7777 J-3Dマトリックス 2020-12-01 15:00:00
内視鏡用粘膜下注入材(TDM-644)の製造販売承認申請のお知らせ [pdf]

                                               2020 年 12 月1日

各     位
                     東 京 都 千 代 田 区 麹 町 三 丁 目 2 番 4 号
                     会  社  名 株式会社スリー・ディー・マトリックス
                     代 表 者 名   代 表 取 締 役 社 長   岡    田        淳
                                          (コード番号:7777)
                    問 合 せ 先    取    締     役    新    井 友 行
                    電 話 番 号                        03 (3511)3440




          内視鏡用粘膜下注入材(TDM-644)の製造販売承認申請のお知らせ

    当社は、本日、自己組織化ペプチド技術を用いた内視鏡用粘膜下注入材(以下「TDM-644」)
に関して、厚生労働省に改良医療機器(臨床なし・クラスⅢ)の区分で製造販売承認申請を行い
ましたのでお知らせ致します。


    近年、癌の早期発見が増加し、消化管がんに対しては開腹を必要としない内視鏡的治療の施術
件数が年々増加しております。内視鏡的治療(内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層
剥離術(ESD)
       )は、高度な技術レベルと内視鏡用粘膜下注入材の使用により、厚さ数ミリメート
ルの消化管粘膜の病変を安全に切除するものであるため、侵襲性が少なく、機能温存においても
優れた治療法に位置づけられます。


    そのような中、MIT(マサチューセッツ工科大学)において開発されたペプチド配列を用いて
開発しておりましたが、これまで実施しました試験において改良すべき点が見いだされておりま
した。これらの問題点を克服するために、自己組織化ペプチドのアミノ酸配列を抜本的に見直し、
これまでと異なるコンセプトにより独自に開発した自己組織化ペプチドを主原材料としたものが
TDM-644 となります。このペプチドは人体の構成成分である 3 種のアミノ酸の化学合成により
製造されており、動物由来の物資を完全に排除できることから、動物由来品から生じる C 型肝炎
ウイルス等の感染や未知の成分の混入によるリスクがありません。さらに、粘膜下層注入後にゲ
ル化するため、粘性が高い既存製品とは異なり注入時の操作が簡便であり、医療従事者の負担軽
減が期待されるものです。


    すでに医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」
                          )との協議により、TDM-644 を改良医療機器
(臨床なし・クラスⅢ)の区分で申請することの妥当性は確認済であり、必要なデータ取得が完
了したと判断し製造販売承認申請を行いました。本区分の承認審査に関しての標準的な期間は、
直近の公表で中央値が 5.8 ヶ月となっていることから、この期間を目安として、来期中での承認
取得を目指しております。また、承認取得後の製造に関しましては、国内の製造委託先において、
商用製造の準備が完了しております。
 本品の対象となる内視鏡手術件数は年間約 12 万件程度であり、2020 年 7 月に承認取得しまし
た内視鏡用止血材ピュアスタットとのクロスセルでの国内販売を想定し、販売体制の検討をして
おります。また、海外における内視鏡手術はここ数年で大きな広がりを見せているため、臨床現
場のニーズに応じて海外展開も視野に検討して参ります。


 なお、本件による 2021 年 4 月期の通期業績への影響はありません。


                                               以上



【内視鏡用粘膜下注入材:TDM-644 の特徴】
 TDM-644 は、人体の構成成分である 3 種のアミノ酸からなるペプチドを原材料とした澄明な
液体で、粘膜下層に注入することで、体液等に触れることで速やかにハイドロゲルを形成する特
性(自己組織化)により、腫瘍粘膜層を適切に隆起させる機能を有します。
 既存製品は、動物もしくは植物を由来とする原材料を使用した製品群である一方、TDM-644
は人体の構成成分でありながら完全な化学合成により製造された原材料を使用していることか
ら、ヒト感染する可能性があるウイルス等の混入リスクがありません。さらに、粘膜下層注入後
にゲル化するため、粘性が高い既存製品とは異なり注入時の操作が簡便であり、医療従事者の負
担軽減が期待されるものです。