7774 J-J・TEC 2020-05-11 15:30:00
2020年3月期 決算及び中期経営計画説明会資料 [pdf]
証券コード:7774
2020年3月期決算
及び中期経営計画説明会
2020年5月12日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
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目次
1.再生医療の現状
2.2020年3月期の業績
3.中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)
(1) 中期経営方針
(2) 中期事業計画
(3) 中期開発計画
4.当社のVISION
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
再生医療の現状
再生医療の多様性
自家細胞 ⇔ 同種細胞(他家細胞)
多能性期待 ⇔ 単能性期待
3次元組織 ⇔ 細胞懸濁液
細胞自体による組織再生 ⇔ 生理活性物質による効果発揮
持続性・永続性効果 ⇔ 一過性効果
手術(移植)による投与 ⇔ 注射(点滴)投与
再生医療は従来の医薬品・医療機器と比較して多様性を有しており、開発・生産
等が複雑になるばかりでなく、医療機関での使用方法も確定しにくいことが多い。
そのため、ビジネスモデルも複雑になりがちである。
上記表はさまざまな比較軸で再生医療等製品の特性を述べた。右側赤字は、従来
の医薬品に準じた扱いが可能になるものであり、欧米など海外での製品化が進ん
でいる理由でもある。
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
再生医療の現状
再生医療のふたつの顔
再生医療
『もの』 『医療行為』
同種細胞 自家細胞
再生医療は『もの』と『医療行為』ふたつの顔を有する。
従来の医薬品と比較して、その安全性・有効性を達成するためには医療行為との
連携が不可欠である。とりわけ、自家細胞を用いた再生医療は移植医療の要素を
多く含んでおり、新たなビジネスモデルを構築する必要がある。
わが国の再生医療にまつわる諸制度は、この医療行為を含む再生医療の評価を適
切に実施できるものと期待する。
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再生医療の現状
(出所)国立研究開発法人 日本医療研究開発機構委託調査
「2019年度 再生医療・遺伝子治療の市場調査業務 最終報告書」から抜粋して作成
疾患分類・自家/他家別の再生・細胞治療上市品製品数 疾患分類・自家/他家別の再生・細胞治療開発件数
慢性疾患治療への期待 自家細胞製品のコスト懸念 自己組織再生
自家細胞の必要性 自家細胞ビジネスモデル 発症前治療
再生医療はこれまで治すことが困難であった慢性疾患(臓器・組織不全等)へのアプローチが
重要である。患者自身の細胞を用いた持続的治療効果も期待される。
一方、自家細胞を用いた製品の場合、提供コストの高騰が懸念されるために、自家細胞のビジ
ネスモデル構築はきわめて重要である。
自己組織再生を実現させ、発症前治療のような未来型医療への展開は、再生医療ならではの期
待である。
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目次
1.再生医療の現状
2.2020年3月期の業績
3.中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)
(1) 中期経営方針
(2) 中期事業計画
(3) 中期開発計画
4.当社のVISION
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損益計算書の概要
単位:百万円 2019年 2020年 対前期 2020年 対計画
(百万円未満切捨て表示) 3月期 3月期 3月期
(増減率は円単位で計算) 実績 実績 増減額 増減率 計画※ 遂行率
売上高 2,357 2,309 △ 48 △2.0% 2,300 100.4%
売上総利益 1,284 1,188 △ 96 △7.5% - -
販売費及び一般管理費 1,634 1,423 △ 211 △12.9% - -
営業損失 △ 349 △ 235 114 - △300 -
経常損失 △ 339 △ 229 109 - △294 -
当期純損失 △ 333 △ 287 46 - △351 -
※2020年2月21日開示の業績予想修正値
売上高は、研究開発支援事業の売上が好調に推移したものの、再生医療製品事業及び再生医
療受託事業が減少し、対前期△48百万円。
営業損失は、自家CAR-T細胞治療の導入一時金を支払った前期に比べ改善し、対前期+114
百万円。
2020年2月に開示した業績予想修正後の計画に対しては、売上高及び営業損失ともに達成。
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営業損益増減の内訳
2019年3月期 2020年3月期
(百万円)0
2019年3月期は
-100 営業損失 自家CAR-T細胞治療導入の 営業損失
△349 契約一時金の支払等が発生 △235
研究開発費の
-200
減少+265
売上総利益の 改善
-300 +114
減少△96
-400
-500
その他販売費
及び一般管理費
-600 の増加△54
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セグメント別の売上高
単位:百万円 2019年 2020年 対前期 2020年 対計画
(百万円未満切捨て表示) 3月期 3月期 3月期
(増減率は円単位で計算) 実績 実績 増減額 増減率 計画※ 遂行率
ジェイス 1,031 914 △117 △11.4% 893 102.4%
ジャック 372 416 44 11.8% 429 97.0%
その他 - 25 25 - 40 62.7%
再生医療製品事業 1,404 1,356 △48 △3.4% 1,362 99.5%
再生医療受託事業 835 813 △22 △2.7% 799 101.8%
研究開発支援事業 118 140 22 18.7% 138 101.7%
売上高合計 2,357 2,309 △48 △2.0% 2,300 100.4%
※2020年2月21日開示の業績予想修正値
再生医療製品事業は、対前期△48百万円、3.4%の減少。
前年に比べ、自家培養軟骨ジャックの売上は増加した一方、自家培養表皮ジェイスの売上は重症熱傷の
発生数が少なかったこと、母斑の待機患者の治療が一巡した影響等により減少。
今期より富士フイルムの3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」等の販売を開始(その他)。
再生医療受託事業は、一部案件で計画に対する収益獲得が遅れ、対前期△22百万円、2.7%の減少。
研究開発支援事業は、積極的な営業活動によるラボサイトの売上増およびヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞
「F-hiSIEC」販売開始により、対前期+22百万円、18.7%の増加。
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自家培養表皮ジェイス
売上高は914百万円で、対前期△117百万円、増減率△11.4%。
2019年7月、表皮水疱症向けにも保険適用。
適応疾患別の状況は以下の通り。
① 熱傷:低TBSA患者への使用働きかけには効果あったが、重症熱
傷の発生数が少なく受注が伸びず。
② 母斑:待機患者の治療が一巡した影響が大きく前年に比べ減少。
③ 表皮水疱症:順調な立ち上がり。
(単位:百万円) ジェイス売上高の推移
1,200 ★2019年7月に保険適用と
1,078 1,031 なり新たに売上を計上
1,000
914 表皮水疱症
800 743
母斑
600 531
400 熱傷
200
0
16/3期 17/3期 18/3期 19/3期 20/3期
実績 実績 実績 実績 実績
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自家培養軟骨ジャック
売上高は416百万円で、対前期+44百万円、増減率+11.8%。
患者自身の骨膜に代えてコラーゲン膜を使用すること(2019年1
月に一部変更承認を取得)で移植手技が簡便化したことによりヘ
ビーユーザーからの受注が増加。新規施設からの受注も増え、着
実に伸長。
(単位:百万円) ジャック売上高の推移
500
416
400 372
323 309
300 267
200
100
0
16/3期 17/3期 18/3期 19/3期 20/3期
実績 実績 実績 実績 実績
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その他
富士フイルムとのシナジー
今期より、富士フイルムの3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」をはじ
めとする富士フイルムの医療機器の代理販売を開始。
当社がこれまで培ってきた整形外科や形成外科との強い関係性を活かしてこれらの医
療機器を販売し早期に売上寄与させるとともに、当社の再生医療等製品の受注増加に
も繋げることを目指す。
膝診断との相乗効果
の追求
当社再生医療等製品の
受注増加に繋げる
画像提供)富士フイルム
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再生医療受託事業
売上高は813百万円で、対前期△22百万円、増減率△2.7%。
業務開始前の条件設定や業務開始後に生じた課題の解決に想定以
上の時間を要した影響等により微減。
2020年3月、ニデック社から委託を受けて開発を進めてきた自
家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売承認を取得。
自家培養口腔粘膜上皮(開発名:COMET01)についても、製造
販売承認申請に向けた準備を進めた。
(単位:百万円) 受託事業売上高の推移
1000
835 813
785
800
676
600 538
400
200
0
16/3期 17/3期 18/3期 19/3期 20/3期
実績 実績 実績 実績 実績
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自家培養角膜上皮ネピック
2020年3月19日
眼科領域で国内初の再生医療等製品として
製造販売承認を取得
株式会社ニデックからの委託を受け開発。当社の再生医療
受託事業から生まれた初めての再生医療等製品。
適応対象 :角膜上皮幹細胞疲弊症
ただし、以下の患者を除く。
・スティーヴンス・ジョンソン症候群の患者
・眼類天疱瘡の患者
・移植片対宿主病の患者
・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患の患者
・再発翼状片の患者 角膜上皮幹細胞疲弊症とは
・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症患者
結膜と角膜の境界領域である角膜輪
部に存在する角膜上皮幹細胞が、先
国内の患者数 :年間数十人程度と推定される 天的または外的要因等によって消失
することで発症する疾患。角膜が混
濁し、視力の低下や、眼痛などの臨
販売 :株式会社ニデック(開発の委託元) 床症状が見られる。
自家培養角膜シートを移植すること
で角膜上皮の再建を目指す。
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研究開発支援事業
売上高は140百万円で、対前期+22百万円、増減率+18.7%。国内外
の化粧品・化学品メーカー等に向けた積極的な営業活動により、2期
連続で二桁成長を達成。
角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法、エピ・モデル24を用いた皮
膚刺激性試験法と皮膚腐食性試験法が標準法の一つとしてOECDテス
トガイドラインに収載。
2019年9月、富士フイルムの新製品:ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞
「F-hiSIEC(エフ-ハイシーク)」の製造と販売を開始し、順調な
立ち上がり。
(単位:百万円) 研究開発支援事業売上高の推移
エピ・モデル24 160
F-hiSIECの
140
140 売上を含む
120
118
製造と販売を開始 100 93 91
98
80
60
40
20
0
16/3期 17/3期 18/3期 19/3期 20/3期
実績 実績 実績 実績 実績
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貸借対照表の概要
(単位:百万円) 2019年3月期 2020年3月期
(百万円未満切捨て表示)
増減額
2019年3月31日 2020年3月31日
当期純損失による現金
流動資産 7,024 6,816 △207 及び預金の残高の減少
固定・繰延資産 1,727 1,634 △93
繰延税金資産の取り崩
資産合計 8,751 8,451 △300 し及び減価償却
流動負債 795 783 △11
固定負債 37 36 △1
負債合計 833 820 △13
資本金 4,958 4,958 0
資本準備金 2,788 2,788 0
利益剰余金 170 △116 △287
当期純損失の計上
純資産 7,918 7,631 △287
負債・純資産合計 8,751 8,451 △300
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キャッシュ・フローの概要
(単位:百万円) 2019年3月期 2020年3月期
増減額
(百万円未満切捨て表示) 実績 実績
営業活動によるキャッシュ・フロー △396 △84 311
投資活動によるキャッシュ・フロー 27 209 181
財務活動によるキャッシュ・フロー △5 △3 2
現金及び現金同等物の増減額 (△:減) △374 121 495
現金及び現金同等物の期首残高 2,403 2,029 △374
現金及び現金同等物の期末残高 2,029 2,150 121
営業活動によるCF:営業活動の結果使用した資金は84百万円(前期は396百万円の使用)。
前期との差異が生じた主な要因は、当期純損失の減少と売上債権の減少。
投資活動によるCF:投資活動の結果獲得した資金は209百万円(前期は27百万円の獲得)。
前期との差異が生じた主な要因は、定期預金の払戻し。
財務活動によるCF:財務活動の結果使用した資金は3百万円(前期は5百万円の使用)。
前期との差異が生じた主な要因は、リース債務の返済減少。
現金及び現金同等物の期末残高:
期首残高2,029百万円に対し、期末残高は2,150百万円となりました。
なお、貸借対照表中の現金及び預金(5,750百万円)との差額は、
預入期間が3か月を超える定期預金(3,600百万円)分に該当します。
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目次
1.再生医療の現状
2.2020年3月期の業績
3.中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)
(1) 中期経営方針
(2) 中期事業計画
(3) 中期開発計画
4.当社のVISION
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大による影響について
当社は、2021年3月期~2023年3月期に係る中期経営計画の策定に向けて準
備を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大し、
国内での収束の目途も立たないため、以下の理由から算定が困難な状況です。
そこで、2021年3月期の業績予想及び2022年3月期~2023年3月期の経営目
標(数値計画)の公表時期を延期するものといたしました。
再生医療製品事業 再生医療受託事業
・ 対応が逼迫する医療機関の状況を考え、直 ・ 国内景気の減速・悪化に伴う委託元である
接訪問による営業活動を自粛。 顧客企業の企業業績や資金調達への影響。
・ 外出や移動の自粛に伴う来院者数の減少に ・ 医療機関における治験計画の遅れなどに伴
よる当社製品の使用の減少。 う委託元の開発遅延。
研究開発支援事業 開発パイプライン
・ 企業・研究機関での在宅勤務等により実験 ・ 対応が逼迫する医療機関に対して治験を促
や評価が先送りとなり、当社製品の受注が せる状況になく、来院者数の減少により治
急速に減少。 験参加者の確保も困難。
・ 顧客企業が業績悪化等を懸念して研究開発 ・ 治験の長期化による、開発コストの増加や
の方針や優先順位を見直し。 開発スケジュールの遅れ。
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(1) 中期経営方針
【基本方針】再生医療のさらなる普及に向けた、新製品の開発
ならびに生産技術革新・販売力強化を推進する
(1)新規再生医療等製品の開発
① 皮膚・軟骨・角膜・がん領域における市場規模の大きい疾患を対象とし、普及型医療を実現す
るとともに売上を飛躍的に向上させる。
② 当社の手がける3番目の製品である自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売体制を確実に立
ち上げ、今後の新規製品の展開に向けた試金石とする。
(2)より多くの需要に備えた生産革新と販売力強化
① 自家細胞製品の大量受注・安定供給のため、これまで蓄積してきた培養技術と富士フイルムの
エンジニアリング技術を融合し、革新的な生産技術・生産体制を確立する。
② 販売数量の増加に効率的に対応できる、再生医療の営業戦略・営業手法を確立するとともに、
当該製品がより適切に使用されるよう情報の収集・提供の仕組みを再整備する。
(3)既存事業の伸長による事業基盤の強化
① 上記の販売力強化に加え、自家培養表皮ジェイスでは使用枚数制限、自家培養軟骨ジャックで
は施設基準の緩和を目指し、売上を伸ばす。
② 受託事業はこれまで獲得した案件を成功に導くとともに、これら実績を梃子にさらなる良質な
新規案件を獲得する。加えて、当該事業モデルの一般化・標準化を目指す。
③ ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」や3D解析ソフト「SYNAPSE VINCENT」等で実
現した富士フイルムとの協業を一層加速する。
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(2) 中期事業計画 既存事業
① 再生医療製品事業
自家培養表皮ジェイスは、熱傷治療向けとしては適応症例の確実な獲得に注力するととも
に、表皮水疱症向けで売上を伸ばす。母斑向けは重点施設との関係強化により、売上を維
持する。
自家培養軟骨ジャックは、コラーゲン膜による低侵襲化・移植手技の簡便化効果が定着し
ており、受注頻度が上がっている顧客への重点的なアプローチにより売上を伸ばす。
自家培養角膜上皮ネピックは、販売を担うニデック社と連携し、スムーズに製造販売体制
を立ち上げる。学会等を通じて新たな治療法をアピールし、認知度を高める。
富士フイルムの医療機器を当社営業が強みを持つ形成外科・整形外科に向けて販売し、売
上を底上げする。「SYNAPSE VINCENT」以外の機器についても協業を進める。
② 再生医療受託事業
受託事業は、既存案件の確実な収益の獲得、およびさらなる良質な新規案件の受注により
売上を伸ばす。富士フイルムからの研究開発受託も継続し、安定した収益を確保する。
③ 研究開発支援事業
ラボサイトは順調に売上が伸びており、角膜モデルの眼刺激性試験およびエピ・モデル
24の皮膚腐食性試験のOECDテストガイドライン収載を梃子に、一層の拡販を図る。
富士フイルムが開発したヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」は市場から高い関心
を得ており、標準的な評価方法となることを目指して普及を加速する。
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(2) 中期事業計画 成長戦略
① 再生医療製品事業
自家培養軟骨の二次性変形性膝関節症への適応拡大
事業開始当初から自家培養軟骨ジャックの目的とする適応症であり、より多くの患者治療
に貢献する。速やかに適応拡大治験を実施し、早期の承認取得に取り組む。
同種培養表皮の熱傷市場への展開
熱傷の緊急性を鑑み、より臨床現場に即した治療製品を投入する。大量生産体制の構築が
重要となる。
白斑等皮膚醜形に治療に向けた新製品投入
自家培養表皮ジェイスと並ぶ皮膚を対象とした再生医療等製品であり、色調異常などより
多くの患者を対象とする。治験実施中であり、早期に製造販売承認を取得する。
酵素ベクターを応用したCAR-T細胞による白血病治療
自家の免疫細胞を遺伝子導入によって活性化し、白血病治療に用いるものである。速やか
に非臨床試験を完了し、治験実施後に製造販売承認を取得する。
② 自家細胞を用いた再生医療プラットフォームの構築
既存の再生医療等製品の生産合理化・機械化を達成し、自家細胞製品の製造コストを削減
するとともに、これに適した受注・販売方法を確立する。
これまで培った細胞培養技術をもとに、より合理的な少量多品種製品生産の仕組みを構築
し、当社製品への水平展開を進めるとともに、再生医療受託事業におけるCMO業務へ活用
する。
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(3) 中期開発計画
※当社製品・開発パイプラインの一覧です。新型コロナウイルスによる開発遅延等の影響に
ついては現時点では予測が困難であり、織り込んでいません。
開発パイプライン 適応症 2020/3期 2021/3期 2022/3期 2023/3期
重症熱傷・先天性巨大色素性母斑 販売
表 適応拡大 先天性表皮水疱症 承認 販売
皮 企業治験 申請 承認
メラノサイト
ACE02 尋常性白斑
自由診療(再生医療安全性確保法下)
同種
Ⅱ度熱傷 企業治験 申請 承認
培養表皮
軟
外傷性軟骨欠損症・離断性骨軟骨炎 販売
骨
適応拡大 二次性変形性膝関節症 企業治験 申請 承認
が
ん 自家
CAR-T細胞 急性リンパ性白血病 企業治験 申請 承認
角
承認 販売
膜 角膜上皮幹細胞疲弊症
口腔粘膜
COMET01 申請 承認 販売
(研究開発支援事業は除く)
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目次
1.再生医療の現状
2.2020年3月期の業績
3.中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)
(1) 中期経営方針
(2) 中期事業計画
(3) 中期開発計画
4.当社のVISION
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
当社のVISION
これまでの当社活動を振り返って
既存事業での
わが国の細胞利用再生医療等製品 利益確保
3/7製品
自家細胞を用いた
研究開発能力向上 熱傷治療への定着
再生医療の
プラットフォーマー
再生医療に適した
効率的な生産体制 営業手法の確立
今後の課題
ジャック
受託事業の 既存事業と成長戦略
変形性膝関節症
事業性確立 投資のバランス
の適応
+ ひざ関節領域戦略 など
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
当社のVISION
再生医療をあたりまえの医療にする。
自家細胞のプラットフォーマーとして
より大きな市場の再生医療を提供する。
慢性疾患治療 未病治療
自家CAR-T細胞治療開発
がん治療 メディカルインバウンド
自家培養軟骨ジャック
メラノサイト含有 の適応拡大 半月板治療開発
より大きな変形性膝関節症市場へ 医師が求める膝関節治療
自家培養表皮開発
より大きな皮膚科市場へ 同種培養表皮開発
熱傷治療への新貢献
製造工程革新 生産拠点分散化
省力化から自動化へ 他社からのCMO実現
生産現場改革
工程改善による安定・安心の実現
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
当社のVISION
ひざ関節領域戦略
富士フイルムとのシナジーを活かし
ひざ関節領域での包括的治療の提供を目指す。
変形性膝関節症治療
(ジャックの適応拡大)
半月板治療
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2020年3月期決算及び中期経営計画説明会
当社のVISION
再生医療をあたりまえの医療にする。
自家細胞のプラットフォーマーとして
より大きな市場の再生医療を提供する。
既存事業 成長戦略
ジェイス、ジャック等 大きな市場の確保に向けて
の生産効率および営業効率向上にて 適応拡大・新規開発への投資
既存事業でさらに大きな利益を確保 例)自家CAR-T細胞治療開発
▲
最適なバランスを追求する
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本開示資料は、投資者に対する情報提供を目的として将来の事業計画等を記載したものであっ
て、投資勧誘を目的としたものではありません。当社の事業計画に対する評価及び投資に関す
る決定は、投資者ご自身の判断において行われるようお願いいたします。
また、当社は、事業計画に関する業績目標その他の事項の実現・達成等に関しその蓋然性を如
何なる意味においても保証するものではなく、その実現・達成等に関して一切責任を負うもの
ではありません。
本開示資料に記載されている将来に係わる一切の記述内容(事業計画に関する業績目標も含み
ますがそれに限られません。)は、現時点で入手可能な情報から得られた当社の判断に基づく
ものであり、将来の経済環境の変化等を含む事業計画の前提条件に変動が生じた場合その他
様々な要因の変化により、実際の事業の状態・業績等は影響を受けることが予想され、本開示
資料の記載内容と大きく異なる可能性があります。
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