7238 曙ブレーキ 2021-02-16 15:00:00
当社国内生産子会社が製造する一部製品の定期検査報告における不適切な行為について [pdf]
2021 年 2 月 16 日
各 位
会 社 名 曙ブレーキ工業株式会社
代表者名 代表取締役社長 CEO 宮地 康弘
(コード:7238、東証第一部)
問合せ先 コーポレート・コミュニケーション室長 前上 亮子
(TEL.03-3668-5187)
当社国内生産子会社が製造する一部製品の
定期検査報告における不適切な行為について
当社は、当社国内生産子会社が製造する自動車用ブレーキ製品に関し、お客様(完成車メーカー)に提出す
る定期検査報告書の記載において、一部不適切な行為が行われていたことを確認いたしました。本件について
社外弁護士で構成する特別調査委員会を設置し、事実関係の調査をしてまいりましたが、この度、事実の全容
が判明し、具体的な再発防止策の策定をいたしましたので、その概要について下記のとおりお知らせいたしま
す。
お客様並びに関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。今後
は、コンプライアンス並びにガバナンスの強化を図ることで、再発防止並びに信頼の回復に全力で取り組んで
まいります。
記
1.経緯
当社は、事業再生 ADR 手続成立の後、2019 年 10 月より新経営体制に移行しましたが、同年 11 月に当社品
質保証部門より代表取締役社長に対し、当社生産子会社の曙ブレーキ山形製造株式会社(以下、山形製造)が
製造する自動車用ブレーキパッドの一部で、お客様に提出する定期検査報告書の数値記載において不適切と思
われる行為が行われているとの報告がありました。その報告を受け、同年 12 月より社内調査を開始いたしま
したが、その過程において山形製造以外の生産子会社が製造する製品でも同様の可能性があるとの認識を持つ
に至り、2020 年 2 月より調査対象を国内全生産拠点に拡大いたしました。
その後、同年 3 月上旬に一部のお客様から、当社生産子会社の曙ブレーキ岩槻製造株式会社が製造するディ
スクブレーキの一部で、定期検査報告書に不審なデータが記載されているとの指摘を受けました。このような
状況から新経営陣は、客観的な視点からの徹底的な調査が必須であるとの判断に至り、3 月中旬開催の取締役
会において社外弁護士 4 名で構成する特別調査委員会の設置を決め、同委員会による調査を開始いたしました。
同委員会の調査開始後、その過程で判明した不適切行為は、調査完了を待たずに速やかに是正いたしました。
また、対象となるお客様へ順次、事実関係のご説明を行うとともに、対象製品についてお客様と協議、評価・
検証を 2021 年 1 月末まで継続してまいりました。
同委員会からの調査結果の最終報告は 2020 年 9 月に受け、その調査報告内容を精査するとともに、同委員
会の提言を受けた再発防止策を策定し、取り組みを開始しております。
1
2.不適切行為の概要
(1) 対象製品(5 ページ参考資料:主な製品イラスト図をご参照ください)及び( )内生産子会社
① 自動車用ディスクブレーキ(曙ブレーキ岩槻製造㈱)
② 自動車用パッド(曙ブレーキ山形製造㈱及び曙ブレーキ福島製造㈱)
③ 自動車用ドラムブレーキ(曙ブレーキ岩槻製造㈱及び曙ブレーキ山陽製造㈱)
④ 自動車用ライニング(曙ブレーキ福島製造㈱及び曙ブレーキ山形製造㈱)
なお、アフターマーケット用ブレーキ製品、産業機械車両用製品、鉄道車両用製品は対象となってお
りません。
(2) 具体的行為
当社は日常検査の他にお客様から指定された検査項目に関して定期的に検査を行い、その結果をお客様へご
報告しておりますが、その中で、下記の行為が判明いたしました。
① 検査データの修正(例:実測データのばらつきを、お客様管理値の中央値または従前の報告値に近い
方向に修正)
② 未実施検査データの記載(例:過去の検査データの流用等)
③ 要求されている検査サンプル数の省略(例:製品を 2 個使用して実施すべき検査を 1 個のみで実施)
(3) 開始時期
生産子会社や検査項目によって時期は異なりますが、残存する検査データにより確認された最も古い行為は
2001 年 1 月から行われていました。
(4) 件数
定期報告データ総件数 192,213 件の内、不適切行為があった報告データは 114,271 件ですが、その殆どがお
客様との合意に基づく管理値の範囲内であり、管理値と乖離がある報告データは 4,931 件です(なお、3 ペー
ジ「3.対象製品の再評価結果」で記載のとおり、製品の性能に問題はないと判断いたしました)
。
なお、不適切行為があった報告データの内訳は以下の通りです。
行為別及び生産子会社別内訳
生産子会社 検査データ修正件数 未実施検査データ記載件数 検査サンプル数省略件数
山形製造㈱ 53,005 件 2,433 件 0 件
岩槻製造㈱ 0 件 54,806 件 462 件
福島製造㈱ 1,989 件 82 件 0 件
山陽製造㈱ 54 件 324 件 1,116 件
55,048 件 57,645 件 1,578 件
小計
(内、乖離データ 4,931 件)
合計 114,271 件
当社国内生産拠点は 6 か所ありますが、上記以外の館林鋳造所(ディスクブレーキ用鋳物部品)及び当社羽
生本社地区(センサー製品)においては、調査の結果、不適切行為はありませんでした。
(5) 納入先お客様数
完成車メーカー10 社
2
3. 対象製品の再評価結果
今回、お客様へ提出した検査データの修正や未実施検査データの記載等不適切な行為がありましたので、当
社では対象製品の日常検査による管理データ記録の解析や試験によるデータの検証(管理値との乖離データを
含む)
、及び検査未実施の現行流動製品並びに過去生産製品の強度、耐久性等の試験による再評価を実施して
まいりました。その結果、当社として製品の性能に問題はないと判断いたしました。さらに、その判断結果に
ついてお客様にご確認いただきました。
なお、当社は従前より、製品の性能を十分余裕を持ったレベルに設定し開発生産しており、お客様から本
件に起因した問題のご指摘を受けたことはありません。
4. 再発防止策
特別調査委員会から、組織体制の見直し・監査機能の強化、生産設備見直しと IT システム導入、教育研修
によるコンプライアンスの強化と組織風土改革等の再発防止提言を受け、以下のように具体的計画を策定し、
取り組みを開始しております。主な再発防止策は下記の通りです。
(1) 組織体制の見直し・監査機能の強化
① 3 線ディフェンス機能構築
従来、第 1 線である製造拠点内品質管理課が検査を実施し、お客様への定期検査報告書を作成及び承
認を行っていましたが、定期検査報告書の承認は第 2 線である本社品質保証部門が行うことに変更い
たしました(2020 年 4 月~)。また、第 3 線として内部監査室に製品監査機能を新たに追加し、品質
保証部門の監査を行うこととしました(2021 年 1 月~)。
② 上記、3 線ディフェンス機能構築のために、品質保証部門の組織改正及び内部監査室の人的強化を図
りました(2021 年 1 月 1 日付)。
③ 社外取締役・社外監査役との内部通報に関する定期的情報交換の場を設けるとともに、重大な内部情
報は直接、社外取締役・社外監査役に報告する仕組みを構築します(2021年3月~)。
(2) 人の手が介在できない IT 検査システムの導入
IT を活用し、検査データを自動的にデータベースへ集積、出力し、定期検査報告書を作成することに
よって、検査データ修正など人の手が介在できない、トレーサビリティも確保できる IT 検査システ
ムを導入します(2021 年 3 月~)。
(3) 検査内容・検査項目の見直し
検査技術、部品材料技術の向上等により、現在では合理的でない検査内容・検査項目については当社
からお客様へご提案し、お客様と協議の上、見直しを行います(2020 年 10 月より協議開始)。
(4) 品質教育・コンプライアンス教育の強化
① 製造現場のオペレーターから班長、係長、幹部職までの階層別の品質教育及びコンプライアンス教育
を見直し、体系化して実施いたします(2021年4月~)。
② 開発部門や品質保証部門が関与し、品質分野の専門家の育成、統一した検査員の社内資格制度の仕組
みを作ります(2021年4月~)。
(5) 風土改革・意識改革
「全社風土改革委員会」を設置(2021年3月1日付)し、経営トップがリーダーシップを取り組織風土
と社員意識の向上、コンプライアンス、ガバナンス、内部統制システムの確保に取り組みます。また、
経営トップからの定期的なメッセージ発信他、社内コミュニケーションの強化、内部通報制度の実効
性向上等の施策を行い、社員意識調査等による定期的モニタリングで施策効果を測っていきます。
3
5. 責任と対応
本件は、特別調査委員会報告書においても、その背景・原因として、内部牽制の欠如や品質・検査データに
対するコンプライアンス意識の甘さがある等の指摘がありました。
現経営陣に課された責任は、再発防止策を着実に実行し、お客様、お取引先様、株主の皆様はじめ関係者の
皆様の信頼の回復に全力で取り組んでいくことにあると考えます。この責任を果たし、当社の事業再生と企業
風土改革に不退転の覚悟で臨むことを明確にするために、社長以下全執行役員の月額報酬の10%(3か月分)
の減額を決定いたしました。常勤監査役は、監査役報酬の自主返上の申し出に基づき、月額報酬の10%(3か
月分)を返上することといたします。
6. 業績に与える影響
本件が当社業績に与える直接的な影響は現時点では見込まれておりませんが、今後、業績に与える影響につ
きまして、開示すべき事項が発生した場合は速やかにお知らせいたします。
なお、当社は2019年より、事業再生ADR手続においてお取引金融機関にご承認いただきました事業再生計画
に取り組んでおりますが、本件による計画見直しはございません。
な お 、 本 件 に 関 す る 資 料 は 、 当 社 ウ ェ ブ サ イ ト 「 重 要 な お 知 ら せ ( https://www.akebono-
brake.com/notice/news/2021/00/16/notice_210216.html)
」にも掲載しております。
以上
4
参考資料:主な製品イラスト図
【①ディスクブレーキ】 【ディスクブレーキ構成部品】
【③ドラムブレーキ】 【ドラムブレーキ構成部品】
5
報告書
(定期検査報告における不適切な行為について)
2021 年 2 月 16 日
曙ブレーキ工業株式会社
目次
目次 ..................................................................... 1
Ⅰ 概要 ................................................................. 3
Ⅱ 調査委員会による調査の経緯・概要 ..................................... 4
1 経緯 ............................................................... 4
2 調査委員会の概要 ................................................... 5
3 製品の概要 ......................................................... 5
4 製品開発・生産過程の概要 ........................................... 6
(1) 見積依頼書(RFQ) ............................................. 6
(2) 量産段階の検査項目・管理値等の決定 ............................ 6
(3) 量産開始(SOP) ............................................... 6
5 検査の概要 ......................................................... 7
(1) 検査項目 ...................................................... 7
(2) 管理値 ........................................................ 7
(3) 検査数 ........................................................ 7
(4) 検査の種類と報告方法 .......................................... 7
Ⅲ 不適切行為の概要 ..................................................... 7
1 対象製品 ........................................................... 7
2 具体的行為 ......................................................... 8
3 開始時期 ........................................................... 8
4 件数 ............................................................... 8
(1) 報告データの内訳 .............................................. 8
(2) お客様管理値外件数の内訳 ...................................... 8
(3) 不適切行為別及び生産子会社別不適切行為の内訳 .................. 9
Ⅳ 背景・原因 ........................................................... 9
1 お客様に対する検査報告書作成者の内部牽制の欠如 ..................... 9
2 品質・検査データに関するコンプライアンス意識の甘さ ................. 9
3 指定検査の検査項目・管理値等の実情に対する検証不足 ................ 10
Ⅴ 重点検査項目とその内容 .............................................. 11
Ⅵ 対象製品の再評価の結果 .............................................. 12
Ⅶ 本件不適切行為に対する再発防止策について ............................ 15
1 組織体制の見直し・監査機能の強化 .................................. 15
2 人の手が介在できない検査システムの導入 ............................ 15
3 検査内容・検査項目の見直し ........................................ 16
4 品質教育・コンプライアンス教育の強化 .............................. 16
5 風土改革・意識改革 ................................................ 16
1
Ⅷ 今後に向けて ........................................................ 17
参考資料:曙ブレーキ工業株式会社 会社概要 ............................... 18
参考資料:対象製品について .............................................. 22
ディスクブレーキイラスト図 ............................................ 22
ディスクブレーキ構成部品の機能 ........................................ 22
ドラムブレーキイラスト図 .............................................. 23
ドラムブレーキ構成部品の機能 .......................................... 23
2
Ⅰ 概要
当社は、当社国内生産子会社が製造する自動車用ブレーキ製品に関し、お客様(完成車メ
ーカー)に提出する定期検査報告書記載において、一部不適切な行為が行われていたことを
確認いたしました。本件について 2020 年 3 月に社外弁護士 4 名で構成する特別調査委員会
(以下、「調査委員会」)を設置し、事実関係の調査をしてまいりました。
調査委員会の調査開始後、調査過程で判明した不適切行為は、調査の完了を待たずに速や
かに是正いたしました。
また、対象となるお客様へ事実関係と製品の性能に影響しないという当社の見解をご説明
するとともに、日常検査データ記録の解析や試験によるデータの検証、及び検査未実施の現
行流動製品並びに過去生産製品の強度、耐久性等の試験による再評価を 2021 年 1 月末まで
継続して実施してまいりました。その結果、お客様と合意した性能を有していることを確認
し、製品に問題はないと判断いたしました。さらに、その判断結果についてお客様にご確認
いただきました。なお、当社は従前より、製品の性能は、管理値に対し十分余裕を持ったレ
ベルに設定し開発生産しており、お客様から本件に起因した問題のご指摘を受けたことはあ
りません。
調査委員会からの調査結果の最終報告は 2020 年 9 月に受け、その調査報告内容を精査す
るとともに、同委員会の提言を受けた再発防止策を策定し、取り組みを開始しております。
事業再生 ADR 手続完了後、事業再生に向けた施策に取り組んでいる中で、お客様、お取引
先様、株主様並びに関係各位に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることとなり、深くお詫
び申し上げます。
今後はこのような問題を決して起こすことがないよう再発防止並びに信頼の回復に全力
で取り組んでまいります。
3
Ⅱ 調査委員会による調査の経緯・概要
1 経緯
調査委員会の調査経緯は下記のとおりです。
2019 年 10 月に就任した当社代表取締役社長は、品質保証部門から、子会社である曙ブレ
ーキ山形製造株式会社(以下「山形製造」)が、自動車用制動装置(ブレーキ)の部品であ
るブレーキパッドの一部で定期検査報告書に実測データを修正して記載し、お客様に提出し
ており(以下「山形事案」、旧経営陣が社内調査を行ったものの有効な対策が講じられなか
)
ったという報告を 2019 年 11 月に受け、詳細の調査を指示した。2020 年 2 月、代表取締役
社長は社外取締役 3 名に概要を報告し、更に監査役会で報告をするとともに、山形事案をお
客様に報告する準備を進めるよう指示した。また、社内調査過程において山形製造以外の生
産拠点が製造する製品でも同様の可能性があるとの認識を持つに至り、2020 年 2 月より調
査対象を国内全生産拠点に拡大した。
2020 年 3 月、お客様の完成車メーカーから、曙ブレーキ岩槻製造株式会社(以下「岩槻
製造」)が製造したディスクブレーキの検査報告書に不審なデータが記載されているなどの
指摘を受け、社内調査をしたところ、岩槻製造がディスクブレーキの検査報告書に実施して
いない検査結果を記載してお客様に提出していること(以下「岩槻事案」
)も発覚した。
当社は、以上のような経過から山形事案及び岩槻事案を覚知し、当社グループ内の全ての
生産拠点で類似の不適切行為が行われていないかどうかも含め事案の全容を解明するには、
客観的な視点からの徹底的な調査が必須であるとの判断に至り、2020 年 3 月 19 日の取締役
会で、山形事案・岩槻事案その他類似の不適切行為の事実関係の解明、背景及び原因分析、
再発防止策の提言等を目的として、外部弁護士による特別調査委員会(以下「調査委員会」
)
を設置した。
当社は、調査の進展に伴い発覚した不適切行為を速やかに停止するよう指示するとともに、
関係するお客様に対し調査結果を順次報告し、製品の性能に影響しないという当社の見解を
伝えた。
2020 年 6 月 11 日に、当社は調査委員会から取締役会宛で調査報告書(中間)を受領し、
同日の取締役会において、調査が進展し、お客様との連携がとれた適切な時期に、調査概要
を公表する旨を正式に決議した。その後、調査委員会は当社グループ内国内生産拠点の全て
の調査を完了し、2020 年 9 月 17 日に当社取締役会に調査報告書を提出した。
以上が調査委員会の調査経緯ですが、当社は、調査過程並びに調査報告書において、判明
した不適切行為があった対象製品について、日常管理データ記録の解析や試験によるデータ
の検証等による再評価を 2021 年 1 月末まで継続して実施してまいりました。その結果、お
客様と合意した製品の性能を有していることを確認し、製品の性能に問題はないと判断いた
4
しました(12~14 ページ「Ⅵ 対象製品の再評価の結果」をご参照ください)
。さらに、そ
の判断結果については順次お客様にご報告、ご確認いただきました。
2 調査委員会の概要
① 調査委員会の構成と調査体制
当社から独立した弁護士 4 名(なお、委員長である弁護士片山智裕は 2020 年 7
月 30 日まで当社の独立社外監査役であった)で委員会を構成し、事務局として当
社の法務・知的財産部、情報システム部、内部監査室及び品質保証部門の従業員
が調査に携わりました。
そのほか、検査データの収集・分析を外部業者に委託いたしました。
② 調査目的
山形事案、岩槻事案、その他類似の不適切行為の事実関係の解明
背景及び原因分析、再発防止策の提言
③ 調査対象拠点の範囲:日本国内の全生産拠点
山形製造、岩槻製造
曙ブレーキ福島製造株式会社(以下「福島製造」)
曙ブレーキ山陽製造株式会社(以下「山陽製造」)
曙ブレーキ工業株式会社 館林鋳造所、羽生本社(Ai-City)
④ 調査対象製品の範囲:日本国内の全生産拠点が製造する全製品
⑤ 調査対象検査の範囲
量産段階で行う次の 2 種類の検査(詳細は 7 ページ「5 検査の概要」をご参照く
ださい)の内、お客様に報告している検査(定期報告指定検査)を対象としまし
た。
日常検査:製造工程で常時行う検査(検査項目は 15 ページをご参照ください)
指定検査(定期報告):お客様から指定された検査項目で実施する検査
⑥ 調査期間
2020 年 3 月 23 日から 2020 年 9 月 16 日まで
3 製品の概要
当社及び当社子会社が製造販売する主な製品(22、23 ページ「参考資料」をご参照くだ
さい)は下記の通りです。
① ディスクブレーキ
車輪とともに回転する金属の円盤(ディスクローター)を両側からパッド(下記②)
で挟んで制動する装置。キャリパーシリンダー内のピストンによりディスクローターに
パッドを押し当てる機構(メカニズム)を備えています。パッドを含む幾つかの部品を
組み立てて製造します。
5
② パッド
ディスクブレーキを構成する部品であり、この部品をディスクローターに直接接触さ
せて生じる摩擦により制動力を発揮します。10~20 種類の材料(摩擦材)を成形し、
バックプレート(鋼板)に接着して製造します。
③ ドラムブレーキ
車輪とともに回転する円筒形状の部材(ドラム)の内周にライニングを押しつけて制
動する装置。ホイールシリンダー内のピストンによりドラムにライニングを押し当てる
機構を備えています。ライニングを接着させたブレーキシューを含む幾つかの部品を組
み立てて製造します。
④ ライニング・ブレーキシュー
ライニングは、ドラムブレーキを構成する部品であり、この部品をドラムに直接接触
させて生じる摩擦により制動力を発揮します。10~20 種類の材料(摩擦材)を成形し
て製造します。このライニングを三日月形の鋼板(ライニングの接着面を「リム」、リ
ムに垂直に溶接した鋼板を「ウェブ」といいます。)に接着した部品をブレーキシュー
といいます。
4 製品開発・生産過程の概要
(1) 見積依頼書(RFQ)
お客様である完成車メーカーは、当社に対し、量産を計画する自動車の制動装置に関する
製品についての仕様を検討して見積依頼書(Request For Quotation(RFQ))を発行します。
これを受け、当社は、試作品を製作し、ベンチ試験機によりお客様が提示した試験項目を、
ダイナモ試験機により一般性能(摩擦係数)及び強度を、ノイズダイナモ試験によりブレー
キ鳴き(パッドとディスクローターの接触振動が増幅され、音となったもの)をそれぞれ評
価し、製品開発を行います。
(2) 量産段階の検査項目・管理値等の決定
完成車メーカーは、制動装置について、完成車メーカーが定める品質基準を常に満たし、
かつ、量産の均一性を確保するため、量産段階で実施する検査項目ごとに、当該製品の仕様
として準拠しなければならない管理値(検査データの許容限度)、検査数(全数又はサンプ
ル数)
、報告方法などを定めます。
(3) 量産開始(SOP)
お客様は、当社に対し、量産計画を提示し、生産計画の内示情報及び確定情報を発信しま
す。これを受け、当社は、製品の量産を開始し(Start Of Production (SOP))、お客様から
指定された納品場所へ納入を開始します。
量産段階では、当社は、製造工程で、常時、検査(日常検査)を行うとともに、お客様か
ら求められる定期報告のために特別に検査を実施し、又は日常検査の結果から抽出した検査
結果をお客様に報告しています。
6
5 検査の概要
(1) 検査項目
お客様から指定された定期的に検査を実施する検査項目の総数は 50 項目です。お客様ご
とに、外観、寸法、性能(機能)
、材質、質量及び表示等の検査項目が指定されています。
(2) 管理値
お客様は、量産段階で実施する検査項目ごとに、当該製品の仕様として準拠しなければな
らない管理値を設けています。管理値は、検査データの許容限度であり、一般に基準となる
中央値から等しく離れた上限値と下限値が設定されています。
一般に、品質特性は要求品質を十分に考慮して管理値を定めることとされており、当社が
量産用の製造工程で製造したサンプルの実績値を参照しながら管理値の幅(公差)を決定し、
お客様に承認願いを提出し、承認を得ることとされています。
なお、当社は、社内管理のため、お客様指定管理値よりも厳しめの社内管理値を定めて、
品質管理を行うこととしています。
(3) 検査数
検査数は全数の場合と、月、日(ロット)、個数ごとに一定数(n個)の場合があります。
(4) 検査の種類と報告方法
量産段階で実施する検査は、日常検査、指定検査の 2 つの種類があります。
日常検査は、量産開始(SOP)後、当社が出荷する製品の品質を保証する目的で製造工程
において常時行う検査をいい、お客様から要請されない限り報告することはありません。当
社は、全てのお客様向けに統一的な品質保証体制を構築し、市場で不具合が発生したときな
どにその品質を確認するために検査データを保存しています。
指定検査は、お客様から報告を要請される検査項目について実施する検査をいい、定期的
に報告を要請される場合(定期報告)と臨時に報告を要請される場合(不定期報告)があり
ます。
Ⅲ 不適切行為の概要
調査委員会の調査により判明した不適切行為の概要は下記の通りです。なお、本不適切行
為の対象は指定検査(定期報告)に関するものです。
1 対象製品
① 自動車用ディスクブレーキ(岩槻製造)
②自動車用パッド(山形製造及び福島製造)
③自動車用ドラムブレーキ(岩槻製造及び山陽製造)
④自動車用ライニング(福島製造及び山形製造)
7
なお、アフターマーケット用ブレーキ製品、産業機械車両用製品、鉄道車両用製品は対象
となっておりません。
2 具体的行為
当社はお客様から指定された検査項目の検査を行い、その結果を定期的にお客様へ報告し
ておりますが、その中で、下記の行為が判明いたしました。
① 検査データの修正(例:実測データのばらつきを、お客様管理値の中央値または
従前の報告値に近い方向に修正)
② 未実施検査データの記載(例:過去の検査データの流用等)
③ 要請されている検査サンプル数の省略(例:製品を 2 個採取すべきところを 1 個
で済ませた)
3 開始時期
生産子会社や検査項目によって時期は異なりますが、残存する検査データにより確認され
た最も古い行為は 2001 年 1 月から行われていました。
4 件数
お客様から指定された定期的に検査を実施する検査項目の総数は 50 項目で、定期報告デ
ータ総件数は、192,213 件です。その内、不適切行為があった検査項目数は 36 項目、報告
データは 114,271 件ですが、その殆どがお客様との契約に基づく管理値の範囲内であり、管
理値と乖離がある報告データは 4,931 件です。詳細は下記の通りです。
(1) 報告データの内訳
報告データ総件数 192,213 件
不適切行為のあった報告データ件数 114,271 件
内 お客様管理値_内 109,340 件 (95.7%)
内 お客様管理値_外 4,931 件 (4.3%)
適切な報告データ件数 77,942 件
(2) お客様管理値外件数の内訳
お客様管理値外件数 4,931 件
製品の性能に関わる検査(せん断強度・摩擦係数) 1,353 件 (27.0%)
製品の性能に影響のない検査(摩擦材物性) 3,578 件 (73.0%)
8
(3) 不適切行為別及び生産子会社別不適切行為の内訳
生産子会社 検査データ修正件数 未実施検査データ記載件数 検査サンプル数省略件数
山形製造㈱ 53,005 件 (46.0%) 2,433 件 (2.1%) 0件 (0.0%)
岩槻製造㈱ 0件 (0.0%) 54,806 件 (48.0%) 462 件 (0.4%)
福島製造㈱ 1,989 件 (1.7%) 82 件 (0.1%) 0件 (0.0%)
山陽製造㈱ 54 件 (0.4%) 324 件 (0.3%) 1,116 件 (1.0%)
小計 55,048 件 57,645 件 1,578 件
(内、乖離データ 4,931 件)
合計 114,271 件
※お客様管理値外件数は、上記検査データ修正件数の内数となります。
※当社国内生産拠点は 6 ヶ所ありますが、上記以外の館林製造所(ディスクブレーキ用鋳物
部品)及び当社羽生本社地区(センサー製品)においては、調査の結果、不適切行為はありま
せんでした。
Ⅳ 背景・原因
調査委員会の調査による背景・原因は以下のとおりです。
1 お客様に対する検査報告書作成者の内部牽制の欠如
不適切行為が判明した検査項目のうち、製造工程で実施した日常検査の実測データがある
のに、検査報告書にそれを転記せずに未実施の検査データを記載していたという事象がある。
当社の製造拠点では、特にお客様に対する検査報告書作成業務について、固定された従業
員が長年にわたり担当し、上長や他の従業員がその業務内容をほとんど知らない状況が生じ、
他人にチェックされるという心理的な牽制が全く機能しなくなったことが不適切行為を招
いた重要な要因の一つである。
2 品質・検査データに関するコンプライアンス意識の甘さ
お客様に対する検査報告に関わる各製造拠点の従業員だけでなく、当社の品質保証部門や
経営陣も含め、当社グループの組織全体として、時代とともに社会全体のコンプライアンス
意識が高まっているにもかかわらず、意識が甘かったことが不適切行為を招いた重要な背景
要因である。お客様に対する検査報告については、当社グループに社内規程が存在せず、各
製造拠点に職務分掌規程もないため、各製造拠点では業績を重視した生産の合理化により指
定検査に必要な人員・工数を削減することもあった。
また、当社の経営陣・管理職が各製造拠点の実態を調査し、対策を講じた形跡がなく、不
適切行為が長期にわたり継続し、その発覚や対応が遅れた原因にもなっている。
9
3 指定検査の検査項目・管理値等の実情に対する検証不足
本件の不適切行為は、①摩擦材(パッド・ライニング)に関する実測データの修正、②機
構製品(ディスクブレーキ・ドラムブレーキ)に関する不実の検査報告に分けられる。これ
らの不適切行為は、生産拠点で行われているが、このような不適切行為を招いた原因は、開
発段階から量産開始(SOP)までに、お客様との協議により定める量産段階における指定検
査の検査項目・管理値・検査数・頻度・検査方法等が当社の製品や生産拠点の製造条件の実
情に合わず、十分な検証をしないでお客様に提案していたことにあると考えられる。
① 摩擦材
摩擦材は、一般的な自動車部品と異なり、気象条件などによっても品質のバラツキが
大きくなる。そのため開発段階から量産開始までに製造拠点の実力を検証し、お客様か
らの要請に見合うような管理値を設定している。しかし今回の案件では開発部門や製造
拠点は、お客様に対し摩擦材の品質管理として十分検証された管理値について提案を行
っていない場合があり、量産段階に問題を先送りにした。その結果製造拠点が不適切行
為に走り、問題が顕在化しなかったため、真実の実力が見えにくくなり、実力を改善す
る努力を怠ることとなり、製造設備の更新・投資が遅れる悪循環に陥っていた。
② 機構製品
機構製品に関する未実施の検査報告は、検査を実施せずに指定検査の報告書に未実施
の検査結果を記載したことが事象である場合と、実施した日常検査の実測データを確認
せずに指定検査の報告書に未実施のデータを記載したことが事象である場合に分けら
れる。
当社は、お客様から要請されている指定検査で製品の品質を保証するだけでなく、製
造工程における日常検査で、全てのお客様向けに統一的に、全数保証(例:エア漏れ検
査による気密性)
、毎日 2~3 回の検査(例:締付けトルク、寸法検査)等を実施し、お
客様が指定する管理値からの逸脱が検出されたロットは出荷しない取扱いをする品質
保証体制を構築している。
また、当社は、現実の自動車の走行では生じ得ないような過酷な条件にも耐え得る余
裕のある性能を有する製品を開発し、開発段階で相当の工数がかかる検査に合格した検
査項目の中には、製造工程の経年変化を考慮しても定期的な検査の必要性に乏しいと考
えられるものもある。さらに、同一のお客様向けの類似アイテムの同一の検査項目につ
き、全てのお客様向けに統一的に実施している検査方法(例:ゲージにより寸法の合否
のみ判定する)がお客様から要請される報告方法(例:測定値を記載する)と合致して
いなかったりした指定検査もみられた。
このように、指定検査の一部には、日常検査との重複性がある、各製造拠点の製造条
件・検査体制に合致していないなど、製造拠点の指定検査に関わる従業員(検査員・報
告書作成担当者)にとって必ずしも指定された検査方法に従って実施する意義が感じら
10
れないような検査項目・管理値・検査数・頻度・検査方法等が設定されていた。そのた
め、指定検査に関わる従業員が検査自体や実測データの確認を省略することを正当化す
る要因になり、検査項目の一部で一度でも不適切な行為を行ってしまうと、その後も継
続したり、他の検査項目でも行ったりすることに抵抗感がなくなる可能性がある。
以上のように、当社が指定検査の検査項目・管理値・検査数・頻度・検査方法等につ
いて、製品の特性・品質や、当社の品質保証体制、各製造拠点の製造条件・日常検査の
体制からして十分な検証に基づく設定をしておらず、管理値や検査方法を決定したこと
が不適切行為を招いた重要な要因の一つであると考えられる。
Ⅴ 重点検査項目とその内容
お客様から報告を要請される検査項目の総数 50 項目の内、不適切行為があった検査項目
は 36 項目となります。その中で、製品の性能に関わる重点的に検証すべき 16 項目を下記の
通り特定いたしました。
検査項目 検査内容
パッドせん断強 せん断強度とは、せん断力(物体の断面に対して平行かつ反対方向に作用
度 する一対の力)に耐える強度(耐力 kN、MPa)をいいます。検査の対象は、
(常温) パッドで、アムスラー試験機により、試験片に加えるせん断力を高めてい
(高温) き、破壊やひずみ(ずれ)が生じたときのせん断力を測定します。
ライニング接着 ライニング接着強度とは、せん断力(物体の断面に対して平行かつ反対方
強度 向に作用する一対の力)に耐える強度(耐力 kN、MPa)をいいます。検査
の対象は、ブレーキシューで、アムスラー試験機により、試験片に加える
せん断力を高めていき、破壊やひずみ(ずれ)が生じたときのせん断力を
測定します。
耐接線力強度 耐接線力強度とは、接線力(回転する円形の物体の接線方向に働く力)に
耐える強度(N・m)をいいます。対象となる製品は、ブレーキ力が発生し
た際に、その力をマウンティングブラケット部品が受けるため、検査は、
アムスラー試験機で一定の接線力を加えて破壊、変形、不具合の有無を確
認する検査です。
耐圧強度 耐圧強度とは、物体にかかる圧力に耐える強度をいい、検査の対象は、ブ
レーキキャリパーです。キャリパーシリンダーと呼ばれるピストンで密閉
されたブレーキ液を充填する部分に、一定の時間、一定の液圧でブレーキ
液を充填して不具合の有無を確認する検査です。
シュー溶接強度 溶接強度とは、溶接部の強度をいい、検査の対象は、ドラムブレーキのブ
レーキシューです。ウェブとリムの溶接部の強度(耐力 kN)で、アムスラ
ー試験機により、この部分の試験片に加えるせん断力を高めていき、破壊
やひずみ(ずれ)が生じたときのせん断力を測定します。
締付け部位強度 締付け部位強度とは、ねじで締め付ける力に耐える強度であり、一定のト
(ディスク) ルクで締め付けたときに不具合が発生しないことを確認する検査です。検
(ドラム) 査の対象は、ディスクブレーキのシリンダーボディのブリーダースクリュ
ーとブレーキホースを接続する継手部(ネジ部)とドラムブレーキのホイ
ールシリンダーの(エアー)ブリーダースクリューとホイールシリンダーに
ブレーキホースを接続する継手部 (ネジ部) の強度です。乾燥した状態(ド
ライ)で行う検査のほか、ブレーキ液で湿潤した状態(ウエット)で行う
検査があります。
11
液圧耐久 液圧耐久とは、物体が外部からの物理的な影響に対して長い時間抵抗でき
(ディスク) る性質をいい、検査の対象は、ブレーキキャリパーです。キャリパーシリ
(ドラム) ンダーとピストンで密閉されたブレーキ液を充填する部分に、 一定の時間、
一定の液圧でピストン運動を繰り返し、 不具合の有無を確認する検査です。
トルク耐久 トルク耐久とは、ブレーキ制動力(回転力)に対して長い時間抵抗できる
(ディスク) 性質をいい、検査の対象は、ディスクブレーキとドラムブレーキです。一
(ドラム) 定の回数、一定の圧力でブレーキを作動させて回転力(トルク)を発生さ
せ、不具合の有無を確認する検査です。
気密性 気密性とは、密閉された気体が外部に漏れない性質をいい、検査の対象は、
(ディスク) シリンダーとピストンで、密閉されたブレーキ液を充填する部分に、一定
(ドラム) の時間、一定の液圧のブレーキ液を充填してブレーキ液の漏れの有無を確
認する検査です。
摩擦係数 摩擦係数とは、2 つの物体の接触面に平行に働く摩擦力とその面に直角に
(ディスク) 働く垂直抗力(圧力)との比(μ)をいい、制動装置の本来的な機能であ
る制動力を示します。検査の対象は、摩擦材(パッドやライニング)で、
ダイナモ試験機を用いて、さまざまな試験条件(温度、車速、圧力等)を
設定して摩擦係数を測定します。自動車用ブレーキは、ブレーキテスター
で行う完成検査とは異なる条件下で摩擦係数を測定することができます。
締付けトルク 締付けトルクとは、ねじを回して締め付けるときに回転方向に回す力(N・
m)をいいます。検査の対象は、ドラムブレーキの (エアー)ブリーダース
クリュー、シリンダーボルト、チュービングナットです。
Ⅵ 対象製品の再評価の結果
調査委員会の調査過程並びに調査報告書において、お客様へ提出した検査データの修正や
未実施検査データの記載等不適切な行為があったことが判明いたしましたので、当社では対
象製品の日常検査の管理データ記録の解析や試験によるデータの検証(管理値との乖離デー
タを含む)、及び検査未実施の現行流動製品並びに過去生産製品の強度、耐久性等の試験に
よる再評価を 2021 年 1 月末まで継続して実施してまいりました。その結果、お客様と合意
した製品の性能を有していることを確認し、製品の性能に問題はないと判断いたしました。
その結果は下記の通りです。
保証する 検査
検査項目 検査結果
機能 目的
強度 お客様要請条件 パッド ブレーキ力が発生した際にパッドにせん断力が発
で検査を実施し せん断強度 生します。パッドせん断強度の管理は、検査時に
た際に要請され (常温) 管理値から外れた場合、再検査を実施し適合して
た管理値以下で (高温) いる事を確認した上で出荷しています。今回、管
破壊、折損等の 理値を外れた検査データが存在しているため、そ
不具合が発生し の同等品で評価を実施いたしました。
ないかの確認を 管理値は、市場で発生しうる最大のブレーキ力に
行う 十分余裕を持たせた値を管理値として設定してい
ます。今回、再検証として管理値を外れた値の最
悪品を選定し、ダイナモ試験機で管理値に相当す
るブレーキ力を加えパッドの状態を確認した結
果、パッド機能を阻害するような欠け、クラック、
剥離の発生は無く、製品の性能には問題ないこと
を確認いたしました。
12
ライニング ブレーキ力が発生した際にライニング部分にせん
接着強度 断力が発生します。ドラムブレーキのライニング
は、ブレーキシューとの間に接着剤を塗布して保
持しているため、ライニングの接着強度の検査を
実施しています。
今回の不適切行為の中では、抜き取り検査数不足
が発生しましたが、工程内で検査する日常検査デ
ータを検証した結果、過去流動品並びに現在生産
を行っている製品は、管理値以上の強度が確保さ
れており、接着強度の性能には問題ないことを確
認いたしました。
耐接線力強度 ブレーキ力が発生した際に、その力をマウンティ
ングブラケット部品が受けるため、その強度を確
認します。
耐接線力強度は、市場で発生し最大のブレーキ力
に十分余裕を持たせた値を管理値として設定して
います。
今回、対象となる製品にアムスラー試験機で破壊
試験を実施した結果、対象製品は、管理値以上の
強度を保有しているため、製品の性能には問題な
いことを確認いたしました。
耐圧強度 ブレーキを掛けた時にシリンダーボディに液圧が
加わります。検査では、 車両の最大発生液圧に十分
余裕を持たせた値を管理値として設定しています。
今回、対象となる製品に車両の最大発生液圧以上の
液圧を加え、破壊する液圧を確認した結果、 管理値
以上の強度を保有しているため、 製品の性能には問
題ないことを確認いたしました。
シュー溶接強度 シュー溶接強度は、ライニングを取り付けるブレー
キシューを構成するリムとウェブを溶接で固定し
ているため、この溶接状況を検査しています。 溶接
は、ブレーキシュー1 本当り 10 点ほどあり、 点の
1
溶接強度を管理値として設定しています。
今回、現行流動品並びに過去流動していた製品の日
常検査データを検証した結果、 すべての検査データ
は管理値以上の強度を保有しているため、 製品の性
能には問題ないことを確認いたしました。
締付け部位強度 ブリーダースクリュー、 ブレーキホースを取り付け
(ディスク) るシリンダーボディ及びホイールシリンダーの継
(ドラム) ぎ手部のネジ強度を検査しています。 検査は、 ブリ
ーダースクリュー及びブレーキホースとも、 ネジ部
がドライ、ウエットの 2 つの条件でそれぞれ対象部
品の締付け強度を検査機器 (トルクレンチ) で確認
しています。
今回、検査を実施した結果、 シリンダーボディの双
方のネジ部は、破壊は無く、 管理値以上の強度を保
有しているため、製品の性能には問題ないことを確
認いたしました。
耐久性 お客様要請条件 液圧耐久性 液圧耐久は、ブレーキを掛けた時にシリンダーボ
で繰り返し作動 (ディスク) ディに液圧が加わり、液圧を繰り返し加え気密性
させ評価回数後 (ドラム) を確保するピストンシール、カップの耐久性を確
に破壊、折損、 認する検査です。
気密性等に不具 今回、お客様の要請条件で現行流動品並びに過去
合の発生がない 流動していた製品を使って検査を実施した結果、
13
ことを検査する 液漏れは無く、気密性等、製品の性能には問題な
いことを確認いたしました。
トルク耐久 トルク耐久は、お客様要請条件で繰り返し制動さ
(ディスク) せ、構成する各部品の耐久性を確認します。
(ドラム) 今回、構成する部品のカップの性能試験結果表、
バックプレートの鋼材検査証明書、シュー溶接強
度などの単品品質確保が重要であり、各製造工程
の設備変更有無の確認と各製品の検査成績表を、
過去データも含めて全ての項目が管理値内で合格
しており、耐久性に問題はないと判断いたしまし
た。
気密性 お客様要請条件 液漏れ ブレーキを車両に取り付けた後、ブレーキ液が充
で液漏れ、エア エアー漏れ 填されブレーキが制動した時に液圧が発生しま
ー漏れの発生が (ディスク) す。気密性が保持出来ない場合は液圧が発生せず、
ないことを検査 (ドラム) ブレーキ力が発生しないため、重要な検査です。
する 今回、対象となる製品は、現行流動品並びに過去
流動していた製品を使用し、お客様要請条件で検
査を実施いたしました。
いずれの条件においても液漏れ、エアー漏れの発
生は無く、製品の性能には問題ないことを確認い
たしました。
当社の製造工程は、ディスクブレーキ、ドラムブ
レーキともに組立工程内で気密性検査(低圧/高
圧リークテスト)を全数実施し、合格した製品の
み出荷する体制にしています。
制動力 お客様要請条件 摩擦係数 摩擦係数の検査は、ブレーキを制動させた時の摩
で制動させた時 擦材が保有する特性を検査しています。
の摩擦係数を検 検査は、一般性能(JASO 性能)評価を実施し、そ
査する の中でディスクローターが高温になった時の摩擦
係数を計測し、一番下がる値を選定し、当該アイ
テムの車両重量の条件で換算した制動力を算出し
た結果、製品の性能には、問題ないと判断いたし
ました。
組付け ブレーキを組付 締付けトルク 生産の最終工程で、構成部品を対象に組付け最終
ける際に各部品 検査を実施し出荷しています。
を指定された締 各構成部品を固定するために、指定された締付け
付けトルクで検 トルクで全数工程保証します。
査する 当社は設備側の締付けトルク工程管理は、日常検
査にて 3 回/1 日の抜き取り検査を実施し、設備の
保証、製品の保証を行っています。
不適切行為があった検査項目は 36 項目、製品の性能に関わる重点的に検証すべき 16 項目以
外の検査項目(パッド・ライニングの摩擦材物性、ディスクブレーキの特性等 20 項目)につい
ても評価を実施し製品の性能に問題がない事を確認いたしました。
なお、当社は従前より、製品の性能は管理値に対し十分余裕を持ったレベルに設定し開発・生産
しており、お客様から本件に起因した問題のご指摘を受けたことはありません。
14
当社は、お客様から指定された定期検査のほかに、当社が出荷する製品の品質を保証する目的で
製造工程において日常検査を実施しています。その検査項目は下記の通りです。
日常検査項目
保証する
検査目的 検査項目 検査頻度
機能
強度 お客様要請条件の管理値以下での パッドせん断強度 生産ロット毎
破壊、折損等の不具合発生がない事 ライニング接着強度 生産ロット毎
を確認します。 シュー溶接確性/強度 生産ロット毎
気密性 当社、管理値条件でエアー漏れ発生 気密性 全数検査
がないことを確認します。
組付け 指定された締付けトルクで実施さ 締付トルク 全数検査
れているかを確認します。
図面指示通りに加工されているか 各部寸法 生産ロット毎
を確認します。 (3 回/日)
製品特性 お客様要請条件の管理値を維持し 摩擦材物理特性 生産ロット毎
ているかを確認します。
Ⅶ 本件不適切行為に対する再発防止策について
調査委員会からの報告を2020年9月17日に受領し、その内容の精査と確認を行うとともに、
現場における事実関係の調査、検証等を実施いたしました。調査委員会の調査による「背景・
原因」の分析、また「再発防止策」の提言も踏まえ、以下の再発防止策を策定いたしました。
同時に経営トップ自らが先頭に立ち、直ぐに実施できる対策から着手するとともに、「意識
改革と行動改革」に繋げるための社内情報発信を開始しております。
1 組織体制の見直し・監査機能の強化
原因及び背景 再発防止策
牽制機能の欠如 (1) 3 線ディフェンス機能構築
検査体制の不備 お客様提出の「定期検査報告書」の作成~提出のプロセス改定実施
・第 1 線(製造拠点内品質管理課) :検査および定期検査時報告書を作成
・第 2 線(品質保証部門) :調査結果を確認の上で承認
→検査データと報告書結果の突合のうえ承認に変更(2020 年 4 月~実施)
・第 3 線(内部監査室) :品質保証部門の承認プロセスを監査(2021 年 4 月~)
(2) 品質保証組織および内部監査室の人的強化(2021 年 1 月 1 日付実施済み)
・品質保証部に各製造拠点の品質管理課の管理監督機能を追加・強化
・品質推進部を新設し各製造拠点の品質教育を強化
・内部監査室の機能拡大のため人財の補強を実施
(3) 社外取締役・監査役との連携強化
・取締役会の「内部通報に関する定期報告」を半期毎から毎月に変更(2021
年 3 月~)
2 人の手が介在できない検査システムの導入
原因及び背景 再発防止策
データ修正が IT 検査システムの導入(2021 年 3 月~)
可能な仕組み ・IT を活用し、検査データを自動的にデータベースへ集積
・データベースからの自動出力による定期検査報告書の作成
・検査データに人の手が介在できないようにし、かつデータのトレーサビリ
ティを確保します
15
3 検査内容・検査項目の見直し
原因及び背景 再発防止策
検査内容・項目設 検査内容・検査項目の改定
定の検証不足 ・指定検査項目についてお客様と協議・見直しを開始(2020 年 10 月~)
→摩擦材における季節変動を考慮した公差の設定
→日常検査の実測値データの活用、検査頻度の見直し
上記と併せ、検査技術、部品材料技術の向上を進めます
4 品質教育・コンプライアンス教育の強化
原因及び背景 再発防止策
品質・検査デー (1) 製造品質教育の強化
タの改ざんに対 ・幹部職、係長・班長・オペレーターまでの階層別の品質教育を見直し、体
するリスク意識 系化して定期教育として実施します(2021 年 4 月~)
の欠如 (2) 品質社内資格制度の再構築、品質専門家の育成
・開発部門や品質保証部門が関与し、生産拠点毎の検査員資格制度を全グル
法令・コンプラ ープ統一の社内資格制度の仕組みに再構築します(2021 年 4 月~)
イアンス意識の ・品質分野の専門家育成のために、開発・品質・生産の各部門が連携し、教
低下、知識の欠 育体系づくりとローテーションを実施します(2021 年 4 月~)
如 (3) コンプライアンス研修の見直し
・コンプライアンス教育の受講を人事評価・昇進条件に組込み、全役職員の
コンプライアンス知識レベルの向上を図ります(2021 年 4 月~)
・役職員については、グローバル統一でのオンライン研修を実施します(理
解度が一定スコア以上になるまで繰返し受講)(2021 年 10 月~)
5 風土改革・意識改革
原因及び背景 再発防止策
規範意識の欠 (1) 「全社風土改革委員会」の設置と定期モニタリング
如 ・「全社風土改革委員会(委員長:代表取締役社長) 」を設置し、全社員の意識
改革、企業風土刷新を図ります(2021年3月1日付)
忖度する企業 →リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会と連
風土 携し、各種施策を立案し、推進します
→定期的に社員アンケートを実施し、施策の効果・社員意識の変化をモニタリ
ングしPDCAにより、継続的な向上を図ります
(2) 経営トップメッセージの定期発信
・コンプライアンスに関するメッセージを定期的に発信します
・経営トップが製造現場に頻繁に足を運び、従業員との直接のコミュニケーシ
ョンによりコンプライアンス意識の向上を図ります(2021年4月~)
(3) 内部通報制度の実効性向上
・内部通報制度の趣旨、不正を見つけた場合の通報義務、内部通報者に一切、
不利益を生じさせない等を周知徹底します
→社長の定期社内向けメッセージの中で 「内部通報で不正の芽を早期に摘み取
ることは会社に貢献することであり、内部通報行為を評価する」ことを繰り
返し伝えます(2021年2月~)
(注)従来、内部通報制度はハラスメント・苦情処理が中心で、通報すること
は会社に迷惑をかけると忖度する社員もいました
・内部通報による是正の結果を社内周知します(2021年3月~)
・内部通報が直接、社外役員に届く仕組みに変更します(2021年3月~)
16
Ⅷ 今後に向けて
不適切行為に係るコンプライアンス案件の調査委員会の調査報告書を受け、関係するお客様へ
のご説明を進める中で頂戴したご叱責、ご意見やアドバイスに深謝申し上げます。
再発防止策で掲げた諸施策を、経営トップが先頭に立ち、当社グループ全社員で真摯かつ確実
に実行していくことを通じて、組織風土の抜本的改革を進めてまいります。
当社は、2019 年の事業再生ADR手続成立に際し、債権者様、お客様、お取引先様、株主様そ
の他多数の関係者の皆様からの信任とご支援を受けて、事業再生に取り組んでおります。
そのような中で、当社製品をご使用いただき、お取り扱いいただいている多くのお客様、お取
引先様、関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をお掛けしたことに対し、深くお詫び申し上
げます。
今回の問題を教訓に二度と同じことを繰り返さないよう、当社の責任を果たし、再び「安全」と
「安心」の信頼をいただける会社に生まれ変わるために、原点に立ち返り、不退転の決意を持っ
て再発防止に努めてまいります。
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参考資料:曙ブレーキ工業株式会社 会社概要
業種 自動車用・産業機械用・鉄道車両用ブレーキ製品等 製造・販売
本社 埼玉県羽生市東 5-4-71
本店 東京都中央区日本橋小網町 19-5
創業 1929 年 1 月
設立 1936 年 1 月
資本金 199 億円(2020 年 9 月末現在)
売上高 1,933 億円(2020 年 3 月期連結)
社員数 6,746 人(2020 年 9 月末連結現在)
代表者 宮地康弘(代表取締役社長 CEO)
主要株主の状況 大株主(普通株式 上位 5 社 2020 年 3 月 31 日現在)
株主 持株比率(%)
トヨタ自動車株式会社 11.5
いすゞ自動車株式会社 9.0
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 2.7
アイシン精機株式会社 2.3
曙ブレーキ誠和魂従業員持株会 1.8
主な製品 自動車用
ディスクブレーキ、パッド、ドラムブレーキ、ライニング、マスターシリンダ
ー
二輪用
ディスクブレーキ、パッド、マスターシリンダー
その他
産業機械用ブレーキ、鉄道車両用ブレーキ、センサー
シェア ディスクブレーキパッド (2019 年 12 月実績 当社調べ)
日本 36% グローバル 10%
18
業績 地域別売上高(2021 年 3 月期 第 2 四半期)
21 年 3 月期
インド 2Q 累計
タイ ネシア
8% 日本 日本 257
4%
39%
中国 北米 209
8% 欧州 58
中国 50
欧州
605 億円 タイ 26
9%
インドネシア 56
アジア 132
小計 656
北米
32%
連結消去 △51
合計 605
お客様別売上高(2021 年 3 月期 第 2 四半期)
21 年 3 月期
GM 2Q 累計
他
17% 14% GM 14%
三菱自 トヨタ 14%
4% 日産 12%
ダイハツ トヨタ ホンダ 9%
4% 14%
605 億円 産機/鉄道 8%
代理店 VW 7%
5%
いすゞ 6%
いすゞ 日産 代理店 5%
6% 12%
ダイハツ 4%
VW
ホンダ 三菱自 4%
7% 産機/鉄道
9%
8% その他 17%
合計 100%
19
生産拠点 国内
曙ブレーキ山形製造株式会社
創業 1992 年
住所 山形県寒河江市中央工業団地 161-3
代表者 山田 芳之
売上高 128 億円(2020 年 3 月期)
社員数 335 名(2020 年 9 月末現在)
製品 ブレーキパッド、クラッチフェーシングなど
曙ブレーキ福島製造株式会社
創業 1971 年
住所 福島県伊達郡桑折町大字成田字新宿 10
代表者 村上 和雄
売上高 68 億円(2020 年 3 月期)
社員数 268 名(2020 年 9 月末現在)
製品 ドラムブレーキライニング、ディスクブレーキパッド、
クラッチフェーシングなど
曙ブレーキ岩槻製造株式会社
設立 1962 年
住所 埼玉県さいたま市岩槻区大字鹿室 1190
代表者 中田 昭宏
売上高 307 億円(2020 年 3 月期)
社員数 571 名(2020 年 9 月末現在)
製品 ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、新幹線用ディスクブレー
キなど
曙ブレーキ山陽製造株式会社
創業 1965 年
住所 岡山県総社市久代 1966-8
代表者 三原 光一
売上高 104 億円(2020 年 3 月期)
社員数 421 名(2020 年 9 月末現在)
製品 ドラムブレーキ、ホイールシリンダーなど
曙ブレーキ工業株式会社 館林鋳造所
設立 2007 年
住所 群馬県館林市大島町字東部工業団地 6012
社員数 67 名
製品 ディスクブレーキ用鋳物部品
センサー工場
設立 2000 年
住所 埼玉県羽生市東 5-4-71
社員数 20 名
製品 加速度センサー、スタンドアローンセンサー、
角速度センサー、センサークラスターなど
海外
北米(アメリカ・ケンタッキー州 2 拠点、メキシコ 1 拠点)
欧州(スロバキア 1 拠点、フランス 1 拠点)
アジア(中国 2 拠点、インドネシア 1 拠点、タイ 2 拠点、ベトナム 1 拠点)
20
沿革 1929 年 曙石綿工業所を創業、ウーブンブレーキライニング、クラッチフェ
ーシングの製造開始
1939 年 羽生製造所建設、稼働開始
1960 年 曙ブレーキ工業(株)に改称
米国ベンディックス社とブレーキに関する技術援助契約を締結
1962 年 岩槻製造所建設、稼働開始(現 曙ブレーキ岩槻製造(株)
)
1965 年 晝田工業(株) 三菱重工業
、 (株)と共同出資で山陽ブレーキ工業(株)
を設立(現 曙ブレーキ山陽製造(株)
)
1971 年 福島製造所建設、稼働開始(現 曙ブレーキ福島製造(株)
)
1983 年 東京証券取引所市場第一部に上場
1985 年 フランス現地法人 Akebono Europe S.A.R.L. を設立
(現 Akebono Europe S.A.S.( Gonesse))
1986 年 米国 GM 社との合弁会社 Ambrake Corporation を設立
(現 Akebono Brake, Elizabethtown Plant)
1992 年 曙ブレーキ山形製造(株)を設立
1996 年 インドネシア PT. Tri Dharma Wisesa に資本参加
(現 PT. Akebono Brake Astra Indonesia)
2004 年 中国現地法人 広州曙光制動器有限公司を設立
中国現地法人 曙光制動器(蘇州)有限公司を設立
2006 年 タイ現地法人 Akebono Brake (Thailand) Co., Ltd. を設立
2008 年 館林鋳造所稼働開始
2011 年 ベトナム現地法人 Akebono Brake Astra Vietnam Co., Ltd. を設立
2012 年 メキシコ現地法人 Akebono Brake Mexico S.A. de C.V.
を設立
2014 年 スロバキア現地法人 Akebono Brake Slovakia s.r.o.
を設立
2019 年 事業再生 ADR 手続完了により 10 月から新経営体制発足
21
参考資料:対象製品について
ディスクブレーキイラスト図
【ディスクブレーキ】 【ディスクブレーキ構成部品】
ディスクブレーキ構成部品の機能
主な構成部品 部品の機能(役割)
シリンダーボディ ピストンを保持しパッドを挟む
マウンティングブラケット パッドから発生した制動力を受け止める
ピストン ブレーキペダルから入った力を受けパッドを挟む力を発生させる
ピストンシール ブレーキ液の充填を保持する
ピストンブーツ シリンダー内に水や埃の侵入を防ぐ
ブーツリング ピストンブーツをシリンダーボディに固定する
ガイドピン/ロックピン シリンダーボディをマウンティングブラケットで支える
ピンブーツ ガイドピン/ロックピン穴に水や埃の侵入を防ぐ
パッド ディスクローターとの摩擦で制動力を発生させる
シム パッドの振動を抑制させる
パッドクリップ パッドの振動を抑える
ブリーダースクリュー シリンダーボディ内のエアーを抜き出す
ブリーダーキャップ ブリーダースクリュー穴からの水や埃の侵入を防ぐ
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ドラムブレーキイラスト図
【ドラムブレーキ構成部品】
【ドラムブレーキ】
【ブレーキシューの構造】
ウェブ リム ライニング
溶 接
接 着
ドラムブレーキ構成部品の機能
主な構成部品 部品の機能(役割)
ホイールシリンダー ブレーキ液を保持し、シューを動かし制動力を生み出す
バックプレート ブレーキを車両側に取付けるためのプレート
ブレーキライニング ドラムとの摩擦で制動力を発生させる
ブレーキシュー ブレーキライニングを接着し保持する
運転席のパーキング引き力をパーキングレバーで受けシュー
パーキングレバー
を拡張させ制動力を発生させる
アンカー部 制動力をバックプレートに伝える
ドラムとライニング間のすき間を調整するアジャスターギア
アジャスターレバー
を回転させる
リターンスプリング ブレーキ解除後、拡張していたブレーキシューを戻す
シューホールドスプリング ブレーキシューのバックプレートに保持し振動を抑える
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2021 年 2 月 16 日
お知らせ
曙ブレーキ工業株式会社
ISO9001認 証 及 び IATF16949認 証 の 一 時 停 止 に つ い て
2 月 16 日付にて公表したとおり、当社生産子会社である曙ブレーキ山形製造株式会社、曙ブレーキ福島製造株
式会社、曙ブレーキ岩槻製造株式会社、曙ブレーキ山陽製造株式会社(以下、総称して「当社国内生産子会社」と
いいます。
)が製造する自動車用ブレーキ製品等の一部において、お客様(完成車メーカー)に提出する定期検査
報告書に不適切な行為(以下「本件」といいます。
)がありました。本件を受け、ロイド レジスター クオリティ
アシュアランス リミテッド社より ISO9001 認証及び IATF16949 認証の一時停止の審議結果通知を受領いたしまし
たので、お知らせいたします。
当社及び当社国内生産子会社は、是正計画策定を進めており、早期の解除に向けて、全力で取り組んでまいりま
す。なお、今回の一時停止による生産及び納入への影響はございません。
お客様、お取引先様、株主の皆様をはじめとした関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることとな
りましたことを深くお詫び申し上げます。
記
1.通知内容
組織 適用規格 登録番号 主な登録対象
ISO 9001:2015 / 自動車ブレーキ製品の
曙ブレーキ工業(株) 0066524-501
JIS Q 9001:2015 設計・開発・製造
曙ブレーキ山形製造(株) IATF 16949:2016 0066524-001 ブレーキパッドの製造
曙ブレーキ福島製造(株) IATF 16949:2016 0066524-002 ブレーキライニングの製造
曙ブレーキ岩槻製造(株) IATF 16949:2016 0066524-003 ディスクブレーキの製造
曙ブレーキ山陽製造(株) IATF 16949:2016 0066524-005 ドラムブレーキの製造
2.通知受領日
2021 年 1 月 21 日
以 上