7604 梅の花 2020-04-24 16:00:00
東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ [pdf]

                                                 2020年4月24日
 各    位
                      会   社   名    株 式 会 社   梅     の   花
                      代 表 者 名      代表取締役社長        本 多 裕 二
                      (コード番号 7604 東証第二部)
                      問 合 せ 先      取締役 経営計画担当
                                                  鬼 塚 崇 裕
                      (TEL        0942-38-3440)



     東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ

当社は、2019年10月10日提出の「改善報告書」につきまして、有価証券上場規程第503条第1
項の規定に基づき、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した「改善状況報告書」を本日別
添のとおり提出いたしましたので、お知らせいたします。


別添書類:改善状況報告書


                                                       以   上
                改   善 状 況 報 告 書


                                        2020年4月24日


株式会社東京証券取引所
代表取締役社長 宮原 幸一郎 殿


                                  株式会社梅の花
                                  代表取締役社長 本多裕二




 2019年10月10日提出の改善報告書について、有価証券上場規程第503条第1項の規定に基づき、
改善措置の実施状況及び運用状況を記載した改善状況報告書をここに提出いたします。




                        1
                                    目次


1.改善報告書の提出経緯 ·························································· 4
 (1)過年度決算訂正の内容 ······················································ 4
 (2)過年度決算短信等を訂正するに至った経緯・原因 ······························ 8
     ①不適切な会計処理の発覚と過年度決算短信等を訂正するに至った経緯 ············ 8
     ②第三者委員会の調査により判明した本件不適切会計処理の内容等 ················· 8
      a.不正行為の実態 ························································ 9
        ア.不正行為の主体 ······················································ 9
        イ.減損会計に関する職務分掌 ············································ 9
        ウ.
         「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」の通常の作成フロー ············· 9
        エ.不正行為の手口(今回の不正規の作成フロー) ·························· 10
        オ.減損の兆候判定の対象となった店舗数 ··································· 11
      b.関係者の関与状況 等 ··················································· 11
 (3)不適正開示の発生の原因の分析 ·············································· 12
     ①取締役会の監督機能の低下によるガバナンス不全 ······························ 12
     ②役職員の決算処理業務の軽視 ················································· 13
      a.経営陣の決算処理業務への理解不足と個別業務への無関心さ ················· 13
      b.担当者の減損処理業務への理解不足とコンプライアンス意識の欠如 ··········· 13
      c.組織内のセクショナリズムからなる決算処理業務への無関心さ ··············· 13
      d.決算財務に関する監査の会計監査人への依存 ······························· 14
     ③事業の急拡大に伴う人材育成不足・人員不足による部門間・会社間牽制機能の喪失 · 14
     ④当社の業務全般について業務分担及び業務手順が不明瞭であること ··············· 14
      a.業務分担の責任の所在の曖昧さ ··········································· 14
      b.業務手順の整備不足 ····················································· 15
     ⑤業務チェック体制の欠如 ···················································· 15
      a.経営計画室における業務チェック不足 ····································· 15
      b.経理部における業務チェック不足 ········································· 15
      c.内部監査における業務チェック不足 ······································· 15
2.再発防止に向けた改善措置並びにその実施状況及び運用状況等 ······················· 16
 (1)改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況等 ··················· 16
     ①役職員の処分の内容 ························································· 16
     ②経営における意識改革と多様な視点の導入 ···································· 17
      a.社外監査等委員の追加選任による経営監視の強化 ·························· 17
      b.取締役会の運営ルールの変更による実効性と透明性の確保 ·················· 17
     ③部門間・会社間の牽制機能の強化 ············································ 19
      a.組織変更による兼務体制の排除 ·········································· 19
      b.人事制度の改革 ························································ 20

                                     2
    ④業務手順の整備及び組織改革 ················································ 23
     a.業務分担の整理を目的とした組織体制及び組織関連規程の見直し ············ 23
     b.業務フローの見直し ···················································· 24
    ⑤企業風土改革、コンプライアンス意識の改革 ·································· 26
     a.企業風土改革 ·························································· 26
     b.コンプライアンス意識の改革 ············································ 28
     c.社内情報の共有 ························································ 30
    ⑥モニタリング体制の強化 ···················································· 31
     a.内部監査業務の見直しと体制補強 ········································· 31
     b.財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)の全面的な見直し ········· 32
     c.監査等委員会監査計画の見直し ·········································· 33
 (2)改善措置の実施スケジュール ················································ 35
3.改善措置の実施状況及び運用状況に対する会社の評価 ······························· 36




                                   3
1.改善報告書の提出経緯
 (1)過年度決算訂正の内容
    当社は、2019年6月26日付「第三者委員会設置に関するお知らせ」にて開示しておりま
   すとおり、社外の有識者(弁護士等)から構成される第三者委員会を設置し、当社及び当
   社の連結子会社の店舗に係る固定資産の減損処理方法に関して、日本弁護士連合会の定め
   る「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿って調査を行いました。その
   結果、2019年8月28日付「第三者委員会の調査報告書の受領及び今後の当社の対応に関す
   るお知らせ」にて公表しましたとおり、当社及び当社の連結子会社の店舗に係る固定資産
   の減損処理方法に関して不適切な会計処理が認められました(以下「本件不適切会計処理」
   といいます)。これにより、当社は2019年8月30日に過年度の有価証券報告書等の訂正報
   告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正をいたしました。


    本件不適切会計処理に基づいて訂正した過年度決算短信等及び業績に及ぼす影響額に
   ついては、以下の通りです。


    【訂正した有価証券報告書】
    第31期 平成22年9月期 (自 平成21年10月1日 至 平成22年9月30日)
    第32期 平成23年9月期 (自 平成22年10月1日 至 平成23年9月30日)
    第33期 平成24年9月期 (自 平成23年10月1日 至 平成24年9月30日)
    第34期 平成25年9月期 (自 平成24年10月1日 至 平成25年9月30日)
    第35期 平成26年9月期 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日)
    第36期 平成27年9月期 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日)
    第37期 平成28年9月期 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日)
    第38期 平成29年9月期 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
    第39期 平成30年9月期 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日)


    【訂正した四半期報告書】
    第38期 第1四半期 (自 平成28年10月1日 至 平成28年12月31日)
    第38期 第2四半期 (自 平成29年1月1日 至 平成29年3月31日)
    第38期 第3四半期 (自 平成29年4月1日 至 平成29年6月30日)
    第39期 第1四半期 (自 平成29年10月1日 至 平成29年12月31日)
    第39期 第2四半期 (自 平成30年1月1日 至 平成30年3月31日)
    第39期 第3四半期 (自 平成30年4月1日 至 平成30年6月30日)
    第40期 第1四半期 (自 平成30年10月1日 至 平成30年12月31日)


    【訂正した決算短信】
    平成22年9月期 決算短信
    平成23年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成24年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

                         4
    平成25年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成26年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成27年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成28年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成29年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成30年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    2019年4月期   決算短信〔日本基準〕(連結)


    【訂正した四半期決算短信】
    平成29年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成29年9月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成29年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成30年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成30年9月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成30年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成31年4月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)


    【過年度決算短信等の訂正による業績への影響額】


    (連結財務諸表)
                                                 (単位:百万円)
   期間            項目         訂正前       訂正後        影響額    変動率
                            (A)       (B)       (B-A)   (%)
   第31期    売上高               28,734    28,734        -      -
(平成22年9月期) 営業利益                 577       577        -      -
   通期      経常利益                 365       365        -      -
           当期純利益                177     △177       △355   △201
           総資産               18,329    17,974      △355    △2
           純資産                3,454     3,099      △355   △10
   第32期    売上高               29,736    29,736        -      -
(平成23年9月期) 営業利益                 702       765        62      9
   通期      経常利益                 461       523        62     13
           当期純利益              △155      △239        △84     54
           総資産               19,181    18,741      △439    △2
           純資産                6,011     5,571      △439    △7




                        5
                                                       (単位:百万円)
    期間            項目              訂正前       訂正後        影響額    変動率
                                  (A)       (B)       (B-A)   (%)
   第33期    売上高                     30,029    30,029        -      -
(平成24年9月期) 営業利益                       510       581        70     14
   通期      経常利益                       558       629        70     13
           当期純利益                      256       295        38     15
           総資産                     18,157    17,756      △401    △2
           純資産                      5,989     5,587      △401    △7
   第34期    売上高                     29,780    29,780        -      -
(平成25年9月期) 営業利益                       377       449        72     19
   通期      経常利益                       207       279        72     35
           当期純利益                       41         9       △31   △76
           総資産                     19,002    18,571      △431    △2
           純資産                      6,648     6,215      △432    △6
   第35期    売上高                     29,680    29,680        -      -
(平成26年9月期) 営業利益                       697       770        72     10
   通期      経常利益                       623       696        72     12
           当期純利益                      229       308        78     34
           総資産                     19,883    19,515      △368    △2
           純資産                      6,878     6,510      △368    △5
   第36期    売上高                     29,410    29,410        -      -
(平成27年9月期) 営業利益                       184       268        84     46
   通期      経常利益                       119       203        84     71
           当期純利益                     △52       △84        △32     62
           総資産                     21,159    20,747      △412    △2
           純資産                      6,930     6,530      △400    △6
   第37期    売上高                     29,398    29,398        -      -
(平成28年9月期) 営業利益                       161       246        84     52
   通期      経常利益                        60       145        84    140
           親会社株主に帰属する当期純利益             96      △75       △172   △179
           総資産                     26,818    26,230      △588    △2
           純資産                      5,724     5,151      △573   △10
   第38期    売上高                      8,462     8,462        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                       275       296        21      8
  第1四半期    経常利益                       250       271        21      8
           親会社株主に帰属する四半期純利益           148       151         3      2
           総資産                     28,060    27,468      △591    △2
           純資産                      5,831     5,261      △570   △10
   第38期    売上高                     16,068    16,068        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                       453       495        42      9
  第2四半期    経常利益                       447       490        42      9
           親会社株主に帰属する四半期純利益           214       272        58     27
           総資産                     27,541    27,005      △535    △2
           純資産                      5,914     5,399      △514    △9




                              6
                                                       (単位:百万円)
    期間            項目              訂正前       訂正後        影響額    変動率
                                  (A)       (B)       (B-A)   (%)
   第38期    売上高                     23,646    23,646        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                       430       495        64     15
  第3四半期    経常利益                       400       464        64     16
           親会社株主に帰属する四半期純利益           179       255        75     42
           総資産                     27,596    27,078      △517    △2
           純資産                      6,026     5,529      △497    △8
   第38期    売上高                     31,394    31,394        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                       313       399        85     27
   通期      経常利益                       267       353        85     32
           親会社株主に帰属する当期純利益          △414      △500        △85     21
           総資産                     28,421    27,741      △680    △2
           純資産                      5,495     4,836      △658   △12
   第39期    売上高                      9,035     9,035        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                       320       342        21      7
  第1四半期    経常利益                       286       308        21      7
           親会社株主に帰属する四半期純利益           173       190        16      9
           総資産                     29,578    28,914      △664    △2
           純資産                      5,761     5,119      △642   △11
   第39期    売上高                     17,245    17,245        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                       547       590        43      8
  第2四半期    経常利益                       503       547        43      9
           親会社株主に帰属する四半期純利益           295       330        35     12
           総資産                     29,810    29,166      △644    △2
           純資産                      5,857     5,233      △623   △11
   第39期    売上高                     24,858    24,858        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                       579       645        65     11
  第3四半期    経常利益                       495       561        65     13
           親会社株主に帰属する四半期純利益           281       314        32     11
           総資産                     32,337    31,691      △646    △2
           純資産                      8,496     7,869      △626    △7
   第39期    売上高                     32,647    32,647        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                       390       478        87     22
   通期      経常利益                       270       358        87     32
           親会社株主に帰属する当期純利益             10        44        33    330
           総資産                     30,637    29,996      △640    △2
           純資産                      8,671     8,045      △625    △7
   第40期    売上高                      8,891     8,891        -       0
(平成31年4月期) 営業利益                       247       267        20      8
  第1四半期    経常利益                       219       240        20      9
           親会社株主に帰属する四半期純利益           159       162         3      2
           総資産                     30,827    30,187      △639    △2
           純資産                      8,657     8,035      △622    △7




                              7
                                                         (単位:百万円)
    期間             項目               訂正前       訂正後        影響額     変動率
                                    (A)       (B)       (B-A)    (%)
    第40期      売上高                    19,499    19,499         -      -
 (2019年4月期)   営業利益                      356       425         68     19
     通期       経常利益                      300       369         68     23
              親会社株主に帰属する当期純利益           184     △981      △1,166   △634
              総資産                    30,477    28,737     △1,740    △6
              純資産                     9,183     7,391     △1,791   △20

(注)第40期(2019年4月期)に「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第
28号 平成30年2月16日)等を適用しておりますが、第31期(平成22年9月期)から第39期(平
成30年9月期)は遡及適用前の数値を記載しております。


 (2)過年度決算短信等を訂正するに至った経緯・原因
   ①不適切な会計処理の発覚と過年度決算短信等を訂正するに至った経緯
     当社は、会計監査人である有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」といいます。
                                           )
    による、2019年4月期(2018年10月から2019年4月まで)にかかる監査を受け、店舗に
    係る固定資産の減損処理に関し、不適切な処理が行われている可能性がある旨の指摘を
    受けました。
     具体的には、当社では各期の決算手続の中で減損の兆候の有無を判定するため「店舗
    別損益」を作成しトーマツに提示をしておりますが、2019年4月期の監査において、ト
    ーマツが、当社から受領した「店舗別損益」を確認する際、少額の黒字となっている店
    舗が多数存在している点に疑義を抱くに至りました。
     そこで、トーマツにおいて「店舗別損益」の根拠資料である「減損の兆候シート」に
    ついて改めて検算したところ、本社費、本部費等の配賦計算の基礎となる間接費(セン
    トラルキッチン利益や購買物流費等)の金額が財務会計数値と一致しないこと、配賦基
    準(店舗売上高や店舗人員数)に従って算出されるべき数値の一部が実態とは異なる数
    値で修正入力されていること等の異常が発見され、減損回避のための不適切な処理が行
    われたのではないかとの疑念を生じ、その旨の指摘がなされたものです。
     当社は、上記指摘を受け、直ちに調査を実施したところ、過年度の減損処理方法に関
    しても、同様の不適切な会計処理が行われている可能性があることが判明いたしました。
     その後、次項「②」記載の第三者委員会を設置して調査を実施し、調査結果として2019
    年8月28日付にて調査報告書(以下「本調査報告書」といいます。
                                  )を受領しました。本
    調査報告書を踏まえ、当社において、本件不適切会計処理の概要は後記「②」記載のと
    おりと判断しており、これにより、前記「(1)」記載の過年度の有価証券報告書等の訂正
    報告書の提出及び過年度決算短信等の訂正を行ったものです。


   ②第三者委員会の調査により判明した本件不適切会計処理の内容等
    第三者委員会の調査により判明した事実を踏まえて当社として認識した本件不適切会計



                                8
処理の内容等は以下のとおりです。なお、以下に記載の関係当事者及びその略称は下表
のとおりです。
   略称                    所属・役職等
   A氏     代表取締役会長兼CEO
   B氏     代表取締役社長兼COO
   C氏     取締役執行役管理本部長 兼経理部長 兼人事総務部長
   D氏     取締役執行役経営計画室長
   E氏     経営計画室遊休資産活用プロジェクト部長
   F氏     経営計画室課長
   G氏     経理課課長
   H氏     取締役相談役
※ 2019年9月30日現在。H氏は2019年8月31日付けで辞任


a.不正行為の実態
ア.不正行為の主体
   本件不適切会計処理に用いられた資料である「店舗別損益」及び「減損の兆候シ
  ート」は、2009年頃、E氏により作成され、2009年9月期から使用されておりまし
  た。その後、2010年頃にF氏が経営計画室に異動になった際、前任であるE氏から
  当該資料の作成方法について引き継ぎを受け、その後はF氏がそれらの作成を担当
  していました(なお、F氏は、赤字店舗を減らす目的で後述する間接費の配賦計算
  の不正操作を行っていたことを認めております。。
                        )


イ.減損会計に関する職務分掌
   経営計画室の本来的業務は店舗別予算の作成及び進捗管理でありましたが、減損
  会計における業務フローにおいて店舗別損益情報が基礎資料となる関係で、経理・
  決算業務の一部である減損会計関連資料の作成についても経営計画室の職務として
  おりました。F氏は2010年に経営計画室に配属されて以降現在に至るまで、経営計
  画室の本来的業務を行う傍ら、減損会計に関する資料作成についても担当していた
  ものです。


ウ.
 「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」の通常の作成フロー
   当社における部門別(店舗別及び間接部門別)損益に関する基礎情報は、基幹業
  務システムGLOVIA(以下「GLOVIA」といいます)から出力されます。GLOVIAには、
  各店舗からのレジ情報、給与システムの人事関連情報、購買システムにおける購買
  情報等が、夜間バッチで集計されています。
   「減損の兆候シート」の作成においては、まず、富士通(GLOVIAのシステムベン
  ダー)作成のマクロ・プログラムにより、GLOVIAの出力データがエクセルシートに
  ダウンロードされ、本社費、本部費等の配賦前の店舗別・部門別損益数値が作成さ



                    9
 れ、その後に社内基準に従って本社費、本部費等の配賦計算を行い、「店舗別損益」
 及び「減損の兆候シート」を作成することとなります。
  2期連続赤字といった減損の兆候があれば、経営計画室の減損処理業務の担当者
 (F氏、以下「経営計画室担当者」といいます。)が利益計画を作成し、作成された
 「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」と共に、経営計画室担当者により会計監
 査人にメールで提出します。この際、提出前の経営計画室内の上司の確認や稟議と
 いったステップはなく、メールを送付する際も経営計画室や経理部の役職員といっ
 た同時配信先は固定されておりませんでした。
  提出後、トーマツの担当者より対面または電話で、経営計画室担当者に対し、内
 容にかかる問合せがなされ、減損の兆候があった店舗についての減損処理の要否に
 かかる協議が行われておりました。
  トーマツとの協議の結果、減損処理が必要と判断された場合、経営計画室担当者
 は経理部長(C氏)に「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」を用いて減損処理
 が必要と判断された店舗の報告を行い、経理部長は経理部の部下に指示をし、減損
 処理を決算に反映させます。
  期末の決算打合せにおいては、経営計画室担当者が作成した「店舗別損益」及び
 「減損の兆候シート」を用いてトーマツが決算打合せ資料を作成し、トーマツ、経
 理部長及び経営計画室担当者が参加し、減損の妥当性を確認していました。なお、
 四半期毎の打ち合わせにおいては閉店等明確なものを除いて、減損処理の打合せは
 行っておりませんでした。


エ.不正行為の手口(今回の不正規の作成フロー)
  E氏またはF氏による経理操作にかかる資料作成においては、一旦は、前記の通
 常の作成フローに従い「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」を作成いたします
 が、この時点では、減損の兆候判定の対象となる店舗数が多数になるため、その後
 対象店舗を減少させる目的で、本社費等の配賦計算についての不正操作が行われて
 おりました。
  具体的には、不正操作は、本社費等配賦後で営業赤字となった店舗について、配
 賦割合算定基礎数値を本来あるべき数値よりも減額し、特定の店舗に対する配賦金
 額(間接費又は配賦基準)を減額させ、営業黒字とする形で実施されました。
  こうした操作が行なわれた結果、2期連続営業損失により減損の兆候判定に該当
 することになった店舗数を実態よりも減少させた内容で最終の「店舗別損益」及び
 「減損の兆候シート」が確定され、トーマツにメールで提出されることになりまし
 た。その後は、通常の作成フローと同様であり、減損の兆候判定に該当する店舗を
 減らすことで、その後の減損処理の要否に関するトーマツとの協議の対象となる店
 舗を減らし、トーマツの減損処理が必要との判断を受けて実際に減損処理をすべき
 対象となる店舗数も減らすという不正操作を行っていたものです。




                 10
      オ.減損の兆候判定の対象となった店舗数
        不正操作後に減損の兆候判定の対象となった店舗数(下記の「不正操作後対象店
       舗数」のとおり)と本調査により明らかとなった、本来減損の兆候判定の対象とす
       べきであった店舗数(下表の「実態対象店舗数」欄のとおり。
                                  )の比較結果は下表の
       とおりであり、多くの店舗が減損の兆候判定から意図的に除外された結果となって
       います。
                                                           (単位:店)
項目             2010年9月    2011年9月      2012年9月   2013年9月   2014年9月
①不正操作後対象店舗数         46           35         33        30        38
②実態対象店舗数            117          102       108       104        96
③差異(②-①)            71           67         75        74        58


項目             2015年9月    2016年9月      2017年9月   2018年9月   2019年9月
①不正操作後対象店舗数         50           63         48        54        49
②実態対象店舗数            89           113       113       119       116
③差異(②-①)            39           50         65        65        67
不正操作後対象店舗数: 会社から会計監査人に提示された各期の「減損の兆候シート」において、
              2期連続営業損失を計上している店舗数。
実態対象店舗数:      今回の調査により再計算した各期の「減損の兆候シート」において、2
              期連続営業損失を計上している店舗数(催事等除く)。


     b.関係者の関与状況 等
       前記「a」で述べたとおり、本件不適切会計処理にかかる経理操作については、経
      営計画室において減損会計に関する資料作成を担当していたF氏及びその前任のE
      氏がそれぞれ行っていました。発端は、2009年9月期の決算にあたって、監査上許さ
      れる範囲で損失発生を抑制したいというB氏の意向を受けたE氏が、何とか減損金額
      が少額となるようにB氏の意向とは異なって不適切な経理操作を行ったものであり、
      F氏への引継後も、できる限り減損損失は抑えるべきというC氏の考えに基づいて、
      F氏が不適切な経理操作を継続していったものです。
       次に、F氏の所属する経営計画室の室長として上長にあたるD氏は、F氏が減損会
      計に関する資料作成を担当していたこと自体を認識しておらず、本件不適切会計処理
      については認識しておりませんでした。
       一方、経理部長として減損会計を含めた決算処理の責任者の立場にあったC氏につ
      いては、トーマツとの決算ミーティングにおいては主体的に関与し、また各店舗の損
      益等にかかる監査におけるトーマツとの個別協議の対応も行っておりました。これら
      の対応に際して、C氏は、減損の兆候判定を含む決算財務の基礎となる情報を確認す
      べき立場ではありましたが、実際には確認しておりませんでした。本件不適切会計処
      理に積極的に関与していたものではありませんが、従業員に対して減損処理が必要と



                            11
    ならない対策を求める等して、可能な限り減損を避けるべきという意識を従業員に持
    たせ、F氏を含む各担当者にプレッシャーを与えていたことから、本件不適切会計処
    理に間接的な影響を与えていたことは否定できません。
     また、B氏については、社長就任以前から人事及び経営全般の決裁権限を有し、本
    件不適切会計処理が始まった当時、E氏から店舗減損に関する相談を受けており、E
    氏がどのような方法を用いるのか確認してはいないものの、何らかの対処をする旨の
    報告を受けていました。そのため、B氏についても、本件不適切会計処理を明示又は
    黙示に承認していたとまではいえないものの、上記相談を受けた当時に適切に確認等
    をせず、その後長期間にわたって不適切な会計処理が継続するという結果を招いた責
    任を負うべきものと判断しております。
     なお、子会社社長(一部取締役が兼務しています)が自社の状況を把握するために、
    取締役会に先立ち、毎月F氏より(操作前の)店舗別の損益の情報を含む補足資料と
    共に速報ベースの月次決算資料が子会社社長に対してメール配信されており、その際
    に各取締役にも同じ資料を参考情報として配布されていました。但し、これは参考情
    報としての配布であり、子会社社長を兼務していない取締役に、補足資料を含めた内
    容を必ず確認するよう求めていたものではありませんでした。その後の取締役会にお
    ける資料としては、確定版の月次決算資料が紙ベース及びメールで各取締役に配布さ
    れ、この配布時には店舗別損益の情報を含む補足資料は含まれておりませんでした。
    そのため、子会社社長を兼務している取締役を除き、参考情報として配布されていた
    店舗別損益等の補足資料までを詳細に確認することはしていなかったのが実情であ
    り、前述した者以外の役員について、本件不適切会計処理への直接的又は間接的な関
    与はなかったと判断しております。


(3)不適正開示の発生の原因の分析
 ①取締役会の監督機能の低下によるガバナンス不全
    創業者であるA氏を実質的に引き継いだB氏はオーナー経営脱却を図るため強い指導
   力を発揮していました。B氏の強いリーダーシップは、社内改革を進める原動力となっ
   ていた反面、業務執行の監督を行う機関としての取締役会の監督機能の低下を招いてし
   まいました。
    具体的には、B氏からの2008年9月期から引き続いて2期連続大幅赤字となることを
   免れたいという意向を踏まえ、2009年9月期からE氏は本件不適切会計処理を実行し、
   それをF氏が引き継いで長期間同様に行っていたものですが、その背景には、B氏以外
   の役職員においてB氏の意向や問題意識に応えようとする傾向が強く、B氏の影響力の
   大きさに比して組織的に経営判断及び業務執行を監視及び抑止する仕組みが存在しませ
   んでした。
    さらに、取締役会において、案件によってはB氏以外の取締役から意見が出ることも
   ありましたが、採決方法が反対意見を出しにくい全員同意で可決される運用となってい
   ました。また、議案書の準備が遅く、配布が取締役会開催の直前となっており、社外取
   締役も含め取締役が十分な事前確認が出来ない状況となっておりました。

                    12
  このような取締役会の監督機能の低下は、業務執行の監視・監督体制の欠如をもたら
 し、個々の役職員のコンプライアンス意識の低下と相まってガバナンス機能の不全につ
 ながっていきました。


②役職員の決算処理業務の軽視
 a.経営陣の決算処理業務への理解不足と個別業務への無関心さ
  当社経営陣は、キャッシュフローを重視する経営指標を打ち出していたため、キャッ
 シュに影響を与えない会計上の減損への関心と理解が薄く、減損兆候対象店舗につい
 ては会計監査人に利益計画を提示した上で減損の要否を交渉すればいいといった、店
 舗減損処理を交渉事とする傾向がありました。
  また、子会社社長を兼務する取締役に対しては、自社の状況を把握するために、取締
 役会に先立ちF氏より店舗別の損益の情報を含む補足資料と共に速報ベースの月次決
 算資料が子会社社長に対してメール配信され、これらの取締役に関しては店舗別損益
 の状況、減損処理の状況を把握・検証する責務があったにもかかわらず、これらがなさ
 れていませんでした。
  さらに、決算処理の個別の業務内容についても、前記「1」(2)「②」
                             「  」 「b」に記
 載のとおり、D氏はF氏の上長でありながら、その業務内容を適切に把握しておらず、
 また、C氏も決算財務に関して確認すべき立場であるにもかかわらず、F氏の業務結果
 を検証していませんでした。


 b.担当者の減損処理業務への理解不足とコンプライアンス意識の欠如
  本件不適切会計処理を実行したF氏は、減損処理等の意味や位置づけを十分に理解
 しておらず、自身の作業が決算にどのように反映されるのかを関知しないまま減損処
 理業務に従事しており、減損処理業務の理解が乏しいために、本件不適切会計処理がコ
 ンプライアンス違反となるという意識が薄いまま作業を行っていました。


 c.組織内のセクショナリズムからなる決算処理業務への無関心さ
  当社の経営陣は、事業の急拡大に伴う業務リソースの不足から自らが担当する業務
 以外の業務について注意を払う余裕がなく、また他の経営陣の業務結果に対して意見
 をするという行為を避ける傾向がありました。
  決算業務を行う経理部門の従業員であっても、経営計画室の従業員が行った決算業
 務の一部について多少疑義を持ったとしてもチェックまでは行わないという実態があ
 り、従業員全体において、他部署の業務に対する関心が薄く、
                            「他部署できちんとやっ
 ているはず」という楽観的な姿勢が存在していました。また、F氏が営業担当者に減損
 兆候の店舗を調整している旨のメールを送信していたにもかかわらず営業担当者は特
 段その趣旨について関心を払わないなど、担当外の業務に積極的に関与して余計な仕
 事を引き受けると本来の業務が回らないため、積極的に他部署への指摘等を行わない
 という組織内のセクショナリズムが拡がっていました。



                  13
 d.決算財務に関する監査の会計監査人への依存
  当社では、四半期決算毎に監査等委員が会計監査人と決算内容について確認を行っ
 ていますが、監査等委員は、決算財務に関する監査主体が会計監査人であって監査等委
 員としてはそれを確認するのみという意識が強く、会計監査人との協議において、能動
 的に会計監査人の監査結果を確認したり、会計監査人の監査過程で生じた疑問点や検
 討点、監査等委員として重要と考えられる項目等を質問するといった姿勢で臨むこと
 ができておりませんでした。そのため、決算財務に関する監査等委員会監査としてのモ
 ニタリングが不十分でした。


③事業の急拡大に伴う人材育成不足・人員不足による部門間・会社間牽制機能の喪失
  当社は、子会社買収や店舗の新規開店により事業を拡大しており、子会社買収後に親
 会社に間接部門を集約したこと等によって本社における業務量が増加し、業態の多様化
 による業務の複雑化も進んでいたにもかかわらず、子会社管理機能を含む本社管理部門
 の人材育成が追い付かず、また、内部昇格も含めて適切な人材配置を行えていませんで
 した。このような実情により、当社は、減損処理等の意味や位置づけを十分に理解して
 いたわけではないF氏に、長期にわたって単独で減損会計に関する資料作成業務に従事
 させておりました。
  さらに、PMI及び業績改善を目的として本社の管理部門の人材を子会社の取締役に
 就任させていますが、本社業務と兼任出向としているため、本社業務に対して十分な監
 督が果たせなくなっていました。加えて、1人で複数の部門・役職を兼務することが常
 態化し、たとえばC氏は管理本部長、経理部長、人事総務部長、内部統制評価責任者を
 兼務している他、子会社3社の取締役を兼務していました。
  このように、事業拡大により業務量が増加したにもかかわらず、管理部門の人材育成
 が追い付かず、適切な人員配置ができなかった結果、管理職が1人で複数の部門・役職
 を兼務することを常態化させ、部門間での牽制機能を喪失させたものであり、この点も、
 本件不適切会計処理が生じ、長期間続いた要因の一つであると判断しております。


④当社の業務全般について業務分担及び業務手順が不明瞭であること
 a.業務分担の責任の所在の曖昧さ
  当社の組織・業務分掌等に関する社内規程は整備されており、一見すれば組織間の業
 務分担及び責任は明確になっています。
  しかしながら、その実態としては、本件不適切会計処理に関わる店舗減損処理も本来
 は経理部経理課の担当業務というべきところ、経営計画室が作成した利益計画等を確
 認することができる責任者が経理課に存在せず、店舗減損処理にかかる資料作成を経
 営計画室のF氏が行っていたことで、経理課は店舗減損処理を経営計画室の担当業務
 とみなしている一方で、経営計画室長であるD氏は、経営計画室において当該業務を行
 っているとの認識を有しておらず、責任の所在が曖昧になっていました。




                    14
 b.業務手順の整備不足
  当社では、M&Aにより事業規模・業態が拡大し、決算処理を含む各種手続が複雑化
 する中で、内部統制資料の中で減損処理に関する業務手順は記載されていたものの、ど
 の担当者がどのような資料を作成し、誰が確認をするといった具体的な記載は無く、経
 理部経理課が見積・計算を行い、管理本部長に減損の要否判断を仰ぐといった抽象的な
 内容に留まっており、実際の手順の整備不足であってマニュアルとして運用できる程
 度に達しておらず、不明確なものとなっていました。


⑤業務チェック体制の欠如
  当社では、以下における基本的な社内チェック体制の欠如と組織間の牽制機能の不備
 があり、これらにより本件不適切会計処理が可能となり、長期間継続した要因の一つで
 あると判断しております。


 a.経営計画室における業務チェック不足
  経営計画室では、経理からの作業依頼に基づき、F氏(当初はE氏)が単独で「店舗
 別損益」及び「減損の兆候シート」の作成を行っており、経営計画室の他の社員による
 チェックはなされていませんでした。またD氏においては上記④aに記載したとおり
 「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」の作成をF氏が行っていること自体を認識し
 ておらず、チェックも実施しておりませんでした。また、F氏が「店舗別損益」 「減
                                     及び
 損の兆候シート」をトーマツに送付する前に、誰かの承認を受けるといった事務手続き
 もなく、F氏は誰からのチェックを受けることもなくこれらをトーマツにメールで送
 付していました。また送付の際に、誰かに同時配信するという決まりもなかったため、
 その時々で同時配信された社員は確認の必要性を認識していなかったと推察されます。


 b.経理部における業務チェック不足
  経理部では、運営実態において業務分担及び業務手順が不明瞭であったこともあり、
 減損処理にかかる資料がF氏から会計監査人に提出される際に経理担当者が確認して
 いませんでした。また、管理本部長であるC氏が人事総務部長と経理部長を兼任し、業
 務リソースの不足が常態化しており、本来、人事総務部と経理部を監督すべき管理本部
 の機能が十分に果たされておらず、決算作業の責任者として決算財務の内容を確認す
 べき立場であったC氏が、F氏の作業結果をチェックしておりませんでした。


 c.内部監査における業務チェック不足
  内部監査室は、設立当初より店舗に置ける業務不正と事故防止に特化しており、その
 後監査範囲や手順の見直しが行われておりませんでした。このような背景から、内部監
 査室は、店舗等の現場における現金管理や衛生管理に関する社内ルールの監査に時間
 を割いており、管理部門の法令順守や業務手順をチェックする役割を果たしておりま
 せんでした。
  また、内部監査室長は財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)の評価員

                     15
    として関っておりましたが、J-SOX導入時に会計監査人と協議して全社統制や決算財務
    プロセス統制を一旦作成はしたものの、内部監査規程にJ-SOX関連監査項目が明確に入
    っておりませんでした。その後もほとんど見直しをせずに、具体的な業務マニュアルも
    作成していなかったため、内部監査室長は、J-SOX監査をしなければならない認識を持
    てておらず、適切な評価を行うことができませんでした。


2.再発防止に向けた改善措置並びにその実施状況及び運用状況等


 (1)改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況等
   ①役職員の処分の内容
   【改善報告書に記載した改善策】
        経営責任・業務責任を明確にするため、関係役職員に対して以下の処分を行
       いました。C氏については、本件不適切会計処理は決算処理業務の中で起こっ
       たものであり、その責任者である管理本部長兼経理部長としての責任を踏まえ
       たC氏からの辞任の意向を受け入れたものとなっております。
               現役職         氏名          処分内容
        代表取締役社長           B氏    役員報酬の30%減額(6ヶ月間)
        取締役               C氏    辞任
        取締役               D氏    役員報酬の10%減額(3ヶ月間)
        経営計画室遊休資産活        E氏    部長より次長へ降格、決算財務に関係
        用プロジェクト部長               しない外販部へ異動
        経営計画室課長           F氏    課長より係長へ降格、決算財務に関係
                                しない総務部へ異動
        経理部経理課課長          G氏    譴責処分


         なお、上記の処分以外に、以下の取締役については、各自の申出を受け、
        以下の対応を行っております。
        代表取締役会長      A氏         役員報酬の50%以上の減額(8月分よ
                                り)
        取締役相談役       H氏         辞任(8月31日付)
        上記以外の取締                 役員報酬の10%減額(1ヶ月間)
        役




   【実施・運用状況】
    経営責任・業務責任を明確にするため、上記改善報告書に記載したとおり、2019年10月
   10日の改善報告書提出時点までに関係役職員の処分及び対応を完了しております。




                           16
②経営における意識改革と多様な視点の導入
 a.社外監査等委員の追加選任による経営監視の強化
 【改善報告書に記載した改善策】
       前記「(3)「①」への対策として、取締役会が、組織的に経営判断及び業務
      執行を監視し不正を抑止する仕組みの構築の為に、取締役会が経営監視の場
      であるということを取締役会メンバーが自覚するとともに、客観的かつ俯瞰
      的な視点を持った社外取締役からの意見を聴き、そのような社外取締役との
      さらなる議論が不可欠と考え、監査等委員の定員を5名から7名へ増加、逆
      に取締役の定員は10名から7名へ減少するとともに、2019年11月26日に開催
      を予定しております臨時株主総会にて社外監査等委員を1名追加選任する議
      案を提出することといたしました。


【実施・運用状況】
 (定員の変更)
  取締役会の透明性及び客観性を高め、組織的に経営判断及び業務執行を監視し不正を抑
 止する仕組みを構築するため、2019年11月26日に開催いたしました臨時株主総会にて、定
 款を変更し、監査等委員である取締役の定員を5名から7名へ増加し、監査等委員である
 取締役以外の取締役の定員を10名から7名へ減少する決議を行いました。


 (社外監査等委員の1名追加)
  客観的かつ俯瞰的な視点を持った社外取締役との議論を実現するため、金融機関での監
 査等委員の経験も含む職務経験から、客観的かつ公正な視点で当社の経営を監督いただけ
 ることを期待し、株式会社西日本ファイナンシャルホールディングの執行役員であり、ま
 た株式会社西日本シティ銀行の取締役常務執行役員でもある池田勝氏を2019年11月26日
 に開催いたしました臨時株主総会にて社外監査等委員として追加選任する決議を行いま
 した。その結果、執行側取締役4名、監査等委員5名(内4名が社外取締役)という構成
 となり、取締役会においては、社外監査等委員より議案の内容や当社の考え方について活
 発に質問が出るようになり、執行側の取締役と議論を行った上で決議を行うようになりま
 した。また、決議の際に、以前よりも社外取締役から反対意見が出ることが増加しました。


 b.取締役会の運営ルールの変更による実効性と透明性の確保
 【改善報告書に記載した改善策】
       前記「(3)」「①」への対策として、取締役会において反対意見が出しやす
      い環境作り及び取締役が十分な事前確認を行うために、2019年9月4日に開
      催しました取締役会より、取締役会の運営ルールを変更し、事前の資料配布
      を徹底することにより各取締役が十分な検討を行ったうえで活発な議論を行
      えるようにし、また決議事項の採択方法については反対意見が出しにくい全
      員合意による採決ではなく、各取締役が挙手をして賛否を明確にする方法に



                    17
      よることとしました。これにより、取締役会における議論の実効性と透明性
      を確保し、経営監視機能を強化いたしました。なお、そのようにして各取締
      役がそれぞれ意見を明確にして議論をするよう求める体制に変更したことに
      合わせて、議事録の作成手続きも変更し、各議案での質疑・意見を個別に記
      載することとしました。また、議事録については、事務局で各取締役の発言
      を含めて草案を作成後、出席取締役にメール配信し、記載内容を確認させ、
      その後に押印するようにすることで、各取締役に自らの取締役会メンバーと
      しての発言の重要性を再認識するよう促します。


【実施・運用状況】
 (事前の資料配布)
  各取締役が十分な事前検討を行えるよう、2019年9月4日に開催しました取締役会より、
 取締役会の3日前までに通知する開催案内と同時に資料配布を行うよう運用を変更し、実
 行しております。やむを得ず開催案内までに作成が間に合わない資料につきましても、開
 催案内後、可能な限り速やかに配布しております。


 (決議事項の採択方法)
  2019年9月4日に開催しました取締役会より、反対意見が出しにくい全員合意による採
 決から、挙手して賛否を明示しての採決へルールを変更し、賛成・反対数及び反対した取
 締役を取締役会議事録に記録するようにいたしました。


 (議事録の記録内容)
  取締役会における議論の実効性と透明性を確保するため、2019年9月4日に開催しまし
 た取締役会より、議事録の記録内容を変更し、各議案の審議における質疑・意見を取締役
 会議事録に記録するようにいたしました。


 (議事録の作成手続き)
  上記同様、取締役会における議論の実効性と透明性を確保するため、2019年9月4日に
 開催しました取締役会より、議事録の作成方法を変更し、事務局で各取締役の発言を含め
 て草案を作成後、出席取締役にメール配信し、記載内容を確認させ、その後に押印するよ
 うにし、マニュアル化いたしました。この変更により、出席取締役からの質問やコメント
 に対して、どのような回答があったのか、どのような対処を行うことになったのか、また
 執行側取締役を含め誰が議案に対して反対の意を表明したのか、議事録に明記されること
 により、取締役会で議論した結果が確実に業務運営に反映されることで取締役会の実効性
 が確保され、また、議事録中の、出席取締役の発言やそれらに対する回答に過不足・誤り
 のないことを出席取締役自ら確認することにより議論の過程の透明性が確保されるよう
 になりました。




                   18
③部門間・会社間の牽制機能の強化
 a.組織変更による兼務体制の排除
 【改善報告書に記載した改善策】
       前記「(3)」
             「②」
               「a」及び「 」
                     (3)「③」への対策として、取締役が決算処
      理業務への理解を深め、自身が担当する部門の個別業務にも関心を持って、
      取締役としての必要な業務に注力できる環境を整えるため、他の職務との兼
      任を軽減しました(取締役による下位の職位(管理本部長、経理部長、人事
      総務部長、経営計画室長)の兼任を解消)。その一方で、内部人材の配置を見
      直し、執行役員を内部から2名追加選任し、部門長も5名内部昇格させ、各
      部門に対する責任者を増やして担当業務が過多にならないようにしていま
      す。また、部門間・会社間牽制機能を有効なものとするため、管理本部及び製
      造本部を廃止し、分掌業務が過多と思われる(旧)経営計画室を(新)経営計
      画室と社長室に分割、人事総務部を人事部と総務部に分割、 旧)
                                (   購買部を(新)
      購買部と物流部に分割する組織改革を実施しました(別紙1を参照)
                                    。
      さらに、2019年10月1日付けで、主力銀行から財務判断・資金管理に知見を
      有する経理部長を受け入れており、必要な人材は今後とも内外から登用して
      まいります。今後も、組織改革を行い、同一職能がグループ各社あるいは各
      地域に分散している場合には、可能な限り同一組織・同一拠点への統合を行
      ない、部門・子会社責任者の兼務体制を排除してまいります。


  当社では、M&Aにより事業拡大を行いつつ管理コストを抑えることでグループ全体の
 利益を確保するという方針を掲げ、管理部門メンバーの育成や業務の効率化の取組みが必
 要でしたが、その対応が不十分でありました。しかしながら、本件不適切会計処理の発生
 を踏まえ、今後は、以下に記載する経理部長のみならず、経験豊かな外部人材を部門責任
 者として積極的に受け入れ、専門性の向上を図ると共に、部員の育成や専門教育の充実な
 ど管理部門の強化を図っていく予定です。


【実施・運用状況】
 (取締役の他の職務との兼任の軽減)
  決算処理業務を理解し、担当部門の個別業務にも関心を持ち、取締役としての必要な業
 務に注力できる環境を整えるため、2019年10月1日に人事異動を行い、取締役による他の
 職務との兼任を軽減いたしました。具体的には、取締役D氏につきましては、経営計画室
 長を兼務しておりましたが、これを解消いたしました。なお、取締役C氏については、前
 述のとおり2019年10月10日の改善報告書提出時点までに取締役を辞任しているため(以下、
 取締役を辞任した後については単に「C氏」といいます。、厳密には取締役の兼任の軽減
                           )
 ではありませんが、当時取締役として、管理本部長、経理部長及び人事総務部長を兼務し
 ていたところを、人事部長のみといたしました(その後、C氏は2019年10月4日付けで人
 事部長兼務のまま執行役員とし、さらに、2019年12月4日付けで外販部担当執行役員に職



                     19
務変更いたしました。。
         )


(執行役員の追加選任と部門長昇格)
 取締役の兼任解消により各部門責任者の担当業務が過多にならないようにするため、
2019年10月1日に人事異動を行い、取締役が兼務していた各部門について担当者(次長・
担当部長)4名を内部昇格し、物流部、総務部、購買部及び経営計画室の責任者(部長・
室長)として配置いたしました。また、2019年10月4日にも人事異動を行い、建築開発部
の部門長を内部昇格により執行役員に選任するとともに、C氏を人事部の執行役員として
選任いたしました。さらに、2019年12月4日にも人事異動を行い、人事部の担当者1名を
内部昇格し、C氏に代わり人事部長として配置いたしました。同日、C氏を人事部担当執
行役員から外販部担当執行役員に変更いたしました。


(組織変更)
 部門間・会社間牽制機能を有効なものとするため、2019年10月1日に組織変更を行い、
管理本部及び製造本部を廃止し、分掌業務が過多と思われる(旧)経営計画室を(新)経
営計画室と社長室に分割し、人事総務部を人事部と総務部に分割し、
                              (旧)購買部を(新)
購買部と物流部に分割いたしました。


(経理部長受け入れ)
 2019年10月1日より、主力銀行から財務判断・資金管理に知見を有する人材を経理部長
として受け入れました。


(同一拠点への統合)
 同一職能が各地域に分散していることを解消する為、2019年12月1日付で、久留米本社
に勤務していた株式会社梅の花サービス西日本及び株式会社梅のサービス東日本のメニ
ュー開発担当部長を関西事務所へ転勤させ、久留米本社と関西事務所に分散していたメニ
ュー開発業務を関西事務所へ集約いたしました。各子会社のメニュー開発担当者を一拠点
に集約したことにより、梅の花グループ統一基準の検討といった業務もよりスムーズに行
えるようになったとともに、将来的には子会社横断組織を構築することにより、複数の責
任者による管理を単一の責任者による管理とすることが可能となりました。


b.人事制度の改革
【改善報告書に記載した改善策】
         前記「 」
            (3)「②」
                 「b」への対策として、担当者の減損処理への理解不足を
     改善し、実際に適正な業務が行われ確実に相互チェック機能が果たされる必
     要がありますので、各従業員のスキルの底上げを図り、階層別の教育とジョ
     ブローテーションを実施し、複数の職能に通じた人材を育成することで、各
     部門の業務を俯瞰しつつ適切な対策を取ることができる本社機能を目指しま



                    20
      す。また、専門知識習得のための社内外の教育を制度化し、推進してまいり
      ます。
        階層別の教育に関しましては、経営層に関しては、マネジメント・ガバナ
      ンス・コンプライアンス等に関する年1回以上の外部研修の受講、管理職に
      関してはマネジメント・ガバナンス・コンプライアンス・実務遂行スキル等
      に関する年1回以上の社内外の研修受講、非管理職については入社時にコン
      プライアンスに関する研修受講、部署異動時に異動先にて実務遂行スキルの
      導入教育を制度化し、受講状況を人事部でフォローいたします。
        ジョブローテーションにつきましては、主に管理部門について、専門職能
      を除く管理職については原則5年に1回の頻度で、非管理職については原則
      10年に1回の頻度での部門間異動、さらに同一部門内でも3年を目安に担当
      業務の変更の実施を目指します。
        さらに、これらの対策が一過性の対策で終わらないよう、管理部門の増強
      の為、可能な限り毎年1名の人材の採用または管理部門以外からの異動を行
      い計画的で継続的な適正人材の確保を目指します。
        将来的には、人事制度の改革や各業務のシステム化及び一層の最適化を実
      施することにより、各従業員の業務負担軽減を図り、チェックの比重を増や
      す改善も検討いたします。


【実施・運用状況】
 (階層別の教育-経営層向け)
  取締役のコンプライアンス意識向上のため、取締役に対して、2019年11月26日に当社の
 顧問弁護士によるコンプライアンス研修(企業不祥事の他社事例紹介、不祥事発生予防・
 早期発見の対策)を実施し、全取締役が出席いたしました。取締役向けの研修につきまし
 ては、今後も、年1回、定期的にコンプライアンスやガバナンス等をテーマとして、外部
 講師による研修を実施していきます。


 (階層別の教育-管理職向け)
  各従業員のスキル底上げのため、管理職にかかわらず、本社従業員向けに2019年11月20
 日、12月4日、12月10日、1月10日、2月10日の計5回にわたりコンプライアンス研修(当
 社業務に関係する法令、不正のトライアングル及び不正防止策並びに各自の留意事項)を
 実施いたしました。なお、3月に予定しておりましたコンプライアンス研修は新型コロナ
 ウイルスの社内感染防止の為延期いたしました。
  また子会社の管理職、支配人、店長に対して、1月30日、2月5日、2月12日、2月13
 日、2月18日(2回)
           、2月25日、3月5日の8回にわたりコンプライアンス研修を実施い
 たしました。なお、3月以降に子会社店長に対して3回のコンプライアンス研修実施を予
 定しておりましたが、新型コロナウイルスの社内感染防止の為延期いたしました。




                     21
(階層別の教育-非管理職-新入社員向け)
 当社では4月1日に新入社員が入社してまいりましたので、導入教育のなかでコンプラ
イアンス研修(不適切投稿と会社への影響の認識、ルール順守の必要性)を実施いたしま
した。来年度以降も、新入社員に対するコンプライアンス研修は継続実施する予定です。


(階層別の教育-非管理職-部署異動者向け)
 非管理職が部署を異動した際、異動先での実務遂行スキルの導入教育をスムーズに理解
するための前提条件として、予め各部署で遂行している業務の概要を把握するため、2020
年1月14日より4月14日までの3ヶ月間、各部署2回ずつ各部署の業務内容を紹介する研
修を企画し、順次実施しております(3月以降は新型コロナウイルスの社内感染防止の為
延期または中止いたしました)
             。
 なお、異動先における実務遂行スキルの導入教育につきましては、新設した教育課より
当該異動先に対して導入教育スケジュールを作成させ、教育課にてフォローすることで実
効性を確保する予定です。


(人事制度の改革)
 ジョブローテーションを行う上で課題となる等級制度、報酬制度、評価制度及び教育研
修制度など人事制度の再構築を図るため、2020年2月1日より、人材紹介会社より紹介を
受けた社外コンサルタントを利用して人事制度改革に着手いたしました。現在、当社は過
去に複数の会社を買収したことにより異なった就業規則・給与体系が併存し、子会社間の
柔軟な異動が困難であり、また従業員の待遇に対する納得性が低いという課題があります。
このため、社外コンサルタントを交えた社員インタビュー等を通じて、当社グループの人
事制度に外部の目を取り入れて分析し、その後、①就業規則・給与体系の整理・統合、②
昇給昇格基準の明確化、③社員教育の成果を問う試験の実施を含む評価制度の見直しなど
当社グループ全体として統一感のある人事制度に見直す予定です。


(各業務のシステム化及び一層の最適化)
 減損兆候判定につきましては、従来は担当者がGLOVIAより出力したデータを基に、本社
費、本部費等の配賦計算を行い、
              「店舗別損益」及び「減損の兆候判定シート」を作成して
いましたが、この決算業務の過程における人為的ミスあるいは不適切な処理を回避するた
め、外部システム会社に委託し、2019年11月より減損判定システムを開発いたしました。
新たな減損判定システムは、GLOVIAが保有する「店舗別損益」のデータを用い、人手を介
することなく本部費等の自動配賦計算を行い「減損兆候判定資料」を出力するものです。
2020年4月期の決算より減損判定システムの出力による判定を実施する予定です。
 また、物流業務において、事務所によって違っていた在庫管理表の入力フォームを統一
し、在庫システムからの自動出力を行うことができ、一度に複数の出荷指示データが自動
で取り込めるよう在庫管理システムを一部改修し、2020年1月7日より運用開始しており
ます。



                   22
 (人材の確保)
  管理部門の増強のため、2020年4月1日付で人事担当者を社外より1名採用いたしまし
 た。また、社外より経験豊かな人事部長を採用していくため求人活動を実施しています。


④業務手順の整備及び組織改革
 a.業務分担の整理を目的とした組織体制及び組織関連規程の見直し
 【改善報告書に記載した改善策】
      前記「 」
         (3)「④」
              「a」に記載いたしました業務分担の責任の所在の曖昧さ、
     及び前記「 」
          (3)「⑤」
               「a」及び前記「 」
                       (3)「⑤」
                            「b」に記載いたしました経
     営計画室及び経理部によるチェックの不足を解決するため、2019年10月末に開
     催するコンプライアンス運営委員会において、各部門で分担している業務の棚
     卸と職務分掌の再構成を行い、これらの一致を図るとともに、組織的なチェッ
     ク及び管理が確実に行えるよう、組織体制及び組織関連規程の見直し計画を策
     定の上、計画に沿って実施いたします。
       なお、本件不適切会計処理が行われた業務である経営計画室が担当していた
     固定資産の減損に関する資料作成の業務については、各店舗に関する利益計画
     の作成を経営計画室が行うため、一貫した作業が好ましいという観点より、引
     き続き経営計画室の業務として行うこととし、当該作成資料を踏まえた減損処
     理の要否にかかる会計監査人との協議や決算への反映等の業務は経理部の業
     務としたうえで、各部でのチェックを徹底することで再発防止を図ります。現
     在の業務分掌規程については詳細な業務がどの部門に属するのか個別に記載
     されておらず、決算業務は経理部門が担当することが記載されているのみであ
     るため、店舗の減損処理に関する資料作成業務が経営計画室に属することを始
     めとして、見直しの際には詳細に明記いたします。


【実施・運用状況】
 (組織体制及び組織関連規程の見直し)
  業務分担の責任の所在の曖昧さの解消並びに経営計画室及び経理部によるチェックの
 不足を解決するため、各部門にて業務の棚卸と職務分掌の再構成を行い、組織体制及び組
 織関連規程(組織規程、業務分掌規程、職務権限規程、稟議規程)の見直しを行い、2020
 年2月7日の取締役会にて決議し、改定を行いました。


 (固定資産の減損に関する資料作成の業務)
  改善報告書提出当初は、固定資産の減損に関する資料作成の業務については、各店舗に
 関する利益計画の作成を経営計画室が行うため、一貫した作業が好ましいという観点より、
 引き続き経営計画室の業務といたしておりましたが、その後前記の減損会計に掛かるシス
 テムの導入により「減損兆候判定資料」を直接出力できるようになったため経営計画室が
 一貫した作業を行う必要性が低くなったこと、現会計監査人より固定資産の減損に関する



                   23
資料作成業務は決算業務全体を統括する経理部が行うほうが好ましいのではないかとい
う示唆があったことから、当該業務は経理部の業務とすることとし、業務分掌規程におけ
る経理部の業務として「固定資産の減損損失の認識判定」と明記いたしました。この結果、
本件業務は、経理部担当者がGLOVIAより「店舗別損益」を出力し、減損判定システムにて
「店舗別損益」を反映し、同システムより本社費、本部費等を自動配賦計算した結果であ
る「減損兆候判定資料」を出力し、当該「減損兆候判定資料」に基づき経理部長が減損兆
候ありと判定した店舗について、経営計画室にて将来キャッシュ・フローを作成の上、経
理部へ提出し、経理部にて減損認識判定を行います。減損を認識すると判定した店舗につ
いては減損損失の測定を行い、減損損失を計上することを経理部長が判断し、会計監査人
へ報告を行うステップとなります。


 b.業務フローの見直し
【改善報告書に記載した改善策】
     前記「 」
        (3)「④」
             「b」に記載いたしました業務手順の整備不足を解消するた
    め、 「⑤」
      後記 「b」に記載するコンプライアンス運営委員会を10月末に開催し、
    この中で方針、具体的作業を決定した上で、各職位における権限の明確化と各
    部門にまたがるものも網羅した業務フローの洗い出しを行い、各部門内におい
    て確実なチェックが行われ、権限に応じた決裁手続きが適切な部門で確実に行
    われるよう、業務や帳票の標準化並びに職務権限規程、稟議規程及び稟議ワー
    クフローの見直しを実施いたします。
     また、本件不適切会計処理の要因となった、減損処理の業務フローにつきま
    しては、以下のとおりとし、新設する決算業務マニュアルに明記いたします。
    なお、当該減損処理の業務フローについては、各業務フローの洗い出し後にあ
    らためて見直しを行い、あわせて2020年4月末を目途に、資料作成業務を一部
    システム化する予定です。


    ・ 経営計画室担当者が社内基準に従って本社費、本部費等の配賦計算を行い、
      「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」を作成する際、経営計画室長が
      内容確認を行い、確認結果を記録に残す。
    ・ 2期連続赤字といった減損の兆候があれば、経営計画室担当者が利益計画
      を作成の上、経営計画室長の承認後に、経営計画室担当者が一旦経理部長
      へ提出し、経理部長の承認を得、「店舗別損益」、「減損の兆候シート」及
      び「利益計画」を経営計画室担当者からトーマツにメールで提出する際、
      経営計画室長と経理部長を同報(CC)に加える。
    ・ 提出後、トーマツの担当者より問合せがなされた場合には、経営計画室担
      当者単独で対応せず、経営計画室長及び経理部長が、(電話会議を含め)
      同席の上で協議を行うこととする。
    ・ トーマツとの協議の結果、減損処理が必要と判断された場合、経営計画室



                   24
         担当者は経営計画室長の承認を得た上で、経理部長に「店舗別損益」及び
         「減損の兆候シート」を用いて減損処理が必要と判断された店舗の報告を
         行う。
        ・ 経理部長は経理部の部下に指示をし、減損処理を決算に反映させる。
        ・ 期末の決算打合せにおいては、トーマツが作成した決算打合せ資料に基づ
         き、トーマツ、経営計画室担当者、経営計画室長及び経理部長が参加し、
         減損の妥当性を確認する。
        ・ 経理部長は減損処理の結果を取締役会に報告する。



【実施・運用状況】
 (業務の棚卸と職務分掌の再構成)
  各部門内におけるチェックの項目を明確化するため、2019年10月29日に開催したコンプ
 ライアンス運営委員会にて、業務フロー(マニュアル)の整備について協議し、2019年11
 月1日に各部門の業務分掌に記載されている業務フローの作成を依頼し、2020年2月4日
 時点で全部門での作成が完了いたしました。


 (決算業務マニュアルの新設)
  上記業務フロー(マニュアル)の整備の一環である決算業務マニュアルとして、2019年
 12月14日付けで決算手順書と、2020年1月14日付けで減損会計処理マニュアルを新設いた
 しました(会計監査人と適切な決算手順について協議を行った結果、業務フローの洗い出
 しを先に行うほうが効率的であると判断されたため、当初計画より減損会計処理マニュア
 ルの新設が遅れました。。2020年4月期の決算業務では、前記のマニュアルを用いて減損
            )
 会計を実施する予定です。この結果減損会計処理は以下の通りとなりました。


    ・   経理部担当者がGLOVIAより「店舗別損益」を出力し、減損判定システムにて「店
        舗別損益」を反映し、同システムより本社費、本部費等の自動配賦計算した結
        果「減損兆候判定資料」を出力する。
    ・   「減損兆候判定資料」上、2期連続赤字といった減損の兆候があれば、経理部
        担当者は経営計画室担当者へその旨連絡し、経営計画室担当者が「将来キャッ
        シュ・フロー」を作成の上、経営計画室長の承認後に、経理部長へ提出する。
    ・   経理担当者は「将来キャッシュ・フロー」を基に減損損失の認識判定を行い、
                                          「減
        損損失の認識判定資料」を作成し、経理部長が内容を確認する。
    ・   減損損失を認識すると判定した店舗については、経理部長が経理部担当者に減
        損損失の測定を指示し、減損損失を計上する。
    ・   経理部担当者が、「店舗別損益」「減損兆候判定資料」「将来キャッシュ・フロ
                       、         、
        ー」及び「減損損失の認識判定資料」を会計監査人と共有するフォルダにアッ
        プする。



                      25
   ・   経理部長が会計監査人へ、
                  「店舗別損益」「減損兆候判定資料」「将来キャッシ
                         、         、
       ュ・フロー」及び「減損損失の認識判定資料」を用いて減損認識判定の報告を行
       う。
   ・   期末の決算打合せにおいては、経理部にて作成した決算打合せ資料に基づき、
       会計監査人、経理部長及び経理部担当者が参加し、減損の妥当性を確認する。
   ・   経理部長は減損処理の結果を取締役会に報告する。


(業務や帳票の標準化)
 各部門内において帳票に沿った確実なチェックが行われるように、2019年10月29日付け
で総務部にて「文書作成マニュアル」を作成し、各部門における帳票発行・承認業務とそ
れらに関する帳票自体の標準化を図りました。今後、各部門の業務マニュアル・フローの
見直しを行う過程で、
         「文書作成マニュアル」に沿って帳票の整備を行っていき、またこれ
と併行して関連する規程につきましても見直しを行ってまいります。


(職務権限規程、稟議規程及び稟議ワークフローの見直し)
 各職位の権限の明確化を目的として、権限に応じた決裁手続きが適切な部門で確実に行
われるよう、各部門にて業務の棚卸と職務分掌の再構成を行い、組織体制及び組織関連規
程(組織規程、業務分掌規程、職務権限規程、稟議規程)の見直しを行い、2020年2月7
日の取締役会にて決議し、改定を行いました。なお、組織関連規程及び稟議ワークフロー
につきましては、2020年2月13日、2月18日、2月27日に課長職以上を対象とした説明会
を開催し、改定内容を反映した稟議ワークフローを作成し、3月1日より運用を開始して
おります。


⑤企業風土改革、コンプライアンス意識の改革
 a.企業風土改革
【改善報告書に記載した改善策】
        前記「 」
          (3)「②」
               「c」への対策として、組織内のセクショナリズムを軽減す
       るため、各部門の業務分掌及び業務フロー並びにこれらに関連する規程類を明
       確にし、各部門がそれぞれどのような業務分掌、業務フローを有しているのか
       を理解できるようにし、自部門だけでなく他部門の業務の適法性、効率性、改
       善方法などについて活発な議論を促し、悪しきセクショナリズムを除去しま
       す。
        また、従来は組織上長への報告会の要素が強かった各会議体のあり方を見直
       し、活発な議論の場として活用できるようにいたします(各会議体は別紙2に
       記載)
         。具体的には、10月中に参加メンバーの見直し、開催頻度、会議をグルー
       プ毎に分ける等の検討を行い、少人数による議論ができる環境を検討いたしま
       す。
        さらに、業務遂行における部門間の連携強化を図るため、11月より、これま



                    26
      では商品のタイムリーな導入及び供給に関して、物販店営業部門、物流部門及
      び製造部門が参加して開催している部門間での会議を、レストランの営業部
      門、物流部門及び製造部門でも開催するようにいたします。また、10月第3週
      より、毎週1回、人事部、総務部、経理部、内部監査室、経営計画室参加の管
      理部門の定例連絡会を新設し、情報共有、業務連携を強化するようにいたしま
      す。


【実施・運用状況】
 (業務分掌及び業務フロー並びにこれらに関連する規程類を明確化)
  組織内のセクショナリズムを軽減するため、2020年2月7日に取締役会で決議されまし
 た業務分掌規程及び業務フローに関連する規程などの組織関連規程を梅の花Webスク
 ール(教育用イントラネット)にアップロードし、関係する従業員が閲覧できるようにい
 たしました。
  また、2020年2月4日時点で作成が完了した業務フローにつきましては、ウェブウォー
 カー(グループウェア)の文書フォルダに登録し、全従業員が閲覧できるようにいたしま
 した。前記の通り、組織関連規程につきましては、2020年2月13日、2月18日、2月27日
 に課長職以上を対象とした改定内容の説明会を開催しております。


 (会議体の見直し)
  会議における議論を活発化するため、各会議の出席者及び各会議体のあり方を、少人数
 による議論ができる環境となるよう見直し、見直した結果を会議体規程にまとめ、2019年
 11月5日に取締役会で決議いたしました。例えば、グループ経営会議においては、報告会
 の形式を改め、協賛金・福利厚生の見直しについてなど、設定したテーマについて出席メ
 ンバーで議論を行い、制度の変更等を実施しております。また、コンライアンス運営委員
 会においては、コンプライアンス意識向上及び法令順守等のテーマについて議論を行い、
 コンプライアンスアンケートの実施、集計結果の公開など具体的な施策を実施しておりま
 す。


 (レストラン部門での物流関連会議)
  会議体規程に規定している主要会議には含まれませんが、業務遂行における部門間の連
 携強化を図るため、従来からもレストラン部門、物流部門及び製造部門など関連部門間で
 情報交換を行っていたレストランの物流関連会議(季節アイテム会議)を商品のタイムリ
 ーな導入及び供給の目的であることを再認識した上で継続しております。


 (管理部門の定例連絡会)
  同様に、業務遂行における部門間の連携強化を図るため、2019年10月15日より毎週1回、
 久留米本社の管理部門(人事部、総務部、経理部、内部監査室、経営計画室、建築開発部、
 海外事業部)により、各部門に関係する、監査、会議、取組み及び子会社へのシステム・



                     27
 制度導入などの情報交換の為の会議を開催しております。


 b.コンプライアンス意識の改革
 【改善報告書に記載した改善策】
      前記「 」
         (3)「②」
              「b」に記載いたしました担当者のコンプライアンス意識の
     欠如を解決するため、グループ全体のコンプライアンスに関する問題を網羅的
     に取り扱う組織の見直しを行うとともに、経営トップによるコンプライアンス
     順守の発信の機会を設け、さらにコンプライアンスアンケート及びコンプライ
     アンス教育を実施し、コンプライアンスの浸透度合いを計測しつつコンプライ
     アンス意識の改革を実施します。
      コンプライアンスアンケートは、以下に記載するコンプライアンス運営委員
     会が実施し、社員に対して、匿名回答で、年1回程度、経営層のコンプライア
     ンス意識、職場のコンプライアンス意識を問うもので、毎年継続して行う事で
     コンプライアンスの浸透度を測定し、次年度のコンプライアンス活動策定の参
     考にいたします。また、これにより、職場での潜在的なコンプライアンス違反
     の通報を促します。
      コンプライアンス関連の会議体につきましては、現行のコンプライアンス委
     員会を廃止し、①コンプライアンス・危機管理委員会として新たに設置し、そ
     の配下に②コンプライアンス運営委員会と③食の安全委員会を設置すること
     を10月4日の取締役会で決議いたしました(別紙2参照)。①コンプライアン
     ス・危機管理委員会は、コンプライアンス違反、食品被害及び天変地異等の有
     事に社長を委員長として適切なメンバーを選任し、スピード感をもって事案に
     対処する危機対応を目的としています。②コンプライアンス運営委員会は、現
     行のコンプライアンス委員会の委員長がC氏であり、コンプライアンス意識の
     低さ及び兼務による多忙等の理由により開催ができていなかったことを反省
     し、事務局を総務部とし、毎月1回定期的な開催を行うことでコンプライアン
     ス施策の実施、コンプライアンス意識の向上を目的としております。③食の安
     全委員会は、毎月2回確実に開催されており運用面で問題はありませんが、社
     長を委員長とするコンプライアンス・危機管理委員会の配下とすることで、会
     社方針の浸透や意思決定のスピードアップを目的としております。


【実施・運用状況】
 (経営トップによるコンプライアンス順守の発信)
  コンプライアンス意識の向上のため、代表取締役社長より月初めの朝礼において、2019
 年9月2日よりコンプライアンス順守に関する発信を行っており、また各子会社の代表取
 締役からも適宜コンプライアンス順守に関する発信を行っております。




                   28
(コンプライアンスアンケートの実施)
 コンプライアンスの浸透度を測定し、次年度のコンプライアンス活動策定に生かすため、
2019年11月1日より11月14日にわたり、ウェブウォーカー(グループウェア)のアンケー
ト機能を用いて、ウェブウォーカーのユーザーIDを所有する主に店長、支配人、主任以
上の従業員(管理部門においてはおおむね全従業員、経営幹部は除く) パートアルバイト
                                、
を含む店舗IDを利用する従業員に対してコンプライアンスアンケートを実施いたしま
した。アンケートの項目は、経営幹部のコンプライアンス意識の高さ、会社への信頼感、
職場内でのコンプライアンス問題の相談・解決の可能性、経営におけるコンプライアンス
の優先度合い、潜在的なコンプライアンス問題の認識があるかどうかです。アンケート結
果につきましては、レベルを計る問いに関してはレベルを数値化した結果を、潜在的なコ
ンプライアンス問題の認識に関しては問題別に認識があるという回答数の順位を全従業
員にウェブウォーカーを用いて回覧し、従業員からの書き込みを含む全データについては
取締役へのみ送付しております。
 コンプライアンスアンケート実施の結果、一定数の経営陣・会社への不信感及び各職場
内での課題解決の困難さを指摘する声が挙がりました。このため、今後は経営施策の背景
の説明、経営者の意図など適切な情報発信を行っていくとともに、研修等を通じて通報窓
口の周知を行います。
 また同様に、各職場の課題として、長時間労働、パワー・ハラスメント、セクシャル・
ハラスメントが顕在化しました。労働時間の適正管理につきましては、コンプライアンス
運営委員会とは別に長時間労働対策委員会を設置し、労働時間の適正管理やシステムの変
更に取組んでおります。また、パワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメントにつき
ましては、コンプライアンス運営委員会として2020年5月より研修を実施していく予定で
す。
 さらに、これらの対策につきましては、2020年11月に前回同様の質問のコンプライアン
スアンケートを実施し、効果を測定していく予定です。


(コンプライアンス教育)
 「③」「b」の内の各階層別の教育にかかる記載を御参照ください。


(コンプライアンス関連の会議体)
 従来のコンプライアンス規程を見直し、2019年11月5日にコンプライアンス・危機管理
規程を制定したことに伴い、現行のコンプライアンス委員会を廃止し、①代表取締役社長
を委員長とし、構成員を執行側取締役2名(購買・物流担当常務取締役及び経営計画担当
取締役)及び内容に応じて都度選定するコンプライアンス・危機管理委員会を新たに設置
し、その配下に②コンプライアンス運営委員会と③食の安全委員会を設置することを10月
4日の取締役会で決議いたしました。①コンプライアンス・危機管理委員会は、会計不正・
横領等のコンプライアンス問題や 、天変地異・原子力災害等のいわゆる有事のうち、緊急
性・重要性の高いものについて危機対応を行うことを目的とし、代表取締役社長の緊急事
態宣言により開催される非常設の委員会であり、一方、②コンプライアンス運営委員会と

                   29
 ③食の安全委員会は、それぞれ継続的なコンプライアンス施策の実施と食の安全の確保を
 行うことを目的とした常設の委員会であります(構成員は別紙2参照)。②コンプライア
 ンス運営委員会または③食の安全委員会で緊急性・重要性の高い問題が顕在化した場合、
 有事として①コンプライアンス・危機管理委員会にエスカレーションすることがあります。
 また、①コンプライアンス・危機管理委員会の決定に基づいて危機対応を行った場合、そ
 の内容及び結果を取締役会に報告いたします。②コンプライアンス運営委員会は毎月1回、
 食の安全委員会は毎月2回開催しております。前記の通り、コンライアンス運営委員会に
 おいては、コンプライアンス意識向上及び法令順守等のテーマについて議論を行い、コン
 プライアンスアンケートの実施、集計結果の公開など具体的な施策を実施しております。


 c.社内情報の共有
【改善報告書に記載した改善策】
      前記「b」同様、前記「 」
                 (3)「②」
                      「b」に記載いたしました担当者のコンプラ
     イアンス意識の欠如を解決するため、コンプライアンス運営委員会の定期的な
     開催によるコンプライアンス施策の一環として、企業理念、行動憲章、社内通報
     窓口のようなコンプライアンス関連の情報、各種会議の議事録などの社内情報
     や決定事項が、単に開示されているだけでなく、回覧板による配信、管理部門内
     の連絡会等により、関係部門で共有化される環境づくりを11月中に整備いたし
     ます。
      また、内部通報制度の運用に関して、現在の運用では、通報対象が役員であっ
     た場合には管理本部長へ連絡がいくことになっておりますが、仮に管理本部長
     の不正行為に関する通報があった場合であっても管理本部長へ連絡が行く可能
     性があり、通報自体が黙殺される危険性がありましたので、通報対象者が役員で
     あった場合の通報窓口からの連絡先を改善する見直しを11月中に行います。


【実施・運用状況】
 (社内情報や決定事項の共有化)
  コンプライアンス意識の欠如を少しでも改善するため、ウェブウォーカー(グループウ
 ェア)を用いた各種議事録の回覧、梅の花Webスクール(教育用イントラネット)を用
 いた規程の開示だけでなく、各部門の会議の中での社内情報や決定事項の周知を行ってお
 ります。例えば、2019年11月3日の株式会社すし半の店長会議においては、すし半代表取
 締役より2019年10月10日に提出した改善報告書の趣旨について説明を行っております。


 (内部通報制度の運用)
  取締役に関係する通報が当該取締役により黙殺される危険性を回避するため、2019年11
 月5日に、内部通報窓口の運用を依頼している弁護士と協議し、通報があった場合、原則、
 常勤監査等委員へ連絡を行い、もし当該常勤監査等委員に関する通報の場合、総務部長へ
 連絡を行うよう変更を行いました。なお、従来、内部通報窓口の連絡先は、毎月発行し、



                    30
 全従業員へ配布しております社内報「うめ通信」に毎号掲載しておりましたが、今後はこ
 れに加え、コンプライアンス研修をはじめ集合研修を通じて周知を行ってまいります。


⑥モニタリング体制の強化
 a.内部監査業務の見直しと体制補強
【改善報告書に記載した改善策】
      前記「 」
         (3)「⑤」
              「c」に記載いたしました内部監査における業務チェック不
    足を解消するため、以下の対策を実施いたします。
      現行の内部監査規程が一般的な事業会社の内部監査規程を元に作成されたも
     のであり、現在J-SOX関連監査項目が明確に入っていない為、規程を改定し、明
     確化いたします。マニュアルについては、監査報告書と監査チェックリストはあ
     りますが、具体的な業務マニュアルが存在しませんので、今後行う監査業務のマ
     ニュアルを2020年1月末までに整備してまいります。
      また、2020年1月末に、子会社から内部監査部門へ社員1名の移籍により人員
     増強を行う予定であり、現在実施している営業店舗に加え、本社や工場に対する
     業務フロー(なお、上記業務フローの見直しとも平仄を取ります。)に掛かる業
     務監査を実施いたします。


【実施・運用状況】
 (内部監査規程の改定)
  2020年2月4日に、内部監査規程にJ-SOX関連監査項目を明記し、改定いたしました。


 (業務マニュアルの作成)
  具体的な業務手順を明確にするために、2020年1月28日に監査業務毎のマニュアルと業
 務フローを作成いたしました。


 (人員増強)
  内部監査の実効性向上の為、2020年2月1日付けで、内部監査室に1名増員(計4名)
 を行いました。


 (本社や工場に対する業務フローに掛かる業務監査)
  2019年12月9日に佐野セントラルキッチン及び平和島物流事務所、2019年12月13日に関
 東事務所、2019年12月26日に京都セントラルキッチン、2019年12月27日に関西事務所につ
 いて、業務フローに掛かる業務監査を実施しており、今後も定期的な業務監査を継続して
 まいります。また、本社管理部門の業務監査は、2020年6月頃の実施を予定しております。
 なお、内部統制監査は2020年3月から4月にかけて全社統制及び各業務プロセスについて
 順次実施予定ですが、決算財務プロセスの内部統制監査は2020年3月24日に評価委員によ
 る監査を実施し、不備となるような事項はありませんでした。



                      31
 b.財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)の全面的な見直し
   【改善報告書に記載した改善策】
         前記「(3)「⑤」
               」  「c」に記載いたしました内部監査における業務チェ
        ック不足を解消するため、以下の対策を実施いたします。
         現在の全社統制や決算財務プロセス統制はJ-SOX導入時に監査法人と協
        議して作成したものですが、その後帳票や業務フローが変わる中でほとん
        ど見直しがされていませんでした。このため、財務報告に係る内部統制の
        評価・報告制度(J-SOX)を全面的に見直し、それらの統括業務を内部監査
        室の所管としたうえで、方針・計画、全社統制や決算財務プロセス統制を
        再構築し、評価員も、現在の3名(内部監査室長、経理課長、総務部次長)
        から5ないし6名に増員し徹底検証いたします。
         監査等委員会においても、この再構築の過程と運用状況を監査項目に加
        え、結果として、内部統制が有効であると判定できるよう改善を急ぎます。




【実施・運用状況】
 (方針・計画、全社統制や決算財務プロセス統制の再構築)
  内部統制基本方針、内部統制基本計画、内部統制範囲を見直す中、それらの業務を統括
 する内部統制評価責任者を2019年4月期までは管理本部長としていましたが、評価を受け
 る側の管理部門の責任者が評価を行う側の内部統制評価責任者を兼務する体制となって
 いたため、まず内部統制評価の独立性を図る必要があり、内部監査室の所管としたうえで、
 内部統制評価責任者を内部監査室長としております。同時に、評価員も3名から責任者を
 含め8名へと増員し、評価体制の強化を図りました。また方針・計画の見直しを行い、2019
 年12月4日の取締役会において決議・報告いたしました。なお、外部コンサルタント会社
 (公認会計士を含む)を利用し、全社統制や財務報告に係る評価・報告制度(J-SOX)の内容
 を現状の規程や帳票、業務フローに沿ったものに変更し、方針・計画の見直しを含め、適
 宜アドバイスを受けております。


 (評価員の増員)
  評価員の選定を行い、従来の3名から8名(内部監査室長、内部監査室員、経営計画室
 長、人事課長、総務部係長、経理部係長3名)に増員し、2019年11月20日にキックオフミ
 ーティングを開催いたしました。その後、2020年3月12日にメンバーの見直し(内部監査
 室長、内部監査室員、経営計画室長、人事部長、総務部次長、総務部係長、経理部係長2
 名への変更)を行いました。


 (監査等委員会による有効性の判定)
  以下のc.を御参照ください。



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 c.監査等委員会監査計画の見直し
   【改善報告書に記載した改善策】
         前記「 」
           (3)「⑤」
                「c」に記載いたしました内部監査における業務チェッ
        ク不足を解消するという目的に加え、前記「 」
                            (3)「②」
                                 「d」に記載いたし
        ました会計監査人との連携不足を改善するため、監査等委員会につきまし
        ては、上記「b」項の監査を重点事項に加えるとともに、往査時の単なる
        立会い・協議だけでなく、決算ミーティングで課題共有したものについて
        は監査過程に踏み込んで確認を行う等、会計監査人との連携を強固なもの
        とし、従来の業務監査に加え、重要事項の決裁手続きの検証を行います。
         また、現行では、監査等委員会に内部監査室長が出席して監査状況が報
        告されるとともに、内部監査室が社長に提出した内部監査報告書のコピー
        が毎月監査等委員会に送付して共有されていました。今後はこれらに加え
        て、J-SOXのプロセスの主体・所管となった内部監査室のモニタリング状
        況が、監査等委員会に共有されることで、監査等委員が内部統制制度の再
        構築を側面から支援します。


【実施・運用状況】
 (内部統制に掛かる監査項目の追加)
  2020年4月期事業年度監査計画書及び2020年4月期監査等実施計画において、内部統制に
 掛かる監査項目の追加を行い、2019年10月4日開催の監査等委員会で決議いたしました。


 (会計監査人との連携強化と重要事項の決裁手続きの検証)
  2019年10月から会計監査人の交代を検討し、11月11日に一時会計監査人として如水監査
 法人を選任いたしました。監査等委員会は、選任に先立ち実施したショートレビュー以降、
 第二四半期・第三四半期監査及び内部統制監査について、監査上の課題・論点について事
 前に協議したうえで、10月からの公式の協議6回以外にも意見交換を行うとともに往査同
 行を21回実施いたしました。また、会計監査人・経営者ミーティングと会計監査人・経理
 部の協議にも同席し、会計方針の協議、社内改革の状況報告などを行っております。また、
 重要事項の決裁手続きに関しては、従来は通常の業務監査で稟議書等の決裁書類の閲覧を
 行い、記載内容や権限者・回送者の運用上の改善指導を行っておりましたが、主要会議へ
 の出席や幹部役職員との面談で得た情報を基に、事前に手続き漏れや不備が生じないよう
 助言を行った上で、決裁書類の確認閲覧を行うように変更いたしました。


 (内部監査室のモニタリング状況の共有)
  2020年4月より開始される会計監査人による内部統制監査に先立ち、2020年3月中に実
 施される評価員による当社内部統制の評価結果について、監査等委員が評価の場へ立会い、
 または評価員へのヒアリング等を実施し、運用面での実効性を判定していく予定です。な



                     33
お、現在新型コロナウイルスの社内感染防止のため立会いができないことから、後日に評
価資料の閲覧と評価者のヒアリングを実施する予定です。




                 34
    (2)改善措置の実施スケジュール
・・・・・>:検討・準備   ―――>:実施・運用
                                2019年                           2020年
                     9月        10月    11月   12月   1月   2月       3月      4月   5月
①    役職員の処分         ・・・・・・ >
②a.社外監査等委員の追加選
                    ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・>- ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     任による経営監視の強化
  b.取締役会の運営ルールの
     変更による実効性と      ・・・>-- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     透明性の確保
  c.組織の簡素化による
                    ・・・・・・ >----- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     取締役の兼任体制の排除
③a.兼務解除の為の組織
                    ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     変更
     従業員への人事発令      ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     役員の兼務解除
                    ・・・・・・ ・>---- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     (取締役会決議)
     社外からの経理部長の
                    ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     受入
  b.人事制度の改革         ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・>
④a.組織体制及び組織関連
                    ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ----->
     規程の見直し
  b.業務フローの見直し       ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ----->
⑤a.企業風土改革
     会議体のあり方見直し     ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     レストラン部門の物流
                    ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     会議開催
     管理部門連絡会開催      ・・・・・・ ・・・>-- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
  b.コンプライアンス意識の
     改革
     トップによる発信             ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
      コンプライアンス・危機
                    ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
      管理委員会(都度)
      コンプライアンス運営委
                    ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
      員会
     アンケート実施        ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ----->
     コンプライアンス教育     ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
  c.社内情報の共有         ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ----->


                                 35
   通報窓口の運用変更              ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ----->
⑥a.内部監査業務の見直しと
                                ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ----->
   体制補強(1名増員)
 b.財務報告に係る内部統制の
   評価・報告制度(J-SOX)の ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ----->
   全面的な見直し
 c.監査等委員会監査計画の
                          ・・・・・・ >----- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   見直し


3.改善措置の実施状況及び運用状況に対する会社の評価
  当社は、過去10期という長期間に亘り、不適正な会計処理が発覚することなく継続し、その
 結果、それらの各期に関する過年度決算を訂正するとともに、2019年4月期における決算発表
 及び有価証券報告書等の開示書類の提出を遅延させたことにより、株主様をはじめ投資家の皆
 様、お取引先及び関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深
 くお詫び申し上げます。また、上記過年度決算の訂正により、実際は赤字決算であったものを
 黒字決算として開示していた期もあり、証券市場の信頼を裏切ることとなってしまったことを
 重大な事態と認識しております。
  いずれにつきましても、当社における管理体制の甘さ、コンプライアンス意識の欠如が原因
 であって、上場会社として重大な責任があると深く反省しており、このような不祥事を二度と
 繰り返さないよう再発防止策を全役職員一丸となって実行してまいりました。その結果、当社
 といたしましては、経営における意識改革と多様な視点の導入、部門間・会社間の牽制機能の
 強化、業務手順の整備及び組織改革、企業風土改革、コンプライアンス意識の改革、モニタリ
 ング体制の強化等、成果が着実に現れてきていると評価しております。
  今後とも、上場会社としてふさわしい内部統制の構築とガバナンスの強化を図り、これまで
 実施してきた再発防止策を定着・改善していくと共に、会社の持続的な成長と中長期的な企業
 価値の向上に励み、株主・投資家の皆様をはじめ取引先及び関係者の皆様の信頼回復に鋭意、
 努めてまいります。


                                                                                   以上




                                      36
別紙1     組織の変更


【改善前】

 株式会社梅の花 組織図(2019年9月30日)                  は10月より廃止・変更された部署


                   株   主   総   会




                   取   締