7777 J-3Dマトリックス 2021-03-16 15:00:00
2021年4月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                2021年4月期               第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                               2021年3月16日
上 場 会 社 名   株式会社スリー・ディー・マトリックス        上場取引所         東(JASDAQグロース)
コ ー ド 番 号   7777                  URL http://www.3d-matrix.co.jp/
代   表   者 (役職名)代表取締役社長       (氏名)岡田 淳
問合せ先責任者   (役職名)取締役           (氏名)新井 友行                  (TEL) 03(3511)3440
四半期報告書提出予定日       2021年3月16日  配当支払開始予定日               ―
四半期決算補足説明資料作成の有無 : 無
四半期決算説明会開催の有無                 :    無
                                                                                        
                                                                                            (百万円未満切捨て)
1.     2021年4月期第3四半期の連結業績(2020年5月1日~2021年1月31日)
(1)連結経営成績(累計)                                                               (%表示は、対前年同四半期増減率)
                                                                                    親会社株主に帰属
                          事業収益                      営業利益                   経常利益
                                                                                    する四半期純利益
                          百万円           %           百万円           %        百万円         %            百万円           %
 2021年4月期第3四半期       705  39.1   △1,852    ―   △1,470 ―      △1,566  ―
 2020年4月期第3四半期       506 161.4   △1,892    ―   △2,037 ―      △2,138  ―
(注) 包括利益 2021年4月期第3四半期 △1,883 百万円 (―%) 2020年4月期第3四半期 △1,985 百万円 (―%)
                                                       
                                潜在株式調整後
                   1株当たり
                                  1株当たり
                  四半期純利益
                                 四半期純利益
                                    円   銭                     円   銭
2021年4月期第3四半期                      △39.52                         ―
2020年4月期第3四半期                      △72.60                         ―
                                                                                        
(2)連結財政状態
                          総資産                       純資産                自己資本比率
                                    百万円                      百万円                       %
2021年4月期第3四半期                       3,667                    1,855                  38.5
 2020年4月期               3,115                                   473                  1.8
(参考) 自己資本 2021年4月期第3四半期 1,413 百万円                           2020年4月期           57 百万円


2.配当の状況
                                                        年間配当金

                    第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                               期末              合計
                          円    銭            円   銭            円    銭        円    銭          円    銭
    2020年4月期                  ―             0.00                  ―         0.00            0.00
    2021年4月期                  ―             0.00                  ―
    2021年4月期(予想)                                                            0.00            0.00
 (注)   直近に公表されている配当予想からの修正の有無                           :    無
 
3.2021年4月期の連結業績予想(2020年5月1日~2021年4月30日)
                                                                               (%表示は、対前期増減率)
                                                                           親会社株主に帰属  1株当たり
                   事業収益              営業利益                   経常利益
                                                                            する当期純利益  当期純利益
                   百万円     %           百万円          %        百万円       %         百万円        %             円   銭
           1,289~ 91.7~ △2,345~                         △2,350~            △2,448~                   △76.82~
    通期                          ―                                     ―                     ―
             2,339 247.8 △1,295                          △1,300             △1,398                    △43.88
 (注) 直近に公表されている業績予想からの修正の有無                             : 無
 
※       注記事項
(1)当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動                     : 無

        (連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)

        新規      ―社 (社名)          、除外    ―社 (社名)

(2)四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用                     : 無
(3)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
        ①   会計基準等の改正に伴う会計方針の変更                 : 無

        ②   ①以外の会計方針の変更                        : 無

        ③   会計上の見積りの変更                         : 無

        ④   修正再表示                              : 無
(4)発行済株式数(普通株式)
        ①   期末発行済株式数(自己株式を含む)     2021年4月期3Q    42,071,026株   2020年4月期     31,876,450株

        ②   期末自己株式数               2021年4月期3Q          246株    2020年4月期           246株

        ③   期中平均株式数(四半期累計)        2021年4月期3Q    39,632,705株   2020年4月期3Q   29,455,554株

 
※   四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
 
※   業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
        本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると
    判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業
    績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあた
    っての注意事項等については、添付資料5ページ「1.当四半期決算に関する定性的情報(3)連結業績予想など
    の将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
 
              株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


○添付資料の目次



    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………2

    (1)経営成績に関する説明 ………………………………………………………………………………2

    (2)財政状態に関する説明 ………………………………………………………………………………5

    (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 …………………………………………………5

    2.四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………6

    (1)四半期連結貸借対照表 ………………………………………………………………………………6

    (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 …………………………………………7

    (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 ……………………………………………………………9

      (継続企業の前提に関する注記) ……………………………………………………………………9

      (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) ……………………………………………10

      (セグメント情報) ……………………………………………………………………………………10

      (重要な後発事象) ……………………………………………………………………………………10

    3.その他 ……………………………………………………………………………………………………11

      継続企業の前提に関する重要事象等 …………………………………………………………………11




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                    株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
 ①当期の経営成績
  当社グループは米国Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学、以下「MIT」とい
 う。)の発明による自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発・製造・販売に引き続き注力しており、主
 に外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「止血材」という。)、粘膜隆起材:TDM-644(以下「粘膜隆起
 材」という。)、癒着防止材:TDM-651(以下「癒着防止材」という。)、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711
 (以下「歯槽骨再建材」という。)及び創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)、ドラッグ・デリバ
 リー・システム(以下「DDS」という。)領域ではsiRNA核酸医薬:TDM-812の開発を行う等事業展開を進めてまいり
 ました。


 【研究開発の状況】
  当社グループは、外科医療や再生医療の発展に寄与すべく、自己組織化ペプチド技術を、外科領域では止血材、
 粘膜隆起材、後出血予防材や癒着防止材等、再生医療領域では歯槽骨再建材及び創傷治癒材等、DDS領域ではsiRNA
 核酸医薬等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。


  外科領域:
  止血材(TDM-621)
  日本において消化器内視鏡治療における漏出性出血に対する止血を対象として実施しておりました治験が、2019
 年7月に終了し、2019年10月に製造販売承認申請を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」とい
 う。)に提出しておりましたが、2020年7月にPMDAより製造販売承認を取得しております。
  欧州では2014年にCEマークを取得しており、現在ヨーロッパ全域において販売中です。中枢神経分野等領域の拡
 大や、創傷治癒等機能の拡大等、今後も継続して複数の分野で適応拡大を進め、オンリーワンの製品となれるよう
 価値を一層高めていく方針です。
  米国では2021年1月に消化器内視鏡治療領域において、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)に510(k)のプ
 ロセスにて承認申請を行いました。510(k)は一般的に90日~180日の審査期間とされているため、比較的早期の承
 認取得を見込んでおります。また、承認取得後に向けて、創傷治癒や癒着削減等のより高い付加価値がつけられる
 開発方針も模索しております。


  粘膜隆起材(TDM-644)
  日本において製品の優位性を高めるため、ペプチドに改良を加えた新たな配列で開発を進めております。開発方
 針につきPMDAと協議を重ねた結果、性能と安全性が既存製品と同等であることを非臨床試験で十分に検証できれば、
 臨床試験を必要としない改良医療機器としての申請が妥当との見解が得られております。これを受けて当社では、
 非臨床試験において必要な検証事項をクリアし、2020年12月1日に製造販売承認申請を提出しております。


  後出血予防材
  欧州において消化器内視鏡治療時に生じる後出血予防効果に関して、2018年12月に適応追加が承認されました。
 また、オーストラリアにおいても後出血予防効果に関して、2019年9月に適応追加が承認されました。治療後に起
 こる後出血は、再手術が必要となることから患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。消化
 器内視鏡治療における出血はおおよそ5%程度であるのに対し、治療後に後出血が懸念されるリスクの高い患者・手
 技はおおよそ30%あるとされており、本適応の追加により当社製品が獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があり
 ます。


  次世代止血材(TDM-623)
  MITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした、現在の止血材と異なる当社が独自に特
 許を保有する新規ペプチド配列を用いた開発品です。現在の止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコ
 スト低減等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。欧州に
 おいては、製造管理・品質管理基準であるGMP(Good Manufacturing Practice)に則ったコマーシャルスケールの



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                   株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


製造方法は既に確立しており、最終製品を用いた前臨床試験が終了し、2020年10月10日にベルギーの監督当局に治
験計画届を提出いたしました。日本においては、既に承認されている製品を先行品として、改良医療機器(臨床試
験なし)での申請可能性も検討しつつ、開発を進めてまいります。


 癒着防止材(TDM-651)
 2019年4月に米国にて、耳鼻咽喉科領域においてFDAより販売承認を受けております。当社グループの米国におけ
る初めての上市製品です。本製品は、癒着防止、止血及び創傷治癒を同時に行える現状唯一の製品であることから、
鼻甲介切除術や鼻中隔形成術等において高い臨床的価値を提供でき得るものと期待しております。


 再生医療領域:
 歯槽骨再建材(TDM-711)
 米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し、骨形成に良好な結果やデータを得ております。一方で、
プロトコルに改善の余地があったため、2018年4月期に臨床試験を12症例追加で継続する等、臨床試験を継続して
おり、今後も引き続き製品化に向けた開発を進めてまいります。現在の試験完了後のステップについてはFDAと協議
中です。


 創傷治癒材(TDM-511)
 2015年2月にFDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。より高い臨床的価値が求められる重度の熱傷
や、皮膚がんの分野への進出を目指して、他薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤等)も視野に入れて
研究を進めております。また、巨大市場である美容整形分野にもアクセスすべく、2019年11月にFDAへ適応拡大申請
を提出しておりましたが、2020年5月にその承認を取得しております。美容整形分野は一般の医療市場とは異なる
マーケティング・アプローチが必要と考えており、まずは市場開拓に必要な臨床データを取得しつつ、市場ニーズ
や市場構造を踏まえた販売戦略・販売チャネルを企画してまいります。


 放射線性直腸炎治癒材
 2021年1月に、米国FDAに510(k)のプロセスにて口腔粘膜炎治癒材の販売承認申請を提出しております。当社は口
腔粘膜炎治癒材の承認取得を放射線性直腸炎治癒材の開発に向けた前段階と位置付けております。放射線性直腸炎
は、前立腺がんや子宮がん等への放射線療法に起因する副作用で、大腸粘膜の炎症を高頻度で引き起こします。ま
た、2割程度の患者は慢性的な下血、頻繁な排便、激しい腹痛等の晩期障害に悩まされており有効な治療法の確立
が望まれております。当社の止血材製品は、ヨーロッパの臨床研究において、放射線性直腸炎に対して画期的な治
癒効果が観察されております。当社では本領域のアンメットニーズに応えるため、早期の製品化を目指し開発を進
めてまいります。


 DDS領域:
 国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおい
て、自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDSとして提供しておりました。本研究を引き継ぐTDM-812に関して
は、聖路加国際病院による治療抵抗性の乳がんを対象とした第Ⅰ相医師主導の治験計画届を、2020年3月にPMDAへ
提出いたしました。当社は、国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得し
ており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
 広島大学との共同プロジェクトにおいても、悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性
剤ペプチドを提供し、共同開発を進めております。


 製品原価率を大幅に低減するための製造方法の変更検討:
 当社グループは、当社製品群の製品原価率を大幅に低減すべく、滅菌方法の変更及び製造スケール・アップを進
めております。2020年10月2日付で欧州の第三者認証機関であるBSIに新たな製造方法への変更申請を提出してお
り、審査は順調に進捗しているとの認識です。2022年4月期からの実装を予定しております。




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                      株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


 抗体検査領域:
 COVID-19抗体検査キットを、欧米に販売実績のあるPrometheus Bio社と日本市場向けに共同開発を進めておりま
す。Prometheus Bio社の抗体検査キットであるCoronavirus IgG/IgM Antibody(COVID-19)Test Cassetteは、血液、
血清及び血漿中の2019-nCoVに対する抗体を検出する対外診断薬用のイムノアッセイであり、COVID-19の感染による
免疫能獲得の存在を示唆する抗ウイルス抗体を検出することが可能であり、これを日本にて共同で開発を進めてお
ります。
 また、アンジェス株式会社が大阪大学と2020年3月に発表した「プラスミドDNA製造技術を用いた新型コロナウイ
ルス感染症向け予防用DNAワクチンの共同開発」に参画し、アンジェス株式会社と共同で日本国内での臨床試験デー
タを収集し、ワクチン臨床試験における投与前抗体有無の確認等抗体検査キットの利用可能性を検討してまいりま
す。


【販売進捗の状況】
 欧州における製品販売は、294,746千円となり前年同期比で4.6%増と拡大しました。
 消化器内視鏡領域に関しては、2019年6月に欧州子会社とFUJIFILM Europe B.V.(以下「FUJIFILM」という。)
との間で欧州全域における止血材の独占販売契約を締結しており、2019年10月より、FUJIFILMによる販売が開始さ
れております。また、2020年1月にFUJIFILMとの止血材の独占販売契約の対象範囲を中東諸国まで拡大することに
合意しており、製品登録等の販売に係る準備が整った国から順次、同社の販売網を活用した販売を開始していきま
す。引き続き、ドイツ、英国を成長の柱としつつ、FUJIFILMとのパートナーシップを活かしてさらなる成長を目指
してまいります。
 その他の領域である心臓血管外科領域及び消化器外科領域については、引き続き候補先と契約締結に向け交渉を
進めてまいります。
 当第3四半期までの欧州の売上は、当社製品を既に使用している医師・病院からは継続した購入があり、当社の
止血材が消化器内視鏡領域で必要不可欠な製品として認識が広まってきていることもあり、コロナ禍にも関わらず
前年同期比で着実に売上を伸ばしてきました。一方で直近の当第3四半期では、欧州における新型コロナウイルス
感染症第二波の影響で手術件数が大幅に減少したことを受け、売上は計画を下回りました。このような中、新規顧
客の獲得につきましても再び直接の訪問が制限されたため、当第3四半期ではWebミーティング等を活用した販売・
マーケティング活動に更に力を入れてきました。今後もWebinar等を積極的に活用し、コロナ禍でも新たな顧客獲得
に繋げられるようなマーケティング活動を進めてまいります。また、直接の医師・病院への訪問が制限される中で、
既に当社の顧客先となっている病院において、まだ当社製品を使用したことがない医師への医師同士での横展開を
進めるなど、コロナ禍においても効果的な営業活動に力を入れ、販売数量を伸ばしていく活動を進めております。
 オーストラリアにおける製品販売は、342,417千円となり前年同期比で56.9%増と拡大しました。COVID-19の影響
が他国と比べ比較的早く収束したことから、2020年6月より徐々に病院・医師訪問が再開され、また、先延ばしと
なっていた手術も再開されはじめたことから、前第4四半期に落ち込んだ需要を取り戻す形となり、売上は計画通
り進捗しております。
 米国では、2019年4月に耳鼻咽喉科領域の癒着防止材兼止血材「PuraSinus」の販売承認を受けました。米国内で
の本領域は、施術件数と既存製品の単価から推計して最大200億円の規模を有する市場と考えられます。本領域はオ
ーストラリアにおいて既に成功を収めている分野であるため、オーストラリアの事例にならい直販で販売を開始し、
早 期 に 一 定 の 成 果 を 挙 げ る こ と を 目 指 し て 販 売 体 制 の 構 築 を 進 め て ま い り ま し た 。 ま た、 有 力 施 設 で の
「PuraSinus」の初臨床試用は、2020年6月末から7月初めにかけて実施され、2020年9月には初回の発注を受領
し、その後も着実に有力施設を中心とした販売を開始しております。今後も、まずは直販体制で販売を拡大するこ
とに注力してまいります。
 新型コロナウイルス抗体検査キットに関しましては、試験研究用として2020年4月より大学等の研究機関への提
供を開始しておりましたが、2020年7月からは一般企業向けにも販売を開始したことで47,633千円の売上を計上い
たしました。


 このような結果、当第3四半期連結累計期間の業績については、止血材の製品販売は欧州で294,746千円、オース
トラリアで342,417千円、アジアで5,134千円、その他エリアで10,388千円を計上し、新型コロナウイルス抗体検査
キットを含む研究試薬の販売で52,473千円を計上したことから、事業収益705,160千円(前年同期比198,301千円増



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                 株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


 加)と前年同四半期の39.1%増となりました。
  費用面に関しては、通期計画の範囲内で推移しており、その結果、経常損失1,470,326千円(前年同四半期は経常
 損失2,037,908千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,566,101千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する
 四半期純損失2,138,619千円)となりました。


  なお、2020年12月21日に開示しました通り、当社は、2009年7月17日に扶桑薬品工業株式会社との間で締結した
 日本における自己組織化ペプチド(RADA16)を用いた吸収性局所止血材の独占販売権許諾契約及び2011年5月23日に
 締結した製造委受託契約が、2020年7月10日付の解除通知により終了したことを確認し、新たな製造受託先への移
 行までに必要と想定される製造量についての製造を行うことを扶桑薬品工業株式会社との間で合意しております。
  日本での販売に関しましては、国内における新しい販売パートナーを早期に獲得すべく活動を進めており、複数
 候補先との検討を進めております。また、販売パートナーを獲得したとしても自社での最低限の販売力は必須であ
 ると考えており、体制の構築を並行して進めております。来期初頭からの販売開始を目指して鋭意準備を進めて参
 ります。
  また、製造所移管に関しては、次世代止血材の製造を行っている相手先を第一候補として、製造バリデーション
 を進めております。


(2)財政状態に関する説明
 ①資産、負債及び純資産の状況
  当第3四半期連結会計期間における総資産は3,667,133千円(前連結会計年度末比551,516千円の増加)となりま
 した。
  流動資産につきましては、3,635,741千円(同547,281千円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の
 増加250,950千円、前渡金の増加246,685千円及びたな卸資産の増加25,150千円があることによるものです。
  固定資産につきましては、31,392千円(同4,234千円の増加)となりました。これは主に、投資その他の資産に含
 まれる敷金の増加1,535千円によるものです。
  流動負債につきましては、752,216千円(同489,731千円の減少)となりました。これは主に、未払金の減少
 482,188千円によるものです。
  固定負債につきましては、1,059,428千円(同341,221千円の減少)となりました。これは主に、転換社債型新株
 予約権付社債の減少350,000千円によるものです。
  純資産につきましては、1,855,488千円(同1,382,470千円の増加)となりました。これは主に、資本金の増加
 1,619,782千円及び資本剰余金の増加1,619,757千円の増加がある一方、親会社株主に帰属する四半期純損失による
 利益剰余金の減少1,566,101千円及び為替換算調整勘定の減少317,688千円があることによるものです。


(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
  2020年6月15日に決算短信で公表いたしました2021年4月期の業績予想に変更はございません。




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              株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


2.四半期連結財務諸表及び主な注記
(1)四半期連結貸借対照表
                                                          (単位:千円)
                                前連結会計年度            当第3四半期連結会計期間
                               (2020年4月30日)          (2021年1月31日)
資産の部
 流動資産
   現金及び預金                              1,058,045            1,308,996
   売掛金                                   143,992              161,387
   たな卸資産                               1,543,352            1,568,503
   前渡金                                   214,110              460,795
   その他                                   169,350              178,091
   貸倒引当金                                △40,390              △42,031
   流動資産合計                              3,088,459            3,635,741
 固定資産
   有形固定資産                                     -                    -
   無形固定資産                                     -                    -
   投資その他の資産                               27,157               31,392
   固定資産合計                                 27,157               31,392
 資産合計                                  3,115,617            3,667,133
負債の部
 流動負債
   短期借入金                                 400,000              407,162
   未払金                                   683,942              201,753
   未払法人税等                                 53,594               33,489
   その他                                   104,411              109,811
   流動負債合計                              1,241,948              752,216
 固定負債
   転換社債型新株予約権付社債                       1,400,000            1,050,000
   その他                                       650                9,428
   固定負債合計                              1,400,650            1,059,428
 負債合計                                  2,642,599            1,811,645
純資産の部
 株主資本
   資本金                                 8,396,999           10,016,782
   資本剰余金                               8,386,820           10,006,577
   利益剰余金                             △17,155,387          △18,721,488
   自己株式                                    △153                 △153
   株主資本合計                              △371,721             1,301,718
 その他の包括利益累計額
   為替換算調整勘定                              429,229              111,541
   その他の包括利益累計額合計                         429,229              111,541
 新株予約権                                   415,509              442,229
 純資産合計                                   473,018            1,855,488
負債純資産合計                                3,115,617            3,667,133




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(2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
  四半期連結損益計算書
   第3四半期連結累計期間
                                                          (単位:千円)
                           前第3四半期連結累計期間         当第3四半期連結累計期間
                             (自 2019年5月1日         (自 2020年5月1日
                             至 2020年1月31日)        至 2021年1月31日)
事業収益
 売上高                                  506,859               705,160
 事業収益合計                               506,859               705,160
事業費用
 売上原価                                 398,332               497,173
 研究開発費                                592,231               546,858
 販売費及び一般管理費                         1,409,284             1,513,354
 事業費用合計                             2,399,849             2,557,387
営業損失(△)                            △1,892,989            △1,852,226
営業外収益
 受取利息                                     424                    70
 為替差益                                      -                376,766
 その他                                   22,697                20,116
 営業外収益合計                               23,121               396,952
営業外費用
 支払利息                                   5,844                 3,504
 支払手数料                                    528                   772
 株式交付費                                 11,244                10,601
 為替差損                                 150,421                    -
 その他                                        1                   175
 営業外費用合計                              168,040                15,053
経常損失(△)                            △2,037,908            △1,470,326
特別利益
 新株予約権戻入益                              21,256                 8,060
 特別利益合計                                21,256                 8,060
特別損失
 減損損失                                 121,060               102,929
 特別損失合計                               121,060               102,929
税金等調整前四半期純損失(△)                    △2,137,711            △1,565,195
法人税、住民税及び事業税                              907                   906
法人税等合計                                    907                   906
四半期純損失(△)                          △2,138,619            △1,566,101
非支配株主に帰属する四半期純利益                           -                     -
親会社株主に帰属する四半期純損失(△)                △2,138,619            △1,566,101




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             株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


  四半期連結包括利益計算書
   第3四半期連結累計期間
                                                           (単位:千円)
                         前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                           (自 2019年5月1日            (自 2020年5月1日
                           至 2020年1月31日)           至 2021年1月31日)
四半期純損失(△)                          △2,138,619               △1,566,101
その他の包括利益
 為替換算調整勘定                              153,101               △317,688
 その他の包括利益合計                            153,101               △317,688
四半期包括利益                             △1,985,517              △1,883,789
(内訳)
 親会社株主に係る四半期包括利益                    △1,985,517              △1,883,789
 非支配株主に係る四半期包括利益                            -                       -




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                株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
  (継続企業の前提に関する注記)
  当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、前連結会計年度において、営業損失2,536,360千
 円、経常損失2,954,836千円、親会社株主に帰属する当期純損失3,096,159千円を計上しております。また、当第3
 四半期連結累計期間においても、営業損失1,852,226千円、経常損失1,470,326千円、親会社株主に帰属する四半期
 純損失1,566,101千円及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しております。これらにより、継続企業の前提
 に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
  今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し経営基盤の安定化を実現するために、以下の改善策に取り組ん
 でまいります。


 (1)事業収益の拡大とコスト削減
  事業収益の確保に向け当社グループは、当社製品である止血材について欧州では2019年6月にFUJIFILM Europe
 B.V.と欧州全域をカバーする販売提携を実施しております。また、止血材と粘膜隆起材(TDM-641)に関しては、国内
 において販売権許諾契約を締結済であり、製造販売承認の取得に伴いマイルストーンペイメントの獲得を見込んで
 おりました。しかしながら、止血材については扶桑薬品工業株式会社から独占販売権許諾契約についての契約解除
 通知を受領し、その解除について合意しました。また、粘膜隆起材(TDM-641)に関しましても国内における販売権許
 諾契約を併せて合意解除いたしました。そのため、新たな販売パートナーを早急に獲得し、マイルストーン及び販
 売への影響を最小化するために努力してまいります。さらに、欧州で止血材や次世代止血材、米国で癒着防止材等
 の各パイプラインの販売許諾権やライセンス付与を進めるとともに、滅菌方法の変更やスケール・アップ等の新た
 な製造方法の確立、また、原材料であるペプチド自体の仕入価額の低減等により製品原価の大幅な低減に努めてま
 いります。
  研究開発に関しては、臨床試験を必要としない、もしくは最小規模で実施できる等、グローバルで見て最も有利
 な市場を選びながらコストと時間の最小化に努めております。一般管理費においても、業務効率化による諸経費の
 削減やグローバルで経費のコントロール機能の強化等にも注力することで費用を圧縮し、収益構造の改善に努めて
 まいります。


 (2)資金調達
  当社グループの研究開発及び事業運営を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投
 資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2020年4月に第三者
 割当による第24回新株予約権及び第25回新株予約権を発行し、このうち第24回新株予約権の全ての行使により2020
 年8月27日までに2,508,900千円を調達することができております。また、2020年11月に第三者割当による新株発行
 と第27回新株予約権及び第28回新株予約権を発行し、第三者割当による新株発行と第27回新株予約権の一部権利行
 使により2021年2月18日までに563,235千円を調達することができております。今後も既発行分の第25回新株予約権
 及び第28回新株予約権も含めて順調に行使が進むものと考えております。また、それ以降につきましても十分な資
 金を確保するために必要な資金調達を計画してまいります。


  しかしながら、「(1)事業収益の拡大とコストの削減」については製品販売の拡大、契約一時金等の獲得、収益構
 造の改善が想定通りに進まないリスクがあり、「(2)資金調達」については株価の下落等により当初想定した資金調
 達額を確保できないリスクがあります。
  これらのリスクのため研究開発及び事業運営のための十分な資金が確保できない可能性があり不確実性があるた
 め、現時点において継続企業の前提に重要な不確実性が認められます。


  なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提としており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半
 期連結財務諸表には反映しておりません。




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                       株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
 当社は、2020年4月及び2020年11月に米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハ
イツ・キャピタル・マネジメント・インクに対して発行した第24回新株予約権(行使価額修正条項付)、第2回無
担保転換社債型新株予約権付社債及び第27回新株予約権(行使価額修正条項付)の一部権利行使並びに第三者割当
に よ る 新 株 式 発 行 等 に よ り、 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 に お い て 資 本 金 が 1,619,782 千 円 及 び 資 本 剰 余 金 が
1,619,757千円増加し、当第3四半期連結会計期間末において、資本金が10,016,782千円、資本剰余金が10,006,577
千円となっております。




(セグメント情報等)
 当社グループの報告セグメントは「医療製品事業」のみであり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、
記載を省略しております。




(重要な後発事象)
(新株予約権の権利行使)
  当社が発行した第27回新株予約権(行使価額修正条項付)について、当第3四半期連結会計年度末後から2021年
2月末日までに権利行使が行われており、その概要は以下のとおりであります。


  1. 新株予約権の行使個数                                         8,200個
  2. 発行した株式の種類及び株式数普通株式                               820,000株
  (2021年1月31日現在の発行済株式総数の1.95%)
  3. 資本金の増加額                                        110,083千円
  4. 資本準備金の増加額                                      110,083千円




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                株式会社スリー・ディー・マトリックス(7777) 2021年4月期 第3四半期決算短信


3.その他
 継続企業の前提に関する重要事象等
  当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、前連結会計年度において、営業損失2,536,360千
 円、経常損失2,954,836千円、親会社株主に帰属する当期純損失3,096,159千円を計上しております。また、当第3
 四半期連結累計期間においても、営業損失1,852,226千円、経常損失1,470,326千円、親会社株主に帰属する四半期
 純損失1,566,101千円及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しております。これらにより、継続企業の前提
 に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
  今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し経営基盤の安定化を実現するために、以下の改善策に取り組ん
 でまいります。


 (1)事業収益の拡大とコスト削減
  事業収益の確保に向け当社グループは、当社製品である止血材について欧州では2019年6月にFUJIFILM Europe
 B.V.と欧州全域をカバーする販売提携を実施しております。また、止血材と粘膜隆起材(TDM-641)に関しては、国内
 において販売権許諾契約を締結済であり、製造販売承認の取得に伴いマイルストーンペイメントの獲得を見込んで
 おりました。しかしながら、止血材については扶桑薬品工業株式会社から独占販売権許諾契約についての契約解除
 通知を受領し、その解除について合意しました。また、粘膜隆起材(TDM-641)に関しましても国内における販売権許
 諾契約を併せて合意解除いたしました。そのため、新たな販売パートナーを早急に獲得し、マイルストーン及び販
 売への影響を最小化するために努力してまいります。さらに、欧州で止血材や次世代止血材、米国で癒着防止材等
 の各パイプラインの販売許諾権やライセンス付与を進めるとともに、滅菌方法の変更やスケール・アップ等の新た
 な製造方法の確立、また、原材料であるペプチド自体の仕入価額の低減等により製品原価の大幅な低減に努めてま
 いります。
  研究開発に関しては、臨床試験を必要としない、もしくは最小規模で実施できる等、グローバルで見て最も有利
 な市場を選びながらコストと時間の最小化に努めております。一般管理費においても、業務効率化による諸経費の
 削減やグローバルで経費のコントロール機能の強化等にも注力することで費用を圧縮し、収益構造の改善に努めて
 まいります。


 (2)資金調達
  当社グループの研究開発及び事業運営を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投
 資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2020年4月に第三者
 割当による第24回新株予約権及び第25回新株予約権を発行し、このうち第24回新株予約権の全ての行使により2020
 年8月27日までに2,508,900千円を調達することができております。また、2020年11月に第三者割当による新株発行
 と第27回新株予約権及び第28回新株予約権を発行し、第三者割当による新株発行と第27回新株予約権の一部権利行
 使により2021年2月18日までに563,235千円を調達することができております。今後も既発行分の第25回新株予約権
 及び第28回新株予約権も含めて順調に行使が進むものと考えております。また、それ以降につきましても十分な資
 金を確保するために必要な資金調達を計画してまいります。


  しかしながら、「(1)事業収益の拡大とコストの削減」については製品販売の拡大、契約一時金等の獲得、収益構
 造の改善が想定通りに進まないリスクがあり、「(2)資金調達」については株価の下落等により当初想定した資金調
 達額を確保できないリスクがあります。
  これらのリスクのため研究開発及び事業運営のための十分な資金が確保できない可能性があり不確実性があるた
 め、現時点において継続企業の前提に重要な不確実性が認められます。




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