7267 ホンダ 2020-09-01 15:30:00
日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ及び日信工業の経営統合に伴うケーヒンの完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお知らせ [pdf]

                                                        2020 年9月1日
各 位
                                       会 社 名     本田技研工業株式会社
                                       代表者名    取締役社長 八郷 隆弘
                                           (コード番号 7267 東証第一部)
                                       問合せ先     事業管理本部経理部長
                                                            内藤 浩
                                                (TEL. 03-3423-1111)



日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード7251)
                                     、株式会社ショーワ(証券コード
             7274)及び日信工業株式会社(証券コード7230)の経営統合に伴う
         株式会社ケーヒンの完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお知らせ


 本田技研工業株式会社(以下「公開買付者」といいます。
                          )は、2019 年 10 月 30 日付で公表した「日立オートモ
ティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード 7251)
                                、株式会社ショーワ(証券コード 7274)及び日
信工業株式会社(証券コード 7230)の経営統合に伴う株式会社ケーヒンの完全子会社化のための公開買付けの開
始予定に関するお知らせ」
           (以下「公開買付者 10 月 30 日プレスリリース」といいます。
                                           )及び同日付で公表した
「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ及び日信工業株式会社の経営統
合に関するお知らせ」
         (以下「本統合プレスリリース」といいます。
                             )にてお知らせしておりますとおり、株式会社
ケーヒン(株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。
                                 )市場第一部(以下「東証第一部」と
いいます。、証券コード 7251、以下「対象者」といいます。、株式会社ショーワ(東証第一部、証券コード 7274、
     )                        )
以下「ショーワ」といいます。
             )及び日信工業株式会社(東証第一部、証券コード 7230、以下「日信工業」といい、
対象者及びショーワと併せて、以下「本対象3社」といいます。
                            )を公開買付者の完全子会社とした上で、株式会
社日立製作所(東証第一部、証券コード:6501、以下「日立製作所」といいます。
                                      )の完全子会社である日立オー
トモティブシステムズ株式会社(以下「日立オートモティブシステムズ」といいます。
                                      )を存続会社、本対象3社
を消滅会社とする吸収合併(以下「本吸収合併」といいます。
                           )を実施することにより経営統合(以下「本統合」
といいます。
     )を行うことについて、2019 年 10 月 30 日(以下「本基本契約締結日」といいます。
                                                  )付で、日立
オートモティブシステムズ、対象者、ショーワ、日信工業及び日立製作所との間で、経営統合に関する基本契約
(以下「本基本契約」といいます。
               )を締結いたしました。本基本契約の詳細は、下記「1.買付け等の目的等」
の「
 (3)本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。
 公開買付者は、公開買付者 10 月 30 日プレスリリースに記載のとおり、2019 年 10 月 30 日開催の取締役会にお
いて、本基本契約に基づき、本統合に向けた一連の取引の一環として、対象者の普通株式(以下「対象者株式」と
いいます。
    )の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。以下同
じです。
   )を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とするために、①各国の競争当局の企業結合に関する届出
許可等、各国の関係当局の許認可等が得られること、②対象者が、本基本契約に基づき、対象者株式に対する公開
買付け(以下「本公開買付け」といいます。
                   )の賛同及び応募推奨に関する決議を実施し、その公表を行っており、
かつ本基本契約締結日から公開買付者が本公開買付けの開始を決定する日(以下「本公開買付開始決定日」といい
ます。
  )までの間、当該決議を変更せず、それと矛盾する内容の取締役会決議を行っていないこと等の一定の前提
条件(以下「本前提条件」といいます。
                 )が充足された場合に、対象者株式を対象とする本公開買付けを実施する
ことを決定いたしました。今般、公開買付者は、2020 年8月 26 日にタイの競争法に基づく必要な手続及び対応が
完了したことを受けて、各国の関係当局の許認可等が得られることを含む本前提条件がいずれも充足され本公開買
付けを開始する条件が整ったことを確認したため、2020 年9月1日、本公開買付けを開始することを決定いたし
ました。


                               記

                               1
1.買付け等の目的等
(1)本公開買付けの概要
 公開買付者は、本日現在、東証第一部に上場している対象者株式 30,581,115 株(所有割合(注1)41.35%)
を所有しており、対象者を持分法適用関連会社としております。
 公開買付者は、公開買付者 10 月 30 日プレスリリース及び本統合プレスリリースにてお知らせしておりますと
おり、本対象3社を公開買付者の完全子会社とした上で、本吸収合併を実施することにより本統合を行うことに
ついて、2019 年 10 月 30 日付で、日立オートモティブシステムズ、対象者、ショーワ、日信工業及び日立製作
所との間で、本基本契約を締結いたしました。本基本契約の詳細は、下記「
                                 (3)本公開買付けに関する重要な
合意」をご参照ください。


 公開買付者は、公開買付者 10 月 30 日プレスリリースに記載のとおり、2019 年 10 月 30 日開催の取締役会に
おいて、本基本契約に基づき、本統合に向けた一連の取引の一環として、対象者株式の全てを取得し、対象者を
公開買付者の完全子会社とするために、本前提条件が充足された場合に、対象者株式を対象とする本公開買付け
を実施することを決定いたしました。今般、公開買付者は、2020 年8月 26 日にタイの競争法に基づく必要な手
続及び対応が完了したことを受けて、各国の関係当局の許認可等が得られることを含む本前提条件がいずれも充
足され本公開買付けを開始する条件が整ったことを確認したため、2020 年9月1日、本公開買付けを開始する
ことを決定いたしました。


 なお、公開買付者が 2019 年 10 月 30 日付で公表した「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社
ケーヒン(証券コード 7251)
               、株式会社ショーワ(証券コード 7274)及び日信工業株式会社(証券コード 7230)
の経営統合に伴う株式会社ショーワの完全子会社化のための公開買付けの開始予定に関するお知らせ」
                                             、及び、
「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード 7251)
                                       、株式会社ショーワ(証券
コード 7274)及び日信工業株式会社(証券コード 7230)の経営統合に伴う日信工業株式会社の完全子会社化の
ための公開買付けの開始予定に関するお知らせ」
                     (総称して、以下「その他対象2社プレスリリース」といいま
す。
 )にてお知らせしておりますとおり、公開買付者は、2019 年 10 月 30 日開催の取締役会において、本公開買
付けと同様に、本基本契約に基づき、本統合に向けた一連の取引の一環として、ショーワ及び日信工業の2社を
公開買付者の完全子会社とするために、ショーワ及び日信工業それぞれの普通株式を公開買付けにより取得する
ことも決定しております。ショーワ及び日信工業に対する公開買付け(本公開買付けと併せて、以下「本対象3
社公開買付け」といいます。
            )においても、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、各国の関係当局の
許認可等が得られること等の一定の事項が充足されることが開始の前提条件となっておりましたが、今般、当該
一定の事項が充足され、ショーワ及び日信工業に対する公開買付けについても開始する条件が整ったことを確認
したため、公開買付者は、2020 年9月1日、ショーワ及び日信工業に対する公開買付けを開始することも決定
いたしました(詳細は、公開買付者が 2020 年9月1日付でそれぞれ公表した「日立オートモティブシステムズ
株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード 7251)
                        、株式会社ショーワ(証券コード 7274)及び日信工業株式会社
(証券コード 7230)の経営統合に伴う株式会社ショーワの完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお
知らせ」及び「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン(証券コード 7251)、株式会社
ショーワ(証券コード 7274)及び日信工業株式会社(証券コード 7230)の経営統合に伴う日信工業株式会社の
完全子会社化のための公開買付けの開始に関するお知らせ」をご参照ください。。
                                    )
 公開買付者は、本公開買付けにおいては、買付予定数の下限を 18,723,485 株(注2)
                                             (所有割合 25.32%)と
設定しており、本公開買付けに応募された対象者株式(以下「応募株券等」といいます。
                                       )の総数が買付予定数
の下限に満たない場合には、応募株券等の全ての買付け等を行いません。他方、公開買付者は、本公開買付けに
おいて対象者を完全子会社化することを目的としておりますので、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券
等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全ての買付け等を行います。なお、買付予定数の下限
(18,723,485 株)は、対象者が 2020 年8月6日に提出した第 80 期第1四半期報告書(以下「対象者第 80 期第
1四半期報告書」といいます。
             )に記載された 2020 年6月 30 日現在の発行済株式総数(73,985,246 株)から、
対象者が 2020 年8月6日に公表した 2021 年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕
                                            (連結)
                                               (以下「対象者
2021 年3月期第1四半期決算短信」といいます。
                        )に記載された 2020 年6月 30 日現在の対象者が所有する自己
                               2
株式数(28,417 株)を控除した株式数(73,956,829 株)に係る議決権の数(739,568 個)の3分の2(493,046
個)
 (小数点以下切り上げ)に、対象者の単元株式数である 100 株を乗じた数を基礎として、これから公開買付
者が本日現在所有する対象者株式(30,581,115 株)を控除した数に設定しております。
 (注1)
    「所有割合」については、対象者第 80 期第1四半期報告書に記載された 2020 年6月 30 日現在の発行
      済株式総数(73,985,246 株)から、対象者 2021 年3月期第1四半期決算短信に記載された同日現在
      の対象者が所有する自己株式数(28,417 株)を控除した株式数(73,956,829 株)に対する割合(小
      数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同様です。
                                           )を記載してお
      ります。
 (注2)公開買付者 10 月 30 日プレスリリースにおいては、買付予定数の下限は 18,724,185 株と記載されて
      おりましたが、2020 年6月 30 日までに、対象者が所有する自己株式数が 27,332 株から 28,417 株に
      変化していることから、これに伴い買付予定数の下限を 18,723,485 株に変更しております。


 公開買付者は、対象者を完全子会社化することを目的としているため、本公開買付けが成立し、公開買付者が、
対象者株式の全てを取得できなかった場合には、対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下
「本完全子会社化取引」といい、本公開買付けと併せて、
                         「本取引」といいます。
                                   )を実施する予定です。また、
公開買付者は、ショーワ及び日信工業についても本完全子会社化取引と同様の方法で公開買付者の完全子会社と
するための一連の手続(本完全子会社化取引と併せて、以下「本対象3社完全子会社化取引」といいます。
                                               )を
それぞれ実施する予定です。公開買付者は、本対象3社完全子会社化取引の完了後、本吸収合併を実施する予定
であり、本吸収合併の効力発生日は、①本対象3社完全子会社化取引のいずれも、下記「
                                       (5)本公開買付け後
の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                         」記載の本株式売渡請求によって行う場合には、2021
年1月から2月頃に、②本対象3社完全子会社化取引のいずれかが、下記「
                                 (5)本公開買付け後の組織再編等
の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                   」記載の本株式併合によって行われる場合には、2021 年2月から3
月頃になる予定です。詳細については、下記「
                    (2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意
思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 本統合のストラクチャー」及び「
                                         (5)本公開買付け
後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                          」をご参照ください。


 一方、対象者によって公表された 2019 年 10 月 30 日付「日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社
ケーヒン、株式会社ショーワ(証券コード 7274)及び日信工業株式会社(証券コード 7230)の経営統合に向け
た当社関係会社である本田技研工業株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明の
お知らせ」
    (以下「対象者 10 月 30 日プレスリリース」といいます。
                                  )によれば、対象者は、2019 年 10 月 30 日
開催の対象者取締役会において、本公開買付けに関して、同日時点における対象者の意見として、本公開買付け
が開始された場合、これに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応
募を推奨することを決議したとのことです。


 その後、2020 年7月 30 日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく手続
及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、対象者に対して、当該手続及び対応が 2020 年8月 14
日までに完了することを条件に、2020 年8月 18 日に公開買付けの開始を決定することに向けた準備を開始する
よう要請しました。もっとも、2020 年8月 14 日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応が完了していなかっ
たため、公開買付者は、同日付で、対象者に対して、本公開買付けの開始を 2020 年8月 18 日に決定しない旨を
通知しました。その後、2020 年8月 26 日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争
法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020 年8月 27 日、その他の本前提条件が充足さ
れることを前提に 2020 年9月2日を公開買付けの開始日(以下「公開買付開始日」といいます。
                                              )として本公開
買付けを開始したい旨を対象者に対して連絡いたしました。対象者が 2020 年9月1日に公表した「日立オート
モティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ(証券コード 7274)及び日信工業株式会
社(証券コード 7230)の経営統合に向けた当社関係会社である本田技研工業株式会社による当社株式に対する
公開買付けの開始に関する意見表明のお知らせ」
                     (以下「対象者9月1日プレスリリース」といい、対象者 10 月
30 日プレスリリースと併せて「対象者プレスリリース」といいます。
                                )によれば、対象者は、これを受けて、
2020 年7月 30 日、下記「
                (4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための
                                 3
措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に
記載のとおり、本特別委員会に対して、2019 年 10 月 30 日付答申書の意見に変更がないかを検討し、対象者取
締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したとのことで
す。本特別委員会は、かかる諮問を受けて検討を行った結果、2020 年9月1日付で、委員全員一致の決議によ
り、対象者取締役会に対し、答申書(以下「2020 年9月1日付答申書」といいます。
                                        )を提出したとのことです。
  このような中、今般、公開買付者は、本前提条件がいずれも充足され本公開買付けを開始する条件が整ったこ
とを確認したため、2020 年9月1日、本公開買付けを開始することを決定いたしました。
  これに対して、対象者は、2020 年9月1日付答申書及び 2020 年8月 31 日付対象者株式価値算定書(下記
「
(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの
公正性を担保するための措置」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」
において定義されます。以下同じです。
                 )等を踏まえて、2020 年9月1日開催の取締役会において、本公開買付
けに関する諸条件について改めて慎重に検討した結果、本公開買付けについて、下記「
                                      (2)本公開買付けの実
施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「⑤ 対象者にお
ける意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、
対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
  なお、対象者の上記両取締役会決議は、対象者プレスリリースによれば、公開買付者が本公開買付け及びその
後の手続により対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていること、対象者株式が上場廃止とな
る予定であること並びに本吸収合併を含む本統合を実施することを前提として行われたものであるとのことです。


(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
  公開買付者グループは、2020 年3月 31 日現在、公開買付者、連結子会社 357 社及び本対象3社を含む持分法
適用関連会社 73 社(公開買付者と併せて、以下「公開買付者グループ」といいます。
                                        )で構成されており、事業
別には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業、ライフクリエーション事業(注1)及びその他の事業から構
成されております。公開買付者は、1946 年 10 月に本田宗一郎氏が静岡県浜松市に本田技術研究所を開設したこ
とに始まり、1948 年9月に本田技術研究所を継承して本田技研工業株式会社として設立され、1957 年 12 月に東
京証券取引所に上場し、本日現在においては、東証第一部に上場しております。
  (注1)発電機、芝刈機、汎用エンジン等のパワープロダクツ商品の提供及びエネルギービジネスを営む事業
  公開買付者グループは、
            「人間尊重」と「三つの喜び」
                         (買う喜び・売る喜び・創る喜び)を基本理念としてお
ります。これらの基本理念に基づき、
                「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の
高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。
                        」という社是を定め、これらを「Honda フィロソフィー」
として公開買付者グループで働く従業員一人ひとりの価値観として共有しているだけでなく、行動や判断の基準
として日々の企業活動を実践し、株主の皆様をはじめとする全ての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に
努めております。
  また、2017 年6月に制定した「2030 年ビジョン」においては、
                                   「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”
を提供する」
     、そのために「移動と暮らしの進化をリードする」というビジョンステートメントを定め、このス
テートメントを実現するために、『移動』と『暮らし』の価値創造」「多様な社会・個人への対応」及び「ク
              「               、
リーンで安全・安心な社会へ」という3つの視点で取り組みの方向性を定めました。
  一方、本日現在、対象者グループは、対象者、対象者の連結子会社 29 社(対象者と併せて、以下「対象者グ
ループ」といいます。
         )で構成されており、二輪車・四輪車部品の製造販売を主な事業としているとのことです。
また、公開買付者に製品の販売を行っており、継続的で緊密な事業上の関係にあるとのことです。対象者は
1956 年 12 月に神奈川県川崎市に設立され、1964 年 12 月に東京証券取引所市場第二部に上場し、1994 年9月に
は東証第一部に指定されたとのことです。そして、1997 年4月に株式会社ハドシス、株式会社電子技研と合併
し、同時に商号を株式会社ケーヒンに変更し、現在に至っているとのことです。
  対象者グループは、
          「人間尊重」
               (企業の中で一番大切な財産は「人」であり、一人ひとりが活き活きと輝いて
いることがパワーの源であるという信念を表しているとのことです。
                              )と「5つの喜び」
                                      (良き企業市民の模範と
なり社会と分かち合う喜び・高い技術と細やかな対応によりお客様と分かち合う喜び・良い共創関係により取引
先様と分かち合う喜び・魅力ある企業であり続けることにより株主様と分かち合う喜び・皆様からの共感と信頼
                               4
により私たち全員で分かち合う喜び)「人間尊重」に基づいて対象者グループの企業活動に関わりを持つすべて
                 (
の人たち一人ひとりと、いかに喜びを分かち合えたかが、行動の成果であるという信念を表わしているとのこと
です。)を基本理念とし、世界中の人々の生活が便利に豊かになるとともに、地球環境に影響の少ないモビリ
ティ(注2)社会に貢献するために、創業以来 60 年にわたり、クルマやバイクの「走る」に関する製品を数多
く生み出してきたとのことです。
 一方で、対象者グループを取り巻く事業環境は、二輪車・四輪車ともにグローバルの環境規制がより一層強化
されていくことが予想され、なかでも、二輪車においては、インドで 2020 年以降に FI(電子制御燃料噴射シス
テム)
  (注3)化が拡大するとともに、将来的には日本やアジアを中心に電動化に向けた取り組みが進展してい
くことが、四輪車においては、先進国を中心に電動化の取り組みが一層加速し、特に中国においては電動車の販
売が急速に拡大していくことが見込まれているなど、各種環境規制の世界的な厳格化に伴う電動化の進展に加え
て、安全性能向上、並びに車載センサーやカメラ等で認識した周囲の状況に応じた車体制御及び道路インフラや
周囲の走行車両との通信といった自動車から収集されるデータを活用する情報化への取り組みの活発化、市場
ニーズの多様化等が複雑に絡み合い、業界そのものが大きな変革の時期を迎えているとのことです。
 (注2)自動二輪車、自動車を含む移動機能の総称
 (注3)エンジンに入る空気の量をセンサーにて計測し、コンピューターが必要な燃料を計算して噴射する装
       置
 こうした状況の中、対象者グループは、2019 年 10 月 30 日現在においては、2017 年度から 2019 年度の3か年
計画である第 13 次中期経営計画を策定し、特に最終年度である 2019 年度においては同中期経営計画におけるグ
ローバル方針である「成長する強い会社・誇れる良い会社の実現」に向けて、以下の課題に取り組んできたとの
ことです。
 (ⅰ)二輪車の環境対応
    タイ、インドネシア、中国に続いて FI 化が始まる世界最大の二輪車市場であるインドにおいて、完成
   した新工場を含む、インド国内の5つの工場の従業員とお取引先様が一体となり、FI システムの4製品
   それぞれを約 1,000 万台規模で一斉に生産を始めこれを確実に実行し、二輪車・汎用製品事業を盤石なも
   のとしていくこと
 (ⅱ)四輪車の電動化対応
    電気自動車やハイブリッド車など電動車の販売の急速な拡大に対応するため、日本で電動車の心臓部と
   して駆動を制御する中核製品である次世代パワーコントロールユニット(注4)の生産を開始し、さらに、
   電動化がいち早く拡大すると見込まれる中国においても現地生産の開始に向けた準備を進めていくとのこ
   とです。今後、グローバルでますます拡大すると見込まれる四輪車の電動化に向け、開発と生産の両面で
   経営資源を集中させ、準備を進めていくこと
 (ⅲ)事業基盤の強化
    国内外での生産拠点において、工程の合理化や設備の自動化などを進め、製品のコスト競争力を高めて
   いくこと。また、次世代型の電動車製品や、お客様のニーズに合わせた競争力のあるガソリンエンジン用
   製品を開発するため、研究開発を強化していくとともに、新たなお客様の拡大に向けて、グローバルに展
   開した営業と開発が一体となり提案・サポート活動にも取り組むことで、持続的な成長を目指していくこ
   と
 (ⅳ)環境負荷低減に向けた取り組み
    地球環境に優しいモビリティを実現する製品開発を進めるほか、生産、購買、物流などの事業活動にお
   いても環境負荷低減に向けた取り組みを強化することで、ステークホルダーの皆様から共感と信頼を得ら
   れる企業へと進化できるよう取り組んでいくこと
 (注4)ハイブリッド車や電気自動車の発進、加速、減速時に発電用及び走行用モーターをコントロールする
       装置
 しかしながら、このような状況において、対象者グループは、パワーコントロールユニットの生産に着手する
など電動化に向けた対応を進めているものの、多額の設備投資が必要であることや、ソフト開発などに携わる技
術者の確保について課題となっているほか、電動車用製品領域のモジュール化(注5)
                                      、システム化の動向への
キャッチアップが必要な状況にあるとのことです。
 また、完成車メーカーにおけるコスト削減ニーズの高まり、海外現地生産へのシフト等に対応するため、完成
                               5
車部品メーカーにおいては、生産量の増大に伴う規模の効果によるコスト低減やグローバルな拠点でのタイム
リーな供給体制の構築が求められていることを受け、近年ではメガサプライヤー(注6)がその販売量を拡大さ
せており、これまで対象者グループが競争力を有していた製品領域において、そのようなメガサプライヤーとの
競争が厳しくなっているなど、競争環境のさらなる激化も見込まれているとのことです。
 (注5)新車開発時に他の車種にも応用可能な標準化された部品構成とすること
 (注6)大手自動車メーカーにグローバルに部品を供給する、売上規模が大きい企業の通称
 公開買付者及び対象者の関係については 1957 年に自動二輪車用気化器で取引を開始し、1965 年には、公開買
付者が対象者株式 35,200 株(当該時点における持株比率(自己株式を含む発行済株式総数に対する割合。小数
点以下第三位を四捨五入しております。以下本項において同じです。
                              )11.73%)を取得、1969 年、1971 年に株
主割当の方法により 35,200 株、35,200 株をそれぞれ取得し、公開買付者が所有する対象者株式は 105,600 株
(当該時点における持株比率 11.73%)となりました。その後、1972 年には第三者割当の方法により 314,900 株、
1973 年に 57,400 株、1974 年に 26,500 株をそれぞれ取得し、公開買付者が所有する対象者株式は 504,400 株
(当該時点における持株比率 45.85%)となりました。1978 年には 30,000 株を処分し、公開買付者が所有する
対象者株式は 474,400 株(当該時点における持株比率 43.13%)となりました。さらに、1980 年には公募等によ
り 32,200 株、1981 年には無償交付の方法により 132,420 株、1982 年には 95,200 株をそれぞれ取得し、公開買
付者が所有する対象者株式は 734,220 株(当該時点における持株比率 40.79%)となりました。1983 年の額面変
更により、公開買付者が所有する対象者株式は 7,342,200 株(当該時点における持株比率 40.79%)となりまし
た。1985 年には 65,000 株、1986 年には公募により 1,035,000 株、1987 年、1988 年、1989 年には無償交付の方
法により 844,220 株、464,321 株、292,522 株をそれぞれ取得し、さらに、1990 年には公募により 1,448,000 株
を取得し、公開買付者が所有する対象者株式は 11,491,263 株(当該時点における持株比率 34.82%)となりま
した。1997 年4月の株式会社ハドシス、株式会社電子技研との合併により 15,993,000 株を取得、2000 年には
2,000,000 株を処分、2001 年には株式分割により 5,096,852 株を取得し、同年以降は 30,581,115 株を所有し、
現在の所有割合(41.35%)に至っており、対象者が公開買付者の持分法適用関連会社となっております。事業
面においては、対象者が手掛けるエンジンマネジメントシステムは、公開買付者の主力製品である二輪車及び四
輪車における主要部品ということもあり、公開買付者と対象者は、お互いに重要なビジネスパートナーとして、
従来から密接な関係を構築してまいりました。なお、2020 年3月 31 日現在、公開買付者より対象者に対して 10
名の従業員が出向しておりますが、公開買付者から対象者に対して役員の出向は行われていません。


 近年、CO2(二酸化炭素)排出規制をはじめとした各種環境規制の世界的な厳格化、安全性能向上、並びに車
載センサーやカメラ等で認識した周囲の状況に応じた車体制御及び道路インフラや周囲の走行車両との通信と
いった自動車から収集されるデータを活用する情報化への取り組みの活発化、市場ニーズの多様化等が複雑に絡
み合い、自動車を中心とする世界のモビリティ業界そのものが大きな変革期を迎えております。このような外部
環境の変化に対応するため、国内外の完成車部品メーカーにおいては、業務提携、資本提携や事業買収等による
合従連衡が進められており、モビリティ業界における企業間の競争環境は今後一層激化していくことが見込まれ
ております。


 上記のような環境規制の厳格化、安全性能向上及び情報化への取り組みの活発化、市場ニーズの多様化を受け、
公開買付者は、モビリティメーカーの責務として環境・安全・情報化への対応に注力しており、カーボンフリー
社会と事故ゼロ社会の実現を目指し、
                「電動化技術の導入」と「先進安全技術の導入」を最重要項目として積極
的に取り組んでおります。しかし、ハイブリッド車や電気自動車等の電動車両を実現するための電動化技術や、
安全運転支援システム・自動走行システム(注7)等を実現するための先進安全技術といった、完成車の開発に
求められる次世代技術は、高度化・複雑化・多様化が進んでおり、従来完成車メーカーが単独で対応してきた技
術開発・商品開発のスピードと経営資源を大きく超える取り組みが必要となっていると考えております。また、
これらの次世代技術領域においては、情報・システム技術をはじめとする、従来の二輪車、四輪車に対しては十
分に活用されていなかった新しい技術が要求されることから、様々な異業種企業が進出するなど、競合他社の取
り組みが加速しております。このような状況の中で、公開買付者グループとして他社に先んじて優位なポジショ
ンを確立するためには、当該領域に機動的・集中的・効率的に経営資源を投下する必要があると考えております。
 (注7)安全運転支援システム・自動走行システムの定義(出所:2016 年 12 月7日 「自動運転レベルの定
                                    6
      義を巡る動きと今後の対応(案)
                    」内閣官房 IT 総合戦略室)

      分類                  概要             左記を実現するシステム

情報提供型          ドライバーへの注意喚起等
    レベル1:      加速・操舵・制動のいずれかの操作をシステム    「安全運転支援システム」
自   単独型        が行う状態
動   レベル2:      加速・操舵・制動のうち複数の操作を一度にシ
制   システムの複合化   ステムが行う状態
御   レベル3:      加速・操舵・制動を全てシステムが行い、シス
活   システムの高度化   テムが要請したときのみドライバーが対応する     「自動走行システム」
用              状態
型   レベル4:      加速・操舵・制動を全てシステムが行い、ドラ
    完全自動走行     イバーが全く関与しない状態


 また、完成車メーカーにおいては、グローバルな競争に勝ち残るべく、低コストでの製品提供を実現すること
も重要となってきており、完成車部品メーカーと協同し、開発体制のモジュール化、複数の車種間での車台や部
品の共通化等への取り組みを強化することが急務となっております。そうした中、完成車メーカーにおけるコス
ト削減ニーズの高まり、海外現地生産へのシフト等に対応するため、完成車部品メーカーにおいては、生産量の
増大に伴う規模の効果によるコスト低減やグローバルな拠点でのタイムリーな供給体制の構築が求められており、
近年ではメガサプライヤーがその販売量を拡大させております。公開買付者グループにおいては、完成車を開発
するに際し、市場のニーズに合致した最適な製品供給体制を目指し、個々の部品領域毎に公開買付者と本対象3
社を含む完成車部品メーカーとの間で綿密に連携してまいりましたが、上記のような状況の中、今後は公開買付
者と公開買付者グループ内の完成車部品メーカーとの共同開発体制をさらに発展させ、モジュール化、部品の共
通化に対応すべく、機械部品等のコンベンショナルな技術(注8)から電動化・情報技術まで幅広い領域での技
術を持ったサプライヤーとの包括的な開発体制を構築するとともに、公開買付者グループ全体として最適なサプ
ライチェーンの確立が必要と考えております。また、公開買付者グループとして、部品生産量の増大に伴う調
達・生産コストの低減を実現するためには、本対象3社において、公開買付者以外の完成車メーカーへの販売を
さらに強化することが課題であると考えております。
 (注8)既存部品に用いられている技術


 さらに、モビリティ産業における今後の成長市場であるアジアを中心とする新興国においては、引き続き底堅
い二輪車需要が見込まれるとともに、エントリー層を中心とした四輪車の普及が進んでおり、市場・貿易の自由
化、海外完成車メーカーのプレゼンス拡大、現地新興メーカーの台頭等による競争激化は不可避の状況にありま
す。このような成長市場でのグローバルな競争に勝ち残るためには、多様化する市場のニーズにスピーディーに
対応し、コスト競争力の高い製品をタイムリーに提供することが求められます。また、昨今の世界経済において
は、中国と米国の間での貿易摩擦や、英国のEU離脱等による不確実性が増しており、市場動向の予測が困難に
なってきております。このように多様化、複雑化する市場環境に柔軟かつ迅速に対応するためには、公開買付者
グループとして、開発・調達・生産・販売の各領域において地域・サプライヤー間の協調と連携を推進し、グ
ローバルサプライチェーンをさらに強化することが必要と考えております。


 このような事業環境において、公開買付者は、日立製作所の完全子会社であり、小型・軽量化、高出力化を推
し進めた電動車両用モーターを国内外の自動車メーカーに提供してきた日立オートモティブシステムズとの間で、
事業上の協力関係を模索してきました。具体的には、2017 年3月 24 日に日立オートモティブシステムズとの間
で合弁契約を締結し、同年7月3日に電動車両用モーターの開発、製造及び販売を事業として行う合弁会社とし
て日立オートモティブ電動機システムズ株式会社を設立しております。当該合弁会社において、日立オートモ
ティブシステムズと公開買付者の技術を結集し、電動車両の基幹部品であるモーターの共同研究開発を進めるこ
とで、グローバルに拡大する完成車メーカー各社の電動車両用モーター需要に対応できる体制の構築を目指して
おります。その他にも、公開買付者は、電動化技術、先進安全システム等の次世代技術領域の研究開発を本対象

                               7
3社及び日立オートモティブシステムズと共同で行っておりますが、競合他社も当該領域において大規模かつス
ピーディーな研究開発投資を進めており、公開買付者グループとして他社に先んじて優位なポジションを確立す
るためには、このような共同開発をより一層深化させる必要があると考えております。とりわけ、二輪車におい
てもハイブリッド車や電気自動車等の電動車両を実現するための電動化技術や、安全運転支援システム・自動走
行システム等を実現するための先進安全技術といった次世代技術の開発が必要となってくることが予想されてお
り、本対象3社が日立オートモティブシステムズの四輪車向け電動化技術、先進安全システム等の次世代技術を
二輪車領域の開発に活用することで、二輪車の完成車部品メーカーとしても他社に先んじて優位なポジションを
確立し、優れた競争力の実現を見込めるものと考えております。


 このような事業環境の大きな変革を背景に、公開買付者は、本対象3社を含む公開買付者グループの持続的な
成長及び収益力の向上のためには、公開買付者、パワートレインにおいて優れた技術を持つ対象者、サスペン
ション及びステアリングにおいて優れた技術を持つショーワ、ブレーキシステムにおいて優れた技術を持つ日信
工業、並びにパワートレインシステム、シャシーシステム及び安全システムにおいて優れた技術を持つ日立オー
トモティブシステムズの技術を結集し、強固な共同研究開発体制を構築することで、電動化や自動運転等の次世
代技術分野において、本対象3社を含む公開買付者グループ単独では獲得が困難と考えられる競争力のある技術
(勝ち技)を早期に確立するとともに、コンベンショナルな技術領域における効率的な開発・生産体制を築き、
高付加価値かつコスト競争力のある製品の供給を実現することが必要不可欠であるとの認識に至りました。
 一方で、電動化技術、先進安全システム等の次世代技術領域は、モビリティ業界が従来は十分には取り組んで
こなかった新たな分野であり、大規模かつタイムリーな投資が必要となる一方で、今後の市場の動向や要求され
る技術に不確定要素が多い等、これまでのモビリティビジネスに比して相対的にリスクが高く、短期的な業績変
動や株式市場からの評価によっては本対象3社の市場株価が悪影響を受けることも想定されます。そのため、公
開買付者は、対象者を含む公開買付者グループの中長期的な競争力強化のために必要と思われる経営施策を機動
的に実施していくにあたり、本対象3社の一般株主に対して将来の経営施策実現に伴う大幅な株価変動のリスク
を負担させることなく合理的な株式売却の機会を与えることが、本対象3社の少数株主の利益にも資するものと
考えました。


 以上の検討を踏まえ、公開買付者は、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作
所から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」
といいます。
     )を、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立したリー
ガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所をそれぞれ選任した上で、日立オートモティブシステムズ及び
日立製作所とともに、本公開買付けを含む本統合に関する初期的な検討・協議を開始いたしました。その後、当
該検討・協議の結果を踏まえ、公開買付者は、2019 年5月下旬、本対象3社の普通株式(以下「本対象3社株
式」といいます。
       )の全て(但し、公開買付者が所有する本対象3社株式及び本対象3社が所有する自己株式を
除きます。以下同じです。
           )を取得する方法により、対象者を含む本対象3社を公開買付者の完全子会社とした
上で、対象者を含む公開買付者グループの中長期的な競争力強化のために必要と思われる経営施策を機動的に実
施し得る体制の構築を目的として、日立オートモティブシステムズを存続会社とする本吸収合併を行うことが公
開買付者グループにとって最善の選択肢であるとの結論に至りました。そこで、公開買付者、日立オートモティ
ブシステムズ及び日立製作所は、2019 年6月初旬に対象者に対して本統合に関し、本対象3社株式を公開買付
け等の手続を通じて公開買付者が取得し、本対象3社を公開買付者の完全子会社とした上で、日立オートモティ
ブシステムズと本対象3社が日立オートモティブシステムズを存続会社とする吸収合併等の方法により統合し、
統合の結果、本吸収合併後の存続会社(以下「本統合会社」といいます。
                                )を議決権の 66.6%を保有する日立製
作所の連結子会社及び 33.4%を保有する公開買付者の持分法適用関連会社とすること等を内容とする初期的な
提案(以下「本提案」といいます。
               )を行いました。
 他方、対象者は、2019 年6月初旬の公開買付者からの本提案を受け、本公開買付けにおける買付け等の価格
(以下「本公開買付価格」といいます。
                 )及びその他の本取引の公正性を担保すべく、公開買付者、本対象3社、
日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機
関として株式会社経営共創基盤(以下「経営共創基盤」といいます。
                              )を、公開買付者、本対象3社、日立オー
トモティブシステムズ及び日立製作所から独立したリーガル・アドバイザーとして TMI 総合法律事務所をそれぞ
                          8
れ選任するとともに、本提案を検討するための対象者取締役会の諮問機関として、2019 年7月 30 日に本特別委
員会を設置したとのことです。
 そして、公開買付者は、対象者の了解を得て、2019 年7月中旬から同年9月上旬にかけて、対象者に関する
デュー・ディリジェンスを実施するとともに、公開買付者及び対象者は、両社の企業価値を一層向上させること
を目的として、本公開買付けを含む本統合の目的、本統合後の経営体制・方針、本統合における諸条件等につい
ての協議を続けてまいりました。さらに、公開買付者は、2019 年 10 月上旬以降、対象者との間で、本公開買付
価格に関して複数回に亘る協議・交渉を重ねてまいりました。その後、公開買付者は、2019 年 10 月下旬に、対
象者に対して、本公開買付けについて価格を含む諸条件の最終提案を行い、対象者との間で協議・交渉いたしま
した。
 その結果、2019 年 10 月下旬、公開買付者と対象者は、対象者を含む本対象3社を完全子会社化した上で、日
立オートモティブシステムズを存続会社とする本吸収合併を実行し、本統合を実施することが公開買付者グルー
プを取り巻く事業環境の変化に対応し、対象者を含む公開買付者グループ全体の企業価値向上に資する最善の方
策であるとの考えで一致いたしました。そこで、公開買付者は、2019 年 10 月 30 日付で、本基本契約に基づき、
本統合に向けた一連の取引の一環として、本前提条件が充足された場合に、対象者株式を対象とする本公開買付
けを実施することを決定いたしました。
 なお、その他対象2社プレスリリースにてお知らせしておりますとおり、公開買付者は、ショーワ及び日信工
業との間でも同様に本統合の実施について複数回に亘る協議・交渉を重ねた結果、2019 年 10 月 30 日開催の取
締役会において、本統合に向けた一連の取引の一環として、ショーワ及び日信工業それぞれの普通株式を公開買
付けにより取得することも決定しております。なお、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、
ショーワ及び日信工業に対する公開買付けにおいても、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、各国の
関係当局の許認可等が得られること等の一定の事項が充足されることが開始の前提条件となっております。


 そして、対象者グループは、経営環境の変化への対応及び本統合を見据えて、2020 年4月1日より新たにス
タートした第 14 次中期経営計画にて、同計画のグローバル方針である「統合シナジー最大化でグローバルメガ
サプライヤーへ成長」に向け、以下の事項を重点施策として取り組んでいるとのことです。
 ア お客様に喜ばれるソリューションとサービスの提供
       電動車用製品においては、トップランナーとしての地位を盤石なものとするため新技術の開発強化と
      事業基盤の構築を進めていくとのことです。ガソリンエンジン用製品においてはシステムやモジュール
      も含めた付加価値の拡大を進めていくとのことです。
 イ 対象者の良さ「熱意・誠実・スピード」を活かして信頼される存在へ
       対象者の良さを活かした成長を実現できるよう、事業、生産、開発、購買、品質、管理のすべての領
      域で体質を改善し収益力の向上を図り、強靭な基盤をつくりあげていくとのことです。また、製造業の
      基礎であるQ(品質)、C(コスト)
                      、D(デリバリー)のうち、Q(品質)が最も大切であるという原点
      に立ち返り、すべてのステークホルダーから信頼されるモノづくりの実現を目指していくとのことです。
 ウ 社会に求められるモビリティの新価値創造をリーディング
       事業環境の変化に対応し、オープンイノベーションの積極的な活用により世界中の先進の知見を集め
      ることで、社会を変えるようなモビリティの新価値の創造を目指して取り組んでいくとのことです。


 その後、本公開買付けの開始に向けて国内外の競争法に基づく手続及び対応が必要となる国及び地域が多数で
あり且つ関係当事者が6社になることに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により一部の国で
の競争当局の審査に時間がかかったことなどから、それらの完了までに相応の時間を要しましたが、2020 年7
月 30 日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく手続及び対応が完了する
見込みが立ったため、公開買付者は、対象者に対して、当該手続及び対応が 2020 年8月 14 日までに完了するこ
とを条件に、2020 年8月 18 日に公開買付けの開始を決定することに向けた準備を開始するよう要請しました。
もっとも、2020 年8月 14 日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応が完了していなかったため、公開買付者
は、同日付で、対象者に対して、本公開買付けの開始を 2020 年8月 18 日に決定しない旨を通知しました。その
後、2020 年8月 26 日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく手続及び
対応が全て完了したため、公開買付者は、2020 年8月 27 日、その他の本前提条件が充足されることを前提に
                            9
2020 年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨を対象者に対して連絡いたしました。対
象者9月1日プレスリリースによれば、対象者は、これを受けて、2020 年7月 30 日、下記「
                                              (4)本公開買付
価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するた
めの措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、本特別委員会に対して、2019
年 10 月 30 日付答申書の意見に変更がないかを検討し、対象者取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変
更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したとのことです。本特別委員会は、かかる諮問を受けて検討
を行った結果、2020 年9月1日付で、委員全員一致の決議により、対象者取締役会に対し、2020 年9月1日付
答申書を提出したとのことです。
 このような中、今般、本前提条件がいずれも充足され本公開買付けを開始する条件が整ったことを確認したた
め、公開買付者は、2020 年9月1日、本公開買付けを開始することを決定いたしました。
 これに対して、対象者は、2020 年9月1日付答申書及び 2020 年8月 31 日付対象者株式価値算定書等を踏ま
えて、2020 年9月1日開催の取締役会において、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討した
結果、本公開買付けについて、下記「⑤ 対象者における意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基
づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推
奨することを決議したとのことです。
 なお、対象者の上記両取締役会決議は、対象者プレスリリースによれば、公開買付者が本公開買付け及びその
後の手続により対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていること、対象者株式が上場廃止とな
る予定であること並びに本吸収合併を含む本統合を実施することを前提として行われたものであるとのことです。


 なお、本統合による対象者を含む公開買付者グループとして想定される具体的なシナジー効果は以下のとおり
です。


 (ⅰ)開発・生産体制の効率化と次世代技術の開発強化
      本対象3社と日立オートモティブシステムズの連携により、電動化技術、先進安全技術、車両制御技術
   といった、今後需要が広く見込まれる次世代技術領域での開発体制の強化が可能となると同時に、従来公
   開買付者グループ単独で開発をせざるを得なかったシステム・ITの分野において日立オートモティブシ
   ステムズの技術の提供を受けることで、公開買付者グループとして開発投資の選択と集中を図ることが可
   能となり、公開買付者グループ全体として最適な経営資源の配分の実現を見込んでおります。また、本統
   合会社での開発・生産分野において、技術領域間、地域拠点間での相互補完を推進することで、より高付
   加価値でコスト競争力のある製品の供給が可能となるほか、公開買付者をはじめとする完成車メーカーの
   需要増減に対して迅速かつ柔軟に対応できる供給体制の構築が可能となります。


 (ⅱ)公開買付者以外の完成車メーカーへの部品販売の増大による調達・生産コストの低減
      本統合会社においては、機械部品等のコンベンショナルな技術から電動化・情報技術まで幅広い領域に
   おける業界最先端の技術を基に、完成車メーカーとの包括的な開発体制を構築することが可能となり、世
   界的メガサプライヤーの一角として、公開買付者以外の完成車メーカーに対する販売の拡大が可能となり
   ます。これによる部品生産量の増大に伴い、規模の効果による調達・生産コストの低減が可能となり、国
   際的な競争優位に基づく優れた収益力と競争力の実現を見込んでおります。


② 本統合のストラクチャー
 本統合のストラクチャーは、以下のとおりです。


 (ⅰ)本対象3社公開買付けの実施
 各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、各国の関係当局の許認可等が得られること等の一定の事項
(詳細は、下記「
       (3)本公開買付けに関する重要な合意」
                         、及び、その他対象2社プレスリリースをご参照くだ
さい。
  )が充足されることを開始の前提条件として、公開買付者が本対象3社公開買付けをそれぞれ実施する予
定でしたが、今般、当該一定の事項が充足されましたので 2020 年9月2日より本対象3社公開買付けをそれぞ
れ実施いたします。
                            10
(注)図中の%は総株主の議決権に対する当該株主の保有議決権の割合を示しております。本項において以下
  同じです。


(ⅱ)本対象3社完全子会社化取引の実施
  本対象3社公開買付けのそれぞれが成立し、かつ公開買付者が本対象3社公開買付けが成立した本対象
 3社の普通株式の全てを取得することができなかった場合には、当該本対象3社の株主を公開買付者のみ
 とするための一連の手続を実施する予定です。対象者に対する本完全子会社化取引の詳細については、下
 記「
  (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                                     」をご参照ください。
 ショーワ及び日信工業についても本完全子会社化取引と同様の方法で公開買付者の完全子会社とするため
 の一連の手続である本対象3社完全子会社化取引をそれぞれ実施する予定です。




(ⅲ)本吸収合併の実施
  上記(ⅰ)の本対象3社公開買付け、
                  (ⅱ)の本対象3社完全子会社化取引の完了後、日立製作所の完
 全子会社である日立オートモティブシステムズを存続会社、本対象3社を消滅会社とする本吸収合併を行
 います。公開買付者及び日立製作所は、下記「
                     (3)本公開買付けに関する重要な合意」に記載のとおり、
 本基本契約において、本吸収合併に際して、公開買付者が保有する本統合会社の議決権の数が本統合会社
 の総株主の議決権の数の 33.4%となるような合併比率で、本統合会社の普通株式を合併対価として公開
 買付者に割り当てる旨を合意しております。日立製作所及び公開買付者は、本対象3社に対する公開買付
 けのうちの一部が成立しなかった場合その他本対象3社のうちの1社又は2社の完全子会社化が他の会社
 の完全子会社化よりも相当期間遅れることが見込まれる場合には、本対象3社のうち完全子会社化が完了
 した会社と日立オートモティブシステムズとの間で各本吸収合併を実施する予定です。なお、本吸収合併
 の効力発生時点での本対象3社の株式価値の合計と日立オートモティブシステムズの株式価値の比率が必
 ずしも上記の合併比率と一致しない可能性があることに鑑み、本対象3社完全子会社化取引の完了後、本
 吸収合併の効力発生までの間に、本対象3社の株式価値の合計と日立オートモティブシステムズの株式価
 値の比率を上記の合併比率と一致させることを目的として、本対象3社による自己株式の取得により本対
                       11
   象3社の株式価値の調整を行う予定です。本吸収合併の効力発生日は、①本対象3社完全子会社化取引の
   いずれも、下記「
          (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                                             」記載の
   本株式売渡請求によって行う場合には、2021 年1月から2月頃に、②本対象3社完全子会社化取引のい
   ずれかが、下記「
          (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
                                             」記載の
   本株式併合によって行われる場合には、2021 年2月から3月頃になる予定です。




 (ⅳ)本統合完了後
    本統合の完了後、公開買付者の本統合会社に対する議決権の保有割合は 33.4%となり、本統合会社は
   公開買付者の持分法適用関連会社となる予定です。公開買付者は、本統合の完了後においても本統合会社
   について引き続き公開買付者の重要なサプライヤーであると考えており、事業上の取引関係を継続するこ
   とを予定しております。




③ 本統合に伴う事業再編
 本統合会社と業容が異なる対象者が営む空調事業に関しては、本吸収合併の効力発生時点までに第三者に対し
て譲渡を実施する予定となっておりますが、対象者9月1日プレスリリースによれば、対象者が 2020 年3月 24
日に「
  (開示事項の経過)空調事業に関する覚書締結のお知らせ」として公表したとおり、対象者の日本及び東
南アジア、北米の空調事業(以下「本譲渡対象事業」といいます。
                             )に関して基本合意書を締結し、また対象者
が 2020 年6月4日に「当社連結子会社(孫会社)の持分譲渡に関するお知らせ」として公表したとおり、対象
者の完全子会社である株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー(以下「KTT」といいます。
                                           )が保有する中国
にある連結子会社(孫会社)である京濱大洋冷暖工業(大連)有限公司の全ての持分約 55%を第三者に譲渡する
旨を合意しているとのことです。このうち本譲渡対象事業については、①公開買付者が本譲渡対象事業の譲渡完
了後、本譲渡対象事業を顧客としてサポートする一定の合意をすること、②本譲渡対象事業の再編等を対象者の
費用負担で行うこと、③対象者が事業運営のため約 62 億円(提案時点での算定)を KTT に増資すること並びに
④本譲渡対象事業に関連する各種リスクを対象者が負担することなどを主要な条件として、本譲渡対象事業の事
業価値を備忘価額と評価する旨の法的拘束力のない提案を 2020 年8月4日付で受けているとのことです。対象
者としては当該提案を受け、公開買付者とともに、最終契約締結に向けて協議を続けていく所存であるとのこと
                          12
です。また、ショーワがその完全子会社である株式会社ホンダカーズ埼玉北(以下「ホンダカーズ埼玉北」とい
います。
   )を通して営むカーディーラー事業に関しては、本統合会社と業容が異なることから、本吸収合併の効
力発生時点までに、第三者に対してホンダカーズ埼玉北の株式譲渡を実施する予定となっておりましたが、2020
年3月 25 日付でショーワがテイ・エス テック株式会社との間で当該株式譲渡に関して株式譲渡契約を締結し、
同年5月 15 日付で株式譲渡を完了したとのことです。詳細については 2020 年3月 25 日付でショーワが公表し
ております「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」及び同年9月1日付でショーワが公表しており
ます「本田技研工業株式会社(証券コード:7267)による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明
及び応募推奨のお知らせ」をご参照ください。
 さらに、日信工業が 2019 年 10 月 30 日付の「合弁会社(持分法適用関連会社)の合弁解消と株式取得(子会
社化)に関するお知らせ」及び 2020 年1月 31 日付の「合弁会社の株式譲渡実行日に関するお知らせ」にて公表
しておりますとおり、公開買付者及び日信工業は、ヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン株式会社(2020
年2月3日に「日信ブレーキシステムズ株式会社」へ商号を変更。以下「NBSJ」といいます。
                                           )及びVEO
NEER NISSIN BRAKE SYSTEMS(ZHONGSHAN)CO.,LTD.(2020 年2月3日
に「NISSIN BRAKE SYSTEMS ZHONGSHAN CO.,LTD.(中山日信制動器系統有限
公司)
  」へ商号を変更。以下「NBSZ」といいます。
                       )について、日信工業の合弁パートナーであったVeon
eer,Inc.の完全子会社であるVeoneer ABが所有するNBSJ及びNBSZの全株式を公開買付
者と日信工業が共同で取得することについて、Veoneer ABとの間で 2019 年 10 月 30 日付で株式譲渡契
約を締結しておりましたが、2020 年2月3日にVeoneer ABが所有するNBSJ及びNBSZの全株式
を公開買付者と日信工業が共同で取得いたしました。近年の排気ガス及び燃費に対する厳しい環境規制や、長距
離航続可能な電気自動車、ハイブリッド車に対する需要の高まりを受け、NBSJ及びNBSZが主力製品とす
る回生ブレーキの市場規模は今後も拡大していくことが見込まれており、公開買付者及び日信工業において、日
信工業を含む公開買付者グループ全体としての企業価値向上の観点から慎重に検討を重ねた結果、NBSJ及び
NBSZの全株式を、公開買付者及び日信工業にて共同で取得することが適当と判断いたしました。


④ 本公開買付け後の経営方針
 上記「② 本統合のストラクチャー」に記載のとおり、本完全子会社化取引により対象者が公開買付者の完全
子会社となった後、日立オートモティブシステムズを存続会社として本対象3社を消滅会社とする本吸収合併を
行います。上記の一連の取引を含む本統合の完了後、本対象3社の企業文化を尊重しつつ、日立オートモティブ
システムズとの一体化を進め、公開買付者グループ全体としての持続的な成長、企業価値の最大化を実現してま
いります。
 具体的な本統合後の本統合会社の経営方針等については、本統合を通じて公開買付者グループとしてのシナ
ジー効果を最大限実現できる体制作りを目指し、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び
日立製作所(以下「全当事者」といいます。
                   )との間で協議してまいりました。全当事者は、統合準備委員会そ
の他の本統合に関する検討・協議を通じて、本統合会社の企業価値の最大化の観点から、本統合会社の運営に関
する具体的な事項に関し、本日までの間に、本統合会社の社是、役員体制及び組織形態等に関する検討を行って
おります。


⑤ 対象者における意思決定の過程及び理由
 対象者プレスリリースによれば、対象者は、2019 年6月初旬に公開買付者から本提案を受け、社内体制の整
備及び本提案の初期的検討を行った上で、下記「
                     (4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益
相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格
の公正性その他の本取引の公正性を担保すべく、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び
日立製作所から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として経営共創基盤を、リーガ
ル・アドバイザーとして TMI 総合法律事務所をそれぞれ選任するとともに、本提案を検討するために対象者の諮
問機関として 2019 年7月 30 日に本特別委員会を設置し、本取引の目的、本取引後の経営体制・方針、本取引の
諸条件等について、公開買付者との間で、複数回に亘る協議及び検討を重ねてきたとのことです。
 その結果、Ⅰ本対象3社と日立オートモティブシステムズの連携により、電動化技術、先進安全技術といった、
今後需要が広く見込まれる次世代技術領域での開発体制の強化が可能となると同時に、従来対象者グループ単独
                            13
で開発をせざるを得なかったシステム・ITの分野において日立オートモティブシステムズの技術の提供を受け
ることで、公開買付者グループとして開発投資の選択と集中を図ることが可能となり、公開買付者グループ全体
として最適な経営資源の配分の実現が可能となること、Ⅱ本統合後の本統合会社での開発・生産分野において、
技術領域間、地域拠点間での相互補完を推進することで、より高付加価値でコスト競争力のある製品の供給が可
能となるほか、公開買付者をはじめとする完成車メーカーの需要増減に対して迅速かつ柔軟に対応できる供給体
制の構築が可能となること、Ⅲ本統合会社においては、機械部品等のコンベンショナルな技術から電動化・情報
技術まで幅広い領域における業界最先端の技術を基に、完成車メーカーとの包括的な開発体制を構築することが
可能となり、世界的メガサプライヤーの一角として、公開買付者以外の完成車メーカーに対する販売の拡大が可
能となることから、これによる部品生産量の増大に伴い、規模の効果による調達・生産コストの低減が可能とな
り、国際的な競争優位に基づく優れた収益力と競争力の実現を見込まれることなど、本統合は、対象者グループ
の企業価値向上に資する極めて有効な手段であるとの認識を有するに至ったとのことです。
 その上で、対象者グループを取り巻く事業環境や対象者グループの経営課題を踏まえれば、完成車部品メー
カーとして他社に先んじて優位なポジションを確立し、優れた競争力の実現を図ることで、対象者グループの企
業価値の最大化、ひいては対象者グループの従業員、お取引先様、少数株主といったステークホルダーの利益を
中長期的に確保していくためには、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所の
技術を結集し、強固な共同研究開発体制を構築することで、電動化や自動運転等の次世代技術分野において、対
象者単独では獲得が困難と考えられる競争力のある技術(勝ち技)を早期に確立するとともに、コンベンショナ
ルな技術領域における効率的な開発・生産体制を築き、高付加価値かつコスト競争力のある製品の供給を実現す
ることが必要不可欠であること、一方で、これらの体制の下で、電動化や自動運転等の次世代技術分野における
研究開発等、積極的な施策を実施していく場合には、大規模かつタイムリーな投資が必要となる一方で、今後の
市場の動向や要求される技術に不確定要素が多い等、これまでの対象者グループビジネスに比して相対的にリス
クが高く、短期的な業績変動や株式市場からの評価によっては対象者の市場株価が悪影響を受けることも想定さ
れるなど、短期的なリスクに対象者の少数株主を晒すことは適切ではなく、対象者の少数株主に対して将来の経
営施策実現に伴う株価下落のリスクを負担させることなく合理的な株式売却の機会を与えることが、対象者の少
数株主の利益にも資するとの認識に至ったとのことです。


 また、本公開買付価格については、
                (a)本公開買付価格が、下記「
                              (4)本公開買付価格の公正性を担保する
ための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 対象
者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、経営共創基盤による対象者
株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、
ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。
                                  )の算定結果の範囲内にあること、
(b)本公開買付価格が、東証第一部における、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である 2019 年 10
月 29 日の対象者株式の終値 1,898 円に対して 36.99%(小数点以下第三位を四捨五入。本項において以下、プ
レミアムの計算において同じです。、同日までの過去1ヶ月間(2019 年9月 30 日から同年 10 月 29 日まで)の
               )
終値の単純平均値 1,696 円(小数点以下を四捨五入。本項において以下、終値の単純平均値の計算において同じ
です。
  )に対して 53.30%、同日までの過去3ヶ月間(2019 年7月 30 日から同年 10 月 29 日まで)の終値の単純
平均値 1,550 円に対して 67.74%、同日までの過去6ヶ月間(2019 年5月7日から同年 10 月 29 日まで)の終値
の単純平均値 1,537 円に対して 69.16%のプレミアムがそれぞれ加算されており、完全子会社化を目的とした他
の公開買付けの事例におけるプレミアム水準との比較においても相応のプレミアムが付されていると考えられる
こと、
  (c)本公開買付価格の決定に際しては、下記「
                       (4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び
利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公
正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなさ
れていると認められること、
            (d)本公開買付価格が、上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、公
開買付者と対象者の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が行われ、より具体的には
経営共創基盤による対象者株式の株式価値に係る算定結果の内容や本特別委員会との協議等を踏まえながら、真
摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として提案された価格であること等を踏まえ、2019 年 10 月 30 日開
催の取締役会において、本公開買付けは対象者の株主の皆様に対して、相当なプレミアムを付した価格での合理
的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。
                               14
 以上より、2019 年 10 月 30 日開催の取締役会において、2019 年 10 月 30 日時点における対象者の意見として、
本公開買付けが開始された場合、これに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開
買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
 その後、2020 年7月 30 日時点で本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争法に基づく手続
及び対応が完了する見込みが立ったため、公開買付者は、対象者に対して、当該手続及び対応が 2020 年8月 14
日までに完了することを条件に、2020 年8月 18 日に公開買付けの開始を決定することに向けた準備を開始する
よう要請しました。もっとも、2020 年8月 14 日時点でタイの競争法に基づく手続及び対応が完了していなかっ
たため、公開買付者は、同日付で、対象者に対して、本公開買付けの開始を 2020 年8月 18 日に決定しない旨を
通知しました。その後、2020 年8月 26 日をもって本公開買付けの開始に向けて取得が必要となる国内外の競争
法に基づく手続及び対応が全て完了したため、公開買付者は、2020 年8月 27 日、その他の本前提条件が充足さ
れることを前提に 2020 年9月2日を公開買付開始日として本公開買付けを開始したい旨を対象者に対して連絡
いたしました。対象者9月1日プレスリリースによれば、対象者は、これを受けて、2020 年7月 30 日、下記
「
(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの
公正性を担保するための措置」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、本特別委
員会に対して、2019 年 10 月 30 日付答申書の意見に変更がないかを検討し、対象者取締役会に対して、変更が
ない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したとのことです。本特別委員会は、
かかる諮問を受けて検討を行った結果、2020 年9月1日付で、委員全員一致の決議により、対象者取締役会に
対し、2020 年9月1日付答申書を提出したとのことです。このような中、今般、本前提条件がいずれも充足さ
れ本公開買付けを開始する条件が整ったことを確認したため、公開買付者は、2020 年9月1日、本公開買付け
を開始することを決定いたしました。これに対して、対象者は、改めて本公開買付けについて検討をした結果、
(i)上記のとおり、本特別委員会より 2020 年9月1日付答申書が提出されるなど、本公開買付けに賛同するため
の前提条件がいずれも充足されたといえること、(ii)本公開買付価格が、下記「
                                     (4)本公開買付価格の公正性
を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の
「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、経営共創基盤よ
り改めて取得した 2020 年8月 31 日付対象者株式価値算定書に基づく算定結果において、2019 年 10 月 29 日付
対象者株式価値算定書と同様に、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、
DCF法の算定結果の範囲内にあること、及び(iii)2019 年 10 月 30 日開催の対象者取締役会以降、新型コロナ
ウイルス(COVID-19)の感染拡大が、モビリティ産業全体を取り巻く環境に大きな影響を与えており、対象者と
しては本統合により経営基盤の安定と競争力強化の必要性が一層高まったと考えており、本公開買付けに関する
判断を変更する要因はないことから、2020 年9月1日現在においても、本公開買付価格及び本公開買付けに関
する諸条件は妥当であり、本公開買付けは対象者の株主の皆様に対して、相当なプレミアムを付した価格での合
理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2020 年9月1日開催の対象者取締役会におい
て、本公開買付けについて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本
公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。


(3)本公開買付けに関する重要な合意
 公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所は、本基本契約締結日付で本基本契
約を締結しております。本基本契約の詳細は以下のとおりです(なお、本基本契約は、2020 年6月1日付経営
統合に関する基本契約の変更合意書及び 2020 年8月 13 日付経営統合に関する基本契約の変更合意書(2)により
変更されております。なお、これらの変更合意書は、本対象3社及び日立オートモティブシステムズの事業に関
する事前承諾事項及び対象者の空調事業の再編の内容を一部変更するものですが、以下の①乃至④の事項は変更
されておりません。。
         )
 ① 公開買付者による本公開買付けの実施
     公開買付者は、以下の各号記載の条件の全てが充足されていることを前提条件として、本公開買付け
    を実施する。
   イ) 対象者が、本公開買付けの賛同及び応募推奨に関する決議を実施し、その公表を行っており、かつ、
      本基本契約締結日から本公開買付開始決定日までの間、当該決議を変更せず、それと矛盾する内容の
      取締役会決議を行っていないこと
                               15
  ロ) 対象者が、自らの株式を対象とする公開買付けが対象者の少数株主にとって不利益でない旨の第三者
    意見(注1)を取得しており、かつ、当該意見が維持されていること
   (注1)対象者において設置された特別委員会の意見を意味します。以下同じです。
  ハ) 本基本契約における対象者の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確であること
  ニ) 本基本契約に基づき、日立製作所、日立オートモティブシステムズ及び対象者が履行し又は遵守すべ
    き義務が、重要な点において全て履行され、又は遵守されていること
  ホ) 公正取引委員会が、本取引について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和 22 年
    法律第 54 号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。
                                       )第 50 条第1項に基づく
    通知をしない旨の通知をしていること
  ヘ) 全当事者が合意した日本以外の法域における競争法に基づき本取引について必要となる、外国競争法
    当局への届出又は待機期間の満了若しくは早期終了、外国競争法当局による承認その他の手続が完了
    していること
  ト) 本取引を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は関係当局等の判断等も存在していないこと
  チ) 対象者又は日立オートモティブシステムズの連結ベースでの事業、資産、負債、財政状態、経営成績、
    キャッシュフロー若しくは将来の収益計画に重大な悪影響を与える事由又は事象が生じていないこと、
    その他本公開買付けの実行の判断に重要な影響を与える事象が対象者グループ各社又は日立オートモ
    ティブシステムズ、子会社及び関連会社(日立オートモティブシステムズと併せて、以下「日立オー
    トモティブシステムズグループ」といいます。
                        )各社において生じていないこと
  リ) 天災地変その他公開買付者の責に帰さない事由により、本公開買付けの開始が社会通念上不可能と認
    められる影響が生じていないこと
  ヌ) 対象者及びその子会社に関する重要事実で、未公表のものが存在しないこと
  ル) 対象者から公開買付者に対して重要事実差入書(本公開買付開始決定日において、対象者又はその子
    会社に関する重要事実で未公表のものが存在しない旨を表明し保証する差入書)が提出されているこ
    と
  ヲ) 公開買付者によるショーワ及び日信工業に対する公開買付けの開始の前提条件の充足又は放棄が合理
    的に見込まれていること
  ワ) 日立製作所と公開買付者との間で締結された 2019 年 10 月 30 日付「子会社経営統合に関する基本合
    意書」が有効に存続していること
  カ) 日立製作所が、公開買付者に対して、本公開買付けを開始しないように求める通知を行っていないこ
    と、又は、日立製作所が公開買付者に対して行ったかかる通知に記載された条件が、充足若しくは放
    棄されたこと


② 対象者による賛同
   対象者は、以下の各号記載の条件の全てが充足されていることを前提条件として、本公開買付けへの
  賛同及び応募推奨に関する決議を行う。但し、これらの決議を行うことが対象者の取締役としての善管
  注意義務に違反すると合理的に判断される場合はこの限りではない。
  イ) 対象者が、本公開買付けが対象者の少数株主にとって不利益でない旨の第三者意見を取得しており、
    かつ、当該意見が維持されていること
  ロ) 本公開買付けの要綱が本基本契約で合意した内容及び条件に従っていること
  ハ) 公開買付者によるショーワ及び日信工業に対する公開買付けが開始されることが合理的に見込まれて
    いること
  ニ) 本基本契約における日立製作所の表明及び保証、日立オートモティブシステムズの表明及び保証並び
    に公開買付者の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確であること
  ホ) 本基本契約に基づき、日立製作所、日立オートモティブシステムズ及び公開買付者が履行し又は遵守
    すべき義務が、重要な点において全て履行され、又は遵守されていること
  ヘ) 公正取引委員会が、本取引について、独占禁止法第 50 条第1項に基づく通知をしない旨の通知をし
    ていること


                           16
    ト) 本公開買付開始決定日までに、全当事者が合意した日本以外の法域における競争法に基づき本取引に
      ついて必要となる、外国競争法当局への届出又は待機期間の満了若しくは早期終了、外国競争法当局
      による承認その他の手続が完了していること
    チ) 本公開買付けを制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は関係当局等の判断等も存在していないこと
    リ) 日立オートモティブシステムズの連結ベースでの事業、資産、負債、財政状態、経営成績、キャッ
      シュフロー若しくは将来の収益計画に重大な悪影響を与える事由又は事象が生じていないこと、その
      他対象者による本公開買付けへの賛同及び応募推奨に関する決議の実行の判断に重要な影響を与える
      事象が日立オートモティブシステムズグループ各社において生じていないこと


  ③ 完全子会社化の実施
     公開買付者は、本公開買付けが完了し、公開買付者が本公開買付けによって対象者株式の全てを取得
    できなかった場合には、株式売渡請求又は株式併合の方法により、対象者を公開買付者の完全子会社と
    するために必要な措置を行う。


  ④ 吸収合併
     日立製作所は日立オートモティブシステムズをして、公開買付者は対象者、ショーワ及び日信工業を
    して、公開買付者による対象者、ショーワ及び日信工業の完全子会社化後速やかに、日立オートモティ
    ブシステムズを最終的な吸収合併存続会社とし、対象者、ショーワ及び日信工業をそれぞれ最終的な吸
    収合併消滅会社とする一連の吸収合併を実施させるものとする。
     日立製作所及び公開買付者は、対象者、ショーワ及び日信工業に対する公開買付けのうちの一部が成
    立しなかった場合その他対象者、ショーワ及び日信工業のうちの1社又は2社の完全子会社化が他の会
    社の完全子会社化よりも相当期間遅れることが見込まれる場合には、対象者、ショーワ及び日信工業の
    うち完全子会社化が完了した会社と日立オートモティブシステムズとの間で各本吸収合併を実施するも
    のとし、当該完全子会社化が完了した会社と日立オートモティブシステムズとの間の吸収合併の条件に
    ついては、日立製作所及び公開買付者の間で合意された日立オートモティブシステムズ、対象者、
    ショーワ及び日信工業の企業価値に基づき誠実に協議の上、決定するものとする。


(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正
   性を担保するための措置
  本日現在において、対象者は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該
当しません。もっとも、本日現在、公開買付者は対象者の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社であり、
対象者株式 30,581,115 株(所有割合 41.35%)を所有しております。また、公開買付者は、対象者を完全子会
社とすることを目的としていること等を踏まえ、公開買付者及び対象者は、本公開買付価格の公正性を担保しつ
つ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反を回避する観点か
ら、それぞれ以下のような措置を実施いたしました。
  なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」
                                            (Majority of
Minority)の応募を本公開買付け成立の条件とはしておりませんが、下記①から⑥までの措置を通じて、対象者
の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。


① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
  公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、
本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立した第三者算定機関として、ファイナン
シャル・アドバイザーである野村證券に対し、対象者株式の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、野村證
券は、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所の関連当事者には該当せず、本
公開買付けを含む本統合に関して重要な利害関係を有しておりません。
  野村證券は、複数の株式価値算定手法の中から、対象者株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検
討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切である
との判断に基づき、対象者株式が東証第一部に上場していることから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上
                            17
場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、
将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者株式の株式価値の算定
を行いました。公開買付者は、野村證券から、2019 年 10 月 29 日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定
書」といいます。
       )を取得いたしました。なお、公開買付者は、本公開買付価格の公正性に関する評価(フェア
ネス・オピニオン)を取得しておりません。
 公開買付者が野村證券から取得した本株式価値算定書の概要については、下記「2.買付け等の概要」の
「
(4)買付け等の価格の算定根拠等」の「① 算定の基礎」及び「② 算定の経緯」をご参照ください。


② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
 (ⅰ)算定機関の名称並びに公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所との
     関係
     対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付
   者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、
   本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から独立した第三者算定機関としてファイナ
   ンシャル・アドバイザーである経営共創基盤に対して、対象者株式の価値算定を依頼し、2019 年 10 月 29
   日付で、株式価値算定書(以下「2019 年 10 月 29 日付対象者株式価値算定書」といいます。
                                                   )を受領した
   とのことです。また、対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、2019 年 10 月 30 日か
   ら 2020 年8月 31 日までの間の対象者株式の価値の変動の有無及びその内容を検討し、本公開買付価格に
   対する意思決定の過程における公正性を担保するため、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシ
   ステムズ及び日立製作所から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである経営
   共創基盤に対して、改めて対象者株式の価値算定を依頼し、2020 年8月 31 日付で、株式価値算定書(以
   下「2020 年8月 31 日付対象者株式価値算定書」といいます。
                                   )を受領したとのことです。
     経営共創基盤は、公開買付者、本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所の関連当事
   者には該当せず、本公開買付けを含む本統合に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、
   対象者は、経営共創基盤から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得し
   ていないとのことです。
 (ⅱ)算定の概要
 (a)2019 年 10 月 29 日付対象者株式価値算定書
     経営共創基盤は、対象者株式が東証第一部に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、
   対象者と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による株式価値の類推
   が可能であることから類似企業比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を
   採用して、対象者株式の価値算定を行ったとのことです。
     経営共創基盤が上記各手法に基づき算定した対象者株式の1株当たりの価値は以下のとおりとのことで
   す。


     市場株価法             1,537 円~1,898 円
     類似企業比較法           1,974 円~2,515 円
     DCF法              2,157 円~2,787 円


     市場株価法においては、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である 2019 年 10 月 29 日を基準
   日として、東証第一部における対象者株式の基準日の終値 1,898 円、直近1ヶ月間の終値単純平均値
   1,696 円(小数点以下四捨五入。本項において以下終値単純平均値の計算について同じです。、直近3ヶ
                                                )
   月間の終値単純平均値 1,550 円、直近6ヶ月間の終値単純平均値 1,537 円を基に、対象者株式の1株当た
   りの株式価値の範囲を 1,537 円から 1,898 円までと算定しているとのことです。
     類似企業比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性等を示す財務指
   標との比較を通じて対象者株式の株式価値を計算し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を 1,974
   円から 2,515 円までと算定しているとのことです。
     DCF法では、対象者が作成した 2020 年3月期から 2025 年3月期までの事業計画、一般に公開された
                                  18
  情報等の諸要素を前提として、対象者が 2020 年3月期第2四半期以降生み出すと見込まれるフリー・
  キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を計算し、対象
  者株式の1株当たりの株式価値の範囲を 2,157 円から 2,787 円までと算定しているとのことです。経営共
  創基盤がDCF法による算定に用いた対象者の事業計画においては、2022 年3月期の税引前当期利益が
  20,413 百万円(2021 年3月期比 35.9%増加)
                               、当期純利益が 13,819 百万円(2021 年3月期比 47.9%増
  加)と大幅に増加しており、かつ、2024 年3月期の当期純利益が 17,931 百万円(2023 年3月期比
  32.8%増加)と大幅に増加となることを見込んでいるとのことです。この理由は、環境規制の高まりに対
  応した二輪自動車向けの FI 生産及び、電動化に対応した四輪自動車向けのパワーコントロールユニット
  生産の拡大による事業成長及び、生産効率化によるものとのことです。また、本公開買付けを含む本統合
  の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、2019 年 10 月 29 日時点において収益
  に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。


(b)2020 年8月 31 日付対象者株式価値算定書
   経営共創基盤は、対象者株式が東証第一部に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、
  対象者と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による株式価値の類推
  が可能であることから類似企業比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を
  採用して、対象者株式の価値算定を行ったとのことです。
   経営共創基盤が上記各手法に基づき算定した対象者株式の1株当たりの価値は以下のとおりとのことで
  す。


    市場株価法             1,537 円~1,898 円
    類似企業比較法           1,807 円~2,424 円
    DCF法              1,967 円~2,634 円


   市場株価法では、本公開買付けの開始予定の公表日以降における株価は、新型コロナウイルス感染症
  (COVID-19)の影響による一時的な下落を除き、本公開買付価格付近を推移していることから、本公開買
  付けの開始予定の公表日の前営業日である 2019 年 10 月 29 日を基準日にすることが妥当であると考えて
  いるとのことです。そのため、2019 年 10 月 29 日付対象者株式価値算定書と同様に、本公開買付けの開
  始予定の公表日の前営業日である 2019 年 10 月 29 日を基準日として、東証第一部における対象者株式の
  基準日の終値 1,898 円、直近1ヶ月間の終値単純平均値 1,696 円(小数点以下四捨五入。本項において以
  下終値単純平均値の計算について同じです。、直近3ヶ月間の終値単純平均値 1,550 円、直近6ヶ月間の
                      )
  終値単純平均値 1,537 円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を 1,537 円から 1,898 円まで
  と算定しているとのことです。
   類似企業比較法では、対象者と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性等を示す財務指
  標との比較を通じて対象者株式の株式価値を計算し、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を 1,807
  円から 2,424 円までと算定しているとのことです。
   DCF法では、対象者が作成した 2021 年3月期から 2025 年3月期までの事業計画、一般に公開された
  情報等の諸要素を前提として、対象者が 2021 年3月期第2四半期以降生み出すと見込まれるフリー・
  キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を計算し、対象
  者株式の1株当たりの株式価値の範囲を 1,967 円から 2,634 円までと算定しているとのことです。経営共
  創基盤がDCF法による算定に用いた対象者の事業計画において、足元の対象者 2021 年3月期第1四半
  期は対前年度比で減益となったものの、以降は回復し、2019 年 10 月 29 日付対象者株式価値算定書と同
  様に、2022 年3月期の税引前当期利益が 20,413 百万円(2021 年3月期比 35.9%増加)
                                                     、当期純利益が
  13,819 百万円(2021 年3月期比 47.9%増加)と大幅に増加しており、かつ、2024 年3月期の当期純利益
  が 17,931 百万円(2023 年3月期比 32.8%増加)と大幅に増加となることを見込んでいるとのことです。
  この理由は、環境規制の高まりに対応した二輪自動車向けの FI 生産及び、電動化に対応した四輪自動車
  向けのパワーコントロールユニット生産の拡大による事業成長及び、生産効率化によるものとのことです。
  また、①空調事業の譲渡において、既に第三者と合意した領域の譲渡価額は株式価値に反映し、②第三者
                                 19
   と協議中の領域については、対象者の作成した領域毎の事業計画を基に、個別に株式価値を評価し、第三
   者への譲渡によって対象者が空調事業を営まれなくなることによる影響額を反映しているとのことです。
   なお、本公開買付けを含む本統合の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時
   点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。


③ 対象者における独立した特別委員会の設置
 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本取引に係る対象者の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の
意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、対象者取締役会
における意思決定が、対象者の少数株主にとって不利益なものでないか否かを確認することを目的として、2019
年7月 30 日に、公開買付者及び対象者を含む本対象3社、日立オートモティブシステムズ及び日立製作所から
独立した山本光太郎氏(対象者の社外取締役・独立役員、弁護士)
                             、辻千晶氏(対象者の社外取締役・独立役員、
弁護士)
   、水野太郎氏(対象者の元社外取締役・FCOM SERVICES CO., LTD. President)及び笠原真人氏(公認会
計士、笠原公認会計士事務所)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。
                                             )を設置
しているとのことです。
 対象者は、本特別委員会に対し、
               (a)本取引の目的は合理的か否か、
                               (b)本取引における買付条件(公開買付
価格を含みます。
       )の公正性が確保されているか、
                     (c)本取引において公正な手続を通じた株主の利益への十分
な配慮がなされているか、 (a)乃至(c)その他の事項を前提に、本取引が対象者の少数株主にとって不利
           (d)
益であるか否か(総称して、以下「本諮問事項」といいます。
                           )について諮問したとのことです。
 本特別委員会は、2019 年8月 22 日から同年 10 月 30 日までの間に合計 11 回開催され、本諮問事項に関し、
慎重に協議及び検討を行ったとのことです。具体的には、本特別委員会は、対象者が選任した第三者算定機関及
びリーガル・アドバイザーにつき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認し、それぞれを対象者の
第三者算定機関及びリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、公開買付者との交渉過程への関与方法と
して、直接の協議・交渉は対象者及びそのアドバイザーが行うこととしつつ、対象者から適時に状況の報告を受
け、必要に応じて意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより本取引の取引条件に実質的に関与することがで
きることを確認しているとのことです。そして、本特別委員会は、対象者より提出された各資料に基づき、対象
者から、公開買付者の提案内容、本取引の目的、本取引に至る背景、本取引により向上することが見込まれる対
象者の企業価値の具体的内容、対象者の事業計画、本取引の条件及びその決定プロセス等について説明を受ける
とともに、これらに関する質疑応答を行ったとのことです。また、本特別委員会は、公開買付者から、本取引の
概要、本取引に至る背景、本取引の目的、本取引後の経営方針、本取引の諸条件等について説明を受けるととも
に、質疑応答を行ったとのことです。さらに、本特別委員会は、経営共創基盤より、対象者株式の価値評価につ
いての説明を受け、これらに関する質疑応答を行うとともに、TMI 総合法律事務所より、本取引の手続面におけ
る公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容について説明を受け、これらに関して
も質疑応答を行っているとのことです。
 本特別委員会は、かかる手続を経て、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2019 年 10 月 30
日付で、委員全員一致の決議により、対象者取締役会に対し、大要、以下の内容の答申書(以下「2019 年 10 月
30 日付答申書」といいます。
              )を提出したとのことです。
 (i) 本取引の目的
    近年のモビリティ産業を取り巻く環境が変化し、自動車業界各社が電動化、自動運転技術の実現に向け
    て動き、業界全体での競争激化に伴い、各社ともに技術的、組織的な変革が迫られる中で、公開買付者
    への依存度が高い対象者においても、単独での技術力には限界があり、また、研究開発に要するリソー
    スの確保、特にアジアにおける戦略投資による負担等、対象者特有の課題が存在する。かかる事業環境
    下において、対象者としては、本取引により、以下のような効果が期待される。
    A)   技術面での効果―開発・生産体制の効率化と次世代技術の開発強化
         自動車の電動化先端技術の強化が必要となっている現状において、電動化技術、先進安全技術と
         いった、今後需要が広く見込まれる次世代技術領域での開発体制の強化が可能となると同時に、従
         来、対象者を含む公開買付者グループ単独で開発をせざるを得なかったシステム・IT の分野におい
         て、日立製作所傘下の本統合会社の技術の提供を受けることで、対象者を含む公開買付者グループ
         として開発投資の選択と集中を図ることが可能となり、対象者を含む公開買付者グループ全体とし
                                20
       て最適な経営資源の配分の実現が見込まれる。
       また、本統合会社での開発・生産分野において、技術領域間、地域拠点間での相互補完を推進する
       ことで、より高付加価値でコスト競争力のある製品の供給が可能となるほか、公開買付者をはじめ
       とする完成車メーカーの需要増減に対して迅速かつ柔軟に対応できる供給体制の構築が可能となる。
       すなわち、対象者の二輪事業も含め、電動化、シャーシ制御、自動運転における勝ち技で業界を
       リードし広く拡販できる「メガサプライヤー」を編成することができ、本対象3社、公開買付者及
       び本統合会社に日立製作所も加えた当事者間において総合的なシナジー効果が生じ、これをもって
       競争力を盤石化することが可能となる。
  B)   販売面での効果
       本統合会社においては、公開買付者以外の完成車メーカーへの部品販売の増大による調達・生産コ
       ストの低減が見込まれることになる。本統合会社は、機械部品等のコンベンショナルな技術から電
       動化・情報技術まで幅広い領域における業界最先端の技術を基に、完成車メーカーとの包括的な開
       発体制を構築することが可能となり、世界的メガサプライヤーの一角として,公開買付者以外の完
       成車メーカーに対する販売の拡大が可能となる。これによる部品生産量の増大に伴い、規模の効果
       による調達・生産コストの低減が可能となり、国際的な競争優位に基づく優れた収益力と競争力の
       実現が見込まれる。
  C)   本統合会社による統合のメリット
       対象者が本統合会社に