7731 ニコン 2020-05-28 15:00:00
2020年3月期決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                           2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                            2020年5月28日
上 場 会 社 名    株式会社ニコン                      上場取引所                      東
コ ー ド 番 号    7731               URL https://www.nikon.co.jp
代   表   者 (役職名) 代表取締役 兼 社長執行役員        (氏名) 馬立 稔和
問合せ先責任者 (役職名) 財務・経理本部長                (氏名) 奥村 徹也 (TEL) 03-6433-3626
定時株主総会開催予定日       2020年6月26日  配当支払開始予定日              2020年6月29日
有価証券報告書提出予定日 2020年6月26日
決算補足説明資料作成の有無        : 有
決算説明会開催の有無           : 有 (マスコミ・アナリスト向け        )
                                                                                          (百万円未満四捨五入)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                                (%表示は対前期増減率)
                                                                                 親会社の所有者に            当期包括利益
               売上収益           営業利益           税引前利益               当期利益            帰属する当期利益              合計額
               百万円    %      百万円        %    百万円         %      百万円         %     百万円            %    百万円          %
2020年3月期 591,012 △16.6       6,751 △91.8    11,864 △86.5         7,842 △88.2       7,693 △88.4 △11,969         -
2019年3月期 708,660 △1.2       82,653  47.0    87,915  56.3        66,597 91.2       66,513  91.3  63,520       49.9

                 基本的1株当たり             希薄化後             親会社所有者帰属              資産合計                     売上収益
                   当期利益             1株当たり当期利益           持分当期利益率             税引前利益率                   営業利益率
                            円 銭               円 銭                     %                     %                 %
    2020年3月期                19.93             19.85                 1.3                    1.1               1.1
    2019年3月期               167.86            167.30                11.2                    7.9              11.7
(参考) 持分法による投資損益      2020年3月期            1,816百万円         2019年3月期               1,762百万円
 
 
(2)連結財政状態
                                                      親会社の所有者に              親会社所有者               1株当たり親会社
                     資産合計               資本合計
                                                       帰属する持分               帰属持分比率                所有者帰属持分
                           百万円               百万円                  百万円                       %               円 銭
    2020年3月期          1,005,881             541,760             540,652                   53.7         1,472.69
    2019年3月期          1,134,985             616,726             615,920                   54.3         1,554.34
(3)連結キャッシュ・フローの状況
                  営業活動による                投資活動による                  財務活動による                  現金及び現金同等物
                 キャッシュ・フロー              キャッシュ・フロー                キャッシュ・フロー                    期末残高
                                百万円                     百万円                       百万円                    百万円
    2020年3月期                   16,419                 △21,281                   △72,739                 324,034
 
    2019年3月期                   68,901                 △25,304                   △21,583                 411,055
 
 
2.配当の状況
                                                                                                     親会社所有者
                                        年間配当金                               配当金総額         配当性向
                                                                                                    帰属持分配当率
                                                                             (合計)          (連結)
                第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                  期末          合計                                   (連結)
                   円 銭    円 銭    円 銭                    円 銭         円 銭          百万円              %         %
   2019年3月期            -        30.00         -         30.00       60.00       23,809        35.7           4.0
   2020年3月期            -        30.00         -         10.00       40.00       15,382       200.7           2.6
2021年3月期(予想)
 
                       -           -          -            -           -                        -
    (注)2021年3月期の配当予想額は未定であります。

3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
  2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現時点で
 は合理的な算定が困難であるため、未定とさせていただきます。今後、連結業績予想の算定が可能となっ
 た時点で速やかに開示します。
※       注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                                        : 無
 

(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
     ①    IFRSにより要求される会計方針の変更                                     : 有
     ②    ①以外の会計方針の変更                                             : 無
     ③    会計上の見積りの変更                : 無
         (注)詳細は添付資料16ページ「4.連結財務諸表及び主な注記(5)連結財務諸表に関する
            注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
(3)発行済株式数(普通株式)
     ①    期末発行済株式数(自己株式を含む)                      2020年3月期        378,336,521株    2019年3月期       400,878,921株

     ②    期末自己株式数                                2020年3月期         11,216,862株    2019年3月期        4,620,047株

     ③    期中平均株式数                                2020年3月期        386,016,388株    2019年3月期       396,235,346株

         (注)自己株式数には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式が含まれております。

(参考) 個別業績の概要
1.2020年3月期の個別業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)個別経営成績                                                                               (%表示は対前期増減率)
                          売上高                営業利益                   経常利益                    当期純利益
                          百万円         %       百万円           %        百万円           %         百万円          %
    2020年3月期         406,194      △20.3      △9,697         -       27,332      △41.0       △9,662       -
    2019年3月期         509,530        5.7       29,443      14.1      46,335        4.0        51,616    51.5
 

                     1株当たり                   潜在株式調整後
                     当期純利益                 1株当たり当期純利益
                                   円 銭                   円 銭
    2020年3月期                     △25.03                     -
 
    2019年3月期                      130.27                129.83
 
(2)個別財政状態
                          総資産                 純資産                 自己資本比率                 1株当たり純資産
                                  百万円                   百万円                        %                   円 銭
    2020年3月期                     679,431               276,848                   40.5                 748.84
    2019年3月期                     795,991               356,323                   44.5                 894.61
(参考) 自己資本      2020年3月期         274,915百万円     2019年3月期          354,498百万円
 
 


 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
        ・本資料に記載されている業績予想は、直近における市場予測等の情報及び為替相場等の前提に基づいて作成したものであります。実際
        の実績は、それらを含めて様々な要因により大きく異なる可能性があります。今後の見通し及び前提条件に関しましては、添付資料の5
        ページを参照してください。
                               株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


○添付資料の目次

  1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………2
   (1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………2
   (2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………4
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………4
   (4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………5
   (5)利益配分に関する基本的方針及び当期・次期の配当 ………………………………………5
   (6)事業等のリスク …………………………………………………………………………………6
  2.企業集団の状況 ………………………………………………………………………………………8
  3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………8
  4.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………9
   (1)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………………9
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………11
   (3)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………13
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………15
   (5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………16
     (継続企業の前提に関する注記) ………………………………………………………………16
     (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) ………………………………………16
     (会計方針の変更) ………………………………………………………………………………16
     (追加情報) ………………………………………………………………………………………17
     (セグメント情報) ………………………………………………………………………………18
     (連結損益計算書関係) …………………………………………………………………………22
     (1株当たり当期利益) …………………………………………………………………………25
     (偶発負債) ………………………………………………………………………………………26
     (重要な後発事象) ………………………………………………………………………………26




                         -1-
                                   株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
   当連結会計年度の世界経済は、総じて堅調に推移していましたが、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症が
  拡大したことにより、一転して不透明な状況となりました。
   事業別では、映像事業においては、レンズ交換式デジタルカメラ市場及びコンパクトデジタルカメラ市場は縮小
  傾向が続きました。精機事業においては、FPD関連分野は中小型パネル用の設備投資は一段落し、大型パネル用の
  設備投資についても一部後ろ倒しとなった一方、半導体関連分野の設備投資は回復基調となりました。ヘルスケア
  事業においては、バイオサイエンス分野及び眼科診断分野ともに堅調に推移してまいりました。
   そのような中、第4四半期に入ると新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、市況は急速に悪化しました。


   当社グループでは、2019年5月に発表した中期経営計画の下、持続的企業価値の向上に向けた成長基盤構築を目
  標とし、各種施策に取り組みました。
   まず、「新たな収益の柱の創出」の一環として、光加工機シリーズを市場に投入する一方、DMG森精機株式会社
  との包括的な業務提携を行うなど、材料加工事業の立ち上げに注力しました。あわせて、「既存事業の収益力強
  化」として、映像事業における事業構造の抜本的改革に取り組むとともに、主力事業のサプライチェーン最適化、
  管理間接部門スリム化などによるコストダウン等を推し進めました。また、ガバナンス改革として、指名審議委員
  会の設置、社外取締役の多様化などにも取り組みました。


   このような状況の下、当社グループの連結業績は、売上収益は5,910億12百万円、前期比1,176億48百万円(16.6
  %)の減収、営業利益は67億51百万円、前期比759億2百万円(91.8%)の減益、税引前利益は118億64百万円、前
  期比760億51百万円(86.5%)の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は76億93百万円、前期比588億20百万円
  (88.4%)の減益となりました。


   セグメント情報は次のとおりです。


  [映像事業]
   レンズ交換式デジタルカメラは、小型・軽量で高性能なミラーレスカメラ「Z 50」や、高い性能と多彩な機能を
  搭載したデジタル一眼レフカメラ「D780」を発売するとともに、ミラーレスカメラ用交換レンズを拡充させ、プ
  ロ・趣味層向け中高級機の拡販に努めました。
   コンパクトデジタルカメラは、光学83倍ズームを搭載した「COOLPIX P950」を発売し、高付加価値製品の販売に
  注力しました。
   しかしながら、市場の縮小傾向に加えて新型コロナウイルス感染症拡大による需要減退や新製品発売延期の影響
  により、販売台数は減少しました。
   これらの結果、当事業の売上収益は2,258億94百万円、前期比23.7%減となり、構造改革関連費用や固定資産の
  減損損失を計上したこともあり、営業損失は171億53百万円(前期は220億69百万円の営業利益)となりました。
    
  [精機事業]
   FPD露光装置分野では、第10.5世代プレートサイズ対応装置の販売は堅調であったものの、全体としては販売台
  数が減少しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大により一部装置の販売が次期に繰り延べになったことも
  あり、大幅な減収減益となりました。
   半導体露光装置分野では、ArF液浸スキャナーやArFスキャナーの販売台数が増加し、増収増益となりました。
   これらの結果、当事業の売上収益は2,397億28百万円、前期比12.7%減、営業利益は467億74百万円、前期比42.8
  %減となりました。


  [ヘルスケア事業]
   バイオサイエンス分野では、生物顕微鏡の販売増加に向けて、眼科診断分野では、超広角走査型レーザー検眼鏡
  の販売増加に向けて、それぞれ堅調に推移していたものの、いずれの分野も新型コロナウイルス感染症拡大の影響
  を受けて急減速し、減収となりました。



                             -2-
                                   株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


     これらの結果、当事業の売上収益は620億24百万円、前期比5.2%減となり、経費抑制等によって損失の最小化に
    努めたものの、赤字幅は拡大し、営業損失は24億55百万円(前期は19億37百万円の営業損失)となりました。


    [産業機器・その他]
     産業機器事業では、中国等アジアを中心に市況が低調に推移したことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の
    影響に伴う投資抑制により減収となりました。経費抑制等により収益性を改善しましたが、のれんの減損等により
    減益となりました。
     カスタムプロダクツ事業では、固体レーザーと光学部品が増収となりました。
     ガラス事業では、FPDフォトマスク基板の拡販を進めましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により市
    況が悪化し、減収となりました。
     この結果、これらの事業等の売上収益は633億66百万円、前期比12.6%減、営業利益は31億85百万円、前期比
    54.1%減となりました。
 




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                                  株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


(2)当期の財政状態の概況
 当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,291億4百万円減少し、1兆58億81百万円とな
りました。これは主に、現金及び現金同等物が870億21百万円、売上債権及びその他の債権が280億68百万円減少したた
めです。
 当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べて541億38百万円減少し、4,641億21百万円となり
ました。これは主に、仕入債務及びその他の債務が276億38百万円、前受金が169億68百万円減少したためです。
 当連結会計年度末における資本の残高は、前連結会計年度末に比べて749億66百万円減少し、5,417億60百万円となり
ました。これは主に、自己株式を400億2百万円取得、在外活動営業体の換算差額の減少や保有する株式の時価下落等に
よりその他の資本の構成要素が195億10百万円減少し、さらには、利益剰余金が、主に剰余金の配当処分により161億8
百万円減少したためです。なお、当連結会計年度末において自己株式352億79百万円を消却しております。
  
 (3)当期のキャッシュ・フローの概況
 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前利益118億64百万円、減価償却費及び償却
費341億5百万円の計上に加え、特許訴訟和解金の受取があった一方、仕入債務及びその他の債務の減少、前受金の減少、
法人所得税の支払により、164億19百万円の収入(前年同期は689億1百万円の収入)となりました。
 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が45億5百万円、投
資有価証券の売却による収入が58億70百万円あった一方、有形固定資産、無形資産、投資有価証券の取得による支出に
より212億81百万円の支出(前年同期は253億4百万円の支出)となりました。
 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払、自己株式の取得による支出により727
億39百万円の支出(前年同期は215億83百万円の支出)となりました。
 また、現金及び現金同等物に係る換算差額は94億21百万円の減少となりました。
 この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ870億21百万円減少し、
3,240億34百万円となりました。




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                                株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


(4)今後の見通し
   2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現時点では合理的
  な算定が困難であるため、未定とさせていただきます。
   今後、連結業績予想の算定が可能となった時点で速やかに開示します。


(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
   当社の利益配分は将来の成長に向けた事業・技術開発への投資(設備投資・開発投資)を拡大することで競争
  力強化に努めるともに、株主重視の観点から安定的な配当を行うことを基本とし、同時に柔軟な株主還元政策に
  より中長期的な視点に基づく最適な資本配分を実現する方針といたします。この方針に基づき、2020年3月期か
  ら2022年3月期までの現中期経営計画期間累計の総還元性向を40%以上とすることを目標として株主の皆様へ利
  益還元を行ってまいります。
   2020年3月期は、期末配当金は1株当たり10円とさせて頂き、年間配当金は中間配当金の30円と合わせて1株当
  たり40円とする予定であります。なお、次期の年間配当金については未定であります。




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(6)事業等のリスク
 当社グループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性が
あると考えられる主な事項を以下に記載しています。
 なお、当社グループではグループ経営上のリスク全般につき、潜在リスクの洗い出しと優先順位付けをしたうえで、
リスク対応方針の審議決定を行う「リスク管理委員会」により、リスクを整理・管理しています。
 また、2020年3月期終盤に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大対応として、まずは2020年2月25日に、
当社グループのリスク管理体制の一環である「感染症危機初動対応マニュアル」及び「BCM実施要領」に基づき、緊急
対策本部を設置しました。同本部内の初動チームは危機初動対応を目的として設置され、主要なミッションとして従
業員の安全確保と、それに伴う人事・IT施策等の推進、足元の事業影響(販売、サプライチェーン等)に関する情報
収集、課題の整理及び初動対応を実施しています。また、事業リカバリープラン検討をミッションとする経営施策チ
ームを設置し、新型コロナウイルス感染症の影響拡大によりグローバルベースでの社会活動に甚大な影響が及んでい
る中、リスクと機会をしっかりと整理し、中長期視点をもって、事業の早期リカバリーを中心とした経営施策を策定
するために活動を実施しています。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありま
す。


①   事業環境の急激な変化
     映像事業の主要製品であるデジタルカメラの市場は、全体として縮小が続いています。2020年3月期の途中か
    ら、想定を超える市場の縮小や競争激化を受け、対応として、生産販売拠点等の最適化、徹底したコストダウン、
    SCMや物流などの各種改革といった事業構造改革を断行し、一定の収益が得られる体質への転換を進めています。
    しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行及びそれによる各国での規制強化により、外出禁止や
    小売店での営業停止、イベント中止などによる顧客の購買行動への制約、減退が想定されます。それにより、想
    定以上の市場縮小、特にターゲット層であるプロ・趣味層セグメントの縮小が進む場合には、より厳しい状況に
    追い込まれる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性、時期については、消費者動向、社会情勢によ
    り大きく左右されるため、具体的に予測することは困難であります。
     精機事業が扱うFPD露光装置の需要は、ディスプレイ市場自体は安定的に需要が見込める市場ですが、大規模設
    備投資の反動や足元の消費抑制により供給過剰となった場合には露光装置の需要も落ち込む可能性があります。
    対応として、そのような環境下でも、一定の事業部利益を確保するため、新規露光装置およびサービスビジネス
    による収益拡大やトータルコスト低減を進めています。
     半導体露光装置の対象市場である半導体市場は中長期的に大きく成長が見込まれるものの、先端プロセス開発
    のEUVLへの移行度合により、液浸露光装置の需要が急激に減少する可能性があります。対応として、収益性重視
    の事業戦略の下、既存ユーザー以外の顧客開拓を進めるとともに、サービスビジネスを拡大していきます。
     精機事業全体として、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行及びそれによる各国での規制強化により、出
    荷遅延・停止による顧客との信頼関係棄損、需要減退による投資凍結、販売激減などが想定されます。対応とし
    て、顧客とのコミュニケーションの強化、立上げ・サービス要員の現地対応促進などをより一層強めていきま
    す。
     全体として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関するリスクは一部顕在化しつつありますが、その規模、
    時期については社会情勢により大きく左右されるため、緊急対策本部により、回復の時間軸を複数置いてシュミ
    レーションし、各事業による対策を検討、実施しています。


②   新事業領域の立ち上げ
     当社グループは、2019年5月に発表した中期経営計画(2019~2021年度)期間において持続的企業価値の「成
    長基盤構築」を目指し、「新たな収益の柱の創出」として材料加工事業を位置づけ、積極投資を続けていますが、
    本計画期間である2021年度までに期待される規模への成長に届かない可能性があります。
     当該リスクが顕在化する可能性を最小化するため、対応として、当社グループは、材料加工事業の立ち上げを
    最優先と位置付け、社内リソースのシフトを実施しています。また、戦略投資につきましても、買収、合併のみ
    ならず、他社との業務提携、戦略的投資といった複数の形態で関係を構築しての事業拡大を進めています。




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③   競争力維持強化のための新製品開発力及び開発投資
     当社グループの主力事業は厳しい競争下にあり、高度な研究開発の継続による新製品の開発が常に求められて
    います。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があり
    ます。投資の成果が十分に上がらず新製品、次世代技術の開発や市場投入がタイムリーに行えない場合や、当社
    グループが開発した技術が市場に受け入れられなかった場合、ゲームチェンジなど抜本的な変化により当社の技
    術が不要となる場合、企業価値が低下し、収益が減少する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性を
    最小化するため、対応として、当社グループでは、技術戦略委員会にて、これからの社会や市場動向を踏まえ、
    ニコンが注力すべき新領域の開拓や、既存事業の競争力向上につながる技術戦略と、その実現に向けた研究開発
    計画を策定し、グループの技術可視化、適性化を図っています。


④   調達
     当社グループは、それぞれの事業において、原材料、基幹部品、生産委託した製品完成品等を仕入先と密接な
    関係を保ちながら、安定的な調達を行っています。地震等の天災地変、暴動・テロ・戦争・感染症等による社会
    の混乱、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻等により調達に重大な支障をきたした場合や仕入価
    格が高騰した場合には、当社グループの収益と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、新型
    コロナウイルス感染症の世界的な流行による調達先・地域の規制強化、操業停止、倒産などによる調達品の遅れ
    が一部顕在化しています。今後、当該リスクの規模、時期は社会情勢により大きく左右されるため、具体的に予
    測することは困難です。
     対応として、当社グループでは、可能な範囲での複数購買および代替調達先候補の把握とともに、天災事変等
    の混乱時には、全事業部の調達状況の情報収集を実施し、速やかに経営に状況を報告するとともに、代替品の調
    達可能性、設計変更等による代替措置など、複数の視点からの対応策を実施しています。


⑤ 人材・情報の流出
     当社グループは、高度な技術等専門知識及び能力を有する社員によって支えられており、市場での激しい競争
    に打ち克つにはこうした人材の確保がますます重要になっております。これらの主要な人材が退職し、その知
    識・ノウハウが社外に流出する可能性があります。こうした知識・ノウハウの流出の影響を最小限にするべく、
    具体的な習得カリキュラムを組み、社内における固有技術・技能の伝承と標準化・共有化を推進しています。
     また、当社グループは、技術情報等の重要な情報や取引先の企業情報並びに多くの顧客またはその他関係者の
    個人情報を保有しております。これらの情報が漏洩するリスクが顕在化しないよう、これらの情報への外部から
    のアクセス制御の徹底や保管セキュリティレベルの向上を図るとともに、情報取り扱いに関する社内規程の整備、
    従業員教育等を実施しております。




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                                 株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


2.企業集団の状況
  当社グループは、株式会社ニコン(当社)及び連結子会社82社並びに持分法を適用した関連会社及び共同支配企業
 16社より構成されており、映像事業、精機事業、ヘルスケア事業、産業機器事業等を行っております。
  事業の系統図は次のとおりであります。




3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
 当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上や、グループ内の会計基準統一による経営
基盤の強化を目指し、2017年3月期有価証券報告書における連結財務諸表から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用し
ております。




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                                     株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結財政状態計算書

                                                            (単位:百万円)
                     前連結会計年度              当連結会計年度
                                                              増減
                    (2019年3月31日)         (2020年3月31日)
資産
 流動資産
  現金及び現金同等物                  411,055              324,034      △87,021
  売上債権及びその他の債権               115,847               87,779      △28,068
  棚卸資産                       253,336              246,530      △6,806
  その他の金融資産                       3,145              2,901          △244
  その他の流動資産                      15,306             15,960             654
 流動資産合計                      798,689              677,203     △121,485
 非流動資産
  有形固定資産                     116,119              106,369      △9,750
  使用権資産                             -              15,265          15,265
  のれん及び無形資産                     59,176             46,895      △12,282
  退職給付に係る資産                      5,097              4,624          △473
  持分法で会計処理されている投資                9,748             10,002             253
  その他の金融資産                      91,263             84,068      △7,195
  繰延税金資産                        51,383             58,890          7,506
  その他の非流動資産                      3,508              2,564          △944
 非流動資産合計                     336,296              328,677      △7,619
 資産合計                      1,134,985            1,005,881     △129,104




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                    前連結会計年度              当連結会計年度
                                                             増減
                   (2019年3月31日)         (2020年3月31日)
負債及び資本
負債
 流動負債
  仕入債務及びその他の債務               96,493               68,856      △27,638
  社債及び借入金                    14,400               20,950          6,550
  未払法人所得税                      8,222               1,845      △6,376
  前受金                       192,862              175,894      △16,968
  引当金                          5,619               5,161          △458
  その他の金融負債                   27,006               27,210            204
  その他の流動負債                   38,961               30,238      △8,724
 流動負債合計                     383,564              330,154      △53,410
 非流動負債
  社債及び借入金                   112,010              102,778      △9,231
  退職給付に係る負債                    9,031              11,047          2,016
  引当金                          4,944               4,989             45
  繰延税金負債                       4,063               3,589          △474
  その他の金融負債                     2,140               9,232          7,092
  その他の非流動負債                    2,507               2,332          △176
 非流動負債合計                    134,695              133,966          △729
 負債合計                       518,259              464,121      △54,138
資本
  資本金                        65,476               65,476             -
  資本剰余金                      81,424               46,369      △35,055
  自己株式                     △13,044              △17,639       △4,594
  その他の資本の構成要素              △19,992              △39,502       △19,510
  利益剰余金                     502,056              485,948      △16,108
  親会社の所有者に帰属する持分            615,920              540,652      △75,268
  非支配持分                           806              1,108            302
 資本合計                       616,726              541,760      △74,966
 負債及び資本合計                 1,134,985            1,005,881     △129,104




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(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書


                        前連結会計年度                当連結会計年度
                      (自 2018年4月1日           (自 2019年4月1日           増減
                      至 2019年3月31日)          至 2020年3月31日)
                       金額        売上収益比        金額        売上収益比        金額
                     (百万円)         (%)      (百万円)         (%)      (百万円)
 売上収益                    708,660    100.0       591,012    100.0    △117,648
 売上原価                  △405,250    △57.2      △368,978    △62.4       36,272
 売上総利益                  303,410      42.8      222,034      37.6     △81,376
  販売費及び一般管理費           △238,561               △205,698                32,863
  その他営業収益                21,912                  6,447               △15,465
  その他営業費用               △4,107                 △16,032               △11,924
 営業利益                    82,653      11.7        6,751       1.1     △75,902
  金融収益                    7,333                  5,204                △2,129
  金融費用                  △3,833                 △1,908                  1,925
  持分法による投資利益              1,762                  1,816                    54
 税引前利益                   87,915      12.4       11,864       2.0     △76,051
 法人所得税費用                △21,318                △4,022                 17,297
 当期利益                    66,597       9.4        7,842       1.3     △58,754


 当期利益の帰属
  親会社の所有者                66,513       9.4        7,693       1.3     △58,820
  非支配持分                      84                    149                    66
  当期利益                   66,597       9.4        7,842       1.3     △58,754


 1株当たり当期利益
  基本的1株当たり当期利益(円)        167.86                  19.93
  希薄化後1株当たり当期利益(円)       167.30                  19.85




                            -11-
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連結包括利益計算書


                                                      (単位:百万円)
                            前連結会計年度        当連結会計年度
                          (自 2018年4月1日   (自 2019年4月1日     増減
                          至 2019年3月31日)  至 2020年3月31日)
当期利益                              66,597          7,842   △58,754
その他の包括利益
 純損益に振り替えられることのない項目
  その他の包括利益を通じて測定する
                                  △4,591         △5,699   △1,108
  金融資産の公正価値の純変動
  確定給付制度の再測定                       △999          △1,998   △1,000
  持分法適用会社におけるその他の包括利益
                                      24              2        △22
  に対する持分
 純損益に振り替えられることのない項目合計             △5,566         △7,695   △2,129
 純損益に振り替えられる可能性のある項目
  在外営業活動体の換算差額                     2,669        △12,019   △14,688
  キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の
                                   △147              32        179
  変動額の有効部分
  持分法適用会社におけるその他の包括利益
                                    △32           △129         △97
  に対する持分
 純損益に振り替えられる可能性のある項目合計             2,490        △12,116   △14,605
 税引後その他の包括利益                      △3,076        △19,811   △16,735
当期包括利益                            63,520        △11,969   △75,489
当期包括利益の帰属
 親会社の所有者                          63,447        △12,043   △75,490
 非支配持分                                73             74          1
 当期包括利益                           63,520        △11,969   △75,489




                          -12-
                                            株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


(3)連結持分変動計算書
   
                                                                       (単位:百万円)
                                     親会社の所有者に帰属する持分
                                                          その他の資本の構成要素
                                                    その他の包括                   持分法適用
               資本金        資本剰余金       自己株式          利益を通じて                  会社における
                                                                確定給付制度の
                                                    測定する金融                  その他の包括
                                                                  再測定
                                                   資産の公正価値                  利益に対する
                                                     の純変動                      持分
2018年4月1日残高      65,476     81,333       △13,152       12,726          -       △799

  当期利益               -          -             -            -           -          -

  その他の包括利益           -          -             -       △4,594        △999         △9

 当期包括利益合計            -          -             -       △4,594        △999         △9

  剰余金の配当             -          -             -            -           -          -
  自己株式の取得
                     -         △0            △3            -           -          -
  及び処分
  株式報酬取引             -          91           111           -           -          -
  子会社に対する所有者
                     -          -             -            -           -          -
  持分の変動
  その他の資本の構成
  要素から利益剰余金          -          -             -           413         999       △27
  への振替
 所有者との取引額等合計         -          91           108          413         999       △27

2019年3月31日残高     65,476     81,424       △13,044        8,544          -       △835



2019年4月1日残高      65,476     81,424       △13,044        8,544          -        △835

  当期利益               -          -             -            -           -          -

  その他の包括利益           -          -             -       △5,666       △1,998       △127

 当期包括利益合計            -          -             -       △5,666       △1,998       △127

  剰余金の配当             -          -             -            -           -          -
  自己株式の取得
                     -        △42        △40,002           -           -          -
  及び処分
  自己株式の消却            -     △35,279        35,279           -           -          -

  株式報酬取引             -         266           128           -           -          -
  子会社に対する所有者
                     -          -             -            -           -          -
  持分の変動
  その他の資本の構成
  要素から利益剰余金          -          -             -       △1,770        1,998        △3
  への振替
 所有者との取引額等合計         -     △35,055       △4,594       △1,770        1,998        △3

2020年3月31日残高     65,476     46,369       △17,639        1,108          -        △964




                                  -13-
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                                                                             (単位:百万円)
                              親会社の所有者に帰属する持分
                     その他の資本の構成要素
                           キャッシュ・                                         非支配持分     資本合計
                           フロー・ヘッジ                 利益剰余金       合計
               在外営業活動体
                            の公正価値       合計
                の換算差額
                            の変動額の
                            有効部分
2018年4月1日残高      △30,406        169    △18,310       457,561   572,908        633    573,541

  当期利益                -          -            -       66,513    66,513         84    66,597

  その他の包括利益         2,683       △147     △3,066            -    △3,066        △10     △3,076

 当期包括利益合計          2,683       △147     △3,066        66,513    63,447         73    63,520

  剰余金の配当              -          -            -     △20,634    △20,634       △40    △20,674
  自己株式の取得
                      -          -            -           -         △3         -         △3
  及び処分
  株式報酬取引              -          -            -           -         202        -         202
  子会社に対する所有者
                      -          -            -           -          -        139        139
  持分の変動
  その他の資本の構成
  要素から利益剰余金           -          -       1,384       △1,384          -         -         -
  への振替
 所有者との取引額等合計          -          -       1,384      △22,018    △20,435         99   △20,336

2019年3月31日残高     △27,723         21    △19,992       502,056   615,920        806    616,726



2019年4月1日残高      △27,723         21    △19,992       502,056   615,920        806    616,726

  当期利益                -          -            -        7,693     7,693        149      7,842

  その他の包括利益       △11,976         32    △19,736            -    △19,736       △75    △19,811

 当期包括利益合計        △11,976         32    △19,736         7,693   △12,043         74   △11,969

  剰余金の配当              -          -            -     △23,576    △23,576       △42    △23,618
  自己株式の取得
                      -          -            -           -    △40,043         -    △40,043
  及び処分
  自己株式の消却             -          -            -           -          -         -         -

  株式報酬取引              -          -            -           -         394        -         394
  子会社に対する所有者
                      -          -            -           -          -        270        270
  持分の変動
  その他の資本の構成
  要素から利益剰余金           -          -           225       △225          -         -         -
  への振替
 所有者との取引額等合計          -          -           225    △23,801    △63,225        228   △62,997

2020年3月31日残高     △39,699         53    △39,502       485,948   540,652      1,108    541,760




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                               株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書

                                                   (単位:百万円)
                            前連結会計年度              当連結会計年度
                          (自 2018年4月1日         (自 2019年4月1日
                          至 2019年3月31日)        至 2020年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前利益                               87,915               11,864
 減価償却費及び償却費                          27,805               34,105
 減損損失                                 1,023               11,275
 受取利息及び受取配当金                        △5,086               △3,911
 持分法による投資損益(△は益)                    △1,762               △1,816
 固定資産売却損益(△は益)                        △109               △4,123
 支払利息                                 1,515                1,721
 売上債権及びその他の債権の増減額
                                   △12,077               25,788
 (△は増加)
 棚卸資産の増減額(△は増加)                    △18,185                1,034
 仕入債務及びその他の債務の増減額
                                   △18,739              △24,533
 (△は減少)
 前受金の増減額(△は減少)                       15,149             △15,561
 引当金の増減額(△は減少)                      △1,173                △224
 その他                                  7,375              △7,949
 (小計)                                83,651               27,668
 利息及び配当金の受取額                          6,321                5,498
 利息の支払額                             △1,409               △1,693
 法人所得税の支払額又は還付額(△は支払)              △19,662              △15,054
 営業活動によるキャッシュ・フロー                    68,901               16,419
投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                    △20,827              △19,463
 有形固定資産の売却による収入                      2,807                4,505
 無形資産の取得による支出                       △7,566               △5,968
 連結範囲の変更を伴う事業の取得による支出               △2,380                   -
 投資有価証券の取得による支出                     △6,281               △7,802
 投資有価証券の売却による収入                        651                5,870
 定期預金の預入による支出                       △1,327                △370
 定期預金の払出による収入                        8,403                  481
 その他                                 1,216                1,467
 投資活動によるキャッシュ・フロー                  △25,304              △21,281
財務活動によるキャッシュ・フロー
 短期借入金の純増減額(△は減少)                      △50               △2,250
 リース負債の返済による支出                        △798               △7,194
 配当金の支払額                           △20,621              △23,552
 非支配持分への配当金の支払額                        △40                  △42
 自己株式の取得による支出                           △3              △40,002
 その他                                   △71                   301
 財務活動によるキャッシュ・フロー                  △21,583              △72,739
現金及び現金同等物に係る換算差額                        603              △9,421
現金及び現金同等物増減額(△は減少)                   22,617             △87,021
現金及び現金同等物期首残高                       388,438              411,055
現金及び現金同等物期末残高                       411,055              324,034




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(5)連結財務諸表に関する注記事項
 (継続企業の前提に関する注記)
  該当事項はありません。
 
 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1   連結の範囲に関する事項
     連結子会社数           :   82社
     主要会社名            :   ㈱栃木ニコン、㈱栃木ニコンプレシジョン、
                          ㈱仙台ニコン、㈱宮城ニコンプレシジョン、
                          ㈱ニコンイメージングジャパン、㈱ニコンインステック、
                          Nikon (Thailand) Co., Ltd.、
                          Nikon Imaging (China) Sales Co., Ltd.、Nikon Inc.、
                          Nikon Precision Inc.、Nikon Instruments Inc.、Nikon Europe
                          B.V. 、Optos Plc 他

     連結子会社数の増減は、次のとおりであります。

         増加               :     2社   新設分割による増加      他

         減少               :     1社   清算による減少


2   持分法の適用に関する事項
     持分法を適用した関連会社及び
                      :   16社
     共同支配企業数
         主要会社名        :   ㈱ニコン・エシロール、㈱ニコン・トリンブル                  他
 


3   会計処理基準に関する事項
  IFRS第16号「リース」以外は、最近の有価証券報告書(2019年6月27日提出)における記載から重要な変更がない
 ため開示を省略しております。


 (会計方針の変更)
 当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」という)を適用しております。
                                               新設・改訂の概要

     IFRS第16号   リース                  リースに関する会計処理及び開示を規定



 IFRS第16号の適用に際して、適用開始日以前に開始している契約が、リース又はリースが含まれたものであるか否か
については、IFRS第16号C3項の実務上の便法を選択し、IAS第17号「リース」(以下「IAS第17号」という)及びIFRIC第
4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」のもとでの判断を引き継いでおります。適用開始日以降に開始する契
約については、IFRS第16号の規定に基づき判断しております。


 過去にIAS第17号を適用してファイナンス・リースに分類した借手としてのリースについては、前連結会計年度末にお
けるIAS第17号に基づくリース資産及びリース債務の帳簿価額を以て、IFRS第16号の適用開始日における使用権資産及び
リース負債の帳簿価額としております。
 過去にIAS第17号を適用してオペレーティング・リースに分類した借手としてのリースについては、IFRS第16号C8項に
従い、適用開始日に使用権資産及びリース負債を認識しております。リース負債は、残存リース料を適用開始日におけ
る借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。当該追加借入利子率の加重平均は、0.9%で
あります。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っております。ま
た、以下の実務上の便法を使用しております。
 ・減損レビューを実施することの代替として、リースが適用開始日直前においてIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶
    発資産」を適用して不利であるかどうかの評価に依拠
 ・適用開始日から12ヶ月以内にリース期間が終了するリースについて、短期リースと同じ方法で会計処理


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 ・当初直接コストを適用開始日現在の使用権資産の測定から除外


 なお、IFRS第16号の適用にあたっては、IFRS第16号C5項(b)の経過措置を採用し、本基準の適用による累積的影響を適
用開始日(2019年4月1日)に認識しております。前連結会計年度末においてIAS第17号を適用した解約不能のオペレー
ティング・リース契約と、適用開始日において連結財政状態計算書に認識したリース負債の調整表は、以下のとおりで
あります。
                                                        (単位:百万円)
     解約不能オペレーティング・リース契約                                       4,523
      (a) 前連結会計年度末のファイナンス・リース債務                               2,582
      (b) 解約可能オペレーティング・リース契約                                 14,169
      (c) 短期又は少額資産リースとして会計処理(△)                             △1,717
     適用開始日において連結財政状態計算書に認識したリース負債                            19,557
     (注)リース負債は、連結財政状態計算書のその他の金融負債に含めております。


 (追加情報)
1   新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた会計上の見積り
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、映像事業における需要減退や部品供給の遅延、精機事業におけるFPD露光装

置の据付作業が計画通り実施出来ない状況等が発生し、当社グループの当連結会計年度の連結業績に影響が生じまし

た。感染拡大に伴う事業環境への影響は、当社グループの翌連結会計年度以降の連結業績にも及ぶ見込みであります。

 当状況下、当連結会計年度の会計上の見積りに使用する将来計画並びに前提条件につきましては、経済や市場、消費

動向、また当社グループの各事業が属する産業における需要や供給の変化等を踏まえて算定しております。なお、感染

症の収束時期は現時点で不透明な状況にありますが、会計上の見積りに際しては、2021年3月期の後半より経済活動の

復旧が開始する前提としております。

 当社グループは、上記の将来計画並びに前提条件を使用した将来キャッシュ・フロー、将来利益を予測し、非金融資

産の減損判定、繰延税金資産の回収可能性の判断をいたしました。その結果、当連結会計年度において、有形固定資産、

使用権資産、無形資産、のれん及びその他の非流動資産の減損損失を計上しております。セグメント、影響額等の詳細

については、「(連結損益計算書関係)3. 減損損失」をご参照ください。




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(セグメント情報)
(1)報告セグメントの概要
 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役
会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
 当社グループは経済的特徴の類似性等を考慮したうえで各事業部を集約し、「映像事業」、「精機事業」及び「ヘ
ルスケア事業」の3つを報告セグメントとしております。
 「映像事業」はレンズ交換式デジタルカメラ、コンパクトデジタルカメラや交換レンズなど、映像関連製品やその
周辺領域の製品・サービスを提供、「精機事業」はFPD露光装置及び半導体露光装置の製品・サービスを提供、「ヘル
スケア事業」は生物顕微鏡、細胞培養観察装置、超広角走査型レーザー検眼鏡などバイオサイエンス分野や眼科診断
分野の製品・サービスを提供しております。




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(2) 報告セグメントに関する情報
    報告セグメントの利益は、営業利益をベースとした数値であります。セグメント間の売上収益は市場実勢価格に
 基づいております。


    当社グループのセグメント情報は次のとおりであります。
                                                                             (単位:百万円)
      前連結会計年度                                  産業機器
                                         ヘルスケア                             調整額
    (自 2018年4月1日     映像事業      精機事業            ・その他              合計                  連結
                                           事業                              (注2)
     至 2019年3月31日)                              (注1)
売上収益

 外部顧客からの売上収益         296,169   274,540     65,434       72,518   708,660        -    708,660

 セグメント間の売上収益           1,215      398           204     61,268    63,085   △63,085        -

売上収益合計               297,383   274,938     65,638      133,786   771,745   △63,085   708,660
セグメント利益
                      22,069    81,730    △1,937         6,937   108,799   △26,146    82,653
又は損失(△)(注3)
金融収益                                                                                   7,333

金融費用                                                                                 △3,833

持分法による投資利益                                                                             1,762

税引前利益                                                                                 87,915

セグメント資産              139,673   198,591    101,948      132,792   573,005   561,980 1,134,985

その他の項目
 減損損失(注4)                365       -             -         657     1,023        -      1,023
 減価償却費及び償却費            9,745    2,714       3,539        6,526    22,524     5,281    27,805
 有形固定資産、のれん            6,426    4,171       3,244        9,391    23,232     4,378    27,610
 及び無形資産の増加額
(注1)   「産業機器・その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、産業機器事業、ガラス
        事業、カスタムプロダクツ事業等を含んでおります。
(注2)    セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。セグメント利益又
        は損失(△)の調整額には、セグメント間取引消去668百万円、在外子会社の清算による換算差額累計額の
        純損益への振替△545百万円及び各セグメントに配賦されない全社損益△26,269百万円が含まれておりま
        す。全社損益は、主に基礎研究に係る費用、本社機能の一般管理費、新規事業創設に係る費用ならびに各
        セグメントに配賦されないその他営業損益であります。
        セグメント資産は、連結財政状態計算書の資産と調整を行っております。セグメント資産の調整額には、
        各セグメントに配分していない全社資産573,888百万円、セグメント間取引消去△11,908百万円が含まれて
        おります。全社資産は主に当社及び連結子会社での余資運用資金(現金及び現金同等物)、長期投資資金
        (株式)、繰延税金資産及び各セグメント共用の固定資産の一部であります。
(注3)    連結損益計算書のその他営業費用に含まれる構造改革関連費用△1,841百万円のうち、「映像事業」には△
        605百万円、「産業機器・その他」には△691百万円がセグメント利益又は損失(△)に含まれております。
        なお、構造改革関連費用に含まれる在外子会社の清算による換算差額累計額の純損益への振替△545百万円
        はセグメント利益又は損失(△)の調整額に含まれております。
(注4)    減損損失の主な内訳は、「(連結損益計算書関係)3 減損損失」に記載されております。




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      当連結会計年度                                   産業機器
                                          ヘルスケア                               調整額
    (自 2019年4月1日           映像事業      精機事業       ・その他                合計                  連結
                                            事業                                (注2)
     至 2020年3月31日)                               (注1)
売上収益

 外部顧客からの売上収益               225,894   239,728    62,024     63,366   591,012        -    591,012

 セグメント間の売上収益                   902       378       269     58,773    60,322   △60,322        -

売上収益合計                     226,796   240,106    62,293    122,139   651,334   △60,322   591,012
セグメント利益
                           △17,153    46,774   △2,455       3,185    30,351   △23,600     6,751
又は損失(△)(注3)
金融収益                                                                                      5,204

金融費用                                                                                    △1,908

持分法による投資利益                                                                                1,816

税引前利益                                                                                    11,864

セグメント資産                    105,285   200,767   102,941    109,089   518,082   487,798 1,005,881


その他の項目
 減損損失(注4)                    7,458        -         -       3,816    11,275        -     11,275
 減価償却費及び償却費                 11,556     4,323     4,401      7,391    27,671     6,434    34,105
 有 形 固 定 資 産、 使 用 権 資 産、    13,629     7,875     4,523      7,197    33,224    14,007    47,231
 のれん及び無形資産の増加額

(注1)   「産業機器・その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、産業機器事業、ガラス
        事業、カスタムプロダクツ事業等を含んでおります。
(注2)    セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。セグメント利益又
        は損失(△)の調整額には、セグメント間取引消去△2,134百万円、在外子会社の清算による換算差額累計
        額の純損益への振替△1,753百万円及び各セグメントに配賦されない全社損益△19,713百万円が含まれてお
        ります。なお、全社損益△19,713百万円には、連結損益計算書のその他営業収益に計上されている土地の売
        却益3,888百万円が含まれております。全社損益は、主に基礎研究に係る費用、本社機能の一般管理費、
        新規事業創設に係る費用ならびに各セグメントに配賦されないその他営業損益であります。
        セグメント資産は、連結財政状態計算書の資産と調整を行っております。セグメント資産の調整額には、
        各セグメントに配分していない全社資産499,356百万円、セグメント間取引消去△11,557百万円が含まれて
        おります。全社資産は主に当社及び連結子会社での余資運用資金(現金及び現金同等物)、長期投資資金
        (株式)、繰延税金資産、各セグメント共用の固定資産及び使用権資産の一部であります。
(注3)    連結損益計算書のその他営業費用に含まれる構造改革関連費用△4,573百万円のうち、「映像事業」には△
        2,737百万円、「産業機器・その他」には△83百万円がセグメント利益又は損失(△)に含まれておりま
        す。なお、構造改革関連費用に含まれる在外子会社の清算による換算差額累計額の純損益への振替△1,753
        百万円はセグメント利益又は損失(△)の調整額に含まれております。
(注4)    減損損失の主な内訳は、「(連結損益計算書関係)3 減損損失」に記載されております。




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 (3) 地域別情報
    外部顧客からの売上収益
                                                   (単位:百万円)
                             前連結会計年度            当連結会計年度
                           (自 2018年4月1日       (自 2019年4月1日
                           至 2019年3月31日)       至 2020年3月31日)
    日本                               92,270              87,819
    米国                              172,125             200,745
    欧州                              118,183              87,553
    中国                              199,508             115,222
    その他                             126,575              99,672
              合計                    708,660             591,012

 (注)   売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
       日本、米国及び中国以外の区分に属する主な国又は地域は、次のとおりであります。
       ① 欧州:英国、フランス、ドイツ
       ② その他:カナダ、アジア、中東、オセアニア、中南米

    非流動資産
                                                   (単位:百万円)

                            前連結会計年度             当連結会計年度
                           (2019年3月31日)        (2020年3月31日)

    日本                              102,841              97,775
    北米                                4,786               5,606
    欧州                               48,290              44,637
    中国                                1,169               1,516
    タイ                               19,818              18,253
    その他                               1,900               3,307
              合計                    178,804             171,094

 (注)   非流動資産を資産の所在地により、国又は地域に分類しております。
       日本、中国及びタイ以外の区分に属する主な国又は地域は、次のとおりであります。
       ① 北米:米国、カナダ
       ② 欧州:英国、フランス、ドイツ
       ③ その他:アジア、中東、オセアニア、中南米
       金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。

 (4) 主要な顧客に関する情報
     当社グループの連結売上収益の10%以上を占める顧客グループが存在しております。当該顧客グループから
    生じた売上収益は、前連結会計年度において80,602百万円(精機事業及び産業機器・その他)、当連結会計年度
    において107,347百万円(精機事業及び産業機器・その他)であります。




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 (連結損益計算書関係)
1   販売費及び一般管理費
    販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。
                                                                (百万円)
                                    前連結会計年度              当連結会計年度
                                  (自 2018年4月1日         (自 2019年4月1日
                                   至 2019年3月31日)        至 2020年3月31日)
      減価償却費及び償却費                              11,638             14,190

      研究開発費                                   62,424             61,052

      従業員給付費用                                 59,003             55,700

      広告宣伝費及び販売促進費                            30,049             19,868

      その他                                     75,447             54,888

                    合計                       238,561            205,698


2   土地に関する固定資産売却益
     当連結会計年度(自   2019年4月1日   至 2020年3月31日)
      主に当社において神奈川県川崎市高津区の遊休地を売却したことに伴う土地売却益3,929百万円を「その他
     営業収益」に含めております。


3   減損損失
    減損損失を認識した非金融資産
      当社グループは、事業の種類別セグメントをもとに、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位
     にグルーピングを行った資金生成単位にて、資産の減損判定を実施しております。なお、遊休資産については今
     後の具体的な使用または売却の見込みを勘案し、個別資産または複数の資産をグルーピングした資金生成単位に
     て減損判定を実施しております。減損判定の結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その回収可能価額ま
     で帳簿価額を減額し、減損損失として計上しております。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト
     控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。減損損失は「その他営業費用」に含まれてお
     ります。


     前連結会計年度(自   2018年4月1日   至 2019年3月31日)
      当社グループは、前連結会計年度において、当社グループが保有する固定資産の活用状況及び今後の見通しを
     調査した結果、主に日本、タイ及び欧州において、今後の具体的な使用が見込めない遊休資産及び売却による回
     収可能価額が帳簿価額を下回る売却予定資産について、減損損失を認識しております。
      なお、減損損失1,023百万円のうち31百万円は、連結損益計算書では構造改革関連費用として計上しておりま
     す。構造改革関連費用につきましては、「(連結損益計算書関係)4             構造改革関連費用」をご参照ください。


     当連結会計年度(自   2019年4月1日   至 2020年3月31日)
      当社グループは、当連結会計年度において、将来における中長期の事業環境の動向や新型コロナウイルス感染
     症拡大による事業活動への影響を勘案した将来キャッシュ・フローの予測に基づき、減損判定を実施しておりま
     す。減損判定の結果、減損損失11,275百万円を認識しております。減損損失の資産別内訳は次のとおりでありま
     す。




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                                   株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


                                                        (百万円)
                              前連結会計年度            当連結会計年度
                            (自 2018年4月1日       (自 2019年4月1日
                             至 2019年3月31日)      至 2020年3月31日)
    有形固定資産                               746              2,579

    使用権資産                                 -                 326

    無形資産                                 276              5,159

    のれん                                   -               3,076

    その他                                   -                 135

          合計                           1,023             11,275


 映像事業において、減損損失7,458百万円を認識しております。デジタルカメラ市場の急速な縮小及び新型コロ
ナウイルス感染症拡大による事業活動への影響を勘案した将来キャッシュ・フローの予測に基づき減損判定を実
施した結果、当社及び一部の国内連結会社において資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、減
損損失6,621百万円を認識しております。また、固定資産の今後の使用見込を調査した結果、当社及びタイの生産
子会社において、今後の具体的な使用が見込めない遊休資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損
損失837百万円を認識しております。
 産業機器・その他において、減損損失3,816百万円を認識しております。産業機器・その他に含まれる産業機器
事業において、市況や事業環境の悪化により当初想定した収益が見込めない中、新型コロナウイルス感染症拡大
による事業活動への影響を勘案した将来キャッシュ・フローの予測に基づき減損判定を実施した結果、のれんを
含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、減損損失3,635百万円を認識しております。当該減
損損失は当社連結会社Nikon Metrology NVに関するのれんに3,076百万円、のれん以外の固定資産に559百万円を
配分しております。また、産業機器・その他の産業機器事業以外の事業において、減損損失181百万円を認識して
おります。これは、主に当社において固定資産の今後の使用見込を調査した結果、今後の具体的な使用が見込め
ない遊休資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額したためです。
 なお、減損損失11,275百万円のうち862百万円は、連結損益計算書では構造改革関連費用として計上しておりま
す。構造改革費用に含まれる減損損失は映像事業で830百万円、産業機器・その他で32百万円であります。構造改
革関連費用につきましては、「(連結損益計算書関係)4        構造改革関連費用」をご参照ください。セグメント
利益又は損失(△)に含まれる減損損失につきましては「(セグメント情報)(2)              報告セグメントに関する
情報」をご参照ください。




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                                               株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信




4   構造改革関連費用
    前連結会計年度(自     2018年4月1日    至 2019年3月31日)
     当社グループでは、2016年11月に公表した構造改革の最終年度として、持続的な企業価値創造の実現に努める
    ため、ポートフォリオ経営の推進、固定費の削減など体質改善への取り組みを行いました。
     前連結会計年度では、産業機器事業における低収益性製品からの撤退、ブラジル販売子会社NIKON DO BRASIL
    LTDA.の清算結了により、以下の構造改革に関連した費用を、「その他営業費用」に含めて計上しております。


                                   内容                    金額(百万円)

            棚卸資産評価減                                              583

            在外子会社の清算による換算差額累計額の純損益への振替                           545

            生産設備の移管費用                                            507
            その他                                                  206
                              合計                               1,841


    当連結会計年度(自     2019年4月1日    至 2020年3月31日)
     当連結会計年度におきまして、構造改革関連費用を、下記の表の通り、4,573百万円計上致しました。構造改革
    に関連した費用は、「その他営業費用」に含めております。
     映像事業において、デジタルカメラ市場縮小の中、一定の収益が得られる体質への転換を図るため、生産及び
    販売拠点体制の見直しに伴う割増退職金や減損損失等により、構造改革関連費用2,737百万円を計上しておりま
    す。
     産業機器・その他において、海外拠点の機能の見直し等により、構造改革関連費用83百万円を計上しておりま
    す。
     また、2017年に操業停止した生産子会社Nikon Imaging (China) Co., Ltd.の清算結了により、在外子会社の清
    算による換算差額累計額の純損益への振替1,753百万円を構造改革関連費用として計上しております。


                                   内容                    金額(百万円)

            在外子会社の清算による換算差額累計額の純損益への振替                         1,753

            割増退職金等                                             1,140

            減損損失                                                 862
            その他                                                  818
                              合計                               4,573




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                                        株式会社ニコン(7731) 2020年3月期 決算短信


 (1株当たり当期利益)
  親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は次のとおりで
 あります。
                                   前連結会計年度                       当連結会計年度
                                 (自 2018年4月1日               (自    2019年4月1日
                                  至 2019年3月31日)              至    2020年3月31日)
基本的1株当たり当期利益の算定基礎

 親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)                             66,513                   7,693

 親会社の普通株主に帰属しない利益(百万円)                                 -                        -
 基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
                                                   66,513                   7,693
 当期利益(百万円)
 普通株式の期中平均株式数(千株)                                 396,235                 386,016

基本的1株当たり当期利益(円)                                  167円86銭                 19円93銭

希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎
 基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
                                                   66,513                   7,693
 当期利益(百万円)
 当期利益調整額(百万円)                                          -                        -
 希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する
                                                   66,513                   7,693
 当期利益(百万円)
 普通株式の期中平均株式数(千株)                                 396,235                 386,016

 ストック・オプションによる普通株式増加数(千株)                           1,325                   1,506

 希薄化後の期中平均株式数(千株)                                 397,561                 387,522

希薄化後1株当たり当期利益(円)                                 167円30銭                 19円85銭

希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり
                                                      -                         -
当期利益の算定に含まれなかった潜在株式

(注)基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上、以下の株式数の役員報酬BIP信託が保有す
   る当社株式を、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
         前連結会計年度   576,900株、当連結会計年度   576,900株
    




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(偶発負債)
(訴訟関連)
     当社及び当社グループ会社が事業展開する中で、国内外において、係争案件へ発展すること、訴訟の被告になる
    ことや政府機関による調査を受けることがあります。当社及び当社グループ会社では、係争案件や訴訟に関連した
    債務に関し、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性や、その影響額について
    信頼性のある見積りができるかを勘案のうえ、引当金の認識を検討しております。
     当社のインド子会社は、当社デジタルカメラ製品の輸入に関連して、インド税当局から調査を受け、2016年10
    月、同製品について関税、延滞税及び加算税の支払決定を受けておりました。これに対し、当社インド子会社は、
    2017年1月、同国間接税租税審判所(CESTAT:Customs, Excise and Service Tax Appellate Tribunal)へ不服申
    立を行いましたが、2017年12月、当該申立は棄却されました。当社インド子会社はこれを不服とし、2018年1月、
    同国最高裁判所に対して上告受理申立を行い、同年3月、最高裁判所は当該申立を受理して審理に入っておりま
    す。なお、現時点において最終的な判決の結果を予想することは不可能であるため、上記会計方針に則り、引当金
    は認識しておりません。 
     その他の案件においては、現時点において、当社連結の業績や財政状態へ重要な影響を与えるものはないと考え
    ております。
      
(重要な後発事象)
    該当事項はありません。




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