7322 33FG 2021-09-28 16:20:00
「経営強化計画」の公表について [pdf]

                                                           2021 年 9 月 28 日
各     位

                                     会社名     株式会社三十三フィナンシャルグループ
                                     代表者名    代表取締役社長 渡辺 三憲
                                     コード番号   7322 東証第一部、名証第一部
                                     問合せ先    経営企画部長 青山 歩
                                             Tel 059-354-7172




                               「経営強化計画」の公表について


     当社及び当社子会社の株式会社三十三銀行は、
                         「金融機能の強化のための特別措置に関する法律」に基づ
き、
 「経営強化計画」を金融庁に申請しておりましたが、本日、金融庁において計画の承認が決定されまし
たのでお知らせいたします。


                                     記
1.    計画期間
     2021 年 5 月から 2024 年 3 月

2.    計画内容
     別紙資料のとおり
      (1) 経営強化計画
      (2) 経営強化計画(ダイジェスト版)
                                                                      以上
       経 営 強 化 計 画
  (金融機能の強化のための特別措置に関する法律第 14 条)




          2021 年 5 月
株式会社   三十三フィナンシャルグループ
       株式会社   三十三 銀 行
                                                                                 目                次
はじめに .................................................................................................................................................................................. 1
1.前経営強化計画の実績についての総括(第三銀行) ..................................................................................... 3
    (1)資産・負債の状況 ..................................................................................................................... 3
    (2)損益の状況 ................................................................................................................................ 3
    (3)不良債権の状況 ......................................................................................................................... 5
    (4)自己資本比率の状況.................................................................................................................. 6
    (5)経営強化計画の終期において達成されるべき経営の改善の目標に対する実績 ....................... 6
    (6)中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の主として業務を行っている地域におけ
    る経済の活性化の指標に対する実績 ................................................................................................... 8
2.経営強化計画の実施期間 ........................................................................................................................................11
3.経営強化計画の終期において達成されるべき経営の改善の目標 .............................................................11
    (1)収益性を示す指標 ....................................................................................................................11
    (2)業務の効率性を示す指標 ........................................................................................................ 12
4.経営の改善の目標を達成するための方策 .........................................................................................................12
    (1)前計画の経営戦略の実績と課題(第三銀行) ........................................................................ 12
    (2)本計画の基本方針と基本戦略 ................................................................................................. 23
    (3)主要施策 .................................................................................................................................. 23
5.従前の経営体制の見直しその他の責任ある経営体制の確立に関する事項 ............................................43
    (1)業務執行に対する監査又は監督の体制の強化のための方策 .................................................. 43
    (2)リスク管理の体制の強化のための方策................................................................................... 45
    (3)法令遵守の体制の強化のための方策 ...................................................................................... 47
    (4)経営に対する評価の客観性の確保のための方策 .................................................................... 48
    (5)情報開示の充実のための方策 ................................................................................................. 49
    (6)持株会社における責任ある経営管理体制の確立に関する事項 ................................................. 49
6.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の主として業務を行っている地域における経
済の活性化に資する方策 .................................................................................................................................................51
    (1)中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の主として業務を行っている地域におけ
    る経済の活性化に資するための方針 ................................................................................................. 51
    (2)中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策 .................................................. 51
    (3)主として業務を行っている地域における経済の活性化に資する方策 ................................... 55
7.剰余金の処分の方針 .................................................................................................................................................59
    (1)配当に対する方針 ................................................................................................................... 59
    (2)役員に対する報酬及び賞与についての方針 ........................................................................... 59
    (3)財源確保の方策 ....................................................................................................................... 60
8.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策 ................................................61
    (1)経営管理に係る体制及び今後の方針等................................................................................... 61
    (2)各種のリスク管理の状況及び今後の方針等 ........................................................................... 62
    (3)経営強化計画の適切な運営管理 ............................................................................................. 64
9.協定銀行が現に保有する取得株式等に係る事項 ............................................................................................65
10.機能強化のための計画の前提条件 .............................................................................................................                                                    69
 はじめに
    株式会社三十三フィナンシャルグループ(以下、          「当社」または「33FG」といい
   ます。  )は、2018 年 4 月 2 日に株式会社三重銀行(以下、「三重銀行」といいます。    )
   と株式会社第三銀行(以下、         「第三銀行」といい、三重銀行と第三銀行を総称して、
   以下、 「両行」 といいます。 の共同株式移転により設立いたしました。
                        )                      その後、2021
   年 5 月には、両行の強みを完全に融合し、金融仲介機能を高度化させることで、地
   域経済の活性化に貢献するとともに、シナジー効果を最大限に発揮し、強固な経営
   基盤を構築することを目的として、両行は合併し株式会社三十三銀行(以下、             「当
   行」または「三十三銀行」といいます。          )としてスタートいたしました。
    前経営強化計画の計画期間(2018 年 4 月~2021 年 3 月)の経済環境について、
   景気は総じて緩やかな回復基調で推移しておりましたが、          2020 年に入り、新型コロ
   ナウイルス感染症が世界規模で拡大し急激に悪化しました。その後、景気は最悪期
   を脱したものの、     2021 年 1 月の新型コロナウイルスの再流行に伴う緊急事態宣言の
   再発令により一時的に落ち込む状況となりました。
    また、  人口減少 高齢化の進展などによる社会 経済環境の構造的な変化に加え、
               ・                  ・
   デジタル化の進展、新型コロナウイルス感染症の影響、低金利政策の長期化、金融
   機関間の競争激化など取り巻く経営環境はこれまで以上に大きく変化し、             且つ厳し
   いものとなっております。
    こうした中、    当社では子銀行の合併後初めてとなる第 2 次中期経営計画を 4 月よ
   りスタートさせております。
    第 2 次中期経営計画では、合併シナジーを最大限に発揮し、ビジネスモデルであ
   るリレーション&ソリューションの更なる深化、経営の効率化・最適化、強固な経
   営基盤の確立に取り組むことで、ビジョンである「質の高い地域ナンバー1 金融グ
   ループ」の実現を目指してまいります。

【各種指標(表 1)】
                   2018/3   2019/3   2019/3   2019/3    2020/3   2020/3   2020/3   2021/3   2021/3   2021/3
         指標
                    実績       前提       実績      前提比        前提       実績      前提比       前提       実績      前提比

 無担保コール翌日物(%)      △0.068   △0.065   △0.060    0.005    △0.065   △0.070   △0.005   △0.065   △0.044    0.021

 TIBOR 3M(%)        0.069    0.069    0.069         ―    0.069    0.069       ―     0.069    0.069       ―

 新発 10 年国債利回り(%)    0.045    0.030   △0.095   △0.125     0.030    0.050    0.020    0.030    0.120    0.090

 ドル/円 為替レート(円)     106.24   108.00   110.99     2.99    108.00   108.83     0.83   108.00   110.71     2.71

 日経平均株価(円)         21,454   21,000   21,205      205    21,000   18,917   △2,083   21,000   29,178    8,178




                                                1
【三十三銀行の概要】
              概 要                                グループ体制


本店所在地      三重県四日市市西新地7番8号                  株式会社三十三フィナンシャルグループ



                                                 株式会社三十三銀行
           取締役会長 岩間 弘
           (33FG代表取締役会長)
                                                   融資本部   営業本部
  代表者
           取締役頭取 渡辺 三憲                                                 コ
                                                        コ ソ            ン
           (33FG代表取締役社長)        監                                      プ
                                    ロ                   ン                  リ
                                査       東   シ 事 市       サ リ            ラ
                                                                           ス
                                                                               経
                                等 監 ー   京 秘 ス 務 場 企   融 ル ュ 営    営 総 人 イ   ク   営
                                    ン 支 事 書 テ 統 金 業 審 資 テ ー 業
                                委 査 プ                            業 務 事 ア       企
                                                                           統
                                員 部 ラ 店 務 室 ム 括 融 支 査 企 ィ シ 推    企 部 部 ン   括   画
                                会       所   部 部 部 援 部 画 ン ョ 進          ス
                                                                               部
  資本金      374億円                    ザ                   グ ン      画     統   部
                                室                 部   部 営 営 部    部     括
                                                        業 業            部
                                                        部 部
           2021年5月1日
  設立日
           (※合併効力発生日)



預金等(※)     3兆7,970億円            ・株式会社三十三総研          ・三十三信用保証株式会社
                                ・三十三リース株式会社         ・三重総合信用株式会社
                                ・三重リース株式会社          ・三十三コンピューターサービス株式会社
                                ・株式会社三十三カード         ・三重銀コンピュータサービス株式会社
貸出金(※)     2兆8,150億円            ・第三カードサービス株式会社      ・三十三ビジネスサービス株式会社

(※)預金等、貸出金は2021年3月末の三重銀行、第三銀行
  の単純合算です。




【33FG のビジネスモデル】




                                    2
1.前経営強化計画の実績についての総括(第三銀行)
(1)資産・負債の状況
  ① 貸出金
    貸出金は、中小規模事業者等向け貸出を積極的に推進した結果、2021 年 3 月
   末では 1 兆 3,404 億円と、前期末比 374 億円増加し、計画始期対比では 639 億
   円の増加となりました。

  ② 預金
    預金は、個人預金、法人預金が増加したことなどから、2021 年 3 月末では 1
   兆 9,060 億円と、前期末比 1,182 億円増加し、計画始期対比では 940 億円の増
   加となりました。

  ③ 有価証券
    有価証券は、リスクアセットコントロールを意識しつつ機動的な運用に努め
   たことなどから、2021 年 3 月末では 4,821 億円と、前期末比 161 億円減少し、
   計画始期対比では 858 億円の減少となりました。


   【資産・負債の推移(表2)】(単体)                                        
                                                          (単位:百万円)
              2018/3末     2019/3末     2020/3末     2021/3末
                実績          実績          実績          実績      2020/3末比 2018/3末比
   資産         2,028,647   2,034,347   1,966,543   2,183,691   217,148   155,044
     うち貸出金    1,276,526   1,316,897   1,302,997   1,340,441     37,444   63,915
     うち有価証券     568,007     558,867     498,349     482,196 △ 16,153   △ 85,811
   負債         1,915,492   1,920,806   1,859,497   2,067,035   207,538   151,543
     うち預金     1,812,092   1,828,090   1,787,819   1,906,097   118,278    94,005
     うち社債・借用金    76,579      72,400      50,200     138,800     88,600   62,221
   純資産          113,155     113,541     107,046     116,656      9,610    3,501


(2)損益の状況
 ① 資金利益
   資金利益は、2021 年 3 月期は 203 億 98 百万円となり、前期比 5 億 90 百万円
  増加しましたが、計画期間を通して預金利回りの低下等により資金調達費用は
  減少したものの、貸出金利回りの低下を主因とした資金運用収益の減少分をカ
  バーするには至らず、計画始期対比では 17 億 81 百万円の減少となりました。

  ② 役務取引等利益
    役務取引等利益は、計画期間のうち 2019 年 3 月期及び 2020 年 3 月期の 2 期
   間は、預かり資産やソリューション関連手数料を中心に増加基調で推移しまし
   たが、2021 年 3 月期は、コロナ禍における営業活動の自粛や企業活動の低下の
   影響もあり、ソリューション手数料が減少したことなどから、前期比 2 億 52
   百万円減少いたしましたが、    計画始期対比では 8 億 20 百万円の増加となりまし
   た。

                                  3
③ その他業務利益
  その他業務利益は、    国債等債券損益を 29 億 55 百万円計上したことを主因に、
 前期比 23 億 14 百万円増加し、計画始期対比では 32 億 87 百万円の増加となり
 ました。

④ 経費
  人件費は、収益力に応じた効率的な配分を実施してきたことなどから、前期
 比 1 億 85 百万円の減少となり、計画始期対比では 10 億 36 百万円の減少となり
 ました。
  一方、物件費は、計画策定時に織り込んでいなかった合併・システム統合関
 連費用の負担増加等を含め前期比 1 億 47 百万円の増加となり、     計画始期対比で
 は 4 億 54 百万円の増加となりました。
  その結果、経費トータルでは、ほぼ前期並みとなり、計画始期対比 5 億 42
 百万円減少し、199 億 73 百万円となりました。

⑤ 一般貸倒引当金
  一般貸倒引当金は、新型コロナウイルス感染症の拡大を含む経済環境の変化
 等による信用コストの増加に備えた結果、   2021 年 3 月期では 18 億 68 百万円の
 繰入となり、 億 77 百万円の戻入となった前期との比較では、
         5                            利益に対して 24
 億 45 百万円のマイナス要因となり、計画始期対比でも 16 億 32 百万円のマイナ
 ス要因となりました。

  以上の結果、2021 年 3 月期の業務純益は 61 億 45 百万円と、前期比 2 億 69
 百万円の増加となり、計画始期対比では、国債等債券損益の増加影響もあり 12
 億 37 百万円の増加となりました。
  また、コア業務純益は、50 億 59 百万円と、前期比 5 億 89 百万円の増加とな
 り、計画始期と同水準となりました。

⑥ 臨時損益
  臨時損益のうち、2021 年 3 月期の不良債権処理額は、23 億 83 百万円と、前
 期比 9 億 85 百万円の増加となり、計画始期対比でも 10 億 58 百万円の増加とな
 りました。
  また、株式等関係損益は、14 億 46 百万円と、前期比 19 億 1 百万円の増加と
 なり、計画始期対比では 1 億 79 百万円の減少となりました。
  これらにより、2021 年 3 月期の臨時損益は、12 億 68 百万円のマイナスと、
 前期比 7 億 4 百万円の改善となり、計画始期対比では 17 億 75 百万円の悪化と
 なりました。
  以上の結果、2021 年 3 月期の経常利益は、48 億 76 百万円と、前期比 9 億 72
 百万円の増加となりましたが、    計画始期対比では 5 億 39 百万円の減少となりま
 した。
  また、2021 年 3 月期の当期純利益は、固定資産の譲渡による特別利益を計上

                       4
  したことなどから 80 億 41 百万円と、前期比 48 億 97 百万円の増加となり、計
  画始期対比では 36 億 94 百万円の増加となりました。


  【損益状況の推移(表3)】(単体)                                   (単位:百万円)
                      2018/3期        2019/3期        2020/3期        2021/3期
                       実 績            実 績            実 績            実 績
   業務粗利益                25,661         25,894         25,335         27,987
   (コア業務粗利益)      (     25,598 ) (     25,368 ) (     24,507 ) (     25,032 )
    資金利益                22,179         21,066         19,808         20,398
    役務取引等利益              3,387          4,213          4,459          4,207
    その他業務利益                94            614           1,067          3,381
    (うち国債等債券損益) (          62 ) (        526 ) (        828 ) (       2,955 )
   経費(除く臨時処理分)          20,515         19,897         20,036         19,973
    (うち人件費)       (     11,480 ) (     10,920 ) (     10,629 ) (     10,444 )
    (うち物件費)       (      7,869 ) (      7,817 ) (      8,176 ) (      8,323 )
   一般貸倒引当金繰入              236            142          △ 577           1,868
   業務純益                  4,908          5,854          5,876          6,145
   (コア業務純益)       (      5,082 ) (      5,470 ) (      4,470 ) (      5,059 )
   臨時損益                   507          △ 800         △ 1,972        △ 1,268
    (うち不良債権処理額) (        1,325 ) (       667 ) (       1,398 ) (      2,383 )
    (うち株式等関係損益) (        1,625 ) (     △ 180 ) (      △ 455 ) (       1,446 )
   経常利益                  5,415          5,053          3,904          4,876
   特別損益                 △ 431           △ 68            176           3,718
   税引前当期純利益              4,984          4,985          4,081          8,595
   法人税、住民税及び事業税           489            453           1,422          1,279
   法人税等調整額                147            256          △ 485          △ 724
   法人税等合計                 637            709            936            554
   当期純利益                 4,347          4,276          3,144          8,041


(3)不良債権の状況
  営業店及び本部が一体となって、地域における金融の円滑化に向け、事業先の
 経営実態の把握に努めるとともに、経営改善支援への取組みを着実に推進する中
 で、新型コロナウイルス感染症の影響などにより計画通り経営改善が進捗してい
 ない先の債務者区分をより慎重に精査した結果、    2021 年 3 月末の金融再生法開示
 債権残高は、計画始期対比では 63 億 80 百万円増加し 355 億 37 百万円、金融再
 生法開示債権比率は、計画始期対比では 0.36 ポイント上昇し 2.61%となりまし
 た。




                                 5
 【金融再生法開示債権比率の推移(表4)】(単体)                                              (単位:百万円)
                          2018/3末          2019/3末       2020/3末       2021/3末      2018/3末
                           実 績             実 績            実 績          実 績           対比
 破産更生債権及びこれらに準ずる債権            4,447            4,761           4,582        5,037         590
 危険債権                        24,110           21,680          21,706       26,761       2,651
 要管理債権                          599            1,593           2,776        3,738       3,139
 合 計(A)                      29,157           28,035          29,065       35,537       6,380
 正常債権                      1,266,618       1,307,598      1,294,606    1,325,337       58,719
 総 与 信(B)                  1,295,775       1,335,633      1,323,671    1,360,875       65,100
 金融再生法開示債権比率(A)/(B) (%)      2.25  2.09     2.19    2.61    0.36
 (注)2018年3月末には部分直接償却 7,118百万円、2019年3月末には5,682百万円、2020年3月末には
 6,188百万円、2021年3月末には3,853百万円をそれぞれ実施しております。



(4)自己資本比率の状況
  自己資本比率は、経営強化計画に基づき収益力の強化とコスト削減・合理化の
 徹底などにより利益剰余金の蓄積を図るとともに、貸出金や有価証券運用に係る
 適切なリスクアセットコントロールを行ったことなどから、    2021 年 3 月末では計
 画始期比 0.83 ポイント増加し 8.99%となりました。

【単体自己資本比率の推移(表5)】                                                              (単位:%)
              2018/3末     2019/3末            2020/3末             2021/3末         2018/3末対比
自己資本比率             8.16          7.99                  7.93             8.99             0.83


(5)経営強化計画の終期において達成されるべき経営の改善の目標に対する実績
 ① コア業務純益
    前計画期間を通じて、三重県や愛知県を中心に中小規模事業者等向け貸出等
  に積極的に取り組んでまいりましたが、マイナス金利政策の長期化や低金利下
  における他行競合の激化により、貸出金利回りが当初想定した水準を下回って
  推移し、2021 年 3 月期は計画を 0.09 ポイント下回ったことなどから、貸出金
  利息は計画を 12 億 2 百万円下回りました。       また、有価証券利息配当金は計画を
  2 億 4 百万円下回ったことなどから、資金運用収益は計画を 13 億 54 百万円下
  回りました。
    一方、資金調達費用は預金金利の低下に加え、定期預金等の金利上乗せ抑制
  などにより、   預金利息が計画を下回ったことを主因として、        計画を 2 億 21 百万
  円下回りました。
    以上により、資金利益は計画を 11 億 33 百万円下回りました。
    役務取引等利益は、預かり資産手数料及びソリューション関連手数料等を中
  心に増加基調で推移しましたが、       2021 年 3 月期はコロナ禍における営業活動の
  自粛や企業活動の低下等の影響もあり、計画を 5 億 43 百万円下回りました。
    また、その他業務利益(国債等債券損益を除く)は、金融派生商品収益が増
  加したことなどから、計画を 4 億 66 百万円上回りました。
    経費は、  人件費が計画を 5 億 93 百万円下回ったものの、    物件費が計画策定時

                                       6
 には織り込んでいなかった合併・システム統合関連費用(7 億 17 百万円)の発
 生等により計画を 7 億 51 百万円上回ったことなどから、経費全体では計画を 1
 億 41 百万円上回りました。
  その結果、コア業務純益は、計画を 13 億 50 百万円下回る 50 億 59 百万円と
 なりました。


【コア業務純益の計画・実績(表6)】                                                          (単位:百万円)
        2018/3期
                   2018/9期     2019/3期    2019/9期      2020/3期    2020/9期    2021/3期    始期対比
        (始期)
計画                   3,070        5,901       3,147       6,148      3,252      6,409     1,327
実績         5,082     2,841        5,470       2,172       4,470      2,015      5,059      △ 23
計画比                  △ 229        △ 431       △ 975     △ 1,678    △ 1,237    △ 1,350



          2018/3期                  2019/3期                  2020/3期                2021/3期
           実 績               強化計画        実 績          強化計画        実 績        強化計画        実 績
 コア業務粗利益     25,598             26,151    25,368         26,046    24,507       26,241    25,032
  資金利益       22,179             21,666    21,066         21,543    19,808       21,531    20,398
   貸出金利息     16,093             15,848    15,236         15,812    14,743       15,811    14,609
    平残    1,250,073          1,278,742 1,271,691      1,299,226 1,286,740    1,321,240 1,323,257
    利回(%)      1.28               1.24      1.19           1.21      1.14         1.19      1.10
   預金利息         739                659       561            594       461          563       340
    平残    1,767,705          1,775,304 1,786,007      1,795,304 1,792,106    1,815,318 1,878,982
    利回(%)      0.04               0.03      0.03           0.03      0.02         0.03      0.01
   有価証券利息     6,767              6,424     6,336          6,272     5,480        6,230     6,026
  役務取引等利益     3,387              4,432     4,213          4,543     4,459        4,750     4,207
 経費          20,515             20,251    19,897         19,898    20,036       19,832    19,973
  うち人件費      11,480             11,234    10,920         11,093    10,629       11,037    10,444
  うち物件費       7,869              7,866     7,817          7,620     8,176        7,572     8,323
 コア業務純益       5,082              5,901     5,470          6,148     4,470        6,409     5,059




② 業務粗利益経費率
  2021 年 3 月期の機械化関連費用を除く経費は、  人件費が計画を下回ったもの
 の、計画に織り込んでいなかった合併・システム統合関連費用により物件費が
 増加したことから、計画を 98 百万円上回る 166 億 53 百万円となりました。
  一方、業務粗利益は、マイナス金利政策の長期化等の影響を受け、貸出金利
 息および有価証券利息配当金の減少により資金利益が計画を 11 億 33 百万円下
 回り、  役務取引等利益も計画を 5 億 43 百万円下回ったものの、   その他業務利益
 が計画を 34 億 21 百万円上回ったことから、計画を 17 億 46 百万円上回る 279
 億 87 百万円となりました。
  その結果、業務粗利益経費率は、計画を 3.58 ポイント下回り、59.50%とな
 りました。




                                          7
【業務粗利益経費率の計画・実績(表7)】                                      (単位:百万円、%)
              2018/3期
                        2018/9期 2019/3期 2019/9期 2020/3期 2020/9期 2021/3期 始期対比
              (始期)
経費(機械化関 計画                  8,627 16,833    8,524 16,660   8,485  16,555  △ 158
連費用を除く) 実績      16,713      8,304 16,369    8,295 16,181   7,970  16,653    △ 60
        計画                13,428  26,151  13,271  26,046  13,372  26,241     580
業務粗利益
        実績      25,661    13,010  25,894  13,161  25,335  12,288  27,987   2,326
        計画                  64.24   64.36   64.22   63.96  63.44    63.08 △ 2.05
業務粗利益経費
率
        実績        65.13     63.82   63.21   63.02   63.86  64.86    59.50 △ 5.63
        計画比                △ 0.42  △ 1.15  △ 1.20  △ 0.10    1.42  △ 3.58



(6)中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の主として業務を行って
    いる地域における経済の活性化の指標に対する実績
 ① 中小規模事業者等向け信用供与の残高及び総資産に占める割合
    第三銀行では、事業性評価に基づく融資やソリューションの提供を更に強化
  することで、33FG が地元と定義する三重県、愛知県を中心に事業先向け貸出金
  の増強に取り組んでまいりました。
    具体的には、お客さまの経営課題等を把握するツールであるリレーションシ
  ート等を活用した融資や本業支援について、営業店と本部が一体となって取り
  組むとともに、ABL やコベナンツ付融資など多様な信用供与手法を活用した融
  資を積極的に推進するなどいたしました。
    また、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、これらの取組みに加え、お客
  さまの資金繰り支援に最優先で取組みいたしました。
    その結果、2021 年 3 月期における中小規模事業者等向け信用供与の残高は、
  6,971 億円と、計画始期より 597 億円増加いたしました。また、総資産に対す
  る比率は 31.92%となり、計画を 0.23 ポイント上回り、計画始期対比において
  も 0.50 ポイント上回りました。


 【中小規模事業者等向け信用供与残高・比率の計画・実績(表8)】 (単位:億円、%)
                 2018/3期
                          2018/9期 2019/3期 2019/9期 2020/3期 2020/9期 2021/3期 始期対比
                 (始期)
          計画                 6,384   6,394   6,424   6,459   6,489   6,524    150
  中小規模事業者
          実績        6,374    6,384   6,404   6,434   6,439   6,947   6,971    597
  等向け貸出残高
          計画比                     0      10       9   △ 19      457     447
          計画                20,298  20,322  20,327  20,420  20,491  20,585    299
  総資産     実績       20,286   20,254  20,343  20,355  19,665  21,386  21,836  1,550
          計画比                 △ 43       21      28  △ 754      895  1,251
          計画                 31.45   31.46   31.60   31.63   31.66   31.69   0.27
  総資産に対する
  比率      実績        31.42    31.52   31.48   31.60   32.74   32.48   31.92   0.50
          計画比                  0.07    0.02    0.00    1.11    0.82    0.23



 ② 経営改善支援等取組先の数の取引先の総数に占める割合
   2021 年 3 月期における経営改善支援等の取組率は、 リレーションシート等を
  活用した融資や本業支援に加え、三重県中南部地域活性化推進プロジェクトや
  ミドルリスク先(注)等に対する経営改善支援に積極的に取り組んだことなどか
  ら、計画を 0.02 ポイント上回る 6.04%となりました。また、取引先数は計画

                                    8
を 163 先下回りましたが、計画始期対比では 37 先増加いたしました。
 創業・新事業開拓支援では、   「33FG ビジネスプランコンテスト」を毎年開催
するとともに、本部の専門チーム等を活用した創業計画策定支援や事業立ち上
げに必要な資金を融資するなど地元での創業・新事業創出に取り組む事業者を
積極的にサポートいたしました。
 経営相談支援では、経営改善計画の策定支援や中小企業再生支援協議会など
外部機関との連携による経営改善支援に取り組んだほか、本部の専門チームと
営業店が一体となって多様なソリューションの提供を通じてお客さまの経営課
題の解決を図ってまいりました。
 早期事業再生支援では、株式会社地域経済活性化支援機構(以下、     「REVIC」
といいます。、中小企業再生支援協議会等との連携による再生支援を行ったほ
         )
か、債権放棄や DDS 等による抜本的な再生支援に取り組むなどいたしました。
 事業承継支援では、株価算定ツールを導入し、算定結果を「ディスカッショ
ンションペーパー」としてお客さまに無料で提供する取組みを開始することな
どにより事業承継ニーズを顕在化させ、情報の収集・蓄積を図るとともに、外
部専門家、コンサルタント等との連携による支援を実施いたしました。
 担保・保証に必要以上に依存しない融資の促進では、     コベナンツ付融資や ABL
などの取組みを積極的に推進したほか、経営者保証に関するガイドラインに沿
った無保証での新規融資、保証人の解除等の取組みを強化いたしました。
(注)正常先下位等のお客さま




                   9
【経営改善支援等取組みの計画・実績(表9)】                                             (単位:先、%)
                2018/3期
                         2018/9期 2019/3期 2019/9期 2020/3期 2020/9期 2021/3期 始期対比
                (始期)
           計画                 150     150     150     150     155     153     32
創業・新事業開
拓支援
           実績        121      152     119     100     133     258     157     36
          計画比                   2    △ 31    △ 50    △ 17     103       4      -
           計画                 298     302     300     300     297     303    127
経営相談       実績        176      395     426     352     363     268     318    142
          計画比                  97     124      52      63    △ 29      15      -
           計画                  15      16      17      18      19      20    △7
早期事業再生支
援
           実績         27       17      13      16      14       7      20     19
          計画比                   2     △3      △1      △4     △ 12       0      -
           計画                 100     100     100     100     100     100     60
事業承継支援     実績         40      128     137     103     106     125     132     92
          計画比                  28      37       3       6      25      32      -
担保・保証に必    計画                 240     240     244     248     248     248   △ 60
要以上に依存し    実績        308      230     190     233     248     168     190  △ 118
ない融資促進    計画比                △ 10    △ 50    △ 11       0    △ 80    △ 58      -
           計画                 803     808     811     816     819     824    152
合計         実績        672      922     885     804     864     826     817    145
          計画比                 119      77     △7       48       7     △7       -

           計画              13,500   13,535   13,570   13,603   13,635   13,670   200
取引先        実績     13,470   13,571   13,713   13,320   13,231   13,484   13,507    37
          計画比                  71      178    △ 250    △ 372    △ 151    △ 163     -

           計画               5.94     5.96     5.97     5.99     6.00     6.02    1.04
経営改善支援等
取組率
           実績       4.98    6.79     6.45     6.03     6.53     6.12     6.04    1.06
          計画比                0.85     0.49     0.06     0.54     0.12     0.02     -

※「取引先」とは、企業及び消費者ローン・住宅ローンのみの先を除く個人事業者の融資残高のある先で、政府
出資主要法人、特殊法人、地方公社、大企業が保有する各種債権又は動産・不動産の流動化スキームに係るSPC、
及び当行の関連会社を含んでおります。




                                    10
2.経営強化計画の実施期間
  当行は、金融機能の強化のための特別措置に関する法律第 14 条第 3 項の規定に
 基づき、2021 年 5 月より 2024 年 3 月までの経営強化計画を策定、実施いたします。
  なお、今後計画に記載された事項について重要な変化が生じた場合、または生じ
 ることが予想される場合には、遅滞なく金融庁に報告いたします。

3.経営強化計画の終期において達成されるべき経営の改善の目標
(1)収益性を示す指標
 【コア業務純益の改善額(表 10)
                 】             (単位:百万円)
           2021/3 期   2021/9 期   2022/3 期   2022/9 期     2023/3 期   2023/9 期   2024/3 期   始期からの
             実績         計画         計画            計画        計画         計画         計画        改善額
            9,994
  コア業務純益                1,640      4,320         2,770     5,820      4,130     10,000           6
           (5,059)
 ※コア業務純益 = 業務純益 + 一般貸倒引当金繰入額 - 国債等債券損益
 ※2021/3 期が計画始期
 ※計画始期の計数は、両行合算の実績であり、括弧内は第三銀行の実績を記載しております。
 ※当行の会計上のコア業務純益は、両行の合併により解散する三重銀行の 4 月の計数を含みませんが、2021/9 期、2022/3
  期の計画には、三重銀行の 2021 年 4 月の計数を含んだ計画としております。なお、三重銀行の 2021 年 4 月のコア業務
  純益の実績は△38 百万円となっております。


   本計画では、両行の強みを完全融合させて合併効果を最大限発揮し、ビジネ
  スモデルを深化させることで、地域経済の活性化、持続可能な地域社会の実現
  に貢献するとともに、収益力の強化を図ってまいります。また、店舗ネットワ
  ークの最適化やデジタル化の推進などによる経営の効率化・最適化に取り組む
  ことで、収益の底上げを図ってまいります。
   具体的には、事業性評価に基づく経営改善支援や本業支援を通じた中小企業
  向け事業性融資を増強するとともに、事業者の経営課題に対するソリューショ
  ン提供力の強化を通じてソリューション手数料の増強を図るほか、資産承継・
  資産形成ニーズに対するコンサルティング機能を強化するなどにより預かり資
  産手数料の増強に取り組んでまいります。
   加えて、店舗統合やデジタル化等による業務効率化を実現するとともに、コ
  ストマネジメントの強化を図ることで、経費削減に取り組んでまいります。
   こうした施策の着実な実現を図ることによって、コア業務純益は、合併・シ
  ステム統合費用が大きく発生する計画初年度及び次年度は計画始期を下回りま
  すが、2024 年 3 月期には計画始期対比 6 百万円上回る 100 億円を確保する計画
  としております。




                                            11
(2)業務の効率性を示す指標
【業務粗利益経費率の改善幅(表 11)】                                                    (単位:百万円、%)
           2021/3 期   2021/9 期   2022/3 期   2022/9 期      2023/3 期   2023/9 期   2024/3 期   始期からの
             実績         計画         計画         計画            計画         計画         計画        改善幅
 経費(機械化関    32,752
                        16,863     32,675        15,291     30,078     14,204     27,786    △4,966
 連費用を除く) (16,653)
            51,099
 業務粗利益                  24,217     47,051        22,436     44,648     22,794     46,714    △4.385
           (27,987)
 業務粗利益経     59.50
                         69.63      69.45         68.16      67.37      62.31      59.48    △0.02
 費率        (59.50)
※ 業務粗利益経費率=(経費-機械化関連費用)/ 業務粗利益
※ 機械化関連費用は、事務機器等の減価償却費、機械賃借料、機械保守費等を計上
※ 2021/3 期が計画始期
※ 計画始期の経費及び業務粗利益は両行合算の計数、     業務粗利益経費率は両行の実績 (第三銀行 59.50%、三重銀行 69.66%)
 のうち低いほうの計数としております。また、括弧内の計数は第三銀行の実績を記載しております。
※ 当行の会計上の経費、    業務粗利益は、両行の合併により解散する三重銀行の 4 月の計数を含みませんが、    2021/9 期、2022/3
 期の計画には、三重銀行の 2021 年 4 月の計数を含んだ計画としております。なお、三重銀行の 2021 年 4 月の経費(機械化
 関連費用を除く)及び業務粗利益の実績は、それぞれ 1,542 百万円、1,747 百万円となっております。


    業務粗利益は、役務取引等利益がソリューション手数料の増強等により計画
   始期対比 9 億 51 百万円の増加を図るものの、有価証券利息配当金の減少を主因
   に、資金利益が計画始期対比 27 億 45 百万円減少し、また、その他業務利益が、
   国債等債券売却益の減少により計画始期対比 25 億 90 百万円減少することから、
   計画始期対比 43 億 85 百万円の減少を計画しております。
    一方、機械化関連費用を除く経費は、合併によるシナジー効果の最大化を図
   り、店舗統合やデジタルトランスフォーメーション(以下、        「DX」といいます。 )
   の推進等による銀行業務の合理化・効率化などを推進することで、2024 年 3 月
   期において、計画始期対比 49 億 66 百万円の減少を計画しております。
    以上の結果、   2024 年 3 月期において、業務粗利益経費率は、計画始期対比 0.02
   ポイント改善の 59.48%を計画しております。

4.経営の改善の目標を達成するための方策
(1)前計画の経営戦略の実績と課題(第三銀行)
   第三銀行は、前計画に沿って、地域における金融仲介機能を安定的かつ持続
  的に発揮し、地域の中小規模事業者等の皆様へ安定的に資金供給を行うことが、
  地域金融機関としての最大の責務であるとの認識の下、中小規模事業者等に対
  する信用供与の円滑化への取組みを強化してまいりました。
   具体的には、以下の 4 項目を経営戦略上の基本方針として掲げ、内部管理態
  勢を一層強化し財務基盤の健全性を維持しつつ、中小規模事業者等に対する安
  定的かつ円滑な資金供給に対する取組みを強化することで、地域経済の活性化
  に貢献してまいりました。
   (1) リレーションの構築とソリューションの提供
   (2) 経営の効率化・最適化
   (3) 人材力の強化
   (4) 内部管理態勢の強化と地域社会への貢献

                                            12
 これらの基本方針に基づく諸施策に着実に取り組んだ結果、一定の成果をあ
げることができたものと認識しておりますが、地域経済の活性化に一層貢献し
ていくため、合併による両行の強みを完全融合させ、本格的な成果の実現を通
じてより高度な金融仲介機能の発揮に取組み、持続可能な地域社会の実現に貢
献していく必要があると認識しております。

① リレーションの構築とソリューションの提供
 イ. 事業先に対するリレーションとソリューションの強化
   前計画期間では、 両行の経営資源やノウハウを融合し、地域に寄り添う「か
  かりつけ医」として、お客さま一人ひとりの本業支援に尽力することで、地
  域経済活性化への貢献に取り組んでまいりました。
   具体的には、事業先に対するリレーションとソリューションの強化を基本
  戦略の一つに掲げ、事業性評価に基づく融資や本業支援の強化、経営改善計
  画策定先等のミドルリスク先への経営改善支援、三重県中南部地域活性化推
  進プロジェクトの 3 つの重要施策を中心に経営資源を投下し、様々なライフ
  ステージにある中小企業等とのリレーションを強化するとともに、融資やソ
  リューションの提供に取り組んでまいりました。

  A. 事業性評価に基づく融資や本業支援の強化
     事業性評価に基づく融資や本業支援の強化については、営業推進部に事
    業性評価担当者 3 名を配置し、リレーションシート等を活用した事業性評
    価実施先に対する営業店の推進状況のモニタリング、フォローアップ、情
    報の一元管理を行うとともに、営業店と本部の専門チーム等が連携した金
    融支援やソリューションの提供を積極的に展開いたしました。
     こうした取組みに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、お客
    さまの資金決済や事業資金の支援に積極的に対応した結果、中小規模事業
    者等向け貸出金残高は計画始期対比 597 億円増加するとともに、事業融資
    先数も地元とする三重県、愛知県を中心に増加し、計画始期対比では 37
    先増加するなど取引基盤の拡充が図られたものと認識しております。
     また、前計画策定時に課題の一つとしていた若手を中心とした融資経験
    の浅い職員によるお客さまの実態把握を通じた融資やソリューション提
    案力の強化について、リレーションシートを活用することで、若手職員の
    意欲、知識、対話能力の向上に寄与したと認識しております。
     さらに、リレーションシートを活用した事業性評価を通じて蓄積した情
    報をもとに多様なソリューションの提供に取り組んだ結果、     2021 年 3 月期
    におけるビジネスマッチングや事業承継支援などの成約実績は 381 件(計
    画期間累計 1,185 件)となり、計画始期の水準より大きく上回るとともに、
    本業支援を通じたソリューション手数料の増加に繋がったと認識してお
    ります。
     一方で、本業支援を通じた収益力の強化については、足下では貸出金利
    回りの低下幅が縮小し、計画始期対比でソリューション手数料も増加して

                     13
      おりますが、取組みから得られた付加価値の高い情報を企業価値の向上に
      資する金融支援やソリューションの提供により一層繋げていくことが鍵
      となっており、三十三銀行においても営業担当者の能力向上はもとより事
      業性評価による融資やソリューション提供力の更なる強化を図っていく
      必要があると認識しております。

【地域別の中小規模事業者等向け信用供与の残高推移(表 12)】                                                           (単位:億円)
                      2018/3 末      2019/3 末         2020/3 末                   2021/3 末         2018/3 末対比
 三重県                        3,487         3,501            3,433                      3,761              273
  うち中南部地域
                           1,890           1,890                 1,848               1,989                    98
  (中勢、南勢、東紀州)
 愛知県                       1,457           1,497                 1,546               1,622                  164
 大阪府                         520             599                   635                 705                  185
 その他の地域                      908             805                   824                 882                  △26
     合計                    6,374           6,404                 6,439               6,971                  597


【地域別取引先数推移(表 13)】                                                                             (単位:先)
                  2018/3 末          2019/3 末        2020/3 末              2021/3 末              2018/3 末対比
 三重県                    8,510             8,684           8,362                8,588                      78
  うち中南部地域
                          4,968            5,037             4,854                 5,021                      53
  (中勢、南勢、東紀州)
 愛知県                      2,843          2,949            2,905                    2,946                     103
 大阪府                        797            764              697                      680                    △117
 その他の地域                   1,320          1,316            1,267                    1,293                     △27
     合計                  13,470         13,713           13,231                   13,507                      37
※ 取引先:経営改善支援等取組みの計画に掲げる取引先


【事業性融資の信用リスク量(UL)推移(表 14)】                                                            (単位:百万円)
                   2018/3末               2019/3末                    2020/3末                       2021/3末
                UL       構成比          UL       構成比               UL       構成比                  UL       構成比
三重県              5,865     48.9%       6,285     41.0%            5,826     37.5%               7,704     48.3%
  うち中南部地域        3,812     31.8%       3,628     23.7%            3,376     21.7%               4,196     26.3%
愛知県              1,829     15.3%       1,904     12.4%            1,744     11.2%               2,545     15.9%
大阪府              1,316     11.0%       4,464     29.1%            4,477     28.8%               3,414     21.4%
その他の地域           2,975     24.8%       2,686     17.5%            3,488     22.5%               2,303     14.4%
合計              11,986      100%      15,339      100%           15,536      100%              15,966      100%


【事業性評価の実績(表15)】                                                                                     (単位:件)

 リレーションシー
                           情報件数                                          支援実績(成約)
  ト等活用先数                                                                                               計画期間
                        項目            累計           2018/3期        2019/3期       2020/3期       2021/3期
                                                                                                        累計
                ビジネスマッチング              1,923             35              175          201          202    578
                事業承継                   1,111             14              108          63           104        275

                M&A                      298                 2              1             5             9      15
   4,919先       税務                       402             27              39           24            35         98
 ※前計画期間累計
  (4,111先)
                専門家派遣                      72                0              6             1             0       7
                人材・組織・経営                 801                 7           93           41            16        150
                国際業務                     204                 4              9             3             3      15
                不動産紹介                    391                 1           17           18            12         47
                合計                     5,202             90              448          356          381       1,185
※リレーションシート等活用先数及び情報件数は、リレーションシート等を活用した事業性評価を開始した2018/3期からの4期間の累計




                                           14
B. 経営改善計画策定先等のミドルリスク先への経営改善支援
    経営改善計画策定先等のミドルリスク先への経営改善支援については、
  真正面の本業支援と位置づけ、最優先事項として取り組んでまいりました。
    具体的には、ミドルリスク先に対するリレーションシートを活用した事
  業性評価を実施(事業性評価実施先の約 7 割)し、経営課題を的確に把握
  したうえで、外部の専門家等との連携を図りつつ、事業者の成長・発展に
  繋がる資金繰り支援や本業支援を通じた経営改善に取り組んでまいりま
  した。
    また、主体的かつ持続的にリレーションを図ることが可能な取引先に対
  しては、本部の関与度合いを高め、審査部が制定した「要注意先等への融
  資取組に関するガイドライン」に沿って、営業推進部と審査部が連携した
  支援を実施いたしました。
    さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、審査部との協議が必
  要な案件(破綻懸念先等)については、審査部と営業店との協議を事前に
  行い早期に方針を決定することで、迅速な資金繰り支援を実施するととも
  に、経営改善や事業再生に重点的に取り組む特定債権先等に対して、日本
  政策金融公庫、商工中金等と連携した金融支援のほか REVIC や中小企業再
  生支援協議会など外部機関との連携による経営改善計画の見直しなどに
  取り組んでまいりました。
    こうした取組みの結果、前計画期間において、ミドルリスク先に対する
  融資実行額が 3,481 億円となったほか、673 先のビジネスマッチングの成
  約や 238 件の事業承継支援を実施するなどミドルリスク先の経営改善や事
  業継続・拡大に資する相応の支援ができたものと認識しております。
    一方で、地域の事業者に与えた新型コロナウイルス感染症の影響は大き
  く、売上不振、資金繰り、事業承継、雇用などお客さまが抱える経営課題
  はこれまでになく顕在化、深刻化しており、地域が持続的に成長・発展す
  るためには、これらの課題解決を支援し、地域の事業者の再生・成長に積
  極的な役割を果たすことが、地域金融機関の責務であると認識しておりま
  す。
    こうした認識を踏まえ、     三十三銀行では、社会環境の急激な変化の中で、
  事業の再生・成長に向けて取り組んでいる地域の事業者に寄り添い、踏み
  込んだ支援を行っていくため、経営改善、事業再生、事業承継などの経営
  課題解決に資する質の高いソリューション提供力を強化してまいります。
    なお、2009 年 9 月の国の資本参加以降、適切なリスク管理の下、ミドル
  リスク先をはじめ地域の事業者に対する円滑な信用供与に加え、抜本的な
  事業再生支援として債権放棄や DDS 等の取組みを行い、前計画期間中には
  2 億円、累計では 31 億円実施いたしました。




                 15
【ミドルリスク先への支援実績等(表16)】                                 (単位:先、件、億円)
               項目             2018年度     2019年度     2020年度     3年間累計
            計画策定支援等先数              91         57          56      204
               うち三重県中南部地域          43         27          25       95
               三重県中南部地域割合        47.3%      47.4%      44.6%     46.6%
創業支援
            ファイナンス支援先数            251        233         380      864
               うち三重県中南部地域          98         99         133      330
               三重県中南部地域割合        39.0%      42.5%      35.0%     38.2%
            対応件数                  231        527         420     1,178
               うち三重県中南部地域         105        215         180      500
               三重県中南部地域割合        45.5%      40.8%      42.9%     42.4%
ビジネスマッチング
            成約先数                  269        230         174      673
               うち三重県中南部地域          89         99          74      262
               三重県中南部地域割合        33.1%      43.0%      42.5%     38.9%
事業承継支援件数                           54         92          92      238
  うち三重県中南部地域                       16         25          39       80
  三重県中南部地域割合                     29.6%      27.2%      42.4%     33.6%
融資実行額                            1,100      1,093      1,288     3,481
  うち三重県中南部地域                      322        317         358      997
  三重県中南部地域割合                     29.3%      29.0%      27.8%     28.6%




C. 三重県中南部地域活性化推進プロジェクト
   「三重県中南部地域活性化推進プロジェクト」について、第三銀行の主
  たる営業基盤で人口・事業所数の減少が加速し経済環境が厳しい三重県中
  南部地域(中勢、南勢、東紀州)の活性化を目的に前計画のスタートと同
  時に次の取組みを開始いたしました。
   本プロジェクトにおいては、総勢 6 名の専担者で構成される「中南部地
  域活性化チーム」を営業推進部に設置し、同チームが主体となって本部関
  係各部と緊密に連携するとともに、本部・営業店が一体となって資金繰り
  安定化に資するリファイナンスや事業の継続・拡大のための円滑な資金供
  給に加え、販路拡大支援、事業承継支援などのほか、新型コロナウイルス
  感染症への対応として、観光業などへの影響が大きい伊勢・志摩地区に専
  担者を一時的に増員するなど機動的に迅速な支援を行ってまいりました。
   こうした取組みの結果、前計画期間中において、同地域内のミドルリス
  ク先に対して融資を 997 億円実行するとともに、504 先のビジネスマッチ
  ングの成約や 210 件の事業承継支援を実施したことなどにより、同地域の
  事業所数が趨勢的に減少していく中で、取引先数は計画始期対比 53 先増
  加したほか、同地域におけるビジネスマッチング支援や事業承継支援の取
  組実績の全体に占める割合が増加するなど、本プロジェクトを通じてお客
  さまの事業継続、  持続的な成長・発展にこれまで以上に寄与するとともに、
  お客さまとの強固な関係構築や事業承継、M&A 対応の強化による新たな収
  益機会の創出に繋がったほか、地域経済の活性化に貢献できたものと認識
  しております。

                         16
 一方で、同地域では人口減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響
などによる社会環境の変化により、引き続き厳しい状況が続くと予想され
る中、事業の成長、継続、再生に対する多種多様なニーズが存在しており、
実効的な支援の強化がますます必要になっております。また、本業支援を
通じたお客さまとの共通価値の創造は、双方にとって成果が現れるまでは
相応の時間や体力を要することから、支援にあたっては、迅速かつ粘り強
く継続した取組みが重要となっております。
 こうした環境変化やその変化に起因するお客さまの経営改善支援や事業
承継支援ニーズに的確に対応するためには、高度なコンサルティングがで
きる人材の育成を一層強化するとともに、地域活性化、地方創生に繋がる
より実効的な取組みを実施していく必要があると認識しております。


【本業支援等実績(表17)】                                              (単位:先、件)
          項目                2019/3期       2020/3期      2021/3期    累計
       計画策定支援先数                     96            57           58     211
         うち三重県中南部地域                 44            27           27      98
         三重県中南部地域割合             45.8%         47.4%        46.6%   46.4%
 創業支援
       ファイナンス支援先数                 270           239          442      951
         うち三重県中南部地域               104             99         158      361
         三重県中南部地域割合             38.5%         41.4%        35.7%   38.0%
       対応件数                       702           913          909    2,524
         うち三重県中南部地域               243           368          364      975
 ビジネス    三重県中南部地域割合             34.6%         40.3%        40.0%   38.6%
マッチング 成約先数                        505           437          386    1,328
         うち三重県中南部地域               160           184          160      504
         三重県中南部地域割合             31.7%         42.1%        41.5%   38.0%
事業承継支援件数                          289           142          235      666
         うち三重県中南部地域                 74            41           95     210
         三重県中南部地域割合             25.6%         28.9%        40.4%   31.5%

事業承継ニーズ件数                          544          195         278      1,017
         うち三重県中南部地域                  92           41        110        243
         三重県中南部地域割合              16.9%        21.0%       39.6%     23.9%
※事業性評価実施先のニーズ件数



【中南部地域活性化推進チームの実績(表18)】                        (単位:先、件、百万円)
         支援項目          2019/3期       2020/3期       2021/3期        累計
融資取組先数                       38              39            31          108
融資実行金額                     3,979          4,695         3,421     12,095
融資純増金額                     2,111          2,932         1,554       6,597

ビジネスマッチング                    67              73            63          203
事業承継、M&A                         2             3           14          19
税務                               3             2             0          5
専門家派遣                            1             3             4          8
人材・組織・経営                         3           12            10          25
不動産紹介                            5             6             6         17
合 計                          81              99            97          277


                      17
D. 地方創生に関する取組
   地方創生については、2018 年 6 月に「地方創生推進プロジェクト」を開
  始し、地元の特産品・観光資源のインバウンド・アウトバウンドを推進す
  るとともに、地方自治体やグループのシンクタンクである株式会社三十三
  総研(以下、  「三十三総研」といいます。  )等との連携による取組みを実施
  してまいりました。
   具体的には、三重銀行、三十三総研等とともに、2017 年 11 月に一般社
  団法人 ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構と締結した「ガストロ
  ノミーツーリズム(地域に根ざした食やその背景にある地域の自然・歴史
  等の魅力に触れることそのものを目的としたツーリズムのこと)に関する
  五者連携協定」に基づく取組みとして、     「ONSEN・ガストロノミーウォーキ
  ングin 湯の山温泉」を開催し、地域に根ざした食の支援と観光振興を通
  じて地域活性化に貢献いたしました。
   また、2020 年 10 月には、西日本電信電話株式会社三重支店と「地域活
  力の創出と地域経済の発展等に関する連携協定」を締結し、地域産業の課
  題を ICT・DX を活用して解決する取組みを開始したのに続き、同年 11 月
  には、持続可能な観光地づくりの推進を目的に「三重県における観光によ
  る地域活性化」に関する連携協定を三重県、REVIC、地元金融機関 3 行の 5
  者で締結いたしました。
   今後、33FG では、合併効果を最大限に発揮し、これまで以上に地元にお
  ける地方創生に向けた取組みを実施していく必要があると認識しており
  ます。

E. 営業推進体制とソリューション営業力の強化
   営業推進体制の強化については、営業推進部に前述した中南部地域活性
  化推進チーム、法人ビジネスサポートチーム、法人総合戦略チームを、ソ
  リューション営業部にデリバティブチーム、不動産&優先株ファイナンス
  チームなどを設置することで、ソリューション提供力と営業店サポート体
  制の強化を図るなどいたしました。
   また、ソリューション営業力の強化については、ソリューション手法の
  多様化・高度化、ソリューションメニューの拡充、人材育成などを通じて
  コンサルティング機能の強化を図ってまいりました。
   具体的には、統合効果を発揮し、三重銀行のデリバティブ業務などのソ
  リューションノウハウやサービスを共有・相互活用するとともに、外部の
  機関・専門家との連携強化を通じたソリューションメニューの拡充を図っ
  たほか、ソリューションノウハウの取得を目的に大手金融機関等に職員を
  トレーニーとして積極的に派遣するなどコンサルティング能力の向上に
  資する人材の育成に努めました。
   こうした取組みにより、ソリューション手数料収入は、始期対比 10 億 8
  百万円増加いたしました。
   今後、三十三銀行においても、事業者の様々な経営課題に対応していく

                  18
    ため、ソリューションの質を高めていく必要があると認識しております。

  【ソリューション手数料の実績(表 19)】                                                 (単位:百万円)
                          2018/3 期      2019/3 期       2020/3 期      2021/3 期    2018/3 期比

        ソリューション手数料             900            1,923        2,548         1,908       1,008

        ※金融派生商品収益を含めております


ロ. 個人先に対するリレーションとソリューションの強化
   個人先に対するリレーションとソリューションの強化については、顧客接
 点の拡充に資する営業チャネルの強化を図るとともに、個人のお客さまのラ
 イフニーズに応じた最適な商品の拡充やお客さま本位の良質で付加価値の高
 いサービスの提供に取り組んでまいりました。
   営業チャネルの強化では、  対面チャネルについて、 休日営業拠点である   「暮
 らしのコンサル」広場(   「ローンプラザ」「ほけんの窓口」「資産運用相談窓
                        、       、
 口」を併設したワンストップ型の総合相談ブース)などを活用し、ライフス
 テージ、ライフイベントに応じた最適な金融サービスの提供に積極的に取り
 組んだほか、主として個人のお客さまを対象に営業する個人渉外担当者、営
 業店窓口担当兼務で預かり資産を販売する「SA」   (セールスアテンダント)   、
 SA を指導する「SAM」
             (セールスエリアマネージャー)の増員に努めるなどに
 より、顧客接点の拡充を図りました。
   非対面チャネルについては、  Web・モバイルを活用した申込書等の WEB 完結
 化や電子決済等代行業者との API 連携による家計簿アプリなど外部サービス
 の拡充により、お客さまの利便性の向上を図りました。
   また、少子高齢化やデジタル化の進展に合わせ、お客さまの相続・資産承
 継、資産形成に資する金融サービスの充実を図ったほか、長期・分散・積立
 投資を積極的に推進いたしました。
   こうした取組みにより、NISA 口座数なども順調に増加し、顧客基盤の強化
 に繋がったものと認識しております。
   今後、三十三銀行においても、お客さまのニーズに対応した質の高い金融
 サービスの提供に取り組んでまいります。

【NISA 等口座数、iDeCo 取次件数推移(表 20)】                                               (単位:件)
               2018/3 末       2019/3 末          2020/3 末          2021/3 末       2018/3 末比
 NISA               9,272            10,351           11,447          11,915         2,643
 投信積立口座             1,521             2,545           3,568            3,996         2,475
 iDeCo(累計)          5,316             6,220           7,009            7,654         2,338


② 経営の効率化・最適化
  三重銀行との経営統合や営業戦略を踏まえた効率的で強力な営業体制を整備
 するとともに、店舗ネットワークの最適化や店舗の効率化を進めたほか、本部
 業務等の共通化・効率化や物件費等のコスト削減に取り組んでまいりました。

                                      19
  具体的には、本部に専門チーム等を設置するなど本部のソリューション提供
 力や営業店サポート力を強化したほか、三重銀行と店舗網が重複しない鵜方エ
 リア(三重県志摩市)において実施しているエリア制(効率的な営業活動の実
 現とエリア母店へ融資事務を集中化させることにより創出される人員を営業部
 門へ再配置)について、対象店舗や対象エリアを拡大するなどいたしました。
  店舗のネットワークの最適化・効率化については、阿倍野支店と岐阜支店を
 それぞれ大阪支店と大垣支店へ統合するとともに、東京支店及び名古屋支店を
 三重銀行と共同店舗としたほか、ローンプラザや店舗外 ATM の統廃合などを実
 施いたしました。
  本部業務の共通化・効率化については、両行のノウハウ・リソースの共有・
 相互活用に加え BPR を推進し、店舗・ATM 警備業務内容の統一、広告宣伝等の
 協働プロモーションの実施、手形交換事務の共同化などを実施したほか、預金
 等調査業務の一部について RPA(Robotic Process Automation)の導入や融資
 事務の本部集中化の対象業務を拡大するなどいたしました。
  今後、三十三銀行では、店舗ネットワークの最適化やデジタル化の推進など
 による業務効率化に取り組むとともに、合併のスケールメリットの訴求による
 経費削減や BPR の推進を通じて銀行全体のコスト削減・適正化に向けた取組み
 を推進するほか、これらの取組みにより創出される人的資源を戦略的に有効活
 用することにより、人員の最適化を通じて人件費の削減を図ってまいります。

③ 人材力の強化
  お客さまのニーズや経営課題に対応した最適なソリューションを提供するた
 め、高いコンサルティング力を有する人材育成に取り組んでまいりました。
  具体的には、  「目利き入門塾」と「目利き師範塾」の 2 講座体制で開講してい
 る目利き能力向上研修、渉外担当者全般を対象とした 7 講座からなる「事業ス
 キルアップ講座」を継続して開催したほか、資産承継・資産形成ニーズに対す
 るコンサルティング機能の強化を図るため、店頭 FA(ファイナンシャル・アド
 バイザー)研修等を実施いたしました。
  また、三重銀行と合同研修を実施するとともに、営業部門、市場部門などの
 ノウハウを共有・相互活用するため、相互に職員を派遣したほか、三十三総研
 や大手金融機関などに積極的に職員をトレーニーとして派遣し専門的なスキル
 を持つ人材の育成に努めました。
  さらに、支店長経験者や融資渉外担当者等による若手職員との帯同訪問の実
 施など OJT の充実やリレーションシートを活用した事業評価の取組みを通じて
 若手行員を中心とした渉外行員のスキルアップを図ってまいりました。
  こうした取組みにより、若手渉外行員を中心にお客さまのニーズや課題に対
 する提案・解決力は相応に向上したものと認識しております。
  このほか、2018 年に策定した行動計画「Lady Go! Next Work Style プロ
 グラム」女性職員だけでなく全職員が働きやすい職場づくりを目指すとともに、
    (
 働き方の改革を推進)等に沿って、女性管理職の育成・登用等女性職員の活躍
 促進、育児・介護と仕事の両立、柔軟な働き方の促進、若手職員の育成など働

                       20
 きやすい環境整備を進めた結果、2020 年 3 月には、経済産業省及び日本健康会
 議が実施する「健康経営優良法人認定制度」    において、「健康経営優良法人 2020
 (大規模法人部門)」の認定を受けたほか、2021 年 3 月末時点での女性管理職
 (代理以上及び担当席以上)は 113 名となりました。
  一方、取り巻く社会・経済環境の変化により地域社会、お客さまが抱える課
 題や金融機関に求めるニーズは、 ますます多様化、   高度化、複雑化しています。
 こうしたニーズや課題に的確に対応すべく、三十三銀行ではこれまで以上に高
 度なビジネススキルを有する人材育成に取り組むとともに、組織の融和や働き
 方改革の推進などにより強固な経営基盤の構築に取り組む必要があると認識し
 ております。

 【女性管理職の推移(表 21)】                                             (単位:人)
            2018/3 末    2019/3 末      2020/3 末    2021/3 末    2018/3 末比
     管理職          111           106         110         113           2
  ※ 女性管理職:代理以上及び担当席以上の職員


④ 内部管理態勢の強化と地域社会への貢献
  内部管理態勢の強化の取組みとして、コンプライアンス態勢、リスク管理態
 勢、顧客保護等管理態勢の強化に取り組んでまいりました。
  コンプライアンス態勢の強化については、法令等遵守を経営の最重要課題の
 一つとして位置づけ、コンプライアンス委員会を原則毎月 1 回開催し、コンプ
 ライアンスマニュアルの改定やコンプライアンス・プログラムの策定、        発生した
 法務問題等に対応してまいりました。
  また、コンプライアンス統括部所属の臨店指導員等による臨店指導を通じて
 営業店の法令等遵守状況の点検及び職員面接により、コンプライアンスの取組
 状況を定期的に検証するなどコンプライアンス態勢の強化と PDCA サイクルの
 改善を図るなどいたしました。
  リスク管理態勢については、リスク管理委員会を原則毎月 1 回及び必要が生
 じた場合に開催し、事業年度毎のリスク管理運営方針や各種リスク管理の状況
 とその対応等について協議・決定するとともに、リスク統括部が中心となりリ
 スク管理態勢の充実・強化に努めました。
  顧客保護等管理態勢については、コンプライアンス統括部が定期的に営業店
 のリスク商品の販売等の適切性を検証・指導するとともに、お客さまからの苦
 情発生時には、営業店で「苦情勉強会」を開催し、支店職員全員で再発防止策
 について協議を行う態勢とするなどお客さまの正当な利益の保護や利便性の向
 上に向けた取組みを強化したほか、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与
 対策について、33FG においてマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策基
 本方針及び規程を制定のうえ、適切に対応いたしました。
  CSR については、三重県内の小学生を対象にしたバスケットボール大会の支
 援や環境保全活動の促進を目的に   「キッズ ISO14000 プログラム」を実施するな
 ど青少年の育成支援、環境保全等の取組みを実施したほか、33FG では、      「三十

                           21
三フィナンシャルグループ NPO 応援基金」を通じて三重県内で環境保全、次世
代育成支援、ダイバーシティに取り組む NPO 団体に対して寄付するなどいたし
ました。
 また、   2019 年度には、33FG では経営理念に基づく CSR に関する基本方針及び
「三十三フィナンシャルグループ SDGs 宣言」を制定いたしました。
 今後、三十三銀行では、リスクの多様化・複雑化、社会・経済環境の変化に
的確に対応していくため、リスクマネジメントの高度化を図るほか、グループ
の SDGs 宣言に基づく取組みを積極的に推進してまいります。




                     22
(2)本計画の基本方針と基本戦略
   本計画においては、前計画の評価と課題、合併の目的を踏まえ、次の基本方
  針及び基本戦略の下、合併シナジーを最大限発揮し、中小規模事業者等に対す
  る金融仲介機能を一層強化することで、持続可能な地域社会の実現に積極的な
  役割を果たしてまいります。




     基 本方 針                     基 本戦 略

                 □顧客基盤の拡充と顧客起点のコンサルティング機能の発揮
     リレーション&      ・リレーション強化によるゆるぎない顧客基盤の構築
   ソリューションの深化     ・ライフステージに対応した質の高いソリューションの提供
   (金融仲介機能の強化)   □ニューノーマルを見据えた地域経済活性化への持続的貢献
                  (地域事業者のValue Up)

                 □店舗ネットワークの最適化
   経営の効率化・最適化    □デジタル化の推進による業務効率化
                 □人材の最適配置
                 □コストマネジメントの強化


                 □実効的なガバナンスの実践
   強固な経営基盤の確立    □高度なビジネススキルを有する人材の育成と働きがいのある組織の構築
                 □リスクマネジメントの高度化




(3)主要施策
  ① リレーション&ソリューションの深化(金融仲介機能の強化)
   イ. 顧客基盤の拡充と顧客起点のコンサルティング機能の発揮
     当行は、合併による両行の強みやノウハウを完全融合し、グループのビジ
    ネスモデルである圧倒的なリレーションの構築と多様なソリューションの提
    供を通じて地元である三重県、愛知県を中心とした営業エリアにおける地域
    経済の活性化への貢献とともに、収益力の強化を図ってまいります。




                         23
【33FG の店舗ネットワーク】




 【三重県内の地域の区分け(表 22)】
 北勢地域       桑名市、いなべ市、四日市市、鈴鹿市、亀山市、桑名郡、員弁郡、三重郡
 伊賀地域       伊賀市、名張市
 中勢地域       津市、松阪市、多気郡
 南勢地域       伊勢市、鳥羽市、志摩市、度会郡
 東紀州地域      尾鷲市、熊野市、北牟婁郡、南牟婁郡


 【人口の推移及び将来推計(表23)】                                                (単位:千人)
                                                            増減数       増減率
                   2009年        2019年         2045年
                                                        (2019年対比) (2019年対比)
 三重県                  1,862        1,779          1,430        △349     △19.6%
   うち北勢地域               839          838            738        △100     △12.0%
   うち中南部地域
                       844             777         583         △193       △25.0%
   (中勢、南勢、東紀州)
 愛知県                  7,409        7,595          6,899        △696        △9.2%
 ※三重県「三重県の人口(推計)」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2018年推計)



  【事業所数の推移(表24)】                                          (単位:事業所数)
                           2012年         2016年            増減       増減率
  三重県                         79,050        77,402        △1,648   △2.08%
   うち北勢地域                     32,984        32,949          △35     △0.11%
   うち中南部地域
                              39,053          37,630      △1,423      △3.64%
   (中勢、南勢、東紀州)
  愛知県                       316,912          310,992      △5,920      △1.87%
  ※総務省統計局調査



                           24
【三重県及び愛知県の経済水準等のデータ(表 25)】
                全国                                           出所等
                             三重県        愛知県
 総面積(k ㎡)       377,975         5,774      5,173   令和 3 年国土地理院
    構成比(%)       100.00          1.53       1.37           ―
 人口(千人)         127,138         1,813      7,575   令和 2 年住民基本台帳
    構成比(%)       100.00          1.43       5.96           ―
 製造品出荷額等(億円)                  105,049    468,060   平成 30 年工業統計(速報)
               3,172,473
 (従業者 4 人以上)                (全国 9 位)   (全国 1 位)
    構成比(%)       100.00           3.31     14.75           ―
 製造業事業所数                        3,428     15,478   平成 30 年工業統計(速報)
                187,000
 (従業者 4 人以上)               (全国 20 位) (全国 2 位)
    構成比(%)       100.00          1.83       8.28        ―
 総生産(億円)                       82,272   402,997    内閣府:県民経済計算
               5,615,233
                           (全国 19 位) (全国 2 位)              (平成 29 年度)
   構成比(%)        100.00          1.47       7.18


【三重県の地域別経済データ(表 26)】
               三重県
                                北勢       伊賀       中勢         南勢         東紀州
 総面積(k ㎡)         5,774          1,108      688    1,841      1,145        990
    構成比(%)       100.00          19.20    11.91    31.89      19.84      17.15
 人口(千人)           1,813            848      169      488        237         69
    構成比(%)       100.00          46.80     9.35    26.93      13.10       3.82
 製造品出荷額等(億円)
                105,049         75,203   10,308   14,863      3,938        734
 (従業者 4 人以上)
    構成比(%)       100.00          71.59     9.81    14.15       3.75       0.70
 製造業事業所数
                  3,428          1,728     403      800         401         96
 (従業者 4 人以上)
    構成比(%)       100.00          50.40    11.76    23.34      11.70       2.80
 総生産(億円)         82,272         45,607    7,627   19,187      7,845      2,006
    構成比(%)       100.00          55.43     9.27    23.32       9.54       2.44
出所:令和 3 年国土地理院、令和 2 年度住民基本台帳、三重県:平成 30 年工業統計調査結果確報、
   三重県「市町民経済計算」


A.事業先とのゆるぎない取引基盤の構築(法人戦略)
 (a)地元中小企業との取引基盤の強化
    当行は、三重県北勢地域に強い三重銀行と中南勢地域に強い第三銀
   行が合併することにより、三重県全域で営業基盤が拡充されるととも
   に、隣県の愛知県おいて、店舗やお客さまの重複が僅かなことから、
   ネットワークを活かした面的な営業が展開できる店舗ネットワークと
   なります。また、大企業や中堅企業を中心とした事業先ネットワーク
   と高度な専門性を有し、一定規模の法人向けソリューション営業に強
   い三重銀行と中小企業や個人事業者を中心とした強固な取引基盤を有
   し、リレーション営業に強い第三銀行の強みを融合することにより、
   それぞれが手薄となっていた顧客セグメントに対する多様なファイナ
   ンス支援を含めた多様なソリューションの提案が可能となります。
    本計画期間においては、地元である三重県、愛知県の中小企業のお


                           25
客さまに対するソリューションビジネスの展開を通じた高度な金融仲
介機能を発揮することで、地元中小企業との取引基盤の強化を図って
まいります。
 具体的には、営業エリアのお客さまとのリレーションの深化を図り、
質の高いソリューションの提供を通じて強固な営業基盤を構築するた
め、営業フロント部門である営業店については、原則、すべての金融
サービスを提供するフルバンク体制とし、お客さまのニーズや経営課
題に対する最適なソリューションを迅速に提供できる利点を活かして
お客さまとの緊密な関係を構築し取引間口の拡大を図ってまいります。
 また、広域店舗ネットワークにおける本部と営業店との情報共有、
営業ミッションの明確化、迅速な営業店サポートを行うため、6 地区
(北勢地区、中勢地区、南勢地区、愛岐地区、近畿地区、東京地区)
に地区本部を設置し、各地区内の営業店サポートなどを通じてお客さ
まとのリレーションの構築に取り組むとともに、地元優良新規取引先
の開拓を強化いたします。
 さらに、当行は、事業承継、M&A、人材紹介業務、デジタル化、国際
ビジネス等の専担者の配置による高度なソリューション支援体制を構
築し、本部と営業店が連携して地元の中小企業等に対する質の高いソ
リューションの提供を通じて地元中小企業との取引基盤の拡大を図っ
てまいります。
 このほか、事業先の経営課題の把握や課題を共有するためのツール
であるリレーションシート(事業性評価シート)について、ビジネス
マッチング、事業承継、M&A 等の本業支援や金融仲介機能の発揮が必
要と思われる中小企業等に対する事業性評価に活用してお客さまとの
リレーションの強化やソリューションの提供に取り組むとともに、営
業推進部に事業性評価担当者を配置し、情報の一元管理や営業店のフ
ォローを行うことなどにより、取引先課員の活用スキル(ソリューシ
ョン提案力)向上を図ってまいります。




            26
【貸出金構成比(表 27)】
 【旧三重銀行】                【旧第三銀行】
   〇地域別事業性貸出金




   〇人格別貸出金




  【三十三銀行】
   〇地域別事業性貸出金               〇人格別貸出金




  <強固な営業基盤の拡充>
   旧三重銀行の三重県北勢地域中心の店舗網と、旧第三銀行の中南勢地域中心の広域に跨る
   店舗網の融合
  <金融仲介機能の強化>
   旧三重銀行の大企業・中堅企業へのソリューション営業力と旧第三銀行の中小企業や個人事業
   主との強固なリレーションの融合

  地元の中小企業を中心とした事業者に対する金融仲介機能の発揮(ソリューションの提供)を
  通じて地域経済の活性化に貢献するとともに、持続可能な収益を確保



                       27
   【営業推進体制】

                              お客さま

              リレーションの強化とソリューションの提供                情報共有

     営業店

       取引先課                   取引先課                       取引先課

       支店長                    支店長                        支店長

                   支援専担者によるサポート                   情報共有
        地区本部(北勢地区、中勢地区、南勢地区、愛岐地区、近畿地区、東京地区)

      専担者によるサポート      一部の支援専担者の駐在                 情報共有

                              営業本部



(b)事業性評価に基づく経営改善・本業支援を通じた事業性融資の増強
   当行は、地域金融機関として、事業者の事業継続・拡大に資する積
  極的な金融支援を行うため、事業性評価に基づく経営改善・本業支援
  を通じた中小企業向け事業性融資の増強に取り組んでまいります。
   具体的には、事業性評価により把握したお客さまの資金ニーズに迅
  速に対応することはもとより、課題解決に繋がるソリューションの提
  案、実行、実行に至らない場合は代替策の提案・実行というサイクル
  を回すことを通じてお客さまの経営改善、事業拡大、事業転換などを
  支援し、そこから創出される新たな資金需要に積極的に対応していく
  ことにより事業性融資の増強を図ってまいります。
   また、事業性融資の推進にあたっては、ABL やコベナンツ付融資な
  ど多様な信用供与手法、資本性ローン、ファンドを活用した取組みを
  積極的に推進するとともに、脱炭素社会を見据えた風力・バイオマス
  発電など再生可能エネルギー案件の取組強化に加え、こうした社会の
  構造変化に対応した持続可能な事業モデルの構築に取り組む事業者へ
  の積極的な金融支援を行ってまいります。
   さらに、支援ニーズが高まっている事業譲渡や事業承継に対するフ
  ァイナンスニーズに対応するため、事業承継スキームの提案のほか独
  自ファンドを活用した LBO ファイナンス案件やプライベート・エクイ
  ティ・ファンドとの紐帯強化による取引先支援案件の創出に取り組ん
  でまいります。

【貸出金計画(表 28)】                                              (単位:億円)
                       2021/3 末      2022/3 末       2023/3 末     2024/3 末
                         実績            計画             計画           計画
 貸出金                       28,150        28,255         28,150       28,040
   うち地元(三重、愛知)             21,025        21,191         21,266       21,341
   うち地元事業性                 12,712        12,761         12,871       12,925
※2021/3 末実績は両行合算



                         28
B. ライフステージに対応した質の高いソリューションの提供(法人戦略)
   当行は、両行のソリューションノウハウを融合し、お客さまのライフス
  テージや経営課題に対応した質の高いソリューションを提供するため、高
  度なソリューション支援体制の構築やソリューションメニューの拡充を
  図るほか、人材育成を通じた支援案件創出力と高度なソリューション提案
  力を備えた人材を増強し、ソリューション営業力の強化に取り組んでまい
  ります。

(a)高度なソリューション支援体制の構築
   当行は、店舗統合や業務効率化を通じて創出される人的リソースを
  事業承継、M&A、人材紹介業務、デジタル化など営業支援業務を行う戦
  略部門に再配置することにより、実効的な顧客支援体制の構築とソリ
  ューション営業体制の拡充を図ってまいります。
   また、ソリューション提案・実行に伴う多様な資金ニーズに最適な
  資金調達手段を提供するため、シンジケートローンなどファイナンス
  に係るアレンジメント力やプレースメント力の強化、ファイナンス手
  法の多様化、ファイナンススキルの向上などに取り組んでまいります。

 【本部ソリューション支援体制図】
                                     主要業務/ソリューションメニュー

                                     企画業務、営業チャネル戦略
                      営業企画課
                                     人材紹介業務
                                     デジタル金融サービス
        営業企画部         デジタルイノベーション課

                                     金融商品、デリバティブ、金融商品
                      金融商品開発課
                                     仲介業務の管理業務
                                     法人営業全般、事業性評価、ビジネ
                      法人推進課
                                     スマッチング、創業支援
                                     個人営業全般、ローンプラザ、ほけ
                      個人推進課
                                     んの窓口、金融商品仲介
        営業推進部
                                     地公体等の取引業務
 営業本部                 地域振興課
                                     地域貢献、地域振興、地域活性化
                      三重県中南部地域活性化推   金融支援、ビジネスマッチング、経
                      進プロジェクトチーム     営改善支援、事業承継支援

                                     デリバティブ、ストラクチャード
                      ソリューション営業課
                                     ファイナンス、ファンド業務
        ソリューション営業部
                                     取引先の海外進出、投融資支援等の
                      海外ビジネスサポート課
                                     国際営業業務全般
                                     事業承継等コンサルティング
                      承継ビジネス課
                                     LP出資を行うファンドの案件発掘
        コンサルティング営業部
                                     M&A業務
                      アドバイザリー業務課


                                     経営改善計画策定支援、経営改善・
 融資本部   企業支援部
                                     事業再生支援



(b)ソリューションメニューの拡充
   当行は、お客さまの求める多様な支援ニーズに対応した最適なソリ
  ューション・金融サービスを提供するため、ソリューションメニュー
  の拡充を図ってまいります。
   具体的には、事業承継、M&A、人材紹介、ビジネスマッチングなどに

                      29
        おけるソリューションメニュー(外部機関、外部専門家等との提携・
        連携、サービス等)の拡充を図るとともに、新たなコンサルティング
        業務の開発や定型・非定型(オーダーメイド)コンサルティング業務
        の取組みを強化してまいります。また、規制緩和に対応し、他行に先
        駆けて差別化の図れる金融サービスを導入してまいります。
         こうした取組みにより、お客さまの経営課題を解決するとともに、
        ソリューション手数料の増強を図ってまいります。

   【ライフステージに対応したソリューション】




    【ソリューション手数料の計画(表 29)】                                (単位:百万円)
                         2021/3 期     2022/3 期      2023/3 期     2024/3 期
                           実績           計画            計画           計画
        ソリューション手数料            4,660        5,000         5,250        5,750
        ※2021/3 期実績は両行合算
        ※金融派生商品収益を含めております。


【提携先等(抜粋)(表 30)】
              提携先・外部機関           コンサルティング、ソリューションの内容・特徴
         (財)三重県産業支援センター      中小企業支援             よろず支援、専門家派遣等
 創業支援    (独)中小企業基盤整備機構       中小企業支援             創業支援、各種支援制度等
         ㈱日本政策金融公庫           業務協力               創業、新事業支援、農業者向け融資
                             コンサルティ             経営全般に係るコンサルティング
         グラウベン㈱
                             ング業務                業務
                             コンサルティ
         ㈱ミッドランド経営                              コンサルティング業務
                             ング業務
                                                経営全般に係るコンサルティング
                             コンサルティ              業務
         ㈱Bricks&UK
                             ング業務               タイビジネスに関するコンサルテ
 経営相談                                            ィング業務、タイ販路拡大支援
                                                中国への製品販売、投資、その他中
         上海良図商務諮詢有限公司        コンサルティ
                                                 国ビジネス全般にわたる様々な問
         (上海 LT 社)           ング業務
                                                 題に関するコンサルティング業務
                             コンサルティ             経営全般に係るコンサルティング
          (税)決断サポート          ング業務                業務
                             コンサルティ             海外進出に関するコンサルティン
         ㈱エイチ・アイ・エス
                             ング業務                グ業務、海外販路拡大支援




                            30
           提携先・外部機関          コンサルティング、ソリューションの内容・特徴
                                      海外進出に関するコンサルティン
       ㈱東京コンサルティングファー   コンサルティ
                                       グ
       ム                ング業務
                                      人材コンサルティング事業
       レイノス㈱            人材紹介業務        スカウト人材の採用支援
                                      マネジメント専門人材の経営幹部
       ㈱顧問名鑑            人材紹介業務
                                       (非常勤)の採用支援
                                      首都圏に在住する経営幹部の採用
人材支援   ㈱みらいワークス         人材紹介業務
                                       ニーズに対する支援
                                      実務層~経営幹部の採用ニーズに
       パーソルキャリア㈱        人材紹介業務
                                       対する支援
                                      実務層~経営幹部の採用ニーズに
       ヒューレックス㈱         人材紹介業務
                                       対する支援
                                      財務、事業のデューデリジェンス
       中小企業再生支援協議会      事業再生支援
                                      事業再生計画の策定
事業再生                                  財務、事業のデューデリジェンス
       ㈱地域経済活性化支援機構     事業再生支援
                                      事業再生計画の策定
                                      財務、事業のデューデリジェンス
       経営改善支援センター       事業再生支援
                                      事業再生計画の策定
       三重県事業承継・引継ぎ支援セ
                        事業承継支援        事業承継、M&A 業務全般
       ンター
                                      事業承継支援のための資本政策の
       名古屋中小企業投資育成㈱     事業承継支援
事業承継                                   提案、株式評価等
       セレンディップ・ホールディン                 事業承継支援のための M&A 及び資本
                        M&A・事業承継
       グス㈱                             政策の提案
       ㈱名南 M&A          M&A 業務        M&A 業務全般


  (C)ソリューション営業力の強化
      当行は、本部のソリューション営業体制の構築やソリューションメ
     ニューの拡充とともに、営業現場でのソリューション営業力を強化す
     るため、把握したお客さまのニーズや経営課題を抽出し支援案件化で
     きる人材の増強に取り組んでまいります。
      具体的には、本部の専担者による営業店サポートの実施やリレーシ
     ョンシートを活用した事業性評価の取組みを行うとともに、外部トレ
     ーニー、外部派遣研修の積極的な実施や行内研修のカリキュラムの充
     実を図ってまいります。

 C. 個人先とのゆるぎない取引基盤の構築(個人戦略)
  (a)営業チャネルの戦略的活用
      お客さまとの対面等での接点となる営業店や SBI マネープラザとの
     共同店舗、
         「暮らしのコンサル」広場 「ほけんの窓口」 ローンプラザ、
                     (          、
     「資産運用相談窓口」を併設したワンストップ型の総合相談ブース)  、
     ダイレクトコールセンター、ローンセンターなど各営業チャネルにお
     いて、それぞれの機能や体制を強化し、お客さまのニーズやライフス
     テージに対応した金融サービスの提供に取り組むとともに、年金サポ
     ートデスクの活用や年金相談会の開催を通じてシニア層との取引基盤

                        31
   の拡大を図るなど、各営業チャネルの機能を活かした顧客セグメント
   に応じた推進を行ってまいります。

(b)マス戦略の効果的な展開による取引基盤の拡充
   インターネットバンキングや Web 取引など非対面チャネルを活用し
  た金融サービスの拡充を図るとともに、お客さまのニーズに対応した
  効果的なマーケティングを展開するなどにより取引基盤の拡充を図っ
  てまいります。
   具体的には、インターネットバンキングサービスを活用した資産形
  成・資産運用ソリューションメニューの拡充やiDeCo、つみたて NISA、
  平準払保険等の金融商品・サービスの充実を図ってまいります。
   また、ダイレクトコールセンターと営業拠点(ローンプラザ、年金
  サポートデスク等)との連携や人員増強に伴う機能拡大による顧客対
  応力・提案力の強化を図るほか、ポイント制の拡充による若年層取引
  の拡大などに取り組んでまいります。

D. ライフステージに対応した質の高いソリューションの提供(個人戦略)
 (a)資産承継・資産運用コンサルティングの強化
     高齢化の加速により人生 100 年時代といった超長寿社会の到来が予
    想される中、新型コロナウイルスの感染拡大やデジタル化の進展など
    による社会・経済環境の変化も加わり、お客さまのライフスタイルや
    価値観はますます多様化するとともに、豊かで安心安全な人生を送る
    ための資産承継・資産形成ニーズが一層高まっております。
     当行は、こうしたお客さまのニーズに的確に対応するため、資産承
    継・資産運用コンサルティングの強化に取り組んでまいります。
     具体的には、保険会社出向者のノウハウ活用による資産承継に係る
    コンサルティング力を強化するとともに、お客さまの幅広い資産運用
    ニーズに対応するため、SBI マネープラザや大和証券との金融仲介業
    務の取組みなどを推進してまいります。
     また、営業店の預かり資産推進のマネジメント、営業店職員との帯
    同による預かり資産の提案・販売、  コンサルティングノウハウの教育・
    指導を目的に SV(スーパーバイザー)を営業推進部個人推進課に 11
    名配置するとともに、営業店でお客さまに対して営業活動を行う取引
    先課には、支店職員の指導や預かり資産販売を中心とした営業活動を
    行う CC(カスタマーコンシェルジュ)を配置することにより、職員の
    資産承継、資産運用コンサルティングの強化を図ってまいります。
     さらに、33FG の「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」に基
    づき、お客さまにとって最善の金融商品・サービスの提供や資産形成
    の実現に資するコンサルティングを行うとともに、資産形成など多様
    なニーズに適う投資信託、生命保険等の商品ラインアップの充実を図
    ってまいります。

                32
     このほか、定期的に投資信託や保険商品を保有されるお客さまへの
    アフターフォローの実施や資産運用セミナーの開催などによりお客さ
    まとのリレーションを強化し、提案機会の増加に繋げてまいります。

  (b)個人向け貸出金の増強
     個人向けの融資については、お客さまのライフステージ、   ライフイベ
    ントに応じた資金ニーズにタイムリーに対応するとともに、   商品・サー
    ビスの充実を図ることで、貸出金の増強を図ってまいります。
     個人ローンについては、適切な審査や広告の実施など顧客保護にも十
    分配慮しつつ、ダイレクトコールセンターや Web 完結取引を活用するほ
    か、リバースモーゲージの取扱エリアの拡大やシニア層向けローン商品
    の取扱いによる老後資金への支援を強化してまいります。
     住宅ローンについては、採算性を十分考慮したうえで、   三重県内の中
    核都市や名古屋市内に設置している住宅ローンプラザ(9 拠点)を基点
    にハウスメーカー等との連携 提携による取組みを中心に推進してまい
                 ・
    ります。

ロ.ニューノーマルを見据えた地域経済への持続的貢献(地域事業者の Value
  Up)
  当行は、グループの総力を結集し、地域の課題解決支援に取り組んでまい
 ります。とりわけ、事業者のお客さまに寄り添い、経営課題やニーズに対し
 て最適なソリューション提供することで、お客さまの企業価値向上に貢献し
 てまいります。




 A.ニューノーマルを見据えた事業者支援
   両行は、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、その影響を受けている
  事業者や個人のお客さまの支援を最優先対応事項とし、必要な金融支援を
  迅速に実施してまいりました。

                 33
  今後は、新型コロナウイルス感染症の影響などを契機とした社会環境や
 行動様式の変化などニューノーマルを見据えた実効的な事業者支援を行
 ってまいります。
  具体的には、事業継続のための迅速な金融支援を引き続き実施するとと
 もに、経営改善、事業承継、事業再生、事業転換などの本業支援に軸足を
 移し、資本性ローンや再生支援ファンドの活用による資本増強支援、本部
 専担者による事業承継支援の強化、事業再構築補助金等の補助金申請支援
 などを通じてお客さまの事業の再生・継続・発展を支援するほか、新たな
 事業展開のための新規資金需要にも積極的に対応してまいります。

【資本性ローン、ファンド(当行出資)の一覧(抜粋)(表 31)】
           名称                  内容(投資対象、目的等)       運営会社/ファンド総額等
                       事業承継ニーズのある地元中堅・中小企業。原則、普
三十三事業承継1号投資事業有限責任組合                               ㈱名南経営キャピタル
                       通株式に投資し分散株式や事業承継に関する課題解決
(愛称:33事業承継ファンド)                                   ファンド総額10億10百万円
                       に対する必要な資本政策手段を提供
第2号さんぎん成長事業応援投資有限責任組合 営業エリア内で企業が行う新たな成長・発展を目指す    ㈱Brick&UK
(さんぎん成長事業応援ファンド)      企業                          ファンド総額20億円

みえ事業承継応援第1号投資事業有限責任組合                             ㈱決断サポート
                      事業承継ニーズのある地元中堅・中小企業
(愛称:組み紐ファンド)                                      ファンド総額5億円

                       ・観光遺産活用もしくは地域旅館・スノーリゾート構
                                                  ㈱観光産業化投資基盤
                       造変革等による、地域経済活性化のモデルケース創出
観光遺産産業化投資事業有限責任組合                                 (REVIC合弁方式による新設
                       に資する事業者
(観光遺産産業化ファンド)                                     GP会社)
                       ・地域の文化遺産や自然遺産の価値・ストーリー展開
                                                  ファンド総額30億円程度
                       に繋がりうる民間観光事業者 等
みえ中小企業活性化ファンド投資事業有限責
                                                  ㈱三重リバイタル
任組合                    主に三重県内の中小企業を対象とした再生支援
                                                  ファンド総額20億円
(みえ中小企業活性化ファンド)
                                                  ㈱AGSコンサルティング、
                       新型コロナウイルス感染症等の影