7322 33FG 2020-09-30 16:20:00
2020年3月期における「経営強化計画の履行状況報告書」の公表について [pdf]

                                               2020 年 9 月 30 日
各    位

                          会社名     株式会社三十三フィナンシャルグループ
                          代表者名    代表取締役社長 渡辺 三憲
                          コード番号   7322 東証・名証第一部
                          問合せ先    執行役員経営企画部長 川瀬 和也
                                  Tel 059-357-3355(代表)




         2020 年 3 月期における「経営強化計画の履行状況報告書」の公表について



     当社及び当社子会社の株式会社第三銀行は、「金融機能の強化のための特別措置に関する法律」に
    基づき、2020 年 3 月期における経営強化計画の履行状況をとりまとめましたのでお知らせいたしま
    す。
     今後におきましても、経営強化計画に盛り込んだ具体的施策の着実な実行を通じ、これまで以上に
    金融仲介機能を安定的かつ持続的に発揮し、地域の中小規模事業者等の皆様へ円滑に資金供給を行う
    ことで、地域経済活性化に積極的に貢献してまいります。




                                                         以上




            【本件に関するお問い合わせ先】
             三十三フィナンシャルグループ    経営企画部     059-354-7354
             第三銀行 総合企画部                  0598-25-0363
経営強化計画の履行状況報告書




      2020 年 6 月


株式会社 三十三フィナンシャルグループ
    株式会社 第 三 銀 行
                                                                   目             次
1.2020 年 3 月期決算の概要 ..................................................................................................................... 1

   (1)経営環境.............................................................................................................................................. 1
   (2)決算の概要 ......................................................................................................................................... 1

2.経営の改善に係る数値目標の実績 ...................................................................................................... 5

   (1)コア業務純益 ..................................................................................................................................... 5
   (2)業務粗利益経費率 ............................................................................................................................ 6

3.経営の改善の目標を達成するための方策の進捗状況 ................................................................... 7

   (1)リレーションの構築とソリューションの提供 ....................................................................... 7
   (2)経営の効率化・最適化.................................................................................................................... 19
   (3)人材力の強化 ................................................................................................................................... 21
   (4)内部管理態勢の強化と地域社会への貢献 ............................................................................... 23

4.従前の経営体制の見直しその他の責任ある経営体制の確立に関する事項の進捗状況 .......... 27

   (1)業務執行に対する監査又は監督の体制の強化のための方策 ............................................. 27
   (2)リスク管理の体制の強化のための方策 ...................................................................................... 28
   (3)法令遵守の体制の強化のための方策 ........................................................................................ 31
   (4)経営に対する評価の客観性の確保のための方策 ................................................................... 32
   (5)情報開示の充実のための方策 ..................................................................................................... 32
   (6)持株会社における責任ある経営管理体制の確立に関する事項 .......................................... 33

5.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の主として業務を行っている地域におけ
    る経済の活性化に資する方策の進捗状況 ............................................................................................ 34

   (1)中小規模の事業者に対する信用供与の残高および総資産に占める割合 ........................ 34
   (2)中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策の進捗状況 ....................... 35
   (3)主として業務を行っている地域における経済の活性化に資する方策の進捗状況 ........... 36
   (4)中小規模事業者等に対する金融円滑化を図るための取組(新型コロナウイルス感染症
              拡大への対応)................................................................................................................................. 40

6.剰余金の処分の方針 ................................................................................................................................. 42

   (1)配当に対する方針 ........................................................................................................................... 42
   (2)役員に対する報酬および賞与についての方針......................................................................... 42
   (3)財源確保の方策 .............................................................................................................................. 43

7.財務内容の健全性および業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策の進捗状況 ......... 44

   (1)経営管理に係る体制および今後の方針等 ................................................................................ 44
   (2)各種のリスク管理の状況および今後の方針等 ......................................................................... 46
   (3)経営強化計画の適切な運営管理 ................................................................................................ 48
1.2020 年 3 月期決算の概要
(1)経営環境
    国内経済は、世界経済減速の影響から輸出が伸び悩んでいるほか、昨年 10 月
  の消費税率引き上げ後の駆け込み需要の反動減などにより、景気は弱含んでいる
  状況となっています。さらに、本年 2 月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大
  により、景気は大幅に下振れする見通しとなっています。株式会社三十三フィナ
  ンシャルグループ(以下、     「33FG」といいます。)及び株式会社第三銀行(以下、
  「当行」または「第三銀行」といいます。       )の主たる営業基盤である三重県内の
  経済についても、国内経済同様、今後の景気は大幅に下振れる見通しとなってい
  ます。
    金融面においては、金融機関間の競争が一段と激化する中、金融緩和政策の長
  期化や新型コロナウイルス感染症の拡大など私ども地域金融機関を取り巻く経
  営環境は、これまで以上に厳しい状況にあります。
    こうした中、33FG 及び当行は、これまで以上に金融仲介機能を安定的かつ持続
  的に発揮し、地域経済活性化に貢献するため、       「経営強化計画」に掲げた各施策
  に取り組んでまいりました。

(2)決算の概要
  ① 資産・負債の状況(当行単体ベース)
   イ. 貸出金
       貸出金は、中小企業等向け貸出等に注力した一方、       地公体及び大中堅企業
      向けの貸出が減少した結果、2019 年 3 月末比 139 億円減少し、1 兆 3,029
      億円となりました。

   ロ. 預金
       預金は、2019 年 3 月末比 402 億円減少し、1 兆 7,878 億円となりました。

   ハ. 有価証券
       有価証券は、リスクアセット・コントロールを意識しつつ機動的な運用
      に努めたことなどから、2019 年 3 月末比 605 億円減少し、4,983 億円とな
      りました。

     【資産・負債の推移(表1)】(単体)                                                 (単位:百万円)
                      2020/3末                                     2019/9末       2019/3末
                       実績           2019/9末比        2019/3末比       実績            実績
      資産                1,966,543        △ 68,977      △ 67,804     2,035,520     2,034,347
           うち貸出金        1,302,997         △ 6,836      △ 13,900     1,309,833     1,316,897
           うち有価証券         498,349        △ 26,071      △ 60,518       524,420       558,867
      負債                1,859,497        △ 60,135      △ 61,309     1,919,632     1,920,806
           うち預金         1,787,819        △ 39,980      △ 40,271     1,827,799     1,828,090
           うち社債・借用金        50,200        △ 14,600      △ 22,200        64,800        72,400
      純資産                 107,046         △ 8,842       △ 6,495       115,888       113,541



                                     1
② 損益の状況(当行単体ベース)
 イ. 資金利益
     資金利益は、    マイナス金利政策の長期化や低金利下における他行競合の激
    化による貸出金利回りの低下が続く中、貸出金利息が減少したことに加え、
    有価証券利息配当金も減少したことなどから、前期比 12 億 58 百万円減少
    し、198 億 8 百万円となりました。

ロ. 役務取引等利益
    役務取引等利益は、    ソリューション手数料などの増強に努めた結果、前期
   比 2 億 46 百万円増加し、44 億 59 百万円となりました。

ハ. その他業務利益
    その他業務利益は、  ソリューションビジネス強化による金融派生商品収益
   が増加したほか、国債等債券損益が増加したことなどから、前期比 4 億 53
   百万円増加し、10 億 67 百万円となりました。

ニ. 経費
     経費は、人件費は減少したものの、物件費が合併・システム統合関連費用
   の負担増加等により増加したことなどから、経費トータルでは前期比 1 億
   39 百万円増加し、200 億 36 百万円となりました。

ホ. 一般貸倒引当金繰入額
    一般貸倒引当金繰入額は、前期比 7 億 19 百万円減少し、5 億 77 百万円の
   戻入となりました。

    以上の結果、コア業務純益は、前期比 10 億円減少し、44 億 70 百万円と
   なりました。また、業務純益は、ほぼ前期並みの 58 億 76 百万円となりま
   した。

ヘ. 臨時損益
    臨時損益のうち、不良債権処理額が前期比 7 億 31 百万円増加したことに
   加え、株式等関係損益が前期比 2 億 75 百万円減少したことなどから、臨時
   損益トータルでは、前期比 11 億 72 百万円悪化し、19 億 72 百万円のマイナ
   スとなりました。

    以上の結果、経常利益は前期比 11 億 49 百万円減少し、39 億 4 百万円と
   なり、当期純利益は前期比 11 億 32 百万円減少し、31 億 44 百万円となりま
   した。




                     2
【損益状況の推移(表2)】(単体)                                                    (単位:百万円)
                         2020年3月期                            2019年3月期               2018年3月期
                          実 績            2019年3月期比             実 績                     実 績
 業務粗利益                      25,335            △ 559                 25,894              25,661
 (コア業務粗利益)           (      24,507 ) (        △ 861 ) (             25,368 ) (          25,598 )
   資金利益                     19,808           △ 1,258                21,066              22,179
   役務取引等利益                   4,459              246                  4,213               3,387
   その他業務利益                   1,067              453                   614                    94
   (うち国債等債券損益)       (         828 ) (          302 ) (               526 )     (            62 )
 経費(除く臨時処理分)                20,036              139                 19,897              20,515
   (うち人件費)           (      10,629 ) (        △ 291 ) (             10,920 )    (       11,480 )
   (うち物件費)           (       8,176 ) (          359 ) (              7,817 )    (        7,869 )
 一般貸倒引当金繰入額                  △ 577            △ 719                   142                 236
 業務純益                        5,876                  22               5,854               4,908
 (コア業務純益)            (       4,470 ) (       △ 1,000 ) (             5,470 ) (           5,082 )
 臨時損益                      △ 1,972           △ 1,172                 △ 800                507
   (うち不良債権処理額)       (       1,398 ) (          731 ) (               667 )     (        1,325 )
   (うち株式等関係損益)       (       △ 455 ) (        △ 275 ) (              △ 180 )    (        1,625 )
 経常利益                        3,904           △ 1,149                 5,053               5,415
 特別損益                          176              244                   △ 68              △ 431
 税引前当期純利益                    4,081            △ 904                  4,985               4,984
 法人税、住民税及び事業税                1,422              969                   453                 489
 法人税等調整額                     △ 485            △ 741                   256                 147
 法人税等合計                        936              227                   709                 637
 当期純利益                       3,144           △ 1,132                 4,276               4,347




③ 不良債権の状況(当行単体ベース)
   当行では、本部と営業店が一体となって、地域における金融の円滑化に向
  け、取引先の経営実態の把握に努めるとともに、    経営改善支援への取組みを着
  実に推進してまいりました。その中で、新規倒産件数等は減少したものの、計
  画通り経営改善が進捗していない先の債務者区分をより慎重に精査した結果、
  金融再生法開示債権残高は、前期末比 10 億 30 百万円増加し、290 億 65 百万
  円となりました。また、金融再生法開示債権比率は、前期末比 0.10 ポイント
  上昇し、2.19%となりました。


【金融再生法開示債権比率の推移(表3)】(単体)                                                (単位:百万円)
                           2020/3末                                     2019/9末         2019/3末
                            実 績          2019/9末比        2019/3末比       実 績             実 績
破産更生債権及びこれらに準ずる債権              4,582         △ 368           △ 179             4,950         4,761
危険債権                          21,706           910              26           20,796       21,680
要管理債権                          2,776         1,043           1,183             1,733         1,593
合 計(A)                        29,065         1,584           1,030           27,481       28,035
正常債権                        1,294,606      △ 6,877        △ 12,992      1,301,483       1,307,598
総 与 信(B)                    1,323,671      △ 5,294        △ 11,962      1,328,965       1,335,633
金融再生法開示債権比率(A)/(B) (%)           2.19         0.13            0.10              2.06          2.09
(注)2019年3月末には部分直接償却5,682百万円、2019年9月末には6,466百万円を、2020年3月末には6,188百万円を
それぞれ実施しております。



                                     3
④ 自己資本比率の状況(当行単体ベース)
   自己資本比率は、内部留保の積上げによる自己資本の増強に努めてまいり
  ましたが、貸出金等にかかるリスクアセットの増加により、前期末比 0.06 ポ
  イント低下し、7.93%となりました。

  【単体自己資本比率の推移(表4)】                                                     (単位:%)
              2018/3末     2019/3末          2019/9末        2020/3末         2019/3末比
  自己資本比率           8.16           7.99           8.06            7.93           △ 0.06


⑤ 33FG の連結業績
    経常収益は、貸出金利息が減少したものの、有価証券売却益が増加したこ
  となどから、前期比 14 億 76 百万円増加し、711 億 16 百万円となりました。
    また、経常費用は、信用コストは減少いたしましたが、合併・システム統
  合関連費用及び株式等償却が増加したことなどから、          前期比 30 億 82 百万円増
  加し、649 億 38 百万円となりました。
    その結果、  経常利益は前期比 16 億 5 百万円減少し、 億 78 百万円となり、
                                     61
  親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度発生した負ののれん発生益 463
  億 61 百万円が剥落したことなどから、前期比 481 億 26 百万円減少し、41 億
  51 百万円となりました。
    連結財政状態については、総資産は 3 兆 9,369 億円となり、純資産は 2,274
  億円となりました。主要な勘定残高につきましては、預金等(譲渡性預金を含
  む)の残高は 3 兆 5,492 億円、貸出金残高は 2 兆 7,097 億円、有価証券残高は
  8,793 億円となりました。
    また、連結自己資本比率は 8.41%となりました。


【2020年3月期における33FGの連結業績(表5)】                                         (単位:百万円)
                                         2020年3月期(末)                    2019年3月期(末)
                                           実 績          2019年3月期(末)比       実 績
            経常収益                             71,116           1,476          69,640
            業務純益                              7,934             643           7,291
   損  益     コア業務純益                            7,213         △ 1,017           8,230
            経常利益                              6,178         △ 1,605           7,783
            親会社株主に帰属する当期純利益                   4,151        △ 48,126          52,277
            総資産                           3,936,933       △ 134,034        4,070,967
  連結財政状態
            純資産                             227,465        △ 16,871         244,336
            預金等(譲渡性預金を含む)                 3,549,229        △ 54,139        3,603,368
   主要勘定残高
            貸出金                           2,709,768             298        2,709,470
    (末 残)
            有価証券                            879,376       △ 105,952         985,328
  自己資本比率    連結自己資本比率(%)                        8.41          △ 0.09             8.50




                              4
2.経営の改善に係る数値目標の実績
(1)コア業務純益
   当行の主たる営業基盤である三重県においては、世界経済が全般的に勢いを欠
  くなか、自動車の生産は低調な推移となりましたが、世界的な半導体需要の底入
  れを受け、電子部品・デバイスは持ち直しの動きがみられました。
   一方、2020 年 2 月下旬以降は新型コロナウイルス感染症拡大により、景気は急
  激に減速感が強まりました。
   こうした中、マイナス金利政策の長期化や低金利下における他行競合の激化に
  より貸出金利回りが計画を 0.07 ポイント下回ったことに加え、貸出金の期中平
  均残高が計画を 124 億円下回ったことから、貸出金利息が計画を 10 億 69 百万円
  下回りました。また、有価証券利息配当金は計画を 7 億 92 百万円下回ったこと
  などから、資金運用収益は計画を 18 億 66 百万円下回りました。
   一方、資金調達費用は、預金等利回りの低下を主因に預金利息等が計画を下回
  ったことを主因として、計画を 1 億 31 百万円下回りました。
   以上より、資金利益は計画を 17 億 35 百万円下回りました。
   役務取引等利益は、預かり資産手数料等が伸び悩む中、ソリューション手数料
  の増強などに努めた結果、前期比 2 億 46 百万円増加したものの、計画を 84 百万
  円下回りました。
   また、その他業務利益(国債等債券損益を除く)は、ソリューションビジネス
  による金融派生商品収益が増加したことなどから、計画を 2 億 79 百万円上回り
  ました。
   経費は、人件費が計画を 4 億 64 百万円下回ったものの、物件費が計画には織
  り込んでいなかった合併・システム統合関連費用の発生等により計画を 5 億 56
  百万円上回ったことなどから、     経費全体では計画を 1 億 38 百万円上回りました。
   その結果、コア業務純益は、前期比 10 億円減少し、計画を 16 億 78 百万円下
  回る 44 億 70 百万円となりました。

   金融機関を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続くものと考えております
  が、株式会社三重銀行(以下、「三重銀行」といいます。)との統合効果の早期実
  現・最大化に取り組むとともに、地域のお客さまとの圧倒的なリレーションを構
  築し、お客さまの経営課題やニーズに対して多様なソリューションを提供するこ
  とで、地域経済の活性化に貢献するとともに、収益力の強化を図ってまいります。

 【コア業務純益の計画と実績(表 6)】                                                (単位:百万円)
                                                             2020/3 期
             2018/3 期実績       2019/9 期
                                                                                 計画始期
             (計画始期)             実績            計画        実績         計画対比
                                                                                  対比
   コア業務純益          5,082          2,172        6,148     4,470          △1,678    △612
  ※ コア業務純益   =   業務純益     +   一般貸倒引当金繰入額           -   国債等債券関係損益




                                          5
(2)業務粗利益経費率
   2020 年 3 月期の業務粗利益は、その他業務利益が計画を 11 億 7 百万円上回っ
  たものの、マイナス金利政策の長期化等の影響を受け、貸出金利息及び有価証券
  利息配当金の減少により資金利益が計画を 17 億 35 百万円下回ったことなどから、
  計画を 7 億 11 百万円下回る 253 億 35 百万円となりました。
   一方、機械化関連費用を除く経費は、物件費の増加要因である合併・システム
  統合関連費用の大部分が機械化関連費用として控除されることに加えて、主に人
  件費が計画を下回ったことから、計画を 4 億 79 百万円下回る 161 億 81 百万円と
  なりました。
   その結果、業務粗利益経費率は、計画を 0.10 ポイント下回り、63.86%となり
  ました。

  【業務粗利益経費率の計画と実績(表 7)】                                    (単位:百万円、%)
              2018/3 期                                 2020/3 期
                         2019/9 期
                実績                                                       計画始期
                           実績            計画       実績         計画対比
             (計画始期)                                                       対比
   経費(機械化関
                16,713       8,295       16,660   16,181          △479    △532
   連費用を除く)
   業務粗利益        25,661      13,161       26,046   25,335          △711    △326
  業務粗利益経
              65.13   63.02 63.96   63.86 △0.10                           △1.27
  費率
  ※ 業務粗利益経費率 = (経費 - 機械化関連費用) / 業務粗利益
  ※ 機械化関連費用は、事務機器等の減価償却費、機械賃借料、機械保守費等を計上




                                     6
3.経営の改善の目標を達成するための方策の進捗状況
   当行は、前経営強化計画の取組評価と課題を踏まえ、2018 年 6 月に策定した
  「経営強化計画」に沿って、地域における金融仲介機能を安定的かつ持続的に発
  揮し、 地域の中小規模事業者等の皆様へ円滑に資金供給を行うことが地域金融機
  関としての最大の責務であるとの認識の下、  中小規模事業者等に対する信用供与
  の円滑化への取組みを強化いたしました。
   具体的には、財務基盤の健全性の維持と収益力の強化を図り、これまで以上に
  リレーションシップバンキングの取組みを強化し、  地域経済の活性化を図るため、
  以下の 4 項目を経営戦略上の基本方針として掲げ、さらなる経営改善に取組みい
  たしました。
   (1) リレーションの構築とソリューションの提供
   (2) 経営の効率化・最適化
   (3) 人材力の強化
   (4) 内部管理態勢の強化と地域社会への貢献

(1)リレーションの構築とソリューションの提供
  ① 事業先に対するリレーションとソリューションの強化
     当行は、33FG の傘下銀行として、三重銀行とともに互いの経営資源やノウ
    ハウを融合し、  統合効果の最大化と早期実現に取り組むとともに、地域に寄り
    添う「かかりつけ医」として、お客さま一人ひとりの本業支援に尽力すること
    で、地域経済の活性化に貢献していくこととしております。
     具体的には、 事業先に対するリレーションとソリューションの強化を基本
    戦略の一つに掲げ、3 つの重要施策(事業性評価に基づく融資や本業支援の強
    化、経営改善計画策定先等のミドルリスク先(注)への経営改善支援、三重県中
    南部地域活性化推進プロジェクト)  を中心に経営資源を投下し、様々なライフ
    ステージにある中小企業者等とのリレーションを強化したうえで、  円滑な資金
    供給や最適なソリューションの提供に取り組んでおります。
     また、33FG では現在、ビジネスモデル(リレーションの構築とソリューシ
    ョンの提供) の真価を最大限発揮することで、 新型コロナウイルス感染症の拡
    大により影響を受けている事業者の金融円滑化を最優先事項として迅速に取
    り組んでおります。
   (注)正常先下位等のお客さま


  イ. 事業性評価に基づく融資や本業支援の強化
      前経営強化計画期間中の事業性貸出先数の減少等を踏まえ、これまで以
     上に事業先のお客さまとのリレーションの強化を通じてお客さまのニーズ
     や経営課題の解決に資する融資をはじめ、本業支援に取り組むことで、事
     業先取引基盤の拡充に努めてまいりました。
      2019 年度下期は、本部の営業推進部法人営業課の事業性評価担当者 3 名
     が中心となって 22 店舗を臨店し、事業性評価実施先に対する営業店の取組

                    7
 状況のフォローアップを行うとともに、お客さま情報のデータ化、モニタ
 リングなどを引き続き実施したほか、営業店は経営者と経営課題等を共有
 するためのツールであるリレーションシートや事業性評価サービスを活用
 した融資や本業支援に積極的に取組みいたしました。
  また、営業力強化拠点研修(268 名参加)や事業性評価トレーニーを開催
 (4 名参加)するなど継続的に職員のレベルアップに努めました。
  こうした取組みにより、2019 年度下期は、リレーションシート等を活用
 した事業性評価を 454 先に対して実施いたしました。
  今後も、地域に寄り添う「かかりつけ医」として、事業性評価に基づく
 融資や本業支援の取組みの強化を図ってまいります。

 【事業性評価シート活用先数推移(表 8)】                               (単位:先)
                2018 年度上期    2018 年度下期   2019 年度上期   2019 年度下期
 事業性評価シート活用先数        1,197         746         541         454
 ※ 事業性評価シート活用先:リレーションシート及び事業性評価サービスを活用した先


A. 事業先向け貸出金の増強
     33FG の経営戦略、店舗ネットワーク、経営リソースなどを俯瞰した地域
   別営業戦略を立案・実践するとともに、事業性評価に基づく融資やソリュ
   ーションの提供を更に強化することで、33FG が地元と定義する三重県、愛
   知県を中心に事業先向け貸出金の増強に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、   リレーションシート等を活用した事業性評価に基づく
   融資について、営業力強化拠点研修の中で好事例を周知し、ノウハウを共
   有するとともに、引き続き、本部の営業推進部やソリ ュ ー シ ョ ン 営 業 部
   と連携したファイナンスやソリューションの提供に積極的に取り組んだ
   ほか、リファイナンスや肩代わり案件について、本部と営業店が連携して
   推進先を選定、推進するなどいたしました。
     また、  「K・L」「右腕くん」等の小規模事業先等向けの融資商品、ABL や
               、
   コベナンツ付融資など多様な信用供与手法を積極的に活用するとともに、
   農業、医療・健康関連、環境・エネルギー等の成長分野向け融資の推進な
   どを通じて事業先向け貸出金の増強に取り組んでまいりました。
     こうした取組みにより、       2020 年 3 月末の中小規模事業者等向け貸出金は
   6,439 億円と 2019 年 3 月末比 35 億円増加いたしました。
     今後も、8 つの地区営業部体制のもと、これらの取組みを通じて事業先
   向け貸出金の増強に取り組んでまいります。




                       8
 【地域別の中小規模事業者等向け信用供与の残高推移(表 9)】
                              (単位:億円)
                                                                        2019/3 末
                  2017/3 末      2018/3 末       2019/3 末     2020/3 末
                                                                          対比
  三重県                 3,514           3,487        3,501        3,433         △68
   うち中南部地域
                      1,907           1,890        1,890        1,848        △42
   (中勢、南勢、紀州)
  愛知県                 1,439           1,457        1,497        1,546         48
  大阪府                   492             520          599          635         35
  その他の地域                905             908          805          824         18
      合計              6,352           6,374        6,404        6,439         35


B. 事業先との安定した取引基盤の構築
     事業先との安定した取引基盤を構築するため、事業性評価に基づく融資
   や本業支援を一層強化するとともに、事業性貸出先数の増加に取り組んで
   まいりました。
     2019 年度下期は、営業店において、引き続き、お客さまのニーズや経営
   課題に関する情報共有や経営課題解決に資するソリューションの検討な
   どを目的とした情報提案会議を定期的に開催し、支店長席から担当者を含
   めた重層管理の徹底を図るとともに、融資完済予定先へのアプローチの強
   化や営業店と本部が連携したソリューション提案による事業性貸出先開
   拓などを通じて事業先取引基盤の拡充に努めてまいりました。
     また、三重銀行とのお客さまの相互紹介やビジネスマッチング情報の相
   互活用に加え、商談会や各種セミナーを共催することなどによりお客さま
   とのリレーションの強化を図りました。
     こうした取組みにより、経営改善支援等取組率に掲げる 2020 年 3 月末
   の取引先数は 2019 年 3 月末比 482 先減少しておりますが、融資極度額の
   設定があるもののご利用されていない取引先を含めた取引先数は、        2019 年
   3 月末比 162 先増加いたしました。
     今後も、お客さまとのリレーションとソリューションの強化に資する取
   組みを推進することで、安定した取引基盤の構築を図ってまいります。

【地域別取引先数推移(表 10)】                                                      (単位:先)
                                                                        2019/3 末
                2017/3 末      2018/3 末        2019/3 末     2020/3 末
                                                                          対比
 三重県                8,536           8,510         8,684        8,362        △322
  うち中南部地域
                    4,987           4,968         5,037        4,854       △183
  (中勢、南勢、紀州)
 愛知県                2,976           2,843         2,949        2,905        △44
 大阪府                  838             797           764          697        △67
 その他の地域             1,404           1,320         1,316        1,267        △49
     合計            13,754          13,470        13,713       13,231       △482
 ※ 取引先:経営改善支援等取組みの計画に掲げる取引先




                               9
ロ. 地域経済活性化への取組強化
 A. 経営改善計画策定先等のミドルリスク先への経営改善支援
     地域に寄り添う「かかりつけ医」として、ミドルリスク先に対する真正
    面の本業支援として、経営改善計画策定先等に対する経営改善支援を最優
    先事項として取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、本部と営業店が一体となって、ミドルリスク先に対し
    てリレーションシートを活用した事業性評価を 355 先に対して実施し、ニ
    ーズや経営課題の把握を行うとともに、資金繰りの安定化に資する融資や
    経営課題解決に資するソリューションの提案・実行に取り組んだほか、経
    営改善計画策定先のうち、 先に対して事業性評価の実施や経営改善に資
                   47
    するソリューションの提案等を行いました。
     また、ミドルリスク先に対する融資については、本部審査部が制定した
    「要注意先等への融資取組に関するガイドライン」に沿って、当行が主体
    的かつ持続的にリレーションを図ることが可能な取引先に対して、営業推
    進部法人営業課と審査部が連携して取り組んでおり、同ガイドラインに沿
    った融資取組実績は、14 先 17 億円となりました。
     こうした取組みにより、   2019 年度下期のミドルリスク先に対する融資実
    行額は 501 億円となりました。
     今後も、ミドルリスク先に対する経営改善支援等の本業支援を強化し、
    地域経済の活性化に貢献してまいります。

 B. 三重県中南部地域活性化推進プロジェクト
     当行の主たる営業基盤である三重県中南部地域(中勢地域、南勢地域、
    紀州地域)  については、三重県北勢地域や愛知県などと比較すると、      人口・
    事業所数の減少が加速しています。   こうした中、当行は、2018 年 4 月に「三
    重県中南部地域活性化推進プロジェクト」   (以下、「プロジェクト」といい
    ます。 )を始動し、これまで以上に同地域の活性化に資する融資や本業支
    援の取組みを強化してまいりました。
     2019 年度下期は、引き続き、三重県内の津、松阪、伊勢、志摩、紀州各
    地区に配置した「中南部地域活性化推進チーム(総勢 6 名)    」の専担者と
    営業店が地区営業部(津、松阪、伊勢・志摩、紀州地区)やソリューショ
    ン営業部等とも連携を図りつつ、ミドルリスク先を中心とした事業先の経
    営改善支援に資する融資や本業支援に取り組んでまいりました。
     さらに、新型コロナウイルス感染拡大により大きな影響を受けている伊
    勢・志摩地区の観光業(ホテル、旅館等)などの事業者の資金繰りを迅速
    かつ重点的にサポートするため、3 月には同地区の担当者を 1 名増員する
    など支援体制の強化を図りました。
     このほか、営業本部副本部長をプロジェクトリーダーとする「三重県中
    南部地域活性化推進プロジェクトワーキンググループ」を毎月開催し、プ
    ロジェクトの進捗管理や経営課題に対する解決策の検討等を実施してい

                    10
 るほか、半期毎には常務会へ取組実績や課題等について報告するなどプロ
 ジェクトの実効性の向上を図ってまいりました。
  こうした取組みの結果、   2019 年度下期は同地域でミドルリスク先に対し
 て融資を 145 億円、ビジネスマッチング支援を 116 先(成約)に対して取
 り組むなどいたしました。また、      「中南部地域活性化推進チーム」が主体
 的に関与した実績は、リファイナンス等融資実行額 21 先 28 億円、ビジネ
 スマッチング等本業支援 50 件(成約)となりました。
  今後も、三重県中南部地域の活性化に積極的に貢献するとともに、この
 取組みから得られたノウハウや知見を他地域に活用するほか、合併を見据
 え、三重銀行とのノウハウの共有や協働による取組みを検討していくなど
 してまいります。

【中南部地域活性化推進チームによる支援事例】
 日本政策金融公庫の挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)を活用した事例
  三重県内で旅館を経営している A 社は、業績は回復傾向にあるものの、借入金の
 返済がキャッシュフローを上回る状況が続いており、資金繰りを安定させることが
 経営課題となっていました。
  そこでメイン行である当行は、借入金の一部をリファイナンスするとともに、日
 本政策金融公庫と連携して挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)を活用した
 支援を三重県内ではじめて実施し、A 社の抜本的な資金繰りの改善を図りました。


C. 地方創生に関する取組
    地方版総合戦略の実現に向けた取組支援はもとより、より一層地方創生
   に資する取組みを強化してまいりました。
    2019 年度下期は、引き続き、「地方創生推進プロジェクト」が中心とな
   り、地元の特産品・観光資源のインバウンド・アウトバウンドの促進を図
   るほか、グループネットワークを活用した地域の商流拡大支援等に取り組
   んでまいりました。
    具体的には、当行も出資し、役職員を 3 名派遣している民間資本 100%
   の地域商社「株式会社ネーブル・ジャパン」が計画している点音源の知財
   の事業化(音のダイバーシティ・プロジェクト)   、熟成日本酒、デカフェ
   (カフェインレス・コーヒー)など地域商品の販売支援等について連携す
   るとともに、新しい地域資源・商品について情報共有いたしました。
    また、同社がデカフェの商品開発コンサルティング支援を実施したこと
   などにより、松阪市内の企業が国内で初めて超臨界二酸化炭素抽出法によ
   るデカフェの開発に成功し、3 月から販売を開始いたしました。
    今後、㈱ネーブル・ジャパンでは、地方創生推進プロジェクトや営業店
   と連携を図りつつ、デカフェの販路拡大支援を行ってまいります。
    このほか、地方創生推進プロジェクトでは、伊勢市河崎まちづくり支援
   や鈴鹿市、吉本興業株式会社と締結した包括連携協定に基づき、鈴鹿市の

                 11
 新商品創造プロジェクトの支援に参画するなど地域の活性化に資する取
 組みを地公体等と連携して推進いたしました。
  また、33FG(当行、三重銀行、三十三総研)では、第 2 回目となる「O
 NSEN・ガストロノミーウォーキングin 湯の山温泉」 (温泉や地元の趣
 向を凝らした特産品の魅力を参加者にアピールするなど、地域に根ざした
 食の支援と観光振興を目的とした取組)を 11 月に開催いたしました。
  今後も、地方自治体等との連携を強化しつつ、33FG が一体となって地方
 創生の実現に取り組むとともに、自らの収益力の強化も図ってまいります。

【㈱ネーブル・ジャパンの概要】
会社名    株式会社 ネーブル・ジャパン

設立年月   2018 年 9 月(10 月開業)

資本金    55 百万円(資本準備金 12.5 百万円を含む)※2020 年 3 月末現在

所在地    三重県松阪市

       松阪市を活性化し、市民が誇りを持てる地域にするため、地方創生を推進する。
設立目的   商材、知財、人材等の地域資源を磨き、再編集することで、「儲かる仕組み」を作
       り、その利益を松阪市の活性化のために活用する。

       地元の資源・商品を高付加価値化して販売
事業内容   地元の知的財産の事業化支援
       地元の資源・文化財を活用したインバウンドの促進 等


【㈱ネーブル・ジャパンの事業】
                            松阪市のイノベーターの知財と地域の木材資源を組
                            み合わせた木製スピーカー。
                            音のエネルギーを集中させ、強いエネルギーに変え
                            た後に、木を共振させる技術を活用しています。
                            今後、商品の拡充を図るとともに、建築空間内で幅
                            広い活用に向けた研究を進めていく予定です。

                            松阪市内の酒蔵で 10 年以上熟成された古酒(熟成日
                            本酒)
                              。
                            25 年以上熟成された古酒について、ネーミング、ラ
                            ベル、デザインを考案し、「神鈴」「時の鈴」という
                            2 つの商標を取得。2020 年度より販売開始予定です。
                            写真はイメージです。

                            同社がコーヒー店を展開する松阪市内の企業に対
                            して、超臨界二酸化炭素抽出法によりカフェイン
                            を抽出する技術をもつ企業や商品企画を行う企業
                            を引き合わせ、
                                  「デカフェ」の商品化に向けたコン
                            サルティングを実施。
                            今後、販路拡大も支援していく予定です。

                             12
ハ. 営業推進体制の強化
 A. 本部営業推進体制の強化
     これまで以上に営業戦略を迅速に実行し、事業先のニーズや課題に対し
    てスピーディーかつ的確に対応するため、効率的かつ実効性のある営業推
    進体制の構築に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、上期に再編した本部法人営業推進体制の下、外部専門
    家等との提携拡充などにより、専門チームのソリューション提供力の強化
    に取り組むとともに、専門チームの機能・役割などについて、適宜、営業
    店に周知し、本部法人営業推進体制の機動的な運営に努めました。
     また、2021 年 5 月の三重銀行との合併を見据え、新銀行の営業体制下で
    の円滑な顧客対応や営業推進を行うため、地区営業部の役割の見直しを行
    い、2020 年度より新しい方針のもとでの運用を開始いたしました。
     具体的には、これまで各地区営業部が策定していた地区営業部内の店別
    予算・目標設定を営業推進部営業推進課に一元化し、計数管理等の管理業
    務を大幅に削減するとともに、担当地区の営業・収益ミッションの遂行、
    地区内の支店運営上の諸問題の解決支援、担当地域の情報収集に業務を限
    定することで、より地域のお客さまに寄り添った営業活動が展開できる体
    制といたしました。
     今後も、効率的かつ実効性のある営業推進体制の構築に取り組んでまい
    ります。

 【営業本部専門チームの概要】
       所管部          チーム名                 役割等
      営業推進部     中南部地域活性化推進   三重県中南部地域のミドルリスク先等の事業先を
                チーム          対象とした融資や経営改善支援等の本業支援
                             プロジェクト案件、提案型リファイナンス(シ・
                法人ビジネスサポート
                             ローン、コベナンツ融資等)  、私募債、事業承継、
                チーム
                             M&A 等の推進
  営
  業                          成長分野、新商品、新業務等に特化したファイナ
                法人総合戦略チーム
  本                          ンス、ソリューションの提供
  部   ソリューション                営業店・本部各チームとの連携の下での案件組成
                営業チーム
      営業部                    業務とサポート
                不動産&優先株ファイ   大型ファイナンス案件、成長事業応援ファンド、
                ナンスチーム       M&A 業務、事業承継等の推進及び情報収集
                デリバティブチーム    金利デリバティブ、為替デリバティブの推進


 B. お客さま本位の業務運営に適う業績評価制度の整備
     業績評価制度については、2017 年 4 月より、お客さま本位の業務運営に
    適う業績評価体系を整備し、お客さまの利益と営業店等の営業推進に対す
    るモチベーションの向上に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期業績評価については、上期の業績評価体系を踏襲し、業績
    評価に「本業支援項目」を設け、ミドルリスク先に対する支援等について
    は割り増し評価とするとともに、三重県中南部地域活性化推進プロジェク
    トの顕著な取組みに対して「中南部地域活性化賞」として表彰するなど本

                        13
  業支援に資する取組みや企業価値向上を実現させる取組みを促す評価体
  系としたほか、お客さまのニーズが高い分野である相続やキャッシュレス
  等に関連した金融サービスの提供を評価するための項目を新設するなど
  いたしました。
   今後も、顧客本位の業務運営に適う業績評価制度の整備を図ることで、
  お客さまの利益と営業店等の営業推進に対するモチベーションの向上に
  取り組んでまいります。

ニ. ソリューション営業力の強化
 A.ソリューション手法の多様化・高度化
     ソリューション手法の多様化・高度化を図り、付加価値を創造するコン
    サルティング機能の強化に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、引き続き、外部機関や専門家との連携強化を図るとと
    もに、 「PO ファイナンス(受発注債権譲渡担保融資)」業務を新たに開始す
    るなどソリューション業務の多様化を図りました。
     今後も、これらの取組みを強化し、ソリューション手法の多様化・高度
    化に取り組んでまいります。

 B.ソリューション手数料の増強
    本部と営業店が一体となって、事業先のニーズや経営課題の解決に最適
   なソリューションの提供を通じてソリューション手数料の増強に取り組
   んでまいりました。
    具体的には、コベナンツ活用型融資、ABL、私募債など担保・保証に必
   要以上に依存しない融資等の取組みを引き続き積極的に推進するととも
   に、本部専門チームと営業店が連携してソリューションの提供に取り組ん
   でまいりました。
    この結果、 2019 年度下期のコンサルティング等斡旋手数料等のソリュー
   ション手数料収入は 14 億 15 百万円となりました。
    今後も、本部と営業店が連携して経営課題解決に最適なソリューション
   を提供することによりソリューション手数料の増強を図ってまいります。

  【ソリューション手数料の推移(表 11)】                           (単位:百万円)
                 2018 年度上期    2018 年度下期    2019 年度上期    2019 年度下期
   ソリューション手数料           623        1,274        1,133         1,415
   ※ 2018 年度下期より、金融派生商品収益、コミットメント受入手数料を含めております。


 C.ライフステージに応じた最適なソリューションの提供
    事業先とのリレーションを構築し、様々なライフステージ(創業・新事
   業段階、成長段階、安定期、衰退期)にある事業先の課題やニーズに対し
   て最適なソリューションを提供することで、お客さまの成長・発展を支援

                        14
してまいりました。
 2019 年度下期は、外部機関や専門家等との連携を図りつつ、本部の専門
チームや海外進出支援等の担当者等と営業店が連携して事業先のライフ
ステージに応じた多様なソリューション(M&A 業務、海外進出支援、経営
改善支援、事業承継支援等)の提供に引き続き取り組んでまいりました。
 また、ファンドである「さんぎん農業法人投資事業有限責任組合」及び
「さんぎん成長事業応援投資事業有限責任組合」を活用し、それぞれ 1 先
に対して 10 百万円、4 先に対して 325 百万円の出資を行い、事業先の成長
を積極的に支援いたしました。
 さらに、出資を通じた事業先の成長支援を強化するため、2 月にファン
ド総額 20 億円(最大総額 30 億円)とする「第 2 号さんぎん成長事業応援
投資事業有限責任組合」を設立いたしました。
 このほか、統合効果を発揮し、      「航空機エンジン分野参入を通じた生産
性向上と人材育成セミナー」や「事業承継 M&A セミナー」等を三重銀行
と共同で開催したほか、お客さまとともに持続可能な社会づくりに対する
取組みへの参画の一つとして、     SDGs 私募債を 13 先に対して 13 億円の取組
みを行いました。
 今後も、これらの取組みを強化し、お客さまの成長・発展を支援するこ
とで、地域経済の活性化に貢献してまいります。




                  15
 【ファンド活用実績:(表 12)】                           (単位:先、百万円)
                             2016 年度   2017 年度   2018 年度   2019 年度
                   先数              2         0         0         2
  さんぎん農業ファンド
                   金額             60         0         0        30
                   先数              1         2         5         5
  さんぎん成長事業応援ファンド
                   金額             30        50       170       345


 D.ビジネスマッチング支援の強化
    本部と営業店が一体となってお客さまのニーズや課題解決に向けた最適
   なソリューションの提供を行うための手段の一つとして、ビジネスマッチ
   ング支援の強化に取り組んでまいりました。
    2019 年度下期は、引き続き、   当行と三重銀行(以下、
                                 「両行」といいます。 )
   のビジネスマッチング情報を定期的に交換するとともに、商談会や各種セ
   ミナーの共同開催を通じてお客さまの販路拡大や事業譲渡など多様なニー
   ズに対応したほか、営業店や中南部地域活性化推進チームなどによるビジ
   ネスマッチング支援を積極的に実施してまいりました。
    また、渉外担当者等が顧客管理等に活用している営業活動支援システム
   内にあるビジネスマッチング支援システムに登録しているマッチング情報
   について、全営業店で登録情報の更新を実施し情報の精度向上を図ったほ
   か、登録しているマッチングニーズ先から原則として、      「ビジネスマッチン
   グ」説明書兼同意書を頂く取扱いとすることで、顧客名を含めた情報の全
   店公開化と三重銀行への迅速な情報提供を可能とする体制といたしました。
    こうした取組みの結果、   2019 年度下期のビジネスマッチング成約先は 266
   先となりました。
    今後も、こうした取組みを通じて取引先のビジネス機会の創出に貢献す
   るとともに、営業基盤の拡充や収益の増加に繋げてまいります。

② 個人先に対するリレーションとソリューションの強化
 イ. 営業チャネルの強化による顧客基盤の拡充
  A. 対面チャネルの強化
      少子高齢化の加速や金融 IT の進展に合わせ、お客さまのニーズやライ
     フスタイルも益々多様化しています。こうした変化に的確に対応し、個人
     先取引基盤の拡充を図るため、顧客接点の拡充に資する営業チャネルの強
     化に取り組んでまいりました。
      2019 年度下期は、引き続き、休日営業を行っている「暮らしのコンサル」
     広場( 「ローンプラザ」 「ほけんの窓口」「資産運用相談窓口」を併設し
                  、        、
     たワンストップ型の総合相談ブース)において、金融セミナー等を開催し
     誘客を図るとともに、両行の休日営業チャネルを活用したお客さまの相互
     紹介を実施したほか、三重県内のローンプラザに配置した「ライフコンサ
     ルタント」  (お客さまの資産形成等を含めたライフプラン設計を行う職員)
     による職域セミナーを 2 先の取引先で開催するなど休日営業の活用や職域

                        16
  営業の推進によりお客さまとの接点拡充に努めました。
   また、将来の給与振込等の取引に繋げるとともに、親御様の取引拡充を
  図ることを目的として「お年玉口座開設キャンペーン」を実施するなどい
  たしました。
   今後も、対面チャネルを強化し個人取引基盤の拡充を図ってまいります。

B. 非対面チャネルの強化
    渉外担当者等や店舗等での接触が困難であるお客さまとの接点の拡充
   やデジタライゼーションの加速的な進展への対応を図るため、Web・モバ
   イルを活用したサービスの提供や FinTech 企業との連携を強化し、お客さ
   まの利便性向上に繋がる新しいサービスの検討・提供に取り組んでまいり
   ました。
    2019 年度下期は、QR コード決済アプリ「BankPay」の取扱いを開始する
   とともに、オープン API に係る方針を決定し、電子決済等代行業者との契
   約締結に向けた連携・協議を進めたほか、第二地方銀行協会が加盟銀行の
   デジタル化やスタートアップなどの連携によるオープンイノーベーショ
   ンを支援する目的で運営する「SARBLAB」に参画し、FinTech を活用したサ
   ービスの更なる拡充に向けた検討を行うなど非対面チャネルの強化に向
   けた取組みを実施いたしました。
    また、Web・モバイル、ダイレクトコールセンターによるテレマーケテ
   ィングによるキャンペーン等の情報を随時発信するなど非対面チャネル
   を活用した顧客基盤の拡充に努めました。
    今後も、Web・モバイル、ダイレクトコールセンター等の非対面チャネ
   ルを強化するとともに、FinTech にも積極的に取り組むことで、お客さま
   の多様化するニーズに的確に対応してまいります。

ロ. 個人先向け貸出金の増強
     個人先向け貸出金の増強については、総合取引や将来にわたるリレーシ
   ョンの構築が期待できる取組みとして位置づけ、収益性に配慮しつつ貸出
   金の増強に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、住宅ローンについて、引き続き収益性に配慮しつつ、
   ハウスメーカー等との連携強化やキャンペーンの実施などを通じて住宅ロ
   ーンの増強に努めました。
     また、住宅ローン等に対する高度な知識や推進のスキルを有するローン
   アドバイザーを養成し、住宅ローンニーズに的確に対応できる人材の増強
   に努めてまいりました。
     目的ローンや消費者ローンについては、商品ラインアップの拡充のほか、
   Web・モバイル取引を推進することにより、申込手続の簡素化や審査スピー
   ドの向上等に取組み、お客さまの利便性向上を図ってまいりました。
     具体的には、家族信託における受託者を対象にした「民事信託対応型 賃

                   17
  貸アパートローン」の取扱いを開始したほか、顧客データを分析のうえ、
  DM、SMS、Web などを通じた個人向けローンの推進を行いました。
    今後も、 顧客保護にも十分配慮しつつ、  これらの取組みを着実に推進し、
  個人先向け貸出金の増強を図ってまいります。

ハ. ソリューション提供力とフィービジネス等の強化
 A. ライフニーズに対応した商品・サービスの提供
     お客さまの多様化・高度化するニーズに的確に応えるため、個人のお客
    さまのライフニーズに応じた最適な商品を拡充するとともに、お客さま本
    位の良質で付加価値の高いサービスの提供に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、投資信託については「グローバル AI ファンド」
                                       「グロ
    ーバル 3 倍 3 分法ファンド」を、生命保険については「介護バリューUS」
    「おおきな、まごころ」などの取扱いをそれぞれ開始し、金融商品の拡充
    を図るとともに、職員の相続関連の知識向上を目的に「相続に関する法
    務・税務の質問窓口」を行内に設置し、良質な金融サービスが提供できる
    体制整備に努めました。
     また、33FG の「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」に基づき、
    資産形成・資産運用に資するつみたて NISA 等について引き続き積極的に
    推進するとともに、資産運用セミナーの開催などお客さまの安定した資産
    形成に繋がる取組みを行ったほか、三重銀行とともに金融商品販売にかか
    るお客さまアンケートを実施し、お客さまの声を金融サービスの向上に反
    映させることといたしました。
     今後も、同方針に基づき、   「お客さま本位」で考えて行動し、最適な金
    融サービスの提案を通じてお客さまの安定した資産形成・資産運用の実現
    をサポートしてまいります。

 【NISA 等口座数、iDeCo 取次件数推移(表 13)】                                  (単位:件)
               2018/3 末    2018/9 末      2019/3 末    2019/9 末     2020/3 末
   NISA            9,009       9,543        10,012      10,455        11,063
   ジュニア NISA         263           300         339         357          384
   つみたて NISA         453           957       1,373       1,743        2,270
   iDeCo(累計)       5,316       5,810         6,220       6,631        7,009


B. 預かり資産の増強
    お客さま本位の営業を実践し、お客さまのニーズに最適な商品やソリュ
   ーションを提供できる人材の拡充等を図ることで、預かり資産の増強に取
   り組んでまいりました。
    2019 年度下期は、引き続き、 渉外担当者や営業店窓口担当を兼任しつつ、
   預かり資産を販売する   「SA」セールスアテンダント) SA を指導する
                   (           や        「SAM」
   (セールスエリアマネージャー)の拡充に努めるとともに、上期に証券会

                              18
     社、保険会社から受入した 3 名の出向者が SAM や渉外担当者等と帯同して
     推進したほか、生命保険会社の DM を活用するなどして預かり資産の増強
     を図りました。
      また、お客さまの資産運用ニーズや相続ニーズを把握するため、資産運
     用セミナーを 5 回、相続対策セミナーを 4 回それぞれ開催したほか、投資
     信託及び生命保険を当行で購入し保有されているお客さまへのアフター
     フォローを継続的に実施いたしました。
      この結果、2019 年度下期の投資信託と生命保険の販売額合計は 206 億円
     となったほか、預かり資産保有世帯数も着実に増加いたしました。
      今後も、これらの取組みにより、  預かり資産の増強を図ってまいります。

   【個人渉外等の配置状況(表 14)】                                                                     (単位:人)
                         2017/3 末               2018/3 末              2019/3 末             2020/3 末
    個人渉外                            48                     45                    39                   33
    SAM                             8                       8                    13                   14
    SA                              23                     28                    43                   33


   【投資信託実績推移(表 15)】                                                               (単位:百万円)
            2017 年度       2017 年度          2018 年度          2018 年度         2019 年度         2019 年度
              上期            下期               上期               下期              上期              下期
    販売額        7,241          9,962               5,759           4,847           6,134          7,881
    期末残高      56,934         53,794              53,335          50,289          49,107         40,280
    日経平均
              20,356         21,454              24,120          21,205          21,755         18,917
    株価(円)
    ※ 日経平均株価は、それぞれの期末時点の終値です。


   【生命保険実績推移(表 16)】                                                               (単位:百万円)
             2017 年度       2017 年度             2018 年度       2018 年度        2019 年度          2019 年度
               上期            下期                  上期            下期             上期               下期
    販売額         13,821         13,859             16,529          16,712          12,477        12,794


   【預かり資産保有世帯数推移(表 17)】                                                               (単位:世帯)
                       2016/3 末          2017/3 末          2018/3 末        2019/3 末         2020/3 末
    預かり資産保有世帯              37,071              37,493           38,847           40,872         41,809
    ※ 投資信託、外貨預金、生命保険(一時払)
                        、国債のうち、いずれか1つでも残高がある世帯


(2)経営の効率化・最適化
  ① 最適な営業体制の確立
   イ. 効率的な営業体制の構築
       基本方針の一つであるリレーションの構築とソリューションの提供を図
      るため、統合効果や営業戦略を踏まえた効率的で強力な営業体制の構築に
      取り組んでまいりました。

                                          19
    2019 年度下期は、33FG 設立後においても店舗網が重複しない三重県内の
   鵜方エリア(志摩市)の 2 店舗で実施しているエリア制(効率的な営業活
   動の実現とエリア母店へ融資事務を集中化させることにより創出される人
   員を営業部門へ再配置し、営業力の強化を図ることを目的)について、10
   月から鵜方エリアで 2 店舗追加するとともに、尾鷲エリア(尾鷲市)を新
   設のうえ、同エリア内の 2 店舗でエリア制を開始いたしました。
    今後も、効率的で強力な営業体制の構築に取り組んでまいります。

ロ. 店舗の効率化・最適化
     三重銀行との合併を見据えた店舗ネットワークの最適化や店舗の効率化
   に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、合併を見据え、住宅ローンの相談窓口であるローンプ
   ラザ名古屋(名古屋市昭和区)をローンプラザ徳重(名古屋市緑区)に統
   合(2020 年 4 月実施)することを決定し、愛知県内におけるローンプラザ
   拠点の最適化に取り組んだほか、上期に三重県内の 2 店舗で開始したお昼
   時間帯の窓口営業休止について、11 月から新たに三重県及び和歌山県内の
   9 店舗で開始し、店舗運営の効率化を図りました。
     今後も、33FG の最適な店舗ネットワークの構築に向け、店舗の効率化・
   最適化に取り組んでまいります。

② ローコストオペレーションの実現
 イ. 本部業務等の共通化・効率化
      これまで取り組んできた BPR を引き続き推進するとともに、統合効果を
    最大限発揮し、三重銀行とのノウハウ・リソースの共有・相互活用により
    本部業務等の共通化・効率化に取り組んでまいりました。
      2019 年度下期は、住宅ローンに加えて事業融資や個人ローンも融資事務
    の本部集中化の対象業務とする取組みについて、当初計画通り対象店舗を
    50 店舗まで拡大いたしました。今後、2020 年 6 月に 1 店舗対象店舗に追加
    し、未実施店舗については合併後に実施してまいります。
      今後も、本部業務等の共通化・効率化への取組みを推進し、ローコストオ
    ペレーションの実現を図ってまいります。

ロ. 物件費等のコスト削減
    2020 年 3 月期における物件費は、経営強化計画策定時には織り込んでい
   なかった合併・システム統合関連費用の発生を主因に、計画を 5 億 56 百
   万円上回る 81 億 76 百万円となりました。
    引き続き、外部コンサルタント会社の支援で得た経費削減ノウハウを活
   用するとともに、三重銀行との協働によるコストシナジー施策の早期実現
   により銀行全体の経費削減に取り組んでまいります。



                     20
   【物件費の計画・実績(表 18)】                                  (単位:百万円)
                    2019/3 期        2019/9 期          2020/3 期
                      実績              実績         計画              実績
     物件費                 7,817           4,009    7,620            8,176
       うち機械化関連費用         3,528           1,808    3,238            3,855


      2020 年 3 月期における人件費は、効率的な人件費の配分に努めた結果、
     計画を 4 億 64 百万円下回る 106 億 29 百万円となりました。
      今後も、経営資源の再配置を進め、営業力の強化を図るとともに、収益
     力に応じた効率的な人件費の配分を実施してまいります。

   【人件費の計画・実績(表 19)】                                  (単位:百万円)
                    2019/3 期        2019/9 期          2020/3 期
                      実績              実績         計画              実績
     人件費                10,920           5,408    11,093          10,629


   【従業員数の計画・実績(表 20)】                                       (単位:人)
                   2019/3 末         2019/9 末          2020/3 末
                      実績              実績         計画              実績
     期末従業員数              1,958           1,959     2,031           1,890
       正行員               1,346           1,356     1,368           1,302
       嘱託・パート              612             603        663             588


(3)人材力の強化
  ① 高いコンサルティング力を有する人材の育成
   イ. コンサルティング営業ができる人材の育成
       お客さまのニーズに的確に対応し、最適なソリューションを提供するた
      め、高度なコンサルティング力を有する人材の育成を図ってまいりました。
       2019 年度下期は、「目利き入門塾」   (係長以下の行員が対象)と「目利き
      師範塾」  (主に係長から支店長代理の行員が対象)の 2 講座体制で開講して
      いる目利き能力向上研修について、      「目利き入門塾」を開講し、7 名が受講
      いたしました。
       また、渉外担当者全般を対象とした 7 講座から成る「事業融資スキルア
      ップ講座」  (債権管理編、企業再生編、外為ソリューション編、アプローチ
      編、 与信判断編、 マーケティング編、    財務分析編)    のうち、
                                          「アプローチ編」、
      「与信判断編」「マーケティング編」「財務分析編」を開催するなど企業
               、             、
      分析能力やコンサルティング力の向上に努めました。
       このほか、金融商品運用相談担当者(行内 FA)や住宅ローン等に対する
      高度な知識や推進のスキルを有するローンアドバイザー(LA)を育成して
      おり、3 月末時点で行内 FA は 222 名、LA は 28 名となりました。
       今後も、これらの取組みを実施することにより、高度なコンサルティン
      グ力を発揮できる人材の育成を図ってまいります。
                               21
   【行内 FA・LA の人員推移(表 21)】                                                     (単位:人)
                  2017/3 末                  2018/3 末          2019/3 末         2020/3 末
    行内 FA                    235                       240              234               222
    LA                           13                     15               22                28


 ロ. 若年職員の能力向上
     若年職員の能力向上を図るため、預かり資産の販売や融資の推進に関す
    る研修と OJT の充実に取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、引き続き、新入行員研修や同年次研修(2 年次、 年次)
                                       3
    の中で、外部機関主催の預かり資産基礎研修を実施するとともに、複合商
    品を活用したコンサルティングセールス能力の向上を目的として、若手
    渉外行員を対象に提案力強化研修を実施したほか、若手渉外行員の融
    資分析能力・判断能力・顧客対応能力の向上を目的とした渉外融資能力向
    上研修を開催いたしました。
     今後も、若年職員の能力向上を図ってまいります。

② 働き方の改革等による組織の活性化
 イ. 働き方の改革と女性職員の活躍促進
      働き方の改革や女性職員の更なる活躍機会拡充に取り組むことで、職員
    一人ひとりが最大限に能力を発揮できる機会の拡充を図るとともに、多様
    な人材を受け入れる環境整備に取り組んでまいりました。
      2019 年度下期は、 引き続き、2018 年に策定した行動計画「Lady Go! Next
    Work Style プログラム」(女性職員だけでなく全職員が働きやすい職場づ
    くりを目指すとともに、働き方の改革を推進)等に沿って、女性管理職の
    育成・登用等女性職員の活躍促進、育児・介護と仕事の両立、柔軟な働き
    方の促進、若手職員の育成など働きやすい環境整備を進めました。
      具体的には、働きやすい職場環境の整備の一環として、2020 年 1 月に全
    店で敷地内完全禁煙にいたしました。
      また、三重銀行と女性役席養成研修等を合同で実施するなど女性管理職
    の育成・登用に取り組んだ結果、2020 年 3 月末時点での女性管理職(代理
    以上及び担当席以上)は 110 名となっております。
      今後も、これらの取組みを通じて組織の活性化、生産性の向上を図って
    まいります。

   【女性管理職の推移(表 22)】                                                           (単位:人)
                2017/3 末                   2018/3 末          2019/3 末          2020/3 末
    管理職                    101                        111               106               110
    ※ 女性管理職:代理以上及び担当席以上の職員




                                      22
    【Lady Go!Next Work Style プログラム】
                              組織の活性化・生産性の向上

          働きやすい環境の整備               労働時間短縮への対応        非正規雇用の処遇改善
     ・女性の活躍促進                 ・時間外労働の削減         ・同一労働同一賃金への対応
     ・若手職員の育成                 ・有給休暇取得率の向上
     ・育児介護と仕事の両立、柔軟な働き方の促進等
     ・障がいのある方の雇用




  ロ. 職員等の意欲・能力向上に向けた職場環境の整備
       職員等の意欲・能力向上に向けた取組みを強化し、職場環境の充実に取
     り組んでまいりました。
       2019 年度下期は、引き続き、2 名のゼネラルカウンセラー(悩みなど心
     理的な問題の解決をサポートする相談員で、人事総務部に配置)が営業店
     等を訪問し、仕事や人間関係等の悩みを聞き取り、アドバイスを行うこと
     により、女性や若手を中心とした職員等のメンタルケアに努めるとともに、
     保健師 2 名による健康相談を定期的に実施し、役職員の健康の保持・増進
     に努めました。
       また、こうした取組みに加え、長時間労働の是正、年次有給休暇制度の
     取得率向上の取組み、定期健康診断やストレスチェック制度の実施などを
     戦略的に実践してきた結果、当行は、3 月に経済産業省及び日本健康会議が
     実施する「健康経営優良法人認定制度 (注)  」において、「健康経営優良法人
     2020(大規模法人部門) 」の認定を受けました。
       このほか、三重銀行との合併を見据え、職員のモチベーション向上に繋
     がる新しい人事制度について両行で継続的に検討しており、11 月には新人
     事制度の中間報告について職員に周知いたしました。
       今後も、職員等の意欲・能力向上に向けた取組みを強化するとともに、
     新しい人事制度について検討を進めてまいります。
      (注)地域の健康課題に即した取組みや日本健康会議が進める健康増進の取組みをもとに、特に優
          良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度


(4)内部管理態勢の強化と地域社会への貢献
  ① コンプライアンス態勢の強化
     業務の健全性及び適切性を確保するための最重要課題の一つとして、強固
    なコンプライアンス態勢の維持・構築に引き続き取り組んでまいりました。
     2019 年度下期は、引き続き、集合研修にコンプライアンス関連の講座を組
    み入れ、関連部等が講師となって職員に対して指導するとともに、2 月には営
    業店長等を対象に「コンプライアンス・リスク管理方針」に関する研修を実施
    し、担当役員が営業店の役割の重要性について周知徹底するなどコンプライア
    ンス意識の向上を図りました。
     また、コンプライアンス統括部所属の臨店指導員等による延べ 104 店舗の

                                   23
 臨店指導を通じて営業店の法令等遵守状況の点検及び職員面接により、  コンプ
 ライアンスの取組状況を検証いたしました。
  反社会的勢力への対応状況等については、コンプライアンス委員会への報
 告とともに、 ヶ月毎に取締役会へ報告する態勢としており、 月開催の取締
        6                     11
 役会において 9 月末時点での対応状況等について報告いたしました。
  また、1 月からコンプライアンス統括部による臨店時に「テロ・マネロン・
 反社検索」システムの運用の適切性について検証・指導を開始し、営業店の反
 社会的勢力に対する対応状況のモニタリング態勢の強化を図りました。
  今後も、当行の業務の健全性及び適切性の確保に向け、コンプライアンス
 態勢の強化を図ってまいります。

② リスク管理態勢の強化
   将来にわたり金融仲介機能を安定的に発揮し、地域経済活性化に貢献する
  とともに、安定した収益を確保していくため、景気・金利等見通しを前提に、
  適正な流動性を保持しつつ、市場リスク、信用リスク、事務リスク、システム
  リスク等を統合的に管理する体制の維持 向上に引き続き取り組んでまいりま
                       ・
  した。
   2019 年度下期は、自己資本を信用リスク、市場リスク、 オペレーショナル・
  リスクにそれぞれ配賦し、各リスクと配賦資本との差額(バッファ)を継続的
  にモニタリングするとともに、33FG 共通のテクニカル・ヒストリカルストレ
  ステスト等を実施し、   リスクカテゴリー毎の自己資本の十分性を確認いたしま
  した。
   また、新銀行の統合リスク管理態勢を見据え、自己資本充実度評価制度の
  見直しを行い、統合リスク管理の強化を図りました。
   具体的には、資本配賦方法について、これまでのリスクカテゴリー別(信
  用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスク)に配賦していたものを、
  収益管理等との整合性を勘案した事業部門別   (営業部門、 部門、
                               ALM  市場部門、
  資本部門)  に配賦する方法に変更するとともに、 引き続きリスクカテゴリー別
  の状況もモニタリングする態勢といたしました(2020 年度運用開始) 。
   今後も、多様化・複雑化する金融手法や事業継続に伴う各種リスクに対す
  るリスク管理の強化を図ってまいります。

③ 顧客保護等管理態勢の強化
   お客さまの正当な利益の保護や利便性の向上に向けた取組みを引き続き強
  化してまいりました。
   2019 年度下期は、33FG の「お客さま本位の業務運営に関する基本方針」に
  則って業務が遂行されているかについて、     コンプライアンス統括部が延べ 104
  店舗を臨店し、リスク商品販売等の業務の適切性を検証・指導したほか、営業
  店において苦情が発生した場合には、     「苦情勉強会」を開催し、再発防止策等
  について支店職員全員で協議を行うなどの取組みを実施いたしました。

                    24
   また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライ
  ンに即したリスクに応じた厳格な顧客管理を行うとともに、    在留期限到来予定
  の外国人顧客向け案内文書を多言語化(2020 年 4 月開始)するなど実効的な
  管理・運営態勢の構築に努めました。
   今後も、顧客保護管理態勢の強化に資する取組みを実施してまいります。

④ CSR の取組強化
    地域金融機関として、地域の持続的な発展に向け、地域社会が抱える少子
  高齢化等の社会問題への対応について積極的に取り組んでまいりました。
    具体的には、    2014 年度以降、  亀山市、志摩市、鳥羽市など三重県内の 15 市町、
  及び奈良県桜井市と高齢者等支援事業に関する協定を締結し、             徘徊 SOS ネットワ
  ークへの参画や職員の認知症サポーターへの登録の励行など高齢者の方が暮ら
  しやすい街づくりに各行政機関と連携して継続的に取り組んでまいりました。
    2019 年度下期は、    33FG において、経営理念に基づく CSR に関する基本方針を
  制定したほか、CSR 活動の取組みとして、三重県内で環境保全、次世代育成支
  援に取り組む NPO 団体の活動を応援するため、       「三十三フィナンシャルグループ
  NPO 応援基金」を通じて両行で 19 団体に対して寄付を実施いたしました。
    さらに、33FG では、国連が提唱する SDGs(Sustainable Development Goals)
  の達成に貢献するため、 三十三フィナンシャルグループ SDGs 宣言」
                     「                           を制定し、
  4 月に公表いたしました。今後、33FG では、企業活動を通じて国連が提唱する
  SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することで、持続可能な社会の実現
  に努めてまいります。
    このほか、当行では、両行が共催し三重県内の小学生を対象にしたバスケッ
  トボール大会を支援したほか、環境保全活動を促進することを目的とした「キ
  ッズ ISO14000 プログラム」を伊勢市内の小学生を対象に実施するなど、地域
  の青少年の育成を支援する取組みを行いました。
    今後も、各行政機関等との連携強化を図りつつ、こうした取組みを積極的
  に推進してまいります。


                      三十三フィナンシャルグループのCSRの基本方針

      三十三フィナンシャルグループは、経営理念「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、地域とともに成長し、
      活力あふれる未来の創造に貢献します。」のもと、社会的責任を果たし、地域に貢献する企業としてCSR活動に積極的に取り組みます。

     1. 地域経済への貢献
        地域産業・企業の持続的な発展への支援を通じて、地域経済の活性化に貢献します。
     2. 地域社会への貢献
        地域の文化活動、福祉活動およびスポーツ振興の支援や金融教育等を通じて、地域社会の活性化に貢献します。
     3. 環境保全への貢献
        地域における環境活動や環境に配慮した金融商品・サービスの提供を通じて、環境課題の解決に向け貢献します。




                               25
                    三十三フィナンシャルグループSDGs宣言


        三十三フィナンシャルグループは、経営理念「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、
        地域とともに成長し、活力あふれる未来の創造に貢献します。」のもと、企業活動を通じて国連が提唱する
        SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することで、持続可能な社会の実現に努めてまいります。



                    三十三フィナンシャルグループの取り組み

    重点課題           対応するSDGs                33FGの主な取り組み

                                ・33FGビジネスプランコンテストの開催
                                ・ONSEN・ガストロノミー・ウォーキングの開催支援
                                ・インターネットショッピングモール「リージョネット三重」の運営
(1)地域経済の持続的発展
                                ・地域商社「ネーブル・ジャパン」への参画
   への貢献
                                ・三重県6次産業化サポートセンターの受託
                                ・さんぎん農業法人投資事業有限責任組合の活用
                                ・さんぎん成長事業応援投資事業有限責任組合の活用



                                ・スポーツ振興支援
                                ・金融リテラシー教育の実施
(2)持続可能な地域社会                    ・NPO応援基金の実施、NPO交流会の開催
   の実現                          ・三銀ふるさと文化財団の運営
                                ・地公体との協働による取組み
                                ・ISOコンサルティング




                                ・森林保全活動の実施
                                ・EV車用急速充電器の設置
(3)地域の環境保全
                                ・熊野古道定期による寄付実施
                                ・再生エネルギー活用支援




                                ・子育て、介護支援施策の実施
                                ・女性活躍の推進
(4)働きがいのある                      ・多様な人材の活躍推進
   職場づくり                        ・働き方改革の推進
                                ・銀行敷地内全面禁煙の実施
                                ・健康経営優良法人(大規模法人部門)2020




                                ・コンプライアンスの徹底
(5)健全経営の実践
                                ・マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策の取組み




                              26
4.従前の経営体制の見直しその他の責任ある経営体制の確立に関する事項の進捗状況
(1)業務執行に対する監査又は監督の体制の強化のための方策
  ① 33FG の経営管理体制
   イ. 取締役会
        業務執行に対する監査・監督機能の強化及び業務執行の意思決定の迅速
      性・機動性の向上を実現しうる経営管理体制を構築するため、監査等委員
      会設置会社としております。
        取締役会は、取締役 12 名(うち監査等委員である取締役 4 名、2020 年 3
      月末時点)で構成され、グループの基本方針及び重要事項に係る意思決定
      を行うとともに、取締役の職務の執行状況を監督しております。
        また、取締役会の業務執行に関する権限の一部を委任し、重要事項を協
      議・決定する機関としてグループ経営会議、コンプライアンス委員会及び
      ALM・リスク管理委員会を設置しております。
        今後も、より一層ガバナンス体制の強化を図ってまいります。

   ロ. 監査等委員会
        監査等委員会は、監査等委員である取締役 4 名(うち社外取締役 3 名、
      2020 年 3 月末時点)で構成されております。
        監査等委員である社外取締役は、監査等委員会の構成員として、会社法
      上の権限(業務監査権限、経営評価権限等)を有しており、業務執行者に
      対する適切な監査・監督機能を発揮できる体制としております。
        また、常勤の監査等委員を選定し、当該常勤監査等委員がグループ経営
      会議等の重要な会議に出席することにより、監査等委員会において情報共
      有を図る体制としております。
        さらに、任意の機関として指名委員会及び報酬委員会を設置し、取締役
      候補者の選定や取締役の報酬等に関する社外取締役の関与・助言の機会を
      適切に確保する体制としております。

  ② 第三銀行の経営管理体制
   イ. 取締役会
       取締役会の牽制機能の強化を図るため、会長・頭取体制とし、会長は取
      締役会の議長として経営全般の管理にあたり、頭取は執行部門の最高責任
      者としての立場で直接経営の陣頭指揮を執っております。
       また、監査等委員会設置会社として、取締役会の決議によって重要な業
      務執行の決定の一部を常務会に委任することで、業務執行の意思決定の迅
      速性・業務執行の機動性の向上を図っております。
       さらに、監査等委員会設置会社体制の下、業務執行の役割を担う取締役
      の位置づけを明確にし、経営の意思決定の迅速化と取締役会の更なる実効
      性の向上を図るとともに、将来の経営を担う人材の育成に資する体制整備
      を図るため、2018 年 6 月には執行役員制度の見直しを実施したほか、取締

                       27
    役会の多様性を十分確保するとともに、中長期的な企業価値向上を図るた
    め、同年 6 月より女性の監査等委員である社外取締役 1 名を選任しており
    ます。
     このほか、当行グループの更なる連携強化とグループ経営の意思決定を
    より迅速かつ機動的に行うことを目的に、2019 年 8 月に子会社 2 社を完全
    子会社化し、これにより連結子会社すべてが完全子会社となりました。
     今後も、より一層ガバナンス体制の強化を図ってまいります。

  ロ. 監査等委員会
      監査等委員会は、 監査等委員である取締役 3 名    (うち社外取締役 2 名(う
     ち女性社外取締役 1 名、2020 年 3 月末時点))で構成しております。
      また、監査等委員である社外取締役は、監査等委員会の構成員として、
     会社法上の権限(業務監査権限、経営評価権限等)を有しており、業務執
     行者に対する適切な監査・監督機能を発揮できる体制としております。
      さらに、任意の諮問機関として指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設
     置し、取締役候補者の選定や取締役の報酬等に関する社外取締役の関与・
     助言の機会を適切に確保する体制としております。
      今後も、内部統制部門や 33FG の監査等委員会との連携を図りながら、監
     査等委員会の監査機能の発揮等を通じ、業務執行に対する監査体制の強化
     を図ってまいります。

(2)リスク管理の体制の強化のための方策
  ① 33FG のリスク管理態勢
      グループ全体のリスクを管理・統括するため、グループリスク管理の基本
    方針を定め、リスク管理統括部署としてリスク統括部を設置しております。
      また、社長を委員長とし、代表取締役及び業務執行取締役を中心に構成す
    る「ALM・リスク管理委員会」を設置しており、毎月 1 回及び必要が生じた場
    合に開催し、   リスク管理に係る取締役会議案の事前協議、グループリスク管理
    の運営方針のほか子銀行の資本使用計画等について討議しております。

 ② 第三銀行のリスク管理態勢
    銀行内業務の中で発生するリスク全体をモニタリングし、適切な管理を行
   うため、頭取を委員長とし、取締役を中心に構成する「リスク管理委員会」を
   設置して毎月 1 回及び必要が生じた場合に開催し、事業年度毎のリスク管理運
   営方針や各種リスク管理の状況とその対応等について協議 決定しております。
                               ・
    また、同委員会では、3 ヶ月毎に経営強化計画の進捗管理を行い、適切な計
   画の実施を確保しているほか、  金融機能強化法の趣旨を踏まえ、地域経済の活
   性化の観点から、  事業性融資の地域別の信用リスク量の状況を把握・管理して
   おります。
    なお、「リスク管理委員会」での協議をより深度のあるものとするため、取

                      28
締役及びリスク管理委員会の構成員並びに関係者に各種リスクと管理の現状
を記載した行内資料である「Sangin Risk Report」を配布しております。

イ. 統合的リスク管理態勢強化のための方策
    33FG のグループリスク管理体制の下、子銀行共通の統合的リスク管理態
   勢の構築に取り組んでまいりました。
    具体的には、2018 年 4 月から統合リスク管理における自己資本額を、こ
   れまでのバーゼルⅢ経過措置ベースから、同完全実施ベースの自己資本の
   額から一般貸倒引当金を控除したものに改め、これを信用リスク、市場リ
   スク、オペレーショナル・リスクを可能な限り統一的な尺度で計測・合算
   したものと比較対照し、その差額(バッファ)及びバッファに有価証券の
   含み損益を加減算した額(最終バッファ)をモニタリングすることで、自
   己資本の十分性を確認してまいりました。
    また、新銀行の統合リスク管理態勢を見据え、資本配賦方法について、
   これまでのリスクカテゴリー別に配賦していたものを、事業部門別に配賦
   する方法に変更するとともに、リスクの評価方法の見直しも行うなど当行
   と三重銀行の統合リスク管理の枠組みを統一いたしました(2020 年度運用
   開始) 。
    今後も、33FG との連携を一層強化するとともに、統合リスク管理部門を
   中心として信用リスク担当部門と市場リスク担当部門等との連携強化によ
   り、当行の特性及びリスク・プロファイルに応じた実効性のある統合的リ
   スク管理態勢の強化に取り組んでまいります。

ロ. 信用リスク管理態勢強化のための方策
   「リスク・マネージメント・トータル・プラン」に信用リスク管理の基
  本方針、信用リスク管理規定、クレジットポリシーをそれぞれ定め、リス
  ク管理を行ってまいりました。
   具体的には、大口与信集中リスクについて、大口与信先管理規程のクレ
  ジットリミットに基づくモニタリングを行い、常務会における大口与信先
  レビューで個社・グループ別に今後の取組方針を決定のうえ、適切に事業
  先を管理してまいりました。
   また、大口信用供与等管理規程の該当先は、案件取組前にリスク統括部
  と連携して残高確認等を行ったうえで、与信管理を行ってまいりました。
   与信ポートフォリオについては、大口与信先の動向や業種別、格付別、
  地域別の与信残高構成の推移等を分析・検証することにより与信集中リス
  クを管理するとともに、定例的なシナリオに基づくストレステストを毎月
  実施し、ストレス時における信用リスク量を計量することなどにより信用
  リスク管理の強化を図ってまいりました。
   個別与信案件の審査については、要資事情を正確に把握のうえ、事業先
  の実態把握を行い、的確な与信判断に努めているほか、審査部門による短

                  29
  期倒産・短期のリスケジュール(返済計画の見直し)が発生した店舗、案
  件組成・融資管理面で指導が必要と判断した店舗を中心に臨店指導を行う
  とともに、拠点研修、審査トレーニー及び主要先の個別管理を実施し、営
  業店における第一次審査の能力向上を図ってまいりました。
   さらに、短期倒産や突発破綻の事例について、倒産要因や取組経緯等の
  傾向分析を行ったうえで行内周知し、与信判断のノウハウを職員全員が共
  有することにより、職員の目利き能力の向上に取り組んでまいりました。
   また、2019 年度下期は、与信ポートフォリオ分析の対象に「ミドルリス
  ク先」及び「三重県中南部地域」を加え、格付別・業種別などのポートフ
  ォリオ分析を実施し、当行の重要施策などの内包リスクを適切に把握する
  ことで、与信管理の強化や営業戦略の立案に繋げていくこととしたほか、
  常務会における大口与信先レビューの対象先のうち、外部格付会社から高
  い格付を取得している先などを対象外とすることで、レビューの実効性を
  高めました。
   今後も、これらの取組みに加え、本部と営業店の連携や営業店での支店
  長席、渉外担当席、渉外担当者等による重層的な事業先管理を一層強化す
  ることにより、信用リスク管理態勢の強化を図ってまいります。

ハ. 不良債権の適切な管理のための方策
    実質破綻先・破綻先のうち大口債権、延滞が長期化している債権を中心
   に個別に回収計画を策定し、常務会への報告(管理債権上位 20 社のレビュ
   ー)等を通じ、債務者の実態把握を強化するとともに、本部・営業店が連
   携して回収促進を図ってまいりました。
    また、突発破綻や短期倒産などデフォルト事象抑制に向けた債務者の信
   用力に応じた中間管理を徹底するなど予兆管理の高度化を図ることで、不
   良債権の発生防止に努めるとともに、本部の企業支援部が所管する特定債
   権先等の中でランクアップが見込める先に対して、本部・営業店が一体と
   なり、経営改善計画の策定支援や外部支援機関の活用等コンサルティング
   機能の発揮を通じてランクアップを推進してまいりました。
    これらの取組みにより、2020 年 3 月末の金融再生法開示債権残高(単体)
   は 290 億円、不良債権比率は 2.19%と低水準で推移いたしました。
    今後も、不良債権の適切な管理を強化することにより、健全な資産の維
   持・向上等に努めてまいります。

【金融再生法開示債権残高の実績推移(表 23)】                                   (単位:百万円、%)
                     2017/3 末           2018/3 末      2019/3 末      2020/3 末
       項目
                       実績                 実績            実績            実績
 金融再生法開示債権残高              23,874             29,157        28,035        29,065
 不良債権比率                     1.87      2.25     2.09            2.19
※当行は部分直接償却を実施しております。           部分直接償却前の不良債権比率は、2019/3 末 2.51%、2019/9
 末 2.54%、2020/3 末 2.65%となります。



                                   30
  ニ. 市場リスク管理態勢強化のための方策
      金融市場の急激な変動が生じた場合でも、財務基盤の安定を確保し、従
     来以上に中小規模事業者等への安定的かつ円滑な資金供給を維持・拡大す
     る体制を構築するため、より一層市場リスク管理態勢の強化を図る必要が
     あるとの認識の下、投資有価証券の種類別ロスカット管理や有価証券の損
     失限度管理を適切に行うなど市場リスク管理の実効性の確保を図ってまい
     りました。
      また、バリューアットリスクによる市場リスク量の計測結果の妥当性の
     検証について、リスク統括部が株式等の VaR 計測結果に対するバックテス
     トを月次で実施するとともに、感応度分析によるストレス評価を実施し、
     市場リスクの多面的な分析を行ってまいりました。
      このほか、有価証券損失限度額管理について、限度額をバーゼルⅢ完全
     実施ベースの自己資本額を基準に設定する方法に変更するなど三重銀行と
     管理方法等を統一いたしました(2020 年度運用開始)。
      今後も、有価証券運用に対して、フロント部門から独立したリスク統括
     部がミドル部門として牽制機能を発揮することにより、実効性あるリスク
     管理を実施してまいります。

(3)法令遵守の体制の強化のための方策
  ① 33FG の法令等遵守体制
      法令等遵守をグループ経営の最重要課題の一つとして位置づけ、法令等遵
    守態勢の基本方針として、取締役会で「経営理念」「企業倫理」及び「行動規
                             、
    範」 を制定するとともに、 グループの役職員の法令等遵守の着実な実践を図る
    ため、  「コンプライアンスマニュアル」及び「コンプライアンス規程」を制定
    しております。
      また、社長を委員長とし、代表取締役及び業務執行取締役を中心に構成す
    る「コンプライアンス委員会」を設置しており、原則毎月 1 回及び必要が生じ
    た場合に開催し、  コンプライアンスプログラムの策定のほか法令等遵守全般及
    び顧客保護等管理全般に関する事項等について討議する体制としております。

 ② 第三銀行の法令等遵守体制
    法令等遵守を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、全行的なコンプラ
   イアンス意識の醸成及び法令等遵守の実効性の向上を目的に、    コンプライアン
   ス委員会を最低月 1 回開催し、コンプライアンスマニュアルの改定やコンプラ
   イアンス・プログラムの策定、発生した法務問題等に対応しております。
    また、コンプライアンス・プログラムを年1回策定し、その成果や改善状
   況の評価・検証をより長期的かつ継続的に実施しております。
    これらの取組みについて、  「コンプライアンス委員会」で深度ある協議を実
   施し、コンプライアンス態勢の強化と PDCA サイクルの改善を図っております。
    今後も、これらの取組みを通じ、より強固なコンプライアンス態勢の確立

                   31
    を目指してまいります。

(4)経営に対する評価の客観性の確保のための方策
  ① 33FG の経営に対する評価の客観性確保のための方策
      任意の機関として指名委員会及び報酬委員会を設置し、取締役候補者の選
    定や取締役の報酬等に関する協議・決定を行うこととしております。
      両委員会とも、代表取締役 2 名及び社外取締役 3 名の計 5 名で構成(2020
    年 3 月末時点)され、社外取締役が過半数を占めることにより、取締役候補者
    の選定や取締役の報酬等の決定プロセスの透明性の確保を図っております。
      今後も、経営に対する評価の客観性の確保に努めてまいります。

  ② 第三銀行の経営に対する評価の客観性確保のための方策
     経営に対する評価の客観性を確保するとともに、   社外取締役による直接的な
    経営へのアクセスをより一層強化するため、監査等委員会設置会社としてお
    ります。監査等委員会は、監査等委員である取締役 3 名(うち社外取締役 2
    名(うち女性社外取締役 1 名))で構成しており、取締役に対して監査・監督
    を行うほか、監査等委員以外の取締役の選任や報酬等について、監査等委員
    会の意見の決定を行うなどにより、経営に対する客観性の確保を図っており
    ます。
     また、取締役会の任意の諮問機関として指名諮問委員会及び報酬諮問委員会
    を設置し、取締役候補者の選定や取締役の報酬等に関する社外取締役の関
    与・助言の機会を適切に確保する体制としております。
     今後も、内部統制部門や 33FG の監査等委員会との連携強化を図るなど、よ
    り一層、監査等委員会の監査・監督機能の強化を図ってまいります。

(5)情報開示の充実のための方策
  ① 33FG の四半期毎の情報開示の充実
      証券取引所への適時開示、プレスリリース、ホームページへの掲載等を通
    じ、迅速かつ正確な四半期情報の開示を行いました。
      今後も、 迅速かつ正確で、より広く分かりやすい開示に努めてまいります。

  ② 第三銀行の主として業務を行っている地域への貢献に関する情報開示の充実
     2019 年 6 月には、33FG が東京で開催した投資家向けインフォメーションミー
    ティングを活用し、地域への貢献に関する取組等の情報開示を行いました。
     また、地域密着型金融の推進に向けた取組等を通じた地域経済の活性化への
    様々な取組等について、       「金融仲介機能のベンチマーク」を活用してディスクロ
    ージャー誌、ホームページで開示いたしました。
     このほか、    33FG では、2019 年 6 月から 7 月にかけて松阪市、四日市市、津市、
    熊野市、名古屋市、大阪市など 9 会場にて「お客さま懇親会」を開催し、お客さ
    まに対して 33FG の施策等について説明いたしました。

                          32
    今後も、開示内容及び活動の充実を図るとともに、積極的な開示を通じた地域
   の利用者の評価を各業務に適切に反映させてまいります。

(6)持株会社における責任ある経営管理体制の確立に関する事項
  ① 子会社の議決権の保有
     33FG は、当該経営強化計画を実施する子会社(第三銀行)の完全親会社で
    あり、議決権 100%を保有しております。

 ② 子会社の経営管理
  イ. 取締役
      取締役 12 名のうち監査等委員である取締役 4 名を除く取締役は、子銀行
     となる第三銀行または三重銀行の取締役等を兼職しております。
      なお、代表取締役 2 名については、第三銀行及び三重銀行の代表取締役
     頭取が兼職しております。
      また、監査等委員である取締役を除く取締役は、子銀行における取締役
     または執行役員としての経験及び知見を有していることから、ガバナンス
     機能を発揮するうえで、子銀行の経営管理を的確・円滑・公正に遂行する
     ことができ、かつ十分な社会的信用を有しております。

  ロ. 監査等委員
      監査等委員は、4 名のうち 3 名を社外取締役としております。これにより
     第三者的な立場から公正かつ有効に監査機能が発揮できる体制としており
     ます。
      また、監査・監督機能を強化するため、常勤の監査等委員を選定してお
     り、当該常勤監査等委員がグループ経営会議など重要な会議に出席し、業
     務執行取締役等から情報収集を行い、監査等委員会において情報共有を図
     っております。
      以上により、子銀行の管理をより確かなものとし、適切な経営管理と運
     営並びに銀行業務の健全かつ適切な運営に資する体制としております。




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5.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の主として業務を行っている地域
  における経済の活性化に資する方策の進捗状況
(1)中小規模の事業者に対する信用供与の残高および総資産に占める割合
  【中小規模事業者等向け信用供与の残高、比率(表 24)】 (単位:億円、%)
               2018/3 期                                              2020/3 期
                                    2019/9 期
                 実績
                                      実績                                                計画始期
              (計画始期)                                計画            実績        計画比
                                                                                         対比
  中小規模事業者等向
                      6,374                 6,434     6,459        6,439        △19           65
  け貸出残高
  総資産                20,286             20,355       20,420       19,665        △754      △621

  総資産に対する比率           31.42                 31.60     31.63        32.74         1.11        1.32
  ※中小規模事業者等向け貸出とは、銀行法施行規則第 19 条の 2 第 1 項第 3 号ハに規定する別表第一におけ
   る中小企業等から個人事業者以外の個人を除いた先に対する貸出で、かつ次の貸出を除外しております。
   政府出資主要法人向け貸出および特殊法人向け貸出、土地開発公社向け貸出等、大企業が保有する SPC
   向け貸出、当行関連会社向け貸出、その他金融機能強化法の趣旨に反するような貸出


     事業性評価に基づく融資や本業支援の強化を重要施策の一つとして掲げ、      リ
   レーションシート等を活用した事業性評価に基づく融資などを通じて事業先
   向け貸出金の増強に取り組んでまいりました。
     また、適切なリスク管理の下、  三重県中南部地域の活性化支援やミドルリス
   ク先に対する融資や本業支援の取組みの強化を図りつつ、33FG が地元として
   いる三重県、愛知県を中心に中小規模事業者等向け貸出金の増強に取り組ん
   でまいりました。
     こうした取組みの結果、2020 年 3 月期における中小規模事業者等向け信用
   供与の残高は 6,439 億円と計画を 19 億円下回りましたが、計画始期対比では
   65 億円増加いたしました。
     また、総資産に対する比率は 32.74%となり、計画を 1.11 ポイント上回り
   ました。

  【事業性融資の信用リスク量(UL)(表 25)】                                                 (単位:百万円)
                  2017/3末                2018/3末                 2019/3末             2020/3末
               UL       構成比           UL       構成比            UL       構成比        UL       構成比
   三重県          5,472     49.2%        5,865     48.9%         6,285    41.0%      5,826    37.5%
    うち中南部地域     3,755     33.8%        3,812     31.8%         3,628    23.7%      3,376    21.7%
   愛知県          1,436     12.9%        1,829     15.3%         1,904    12.4%      1,744    11.2%
   大阪府