7777 J-3Dマトリックス 2021-11-09 15:30:00
放射線性大腸炎治癒材の販売承認申請に関するお知らせ [pdf]

                                                        2021 年 11 月 9 日

各     位


                           東 京 都 千 代 田 区 麹 町 三 丁 目 2 番 4 号
                           会   社   名   株式会社スリー・ディー・マトリックス
                           代 表 者 名     代 表 取 締 役 社 長   岡    田        淳
                                                  (コード番号:7777)
                           問 合 せ 先     取    締     役   新 井 友 行
                           電 話 番 号                         03 (3511)3440




              放射線性大腸炎治癒材の販売承認申請に関するお知らせ

    当社は、当社の米国子会社 3-D Matrix, Inc.が、現地時間の 2021 年 11 月 8 日に、Radiation
Proctitis(放射線性大腸炎)向け創傷治癒材に関して、米国食品医薬品局(FDA)に対し、市販前届
510(k)の承認申請を提出した旨の連絡を受けましたので、お知らせいたします。
    なお、本申請の先行品として市販前届 510(k)を申請した口腔粘膜炎治癒材については、2021 年
10 月に FDA より既に承認を受けております。


    本製品は、当社グループが米国マサチューセッツ工科大学(MIT)よりライセンスを受けた自己組
織化ペプチド技術を用いて開発しており、放射線性大腸炎などの直腸粘膜炎により損傷した粘膜組
織に塗布することで粘膜組織上に保護膜を形成し、二次炎症の防止や痛みの軽減に加え創傷治癒に
最適な湿潤環境を維持することを目的とします。


 放射線性大腸炎は、前立腺がんや子宮がん等への放射線療法に起因する副作用で、大腸粘膜の炎症
を高頻度で引き起こします。2割程度の患者は慢性的な下血、頻繁な排便、激しい腹痛、直腸狭窄を
伴う晩期障害に悩まされておりますが、現時点では有効な治療法が確立されておらず対症療法が中
心となっており、特に患者の QOL 上のアンメットニーズが大きい状況です。


 放射線性大腸炎への有効な治療法が待ち望まれる中、当社止血材「PuraStat」は欧州において当該
症状に対して消化器内視鏡的に使用され、止血だけでなく正常組織への回復が促進されるなどの画
期的な炎症の治癒効果が医師より報告され、医療現場からも放射線性大腸炎向け創傷治癒材として
の製品化を強く望まれております。
 更に、放射線性大腸炎向けの創傷治癒材開発の次段階としては、同様に消化管粘膜に炎症が生じる
疾患である炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)をターゲットとした創傷治癒材の開発を指
向しております。潰瘍性大腸炎とクローン病の総称である炎症性腸疾患は米国人口の約 1.3%(約 300
万人)が罹患する患者数の非常に多い疾患である一方で未だに原因がはっきりと解明されておらず、
現在の内科治療や手術に加えて患者の QOL 向上に寄与する有効な治療法が待ち望まれています。


 現在、米国では癒着防止兼止血材「PuraSinus」の販売を開始し、消化器内視鏡領域向け止血材も
製造販売承認を本年 6 月に取得し早期の販売開始へ向けた準備を進めております。これら製品に加
え、来期以降には口腔粘膜炎や放射線性大腸炎、更には炎症性腸疾患の治癒材についても早期製品化
を進め、製品ラインナップを更に拡充していく計画です。


 なお、現在公表の当期の通期業績には影響ありません。中長期の業績への影響につきましては現在
精査中ですので、影響が生じる場合には速やかに公表させて頂きます。


                                                            以   上


(*1) 米国における医療機器の審査制度の1つ。一般的には、90 日~180 日で審査が終了。承認取得後は速やかに販売開始を予定
しています。