7777 J-3Dマトリックス 2019-07-22 15:00:00
吸収性局所止血材(TDM-621)の国内治験終了のお知らせ [pdf]

                                                  2019 年 7 月 22 日

各     位


                      東 京 都 千 代 田 区 麹 町 三 丁 目 2 番 4 号
                      会   社   名   株式会社スリー・ディー・マトリックス
                      代 表 者 名     代 表 取 締 役 社 長   岡    田         淳
                                             (コード番号:7777)
                      問 合 せ 先     取    締     役   新 井 友 行
                      電 話 番 号                         03 (3511)3440


          吸収性局所止血材(TDM-621)の国内治験終了のお知らせ

    当社は自己組織化ペプチド技術を用いた吸収性局所止血材(以下「TDM-621」)に関して、この
度、治験実施施設における被験者の募集を終了致しましたので、お知らせいたします。


    当社はTDM-621について医療機器として治験計画届を2017年4月11日付で独立行政法人医薬品医療
機器総合機構(以下「PMDA」)に提出し、治験を進めて参りました。


    本治験は消化器内視鏡領域におけるTDM-621の有効性と安全性を確認するランダム化比較試験とし
て大学病院を含む複数の医療機関にて実施して参りましたが、当社が有効性と安全性を評価するた
めに必要と考える症例数に到達いたしましたので、2019年 7月24日に内視鏡治療予定の症例にて治
験を終了いたします。今後は、症例の観察期間の終了後にデータ解析を行い、2019年10月末までに
PMDAに製造販売承認申請を実施する予定です。


    当社は TDM-621 に関して扶桑薬品工業株式会社(本社:大阪)と日本国内における独占販売権許諾
契約を締結しており、製造販売承認取得後に製品販売を計画しております。欧州においては後出血予
防用途が適応追加されており、FUJIFILM Europe BV と消化器内視鏡領域での独占販売権許諾契約
を締結し、同領域を製品販売の主力領域と位置付けております。


    日本国内での消化器内視鏡治療件数は 80 万件以上で欧州以上の市場規模を有していると推計して
おり、当社では欧州での販売経験を踏まえて日本国内市場への製品の迅速な浸透を図って参ります。


    なお、本件による2020年4月期の通期業績への影響はありません。また現段階では2019年6月14
日公表の中期経営計画への影響はありませんが、影響が生じる場合には内容を精査した段階で速や
かに公表させていただきます。


                                                             以   上
【吸収性局所止血材:TDM-621の特徴】
 TDM-621は、人体の構成成分である3 種のアミノ酸から成るペプチドを原料とした透明な液体
で、血液に触れると瞬時にハイドロゲルを形成する特性(自己組織化)により、出血面を物理的に
塞いで止血を行うものです。
 既存製品である外科用止血剤(材)は、ヒト由来のフィブリンを原料とした製品、ウシ由来のコ
ラーゲンを原料とした製品群でありますが、TDM-621は原材料のペプチドが化学合成により製造さ
れていることから、動物由来の物質を完全に排除し、C 型肝炎ウイルス等に感染するリスクがあり
ません。その他、TDM-621はプレフィルドシリンジ製品(注射器に水溶液が充填されている)で使
用が簡便であり、使用後は洗い流しが可能なこと、体内に残ったものもアミノ酸に分解されて速や
かに体外に排出されること、透明で手術中の患部がよく見えること、など接着力をベースとした既
存製品とは一線を画す製品特性を備えており、これまで止血材の使用が困難であった施術において
も適用が広がり、医療従事者および患者のリスク・負担軽減が期待されるものです。


【内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection:ESD)】
 内視鏡的に使用可能な高周波メスを使って、粘膜下層のレベルで病変を剥がし取る手技であり、
主に消化管腫瘍の治療に用いられます。本手技の特徴は、1.周囲粘膜の切れ込みを入れる点、
2.粘膜下層の剥離操作を行う点です。これらが加わることで、切除範囲を思い通りに決める(狙
った範囲を正確に切り取る)ことができ、切除できる大きさに制限がなくなり、潰瘍を伴っていて
固有筋層に固着しているような病変も切除できるようになりました。