7774 J-J・TEC 2020-03-19 11:30:00
自家培養角膜上皮「ネピック」:製造販売承認取得のお知らせ [pdf]
2020 年 3 月 19 日
各位
会 社 名 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリン
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング
代表者氏名 代表取締役 社長執行役
社長執行役員 秋 山 雅 孝
(コード番号:7774 JQ)
本店所在地 愛知県蒲郡市三谷北通 6 丁目 209 番地の 1
問合せ先 取 締 役 常 務 執 行 役 員 原 俊 之
電話番号 0 5 3 3 - 6 6 - 2 0 2 0 ( 代 表 )
自家培養角膜上皮 ネピック」:製造販売承認取得のお知らせ
自家培養 上皮「ネピック 製造販売承認 お知らせ
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、代表取締役 社長執
行役員:秋山 雅孝)は、 月 19 日、自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売承認を取得しまし
雅孝)は、3 、自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売承認を取得しまし
「ネピック」 角膜上皮幹細胞疲弊症※1 の治療を目的としたもので、
たのでお知らせいたします。 は、
眼科領域で国内初の再生医療等製品です。
当社は、日本の再生医療のパイオニアとして、2007 年に国内初の再生医療等製品となる自家培
当社は、日本の再生医療のパイオニアとして、2007
養表皮「ジェイス」の製造販売承認を取得し、
養表皮「ジェイス」の製造販売承認を取得し、2009 年から販売を開始しました。その後、
「ジェイ
ス」の適応対象を、重症熱傷から先天性巨大色素性母斑 ※2 や表皮水疱症※3 まで広げています。ま
ス」の適応対象を、重症熱傷から先天性巨大色素性母斑
た、2013 年には、整形外科領域で国内初の再生医療等製品である自家培養軟骨「ジャック」の提
2013
供を開始するなど、再生医療業界をリードしてきました。
今回、製造販売承認を取得した「ネピック」は、患者自身の角膜輪部組織から角膜上皮幹細胞を
採取してシート状に培養したもので、本品を移植することにより角膜上皮を再建させることを目
的としています。なお、「ネピック」の販売は、眼科医療機器メーカーである株式会社ニデック(愛
知県蒲郡市、代表取締役社長:小澤 素生)が行う予定です。
当社は、角膜上皮幹細胞疲弊症の新たな治療の選択肢を提供することで、眼科領域における再
生医療の普及、生活の質( )の向上に貢献していきます。今後も、自社再生医療等製品の開発
生医療の普及、生活の質(QOL)の向上に貢献していきます。今後も、自社再生医療等製品の開発
を加速させるとともに、臨床研究や臨床試験、製造などをサポートする再生医療受託事業を通じ
て、再生医療の産業化・実用化を推進していきます。
※1 角膜上皮幹細胞疲弊症
結膜と角膜の境界領域である角膜輪部に存在する角膜上皮幹細胞が、先天的または外的要因等によって消失
することで発症する疾患。角膜が混濁し、視力の低下や、眼痛などの臨床症状が見られます。
することで発症する疾患。角膜が混濁し、視力の低下や、眼痛などの臨床症状が見られます。
※2 先天性巨大色素性母斑
生まれつき黒褐色のあざが体の広範囲にみられる疾患で、悪性化して皮膚がんになる危険性があるとされて
います。従来、母斑を切除して縫い合わせたり、体の他の部位から採取した患者本人の正常な皮膚を移植し
たりする治療が行われてきましたが、母斑が大きい患者には適さないなどの課題があります。一般的に、治
療が必要な先天性巨大色素性母斑の患者数は、新生児の約 2 万人に 1 人とされています。
※3 表皮水疱症
日常生活でのわずかな刺激や摩擦により、全身の皮膚や粘膜に水疱(水ぶくれ)やびらん(ただれ)を繰り
日常生活でのわずかな刺激や摩擦により、全身の皮膚や粘膜に水疱(水ぶくれ)やびらん(ただれ)を繰り
返し潰瘍 組織の欠損)が発生する遺伝性の皮膚難病で、皮膚のそれぞれの層を十分につなぎとめるタンパク
返し潰瘍(組織の欠損 が発生する遺伝性の皮膚難病で、皮膚のそれぞれの層を十分につなぎとめるタンパク
質が先天的に欠けています。水疱のできる部位により、主に単純型(表皮内) 、栄養障害型(表皮下) 、接合
部型(表皮基底膜透明帯)の 3 つのタイプに大別されます。国内の患者数は、 500~
~640 人、その内重症の
方は 320 人程度と推定されています。
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記
1. 概要
製造販売承認の概要は以下のとおりです。
承認番号 30200FZX00002000
承認年月日 2020 年 3 月 19 日
一般的名称 ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート
販売名 ネピック
効能、効果又 角膜上皮幹細胞疲弊症。ただし、以下の患者を除く。
は性能 ・スティーヴンス・ジョンソン症候群の患者
・眼類天疱瘡の患者
・移植片対宿主病の患者
・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患の患者
・再発翼状片の患者
・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症患者
承認条件 1.角膜上皮幹細胞疲弊症に関連する十分な知識及び経験を有する医師が、本品の
使用方法に関する技能や手技に伴う合併症等の知識を十分に習得した上で、角
膜上皮幹細胞疲弊症の治療に係る体制が整った医療機関において「効能、効果
又は性能」並びに「用法及び用量又は使用方法」を遵守して本品を用いるよう、
関連学会との協力により作成された適正使用指針の周知、講習の実施等、必要
な措置を講ずること。
2.治験症例が極めて限られていることから、原則として再審査期間が終了するま
での間、全症例を対象に使用の成績に関する調査を実施することにより、本品
使用患者の背景情報を把握するとともに、本品の安全性及び有効性に関するデ
ータを早期に収集し、本品の適正使用に必要な措置を講ずること。
3.本品の製造過程にフィーダー細胞として用いられているマウス胎児由来 3T3-J2
細胞にかかる異種移植に伴うリスクを踏まえ、最終製品のサンプル及び使用に
関する記録を 30 年間保存するなど適切な取扱いが行われるよう必要な措置を
講ずること。
2. 経緯
当社は、再生医療受託事業※4 の一環として、ニデックからの委託を受けて「ネピック」(開発名:
EYE-01M)の開発を進めてきました。イタリア モデナ大学の Graziella Pellegrini 教授と Michele
De Luca 教授、大阪大学大学院医学系研究科の西田幸二教授(眼科学)らより角膜上皮の培養に
関する技術を導入し、2014 年 10 月より治験を実施。昨年 3 月に厚生労働省へ製造販売承認申請
を行いました。
なお、
「ネピック」は、2015 年に角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした希少疾病用再生医療
等製品※5 に指定されております。
3. 今後の見通し
当社は、本件に係る事業計画について 2019 年 5 月 7 日付「中期経営計画(2020 年 3 月期~2022
年 3 月期)」にて公表しており、計画どおりに進行しているため、本承認取得に伴う当社の 2020 年 3
月期通期業績予想への影響は軽微です。今後、当社の業績に重大な影響を与える新たな事実が判明
した場合は、速やかにお知らせいたします。
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※4 再生医療受託事業
治験品開発や商業生産などを行う開発製造受託(CDMO)、薬事コンサルティングや治験を行う開発業務受託
(CRO)など、再生医療等製品の開発初期から市販後までワンストップかつシームレスにサポートする事業
です。
※5 希少疾病用再生医療等製品
医薬品医療機器等法に基づき厚生労働大臣より指定された、希少疾病を対象とする再生医療等製品です。当
該指定を受けた場合には、試験研究費に対する助成金の交付、優先的な治験相談および優先審査の実施、再
審査期間の延長等の優遇措置が受けられます。希少疾病用再生医療等製品の指定には、当該再生医療等製品
の用途に係る対象患者数が本邦において 5 万人未満であること、また、代替する適切な治療法が無い、既
存の治療法と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されるなどの医療上特に優れた使用価値を有す
ることが必要とされています。
(補足)自家培養角膜上皮「ネピック」の移植
以上
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