7604 梅の花 2019-10-10 16:00:00
東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ [pdf]

                                             2019年10月10日
  各    位
                       会   社   名    株式会社 梅     の   花
                       代 表 者 名      代表取締役社長 本 多 裕 二
                       (コード番号 7604 東証第二部)
                       問 合 せ 先      取締役 経営計画担当
                                              鬼 塚 崇 裕
                       (TEL        0942-38-3440)



      東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ

 当社は、過年度決算短信等を訂正した件につきまして、2019年9月26日付で株式会社東京証券
取引所より、有価証券上場規程第502条第1項第1号に基づき、その経緯及び改善措置を記載した
「改善報告書」の提出を求められておりましたが、本日別添のとおり提出いたしましたので、お
知らせいたします。


別添書類:改善報告書


                                                   以   上
                   改 善 報 告 書


                                     2019年10月10日


株式会社東京証券取引所
代表取締役社長 宮原 幸一郎 殿


                                株式会社梅の花
                                代表取締役社長 本多裕二




 このたびの過年度決算短信及び四半期決算短信、並びに有価証券報告書及び四半期報告書(以
下「過年度決算短信等」といいます)の訂正の件について、有価証券上場規程第502条第3項の規
定に基づき、その経緯及び改善措置を記載した改善報告書をここに提出いたします。




                     1
                                         目次


1.経緯 ·········································································· 4
 (1)過年度決算訂正の内容 ······················································ 4
 (2)過年度決算短信等を訂正するに至った経緯・原因 ······························ 8
     ①不適切な会計処理の発覚と過年度決算短信等を訂正するに至った経緯 ············ 8
     ②第三者委員会の設置 ························································ 8
     ③本件不適切会計処理の内容等 ················································· 9
       a.不正行為の実態 ························································ 9
         ア.不正行為の主体 ······················································ 9
         イ.減損会計に関する職務分掌 ············································ 10
         ウ.
          「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」の通常の作成フロー ············· 10
         エ.不正行為の手口(今回の不正規の作成フロー) ·························· 11
         オ.減損の兆候判定の対象となった店舗数 ··································· 11
       b.関係者の関与状況 等 ··················································· 12
2.改善措置 ······································································ 13
 (1)不適正開示の発生の原因の分析 ·············································· 13
     ①取締役会の監督機能の低下によるガバナンス不全 ······························ 13
     ②役職員の決算処理業務の軽視 ················································· 13
       a.経営陣の決算処理業務への理解不足と個別業務への無関心さ ················· 13
       b.担当者の減損処理業務への理解不足とコンプライアンス意識の欠如 ··········· 13
       c.組織内のセクショナリズムからなる決算処理業務への無関心さ ··············· 14
       d.決算財務に関する監査の会計監査人への依存 ······························· 14
     ③事業の急拡大に伴う人材育成不足・人員不足による部門間・会社間牽制機能の喪失 · 14
     ④当社の業務全般について業務分担及び業務手順が不明瞭であること ··············· 15
       a.業務分担の責任の所在の曖昧さ ··········································· 15
       b.業務手順の整備不足 ····················································· 15
     ⑤業務チェック体制の欠如 ···················································· 15
       a.経営計画室における業務チェック不足 ····································· 15
       b.経理部における業務チェック不足 ········································· 16
       c.内部監査における業務チェック不足 ······································· 16
 (2)再発防止に向けた改善措置(実施済みのものも含む) ·························· 16
     ①役職員の処分の内容 ························································· 16
     ②経営における意識改革と多様な視点の導入 ···································· 17
       a.社外監査等委員の追加選任による経営監視の強化 ·························· 17
       b.取締役会の運営ルールの変更による実効性と透明性の確保 ·················· 17
     ③部門間・会社間の牽制機能の強化 ············································ 17
       a.組織変更及び兼務体制の排除 ············································ 17

                                     2
     b.人事制度の改革 ························································ 18
    ④業務手順の整備及び組織改革 ················································ 19
     a.業務分担の整理を目的とした組織体制及び組織関連規程の見直し ············ 19
     b.業務フローの見直し ···················································· 19
    ⑤企業風土改革、コンプライアンス意識の改革 ·································· 20
     a.企業風土改革 ·························································· 20
     b.コンプライアンス意識の改革 ············································ 20
     c.社内情報の共有 ························································ 21
    ⑥モニタリング体制の強化 ···················································· 21
     a.内部監査業務の見直しと体制補強 ········································· 21
     b.財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)の全面的な見直し ········· 22
     c.監査等委員会監査計画の見直し ·········································· 22
 (3)改善措置の実施スケジュール ················································ 22
3.不適切な情報開示等が投資家及び証券市場に与えた影響についての認識 ·············· 24




                                 3
1.経緯
 (1)過年度決算訂正の内容
       当社は、2019年6月26日付「第三者委員会設置に関するお知らせ」にて開示しておりま
   すとおり、社外の有識者(弁護士等)から構成される第三者委員会を設置し、当社及び当
   社の連結子会社の店舗に係る固定資産の減損処理方法に関して、日本弁護士連合会の定め
   る「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に沿って調査を行いました。その
   結果、2019年8月28日付「第三者委員会の調査報告書の受領及び今後の当社の対応に関す
   るお知らせ」にて公表しましたとおり、当社及び当社の連結子会社の店舗に係る固定資産
   の減損処理方法に関して不適切な会計処理が認められました(以下「本件不適切会計処理」
   といいます)。これにより、当社は2019年8月30日に過年度の有価証券報告書等の訂正報
   告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正をいたしました。


       本件不適切会計処理に基づいて訂正した過年度決算短信等及び業績に及ぼす影響額に
   ついては、以下の通りです。


       【訂正した有価証券報告書】
       第31期 平成22年9月期 (自 平成21年10月1日 至 平成22年9月30日)
       第32期 平成23年9月期 (自 平成22年10月1日 至 平成23年9月30日)
       第33期 平成24年9月期 (自 平成23年10月1日 至 平成24年9月30日)
       第34期 平成25年9月期 (自 平成24年10月1日 至 平成25年9月30日)
       第35期 平成26年9月期 (自 平成25年10月1日 至 平成26年9月30日)
       第36期 平成27年9月期 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日)
       第37期 平成28年9月期 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日)
       第38期 平成29年9月期 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
       第39期 平成30年9月期 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日)


       【訂正した四半期報告書】
       第38期 第1四半期 (自 平成28年10月1日 至 平成28年12月31日)
       第38期 第2四半期 (自 平成29年1月1日 至 平成29年3月31日)
       第38期 第3四半期 (自 平成29年4月1日 至 平成29年6月30日)
       第39期 第1四半期 (自 平成29年10月1日 至 平成29年12月31日)
       第39期 第2四半期 (自 平成30年1月1日 至 平成30年3月31日)
       第39期 第3四半期 (自 平成30年4月1日 至 平成30年6月30日)
       第40期 第1四半期 (自 平成30年10月1日 至 平成30年12月31日)


       【訂正した決算短信】
       平成22年9月期 決算短信
       平成23年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
       平成24年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

                          4
    平成25年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成26年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成27年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成28年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成29年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    平成30年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
    2019年4月期   決算短信〔日本基準〕(連結)


    【訂正した四半期決算短信】
    平成29年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成29年9月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成29年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成30年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成30年9月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成30年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)
    平成31年4月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕
                           (連結)


    【過年度決算短信等の訂正による業績への影響額】


    (連結財務諸表)
                                                 (単位:百万円)
   期間           項目         訂正前       訂正後        影響額    変動率
                           (A)       (B)       (B-A)   (%)
   第31期    売上高              28,734    28,734        -      -
(平成22年9月期) 営業利益                577       577        -      -
    通期     経常利益                365       365        -      -
           当期純利益               177     △177       △355   △201
           総資産              18,329    17,974      △355    △2
           純資産               3,454     3,099      △355    △10
   第32期    売上高              29,736    29,736        -      -
(平成23年9月期) 営業利益                702       765        62      9
    通期     経常利益                461       523        62     13
           当期純利益             △155      △239        △84     54
           総資産              19,181    18,741      △439    △2
           純資産               6,011     5,571      △439    △7




                       5
                                                    (単位:百万円)
    期間            項目          訂正前       訂正後        影響額    変動率
                              (A)       (B)       (B-A)   (%)
   第33期    売上高                 30,029    30,029        -      -
(平成24年9月期) 営業利益                   510       581        70     14
    通期     経常利益                   558       629        70     13
           当期純利益                  256       295        38     15
           総資産                 18,157    17,756      △401    △2
           純資産                  5,989     5,587      △401    △7
   第34期    売上高                 29,780    29,780        -      -
(平成25年9月期) 営業利益                   377       449        72     19
    通期     経常利益                   207       279        72     35
           当期純利益                   41         9       △31    △76
           総資産                 19,002    18,571      △431    △2
           純資産                  6,648     6,215      △432    △6
   第35期    売上高                 29,680    29,680        -      -
(平成26年9月期) 営業利益                   697       770        72     10
    通期     経常利益                   623       696        72     12
           当期純利益                  229       308        78     34
           総資産                 19,883    19,515      △368    △2
           純資産                  6,878     6,510      △368    △5
   第36期    売上高                 29,410    29,410        -      -
(平成27年9月期) 営業利益                   184       268        84     46
    通期     経常利益                   119       203        84     71
           当期純利益                 △52       △84        △32     62
           総資産                 21,159    20,747      △412    △2
           純資産                  6,930     6,530      △400    △6
   第37期    売上高                 29,398    29,398        -      -
(平成28年9月期) 営業利益                   161       246        84     52
    通期     経常利益                    60       145        84    140
           親会社株主に帰属する当期純利益         96      △75       △172   △179
           総資産                 26,818    26,230      △588    △2
           純資産                  5,724     5,151      △573    △10
   第38期    売上高                  8,462     8,462        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                   275       296        21      8
  第1四半期    経常利益                   250       271        21      8
           親会社株主に帰属する四半期純利益       148       151         3      2
           総資産                 28,060    27,468      △591    △2
           純資産                  5,831     5,261      △570    △10
   第38期    売上高                 16,068    16,068        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                   453       495        42      9
  第2四半期    経常利益                   447       490        42      9
           親会社株主に帰属する四半期純利益       214       272        58     27
           総資産                 27,541    27,005      △535    △2
           純資産                  5,914     5,399      △514    △9




                          6
                                                    (単位:百万円)
    期間            項目          訂正前       訂正後        影響額    変動率
                              (A)       (B)       (B-A)   (%)
   第38期    売上高                 23,646    23,646        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                   430       495        64     15
  第3四半期    経常利益                   400       464        64     16
           親会社株主に帰属する四半期純利益       179       255        75     42
           総資産                 27,596    27,078      △517    △2
           純資産                  6,026     5,529      △497    △8
   第38期    売上高                 31,394    31,394        -      -
(平成29年9月期) 営業利益                   313       399        85     27
    通期     経常利益                   267       353        85     32
           親会社株主に帰属する当期純利益      △414      △500        △85     21
           総資産                 28,421    27,741      △680    △2
           純資産                  5,495     4,836      △658    △12
   第39期    売上高                  9,035     9,035        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                   320       342        21      7
  第1四半期    経常利益                   286       308        21      7
           親会社株主に帰属する四半期純利益       173       190        16      9
           総資産                 29,578    28,914      △664    △2
           純資産                  5,761     5,119      △642    △11
   第39期    売上高                 17,245    17,245        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                   547       590        43      8
  第2四半期    経常利益                   503       547        43      9
           親会社株主に帰属する四半期純利益       295       330        35     12
           総資産                 29,810    29,166      △644    △2
           純資産                  5,857     5,233      △623    △11
   第39期    売上高                 24,858    24,858        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                   579       645        65     11
  第3四半期    経常利益                   495       561        65     13
           親会社株主に帰属する四半期純利益       281       314        32     11
           総資産                 32,337    31,691      △646    △2
           純資産                  8,496     7,869      △626    △7
   第39期    売上高                 32,647    32,647        -      -
(平成30年9月期) 営業利益                   390       478        87     22
    通期     経常利益                   270       358        87     32
           親会社株主に帰属する当期純利益         10        44        33    330
           総資産                 30,637    29,996      △640    △2
           純資産                  8,671     8,045      △625    △7
   第40期    売上高                  8,891     8,891        -       0
(平成31年4月期) 営業利益                   247       267        20      8
  第1四半期    経常利益                   219       240        20      9
           親会社株主に帰属する四半期純利益       159       162         3      2
           総資産                 30,827    30,187      △639    △2
           純資産                  8,657     8,035      △622    △7




                          7
                                                      (単位:百万円)
    期間             項目           訂正前       訂正後        影響額     変動率
                                (A)       (B)       (B-A)    (%)
    第40期      売上高                19,499    19,499         -      -
 (2019年4月期)   営業利益                  356       425         68     19
     通期       経常利益                  300       369         68     23
              親会社株主に帰属する当期純利益       184     △981      △1,166   △634
              総資産                30,477    28,737     △1,740    △6
              純資産                 9,183     7,391     △1,791    △20

(注)第40期(2019年4月期)に「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準
第28号 平成30年2月16日)等を適用しておりますが、第31期(平成22年9月期)から第39期(平
成30年9月期)は遡及適用前の数値を記載しております。


 (2)過年度決算短信等を訂正するに至った経緯・原因
   ①不適切な会計処理の発覚と過年度決算短信等を訂正するに至った経緯
      当社は、会計監査人である有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」といいます。
                                            )
    による、2019年4月期(2018年10月から2019年4月まで)にかかる監査を受け、店舗に
    係る固定資産の減損処理に関し、不適切な処理が行われている可能性がある旨の指摘を
    受けました。
      具体的には、当社では各期の決算手続の中で減損の兆候の有無を判定するため「店舗
    別損益」を作成しトーマツに提示をしておりますが、2019年4月期の監査において、ト
    ーマツが当社から受領した「店舗別損益」を確認する際、少額の黒字となっている店舗
    が多数存在している点に疑義を抱くに至りました。
      そこで、トーマツにおいて「店舗別損益」の根拠資料である「減損の兆候シート」に
    ついて改めて検算したところ、本社費、本部費等の配賦計算の基礎となる間接費(セン
    トラルキッチン利益や購買物流費等)の金額が財務会計数値と一致しないこと、配賦基
    準(店舗売上高や店舗人員数)に従って算出されるべき数値の一部が実態とは異なる数
    値で修正入力されていること等の異常が発見され、減損回避のための不適切な処理が行
    われたのではないかとの疑念を生じ、その旨の指摘がなされたものです。
      当社は、上記指摘を受け、直ちに調査を実施したところ、過年度の減損処理方法に関
    しても、同様の不適切な会計処理が行われている可能性があることが判明いたしました。
      その後、次項「②」の項記載の第三者委員会を設置して調査を実施し、調査結果とし
    て2019年8月28日付にて調査報告書(以下「本調査報告書」といいます。)を受領しまし
    た。本調査報告書を踏まえ、当社において、本件不適切会計処理の概要は後記「③」の
    項記載のとおりと判断しており、これにより、前記「(1)」の項記載の過年度の有価証券
    報告書等の訂正報告書の提出及び過年度決算短信等の訂正を行ったものです。


   ②第三者委員会の設置
      第三者委員会の設置については、トーマツより、当社とは利害関係を有しない外部の



                            8
 専門家で構成し、公正性を確保した第三者委員会による本件の調査が必要であるとの指
 摘を受け、第三者委員候補者の探索を進めました。第三者委員としては企業法務に精通
 した弁護士の委員と、調査対象が不適切会計処理であることから公認会計士の委員が必
 要であり、また、デジタルフォレンジックや多量のメールレビューといった作業を要す
 ることも想定されたことから、それらの知見と人員を有する大手監査法人に所属する委
 員を選任する必要があると考えられ、加えて迅速な調査を実施する必要から当社の本社
 のある福岡県内に所在する専門家も委員に選任すべきであったことから、それらの要件
 を満たす人員として、下記の各弁護士及び公認会計士を選定し、承諾を得て就任してい
 ただいたものです。
                         記
    委員長 山形康郎(弁護士/弁護士法人関西法律特許事務所、パートナー)
    委   員 原 仁志(弁護士/弁護士法人関西法律特許事務所、パートナー)
    委   員 酒井辰馬(弁護士/酒井法律事務所)
    委   員 新川大祐(公認会計士/北斗税理士法人、代表社員)
    委   員 岩田知孝(弁護士・公認会計士/株式会社KPMG FAS)


③本件不適切会計処理の内容等
 第三者委員会の調査により判明した事実を踏まえて当社として認識した本件不適切会計
 処理の内容等は以下のとおりです。なお、以下に記載の関係当事者及びその略称は下表
 のとおりです。
   略称                        所属・役職等
   A氏      代表取締役会長兼CEO
   B氏      代表取締役社長兼COO
   C氏      取締役執行役管理本部長 兼経理部長 兼人事総務部長
   D氏      取締役執行役経営計画室長
   E氏      経営計画室遊休資産活用プロジェクト部長
   F氏      経営計画室課長
   G氏      経理課課長
   H氏      取締役相談役
 ※ 9月30日現在。H氏は8月31日付けで辞任


 a.不正行為の実態
 ア.不正行為の主体
    本件不適切会計処理に用いられた資料である「店舗別損益」及び「減損の兆候シ
   ート」は、2009年頃、E氏により作成され、2009年9月期から使用されておりまし
   た。その後、2010年頃にF氏が経営計画室に異動になった際、前任であるE氏から
   当該資料の作成方法について引き継ぎを受け、その後はF氏がそれらの作成を担当
   していました(なお、F氏は、赤字店舗を減らす目的で後述する間接費の配賦計算



                     9
 の不正操作を行っていたことを認めております。。
                       )


イ.減損会計に関する職務分掌
  経営計画室の本来的業務は店舗別予算の作成及び進捗管理でありましたが、減損
 会計における業務フローにおいて店舗別損益情報が基礎資料となる関係で、経理・
 決算業務の一部である減損会計関連資料の作成についても経営計画室の職務として
 おりました。F氏は2010年に経営計画室に配属されて以降現在に至るまで、経営計
 画室の本来的業務を行う傍ら、減損会計に関する資料作成についても担当していた
 ものです。


ウ.
 「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」の通常の作成フロー
  当社における部門別(店舗別及び間接部門別)損益に関する基礎情報は、基幹業
 務システムGLOVIA(以下「GLOVIA」といいます)から出力されます。GLOVIAには、
 各店舗からのレジ情報、給与システムの人事関連情報、購買システムにおける購買
 情報等が、夜間バッジで集計されています。
  「減損の兆候シート」の作成においては、まず、富士通(GLOVIAのシステムベン
 ダー)作成のマクロ・プログラムにより、GLOVIAの出力データがエクセルシートに
 ダウンロードされ、本社費、本部費等の配賦前の店舗別・部門別損益数値が作成さ
 れ、その後に社内基準に従って本社費、本部費等の配賦計算を行い、「店舗別損益」
 及び「減損の兆候シート」を作成することとなります。
  2期連続赤字といった減損の兆候があれば、経営計画室の減損処理業務の担当者
 (F氏、以下「経営計画室担当者」といいます。)が利益計画を作成し、作成された
 「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」と共に、経営計画室担当者により会計監
 査人にメールで提出します。この際、提出前の経営計画室内の上司の確認や稟議と
 いったステップはなく、メールを送付する際も経営計画室や経理部の役職員といっ
 た同時配信先は固定されておりませんでした。
  提出後、トーマツの担当者より対面または電話で、経営計画室担当者に対し、内
 容にかかる問合せがなされ、減損の兆候があった店舗についての減損処理の要否に
 かかる協議が行われておりました。
  トーマツとの協議の結果、減損処理が必要と判断された場合、経営計画室担当者
 は経理部長(C氏)に「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」を用いて減損処理
 が必要と判断された店舗の報告を行い、経理部長は経理部の部下に指示をし、減損
 処理を決算に反映させます。
  期末の決算打合せにおいては、経営計画室担当者が作成した「店舗別損益」及び
 「減損の兆候シート」を用いてトーマツが決算打合せ資料を作成し、トーマツ、経
 理部長及び経営計画室担当者が参加し、減損の妥当性を確認していました。なお、
 四半期ごとの打ち合わせにおいては閉店等明確なものを除いて、減損処理の打合せ
 は行っておりませんでした。



                 10
     エ.不正行為の手口(今回の不正規の作成フロー)
       E氏またはF氏による経理操作にかかる資料作成においては、一旦は、上述の通
      常の作成フローに従い「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」を作成いたします
      が、この時点では、減損の兆候判定の対象となる店舗数が多数になるため、その後
      対象店舗を減少させる目的で、本社費等の配賦計算についての不正操作が行われて
      おりました。
       具体的には、不正操作は、本社費等配賦後で営業赤字となった店舗について、配
      賦割合算定基礎数値を本来あるべき数値よりも減額し、特定の店舗に対する配賦金
      額(間接費又は配賦基準)を減額させ、営業黒字とする形で実施されました。
       こうした操作が行なわれた結果、2期連続営業損失により減損の兆候判定に該当
      することになった店舗数を実態よりも減少させた内容で最終の「店舗別損益」及び
      「減損の兆候シート」が確定され、トーマツにメールで提出されることになりまし
      た。その後は、通常の作成フローと同様であり、減損の兆候判定に該当する店舗を
      減らすことで、その後の減損処理の要否に関するトーマツとの協議の対象となる店
      舗を減らし、トーマツの減損処理が必要との判断を受けて実際に減損処理をすべき
      対象となる店舗数も減らすという不正操作を行っていたものです。


     オ.減損の兆候判定の対象となった店舗数
       不正操作後に減損の兆候判定の対象となった店舗数(下記の「不正操作後対象店
      舗数」のとおり)と本調査により明らかとなった、本来減損の兆候判定の対象とす
      べきであった店舗数(下表の「実態対象店舗数」欄のとおり。
                                 )の比較結果は下表の
      とおりであり、多くの店舗が減損の兆候判定から意図的に除外された結果となって
      います。
                                                         (単位:店)
項目             2010年9月   2011年9月     2012年9月   2013年9月   2014年9月
①不正操作後対象店舗数         46         35         33        30        38
②実態対象店舗数           117         102       108       104        96
③差異(②-①)            71         67         75        74        58


項目             2015年9月   2016年9月     2017年9月   2018年9月   2019年9月
①不正操作後対象店舗数         50         63         48        54        49
②実態対象店舗数            89         113       113       119       116
③差異(②-①)            39         50         65        65        67
不正操作後対象店舗数: 会社から会計監査人に提示された各期の「減損の兆候シート」において、
              2期連続営業損失を計上している店舗数。
実態対象店舗数:      今回の調査により再計算した各期の「減損の兆候シート」において、2
              期連続営業損失を計上している店舗数(催事等除く)。




                          11
b.関係者の関与状況 等
  前記「a」の項で述べたとおり、本件不適切会計処理にかかる経理操作については、
 経営計画室において減損会計に関する資料作成を担当していたF氏及びその前任の
 E氏がそれぞれ行っていました。発端は、2009年9月期の決算にあたって、監査上許
 される範囲で損失発生を抑制したいというB氏の意向を受けたE氏が、何とか減損金
 額が少額となるようにB氏の意向とは異なって不適切な経理操作を行ったものであ
 り、F氏への引継後も、できる限り減損損失は抑えるべきというC氏の考えに基づい
 て、F氏が毎年の不適切な経理操作を継続していったものです。
  次に、F氏の所属する経営計画室の室長として上長にあたるD氏は、F氏が減損会
 計に関する資料作成を担当していたこと自体を認識しておらず、本件不適切会計処理
 については認識しておりませんでした。
  一方、経理部長として減損会計を含めた決算処理の責任者の立場にあるC氏につい
 ては、トーマツとの決算ミーティングにおいては主体的に議論を行っており、また各
 店舗の損益等にかかる監査におけるトーマツとの個別協議の対応も行っておりまし
 た。これらの議論に際して、C氏は、減損の兆候判定を含む決算財務の基礎となる情
 報を確認すべき立場ではありましたが、実際には確認しておりませんでした。本件不
 適切会計処理に積極的に関与していたものではありませんが、従業員に対して減損処
 理が必要とならない対策を求める等して、可能な限り減損を避けるべきという意識を
 従業員にもたせ、F氏を含む各担当者にプレッシャーを与えていたことから、本件不
 適切会計処理に間接的な影響を与えていたことは否定できません。
  また、B氏については、社長就任以前から人事及び経営全般の決裁権限を有し、本
 件不適切会計処理が開始した当時、E氏から店舗減損に関する相談を受けており、E
 氏がどのような方法を用いるのか確認してはいませんが、何らかの対処をする旨の報
 告を受けていました。そのため、B氏についても、本件不適切会計処理を明示又は黙
 示に承認していたということではないものの、上記相談を受けた当時に適切に確認等
 をせず、その後長期間にわたって不適切な会計処理が継続するという結果を招いた責
 任を負うべきものと判断しております。
  なお、子会社社長(一部取締役が兼務しています)が自社の状況を把握するために、
 取締役会に先立ちF氏より店舗別の損益の情報を含む補足資料とともに速報ベース
 の月次決算資料が子会社社長に対してメール配信されており、その際に各取締役にも、
 同じ資料を参考情報として配布されていました。但し、これは参考情報としての配布
 であり、子会社社長を兼務していない取締役に、補足資料を含めた内容を必ず確認す
 るよう求めていたものではなく、その後の取締役会における資料としては、確定版の
 月次決算資料が紙ベース及びメールで各取締役に事前配布されていましたが、この配
 布時には店舗別損益の情報を含む補足資料は含まれておりませんでした。そのため、
 子会社社長を兼務している取締役を除き、参考情報として配布されていた店舗別損益
 等の補足資料までを詳細に確認することはしていなかったのが実情であり、前述した
 以外の役員について、本件不適切会計処理への直接的又は間接的な関与はなかったと
 判断しております。

                12
2.改善措置
 (1)不適正開示の発生の原因の分析
  ①取締役会の監督機能の低下によるガバナンス不全
     創業者であるA氏を引き継いだB氏はオーナー経営脱却を図るため強い指導力を発揮
    していました。B氏の強いリーダーシップは、社内改革を進める原動力となっていた反
    面、業務執行の監督を行う機関としての取締役会の監督機能の低下を招いてしまいまし
    た。
     具体的には、B氏からの2008年9月期から引き続いての2期連続の大幅赤字となるこ
    とを免れたいという意向を踏まえ、E氏は本件不適切会計処理を実行し、それをF氏が
    引き継いで長期間同様に行っていたものですが、その背景には、B氏以外の役職員にお
    いてB氏の意向や問題意識に答えようとする傾向が強く、B氏の影響力の大きさに比し
    て組織的に経営判断及び業務執行を監視及び抑止する仕組みが存在しませんでした。
     さらに、取締役会において、案件によってはB氏以外の取締役から意見が出ることも
    ありましたが、採決方法が反対意見を出しにくい全員同意で可決される運用となってい
    ました。また、議案書の準備が遅く、配布が取締役会開催の直前となっており、社外取
    締役も含め取締役が十分な事前確認が出来ない状況となっておりました。
     このような取締役会の監督機能の低下は、業務執行の監視・監督体制の欠如をもたら
    し、個々の役職員のコンプライアンス意識の低下を伴ってガバナンス機能の不全につな
    がっていきました。


  ②役職員の決算処理業務の軽視
    a.経営陣の決算処理業務への理解不足と個別業務への無関心さ
     当社経営陣は、キャッシュフローを重視する経営指標を打ち出していたため、キャ
    ッシュに影響を与えない会計上の減損への関心と理解が薄く、減損兆候対象店舗につ
    いては会計監査人に利益計画を提示した上で減損の要否を交渉すればいいといった、
    店舗減損処理を交渉事とする傾向がありました。
     このため、子会社社長を兼務する取締役に対しては、自社の状況を把握するために、
    取締役会に先立ちF氏より店舗別の損益の情報を含む補足資料とともに速報ベースの
    月次決算資料が子会社社長に対してメール配信されており、これらの取締役に関して
    は店舗別損益の状況、減損処理の状況を把握・検証する責務があったにもかかわらず、
    これらがなされていませんでした。
     また、決算処理の個別の業務内容についても、前記「1」(2)「③」
                              「   」 「b」に記載
    のとおり、D氏はF氏の上長でありながら、その業務内容を適切に把握しておらず、
    また、C氏も決算財務に関して確認すべき立場であるにもかかわらず、F氏の業務結
    果を検証していませんでした。


    b.担当者の減損処理業務への理解不足とコンプライアンス意識の欠如
     本件不適切会計処理を実行したF氏は、減損処理等の意味や位置づけを十分に理解

                     13
 しておらず、自身の作業が決算にどのように反映されるのかを関知しないまま減損処
 理業務に従事しており、減損処理業務の理解が乏しいために、本件不適切会計処理が
 コンプライアンス違反となるという意識が薄いまま作業を行っていました。


 c.組織内のセクショナリズムからなる決算処理業務への無関心さ
  当社の経営陣は、事業の急拡大に伴う業務リソースの不足から自らが担当する業務
 以外の業務について注意を払う余裕がなく、また他の経営陣の業務結果に対して意見
 をするという行為を避ける傾向がありました。
  決算業務を行う経理部門の従業員であっても、経営計画室の従業員が行った決算業
 務の一部については多少疑義をもったとしてもチェックまでは行わないという実態が
 あり、従業員においても、他部署の業務に対する関心が薄く、
                            「他部署できちんとやっ
 ているはず」という楽観的な姿勢が存在していました。また、F氏が営業担当者に減
 損兆候の店舗を調整している旨のメールを送信していたにもかかわらず営業担当者は
 特段その趣旨について関心を払わないなど、担当外の業務に積極的に関与して余計な
 仕事を引き受けると本来の業務が回らないため、積極的に指摘や調査を行わないとい
 う組織内のセクショナリズムが広がっていました。


 d.決算財務に関する監査の会計監査人への依存
  当社では、四半期決算ごとに監査等委員が会計監査人と決算内容について確認を行
 っていますが、監査等委員は、決算財務に関する監査主体が会計監査人であって監査
 等委員としてはそれを確認するのみという意識が強く、会計監査人との協議において、
 能動的に会計監査人の監査結果を確認したり、会計監査人の監査過程で生じた疑問点
 や検討点、監査等委員として重要と考えられる項目等を質問するといった姿勢で臨む
 ことができておりませんでした。そのため、決算財務に関する監査等委員会監査とし
 てのモニタリングが不十分でした。


③事業の急拡大に伴う人材育成不足・人員不足による部門間・会社間牽制機能の喪失
  当社は、子会社買収や店舗の新規開店により事業を拡大しており、子会社買収後に親
 会社に間接部門を集約したこと等によって本社における業務量が増加し、業態の多様化
 による業務の複雑化も進んでいたにもかかわらず、関係会社管理機能を含む本社管理部
 門の人材育成が追い付かず、また、内部昇格も含めて適切な人材配置を行えていません
 でした。このような実情により、当社は、減損処理等の意味や位置づけを十分に理解し
 ていたわけではないF氏に、長期にわたってこれらの作業を指示し業務に従事させてお
 りました。
  さらに、業績改善を目的として本社の管理部門の人材を子会社の取締役に就任させて
 いますが、本社業務と兼任出向としているため、本社業務に対して十分な監督が果たせ
 なくなっていました。加えて、1人で複数の部門・役職を兼務することが常態化し、た
 とえばC氏は管理本部長、経理部部長、人事総務部長、内部統制評価責任者を兼務して
 いる他、子会社3社の取締役を兼務していました。

                14
  このように、事業拡大により業務量が増加したにもかかわらず、管理部門の人材育成
 が追い付かず、適切な人員配置ができなかった結果、管理職が1人で複数の部門・役職
 を兼務することを常態化させ、部門間での牽制機能を喪失させたものであり、この点も、
 本件不適切会計処理を助長した要因の一つであると判断しております。


④当社の業務全般について業務分担及び業務手順が不明瞭であること
 a.業務分担の責任の所在の曖昧さ
  当社の組織・業務分掌等に関する社内規程は整備されており、一見すれば組織間の
 業務分担及び責任は明確になっています。
  しかしながら、その実態としては、本件不適切会計処理に関わる店舗減損処理も本
 来は経理部経理課の担当業務というべきところ、経営計画室が作成した利益計画等を
 確認することができる責任者が経理課に存在せず、店舗減損処理にかかる資料作成を
 経営計画室のF氏が行っていたことで、経理課は店舗減損処理を経営計画室の担当業
 務とみなしている一方で、経営計画室長であるD氏は、経営計画室において当該業務
 を行っているとの認識を有しておらず、責任の所在が曖昧になっていました。


 b.業務手順の整備不足
  当社では、M&Aにより事業規模・業態が拡大し、決算処理を含む各種手続が複雑
 化する中で、内部統制資料の中で減損処理に関する業務手順は記載されていたものの、
 どの担当者がどのような資料を作成し、誰が確認をするといった具体的な記載は無く、
 経理部経理課が見積・計算を行い、管理本部長に減損の要否判断を仰ぐといった一般
 的な内容に留まっており、実際の手順の整備不足であってマニュアルとして運用でき
 る程度に達しておらず、不明確なものとなっていました。


⑤業務チェック体制の欠如
  当社では、以下における基本的な社内チェック体制の欠如と組織間の牽制機能の不備
 があり、これらにより本件不適切会計処理が可能となり、助長された要因の一つである
 と判断しております。


 a.経営計画室における業務チェック不足
  経営計画室では、経理からの作業依頼に基づき、F氏(当初はE氏)が単独で「店
 舗別損益」及び「減損の兆候シート」の作成を行っており、経営計画室の他の社員に
 よるチェックはなされていませんでした。またD氏においては上記④aに記載すると
 おり「店舗別損益」及び「減損の兆候シート」の作成をF氏が行っていること自体を
 認識しておらず、チェックも実施しておりませんでした。また、F氏が「店舗別損益」
 及び「減損の兆候シート」をトーマツに送付する前に、誰かの承認を受けるといった
 事務手続きもなく、F氏は誰からのチェックを経ることもなくこれらをトーマツにメ
 ールで送付していました。また送付の際に、誰かに同時配信するという決まりもなか
 ったため、その時々で同時配信された社員は確認の必要性を認識していなかったと推

                15
   察されます。
   b.経理部における業務チェック不足
       経理部では、運営実態において業務分担及び業務手順が不明瞭であったこともあり、
   減損処理にかかる資料がF氏から会計監査人に提出される際に経理担当者が確認して
   いませんでした。また、管理本部長であるC氏が人事総務部長と経理部長を兼任し、
   業務リソースの不足が常態化しており、本来、人事総務部と経理部を監督すべき管理
   本部の機能が十分に果たされておらず、決算作業の責任者として決算財務の内容を確
   認すべき立場であったC氏が、F氏の作業結果をチェックしておりませんでした。


   c.内部監査における業務チェック不足
       内部監査室は、設立当初より店舗に置ける業務不正と事故防止に特化しており、そ
   の後監査範囲や手順の見直しが行われておりませんでした。このような背景から、内
   部監査室は、店舗等の現場における現金管理や衛生管理に関する社内ルールの監査に
   時間を割いており、管理部門の法令順守や業務手順をチェックする役割を果たしてお
   りませんでした。
       また、内部監査室長は財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)の評価員
   として関っておりましたが、J-SOX導入時に監査法人と協議して全社統制や決算財務プ
   ロセス統制を一旦作成はしたものの、内部監査規程にJ-SOX関連監査項目が明確に入っ
   ておりませんでした。その後もほとんど見直しをせずに、具体的な業務マニュアルも
   作成していなかったため、内部監査室長は、J-SOX監査をしなければならない認識を持
   てておらず、適切な評価を行うことができませんでした。


(2)再発防止に向けた改善措置(実施済みのものも含む)
  以下に掲げる改善措置の進捗管理は、総務部を事務局とした以下に記載するコンプライア
 ンス運営委員会にて行い、その進捗状況は同委員会に出席する常勤監査等委員にも共有され
 ます。


 ①役職員の処分の内容
   経営責任・業務責任を明確にするため、関係役職員に対して以下の処分を行いました。
   C氏については、本件不適切会計処理は決算処理業務の中で起こったものであり、その
   責任者である管理本部長兼経理部長としての責任を踏まえたC氏からの辞任の意向を受
   け入れたものとなっております。
          現役職        氏名               処分内容
   代表取締役社長         B氏        役員報酬の30%減額(6ヶ月間)
   取締役             C氏        辞任
   取締役             D氏        役員報酬の10%減額(3ヶ月間)
   経営計画室遊休資産活用     E氏        部長より次長へ降格、決算財務に関係しない
   プロジェクト部長                  外販部へ異動



                        16
 経営計画室課長         F氏        課長より係長へ降格、決算財務に関係しない
                           総務部へ異動
 経理部経理課課長        G氏        譴責処分


  なお、上記の処分以外に、以下の取締役については、各自の申出を受け、以下の対
 応を行っております。
 代表取締役会長    A氏             役員報酬の50%以上の減額(8月分より)
 取締役相談役     H氏             辞任(8月31日付)
 上記以外の取締役                  役員報酬の10%減額(1ヶ月間)


②経営における意識改革と多様な視点の導入
 a.社外監査等委員の追加選任による経営監視の強化
  前記「(1)「①」への対策として、取締役会が、組織的に経営判断及び業務執行を監
 視し不正を抑止する仕組みの構築の為に、取締役会が経営監視の場であるということ
 を取締役会メンバーが自覚するとともに、客観的かつ俯瞰的な視点を持った社外取締
 役からの意見を聴き、そのような社外取締役とのさらなる議論が不可欠と考え、監査
 等委員の定員を5名から7名へ増加、逆に取締役の定員は10名から7名へ減少すると
 ともに、2019年11月26日に開催を予定しております臨時株主総会にて社外監査等委員
 を1名追加選任する議案を提出することといたしました。


 b.取締役会の運営ルールの変更による実効性と透明性の確保
  前記「(1)」「①」への対策として、取締役会において反対意見が出しやすい環境作
 り及び取締役が十分な事前確認を行うために、2019年9月4日に開催しました取締役
 会より、取締役会の運営ルールを変更し、事前の資料配布を徹底することにより各取
 締役が十分な検討を行ったうえで活発な議論を行えるようにし、また決議事項の採択
 方法については反対意見が出しにくい全員合意による採決ではなく、各取締役が挙手
 をして賛否を明確方法によることとしました。これにより、取締役会における議論の
 実効性と透明性を確保し、経営監視機能を強化いたしました。なお、そのようにして
 各取締役がそれぞれ意見を明確にして議論をするよう求める体制に変更したことに合
 わせて、議事録の作成手続きも変更し、各議案での質疑・意見を個別に記載すること
 としました。また、議事録については、事務局で各取締役の発言を含めて草案を作成
 後、出席取締役にメール配信し、記載内容を確認させ、その後に押印するようにする
 ことで、各取締役に自らの取締役会メンバーとしての発言の重要性を再認識するよう
 促します。


③部門間・会社間の牽制機能の強化
a.組織変更による兼務体制の排除
  前記「(1)」
        「②」
          「a」及び「 」
                (1)「③」への対策として、取締役が決算処理業務へ



                      17
の理解を深め、自身が担当する部門の個別業務にも関心を持って、取締役としての必
要な業務に注力できる環境を整えるため、他の職務との兼任を軽減しました(取締役
による下位の職位(管理本部長、経理部長、人事総務部長、経営計画室長)の兼任を
解消)。その一方で、内部人材の配置を見直し、執行役員を内部から2名追加選任し、
部門長も5名内部昇格させ、各部門に対する責任者を増やして担当業務が過多になら
ないようにしています。また、部門間・会社間牽制機能を有効なものとするため、管理
本部及び製造本部を廃止し、分掌業務が過多と思われる(旧)経営計画室を(新)経
営計画室と社長室に分割、人事総務部を人事部と総務部に分割、(旧)購買部を(新)
購買部と物流部に分割する組織改革を実施しました(別紙1を参照)
                              。
 さらに、2019年10月1日付けで、主力銀行から財務判断・資金管理に知見を有する
経理部長を受け入れており、必要な人材は今後とも内外から登用してまいります。今
後も、組織改革を行い、同一職能がグループ各社あるいは各地域に分散している場合
には、可能な限り同一組織・同一拠点への統合を行ない、部門・子会社責任者の兼務
体制を排除してまいります。


b.人事制度の改革
  前記「 」
     (1)「②」「b」への対策として、担当者の減損処理への理解不足を改善し、
実際に適正な業務が行われ確実に相互チェック機能が果たされる必要がありますので、
各従業員のスキル底上げを図り、階層別の教育とジョブローテーション実施し、複数
の職能に通じた人材を育成することで、各部門の業務を俯瞰しつつ適切な対策を取る
ことができる本社機能を目指します。また、専門知識習得のための社内外の教育を制
度化し、推進してまいります。
  階層別の教育に関しましては、経営層に関しては、マネジメント・ガバナンス・コ
ンプライアンス等に関する年1回以上の外部研修の受講、管理職に関してはマネジメ
ント・ガバナンス・コンプライアンス・実務遂行スキル等に関する年1回以上の社内
外の研修受講、非管理職については入社時にコンプライアンスに関する研修受講、部
署異動時に異動先にて実務遂行スキルの導入教育を制度化し、受講状況を人事部でフ
ォローいたします。
  ジョブローテーションにつきましては、主に管理部門について、専門職能を除く管
理職については原則5年に1回の頻度で、非管理職については原則10年に1回の頻度
での部門間異動、さらに同一部門内でも3年を目安に担当業務の変更の実施を目指し
ます。
  さらに、これらの対策が一過性の対策で終わらないよう、管理部門の増強の為、可
能な限り毎年1名の人材の採用または管理部門以外からの異動を行い計画的で継続的
な適正人材の確保を目指します。
 将来的には、人事制度の改革や各業務のシステム化及び一層の最適化を実施するこ
とにより、各従業員の業務負担軽減を図り、チェックの比重を増やす改善も検討いた
します。



                 18
④業務手順の整備及び組織改革
 a.業務分担の整理を目的とした組織体制及び組織関連規程の見直し
  前記「 」
    (1)「④」
         「a」に記載いたしました業務分担の責任の所在の曖昧さ、及び前
 記「(1)「⑤」
      」  「a」及び前記「(1)「⑤」
                   」   「b」に記載いたしました経営計画室及び
 経理部によるチェックの不足を解決するため、2019年10月末に開催するコンプライア
 ンス運営委員会において、各部門で分担している業務の棚卸と職務分掌の再構成を行
 い、これらの一致を図るとともに、組織的なチェック及び管理が確実に行えるよう、
 組織体制及び組織関連規程の見直し計画を策定の上、計画に沿って実施いたします。
   なお、本件不適切会計処理が行われた業務である経営計画室が担当していた固定資
 産の減損に関する資料作成の業務については、各店舗に関する利益計画の作成を経営
 計画室が行うため、一貫した作業が好ましいという観点より、引き続き経営計画室の
 業務として行うこととし、当該作成資料を踏まえた減損処理の要否にかかる会計監査
 人との協議や決算への反映等の業務は経理部の業務としたうえで、各部でのチェック
 を徹底することで再発防止を図ります。現在の業務分掌規程については詳細な業務が
 どの部門に属するのか個別に記載されておらず、決算業務は経理部門が担当すること
 が記載されているのみであるため、店舗の減損処理に関する資料作成業務が経営計画
 室に属することを始めとして、見直しの際には詳細に明記いたします。


 b.業務フローの見直し
  前記「(1)「④」
       」   「b」に記載いたしました業務手順の整備不足を解消するため、後
 記「⑤」
    「b」に記載するコンプライアンス運営委員会を10月末に開催し、この中で方
 針、具体的作業を決定した上で、各職位における権限の明確化と各部門にまたがるも
 のも網羅した業務フローの洗い出しを行い、各部門内において確実なチェックが行わ
 れ、権限に応じた決裁手続きが適切な部門で確実に行われるよう、業務や帳票の標準
 化並びに職務権限規程、稟議規程及び稟議ワークフローの見直しを実施いたします。
  また、本件不適切会計処理の要因となった、減損処理の業務フローにつきましては、
 以下のとおりとし、新設する決算業務マニュアルに明記いたします。なお、当該減損
 処理の業務フローについては、各業務フローの洗い出し後にあらためて見直しを行い、
 あわせて2020年4月末を目途に、資料作成業務を一部システム化する予定です。


 ・ 経営計画室担当者が社内基準に従って本社費、本部費等の配賦計算を行い、「店舗
   別損益」 「減損の兆候シート」
       及び         を作成する際、経営計画室長が内容確認を行い、
   確認結果を記録に残す。
 ・ 2期連続赤字といった減損の兆候があれば、経営計画室担当者が利益計画を作成の
   上、経営計画室長の承認後に、経営計画室担当者が一旦経理部長へ提出し、経理部
   長の承認を得、「店舗別損益」、「減損の兆候シート」及び「利益計画」を経営計
   画室担当者からトーマツにメールで提出する際、経営計画室長と経理部長を同報
   (CC)に加える。



                 19
 ・ 提出後、トーマツの担当者より問合せがなされた場合には、経営計画室担当者単独
   で対応せず、経営計画室長及び経理部長が、(電話会議を含め)同席の上で協議を
   行うこととする。
 ・ トーマツとの協議の結果、減損処理が必要と判断された場合、経営計画室担当者は
   経営計画室長の承認を得た上で、経理部長に「店舗別損益」及び「減損の兆候シー
   ト」を用いて減損処理が必要と判断された店舗の報告を行う。
 ・ 経理部長は経理部の部下に指示をし、減損処理を決算に反映させる。
 ・ 期末の決算打合せにおいては、トーマツが作成した決算打合せ資料に基づき、トー
   マツ、経営計画室担当者、経営計画室長及び経理部長が参加し、減損の妥当性を確
   認する。
 ・ 経理部長は減損処理の結果を取締役会に報告する。


⑤企業風土改革、コンプライアンス意識の改革
 a.企業風土改革
  前記 (1)
    「 」 「②」
          「c」への対策として、組織内のセクショナリズムを軽減するため、
 各部門の業務分掌及び業務フロー並びにこれらに関連する規程類を明確にし、各部門
 がそれぞれどのような業務分掌、業務フローを有しているのかを理解できるようにし、
 自部門だけでなく他部門の業務の適法性、効率性、改善方法などについて活発な議論
 を促し、悪しきセクショナリズムを除去します。
  また、従来は組織上長への報告会の要素が強かった各会議体のあり方を見直し、活
 発な議論の場として活用できるようにいたします(各会議体は別紙2に記載)
                                   。具体的
 には、10月中に参加メンバーの見直し、開催頻度、会議をグループ毎に分ける等の検
 討を行い、少人数による議論ができる環境を検討いたします。
  さらに、業務遂行における部門間の連携強化を図るため、11月より、これまでは商
 品のタイムリーな導入及び供給に関して、物販店営業部門、物流部門及び製造部門が
 参加して開催している部門間での会議を、レストランの営業部門、物流部門及び製造
 部門でも開催するようにいたします。また、10月第3週より、毎週1回、人事部、総
 務部、経理部、内部監査室、経営計画室参加の管理部門の定例連絡会を新設し、情報
 共有、業務連携を強化するようにいたします。


 b.コンプライアンス意識の改革
  前記「 」
     (1)「②」
          「b」に記載いたしました担当者のコンプライアンス意識の欠如を
 解決するため、グループ全体のコンプライアンスに関する問題を網羅的に取り扱う組
 織の見直しを行うとともに、経営トップによるコンプライアンス順守の発信の機会を
 設け、さらにコンプライアンスアンケート及びコンプライアンス教育を実施し、コン
 プライアンスの浸透度合いを計測しつつコンプライアンス意識の改革を実施します。
  コンプライアンスアンケートは、以下に記載するコンプライアンス運営委員会が実
 施し、社員に対して、匿名回答で、年1回程度、経営層のコンプライアンス意識、職
 場のコンプライアンス意識を問うもので、毎年継続して行う事でコンプライアンスの

                   20
 浸透度を測定し、次年度のコンプライアンス活動策定の参考にいたします。また、こ
 れにより、職場での潜在的なコンプライアンス違反の通報を促します。
  コンプライアンス関連の会議体につきましては、現行のコンプライアンス委員会を
 廃止し、①コンプライアンス・危機管理委員会として新たに設置し、その配下に②コ
 ンプライアンス運営委員会と③食の安全委員会を設置することを10月4日の取締役会
 で決議いたしました(別紙2参照)
                。①コンプライアンス・危機管理委員会は、コンプ
 ライアンス違反、食品被害及び天変地異等の有事に社長を委員長として適切なメンバ
 ーを選任し、スピード感をもって事案に対処する危機対応を目的としています。②コ
 ンプライアンス運営委員会は、現行のコンプライアンス委員会の委員長がC氏であり、
 コンプライアンス意識の低さ及び兼務による多忙等の理由により開催ができていなか
 ったことを反省し、事務局を総務部とし、毎月1回定期的な開催を行うことでコンプ
 ライアンス施策の実施、コンプライアンス意識の向上を目的としております。③食の
 安全委員会は、週2回確実に開催されており運用面で問題はありませんが、社長を委
 員長とするコンプライアンス・危機管理委員会の配下とすることで、会社方針の浸透
 や意思決定のスピードアップを目的としております。


 c.社内情報の共有
  前記「b」同様、前記「(1)「②」
                」  「b」に記載いたしました担当者のコンプライア
 ンス意識の欠如を解決するため、コンプライアンス運営委員会の定期的な開催による
 コンプライアンス施策の一環として、企業理念、行動憲章、社内通報窓口のようなコ
 ンプライアンス関連の情報、各種会議の議事録などの社内情報や決定事項が、単に開
 示されているだけでなく、回覧板による配信、管理部門内の連絡会等により、関係部
 門で共有化される環境づくりを11月中に整備いたします。
  また、内部通報制度の運用に関して、現在の運用では、通報対象が役員であった場
 合には管理本部長へ連絡がいくことになっておりますが、仮に管理本部長の不正行為
 に関する通報があった場合であっても管理本部長へ連絡が行く可能性があり、通報自
 体が黙殺される危険性がありましたので、通報対象者が役員であった場合の通報窓口
 からの連絡先を改善する見直しを11月中に行います。


⑥モニタリング体制の強化
 前記「 」
   (1)「⑤」
        「c」に記載いたしました内部監査における業務チェック不足を解消
 するため、以下の対策を実施いたします。


 a.内部監査業務の見直しと体制補強
  現行の内部監査規程が一般的な事業会社の内部監査規程を元に作成されたものであ
 り、現在J-SOX関連監査項目が明確に入っていない為、規程を改定し、明確化いたしま
 す。マニュアルについは、監査報告書と監査チェックリストはありますが、具体的な
 業務マニュアルが存在しませんので、今後行う監査業務のマニュアルを2020年1月末
 までに整備してまいります。

                 21
       また、2020年1月末に、子会社から内部監査部門へ社員1名の移籍により人員増強
      を行う予定であり、現在実施している営業店舗に加え、本社や工場に対する業務フロ
      ー(なお、上記業務フローの見直しとも平仄を取ります。)に掛かる業務監査を実施い
      たします。


     b.財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)の全面的な見直し
       現在の全社統制や決算財務プロセス統制はJ-SOX導入時に監査法人と協議して作成
      したものですが、その後帳票や業務フローが変わる中でほとんど見直しがされていま
      せんでした。このため、財務報告に係る内部統制の評価・報告制度(J-SOX)を全面的に
      見直し、それらの統括業務を内部監査室の所管としたうえで、方針・計画、全社統制
      や決算財務プロセス統制を再構築し、評価員も、現在の3名(内部監査室長、経理課
      長、総務部次長)から5ないし6名に増員し徹底検証いたします。
       監査等委員会においても、この再構築の過程と運用状況を監査項目に加え、結果と
      して、内部統制が有効であると判定できるよう改善を急ぎます。


     c.監査等委員会監査計画の見直し
       前記「⑥」の柱書に記載しました目的に加え、前記「(1)「②」
                                  」 「d」に記載いたし
      ました会計監査人との連携不足を改善するため、監査等委員会につきましては、上記
      「b」項の監査を重点事項に加えるとともに、往査時の単なる立会い・協議だけでなく、
      決算ミーティングで課題共有したものについては監査過程に踏み込んで確認を行う等、
      会計監査人との連携を強固なものとし、従来の業務監査に加え、重要事項の決裁手続
      きの検証を行います。
       また、現行では、監査等委員会に内部監査室長が出席して監査状況が報告されるとと
      もに、内部監査室が社長に提出した内部監査報告書のコピーが毎月監査等委員会に送
      付して共有されていました。今後はこれらに加えて、J-SOXのプロセスの主体・所管と
      なった内部監査室のモニタリング状況が、監査等委員会に共有されることで、監査等
      委員が内部統制制度の再構築を側面から支援します。


    (3)改善措置の実施スケジュール
・・・・・>:検討・準備   ―――>:実施・運用
                               2019年                        2020年
                    9月        10月   11月   12月   1月    2月     3月     4月     5月
①    役職員の処分        ・・・・・・ >
②a.社外監査等委員の追加選
                   ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・>- ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     任による経営監視の強化
  b.取締役会の運営ルールの
     変更による実効性と     ・・・>-- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
     透明性の確保



                              22
 c.組織の簡素化による
                         ・・・・・・ >----- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   取締役の兼任体制の排除
③a.兼務解除の為の組織
                         ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   変更
   従業員への人事発令             ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   役員の兼務解除
                         ・・・・・・ ・>---- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   (取締役会決議)
   社外からの経理部長の
                         ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   受入
 b.人事制度の改革               ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・>
④a.組織体制及び組織関連
                         ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ----->
   規程の見直し
 b.業務フローの見直し             ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ----->
⑤a.企業風土改革
   会議体のあり方見直し            ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   レストラン部門の物流
                         ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   会議開催
   管理部門連絡会開催             ・・・・・・ ・・・>-- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
 b.コンプライアンス意識の
   改革
   トップによる発信                    ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   コンプライアンス・危機
                         ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   管理委員会(都度)
   コンプライアンス運営委
                         ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
   員会
   アンケート実施               ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ----->
   コンプライアンス教育            ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
 c.社内情報の共有               ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ----->
   通報窓口の運用変更             ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ------ ------ ----->
⑥a.内部監査業務の見直しと
                               ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ----->
  体制補強(1名増員)
 b.財務報告に係る内部統制の
  評価・報告制度(J-SOX)の ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・> ------ ------ ------ ----->
  全面的な見直し
 c.監査等委員会監査計画の
                         ・・・・・・ >----- ------ ------ ------ ------ ------ ------ ----->
  見直し




                                  23
3.不適切な情報開示等が投資家及び証券市場に与えた影響についての認識
  当社は、過去10期という長期間に亘り、不適正な会計処理が発覚することなく継続し、その
 結果、それらの各期に関する過年度決算を訂正するとともに、2019年4月期における決算発表
 及び有価証券報告書等の開示書類の提出を遅延させたことにより、株主様をはじめ投資家の皆
 様、お取引先及び関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深
 くお詫び申しあげます。また、上記過年度決算の訂正により、実際は赤字決算であったものを
 黒字決算として開示していた期もあり、証券市場の信頼を裏切ることとなってしまったことを
 重大な事態と認識しております。
  いすれにつきましても、当社における管理体制の甘さ、コンプライアンス意識の欠如が原因
 であって、上場会社として重大な責任があると深く反省しており、このような不祥事を二度と
 繰り返さないよう再発防止策を全役職員一丸となって確実に実行し、信頼の回復に努めてまい
 ります。


                                          以上




                    24
別紙1     組織の変更


【改善前】

 株式会社梅の花 組織図(2019年9月30日)                  は10月より廃止・変更された部署


                   株   主   総   会




                   取   締   役   会            監  査  等  委  員  会
                                   9名                          4名

                    会          長
                                   1名

                    社          長
                                   1名
                                                経   営   計   画   室
                                                 (遊休資産プロジェクト)
                                                                9名
                                                内   部   監   査   室
                                                                3名
                                                品   質   管   理   室
                                                               10名
                                                海  外  事  業  部
                                                               5名

         管理本部             製造本部
                   94名             406名




  人      経    建      購                     外
                                            
  事           築                             
                                            
  総      理    開      買                     販
                                            
  務           発                             
                                            
  部      部    部      部                     部

  22名   16名   9名    46名                    8名



                             25
【改善後】

 株式会社梅の花 組織図(2019年10月1日)                  は新設・変更された部署


                    株   主   総   会




                    取   締   役   会           監  査  等  委  員  会
                                 9名                      4名

                    会          長
                                     1名

                    社          長
                                     1名

                                                社      長      室
                                                               1名
                                                経   営   計   画   室
                                                                7名
                                                内   部   監   査   室
                                                                3名
                                                品   質   管   理   室
                                                               10名




  総     人     経      建   購      物     製    外      海
                                                   
                     築                            外
                                            
  務     事     理      開   買      流     造    販      事
                                            
                     発                            業
                                            
  部     部     部      部   部      部     部    部      部

  8名    16名   17名   9名   10名   35名    406名 9名     5名




                               26
別紙2   会議体の変更(改善前と後の変更点は下線部)


【改善前】
      会議体             構成員              頻度・目的
取締役会(四半期以外)     事務局:総務部担当部長      月1回、四半期毎に1回、定時株
                メンバー:取締役         主総会後に1回、そのほか必要に
                                 応じて開催
      (各四半期)    事務局:総務部担当部長      業務執行の決定、取締役の職務遂
                メンバー:取締役、子会社代表   行の監督、代表取締役の選定及び
                取締役、執行役員         解職
グループ経営会議        メンバー:取締役(会長、相談   月2回開催
        (第2週)   役、社外取締役を除く)
                          、子会    以下の報告
                社代表取締役・一部取締役、建   ・前月月次分析と当月対策
                築開発部長、製造本部長      ・当面の課題と進捗状況
                                 ・その他重要な事項
        (第4週)   メンバー:取締役(会長、相談   以下の報告
                役、社外取締役を除く)
                          、子会    ・当月着地見通しと次月対策
                社代表取締役・一部取締役、資   ・当面の課題と進捗状況
                産活用プロジェクト部長、物流   ・その他重要な事項
                プロジェクト部長、建築開発部
                長、製造本部長、海外事業部長
グループ投資会議        メンバー:取締役(会長、相談   月2回開催
                役、社外取締役を除く)
                          、子会    向こう3年間の投資計画につい
                社代表取締役・一部取締役、資   て現状情報共有と進展の確認
                産活用プロジェクト部長、建築   出店・退店・改装・取引条件交渉
                開発部長・メンバー、製造本部   についての審議
                長、海外事業部長         社長が方向性を示し、必要な社内
                                 手続きを行う
食の安全委員会         委員長:取締役          月2回開催
                事務局:品質管理室        当社グループの品質基準及び業
                メンバー:常勤監査等委員、品   務ルールの決定
                質管理室メンバー、総務部担当   品質全般に関する情報共有、改善
                部長、購買部次長、製造本部メ   の検討
                ンバー、子会社メニュー開発・
                営業企画担当・営業推進部メン
                バー
コンプライアンス委員会     未確定              開催実績無
                                 コンプライアンス活動、コンプラ



                      27
                         イアンス意識の浸透
連絡会議   取締役(会長、相談役、社外取    月2回開催
       締役を除く) 各部門責任者
             、      (部   担当業務の報告
       長、課長)




               28
【改善後】
・コンプライアンス遵守体制の実効性を高め、かつ危機管理体制の構築の為、柔軟性の高い会議
体としてコンプライアンス・危機管理委員会を設置する。また、コンプライアンス・危機管理委
員会の配下に定例的な会議としてコンプライアンス運営委員会と食の安全委員会を設置する。
・管理部門の定例連絡会を新設し、情報共有、業務連携を強化する。


       会議体          構成員               頻度・目的
取締役会(四半期以外)    事務局:総務部長         月1回、四半期毎に1回、定時株
               メンバー:取締役         主総会後に1回、そのほか必要に
                                応じて開催
    (各四半期)     事務局:総務部長         業務執行の決定、取締役の職務遂
               メンバー:取締役、子会社代    行の監督、代表取締役の選定及び
               表取締役、執行役員        解職
グループ経営会議(第2週、 事務局:経営計画室長        月2回開催
第4週)           メンバー:取締役(会長、社    以下の報告
               外取締役を除く)、子会社代表 ・前月月次分析と当月対策(第2
               取締役・一部取締役、執行役    週)
               員                ・当月着地見通しと次月対策(第
                                4週)
                                ・当面の課題と進捗状況
                                ・その他重要な事項
グループ投資会議       事務局:社長室          月2回開催
               メンバー:取締役(会長、社    向こう3年間の投資計画につい
               外取締役を除く)、子会社代表   て現状情報共有と進展の確認
               取締役・一部取締役、建築開    出店・退店・改装・取引条件交渉
               発部長・メンバー、製造部長、 についての審議
               海外事業部長           社長が方向性を示し、必要な社内
                                手続きを行う
コンプライアンス・危機管   委員長:社長
理委員会           常任委員:取締役2名
               メンバーは都度選定
  食の安全委員会      委員長:取締役          月2回開催
               事務局:品質管理室        当社グループの品質基準及び業
               メンバー:常勤監査等委員、    務ルールの決定
               品質管理室メンバー、総務部    品質全般に関する情報共有、改善
               長、経理部長、購買部長、物    の検討
               流部長、製造本部メンバー、
               子会社メニュー開発・営業企



                        29
       会議体         構成員             頻度・目的
              画担当・営業推進部メンバー
  コンプライアンス運   委員長:取締役          コンプライアンス活動、コンプラ
  営委員会        事務局:総務部          イアンス意識の浸透
              メンバー:常勤監査等委員、    月1回開催
              経営計画室長、内部監査室長、
              人事部長、経理部長、購買部
              長
連絡会議          取締役(会長、社外取締役を    担当業務の報告
              除く)
                、各部門責任者(部長) 月2回開催
管理部門の定例連絡会    管理部門(人事部、総務部、    毎週1回開催
              経理部、経営計画室、内部監    関連事項の連絡・調整
              査室)の責任者(又は代理)
              及びメンバー(必要に応じて)
                                             以上




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