株、所有割合 1.38%) 加藤亜弥氏の次女である加藤紗羅氏
、 (所有株式数 28,000 株、所有割合 1.38%)
、
松永里佳氏の次男である松永竜馬氏(所有株式数 28,000 株、所有割合 1.38%)及び松永里佳氏の長女
である村山裕香氏(所有株式数 28,000 株、所有割合 1.38%)
(以下、山田弘直氏、山田美紀氏、元屋地
文明氏、加藤亜弥氏、加藤玄也氏、松永里佳氏、元屋地駿氏、加藤瑠菜氏、加藤紗羅氏、松永竜馬氏及
び村山裕香氏を総称して、
「本不応募合意株主」といいます。
)との間で、本日付で、本不応募合意株主
それぞれが所有する当社株式の全部(合計 720,000 株、所有割合 35.38%。以下「本不応募合意株式」
といいます。)を本公開買付けに応募しない旨を書面により合意したとのことです。これらの合意の詳
細につきましては、下記「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要
な合意に関する事項」をご参照ください。
これにより、本公開買付け成立時点において、当社の株主は、(i)下記買付予定数の下限に相当する当
社株式 675,878 株(所有割合 33.20%)以上を所有する公開買付者、(ii)本不応募合意株主(所有割合
35.38%)及び(iii)本公開買付けに応募しなかった当社の株主(但し、公開買付者及び本不応募合意株主
を除きます。)となる予定です。そして、本公開買付け成立後に実施を予定している本スクイーズアウ
ト手続(以下に定義します。
)により、公開買付者及び本不応募合意株主のみが当社の株主となる予定
であり、本スクイーズアウト手続の完了後に実施を予定している本合併(以下に定義します。 により、
)
本不応募合意株主のみが当社の株主となることを予定しております。
3
本不応募合意株主以外の創業家一族(注1)については、現時点の当社株式の所有割合がいずれも
1%に満たないことから、本公開買付けの結果、同人らの所有株式数と同数以上の当社株式を所有す
る株主(公開買付者及び本不応募合意株主を除きます。
)が存在し、又は本株式併合(下記「(5)本公
開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項) において定義します。 の効力発
」 )
生の直前の時点でかかる株主が生じる蓋然性が相応にあり、この場合には、かかる株主が当社の株主
として残存することのないよう株式の併合割合が決定された本スクイーズアウト手続(以下に定義し
ます。)によって、かかる株主とともに、本不応募合意株主以外の創業家一族も、当社の株主として残
存しないこととなります。公開買付者は、このような蓋然性が相応にあることに鑑み、本不応募合意株
主以外の創業家一族に対しては、本公開買付けに応募せずに当社の株主として存続するよう打診する
ことはしていないとのことです。また、公開買付者は、本不応募合意株主以外の創業家一族に対し、情
報管理の観点から、本公開買付けに応募する旨の合意についても打診しておらず、現時点において、本
不応募合意株主以外の創業家一族から本公開買付けに応募する意向の表明は受けておりませんが、同
人らがそれぞれ所有する当社株式を本公開買付けに応募して対価として金銭を受領した場合、又は、
本公開買付けに応募せず、本スクイーズアウト手続によりその所有する当社株式の端数の対価として
金銭を受領した場合(本不応募合意株主以外の創業家一族は本不応募合意株主ではないため、同人ら
が本公開買付けに応募しなかった場合、本株式併合においては、同人らが当社の株主として残存する
ことのないよう株式の併合割合が決定される予定です。
)には、本公開買付け成立後速やかに、本不応
募合意株主以外の創業家一族に対し、当該金銭の全額又はその一部(注2)
(但し、公租公課等及び合
理的な諸経費は控除します。
)を本合併(以下に定義します。
)後の当社に再出資するよう、要請する予
定とのことです。
(注1)本日現在における、本不応募合意株主以外の創業家一族の所有株式数の合計は、36,000 株
(1.76%)であり、山田弘直氏の長男である山田将暉氏が 18,000 株(所有割合 0.88%)
、山田弘
直氏の長女である梅田楓氏が 18,000 株(所有割合 0.88%)を所有しているとのことです。
(注2)再出資時の募集株式の払込金額(単価)によっては、当社株式の対価として受領した金銭の全
額ではなく、その一部の出資となる可能性があります。以下、当社株式の対価として受領した
金銭の一部の再出資に関する記載について、同じとします。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を 675,878 株(所有割合 33.20%)として
おり、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。
)の数の合計が買付予定数
の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。なお、買付予定数
の下限である 675,878 株は、本決算短信に記載された 2021 年6月 30 日現在の当社の発行済株式総数
(2,143,000 株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(107,245 株) 本不応募合意株式数
、 (720,000
株)及び本日現在における本不応募合意株主以外の創業家一族の所有株式数の合計(36,000 株)を控除
した株式数(1,279,755 株)の過半数に相当する株式数(639,878 株。これは、公開買付者と利害関係を
有しない当社の株主の皆様が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノ
リティ(majority of minority)
」に相当する数となります。
)に、本日現在における本不応募合意株主以
外の創業家一族の所有株式数の合計(36,000 株)を加算した株式数(675,878 株)としたものであると
のことです。これにより、公開買付者の利害関係者以外の当社の株主の皆様の過半数の賛同が得られ
4
ない場合には、当社の少数株主の皆様の意思を重視して、本公開買付けを含む本取引を行わないこと
としているとのことです。一方、公開買付者は、当社株式の全部(但し、当社が所有する自己株式及び
本不応募合意株式を除きます。
)を取得することにより、当社株式を非公開化することを企図しており
ますので、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買
付予定数の下限(675,878 株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、
買付予定数の下限に関する詳細は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利
益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ マジョリテ
ィ・オブ・マイノリティ(majority of minority)による買付予定数の下限の設定」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全部(但し、当社が所有する自己株式及び本不応募合
意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付
け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
」に記載のとおり、当社の株主を公開買
付者及び不応募合意株主のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズア
ウト手続」といいます。
)を実施することを予定しているとのことです。なお、本スクイーズアウト手
続を実施する際には、会社法(平成 17 年法律第 86 号。その後の改正を含みます。以下同じとします。
)
第 309 条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされるところ、公開買付者は、本公開
買付けにおいて、買付予定数の下限を 675,878 株(所有割合 33.20%)と設定しているため、本公開買
付け後において、公開買付者が保有する当社の株式数と本不応募合意株式数(720,000 株、所有割合
35.38%)を合算すると、1,395,878 株(所有割合 68.58%)となり、公開買付者と本不応募合意株主と
で、上記特別決議に必要な総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるとのことです。
また、本スクイーズアウト手続の完了後、金融商品取引法(昭和 23 年法律第 25 号。その後の改正を
含みます。(以下「法」といいます。
) )第 24 条第1項ただし書に基づき当社の有価証券報告書提出義務
の中断申請に関する承認が得られた後に、公開買付者と当社は、公開買付者を吸収合併消滅会社、当社
を吸収合併存続会社とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を実施することを予定していると
のことです。本合併の具体的な実施時期については本日現在未定ですが、本合併により、本不応募合意
株主のみが当社の株主となることを予定しているとのことです。なお、本不応募合意株主は、当社が実
施する本株式併合の結果、その所有する当社株式の数が1株に満たない端数となり(なお、下記(注
15)に記載の場合、本不応募合意株主の所有する当社株式の全部が1株に満たない端数となります。、
)
その端数の対価として当社又は公開買付者から金銭を受領した場合、当該金銭の全額又はその一部(但
し、公租公課等及び合理的な諸経費は控除します。
)を本合併後の当社に再出資することを予定してい
るとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、株式会社りそな銀行(以下「りそな
銀行」といいます。)からの借入れ(以下「本件買収ローン」といいます。
)により賄うことを予定して
おり、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けの決済の開始日の前営業日までに、りそな銀
行から総額 1,385 百万円を上限とした融資を受けることを予定しているとのことです。なお、本件買収
ローンにおいては、公開買付者が本公開買付けにより取得する当社株式その他公開買付者の一定の資
産等について担保が設定されること、並びに、本スクイーズアウト手続の完了後は、当社の一定の資産
等について担保が設定されること、及び当社が公開買付者の連帯保証人になることが予定されている
とのことです。本件買収ローンに係る融資条件の詳細は、りそな銀行と別途協議の上、本件買収ローン
5
に係る融資契約において定めることとされておりますが、本件買収ローンに係る融資契約では、融資
実行の前提条件及び一定の財務制限条項等の同種の融資契約に通常定められる契約条件が規定される
予定であるとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程並びに本公開
買付け後の経営方針
(ア) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程
当社は、創業者である元屋地文明氏により、1967 年 10 月に大阪市城東区にてプラスチック
カード製造専門会社の株式会社宮田機械印刷研究所として設立された株式会社であり、1990 年
7月に商号を現在のカーディナル株式会社に変更いたしました。また、当社は、2000 年8月に
株式会社大阪証券取引所新市場部に当社株式を上場し、2003 年4月に行われた大阪証券取引所
新市場部の廃止及び新市場部のグロース市場への承継に伴い大阪証券取引所ヘラクレス市場に
上場し、2010 年4月に行われたジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪
証券取引所JASDAQ市場に上場し、同年 10 月に行われた大阪証券取引所ヘラクレス市場、
同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所J
ASDAQ(グロース)市場に上場いたしました。2013 年7月に行われた東京証券取引所と大
阪証券取引所の現物市場の統合に伴い、現在は東京証券取引所JASDAQ(グロース)市場
に当社株式を上場しています。
当社は、1967 年の設立以来、プラスチックカード製造専業メーカーとして、
「良いものを、よ
り早く、より安く提供する」をスローガンに、
「人々の日常の暮らしに極めて関わりの深いカー
ド一枚がもたらす『広がる世界へ』
」という考えを重視して、会員カードと申込用紙が一体にな
った即時発行型カードや、クレジットカードのように磁気カード表面の磁気ストライプ上にデ
ザインを印刷したデザイン優先型の隠蔽カード、券面に表示される情報(ポイント数・日付・
キャンペーン案内)を書き換えることが可能なリライトカードなど、多彩なニーズに応える高
品質な製品の提供に積極的に取り組んできました。現在では、年間 8,000 万枚のプラスチック
カードを製造するカード製造業界のリーディングカンパニーを自負しております。
当社は、経営指針として、①常にキャッシュ・フローを管理し、リスクマネジメントに留意
すること、②公正な経営を貫き、誠実で透明な企業であること、③顧客、投資家、調達先など
とのコミュニケーションを重視し負託に応えること、④顧客に最高の製品とサービスを提供す
るため常に技術革新すること、⑤環境保護に留意し、地域社会への貢献に積極的に取り組むこ
と、及び⑥個人を尊重し、Multipleな発想と自由闊達な企業風土を築くことの6指針
を定めております。
そして、
「カード製造を通じて人・地域・社会に発展という豊かさを実現するために安心且つ
安全で満足なカードをお届けする」ことを行動原理として、人を育て、製品やシステムを開発
し、その価値を広く社会にお届けしていくことを経営の基本方針としています。
当社は、創業間もない 1968 年9月より、サイズ・デザイン・材質・機能が同一のカードを量
産するのではなく、小ロット(注3)で、顧客(エンドユーザー)の希望するサイズ・デザイ
ン・材質・機能に対応するオーダーメイドのプラスチックカードを製造してきました。そして、
当社は、販売代理店を通じて販売する代理店システムを採用し、販売代理店を経由した受注生
6
産を行い、当社自身は営業部門を持たずにカード製造に特化することで、その専門性・競争力
を向上させてきました。すなわち、当社は、プラスチックカードの製造を主たる事業とし、先
進設備の導入や技術力の向上により、キャッシュカード・ギフトカード・印鑑登録証・診察券・
健康保険証・身分証明証(IDカード)
・各種会員カード等、原材料や仕様の異なるあらゆる種
類のプラスチックカードの製造・販売のノウハウを蓄積し、現在では 27 種類のプラスチックカ
ード製造技法を習得するとともに、全国に有する 6,773 社の販売代理店との信頼関係を強化す
ることによって、2000 年の上場から 2017 年3月期までは、対売上高営業利益率(以下「利益
率」といいます。
)10%以上を確保し、その利益により安定的な配当及び設備投資を行い、着実
に成長してきました。しかしながら、2018 年3月期は 8.83%、2019 年3月期は 7.98%、2020 年
3月期は 4.4%、2021 年3月期はマイナスと、2018 年3月期以降は利益率が減少を続けている
ことから、公開買付者の代表取締役である山田弘直氏は、当社を取り巻く事業環境は、以下の
ような理由から、現在非常に厳しい状況であり、今後は一層深刻なものになると認識していた
とのことです。
(注3)ロットとは、1受注案件当たりの発注枚数をいい、当社において、小ロットとは、発
注枚数1枚以上 10,000 枚未満をいい、中ロットとは、発注枚数 10,000 枚以上 100,000
枚未満をいい、大ロットとは、発注枚数 100,000 枚以上としています(以下の「小ロッ
ト」「大ロット」の記載において同じです。。
、 )
Ⅰ スマートフォンアプリの台頭による需要の減少
当社は、様々な業種の店舗のポイントサービス(店舗が会員を募り、買物金額に応じてポイ
ントを発行し、当該ポイントを金額に置き換えて顧客に還元することで、次回以降の購買・利
用意欲を促進するサービス)のツールとしての、店舗独自のポイントカードを製造してきまし
た。このようなポイントカードは、ポイントの管理(ポイントカード保持者の利用履歴・ポイ
ント履歴・購入履歴の管理)を行うだけでなく、携帯性に優れた一番小さな情報媒体として、
カードを発行する店舗の顔となり、集客や再来店を促し、固定客の獲得等、顧客囲い込みを可
能としてきました。しかしながら、近年では、スマートフォン向けのアプリケーションにより、
ポイントの管理等のプラスチックカードと同等のサービスを提供することが可能となりまし
た。加えて、スマートフォンの普及に伴いアプリ開発業者が増加した結果、このようなポイン
トサービス用のアプリケーションの選択肢が広がり、各店舗が独自のアプリを安価で導入する
ことが可能となっています。
また、当社は、キャッシュカード、ギフトカード、電子マネー用カード(チャージ型)等を
製造してきましたが、このような、従来、カードを携帯しこれを決済時にリーダーに読み込ま
せることで決済をする手段についても、近年、決済事業者独自のアプリケーションが開発され、
スマートフォンのQRコードをかざすだけで決済が終了し、同時に、利用金額に応じてポイン
トを付加することが可能になりました。
加えて、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、決済の非接触化が進んだ結果、従来、店舗にお
いてポイントカードや決済用カードを店員に手渡し、店員による動作でポイントの付与や決済
を処理していたものが、本人のみがカードに触れて決済処理を完結する手順へと変化してきて
7
おり、その結果、カードと比べてより簡便なポイントサービスや電子決済サービス用のアプリ
ケーションの利用が一層促進され、カードレス化が進みつつあります。
このように、当社はプラスチックカードの需要減少に直面しており、当社が製造しているポ
イントカード、ギフトカード、電子マネーカード、キャッシュカード等のカードの国内需要は
中長期的にも減少することを見込んでいます。
Ⅱ EC会社との価格競争の激化
近年、当社が属するカード印刷業界において、インターネット(Web)上での印刷EC市
場(注4)が年々拡大傾向にあることは、インターネットでカード印刷会社を検索すると多数
のEC会社のWebサイトが表示され、その数が年々増加していることや、販売代理店を含む
印刷関連業者において、EC会社が公表する価格表を基準に相見積もりを取ることが通例にな
っていることからすると、業界の共通認識であると考えております。
(注4)EC(Electronic Commerce)とは、インターネット上のWe
bサイトにおいて自社の商品やサービスを販売する事業をいいます。
EC会社は、当社が得意とする小ロット販売を取り扱っているところ、小ロット販売におい
て中心となる日本工業規格(JIS規格)等の所定の規格に準拠する必要のないカード製品は、
そのサイズ・デザイン・材質・機能の面で製造の自由度が高いことからEC会社をはじめとす
る同業他社と当社の間で価格競争が生じています。
そして、かかるEC会社の参入に伴い、販売代理店の顧客であるエンドユーザーは、特に発
注時の予算金額が大きくなる場合には、2、3社に相見積もりを実施する傾向が多くみられ、
当社の販売代理店もエンドユーザーからの受注を確保すべく、当社以外に相見積もりを取るな
どしてより安価な取引先へと切り替える傾向があります。当社としても、販売代理店、ひいて
はエンドユーザーからの受注を確保すべく、EC会社をはじめとする同業他社と同等又はそれ
以下の価格に受注価格を引き下げて対抗している状況です。
当社は、これまで、サイズ・デザイン・材質・機能が同一のプラスチックカードを量産する
のではなく、小ロットで、各顧客の注文に対応するオーダーメイドのプラスチックカードを製
造することを得意とし、このような小ロットの受注生産案件を安定的に受注することで安定し
た利益率を確保し、以って上記のとおり 2017 年3月期までは毎年利益率 10%以上を確保して
きました。しかしながら、上記のようなEC会社をはじめとする同業他社との価格競争が生じ
た結果、2018 年3月期は 8.83%、2019 年3月期は 7.98%、2020 年3月期は 4.4%、2021 年3
月期はマイナスと、2018 年3月期以降は利益率が減少を続けております。
Ⅲ 個人の行動変容による需要減少
当社は、宿泊施設、レジャー施設、健康施設、イベント施設、外食産業、美理容・エステ産
業などで利用される会員カードをはじめ、多種多様なカードを製造してきましたが、その殆ど
が消耗品であり、かつ、日本国内を市場としていることから、国内の景気の変動、個人消費の
マインド低下などの影響を受けます。すなわち、国内の景気が後退し個人消費のマインドが低
8
下すると、カードを発行する新規の店舗等ができず、店舗等を訪れカードの発行を依頼する顧
客の人数も減少し、当社のカードの発行枚数も減少して、当社の業績は悪化します。
この点、新型コロナウイルスの蔓延による各業界におけるイベント、催事等の自粛・時短・
中止の流れに伴い、個人の移動が制限されたことにより、プラスチックカードの需要は減少傾
向にあり、当社は、既に受注していた案件について発行中止や、先送、見合わせ等によるカー
ドの発行枚数の減少に直面しています。具体的には、前年比で、2021 年3月期の製造枚数は
27%減少、受注件数は 20%減少となり、売上高は約 25%減少しております。
Ⅳ ハウスカードに代替する共通ポイントカードの台頭
当社は、いわゆるハウスカード(注5)の製造も行ってまいりましたが、近年、楽天ポイン
ト、T-ポイント、Pontaポイント等、大手のカード発行体が提供する共通ポイントカード
(注6)の台頭により、共通ポイントカードを利用することができる提携先小売店舗が増加傾
向にあり、反対に、ハウスカードの利用は減少傾向にあります。
(注5)ハウスカードとは、カードを発行する企業のサービスを利用する時のみ、利用可能な
カードのことです。
(注6)共通ポイントカードとは、カードを発行する企業のサービスを利用する時のみでなく、
当該企業が提携する加盟店であれば、どの店舗であっても利用可能なカードのことで
す。
当社は、このような共通ポイントカードの大ロットの受注も受けているものの、その殆どは
コンペ・入札方式や複数社との価格競争の結果によるため、当社の利益率を確保するのは困難
です。他方、ハウスカードのような、当社が得意としてきた小ロットでの、かつ顧客が希望す
るサイズ・デザイン・材質・機能に対応するオーダーメイドの受注分野においては、大ロット
の案件を取り扱うカードメーカーとは殆ど競争がないため、利益を比較的確保しやすい状況で
す。しかしながら、上記のとおり、小ロットのハウスカードの受注自体が減少しており、これ
が一因となって、当社の利益率は、2018 年3月期は 8.83%、2019 年3月期は 7.98%、2020 年
3月期は 4.4%、2021 年3月期はマイナスと減少を続けています。
また、ハウスカードの発行者は、カードの発行を検討するにあたり、第一次的に印刷会社に
依頼する場合が多いことから、当社は、全国に印刷関連業者の販売代理店を増やしてきました。
しかしながら、ハウスカードの優位性が失われつつある現状では、このような全国の販売代理
店を通じたカード製造事業の仕組みが十分に機能しなくなっている状況です。
以上のような厳しい事業環境の下、当社の利益率は、2018 年3月期には、上場以来維持してき
た 10%の水準を割り込むようになりました。
具体的には、
上記のとおり、
2018 年3月期は 8.83%、
2019 年3月期は 7.98%、2020 年3月期は 4.4%、2021 年3月期はマイナスとなりました。これに
対応すべく、当社においては、2020 年4月下旬に策定した 2020 年5月 22 日公表の中期経営計画
(2021 年3月期~2023 年3月期)に基づき、主に以下の取組を行い、収益の改善を図ってきまし
た。
9
i 新規販売代理店の獲得
当社は、現在約 6,773 社の販売代理店を介してエンドユーザーから受注し、カードを製造し
ておりますが、東日本地域(中部地域を含む)における販売代理店の数(3,178 社)は、西日
本地域における販売代理店の数(3,595 社)よりもわずかに下回っている状況です。しかしな
がら、当社としては、本社・支店を含めたあらゆる業界・企業のビジネス拠点は関東に集中し、
カードの需要も関東に集中していると認識しており、そのような状況を踏まえると、当社にお
いて中部地域を含む東日本地域を重点とした更なる販売代理店の獲得が必要であると考え、
これを推進してきました。
また、これと併せて、「CardMarket.jp」という自社Webサイトにおいて、
既存の販売代理店に対し、当社の取扱製品・技術的な情報等の最新情報やWeb上での見積請
求サービスを提供してきたほか、ダイレクトメールの送付、印刷関連の展示会への出展等によ
り、新規販売代理店の獲得を推進してきました。加えて、
「tARget」ARプロモーショ
ン(スマートフォンのカメラモードでプラスチックカードをかざすことにより、カード発行体
が提供する画像・テキスト・動画・音声・音楽などをスマートフォンの画面上に演出できる仕
組み。但し、アプリエンジン開発元の事業が買収された結果、当社にとってのアプリ開発の発
注先が買収先に変更され、費用や運用の見直しを余儀なくされ、2021 年3月にサービスを終
了)や、QRCHORD CHANGER(同一のQRコードのリンク先を自由に変更できる
システム)の提供により、ICT業界(異業種)の新規販売代理店の確保にも取り組んできま
した。
ii デジタル(オンデマンド)印刷方式による小ロットでのオーダーメイドの受注生産の販売
強化
当社は、最先端のデジタル(オンデマンド)印刷機を導入したことにより、最低ロット1枚
からの受注及び本人識別のためのIDカード(社員証・学生証・身分証明証)への対応が可能
となったほか、納期も短縮され、価格も安く提供できるようになりました。また、この新しい
デジタル(オンデマンド)印刷機では、素材を選ぶことなくカードを製造することが可能であ
るため、顧客のニーズにも幅広く応えることができるようになりました。さらに、フィルム、
刷版が不要となることにより各工程でのエネルギー、薬品、資材、廃棄物等を削減できます。
以上のようなオンデマンド印刷方式の活用により、当社が得意とする小ロットでの、かつ顧
客が希望するサイズ・デザイン・材質・機能に対応するオーダーメイドの受注生産の強化を図
ってきました。
iii 大口顧客への拡販に向けた設備投資
近年、情報の記録媒体は磁気カードからバーコード・2次元バーコードカードが主流になり
つつあり、これらのカードは主に流通業界の物品量販店で多く採用される傾向にあるところ、
これらのカードの生産を受注する場合は、大ロットとなります。
上記のとおり、当社は、小ロットでの、かつ顧客が希望するサイズ・デザイン・材質・機能
10
に対応するオーダーメイドの受注生産を得意としてきましたが、このような大ロットのバー
コードカードの需要にも対応していく必要があります。そこで、当社は、あらゆる素材の券面
に、1時間当たり 4,000 枚の処理速度で、かつ従来の 240dpi(注7)から 25%増の 300d
piの解像度でバーコードを印刷することが可能な機械、及びバーコードを印刷したカード
を当該カードの会員登録申込用紙に貼り付けるとともに、当該カードに印刷されたバーコー
ドを読み取り、読み取ったバーコードを当該申込用紙に印刷することが可能な機械(注8)を
導入することにより、大ロットの受注であっても、加工作業期間を従来の2分の1(例えば従
来 10 万枚のカードにバーコード加工をする場合に 30 日を要していた日数が 15 日となりまし
た。
)に短縮し、かつ 300dpiの解像度によってよりきめ細かく滑らかな線の印刷表示を実
現することで、これまで取り込めていなかった大ロットを発注する顧客への拡販を図ってき
ました。
(注7)dpiとは、解像度を示す単位のことで、1インチ当たりのドット数をいいます。
(注8)例えば、店頭において、当該店舗の提供するポイントサービス等を受けるため、バー
コードカードの会員登録をしようとする顧客に対して、バーコードカードの会員登録
申込用紙に顧客情報を記入してもらい、当該申込用紙を店舗で預かるのと引き換えに、
当該申込用紙に貼り付けられたバーコードカードを顧客に交付するという、カードの
即時発行の仕組みを前提とした機械です。バーコードカードを当該バーコードカード
の情報が印刷された会員登録申込用紙に貼り付けて両者を一体化させることで、当該
バーコードカードの情報と申込用紙に記載された顧客の情報を、店舗において一元的
に管理することができます。
iv 非接触式ICカードの販売促進と売上高増加
当社は、磁気ストライプ付きカードに比べ偽造防止効果の高い非接触式ICカードの需要
が年々増加しているものと認識していることに加え、非接触式ICカードの利益率が磁気ス
トライプ付きカードよりも 20%程度高いことから、非接触式ICカードの製造拡大にも取り
組んでおります。カードに埋め込まれるICチップには様々な周波数・通信方式のものがあ
り、非接触式ICカードの製造に必要な技術や製造工程は、ICチップの種類によってそれぞ
れ異なります。当社においては、顧客の非接触式ICカードに関する幅広いニーズへの対応が
可能となるよう、異なる種類のICチップに対応する非接触式ICカードの製造技術や製造
工程の習得に努めるとともに、非接触式ICカードのニーズの高い業界の顧客に対して精力
的に営業活動を行うことによって、非接触式ICカードの販売を促進し、以て、その売上高増
加を図ってきました。
山田弘直氏は、当社による上記取組は現状維持又は低位ながら相応の成長をもたらし得る
ものの、上記事業環境の変化に対応し得るものではないと認識しているとのことです。2020
年2月以降の、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、2020 年3月期の当社の
利益率は 4.4%となり、事業への経済的悪影響が顕在化したことから、山田弘直氏は、より抜
本的な事業形態の改革の必要性を認識するに至ったとのことです。
11
以上のような経緯を踏まえて、山田弘直氏としては、2021 年1月下旬、当社の今後の中長
期的な企業価値向上策について検討を進める中で、上記のような中期経営計画に掲げる施策
の実行(なお、2021 年5月 21 日公表の当社中期経営計画(2022 年3月期~2024 年3月期)
においても、同様の施策を行うことが公表されています。
)によっても一定の成果が見込まれ
るものの、上記のとおり、当社を取り巻く事業環境はさらに厳しい状況になることが予想さ
れ、このような状況を打破するためには、当社が有する全国 6,773 社の印刷関連会社の販売代
理店や、プラスチックカード製造に特化した自社内一貫生産による品質の確保という強みを
活かしつつ、早期により抜本的かつ積極的な施策を実行することが必要であると、2021 年1
月下旬、認識するに至ったとのことです。
一方で、上場会社においては、四半期ごとの業績開示が義務付けられている中、顧客に対し
て受託者責任を負う機関投資家を含む幅広い株主から、中長期的な企業価値向上とともに、短
期的な利益確保を求められる側面もあります。そのため、当社においては、短期的な収益の悪
化やそれに伴う株価の下落等の悪影響を回避するべく、Webプラットフォーム(注9)やデ
ジタルインフラの整備をはじめとする設備投資や一時的な利益の悪化を伴う施策を避ける保
守的な戦略を取らざるを得ない状況にあり、現状においては中長期的な企業価値の向上を十
分に追求できていないものと認識しております。
(注9)プラットフォームとはWeb上で提供される様々なサービスの基盤となる動作環境の
ことです。
このような背景の下、山田弘直氏は、当社にとって、短期的には財務的負担となる可能性があ
りながらも、経営資源を改めて検証した上で、中長期的な企業価値の向上につながる施策への戦
略的投資を積極的かつ迅速に行うことにより事業の構造改革を断行し、新たな成長基盤を構築す
る必要があり、そのために、適時に柔軟かつ迅速果敢に事業を再構成できる経営体制の構築が不
可欠と考えるに至ったとのことです。そして、山田弘直氏は、2021 年1月下旬、当社を取り巻く
厳しい事業環境下においても、更なる当社の企業価値の拡大を図るためには、具体的には、以下
の施策を実施する必要があるとの認識を持つに至ったとのことです。
(i)EC売上の拡大とWeb上の取組の強化
当社は、全国の販売代理店(印刷関連企業・その他カード関連企業等)から注文を受け、
販売代理店を介してエンドユーザーへプラスチックカードをお届けしており、営業部門を持
たない当社が、安定的な収益を確保するためには、販売代理店の確保は最も重要な要素です。
この点、当社としては、エンドユーザー⇒単一の販売代理店⇒当社という、エンドユーザー
と当社の間に販売代理店1社のみが介在する商流が、他に介在する業者に利益を吸い取られ
ることがなく、また末端価格を抑えられて、激化する価格競争にも対応することができるた
め、最も理想的と考えております。しかしながら、実際には、受注したカードを自社で一貫
生産する技術を持たない印刷会社等の事業者が、他の印刷関連企業に製造工程の全部又は一
部を発注することが多く行われるため、エンドユーザーと販売代理店との間には、他の事業
者(印刷関連企業)が2、3社程度介在しています。
12
一方で、EC会社は、各社のECサイトにおいて価格表を開示することで、よりエンドユ
ーザーに近い業者や、場合によってはエンドユーザーから直接受注することができるほか、
対面営業ではなく、Web上でデータ入稿や、外注メーカーへの依頼、決済処理を完結させ
ているため、このような体制を導入できていない当社と比較したときに、営業経費がかから
ない、注文プロセスが簡易である、エンドユーザーにより近い顧客と取引ができるといった
強みがあります。その結果、小ロットでの、かつ顧客が希望するサイズ・デザイン・材質・
機能に対応するオーダーメイドの受注生産の案件が、(当社ではなく)EC会社へ流れてし
まっているのが現状です。
このようなEC会社に対抗すべく、上記のとおり、当社は、これまでWeb上でプラスチ
ックカードの新商品・製品案内・カード関連の技術情報などのサービス配信や、「Card
Market.jp」等の自社WebサイトでBtoB(注 10)向けの受注販売及び既存の
販売代理店への当社の取扱製品・技術的な情報等の最新情報の提供を行ってきましたが、未
だ積極的な取組が行われているとは言い難く、その売上実績は 2021 年3月期において、年
間で 2,000 万円程度と低水準に留まっています。
(注 10)BtoBとは、Business to Businessの略で、企業が企業を
対象に行うビジネス形態のことです。
山田弘直氏は、激化する同業他社との競争に対応していくためには、他社と差別化された
Webプラットフォームの開発をこれまで以上に迅速に行い、既存の販売代理店を介した販
売ルートに加え、ECサイトでの販売をさらに強化する必要があると考えているとのことで
す。具体的には、Web専門デザイナーによる独自性の強いより優れたUI(注 11)の構築
や同業他社製品に対して優位性のある企画・デザイン案テンプレートの拡充を図った上で、
Web上で、見積もり、受付、入稿、製造、決済までをワンストップで可能とするサービス
を提供するとともに、カード関連情報を共有・配信するプラットフォームを構築することが
必要であると考えているとのことです。
(注 11)UI(User Interface)とは、ユーザー(製品やサービスの利用
者)と製品やサービスとのインターフェイス(接点)となるものであり、例えば、
Webサイトであればサイトの見た目やレイアウトなどのユーザーが目にするも
ののことです。
また、山田弘直氏は、全国の印刷関連企業のみならず、異業種も含めたあらゆる企業をタ
ーゲットとして、当社の提供するWebプラットフォームに対する認知度・優位性を向上さ
せるため、SEO対策(注 12)の強化及びマーケティング強化の対策を講じることも必要
であると考えているとのことです。
(注 12)SEO(Search Engine Opitimization)対策とは、
検索エンジンにおける検索結果で自社サイトをより多く表示させるために行う対
13
策のことです。
このように、当社において、ECサイトを強化することは、現在、認知度や注文プロセス
の利便性の面で他のEC会社へ流出してしまっている代理店候補にアプローチすることを
可能とし、利益率を確保しやすい小ロットでの、かつ顧客が希望するサイズ・デザイン・材
質・機能に対応するオーダーメイドの受注生産案件を、改めて当社で取り込むことができ、
利益率の向上に寄与するものと考えているとのことです。
さらに、エンドユーザーにより近い代理店や、場合によってはエンドユーザーと直接取引
をすることができるほか、他のEC会社との価格競争において優位に立つことが可能とな
り、この点でも、利益率の向上に寄与すると考えているとのことです。
このようなWeb上の取組を強化するにあたっては、既存の販売代理店との関係が一時的
に悪化することなども一要因となって、短期的には当社の収益を悪化させる可能性があるも
のの、ECビジネスに精通する人員の新規採用及びEC分野への成長投資の積み増し、法人
顧客の認知度やブランドイメージの向上等を目的とした施策の実施、Webプラットフォー
ムシステムの開発、及び開発・マーケティング人員の増強を実施することにより、中長期的
には、当社製品の販売チャネルの拡大による売上及び収益の増加を実現できるものと考えて
いるとのことです。
(ii)低価格・短納期のための取組の強化
上記のとおり、当社は、小ロット(最低1枚から)対応可能、かつカード素材を選ばない
デジタル(オンデマンド)印刷方式の強化を推進してまいりました。しかしながら、山田弘
直氏は、Web上における小ロット生産を得意とするEC会社との価格競争に対抗するため
には、設備をより一層増強し、顧客のニーズに幅広く応えるとともに、納期の短期化かつ低
価格化を推進する必要があると考えているとのことです。
そこで、山田弘直氏は、上記デジタル(オンデマンド)印刷方式の強化に加えて、販売代
理店から受領する校了データを迅速に工場(製造現場)と共有できるようなデジタルインフ
ラ整備の実施により、合理化・省力化を図り、低価格・短納期に対応していく必要があるも
のと考えているとのことです。
具体的には、現状の当社における受注生産の流れでは、各営業所において中1、2日の製
版のための待機時間が発生するため、納期までに要する日数が余計に生じているところ、入
稿及び製版段階でのワークフローシステムをデジタル化することにより、従来1、2日程度
要していた製版のための待機期間がなくなり、これにより、競合他社との納期面での差別化
を図るとのことです。
加えて、DTP自動化ソリューションを導入することにより、印刷入稿データを印刷適正
データへ自動で変換して、DTP作業(注 13)を効率化するほか、印刷ワークフローを自動
化することにより、小ロットの案件を複数受注するという当社の事業方式のために、大ロッ
トの案件と比較して増加する案件毎の仕分け作業や確認作業を軽減させ、短納期及び低価格
14
の実現を図ることを考えているとのことです。
(注 13)DTPとは、Desktop publishingの略で、DTP作業とは文
字や画像の入力から組版・面付け・編集・出力を机上のパソコンで行うことです。
このような方法で、低価格を実現する場合、採算や品質を度外視して単に価格を引き下げ
る場合と異なり、利益率や品質を維持したまま短納期を実現することができ、したがって、
乱立するEC会社等の競合他社との差別化を図ることができ、競合他社に流れてしまってい
る利益率の高い案件や新規顧客を取り込むことができ、結果として売上げや利益率の向上に
つながり、企業価値の向上に資するものと考えているとのことです。
山田弘直氏は、デジタルインフラ整備、受注入稿ワークフローシステムのデジタル化には
先行投資が必要であることから、当該取組を強化することで、短期的には当社の収益に悪影
響を及ぼす可能性があるものの、中長期的に安定した事業体制を構築することが可能になる
ものと考えているとのことです。
(iii)人材獲得・育成の強化
山田弘直氏は、上記(i)のとおり、当社を取り巻く厳しい事業環境の下では、ECサイト
における受注販売の強化が必須であるところ、現状の当社においてはその専門性に欠けると
考えており、その実現のためには、Web専門デザイナー等の外部専門業者の積極的な活用、
ECビジネスに精通する人員の新規採用等の人材投資が必須と考えているとのことです。ま
た、SEO対策強化やECにおけるマーケティング対策強化等については、当社の既存の社
員への教育によってもある程度、実現可能と考えており、外部業者に依存しない体制の構築
という観点からも、既存の社員への教育といった人材投資も同様に必須であると考えている
とのことです。
そして、これらの人材投資により、ECサイトやWeb上の取組を強化し、もって当社の
利益率を確保することで、当社の中長期的な企業価値の向上に繋がるものと考えているとの
ことです。
また、当社は、これまで従業員を主に正社員として採用してきており、パートやアルバイ
ト、期間契約社員や派遣社員は殆ど採用していません。当社は、企画・デザイン・製版・印
刷(オフセット・シルク・グラビア)
・磁気加工・ICインレイ・ラミネートプレス・打ち
抜き・外観検査・箔押し・エンボス/エンコード・券面印字・台紙へのカード貼り付け・カー
ドへのラベル貼り付け・断裁角丸・穴あけ・検査/出荷という、プラスチックカードの各製造
工程のオペレーションを5年から 10 年かけて学び、従業員各々が業務を兼務できるような
体制強化を図ってきました。
この点、山田弘直氏としては、当社の工場が立地する四国地方において人口減少が進んで
いること、工場内で働く従業員の高齢化が進みつつあることを踏まえると、技術の安定的な
継承の観点からは、新卒社員や中途社員の正社員採用を中心としつつも、パートやアルバイ
トの採用・教育、正社員への登用のための積極的な取組の強化が必要不可欠であると考えて
いるとのことです。
15
以上のような人材の獲得・育成体制を強化するための先行投資は、短期的には大幅な収益
及びキャッシュ・フローのマイナスを招く可能性があるものの、かかる人材投資こそが企業
の永続的な成長の基盤となるものであり、当社の中長期的な企業価値向上には必要不可欠で
あると考えているとのことです。
(iv)M&Aによる新規業態・新規事業への取組の強化
当社は、企画・デザイン・製版・印刷(オフセット・シルク・グラビア)・磁気加工・I
Cインレイ・ラミネートプレス・打ち抜き・外観検査・箔押し・エンボス/エンコード・券面
印字・台紙へのカード貼り付け・カードへのラベル貼り付け・断裁角丸・穴あけ・検査/出荷
という、プラスチックカードの製造工程の殆どを内製化することにより、プラスチックカー
ドの一貫生産を可能にしています。また、当社は、顧客の要望に応じ、所有する設備・技術
を活用して、プラスチックカード以外にも、プラスチック製のサインプレート・ワッペン・
名札・タグ・下敷き・その他販促POP品等の内製化による一貫生産を行っております。
山田弘直氏は、今後もプラスチックカード需要の減少傾向が予想される事業環境に対応し
ていくためには、当社がこれまでカード製造の一貫生産によって蓄積してきたノウハウを、
プラスチックカードやプラスチック製品の製造のみならず、プラスチック半製品の加工や技
術提携に活用することが必要不可欠であると考えているとのことです。
具体的には、既に行っている当社の社内におけるプラスチックカード以外のプラスチック
製品の製造拡充に加え、当社の技術を活用した資本・業務提携や、同種又は隣接事業を営む
他社とのM&A等も視野に検討を進める必要があると考えているとのことです。
当社は、関東市場における販売代理店網の強化を目的として、2006 年に後発の同業者で
あるウイルワン株式会社のカード事業を譲受け、100%子会社として株式会社ウイルワンカ
ードを設立した実績がありますが、これまで国内の同業他社等を対象とした買収実績はあり
ません。山田弘直氏は、今後プラスチックカード製造の市場規模が中長期的に縮小すること
が見込まれる中で、当社の東日本地域における販売代理店の獲得強化を目的とした他社との
業務提携を含む買収等を機動的に実行することにより、当社の売上及び収益の増加が実現で
きるものと考えているとのことです。
山田弘直氏は、上記(i)から(iv)の施策の実施は、中長期的に見れば当社の大きな成長及び
収益の拡大が見込まれるものの、直ちに当社の売上や利益に貢献できるものではなく、相当の時
間、戦略的投資を含む多額の各種先行投資が必要となること、各種先行投資やM&Aに付随する
のれん償却費等が伴う可能性があるという各施策の性質等を考慮すると、短期的には当社の利益
水準の著しい低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、当社が上場を維持した
ままこれらの各施策を実行した場合には、資本市場からの十分な評価を得ることができず、当社
の株式価値が大きく毀損する可能性があると考えているとのことです。他方、上記のとおり、当
社の置かれている事業環境を踏まえると、早急に上記(i)から(iv)の施策を実施することが必
要な状況であり、上記のような、株主の皆様へのリスクを最小限に抑えるために、かかる施策を
縮小し、又は先延ばしにすることは当社の中長期的な競争力・収益力を弱めることにつながる可
能性があると考えているとのことです。そして、山田弘直氏は、2021 年1月下旬、当該施策の実
16
施にあたっては、その短期的な効果にとらわれず、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な意思
決定を迅速かつ果敢に実施することが必要であるとともに、そのような意思決定を可能とする経
営体制を構築する必要があると考えるに至ったとのことです。
また、当社においては、現状の事業活動を継続するために必要な資金が確保できており、かか
る現在の財務状況及び現下の間接金融における低金利環境等に鑑みると、上場市場におけるエク
イティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれず、また、カード製造業界
における当社のブランド力や取引先に対する信用力は事業活動を通じて維持・獲得される部分が
より大きくなってきていることからすると、株式の上場を維持する必要性やメリットは相対的に
みて低下しているものと理解しております。他方で、近年、株式の上場を維持するために必要な
コスト(金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、監査費用、株
主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等)が増加しており、今後、株式の上
場を維持することが当社の経営上の負担となる可能性は否定できないものと考えております。
このような状況を踏まえ、山田弘直氏は、当社が今後も株式の上場を維持することによるメリ
ット、デメリット等について慎重に検討した結果、2021 年1月下旬、当社の企業価値向上と更な
る成長のためには、当社を非公開化することこそが、当社の株主の皆様のリスク負担を回避しつ
つ、中長期的な視点から抜本的かつ機動的に上記の各施策を実践するために最も有効な手段であ
るとの結論に至ったとのことです。また、当社株式を非公開化するにあたっては、当社が、55 年
にわたるプラスチックカード製造事業の中で構築してきた、カードの主要材料・副材料の仕入れ
先や全国の販売代理店等の取引先との信頼関係を基礎として事業を行っていることから、2007 年
以降当社の代表取締役社長を務めてその事業を熟知し、取引先との信頼関係を構築している山田
弘直氏自身がマネジメント・バイアウト(MBO)を実施し、上記各施策を迅速かつ果敢に実行
していくことが当社にとって最善であると考えるに至ったとのことです。
以上のような経緯で、山田弘直氏は 2021 年1月下旬より本取引に関する構想を持ち始め、2021
年3月 10 日には、当社に対して、当社のマネジメント・バイアウト(MBO)の実現可能性につ
いて検討したい旨の意向を伝え、2021 年3月 25 日、当社から協議に応じる旨の連絡を受けた上
で、2021 年4月 28 日、本公開買付けによる当社株式の取得及び所有等を主たる目的として公開
買付者を設立したとのことです。そして、公開買付者は、2021 年5月 28 日、当社に本不応募合
意株主が当社の非公開化後も株主として存続することを前提とした、本取引を正式に提案する旨
の提案書を提出し、本取引の実行の是非に関して、当社との間で具体的な協議・交渉を開始した
とのことです。
その後、公開買付者は、本取引の諸条件等についてさらに具体的な検討を進め、過去1年間に
おいて公表された 15 件の他社MBO事例の公表日前日終値に対するプレミアム率が約 15%~約
75%の範囲内にあること、また、当該 15 件のうち7件における(公表日前日終値に対する)プレ
ミアム率が約 30%~約 40%の範囲内にあることを勘案した上で、公開買付価格を 700 円と設定し
た場合、2021 年7月2日時点における当社株式の東京証券取引所JASDAQ(グロース)市場
における終値 545 円に対して 28.44%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算
において同じです。、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値 541 円(小数点以下四捨五入。
)
以下、終値単純平均値の計算において同じです。
)に対して 29.39%、同日までの過去3ヶ月間の
終値単純平均値 536 円に対して 30.60%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値 528 円に対
17
して 32.58%のプレミアムを加算しており、妥当な水準のプレミアムを付していると考えたこと
から、2021 年7月5日、当社に対して、本公開買付けに係る当社株式1株当たりの買付け等の価
格(以下「本公開買付価格」といいます。
)を 700 円とする提案を行ったとのことです。その後公
開買付者は、当社から、2021 年7月6日、当該提案価格は同時点での当社株式の市場株価を基準
とするとプレミアム水準としては未だ十分とはいえず、当社において事業計画に基づいて試算し
た当社株式の価格水準と比較しても不十分であるとの理由で、本公開買付価格の再検討の要請を
受けたことから、本公開買付価格の再検討を行い、2021 年7月 12 日に本公開買付価格を1株当
たり 725 円とする旨の再提案を行ったとのことです。その後さらに、当社から、2021 年7月 13
日、当社において事業計画に基づいて試算した当社株式の価格水準と比較しても未だ不十分であ
るとの理由で、本公開買付価格のさらなる引き上げの要請を受けたことから、2021 年7月 19 日
に本公開買付価格を1株当たり 800 円とする旨の再提案をしたものの、
公開買付者は、当社から、
2021 年7月 20 日、当該再提案に係る本公開買付価格は事業計画に基づいて試算した当社株式の
価格水準と比較すれば一定の評価はできるものの、なお十分な水準に達していないとして、当社
の少数株主にとってできる限り有利な取引条件を確保する観点から、本公開買付価格の一段の見
直しを要請されたとのことです。そのため、公開買付者は、2021 年7月 26 日、本公開買付価格
を 850 円とする旨の再提案をし、その後も当社との間で、継続的に協議・交渉を行い、その結果、
2021 年7月 30 日に、本公開買付価格を1株当たり 851 円とする旨の再提案を行ったところ、2021
年8月2日、当社から、最終的な意思決定は、本特別委員会(以下に定義します。
)の答申を踏ま
えた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提の下、公開買付者の提案を応諾する旨の回
答を受領したとのことです。このように、公開買付者は、当社との間で、継続的に本公開買付価
格の交渉を行ったとのことです。かかる協議・交渉の結果を踏まえ、公開買付者は、本日、本取
引の一環として、本公開買付価格を 851 円として本公開買付けを実施することを決定したとのこ
とです。
なお、公開買付者は、財務情報等の客観的な資料及び過去に行われたMBO事例におけるプレ
ミアム率を参考にするなど、当社株式の株式価値に関する諸要素を総合的に考慮し、かつ、当社
との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定しており、第三者算定機関からの株式価値算定書は
取得していないとのことです。
また、公開買付者は、上記当社との具体的な協議・交渉を開始する以前の 2021 年3月中旬、当
社の創業家一族でもある本不応募合意株主が所有する当社株式について、本公開買付けに応募す
ることを要請するか否かの検討を行った結果、2021 年3月下旬、公開買付者の資金負担を一定程
度抑えるとともに、短期的な財務状況の悪化等のリスクを恐れることなく上記(i)から(iv)までの
抜本的施策を迅速かつ果敢に実行していくためには、当社の設立時に創業者の元屋地文明氏が当
社株式の所有を開始して以降継続して当社の経営方針を支援・支持し、当社の経営理念を共有す
る創業家一族において、引き続き当社の株主として上記リスクを負担しつつ、当社の経営を支援・
支持してもらうことに意義があることから、本不応募合意株主に対し、本公開買付けに応募せず、
当社の株主として存続するよう要請することが最善であるとの認識に至ったとのことです。
そして、公開買付者は、2021 年7月上旬、本不応募合意株主に対し、引き続き当社の株主とし
て上記リスクを負担しつつ、当社の経営を支援・支持する意向があるかどうかを確認するととも
に、本不応募合意株主がそのような意向を有している場合は引き続き非公開化後の当社の株主と
18
して残留いただくよう打診しました。その結果、公開買付者は、2021 年7月上旬、
(i)山田弘直
氏は当社の代表取締役として、
(ii)加藤玄也氏は当社の取締役として、継続して当社の経営に当
たることを企図していること、
(iii)元屋地文明氏については、当社の創業者であり、当社が現在
も同氏から取引先との関係維持・拡大の支援等を受けており、同氏が本取引後も当社の株主とし
て残ることにより同氏からの助言を受けやすくなることや、山田弘直氏が本取引の具体的な検討
を開始して以降、本取引後における公開買付者ないし本合併後の当社の経営方針を支持する意向
を有していること、
(iv)元屋地駿氏は、創業者元屋地文明氏の孫であり、同氏の養子となり、本
取引後も継続して当社の従業員として勤務することを予定しており、本取引後における公開買付
者ないし本合併後の当社の経営方針を支持し、当社の従業員及び将来経営に関与する予定の者と
して、当社の経営を支援する意向を有していること、そして、
(v)山田弘直氏、加藤玄也氏、元
屋地文明氏及び元屋地駿氏とそれぞれ生計を同一にする山田美紀氏、加藤亜弥氏、松永里佳氏、
加藤瑠菜氏、加藤紗羅氏、松永竜馬氏及び村山裕香氏は、創業家一族として、本取引後における
公開買付者ないし本合併後の当社の経営方針を全面的に支持・支援する意向を有していることに
ついて、本不応募合意株主それぞれとの間で認識を共有・確認し、2021 年7月上旬、本不応募合
意株主より、本公開買付けが実施された場合、その所有する当社株式全部について本公開買付け
に応募しない旨の回答を得たとのことです。
これらの協議・交渉を経て、公開買付者は、本日、本不応募合意株主との間で、そのそれぞれ
が所有する本不応募合意株式の全部(所有株式数の合計 720,000 株、所有割合 35.38%)について
本公開買付けに応募しない旨を書面により合意したとのことです。
(イ) 本公開買付け後の経営方針
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、山田弘直氏は、本取引
後も継続して当社の代表取締役社長として経営にあたることを、また、加藤玄也氏は、本取引
後も継続して当社の取締役としてその経営にあたることを、それぞれ予定しており、 「
上記 (ア)
公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載
した経営を推進する予定とのことです。なお、当社のその他の取締役及び監査役と公開買付者
との間には、本公開買付け実施後の役員就任について何らの合意もなく、本公開買付け実施後
の役員構成を含む経営体制の詳細については、本公開買付けの成立後、当社と協議しながら決
定していく予定とのことです。公開買付者と当社のその他の取締役及び監査役との間において、
現時点において、本公開買付け成立後の役員就任についての具体的な合意はありませんが、当
社のその他の取締役及び監査役が今後も当社の役員として経営に携わり、当社の企業価値の向
上に対して一層前向きに取り組んでいただくことを想定しているとのことです。
また、本スクイーズアウト手続の完了後、法第 24 条第1項ただし書に基づき当社の有価証券
報告書提出義務の中断申請に対する承認が得られた後に、公開買付者と当社は、公開買付者を
吸収合併消滅会社、当社を吸収合併存続会社とする本合併を実施することを予定しているとの
ことです。本合併の具体的な実施時期については、本日現在未定ですが、本合併により、本不
応募合意株主のみが当社の株主となることを予定しているとのことです。
なお、本不応募合意株主は、当社が実施する本株式併合の結果、その所有する当社株式の数
が1株に満たない端数となり(なお、下記(注 15)に記載の場合、本不応募合意株主の所有す
19
る当社株式の全部が1株に満たない端数となります。、その端数の対価として当社又は公開買
)
付者から金銭を受領した場合、当該金銭の全額又はその一部(但し、公租公課等及び合理的な
諸経費は控除します。
)を本合併後の当社に再出資することを予定しているとのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
当社は、2021 年3月 10 日に山田弘直氏から当社のマネジメント・バイアウト(MBO)の手法によ
る当社株式の非公開化の実現可能性について検討したい旨の意向を受け、また、2021 年5月 28 日に公
開買付者から本取引に関する提案書の提出を受けたことから、本取引に関する具体的な検討を開始し
ました。
当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための
措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引における当社及び当社
取締役会の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するために、
2021 年5月中旬にリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事
業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を選任するとともに、2021 年6月9
日に本取引の提案を検討するための特別委員会を設置しました(以下「本特別委員会」といいます。委
員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「
(6)本公開買付価格の公正性を担保するため
の措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③
当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)の取得」をご参照ください。。また、2021
)
年5月中旬にフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサ
ルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を選任し、公開買付者からの提案
を検討するための体制を整備し、検討を進めてまいりました。その後、当社は、当該検討を踏まえ、本
特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づ
いた上で、プルータス・コンサルティング及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けなが
ら、本取引の実行の是非に関して公開買付者との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間
単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
また、プルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみで
あり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
また、本公開買付価格については、当社は、2021 年7月5日に本公開買付価格を 700 円とする旨の
提案を受けた後、プルータス・コンサルティングから受けた当社株式の株式価値算定に係る試算結果
の報告内容及び本特別委員会により事前に確認された交渉方針を踏まえた上で、2021 年7月6日に当
該提案価格は同時点での当社株式の市場株価を基準とするとプレミアム水準としては未だ十分とはい
えず、当社において事業計画に基づいて試算した当社株式の価格水準と比較しても不十分であるとし
て、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、2021 年7月 12 日に本公開
買付価格を1株当たり 725 円とする旨の提案を受けましたが、当社において事業計画に基づいて試算
した当社株式の価格水準と比較しても未だ不十分であるとして、2021 年7月 13 日に再度当社から、本
公開買付価格を再提案いただきたい旨を改めて要請しました。その後、当社は、公開買付者より、2021
年7月 19 日に本公開買付価格を1株当たり 800 円とする旨の提案を受けました。当社は、当該再提案
に係る本公開買付価格は事業計画に基づいて試算した当社株式の価格水準と比較すれば一定の評価は
20
できるものの、なお十分な水準に達していないとして、当社の少数株主にとってできる限り有利な取
引条件を確保する観点から、2021 年7月 20 日に本公開買付価格の一段の見直しを要請し、2021 年7
月 26 日、本公開買付価格を 850 円とする旨の提案を受け、その後も公開買付者との間で、継続的に協
議・交渉を行い、その結果、2021 年7月 30 日に、本公開買付価格を1株当たり 851 円とする旨の再提
案を受けました。当社は、当該提案について、その妥当性を本特別委員会に確認するほか、プルータ
ス・コンサルティングからさらに意見等を聴取した結果、2021 年8月2日、最終的な意思決定は、本
特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提の下、公開買付者の当
該提案は、その時点における経済情勢、市場動向、その他当社をめぐる経営環境の下で、妥当な価格で
あると判断いたしました。そして、当社は、2021 年8月4日付でプルータス・コンサルティングから
取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容も踏まえてさらに慎重に検
討を行い、その結果、当該価格は、市場価格から見れば相応のプレミアムが付されていると評価でき、
また、下記「
(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のプルータス・コンサルティング
によるディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
)の算定結果のレ
ンジの範囲内にあり、合理性を有すると判断いたしました。このように、当社は、公開買付者との間
で、継続的に本公開買付価格の交渉を行いました。
さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引
に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的
助言を受けるとともに、本特別委員会から 2021 年8月4日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)
の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、 「
下記 (6)
本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付け
の公正性を担保するための措置」 「③
の 当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)
の取得」をご参照ください。。その上で、当社は、プルータス・コンサルティングから提供を受けた財
)
務的見地からの助言及び本株式価値算定書、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た法的助言を
踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて
当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数
株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に検討を行いました。
当社としては、上記のような事業環境を踏まえ、様々な施策に取り組んでまいりましたが、このよう
な状況下では、中長期的に当社の企業価値が毀損される可能性は否定できず、今後、当社が安定的かつ
継続的に企業価値を向上させるためには、短期的な業績変動に捉われることなく、迅速かつ柔軟な経
営判断や機動的な戦略的投資を実施していくことが必要であると考えております。そして、公開買付
者は、上記「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過
程」に記載のとおり、中長期的な企業価値の向上につながる施策への戦略的投資を積極的かつ迅速に
行うことにより当社の事業の構造改革を断行し、新たな成長基盤を構築する必要があり、そのために、
適時に柔軟かつ迅速果敢に事業を再構成できる経営体制の構築が不可欠と考えているとのことですが、
当社としても、この点につき同様の認識を有しており、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な意思
決定を迅速かつ果敢に実施することが必要であるとともに、そのような意思決定を可能とする経営体
制を構築する必要があると考えております。
具体的には、当社は、公開買付者から、本取引の協議・交渉の過程において、上記「(ア)公開買付
者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社に
21
ついて、
(i)EC売上の拡大とWeb上の取組の強化、
(ii)低価格・短納期のための取組の強化、
(iii)
人材獲得・育成の強化、
(iv)M&Aによる新規業態・新規事業への等の施策を実施する必要があると
の伝達を受けており、当社としても、かかる施策の必要性について慎重に検討を行った結果、それらの
施策は、当社の中長期的かつ安定的な高収益企業となるために積極的に推進していくべき施策であり、
かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、かかる施策は、中長期的に見れば当社の大きな成長及び収益の拡大が見込まれるも
のの、直ちに当社の売上や利益に貢献できるものではなく、相当の時間、戦略的投資を含む多額の各種
先行投資が必要となること、各種先行投資やM&Aに付随するのれん償却費等が伴う可能性があると
いう各施策の性質等を考慮すると、短期的には当社の利益水準の著しい低下やキャッシュ・フローの
悪化をもたらすリスクがあり、当社が上場を維持したままこれらの各施策を実行した場合には、資本
市場からの十分な評価を得ることができず、当社の株式価値が大きく毀損する可能性があると考えて
おります。他方で、上記のとおり、当社の置かれている事業環境を踏まえますと、早急に抜本的な対応
策を実施することが必要であると考えております。
このような状況下において、当社としては、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記
の悪影響を回避しつつ、抜本的かつ機動的な経営戦略を実践し中長期的な視点から当社の企業価値を
向上させるためには、公開買付者によるマネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を
非公開化するとともに、当社の所有と経営を一定の範囲で一致させ、公開買付者、取締役及び従業員が
一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要であると
考えております。そして、上記の各施策を効率的に実施するためには、当社の事業及び経営環境を熟知
している当社の代表取締役である山田弘直氏が発行済株式の全部を所有し、かつ、代表取締役を務め
る公開買付者によって、当社を非公開化し、当社の実質的な株主を公開買付者及び創業家一族として
本取引後における公開買付者ないし本合併後の当社の経営方針を全面的に支持・支援する意向を有し
ている本不応募合意株主に限定した上で、山田弘直氏が中心となってその経営を担うことが、上記の
各施策の実効性を高める観点から有用であると判断しました(なお、本取引後の当社の資本関係の概
要については、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」
に記載のとおりです。。
) また、当社は、本取引実施後の効率的事業運営を可能とする株式保有体制を構
築するための本合併を含む、一連の本取引の方法についても不合理なものではないと判断しました。
加えて、当社株式の非公開化を行った場合には、金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な情
報開示等に対応するために増加を続けていた上場維持コストを削減することができ、経営資源のさら
なる有効活用を図ることも可能になると考えております。
なお、当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金
調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名
度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかし
ながら、現状の事業活動を継続するために必要な資金が確保できており、かかる現在の財務状況及び
現下の間接金融における低金利環境等に鑑みると、上場市場におけるエクイティ・ファイナンスの活
用による資金調達の必要性は当面見込まれず、また、カード製造業界における当社のブランド力や取
引先に対する信用力は事業活動を通じて維持・獲得される部分がより大きくなってきていることから
すると、株式の上場を維持する必要性やメリットは相対的に低下しているものと理解しております。
したがって、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、上記のデメリットを上回ると判断
22
いたしました。
以上を踏まえ、当社は、本日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引により当社株式を
非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、当社取締役会は、本公開買付価格(851 円)が、
(i)下記「(3)算定に関する事項」に記載さ
れているプルータス・コンサルティングによる当社株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく
算定結果のレンジの上限額を上回るとともに、DCF法による算定結果のレンジの範囲内にあること、
(ii)本公開買付けの公表日の前営業日である 2021 年8月4日の東京証券取引所JASDAQ(グロ
ース)市場における当社株式の終値 551 円に対して、54.45%、2021 年8月4日までの過去1ヶ月の終
値単純平均値 535 円に対して 59.07%、過去3ヶ月間の終値単純平均値 535 円に対して 59.07%、過去
6ヶ月間の終値単純平均値 532 円に対して 59.96%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であること、
(iii)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られ
ている等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(iv)上記利益相反を回避する
ための措置が採られた上で、当社と公開買付者の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等
の協議・交渉が複数回行われ、より具体的には、本特別委員会との協議、プルータス・コンサルティン
グによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や財務的見地からの助言及びアンダーソン・毛利・
友常法律事務所から受けた法的助言等を踏まえながら、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で
決定された価格であること、
(v)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状
況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格を含む
本取引の条件の妥当性は確保されている旨の意見を述べていること等を踏まえ、当社は、本日開催の
取締役会において、本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買
付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付
けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしま
した。
なお、本公開買付価格は、当社の 2021 年6月末時点の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額
である 1,140 円(1円未満を四捨五入。 を下回っておりますが、
) 当社が保有する資産の売却困難性や、
清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額が
そのまま換価されるわけではなく、相当程度棄損することが見込まれており、本公開買付価格は1株
当たりの実質的な清算価値を上回っているものと考えております。また、純資産額は会社の清算価値
を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算
定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は本日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(山田弘直氏及
び加藤玄也氏を除く全ての取締役である取締役2名)の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明す
るとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。なお、
かかる当社の取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより
当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。また、当社の上記取締役会に
は、当社の全ての監査役である監査役3名が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことにつ
いて異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の代表取締役社長である山田弘直氏は、公開買付
23
者の発行済株式の全部を保有する株主であり、公開買付者の代表取締役を兼任していること及び本公開買
付け後も継続して当社の代表取締役社長として当社の経営にあたることが予定されており、また、山田弘
直氏の親族であり当社の取締役である加藤玄也氏は、本公開買付け後も継続して当社の取締役としてその
経営にあたることが予定されていることから、それぞれ、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態に
あるため、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開
買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
(3)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付
価格に対する意思決定の公正性を担保するために、当社、公開買付者及び不応募合意株主(以下、総称
して「公開買付関連当事者」といいます。
)から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算
定機関であるプルータス・コンサルティングに対し、当社株式価値の算定を依頼し、2021 年8月4日
付で、本株式価値算定書を取得いたしました。プルータス・コンサルティングは、公開買付関連当事者
の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会は、初回の会合において、プルータス・コンサルティングの独立性及び専門性に問
題がないことを確認した上で、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認
しております。なお、当社は、プルータス・コンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意
見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
② 算定の概要
プルータス・コンサルティングは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業
であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社
が東京証券取引所JASDAQグロース市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価
法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法を算定手法として用いて当社
株式の価値算定を行いました。なお、類似会社比較法は、当社の事業内容の特殊性から、適切な類似上
場会社を選定することが困難であるため、算定手法として採用していないとのことです。
上記の各手法を用いて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 532 円~551 円
DCF法 790 円~1,073 円
市場株価法では、算定基準日を 2021 年8月4日として、東京証券取引所JASDAQグロース市場
における当社株式の基準日終値 551 円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値 535 円、直近3ヶ月の終値
の単純平均値 535 円、及び直近6ヶ月の終値の単純平均値 532 円を基に、当社1株当たりの株式価値
の範囲を 532 円~551 円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した 2022 年3月期から 2027 年3月期までの事業計画における収益予測
及び投資計画、並びに一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が 2022 年3月期第2四半
期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて
24
当社の企業価値や株式価値を算定しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:
Weighted Average Cost of Capital)とし、5.288%~9.214%を採用しております。また、株式価値の算定
にあたっては永久成長率法を採用し、0%の永久成長率を採用しております。その結果、当社株式の1
株当たりの株式価値の範囲を 790 円~1,073 円と算定しております。
プルータス・コンサルティングがDCF法で算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測は
以下のとおりです。なお、当該財務予測には大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりま
す。具体的には、2022 年3月期は、新型コロナウイルスの影響が当面の間続くとの前提の下、既存の
販売代理店との連携を積極的に行いつつ、中部地域を含む東日本地域における販売代理店の獲得、及
びWeb事業の強化によるオンデマンド印刷による短納期かつ小ロット案件の獲得強化により、対前
期比 62 百万円増の0百万円の営業利益を見込んでおります。この点、同年第1四半期において営業損
失が 11 百万円計上されているところ、以下の財務予測のとおり、第2四半期以降、上記取組の効果に
より、営業利益が 11 百万円計上されることを見込んでおります。2023 年3月期以降 2027 年3月期ま
でにおいても、上記取組が利益貢献するとの見通しから、前年比で大幅な増益を見込んでおります。ま
た、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減
効果を除き、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、当該財務
予測には加味しておりません。
(単位:百万円)
2022 年
2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 2027 年
3月期
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
(9か月)
売上高 749 990 1,020 1,075 1,134 1,200
営業利益 11 4 8 30 52 72
EBITDA 108 134 155
80 86 85
(注 14)
フリー・キャッ
33 26 22 30 48 62
シュ・フロー
(注 14)EBITDAは、営業利益に上場維持コストの削減効果、毎期経常的に発生する不動産賃貸
収入及び受取配当金、並びに減価償却費を加算することで計算し、フリー・キャッシュ・フロ
ーは当該EBITDAを基に算出しております。
プルータス・コンサルティングは、当社株式の価値算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般
に公開された情報を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が全て正確かつ完全なもの
であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当
社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。
)に関して独自の評価・査定を
行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関
する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成
されたことを前提としております。なお、当該財務予測は当社が作成した事業見通しに基づいており、
プルータスが当社との間で複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しており、また、本
25
特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
(4)上場廃止となる見込みがある旨及びその理由
当社株式は、本日現在、東京証券取引所JASDAQ(グロース)市場に上場されておりますが、公
開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第
では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性が
あります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記
「
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項) に記載の本スクイー
」
ズアウト手続が実行された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手
続を経て上場廃止になります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所JASDAQ(グロース)市
場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概
要」に記載のとおり、本公開買付けにより当社株式の全部(但し、当社が所有する自己株式及び本不応
募合意株式を除きます。
)を取得することができなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方
法により、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとするための本スクイーズアウト手続
を行うことを企図しているとのことです。
具体的には、本公開買付けの成立後、公開買付者は、当社に対して、2021 年 11 月中旬開催予定の当
社臨時株主総会(以下「本株主総会」といいます。
)において、会社法第 180 条に基づき当社株式の併
合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。
)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数
の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含めることを要請する予定とのことで
す。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。な
お、公開買付者及び本不応募合意株主は、本株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことで
す。公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を 675,878 株(所有割合 33.20%)と設
定しているため、本公開買付けの成立後において、公開買付者が保有する当社の株式数と本不応募合
意株式数(720,000 株。所有割合 35.38%)を合算すると、1,395,878 株(所有割合 68.58%)以上となり、
公開買付者と不応募合意株主とで、その所有割合は3分の2を超えるため、上記各議案は成立する見
通しであるとのことです。
本株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた後、本株式併合がその効力を生
ずる日において、当社の株主の皆様は、本株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に
応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満た
ない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第 235 条及び第 234 条第2項な
いし第5項その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない
端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。
)に相当する当社株式を当社又は
公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に
相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の
各株主(但し、当社、公開買付者及び本不応募合意株主を除きます。
)に交付される金銭の額が、本公
26
開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、
裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うよう当社に要請する予定とのことです。また、当社株式
の併合の割合は、本日現在において未定ですが、公開買付者は、公開買付者及び本不応募合意株主が当
社の発行済株式の全部(但し、当社が所有する自己株式を除きます。
)を所有することとなるよう、本
公開買付けに応募されなかった当社の株主(但し、当社、公開買付者及び本不応募合意株主を除きま
す。
)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう、当社に対して要請す
る予定とのことです(注 15)
。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要
請に応じる予定です。
(注 15)本公開買付けの結果、本不応募合意株主のいずれかの所有株式数と同数以上の当社株式を所
有する株主(公開買付者及び本不応募合意株主を除きます。)が存在し、又は本株式併合の効
力発生の直前の時点でかかる株主が生じることが見込まれる場合は、本スクイーズアウト手続
において、かかる株主が本取引後も当社の株主として残存することのないよう、かかる株主と
同数以下の当社株式を所有する本不応募合意株主の所有する当社株式の数も1株に満たない
端数となるような併合の割合とする予定とのことです。そのような場合には、かかる株主と同
数以下の当社株式を所有する本不応募合意株主は、当社の株主として残留することなく、その
所有する端数の対価として金銭を受領することとなりますが、当該金銭の全額又はその一部
(但し、公租公課等及び合理的な諸経費は控除します。)を本合併後の当社に再出資すること