7707 M-PSS 2020-05-28 17:45:00
PCR全自動検査装置と一体化したPCR試薬の厚生労働省への保険適用のための申請と『COVID-19』等重篤感染症防疫システム対策について [pdf]

                                                               2020 年5月 28 日
  各   位
                        会 社 名       プレシジョン・システム・サイエンス株式会社
                        代表者名        代表取締役社長                 田島 秀二
                                    (コード番号:7707 東証マザーズ)
                        問合せ先        取締役総務部長                  田中 英樹
                                    (TEL 047-303-4800    http://www.pss.co.jp/)


 PCR 全自動検査装置と一体化した PCR 試薬の厚生労働省への保険適用のための申請と
               『COVID-19』等重篤感染症防疫システム対策について


 プレシジョン・システム・サイエンス株式会社(以下、PSS)は、核酸抽出自動化装置
(MagLEAD)、PCR全自動検査装置(geneLEAD)及び核酸抽出試薬(Mag DEA SV)の開発、製造の
経験と販売実績をもとに、共同事業契約を締結しているPCR試薬製造販売企業と「COVIDー
19」あるいは将来予想される「重篤感染症ウイルス」の日本国内におけるPCR検査対策に
つき、協議を行ってまいりました。


 PSS は同対策につき、geneLEADを中核とした、300ヶ所程度のPCR検査自動処理システム
の拠点作りをイメージして構想を立案し、PCR試薬の供給を要請していましたが、この
度、PSSのgeneLEADⅧ(販売名:ジーンリード エイト医療機器届出番号:12B3X00033000006)
と ELITe InGenius(販売名:エリート インジーニアス医療機器届出番:12B3X00033000003)
に連携したPCR試薬の供給と、日本国内における販売に合意を得ることが出来ました。


 PSS は、すでに当該 PCR 試薬を使用し感染研法との陽性一致率及び陰性一致率を求めた複
数の結果を共同研究施設によって臨床試験データを取得し、厚生労働省へ「臨床検体を用い
た評価結果が取得された 2019-nCoV の遺伝子検査方法」への追加記載申請を行いました。
参考URL: https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-current.pdf


 上記完了後は国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル2019-nCoV」に記載
された方法に準じたものとして保険適用が可能となります。
                          (当初は臨床研究用試薬とし
ての販売になります。)引き続き体外診断用医薬品としての申請・承認まで速やかに進め
て参ります。また、承認後の具体的な販売体制については現在計画中であり、正式に販売
時期等が決定次第、発表する予定です。

                                      1
 COVIDー19の蔓延が、現状は沈静に向かっているものの、第二波・第三波も予想され、
 再度の蔓延を防ぐPCR検査体制作りは必須と考えます。つきましては、PSSとしての
「COVID-19/近将来の重篤感染症蔓延防止対策としてPCR検査システム対策」の概要につ
いて、別添資料にてご説明致します。


 なお、本発表に伴う2020年6月期の連結業績に与える影響は、現在精査中であり、2019
年8月14 日に公表いたしました連結業績予想に修正の必要が生じた場合には、速やかに
お知らせいたします。
                                       以   上




                      2
              <PSS社内中期計画資料>




   COVID-19の教訓と
近将来の重篤感染症蔓延防止対策
全自動PCR検査システムの立案



                  2020.05.28


                          1
                                   <PSS社内中期計画資料>

 日本国内のPCR検査の課題
日本のPCR検査における主な課題として、以下の3点が挙げられる。

1. マニュアルでの作業工程が多く、判定に時間がかかる

  ⇒全自動化により、煩雑な工程を簡略化、検査時間の短縮化が可能。

2. 専門性、技能を有する検査技師不足により、機器はあっても、PCR検査数が圧倒的に
   少ない。また、検査技師の技量への依存が大きく、検査結果が安定しない

  ⇒全自動化により、誰でも簡単に操作でき、安定した検査結果を実現。

3. 人の関与が大きく感染リスク、人的ミスによる検体のコンタミ(汚染)リスクが高い

  ⇒全自動化により、全工程がクローズされた装置内で作業が完了し、リスクを限定。


上記課題を解決し、国内のPCR検査数を増加させる具体的な施策として、
“PSS製全自動PCR検査システム”の臨床検査施設への早期導入を提案したい。


                                           2
                                                        <PSS社内中期計画資料>
 PSS製全自動PCR検査システムの主な特徴
◆ プレフィルドカートリッジ試薬、専用消耗品Kitにより、煩雑な試薬ボトルの管理やピペッティング作業が不要




    <抽出試薬プレフィルドカートリッジ>            <自動化専用消耗品Kit>


◆ グローバルに導入実績のある”Magtration Technology”による高精度の核酸抽出自動化技術


                                                  遺伝子検査業界のメジャープレ
                                                  イヤーへのOEM供給を中心に
                                                  累計約3万台の販売実績あり。

                           ※magLEAD 6gC / 12gC


◆ 核酸抽出からリアルタイムPCR解析までの反応工程を全自動化(反応時間はPCR試薬により異なります。)




                                                                   3
                                        <PSS社内中期計画資料>

 PSS製全自動PCR検査システムの導入に向けた喫緊のAction

STEP-1 <臨床データの取得と保険適用対応>
国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル2019-nCoV」記載の”感染研法”に準拠し、
提携病院4施設にて、PSS製全自動PCR検査システム及び検査用PCR試薬を臨床評価中。
2020年5月27日に保険適用のための申請済。



STEP-2 <検査用PCR試薬Kitの調達>
検査に用いるPCR試薬については、提携している海外試薬メーカー3社の試薬Kitを評価予定。
主な試薬メーカーとして、フランスのELITech社と基本的な供給契約を合意。
ELITech社へはPSS製全自動PCR検査システムをOEM供給しており、フランスやイタリアといった
欧州を中心に、全世界で既に数百台以上の販売実績を持ち、COVID-19の検査にも広く使用されて
いる。ELITech社は、夏頃までに数十万test/月程度の試薬供給体制を取ることが可能。



STEP-3 <装置の導入>
PSS製全自動PCR検査システムを各都道府県の病院及び検査機関”300施設” を目標に導入を検討する。
装置については、処理能力の異なる3種類の装置ラインナップがあり、検体数、設置環境に応じた対
応が可能。検査数の多い施設については、複数台の設置を検討する。


                                                4
                                                 <PSS社内中期計画資料>
 PSS製全自動PCR検査システムラインナップ
※導入を検討する装置については、以下2機種の国内医療機器登録済み。
◆ geneLEADⅧ
   ➢   中小病院、クリニック向け
   ➢   同時処理数 / 1~8検体バッチ処理
   ➢   装置サイズ / 約W350×D700×H770mm、約80kg
   ➢   参考価格850万円

◆ ELITeInGenius(ELITech社OEM製品)
   ➢   中~大規模病院向け
   ➢   処理数 / 1~12検体バッチ処理
   ➢   装置サイズ / 約W1000×D750×H850mm、約190kg
   ➢   参考価格1,250万円
   ➢   Primary tube(採血管等)からのサンプル分注、PCR試薬分注機能搭載
   ➢   フランス、イタリア等、EU圏でのCOVID-19検査実績あり

◆ gnenLEAD24(開発中)
   ➢   大規模病院、検査センター向け
   ➢   処理数 / 1~24検体バッチ処理
   ➢   装置サイズ / 約W1050×D850×H1600mm
   ➢   参考価格2,000万円
   ➢   Primary tube(採血管等)からのサンプル分注、PCR試薬分注機能搭載
   ➢   検体プーリング機能搭載

                                                          5
                                                                       <PSS社内中期計画資料>

 PSS製全自動PCR検査システムを導入した場合の検査時間シミュレーション


◆ 装置、試薬組み合わせ例




                                  +
      “ELITeInGenius”(12検体同時処理)                     “SARS-CoV-2 kit”




◆ 約180分で核酸抽出からリアルタイムPCR解析までが可能

       サンプル                         PCR Assay
                      核酸抽出                          リアルタイムPCR             検査結果出力
      ローディング                        セットアップ


      (10min)        (30min)       (50min)          (70min)            (TOTAL160min)
※上記の反応時間は、ELITeInGenius(12検体処理)とELITech社製SARS-CoV-2 kitの組み合わせにて、12検体を同時に処理した場合の
の反応時間例です。反応時間は同時に処理する検体数、PCR試薬により異なります。




                                                                                 6
                                            <PSS社内中期計画資料>
 新型コロナウイルス第2波、第3波への水際対策連携図




                              ➢ 保険適用対応
 PCR試薬メーカー
                              ➢ 装置、試薬、プラスチック消耗品の販売
                              ➢ アフターサービス、メンテナンス
➢ PCR試薬Kitの供給




                                           ➢ 臨床評価
 今秋、今冬に向けて、                                ➢ PCR検査
 夏頃から順次導入を
 開始する。




 ※例えば、陽性患者が確認された地域において、PCR検査と免疫検査を組み合わせた地域スクリーニングを
 迅速かつ網羅的に行うことで、偽陰性リスクを低減しつつ感染拡大の早期防止が可能だと考える。
 そのためには、”高感度”かつ”迅速”かつ”安全”に検査を行うことができる、全自動PCR検査システムが必要。
                                                     7
                                     <PSS社内中期計画資料>

 検査の効率化に向けた新しい要素検討 A
A) 凍結乾燥PCR試薬Kitの開発
    ➢ 現在主流となる、液体PCR試薬に関しては、-20℃での冷凍保存や、解凍後
      は短時間で使いきらなければならず、試薬の種類によっては、煩雑な調製作
      業が必要なことから、取り扱いに手間が多かった。
    ➢ 上記問題の解決策として、凍結乾燥試薬が挙げられる。凍結乾燥試薬は”全自
      動化に最適な技術”である。液体試薬に凍結乾燥処理を施すことで、粉状にし
      て試薬ボトルへプレパックすることができ、一般的に常温環境下で2年間の保
      存が可能である。さらに抽出試薬のように1testずつKit化することで、ユー
      ザーの手間を簡略化できる。
    ➢ PSSはスペインの試薬メーカーであるC社と契約し、geneLEADⅧへの近将来
      の実装に向けて、凍結乾燥試薬の1test Kit化を早急に検討する。(C社の
      COVID-19検査試薬でも臨床検体での評価を開始している。)