7181 かんぽ生命保険 2020-12-14 14:45:00
(開示事項の経過)業務改善計画の進捗状況について [pdf]
2020 年 12 月 14 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 か ん ぽ 生 命 保 険
代表者名 取締役兼代表執行役社長 千 田 哲 也
(コード番号:7181 東証第一部)
問合せ先 広報部(TEL.03-3477-2357)
(開示事項の経過)業務改善計画の進捗状況について
株式会社かんぽ生命保険(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 千田哲也、以下「かんぽ
生命」)は、本日、業務改善命令(2019 年 12 月 27 日)に基づく業務改善計画の進捗状況(2020 年
11 月末時点)を金融庁に報告しました。業務改善計画の進捗状況の要旨は別紙のとおりです。
本件につき、今後開示すべき事象が発生した場合は、速やかに開示いたします。
以上
別紙
業務改善計画の進捗状況について
1 かんぽ生命のご契約調査の結果
(1) 特定事案調査の進捗状況
特定事案調査については、お客さま約 15.6 万人に対し、郵送・架電・訪
問により、申込時の募集状況の確認や契約復元等のご意向確認を行い、お客
さま都合によるもの等を除き、3 月末でお客さま対応が完了しております。
また、お客さま都合によるもの等についても、引き続き丁寧な対応を実施し
ております。
(2) 特定事案調査の募集人調査の進捗状況
特定事案調査の募集人調査については、 月末までにほぼすべての判定が
4
完了しております。11 月 30 日時点で法令違反が認められた事案は 311 件
(413 人)、社内ルール違反が認められた事案は 3,347 件(2,222 人)となっ
ております。 また、募集人処分としては、 業務廃止が 67 人(他事案 13 人(*) 、
退職者等 45 人の業廃相当含む)、1 カ月から 6 カ月の業務停止が 1,009 人、
2 週間または 3 週間の業務停止が 1,552 人、不服申立期間中など処分判定中
が 7 人となっております。
さらに、特定事案調査に係る募集人調査の結果、法令違反または社内ルー
ル違反が認められた募集人に対する研修を順次開始しております(11 月 30
日までの対象募集人は 2,450 人)。
* 他事案 13 人は、多数契約調査のうち昨年より実施している事案 10 人、その他お客さまの声等か
ら発覚した事案 3 人
(3) 全ご契約調査の進捗状況
全ご契約調査については、 お客さま約 1,900 万人に対して、返信はがきを
同封した書面によりご意向確認を行い、100 万通を超える回答を受領し、お
客さま都合によるもの等を除き、お客さま対応が 3 月末に完了しておりま
す。お客さまからの契約措置のご要望など、お客さま都合によるもの等につ
いても、利益回復に係る対応を実施する等、引き続き丁寧な対応を実施して
まいります。
全ご契約調査においてお客さまからいただいた苦情やお叱り等のご意見
のうち、法令違反または社内ルール違反の可能性について、11 月 30 日時点
において、3,832 件が該当する可能性があることを確認しております。これ
らについて、募集人調査や利益回復に向けた対応を実施しています。
1
(4) 全ご契約調査の深掘調査の進捗状況
① 多数契約調査の進捗状況
深掘調査の多数契約調査については、お客さま都合によるもの等を除
き、お客さまへの対応は概ね完了しており、 お客さま都合によるもの等に
ついても、引き続き丁寧な対応を実施しております。
2 月から優先的に対応を開始したお客さま(897 人(*1))に加え、優先
対応以外のお客さま(5,532 人(*2))について調査を進めており、11 月 30
日時点でご意向の意思表示があったお客さまが 6,299 人(98%)、ご意向
に沿わないお客さまが 3,058 人(48%)であり、そのうち契約措置を希望
されたお客さまが 2,771 人(43%)となっております。
*1.過去 5 年間(2014 年 4 月から 2019 年 3 月までの間を指します。以下同じ。)で新規契約を 15 件以上加
入し、その半数以上が消滅したもの
*2.過去 5 年間で新規契約を 10 件以上加入し、その 3 割以上が消滅したもの
② 多数契約以外の調査の進捗状況
多数契約調査以外の調査についても、 お支払いいただく保険料が高額で
あったり、被保険者や保険種類を変更するなどして新規契約に加入した
ことがあるなどのお客さまに対して、 金額や回数の多寡に応じて、 かんぽ
生命の支店社員のご訪問やご契約状況のわかる書面を送付し、ご契約内
容の確認を実施しており、 お客さま都合によるもの等を除き、 お客さまへ
の対応が概ね完了しており、 お客さま都合によるもの等についても、 引き
続き丁寧な対応を実施しております。
お支払いいただく月額保険料が 20 万円以上のお客さま(5,103 人)に
ついて調査を進め、 月 30 日時点でご意向の意思表示があったお客さま
11
が 5,025 人(98%)、ご意向に沿わないお客さまが 2,140 人(42%)であ
り、そのうち契約措置を希望されたお客さまが 1,947 人(38%)となって
おります。
被保険者や保険種類を変更するなどして新規契約に加入したことが複
数回あるなどのお客さま(2,650 人)の調査についても、11 月 30 日時点
でご意向の意思表示があったお客さまが 2,482 人(94%) 、ご意向に沿わ
ないお客さまが 944 人(36%)であり、そのうち契約措置を希望されたお
客さまが 834 人(31%)となっております。
また、お支払いいただく月額保険料が 10 万円以上のお客さま(14,059
人)について調査を進め、11 月 30 日時点でご返信等をいただいたお客さ
ま(8,648 人)のうち、ご意向の意思表示があったお客さまが 8,572 人
(99%) 、ご意向に沿わないお客さまが 1,284 人(15%)であり、そのう
ち契約措置を希望されたお客さまが 1,083 人 (13%) となっております。
被保険者や保険種類を変更するなどして新規契約に加入したことがあ
2
るなどのお客さま、保険期間等短縮変更制度を利用した契約乗換などの
お客さま(32,814 人)の調査についても、11 月 30 日時点でご返信等をい
ただいたお客さま(18,334 人)のうち、ご意向の意思表示があったお客
さまが 18,210 人(99%)、ご意向に沿わないお客さまが 1,530 人(8%)
であり、そのうち契約措置を希望されたお客さまが 1,167 人(6%)とな
っております。
なお、書面に同封したアンケートの返送をいただけていないお客さまに
対しては、7 月 30 日に再度ご案内の書面を送付しております。
多数契約以外の調査(訪問対応)の状況 11 月 30 日時点
多額契約 被保険者・保険種類変更
お客さまへのご連絡・ (20 万円以上)(*1) (複数回) (*2,3)
ご契約内容の確認状況 対象人数 割合 対象人数 割合
(人) (%) (人) (%)
ご契約内容の確認が完了
5,025 98 2,482 94
したお客さま
ご意向に沿わないお客
2,140 42 944 36
さま
契約措置を希望され
1,947 38 834 31
たお客さま
対象のお客さま 5,103 100 2,650 100
多数契約以外の調査(レター送付の上、訪問対応)の状況 11 月 30 日時点
被保険者・保険種類変更
多額契約
(1 回)、期間短縮
お客さまへのご連絡・ (10 万円以上)(*4)
(*5,6,7)
ご契約内容の確認状況
対象人数 割合 対象人数 割合
(人) (%) (人) (%)
ご契約内容の確認が完了
8,572 99 18,210 99
したお客さま
ご意向に沿わないお客
1,284 15 1,530 8
さま
契約措置を希望され
1,083 13 1,167 6
たお客さま
ご返信等をいただいた
8,648 100 18,334 100
お客さま
対象のお客さま 14,059 32,814
3
*1 2019 年 12 月時点で 65 歳以上の契約者が月額保険料 20 万円以上の払込を行っており、かつ短期消滅契
約が 1 件以上発生(2014 年 4 月∼2019 年 12 月)しているもの
*2 過去 5 年間で契約者が同一で被保険者を変更した新規契約を締結し、 その変更後契約が複数回短期消滅
しているもの
*3 保険⇔年金の乗換の繰り返しが複数回あったもの
*4 2019 年 12 月時点で 65 歳以上の契約者が月額保険料 10 万円以上の払込を行っており、かつ短期消滅契
約が 1 件以上発生(2014 年 4 月∼2019 年 12 月)しているもの
*5 過去 5 年間で契約者が同一で被保険者を変更した新規契約を締結し、 その変更後契約が 1 回短期消滅し
ているもの
*6 過去 5 年間で年金から保険への乗換があったもの
*7 保険期間等を短縮変更し、新規契約の申込をしているもののうち、新規契約が引受謝絶等に該当するも
の
*8 返信用アンケートの返信がないお客さま(多額契約(10 万円以上) :5,411 人、多額契約(10 万円以上)
以外:14,480 人)
(5) 全ご契約調査の深掘調査等の募集人調査の進捗状況
深掘調査等の募集人調査については、11 月 30 日時点において、法令違
反が認められた人数は 242 人、社内ルール違反が認められた人数は 93 人と
なっております。
また、多数契約調査のうち昨年より実施している事案については、病休
により調査ができない 1 事案を除き調査が終了しております。
法令違反が認められた人数は 84 人であり、募集人処分としては、業務廃
止が 76 人(退職者等 9 人の業廃相当含む) カ月から 6 カ月の業務停止
、1
が 8 人となっております。
(6) フォローアップ活動について
上記以外についても、信頼回復・ご契約内容確認のための活動として、
2019 年 4 月以降に契約乗換を行った契約等を有する 12,104 人のお客さまへ
の確認を実施しており、11 月 30 日時点で、9,784 人(約 81%)のお客さま
にご契約内容をご確認いただいており、そのうち 3,461 人(約 29%)のお客
さまが契約措置を希望され、2,180 人(約 18%)のお客さまについて契約措
置が完了しております。
また、このほかにも、契約者・被保険者別人の終身保険をお持ちになって
いるお客さま約 3.4 万人へのレター送付や払込完了となった契約を解約し
た上で契約乗換を行った契約をお持ちになっているお客さまへの確認活動
も実施するなど、信頼回復・ご契約内容確認のための活動を通じ、お客さま
のご意見・ご要望を丁寧にお聞きしてまいります。
さらに、 継続的なご契約内容の確認活動に加え、 全てのご契約者さまに 10
月にお送りしている「ご契約内容のお知らせ」において、ご契約内容の確認
方法を掲載したうえで、ご契約内容確認のご案内を実施するなど、様々な機
会を通じてお客さまからの声をいただく取り組みにより、 お客さまのご意向
に沿い、お客さまの生活環境の変化に合わせて、ご加入の生命保険をお客さ
まのお役に立てる活動を続けてまいります。
4
2 1の調査により、不適正な募集行為を行ったと認められる募集人に対する
適切な対応(事故判定・処分基準の厳格化と運用の徹底を含む)
(1) 事実認定・事故判定の厳格化等
① 自認に頼らない事実認定・事故判定の実施
募集人が不適正募集の事実を否定した場合であっても、 外形的にお客さ
まに不利益と認められる契約形態、 お客さまからの回答内容や信憑性の高
い状況証拠に基づき、 不適正募集に関する事実認定を行い、 適切な処分を
実施しております。【2019 年 11 月実施済み】
② 調査協力(自己申告)制度の取組強化
調査の実施に当たって、 自らの違反行為の申告や調査への十分な協力を
行った場合には、 募集人に対する処分について、本来よりも軽減又は免除
を行うといった迅速な原因究明等に資する取組みを実施しております。
【2019 年 11 月から順次実施済み】
(2) 処分基準の厳格化等
① 募集人処分における「業務停止」及び「注意」の追加
募集人処分については、従前は「業務廃止」と「厳重注意」の二段階と
しておりましたが、 一定期間募集を停止させる処分等を追加し、 不適正募
集の態様・程度に応じた処分を実施するための規程改正を 2020 年 3 月に
行い、同年 4 月から当該規程に基づく運用を実施しております。【2020 年
4 月実施済み】
② 管理者に対する処分
不適正募集を発生させた募集人の管理者については、 過怠の程度に応じ
た厳格な処分を日本郵便に対して要請することとし、 そのための規程改正
を 2020 年 3 月に行い、同年 4 月から当該規程に基づく運用を実施してお
ります。 【2020 年 4 月実施済み】
③ 不適正募集を発生させた募集人及び募集態様に課題がある募集人への
対応
不適正募集を発生させた募集人及び募集態様に課題がある募集人に対
しては、研修を実施するとともに、 「募集事前チェック機能」に登録し、
一定期間、保険募集時における保障設計書の作成を制御し、 郵便局管理者
がお客さまの加入意向等について確認をするフォローアップを実施して
おります。【2020 年 4 月実施済み】
5
3 主な対策の進捗状況
(1) 適正な営業推進態勢の確立(乗換を助長しない、かつ実態に即した営業目
標の策定を含む)
① 適正な営業目標の設定
ア 営業の実力に見合った営業目標の設定と配算方法の見直し
2020 年度は営業目標の設定を行わないことを決定しました。
2021 年度以降に営業目標を設定する場合においては、生命保険マー
ケット等の見通しを踏まえ、現場の営業力に不適切な募集が含まれてい
ないかを確認することのほか、当年度と次年度の各種施策の変化要素に
コンサルタント数の増減の影響を加えた上で算出するとともに、適正な
募集品質に基づく営業力で達成できるものになっているか等、営業部
門・経営企画部門のほか、募集管理部門との間で協議のうえ、決定しま
す。
また、営業目標の日本郵便の各支社及び各郵便局への配算に際しては、
営業目標の水準の適正化と合わせて、適切に実施できているか日本郵便
の取組みの確認を行います。
イ 販売額(フロー)を重視した営業目標から、保有契約(ストック)を
重視した営業目標への見直し等
2021 年度以降に営業目標を設定する場合においては、これまでの新
契約月額保険料実績に偏重した目標管理等を改め、新契約と契約継続の
両方を同じ重要度で評価できるよう、新契約と消滅契約(解約等)の月
額保険料を差し引きしたストックを重視した目標に改めます。
また、3 年間消滅率を目標化するとともに、純新規の契約者数及び青
壮年の契約者数についても指標化し、青壮年層に重点を置いた営業活動
に移行します。
ウ人事評価の見直し
営業推進と募集品質の人事評価項目を一本化することにより、募集品
質の確保を前提とした営業推進を評価する内容に見直すこととしまし
た。【2020 年 4 月実施済み】
② 契約乗換への対策
ア 契約乗換の販売実績不計上・手当不支給
契約乗換については販売実績の計上を行わないとしたことに加え、
2020 年 4 月に手当(通常の契約の二分の一支給)も不支給とする見直し
6
を実施しました。【2020 年 4 月実施済み】
イ 契約乗換潜脱の防止
契約乗換の判定期間を拡大するとともに(新規契約の契約日前3か
月・後6か月→前12か月・後13か月)、判定期間に近接する契約につ
いてはアラート表示を行い、確認するためのシステム改正を実施しまし
た。【2020 年 4 月実施済み】
③ 高齢者募集への対策
満 70 歳以上のお客さまについては、原則、募集人からの勧奨を停止し
ております。お客さまのご意向によりお申込みをいただく場合には、必ず
ご家族等の同席またはご家族等への事前のご説明を実施しておりますが、
満 80 歳以上のお客さまからのお申込みの受付時に被保険者さまから事前
同意をいただく取扱いを満 70 歳以上のお客さまに拡大しました。【2020 年
4 月実施済み】
④ お客さまの保障ニーズに応えるための商品開発
多様な保険商品の開発が出来ていない中、低金利環境下で、商品魅力が
低下している養老保険・年金保険等の貯蓄性の高い商品が主力となってい
たことを踏まえ、青壮年層を含めたお客さまの保障ニーズに応えるための
商品の開発を目指します。
(2) コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成(適切な
募集方針の策定・浸透や職員及び募集人に対する研修を含む)
① 適切な募集方針の策定・浸透
ア お客さま本位の理念に基づいた行動規範の策定
生命保険本来の役割 ・使命を踏まえた高 い倫理観に基づき保 障
を提供するというプリンシプルベースの基本的な行動の実践を徹底す
るため、2020 年 2 月の取締役会においてお客さま本位の理念を反映させ
た勧誘方針を決議しました。
また、Web サイトへの掲載を通じて、お客さまに対して勧誘方針を公
表しました。 【2020 年 4 月実施済み】
イ「かんぽ営業スタンダード」の策定
お客さま本位の理念を反映させた勧誘方針に基づくかんぽ営業の行
動原則を「かんぽ営業スタンダード」として定義するとともに、これを
具体化した研修資料を 2020 年 2 月に作成しました。
7
この「かんぽ営業スタンダード」に基づき、お客さまの将来への不安
や保険のご加入状況等を踏まえた真のニーズを的確に把握したうえで
商品提案を行うための「ご意向お伺いシート」の作成及び同シートを活
用した具体的なご意向確認方法を導入しました。2020 年 4 月実施済み】
【
② 募集人等に対する研修
「かんぽ営業スタンダード」の意義や基本的な考え方に関する研修を
2020 年 2 月 21 日から開始しました。【2020 年 3 月末までにかんぽ生命
及び日本郵便の全募集人等に対して実施済み】
なお、引き続き各種研修を通じて、 「かんぽ営業スタンダード」の確実
な定着を図っていきます。
③ 社員の声の把握の充実
既に、かんぽ生命社員から同社社長への直接提案制度について実施し
ており、2020 年 11 月末までに累計 1,438 件の提案がありました。これら
の社員の声を踏まえ、 本社からの情報発信の強化、 現場志向を高める人事
制度の導入、社員の声に迅速に対応する態勢の整備等についての検討を
進めています。
また、上記の提案制度に加え、かんぽ生命経営陣が各支店等を訪問し、
現場の社員の声を直接聞く「役員ダイアログ(対話) 」を実施【2020 年 2
月開始】しております。
(3) 適正な募集管理態勢の確立(代理店に対する十分なけん制機能の構築を
含む)
① お申込みから契約締結までの重層的なチェックの実施
外形上、募集品質に懸念のある申込みについては、既に導入している
「募集事前チェック機能」の対象を拡大【2019 年 4 月以降順次実施】す
るとともに、郵便局管理者【2019 年 9 月実施済み】及びかんぽ生命の専
用コールセンター【2020 年 1 月実施済み】によるお客さまへのご意向確
認に加え、引受審査時のかんぽ生命のサービスセンター【2019 年 8 月実
施済み】による重層的なご意向確認を行っております。
また、お客さまのご自宅等での解約請求の際には、 郵便局管理者による
説明・確認に加え、かんぽ生命の専用コールセンターからお客さまに意向
確認や不利益事項のご説明の有無の確認を行っております。 【2020 年 1 月
実施済み】
さらに今後は、解約手続きを原則郵便局の窓口のみで実施することの
検討のほか、解約等請求時のサービスレベル低下の回避策として、 ダイレ
クトチャネルでの解約等受付についても検討します。
8
② 適正な募集管理に向けた態勢の強化
ア かんぽ生命の本社の機能の見直し等
従来第 2 線(コンプライアンス部門・募集管理部門)が担ってきた適
正募集の実現に向けた企画・指導業務を第 1 線(営業部門)に移管する
ことで、これまでよりも第 1 線が募集品質の確保を前提とした営業への
責任を担うとともに、第 2 線が第 1 線の施策に対する検証業務に注力す
ることで、適切な相互牽制の下、お客さま本位に立脚した施策の立案が
可能となる態勢を構築しました。 【2020 年 4 月実施済み】
また、不適正募集等に対する調査業務の指揮命令機能をコンプライア
ンス調査室 (新設)に集約することで調査機能を強化しました。 【2020 年
4 月実施済み】
上記のほか、本社の募集管理部門、コンプライアンス部門及び苦情対
応部門等の体制を引き続き強化していきます。 【2020 年 4 月以降継続実
施】
イ かんぽ生命の支店等の機能の見直し
営業推進に注力した代理店支援から、募集品質の確保を前提とした代
理店支援・指導へ見直し、募集態様調査及び適正募集指導に係る体制を
強化しました。
また、お客さまの声等に対する点検確認等を支店で行い、支店パート
ナー部が適時状況を把握し、募集実態を踏まえた効果的な指導に活かし
ていけるよう機能を見直しました。【2020 年 10 月実施済み】
ウ お客さま情報の高度化
かんぽ生命の支店及び郵便局において、お客さまからお申込みをいた
だいた際に、お客さまの過去の契約の加入・消滅履歴等をシステム上、
簡易に把握できる仕組みを設け、募集品質管理に活用できる態勢を整備
します。
この一環として、2020 年 4 月には、郵便局等におけるお客さまの契約
の消滅履歴の確認範囲を過去 3 か月から過去 24 か月に拡大しました。
【2020 年 4 月実施済み、10 月機能追加】
③条件付解約等制度・契約転換制度の導入
保障の見直しをお客さま本位で実現できる制度として、条件付解約等制
度の導入を実施しました。【2020 年 1 月実施済み】
また、既契約の解約を伴わない契約転換制度の導入に向けたシステム開
発に着手するなど具体的検討を進めております。 【2020 年 11 月認可取得済
9
み、2021 年 4 月実施予定】
④ 募集状況の録音・録画・保管
募集時において、コンサルタントの携帯端末機で募集状況を録音・保管
することにより、募集状況の可視化を図り、 お客さまから苦情があった場
合に、お客さまのご意向に沿ったご提案ができていたかを確認できる仕
組みの構築に向けて、2020 年 3 月 2 日から試行を開始しておりましたが、
試行において判明した課題や改善点について対応を行ったうえで、 月 24 8
日から実施対象者を全コンサルタントに拡大しております。 【2020 年 8 月
実施済み】
⑤ 苦情等からの潜在的問題の把握
募集態様に問題が疑われる苦情を高いリスク感度を持って検知し、各担
当部署の役割分担を明確にした上で、入口から出口まで責任を持って、 フ
ォローを行う態勢を引き続き強化していきます。【2019 年 12 月以降順次
実施】
⑥ 募集チェック態勢の検証
不適正募集の未然防止及び早期発見の観点から、第 2 線において、業務
改善計画に基づき実施された募集チェック態勢の効果検証を実施し、そ
の有効性を確認しております。【2020 年 3 月に中間報告、同年 8 月に結果
報告を実施済み】
(4) 上記を着実に実行し、定着を図るためのガバナンスの抜本的な強化
① 募集状況等の実態把握の強化及び PDCA サイクルの徹底
ア 社内外のリスク情報の把握・分析
お客さまからの苦情、社員の声、経営データ等様々な情報をシステム
等を活用しながらリスク感度を上げて、把握・分析するための専任チー
ムを設置しており、今後具体的な分析手法を確立するためのトライアル
(苦情や社員の声の分析)を実施しております。 【2020 年 4 月以降順次
実施】
イ 問題を検知した事象に対する同種同構造の事案の網羅的な横展開調査
重大なリスクの検知に漏れがないように、問題を検知した事象に対し
て個別的に対応するのみならず、あらゆる不適正募集の端緒を収集・分析
し、同種同構造の事案を検知した場合には、能動的に調査を行うこととし
ております。なお、上記のプロセスと役割分担を明確化し、取組みを開始
10
しております。【2020 年 4 月以降順次実施】
ウ PDCA サイクルの徹底
改善策の検討に当たっては、真因分析を行った上で、改善策の優先順
位を含め、 経営陣での深度ある議論を行い、募集品質向上に向けた改善策
の効果検証・見直しのサイクルについてスピード感をもって徹底する態
勢を整備します。
当面は今般の業務改善計画等における適正な募集管理態勢確立のため
の各種改善策の効果検証を実施しております。 【2020 年 4 月以降順次実
施】
② 内部統制の強化
ア 取締役会等のガバナンス機能強化
(ア) 取締役会における「審議」の新設等
経営課題を前広に議論するため、従来の「決議」「報告」に加え、 、
決議案の作成段階から社外取締役の知見を活用する「審議」の新設を
2020 年 3 月の取締役会において決議しました。 【2020 年 3 月実施済
み】
また、 取締役会の臨時開催のほか、 積極的な意見交換を目的とした
取締役懇談会や社外取締役間会合を開催し、 内部統制システムの運用
状況や 2019 年度の取締役会の実効性評価、営業再開に向けた考え方
等について議論しました。 【2020 年 2 月実施済み(今後も随時開催) 】
(イ) 監査委員会の機能強化
A 内部監査計画の決定・変更および内部監査部門の重要人事(担当
執行役・部長)については、監査委員会の事前同意を必要とするこ
とと改めるための規程改正を 2020 年 3 月に実施し、 同年 4 月から当
該規程に基づく運用を実施しております。 【2020 年 3 月実施済み】
B 監査委員会として、 募集態様の実態やお客さまに生じている不利益
事項に踏み込んだ報告を受けたうえで、 検証のための調査を指示し、
調査結果をもとに担当執行役に対して必要な助言等を行う体制を整
備しております。2020 年 2 月の監査委員会においては、内部監査担
当執行役から調査報告を受け、報告内容をもとに協議を実施しまし
た。【2020 年 2 月実施済み(今後も随時実施)】
イ 内部監査
内部監査の人材・体制を強化するほか、外部の専門家の協力も得なが
11
ら、リスクアセスメントの強化などに取り組んでおります。【2020 年 4
月以降順次実施】
以上
12
お客さまの信頼回復に向けたご契約調査の進捗状況 別紙
1 特定事案調査/全ご契約調査 • レターによる調査については、お客さまに返送用アンケートを同封したご案内状を送付
し、「ご意向に沿わない」とのご回答をいただいたお客さまへ、かんぽ生命社員が訪問し
A 【特定事案調査】
て調査を実施。なお、アンケートの返送をいただけなかったお客さまへは、7月30日に再
• 特定事案調査については、お客さま都合によるもの等を除き、3月末でお客さま対
応が完了。 案内を送付。 11月30日時点
• 特定事案調査の募集人調査については、11月30日時点で法令違反は311件 ご契約内容の確認状況
多額契約 (10万円以上) 被保険者・保険種類変更
総計
(*4) (1回)、期間短縮 (*5,6,7)
(413人)、社内ルール違反は3,347件(2,222人)。 (レター送付の上、訪問対応)
対象人数(%) 対象人数(%) 対象人数(%)
B 【全ご契約調査】 ご契約内容の確認が完了したお客さま 8,572 (99) 18,210 (99) 26,782(99)
• 全ご契約調査は、11月30日時点で103.7万人のお客さまからご回答をいただい ご意向に沿わないお客さま 1,284 (15) 1,530 (8) 2,814(10)
ており、お客さま都合によるもの等を除き、3月末でお客さま対応を完了し、お客さ 契約措置を希望されたお客さま 1,083 (13) 1,167 (6) 2,250 (8)
ま都合によるもの等についても引き続き丁寧な対応を実施。 ご返信等をいただいたお客さま 8,648(100) 18,334(100) 26,982(100)
14,059 32,814 46,873
2 全ご契約調査の深掘調査 対象のお客さま数
*1 2019年12月時点で65歳以上の契約者が月額保険料20万円以上の払込を行っており、かつ短期消滅契約が1件以上発生(2014
• 深掘調査については、お客さま都合によるもの等を除き、お客さまへの対応は概ね 年4月∼2019年12月)しているもの
完了しており、お客さま都合によるもの等についても引き続き丁寧な対応を実施。 *2 過去5年間で契約者が同一で被保険者を変更した新規契約を締結し、その変更後契約が複数回短期消滅しているもの
*3 保険⇔年金の乗換の繰り返しが複数回あったもの
• 深掘調査等の募集人調査については、11月30日時点で法令違反は242人、社 *4 2019年12月時点で65歳以上の契約者が月額保険料10万円以上の払込を行っており、かつ短期消滅契約が1件以上発生
(2014年4月∼2019年12月)しているもの
内ルール違反は93人。 *5 過去5年間で契約者が同一で被保険者を変更した新規契約を締結し、その変更後契約が1回短期消滅しているもの
*6 過去5年間で年金から保険への乗換があったもの
A 【多数契約調査】 *7 保険期間等を短縮変更し、新規契約の申込をしているもののうち、新規契約が引受謝絶等に該当するもの
*8 返信用アンケートの返信がないお客さま(多額契約(10万円以上):5,411人、多額契約(10万円以上)以外:14,480人)
• 多数契約調査については、11月30日時点で6,299人のお客さまからご回答をい
ただいており、契約措置を希望されたお客さま2,771人に対して、引き続き丁寧な
3 フォローアップ活動
対応を実施。
• 多数契約調査のうち昨年より実施している事案※の募集人調査については、病休 • 信頼回復・ご契約内容確認のための活動に関して、2019年4月以降に乗換契約を
により調査ができない1事案を除き調査終了。11月30日時点で法令違反は84 行った契約等を有する12,104人のお客さまへの確認活動を実施。11月30日時点
人。 ※2019年6月27日プレスリリース参照 で、9,784人(約81%)のお客さまにご契約内容をご確認いただき、その内、
3,461人(約29%)のお客さまが契約措置を希望され、2,180人(約18%)の
B 【多数契約以外の調査】
お客さまについて契約措置が完了。このほか、契約者・被保険者別人の終身保険を
• 多数契約以外の調査についても、金額や回数の多寡に応じて、かんぽ生命支店 お持ちのお客さま約3.4万人へご契約内容の確認のためのレターを発送、また、払込
社員の訪問またはレターによる調査を実施。 完了となった契約を解約し契約乗換を行った契約をお持ちになっているお客さまへの
11月30日時点
多額契約 (20万円以上) 被保険者・保険種類変更
確認活動についても随時実施。
ご契約内容の確認状況 総計
(訪問対応)
(*1) (複数回)(*2,3) • また、全てのご契約者さま宛に10月に発送した「ご契約内容のお知らせ」にて、ご契
対象人数(%) 対象人数(%) 対象人数(%) 約内容の確認方法を掲載するなど、ご契約内容確認のご案内を実施。
ご契約内容の確認が完了したお客さま 5,025 (98) 2,482 (94) 7,507 (97)
ご意向に沿わないお客さま 2,140 (42) 944 (36) 3,084 (40)
契約措置を希望されたお客さま 1,947 (38) 834 (31) 2,781 (36)
対象のお客さま数 5,103(100) 2,650(100) 7,753(100)