7161 じもとHD 2021-09-28 16:30:00
「経営強化計画」の策定について [pdf]

                                                2021 年 9 月 28 日
各   位
                         会社名:株式会社じもとホールディングス
                         ( コ ー ド 番 号 : 71 6 1     東証第一部)
                     代 表 者 名 : 取 締 役 社 長               鈴木 隆
                         問合せ先:取締役総合企画部長                尾形    毅
                         (   T E L . 0 2 2 - 7 2 2 - 0 0 1 1 )



              「経営強化計画」の策定について



 当社及び当社連結子会社である株式会社きらやか銀行と株式会社仙台銀行は、
                                   「金融機能の強化
のための特別措置に関する法律」に基づき、
                   「経営強化計画」を策定し金融庁に提出しておりまし
たが、本日、金融庁において計画の承認が決定されましたのでお知らせいたします。
 経営強化計画の内容につきましては経営強化計画(本編)及び経営強化計画(ダイジェスト版)
を参照願います。



                                                            以上
経営強化計画(ダイジェスト版)
 (金融機能の強化のための特別措置に関する法律第22条)




           2021年9月
                 目   次
1.前経営強化計画の総括
(1) 損益の状況                  ・・・・・   1
(2) 本業支援の取組み               ・・・・・   2
(3) 震災10年の振り返り             ・・・・・   4

2.中期経営計画
(1) じもとホールディングスの計画         ・・・・・   6
(2) 子銀行の計画                 ・・・・・   8

3.新経営強化計画におけるポイント
(1) じもとホールディングスの本業支援       ・・・・・    9
    ① 経営環境                 ・・・・・   10
    ② 中小企業成長戦略の深化          ・・・・・   11
    ③ コロナ支援                ・・・・・   13
(2) じもとホールディングスの業務変革(DX)   ・・・・・   14
(3) じもとホールディングスの経営管理       ・・・・・   15
(4) SBIグループとの連携            ・・・・・   16
1.前経営強化計画の総括 -(1)損益の状況                                          -

                  きらやか銀行                                                                    仙台銀行

                                                 (単位:億円)                                                              (単位:億円)

              2018/3期   2019/3期   2020/3期   2021/3期   計画                          2018/3期   2019/3期   2020/3期   2021/3期   計画
              始期・実績       実績        実績        実績      始期比                         始期・実績       実績        実績        実績      始期比

業務粗利益             175       168       169       120    △54          業務粗利益             120       119       113       131     10

資金利益              168       148       144       151    △16          資金利益              118       117       114       125         7

役務取引等利益            13        14        13        15         2       役務取引等利益             5         5         3         8         3

その他業務利益           △5          5        10      △46     △41          その他業務利益           △2        △3        △4        △2     △0

経費                152       143       135       127    △25          経費                107       106       103       103    △4

                                                                    コア業務純益             15        16        13        31     16
コア業務純益             29        25        34        65     36
                                                                    〔除く投資信託解約益〕         -         6         7        30      -
〔除く投資信託解約益〕         -        21        30        43      -

与信関係費用            △0          1        11        32     32          与信関係費用              5        11         4         7         2

経常利益               24        17        16      △43     △68          経常利益               18        10        11        19         1

当期純利益              19        10        11      △48     △68          当期純利益              15         8         8        17         1



①資金利益は、中小企業融資が増加したものの、償還や証券化等に伴う政策的貸出の                              ①資金利益は、中小企業融資や住宅ローンの増加により増加。有価証券利息は、
 減少により貸出金利息が減少。有価証券利息では投信解約益を計上したものの、ポート                             高利回り債券の償還に伴い利息収入減少傾向にあったため、リバランスを実施。
 フォリオの入替等に伴う有価証券残高利息配当金の減少により、資金利益全体として計                            ②役務取引等利益は、生命保険等落ち込むも、SBIマネープラザからの手数料収入
 画始期比△16億円。                                                          でカバー。法人役務の寄与もあって、最終期では計画始期比+3億円。
②役務取引等利益は、法人役務において当行独自のサブスク型サービスの取扱いにより                             ③経費は、物件費を中心に削減。
 安定した手数料収入を確保し計画始期比+2億円。                                            ④コア業務純益は、最終期では31億円の実績と、計画始期比+16億円。
③経費は、職員数の適正化やシステム投資の減価償却剥落等により削減したことから計画                            ⑤当期純利益は、最終期では17億円の実績と、計画始期比+1億円。
 始期比△25億円。
④コア業務純益は投資信託解約益の計上や住宅ローン債権の証券化実施による売却益
 により計画始期比+36億円。
⑤当期純利益は、有価証券の損失処理に加えて大口案件への引当金増加により最終期
 △48億円となり、計画始期比△68億円。


                                                                                                                                1
1.前経営強化計画の総括 -(2)本業支援の取組み                                          ~中小規模の事業者向けの信用供与~                             -

                     きらやか銀行                                                          仙台銀行
①主な取組み実績                                                        ①主な取組み実績
ア、中小企業のお客さまに対する「本業支援」を当行の特徴とすべく、本業支援                            ア、地元企業応援部の設置、じもとホールディングスと連携強化。
  戦略部を設置し、じもとホールディングスとの連携により体制を整備した。
                                                                イ、コア取引先のメイン化推進戦略(以下、「コア戦略」)開始。
イ、「本当に本業支援を必要としている先」に対する「中小企業成長戦略」を
  実施。資金繰りの改善などを図る「財務の本業支援」や将来の成長に向けた
                                                                ウ、当行の取引の中核となる取引先を定め、本業支援による課題解決・
  「成長の為の本業支援」を行い中小企業に特化した戦略に取り組んできた。
                                                                  複合取引の拡大、新規取引先の増加に注力。

②実績の評価                                                          ②実績の評価
ア、被災した企業を含めた地元の中小企業へ「財務の本業支援」を柱とした独自                            ア、体制整備や円滑な信用供与に向けた取組みを計画どおりに実施。
  性のある本業支援の組織的、継続的な取組みにより、地元の中小企業の財務
  基盤を安定させ、成長につなげることでお客さまとの取引を拡大した。                              イ、特に、コア戦略の推進により、事業債務者数および中小企業向け
                                                                  融資残高は大きく増加。地方創生に大きく貢献したものと評価。
イ、注力した中小企業支援により計画始期から融資残高は伸長し地域経済の活性
  化に寄与してきた。財務支援に続き企業の営業CFの改善に向けた取組みを
  実施していく。

<前計画期間における「事業債務者数」「中小企業向け融資残高」の推移>                              <前計画期間における「事業債務者数」「中小企業向け融資残高」の推移>

 6,500                                                  9,000   5,000                                   8,533        9,000
             8,375       8,448                 8,308    8,500                                                        8,500
                                                                                             8,042
 6,000                               8,326                      4,500              7,849
                                                        8,000                                           4,637        8,000
                                             5,997                       7,484
                                                        7,500                                                        7,500
 5,500                                                          4,000
                     5,467       5,530                  7,000                                                        7,000
                                                                                            3,875     計画始期比
 5,000   5,206                                          6,500   3,500             3,706                              6,500
                                                                                                      1,049先・
                                             計画始期比      6,000           3,454                         1,182億円        6,000
 4,500                                     1社当り取引拡大             3,000                                    増加
                                                        5,500                                                        5,500
                                            791億円増加
                                                        5,000                                                        5,000
 4,000                                                          2,500
                                                        4,500                                                        4,500
 3,500                                                  4,000   2,000                                                4,000
 (億円)    2018/3期     2019/3期     2020/3期     2021/3期   (先数)     (億円)
                                                                        2018/3期   2019/3期   2020/3期    2021/3期   (先数)



                                                                                                                             2
1.前経営強化計画の総括 -(2)本業支援の取組み                       ~被災者向けの支援・地域経済の活性化~                     -

 ■ グループ戦略である「本業支援」を軸とした、復興支援並びに中小規模事業者等に対する信用供与の円滑化に積極的に対応。




  被災者向け融資


  被災者向け融資実績        2018年度            2019年度           2020年度           前計画期間合計

     二行合算               295億円             263億円             463億円             1,024億円
 ※2020年度の被災者向け融資には、被災者に対するコロナ関連融資も含んでおり、被災者への復興資金は減少基調。


 両行連携による実績


  ビジネスマッチング実績      2018年度            2019年度            2020年度          前計画期間合計

     紹介件数                   584件              445件              277件           1,306件
     成約件数                   101件              78件               70件             249件




                   2018年度            2019年度            2020年度          前計画期間合計
   協調・紹介融資実績
                 件数     金額         件数     金額         件数     金額         件数       金額
     協調融資          9件   39億円         4件   24億円         4件   18億円        17件     82億円
     紹介融資          6件   10億円         1件       0億円      0件       0億円      7件     10億円
      合計          15件   50億円         5件    24億円        4件      18億円     24件     93億円



                                                                                        3
1.前経営強化計画の総括 - (3)震災10年の振り返り                      -
①復興状況(宮城県)
■ 被災者の生活再建や産業の再生、公共土木施設の復旧などが進展。
■ インフラの整備や災害に強いまちづくりなど、ハード面の取組みは概ね完了した一方、被災者支援などソフトの面の取組みは、今後も中長期的な対応が必要。


      震災当時                 現在(10年後)                  震災当時                       現在(10年後)


【インフラ】                                      【住家・非住家被害】
                                                                             整備計画
              甚大な被害

 道路(2011年)             100%復旧(2020年12月)
 道路(国直轄)               99%復旧(2021年1月)        全壊        83,005棟              災害公営住宅:100%(1.6万戸)
 道路・橋梁(県管理)            新たに、復興道路・復興支援道路を整備    半壊       155,130棟              (2019年3月)
                                             一部損壊     224,202棟              民間住宅等用宅地:100%(0.9万戸)
                                             床下浸水       7,796棟              (2020年3月)
              甚大な被害                          非住家被害     26,796棟              このほか、持家修繕、民間賃貸入居等

 河川(2011年)             94%復旧(48km中45km)
                       (2020年12月)
 河川堤防(国直轄)
                       91%復旧(278カ所中248カ所)
 河川堤防(県管理)             (2021年1月)
                                            【応急仮設住宅入居者数】
              456kmが
                被害     100%復旧(2016年12月)      12.7万人                         13人 ※全て原発災害被災者
 鉄道(2011年)             BRTとして復旧              (最大時:2012年3月)                  (2021年2月時点)
 JR5路線                 気仙沼線:専用道96%完成         ※宮城県人口232万人                    ※宮城県人口229万人
 気仙沼線・大船渡線             大船渡線:専用道95%完成
                                             (2012年3月)                      (2021年2月)
                             (2021年2月)

                                            【産業・生業】
 港湾(仙台塩釜港)             100%復旧(2015年3月)
 空港(仙台空港)              100%復旧(2013年11月)      漁業(主要4漁港)
                                             水揚量 :31.3万t(2010年)
                                                    ⇒9.7万t(2011年)           22.9万t(2010年比73%)
                                             水揚金額:587億円(2010年)
              234kmの                                                        476億円(2010年比81%)
                                                    ⇒246億円(2011年)
              整備が必要                          水産加工業等                         2,326億円(2010年比89%)
 防潮堤                                         製造品出荷額等:2,556億円(2010年)         (2018年)
                       59%整備(100%着工)
 数十年~数百年に1回の頻度の                              ⇒1,227億円(2011年)
                       (2021年1月)
 津波に対応が必要



                                                                      ※2021年3月復興庁「宮城県の復興の現状」に基づき作成


                                                                                                     4
1.前経営強化計画の総括 - (3)震災10年の振り返り                                                           -

                     きらやか銀行                                                                              仙台銀行
②当行の取組み                                                                          ②当行の取り組み
ア、山形・宮城・福島を中心とした被災企業を含む中小企業の資金ニーズに対して                                            ア、被災企業をはじめとする地元中小企業の広範な資金ニーズに対して、
  積極的な資金供給を実施。条件変更についても適切に対応し震災復興に貢献。                                              迅速かつ適切な資金供給を実施。地域の震災復興、地方創生へ貢献。
                    被災者向け新規融資実績                                                                    被災者向け新規融資実績
                     1,601件/444億円                                                                  13,425先/3,319億円
         (事業性融資1,451件/425億円・消費性融資150件/19億円)                                             (事業性融資8,831先/3,071億円・消費性融資4,594先/247億円)

                            条件変更実績                                                   被災者との合意に基づく約定弁済一時停止・条件変更完了実績
                                                                                                約定弁済一時停止        条件変更完了         2021年3月末時点
                                「東日本大震災」関連
                                                                                                  実績累計            実績累計            一時停止先
              件数                             実行(億円)                                             先数     金額      先数     金額        先数     金額
                            前経営強化計画期間                           前経営強化計画期間         事業性融資           439 20,759    248  15,279        0      0
                           (2018/4~2021/3)                     (2018/4~2021/3)    住宅ローン           374  4,216     346   4,165       0      0
 中小企業                643                0                200                0     消費者ローン等          57    128       0       0       0      0
                                                                                     合 計          870 25,103     594 19,444        0      0
 住宅ローン               104                0                 18                0

                                                                                                 復興機構への債権売却決定数等
                    財務と成長の為の本業支援
                                                                                  宮城産業復興機構        東日本大震災        個人版私的整理         防災集団移転
                                                                      財務の本業支援     債権売却決定数       事業者再生支援機構        ガイドライン          促進事業
                                                 12.6%                                            支援合意数           成立件数          抵当権抹消
                       成約件数
                                             11.2%
                   (2018/4~2021/3)
                                                                      経費削減・効率化       28先           68先             43件            105件
  財務の本業支援               7,483                            49.4%        販路支援       (前計画期間実績1先) (前計画期間実績1先) (前計画期間実績1件) (前計画期間実績0件)
  成長の為の本業支援             7,671                 10.6%
                                                  16.2%               事業創業支援                        中小企業向け融資残高
                                                                      その他
                                                                                  被災者を含む幅広い金融仲介機能の発揮により、
                                                                                  地方創生に大きく貢献
                   中小企業向け融資残高                                                                            震災後10年で               2021/3期 実績
                                                                                   2011/3期 実績                                   4,637億円
                                                                                                          2倍超!!
                                                                                   1,997億円
                           震災後10年で                             2021/3期 実績
 2011/3期 実績
  4,910億円                  +1,087億円                            5,997億円           ③今後の課題・対応
                                                                                 ア、約定弁済一時停止先については、現在までに全て解消済。債権売却や個人
③今後の課題・対応                                                                          版私的整理GL、防災集団移転促進事業抵当権抹消は、近年取扱いが大幅に
ア、前計画以降、新たな震災関連での条件変更発生はないものの既存対応分の事                                               減少。両機構では、2021年3月をもって買取期間が終了しており、債権売
  業改善へのサポートに積極的に取り組んでいく必要がある。                                                      却した先は、今後、リファイナンスを含めた出口戦略の支援が必要。また、
イ、2020年からのコロナウイルス感染症の影響による資金繰りは厳しさを増し                                              販路拡大・原材料高騰・人材確保への対応も継続課題。
  ていることから、被災企業を含めたコロナ影響先の申し出には真摯に対応す                                             イ、近年は、新型コロナウイルス感染症により環境が一変。経営改善に向け
  るとともに資金繰り支援など幅広い本業支援に取り組んでいく。                                                    た支援の必要性が高まる中、被災者はもちろんのこと感染症による影響
                                                                                   先への支援に注力し、本業支援サイクルの確立を目指す。
                                                                                                                                              5
2.中期経営計画 -(1)じもとホールディングスの計画                ~全体計画~      -

  じもとホールディングス
 ■ 当グループの経営理念は、「宮城と山形をつなぎ、本業支援を通じて、地元中小企業や地域に貢献する」こと。
 ■ 本計画では、コロナ禍への対応が重要課題。グループの強みである「本業支援」をさらに深化させ、取引先に貢献していく。
 ■ 次の5年、10年後を見据え、SBIグループ連携を積極活用し、業務変革のスピードアップ、経営管理の高度化を図る。
 ■ これらの取り組みを通じ、取引先業況の改善、グループ収益改善へつなげる「共通価値の創造」の実現を目指していく。

     新中期経営計画の経営理念と目指す姿(2021~2023)

          経営理念 : 宮城と山形をつなぎ 本業支援を通じて 地元中小企業や地域に貢献

          計画方針 : コロナ禍へ対応 / グループの強みに特化 /     じもとHD、次の5年・10年へ

          本業支援の深化             業務変革(DX)                 経営管理

         コロナ禍、いまこそ            新たな業務プロセス           ガバナンス態勢の実効性向上
           「本業支援」             効率化、サービス拡充           子銀行管理 / グループ監査

          経営改善、事業再生         店舗戦略見直し/人員戦略              資本政策

           資金繰り支援             業務プロセス見直し             SDGs/ESG

           仙台地区戦略               コスト削減              新しい働き方/人材育成


       SBIグループ連携の積極活用 : FinTech技術・外部知見 / レベルアップ・スピードアップ



              目指す姿(共通価値の創造):取引先の業況改善、地域発展     →   当グループ収益改善



                                                                    6
2.中期経営計画 -(1)じもとホールディングスの計画         ~共同施策・共通施策~          -

  じもとホールディングス


                                   主な取組み

                    宮城と山形をつなぐ      ・SBI連携等によるビジネスマッチングの多様化・深化
           共同施策     ビジネスマッチング等      (情報量の増加、スピード化、担当部門・SBIとの連携強化)

 本業支援の深化
           共通施策   ・中小企業成長戦略・経営改善・事業支援・法人役務手数料・仙台地区戦略


                     業務効率化・DX      ・両行共通・重複する業務、組織の効率化
           共同施策
                     サブシステム更新      ・サブシステム更新対応、コストダウンと効率運用を再検討
   業務変革
   (DX)
           共通施策   ・店舗戦略の見直し・人員戦略


                       資本政策        ・公的資金返済へ向けた収益計画、利益剰余金計画の取組み
           共同施策
                    経営管理態勢の高度化     ・子銀行管理、監査、東証市場改革等
   経営管理

           共通施策   ・有価証券運用高度化・信用リスク管理強化・コロナ業務継続体制




                                                                    7
2.中期経営計画 -(2)子銀行の計画   ~全体計画~   -

       きらやか銀行                                      仙台銀行




                                  効率化・選択と集中             IT・Fintechの活用/新分野への取組み

                                                人員の    顧客利便性向上        業務効率化        データの蓄積
                           店舗戦略     事務の効率化             (非対面サービスの充実) (デジタル化を基点とした
                                               適正配置                     BPR)       分析・活用

                                   三位一体の効率化                 DXの実現・SBIグループとの連携


                                       トライアングル戦略
                                        コア戦略の推進/中小企業向け貸出増強
                                         渉外人員増加と    重点先への   消費者ローンの
                                         スピード回答で
                                                   本業支援強化     推進
                                        コア取引先を増加


                                             本業支援サイクル確立・メイン化推進




                          当行・お客さま・地域社会の持続的な成長の実現へ

                                                                                            8
3.新経営強化計画のポイント -(1)じもとホールディングスの本業支援                 -

  じもとホールディングス
  ■ 「本業支援」は、子銀行の「中小企業成長戦略」を深化させ、取引先の経営改善、信頼関係構築、取引拡大につなげる。
  ■ コロナ禍では「経営改善・事業支援」が重要課題。SBIグループ、コンサル子会社の連携等でレベルアップを図る。
  ■ 宮城と山形をつなぐ取り組みは、新たなビジネスマッチング手法を導入するなど、両行取引先の課題解決に貢献する。
  ■ グループの情報共有を密にし、共同施策を検討・追加するなど、グループ統合効果をさらに発揮していく。
   「本業支援」の基本方針と施策区分(2021~2023)

         HD共同施策
         HD共同施策                  HD共通施策           BK個別施策
                                                  BK個別施策
       (両行が共同で重点対応)
        (両行が共同で重点対応)     (グループ方針を共有し、各行が対応)
                          (グループ方針を共有し、各行が対応)   (市場に応じて、各行が対応)
                                               (市場に応じて、各行が対応)



      宮城と山形をつなぐ取り組み        《中小企業成長戦略の深化》       (その他営業戦略)
                          本業支援による取引先の経営改善
     新たなビジネスマッチング導入
                           (信頼関係構築、取引拡大)          個人向け戦略


                                                   子会社戦略
            経営改善・事業支援(事業承継、M & A等)
          SBIグループ、コンサル子会社の連携等でレベルアップ


                                 法人役務手数料


                                 仙台地区戦略



        SBIグループ連携の積極活用      本業支援や営業戦略の提案メニュー拡大、グループ収益向上へ



                           地域性に応じた営業戦略の策定
                                                                9
3.新経営強化計画のポイント -                     ①経営環境     -

 ■ 地域における事業環境・ニーズも踏まえて子銀行の戦略を策定している。
 ■ 仙台地域においては、より一層の取引基盤構築を推進するとともに、山形・宮城両地域において取引先の本業支援を通じた共通価値の創造を
   推進する。



                                                              <「中小企業融資残高」の計画始期比増加率推移>

                                                   60%


                                                   40%

           yamagata             miyagi
                                                   20%


                                                   0%
                                                          2018/3期 2019/3期 2020/3期 2021/3期 2022/3期 2023/3期 2024/3期

                                                                           きらやか銀行         仙台銀行



                                                                <法人役務取引等収益の推移>(単位:百万円)
                                                   1000
   《国内銀行の貸出金》             《国内銀行の貸出金》                900
山形県:2兆4,893億円(2021/3末) 宮城県:7兆1,771億円(同左)            800
                                                    700
                                                    600
   《山形県内の融資シェア》              《宮城県内の融資シェア》           500
きらやか銀行:23.62% (2020/10末※2)   仙台銀行:12.82%(同左)        400
                                                    300
   《全取引先に占めるメイン先(融資残高1位)先数の割合》                      200
きらやか銀行:47.5%(2021/3期末) 仙台銀行:41.8%(同左)               100
                                                      0

※1出所:日銀作成「都道府県別預金・現金・貸出金」                                 2018/3期 2019/3期 2020/ 3期 2021/3期 2022/ 3期 2023/3期 2024/3期
※2出所:帝国データバンク公表資料「メインバンク実態調査」                                             きらやか銀行          仙台銀行

                                                                                                                      10
3.新経営強化計画のポイント -         ② 中小企業成長戦略の深化(きらやか銀行)            -

本業支援戦略                                ウ、経営管理の本業支援
<当行がすべきこと=お客さまの稼ぐ力の強化に向けた           A、コロナ禍で孤独と不安を抱える経営者の支援のため当行独自のサブス
                       組織的・継続的な取組み>   ク型のサービス「共に活きるクラブ」の設立。
当行による中小企業の営業CFの改善(稼ぐ力の強化)に向けた組織的・継続 B、新たに開発した「きらやかアプリ」でのオンラインセミナーや人材情
的な取組みが起点となり、企業業績、従業員所得、雇用がプラスに働き、その   報、ビジネスマッチング等の情報配信をはじめとしたサービスによる
結果新たな設備需要、消費行動が促されることで地域経済を活性化(地域経済   伴走支援の実施。
エコシステムの好循環ループ)することで当行が地域にとって必要不可欠な存
在となる取組みを実践していく。                      エ、福利厚生の本業支援
                                     A、アクティブリスニングより聞き取りした経営者の課題認識の一つである
                                       福利厚生の充実を解決する当行独自のサブスク型のサービス「ふっく
                                       りパッケージ」を提供し中小企業の従業員の皆さまに喜んでいただく。
                                     B、「きらやかアプリ」との連携による利便性向上。
                                     C、「ふっくりパッケージ」県外展開やプロモーションCMによる魅力発信。


                                      オ、コンサルティング
                                     A、高度化、多様化するお客さまのニーズに対応するためコンサルグルー
                                       プを前年より増員し26名体制とした(コンサル子会社兼務)。
                                     B、M&A、事業承継コンサルへの対応強化に加え、多様化するニーズに
                                       対応するため人事制度コンサルやプロモーション支援など新たな取組
                                       みの実施。

 ア、財務の本業支援
A、取引先の資金繰り安定を図る財務の本業支援の実施により中小企業が本
                                      カ、アライアンス
  業に専念してもらう環境を作り、企業の稼ぐ力(営業CF)向上を図る。 A、提携金融機関(きらぼし銀行、第一勧信、商工中金等)と連携し、
                                      本業支援の高度化、地域活性化に向けた取組みの実施。
イ、成長の為の本業支援                         B、山形大学と「きらやかマネジメントスクール」を開講。山形大学の
A、対話を通して企業の現状や将来像を共有するためローカルベンチマーク    教授陣が講師となり、若手経営者や後継者、幹部社員など、これから
  や経営デザインシートを活用し経営課題を共有。              の地域経済を担う人材育成の支援の実施。(過去4期143人の卒業生を
B、目指す将来からのバックキャスティング思考による解決に向けた取組み    輩出。)
  を行う成長の為の本業支援の実施。                  C、山形市と連携し、2019年より山形市売上増進支援センター(Y-biz)
                                      へ職員を派遣し売上増強ニーズへの対応強化。


                                                                       11
3.新経営強化計画のポイント -                           ② 中小企業成長戦略の深化(仙台銀行)                   -
コア戦略                                                         営業体制
 当行の取引の中核となる取引先を定め、本業支援による課題解決・複合                            ■中小企業融資渉外300名体制の構築
 取引の拡大により取引の深化を図るとともに、新規・創業先を含む取引                            ■地元企業応援部による支援体制の維持・継続
 先のシェアアップ、ランクアップを図ることで顧客基盤強化を目指す。

 ➣取引先の経営課題や事業ニーズを聞き取りする「本業支援ヒアリング」                           本業支援メニュー
  に加え、営業店・本部が一体となり個々の取引先に対する最適な本業
  支援メニューを協議する「本業支援ミーティング」を実施。                                ア、コンサルティング
<コア戦略のイメージ図>
                                                             A、コンサルティングサービス強化のため、2020年度下期に地元活性化
                                                               応援ローンの取扱いを開始。
                                                              ➣リファイナンス、プロジェクトファイナンス、医療・介護・福祉向け
                                                               資金、事業承継にかかる資金を利用する取引先に対して、事業計画策
                                                               定支援、事業性評価、人口動向調査、消費動向調査、株価簡易評価、
                                                               不動産簡易評価などの各種コンサルティングサービスを提供。
                                                             B、当行100%出資の子会社(株)仙台銀キャピタル&コンサルティングに
                                                               よる事業承継やM&A、人材紹介などの高度な経営支援の実践。

                                                             イ、本業支援ツール
                                                             A、経営支援プラットフォーム「Sendai Big Advance」の展開により、
                                                               経営に役立つ様々なツールを提供し、事業拡大や効率化をサポート。

                                                             ウ、アライアンス
                                                             A、政府系金融機関や提携している民間金融機関と連携し、本業支援に
                                                               かかる取組みを強化。
                                                             B、地方公共団体の魅力を「Sendai Big Advance」を通して全国へ発信
<事業債務者数・中小企業向け融資残高の増加計画>                    (単位:先、億円)
                                                               するなど、地方公共団体との連携を強化。

            2021/3     2022/3    2023/3    2024/3
                                                     計画始期比
             実績         計画        計画        計画               エ、創業者向け支援
 事業債務者数        8,533     8,783     9,033     9,283     750
                                                             A、2020年4月より取扱いを開始した「じもと応援創業パッケージ」の
 中小企業融資残高      4,637     4,849     5,099     5,349     712     提供をはじめとした創業者向けの支援を実施。

                                                                                                    12
3.新経営強化計画のポイント -          ③ コロナ支援        -

             きらやか銀行                                        仙台銀行
ア、支援体制                                   ア、支援体制
A、早期のコロナ禍対応のため「本業支援緊急対策室」を設置し資金繰り支援を実    A、「新型コロナウイルス感染症対策地元企業支援チーム」および「新型
  施。今後のコロナ禍でのニーズ対応強化のため「コンサルグループ」へ組織統      コロナウイルス感染症関連地元企業支援対策本部」による支援。
  合。人員増員による組織体制を強化(コンサル子会社兼務)し継続支援の実施。

イ、資金繰り支援                                 イ、資金繰り支援
                              ~2021/3                               ~2021/3

         コロナ関連融資            実行額                   コロナ関連融資         実行額
プロパー対応                         85億円      プロパー対応                     131億円
保証付対応                          769億円     保証付対応                      810億円
   うち実質無利子・無担保                 698億円         うち実質無利子・無担保            618億円


                   コロナ禍において、本業支援の取組みが一層重要に

ウ、事業再生に向けた企業支援                           ウ、事業再生に向けた企業支援
A、コロナの影響度合いに応じたレベルカテゴリーに分類。優先度の高い        A、事業再生に取り組む取引先について、経営改善計画の作成支援や
  取引先から営業店、本部が連携して対応。                      モニタリング等を実施。
B、取引企業の中で特に経営改善支援を要する先については専任の担当者を
  配置し改善に向けた積極的な支援や重点的な管理を実施。

エ、政府系金融機関との連携による資本性劣後ローン                 エ、政府系金融機関との連携による資本性劣後ローン
A、日本政策公庫等の政府系金融機関と連携し資本性劣後ローン導入支援        A、財務基盤強化のため、政府系金融機関を紹介し、政府系金融機関に
  を実施。(実績16件)                              おいて資本性劣後ローンを導入。(実績22件)

オ、事業再構築補助金に係る支援                          オ、事業再構築補助金に係る支援

A、事業再構築補助金を利用する取引先に対して、事業計画の策定支援を        A、事業再構築補助金を利用する取引先に対して、事業計画の策定支援を
  実施。(第一回申請実績23件)                        実施。(第一回申請実績7件)
                                                                              13
3.新経営強化計画のポイント -(2)じもとホールディングスの業務変革(DX)                       -

  じもとホールディングス
 ■ コロナ禍による社会経済の変化、急速なDXの進展などの環境変化に応じた、スピード感ある業務変革を重要課題と位置づけ。
 ■ 「店舗戦略」「業務効率化・DX」「人員戦略」を一体で進め、経営資源を効率的に再配分。営業体制の増強につなげる。
 ■ とりわけ「業務効率化・DX」は、SBIグループのノウハウを積極活用し、グループ全体で一層の統合効果を追求していく。
 ■ サブシステム更新対応、コスト削減など、これまで蓄積した効率化ノウハウも継続し、経営効率化につなげていく。

   「業務変革DX」の基本方針と施策区分(2021~2023)

          HD共同施策
          HD共同施策                   HD共通施策            BK個別施策
       (両行が共同で重点対応)
        (両行が共同で重点対応)      (グループ方針を共有し、各行が対応)
                           (グループ方針を共有し、各行が対応)    (市場に応じて、各行が対応)
                                                  (市場に応じて、各行が対応)


                             《店舗戦略の見直し》         業務全般にわたる見直し・効率化
       《業務効率化・DX》
                           店舗統廃合による集約化、効率化
    両行共通・重複業務、組織の効率化       非対面取引の拡充
    新たな業務プロセスの創出

     ※ペーパーレス、WEB口座、IB推進        《人員戦略》
      タブレット活用、WEB会議等        人員の適正化
     ※SBIノウハウを積極活用          渉外担当者への再配置


         サブシステム更新             コスト削減・OHR改善
      コストダウン/効率運用の再検証



       SBIグループ連携の積極活用       FinTech技術、DX対応等の多様なノウハウ活用、変革を進める




                                                                   14
3.新経営強化計画のポイント -(3)じもとホールディングスの経営管理                   -

  じもとホールディングス
 ■ 子銀行の有価証券運用は、SBIグループのノウハウを積極活用し、運用管理体制の高度化や人材育成を進めていく。
 ■ 信用リスク管理は、コロナ禍の中長期化に備えて、予防的な貸倒引当計上、途上与信管理の強化に取り組む。
 ■ 子銀行管理やグループ監査の強化、東証市場改革への対応等により、ガバナンス態勢の実効性向上に取り組む。
 ■ グループの資本政策については、中長期的な視点も含めながら、継続的に検討を進めていく。

   「経営管理」の基本方針と施策区分(2021~2023)

          HD共同施策
          HD共同施策                  HD共通施策            BK個別施策
       (両行が共同で重点対応)
        (両行が共同で重点対応)      (グループ方針を共有し、各行が対応)
                           (グループ方針を共有し、各行が対応)   (市場に応じて、各行が対応)
                                                 (市場に応じて、各行が対応)



       経営管理態勢の高度化          有価証券運用・管理の高度化
     (子銀行管理、監査、東証改革)       (SBI連携ノウハウの活用)


                             信用リスク管理強化
                           (予防引当、途上与信管理強化)


         資 本   政 策               コロナ業務継続体制

       ESG / SDGs            新しい働き方・人材育成

      次世代へ向けた人事交流等                HD運営体制


        SBIグループ連携の積極活用 有価証券運用・管理ノウハウの導入、人事交流による人材育成




                                                                  15
3.新経営強化計画のポイント -(4)SBIグループとの連携           -

  じもとホールディングス
   ■ SBIグループとの資本業務提携により、本業支援、DX対応等多様な業務の高度化が可能に。
   ■ SBIグループとの連携をさらに強化・活用し、資本業務提携によるシナジー効果を最大限に発揮する。




                                                       16
        経営強化計画
(金融機能の強化のための特別措置に関する法律第 22 条)




        2021 年   6 月


   株式会社 じもとホールディングス
   株式会社 きらやか銀行
   株式会社 仙 台 銀 行
                      目   次

Ⅰ.株式会社じもとホールディングス
1.前経営強化計画の実績についての総括                  ・・・   2
  1-1   経営環境                         ・・・   2
  1-2   金融組織再編成で設立した会社の概要            ・・・   2
  1-3   前計画までの成果と課題                  ・・・   3
  1-4   資産・負債の状況(連結ベース)              ・・・   3
  1-5   損益の状況(連結ベース)                 ・・・   4
  1-6   自己資本比率                       ・・・   4
2.経営強化計画の実施期間                        ・・・   6
3.じもとホールディングスの新中期経営計画                ・・・   7
  3-1   経営理念と目指す姿                    ・・・   7
  3-2   本業支援の機能強化                    ・・・   7
4.持株会社の剰余金の処分の方針                     ・・・   9
  4-1   配当方針                         ・・・   9
  4-2   内部留保の状況                      ・・・   9
  4-3   自己資本比率の状況                    ・・・   12
5.株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となった会社におけ ・・・     13
  る責任ある経営体制の確立に関する事項
   5-1 完全親会社としての経営管理体制             ・・・     13
        SBIホールディングスとの資本業提携による経営管理態勢 ・・・    14
  5-2
        強化
  5-3   経営管理組織の機能                    ・・・   15
  5-4   業務執行に対する監査又は監督の体制の強化         ・・・   22
  5-5   リスク管理(不良債権の適切な管理を含む。)の体制の強化の ・・・   23
        ための方策
  5-6   法令遵守の体制の強化のための方策             ・・・   25
6.協定銀行による株式等の引受け等に係る事項               ・・・   26
7.機能強化のための前提条件                       ・・・   29




Ⅱ.株式会社きらやか銀行
1.前経営強化計画の実績についての総括                  ・・・   31
  1-1   経営環境                         ・・・   31
  1-2   資産負債の状況                      ・・・   31
  1-3   損益の状況                          ・・・   32
  1-4   自己資本比率の状況                      ・・・   34
  1-5   中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化に対する総括     ・・・   34
  1-6   東日本大震災からの復興に対する総括              ・・・   37
  1-7   地域経済の活性化に対する総括                 ・・・   41
2.経営強化計画の実施期間                          ・・・   45
3.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の当該金融機関等が ・・・       46
  主として業務を行う地域における経済の活性化に資する方策の進捗状況
  3-1   中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他当該震災    ・・・   46
        特例金融機関等が主として業務を行っている地域における経
        済の活性化に資するための方針
  3-2   中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策     ・・・   50
  3-3   被災者への信用供与の状況及び被災者への支援をはじめとす    ・・・   62
        る被災地域における東日本大震災からの復興に資する方策
  3-4   その他主として業務を行っている地域における経済の活性化 ・・・      64
        に資する方策
4.収益の見通し                               ・・・   71
  4-1   収益の見通しの概要                      ・・・   71
  4-2   単体自己資本比率の見通し                   ・・・   72
5.剰余金の処分の方針                            ・・・   74
  5-1   配当に関する方針                       ・・・   74
  5-2   配当に向けた態勢整備                     ・・・   74
6.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策      ・・・   75
  6-1   経営管理に係る体制及び今後の方針               ・・・   75
  6-2   業務執行に対する監査又は監督の体制及び今後の方針       ・・・   76
  6-3   与信リスクの管理(不良債権の適切な管理を含む。)及び市場   ・・・   77
        リスクを含む各種リスクの管理の状況及び今後の方針
7.協定銀行による株式等の引受け等に係る事項                 ・・・   82
8.機能強化のための前提条件                         ・・・   84




Ⅲ.株式会社仙台銀行
1.前経営強化計画の実績についての総括                    ・・・   86
  1-1   経営環境                           ・・・   86
  1-2   資産負債の状況                        ・・・   87
  1-3   損益の状況                          ・・・   89
  1-4    自己資本比率の状況                      ・・・   91
  1-5    中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策の    ・・・   91
         実績
  1-6    被災者への信用供与の状況及び被災者への支援をはじめとす ・・・      92
         る被災地域における東日本大震災からの復興に資する方策の
         実績
  1-7    その他主として業務を行っている地域における経済の活性化 ・・・      94
         に資する方策の実績
  1-8    新型コロナウイルス感染症への対応               ・・・   95
  1-9    SBI ホールディングスとの資本業務提携           ・・・   96
  1-10   震災後 10 年の振り返り                  ・・・   98
2.経営強化計画の実施期間                           ・・・ 103
3.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の当該震災特例金融 ・・・ 104
  機関等が主として業務を行う地域における経済の活性化に資する方策
  3-1    中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他当該震災 ・・・ 104
         特例金融機関等が主として業務を行っている地域における経
         済の活性化に資するための方針
  3-2    中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策     ・・・ 108
  3-3    被災者への信用供与の状況及び被災者への支援をはじめとす ・・・ 112
         る被災地域における東日本大震災からの復興に資する方策
  3-4    その他主として業務を行っている地域における経済の活性化 ・・・ 117
         に資する方策
4.収益の見通し                                ・・・ 120
  4-1    収益の見通しの概要                      ・・・ 120
  4-2    単体自己資本比率の見通し                   ・・・ 121
5.剰余金の処分の方針                             ・・・ 122
6.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策       ・・・ 124
  6-1    経営管理に係る体制及び今後の方針               ・・・ 124
  6-2    業務執行に対する監査又は監督の体制及び今後の方針       ・・・ 124
  6-3    与信リスクの管理(不良債権の適切な管理を含む。)及び市場   ・・・ 125
         リスクを含む各種リスクの管理の状況及び今後の方針
7.協定銀行による株式等の引受け等に係る事項                  ・・・   129
8.機能強化のための前提条件                          ・・・   131
Ⅰ.株式会社じもとホールディングス




        1
1.前経営強化計画の実績についての総括

1-1 経営環境

 前計画期間内における我が国経済は、外需が低迷し個人消費も力強さを欠く中、新
型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済活動の停滞により、         急激に景気が悪化
しております。その影響の拡大は世界的に続いており、依然として先行きは不透明な
状況となっております。
 じもとグループ(以下、当社グループ)の営業エリアである宮城県、山形県経済に
おいても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、取引先の売上減少による
企業収益の悪化、それに伴う雇用環境の悪化が想定されるなど、今後、地域経済への
影響が長期に亘り懸念される状況にあります。
 金融面では、長期金利が米国長期金利の影響から 5 年ぶりの高水準となり、日経平
均株価は 2021 年 2 月に約 30 年ぶりの 3 万円台となりました。

1-2      金融組織再編成で設立した会社の概要

  株式会社じもとホールディングス    (以下、当社) 株式会社きらやか銀行
                              は、          (以下、
きらやか銀行)と株式会社仙台銀行(以下、仙台銀行)が、共同株式移転方式にて
2012 年 10 月に設立した銀行持株会社であります。
  現在、   当社グループは、 当社、連結子会社 7 社及び関連会社(持分法適用関連会社)
1 社で構成し、銀行業務を中心に金融サービスに係る事業を行っております。
  当社グループは、    東日本大震災の復興支援を重要なグループ戦略と位置付けており、
改正金融機能強化法に基づき総額 600 億円の国の資本参加をいただいております。
これにより、安定した財務基盤を確保し、適切かつ積極的に復興支援に向けた金融仲
介機能を発揮する態勢を整えております。
  当該経営強化計画において、当社グループは、中小規模事業者への「顧客本位の本
業支援」を通じて復興支援並びに信用供与の円滑化に貢献するとともに、       「統合効果
発揮」を通じてグループ経営の更なる効率化・合理化を実現してまいります。

 ≪株式会社じもとホールディングスの概要(2021 年 6 月末現在)≫
 名               称   株式会社じもとホールディングス
 本 社 所 在 地           仙台市青葉区一番町二丁目 1 番 1 号     仙台銀行本店 9 階
 設   立       方   法   きらやか銀行と仙台銀行の共同株式移転方式による完全親会社設立
 設       立       日   2012 年 10 月 1 日(月)
 資       本       金   187 億 50 百万円
 業   務       内   容   銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理       ほか
 上 場 取 引 所           東京証券取引所




                                          2
1-3   前計画までの成果と課題

 当社グループは、設立以来、「本業支援」と「統合効果」を主題とし、中長期的な
取り組みを継続してまいりました。
 具体的には、宮城と山形をつなぎ、グループの体制整備とノウハウ共有を通じ、復
興支援と中小企業支援に力を注ぐとともに、システム、組織、事務などにおいて、グ
ループ効率化を実現し、統合効果を発揮してきました。
 しかし、一方で収益力はマイナス金利政策の影響等で逓減。2020 年度は有価証券
運用再構築の損失により赤字決算となりました。
 今後は、コロナ禍による環境変化を踏まえ、本業支援を通じて地域の中小企業に貢
献していくとともに、ガバナンス態勢、経営基盤の強化を図り、収益回復に取り組ん
でまいります。

≪じもとホールディングス設立以来の中長期的な取組み実績(2012~2020)≫




1-4   資産・負債の状況(連結ベース)

 貸出金残高は、被災地域の企業の資金ニーズに幅広く対応したことに加え、新型コ
ロナウイルス感染症の影響を受けた事業者への資金繰り支援に注力したことなどか
ら、計画始期(2018 年 3 月期)比 1,227 億円増加し、1 兆 8,447 億円となりました。
 預金残高(譲渡性預金含む)は、新型コロナウイルス感染症に係る特別定額給付金
や新型コロナウイルス感染症関連の融資金の歩留りなどにより、             計画始期比 1,351 億
円増加し、2 兆 4,684 億円となりました。
 有価証券残高は、投資環境や市場動向に留意しながら資金運用に努めてまいりま
したが、子銀行のポートフォリオ見直しなどにより、計画始期比 501 億円減少し、



                          3
5,403 億円となりました。

 ≪資産・負債の状況(連結ベース)≫                                                            (単位:億円)
                  2018/3 期
                               2019/3 期           2020/3 期         2021/3 期
                    実績
                                 実績                 実績               実績            計画始期比
                  (始期)
資 産                  25,277         25,031           24,877           26,639         1,361
    うち貸出金            17,220         17,627           17,646           18,447         1,227
    うち有価証券            5,904          5,036            4,553            5,403         △501
負 債                  24,122         23,874           23,765           25,475         1,352
    うち預金・譲渡性預金       23,332         23,168           23,182           24,684         1,351
純資産                   1,155          1,157            1,111            1,164            8


1-5     損益の状況(連結ベース)

 当社グループの連結経常収益は、  貸出金利息及び役務取引等収益が増加したことな
どにより、計画期始期比 14 億増加し、440 億円となりました。連結経常費用は、営
業経費が減少したものの、 子銀行のきらやか銀行において国債等債券償還損及び与信
関係費用が増加したことなどにより、計画始期比 74 億増加し、463 億円となりまし
た。その結果、経常利益は計画始期比 59 億円減少し、△22 億円、親会社株主に帰属
する中間純利益は、計画始期比 61 億円減少し、△31 億円となりました。

≪損益の状況(連結ベース)≫                                                            (単位:億円)
                       2018/3 期
                                    2019/3 期        2020/3 期        2021/3 期
                         実績
                                      実績              実績              実績           計画始期比
                       (始期)
経   常   収   益                 426         428                423          440           14
    うち貸出金利息                   219         216                219          223           3
    うち有価証券利息配当金                64            47               39              55      △9
    うち役務取引等収益                  56            57               58              64        8
経   常   費   用                 389         402                397          463           74
経   常   利   益                  37            25               25         △22          △59
親会社株主に帰属する
                               30            16               17         △31          △61
当 期 純 利 益


1-6     自己資本比率

 当社の連結自己資本比率は、計画期始期比 0.58 ポイント減少し、8.12%となりま
した。



                                    4
 また、当社グループ子会社の自己資本比率は、きらやか銀行が計画期始期比 0.46
ポイント減少し 8.09%、仙台銀行が計画始期比 0.71 ポイント減少し 8.34%となりま
した。

≪自己資本比率の状況≫
                2018/3 期
                           2019/3 期    2020/3 期    2021/3 期
                  実績
                             実績          実績          実績       計画始期比
                (始期)
きらやか銀行(単体)         8.56%       8.15%       8.01%      8.09%     △0.46
仙台銀行   (単体)        9.05%       8.83%       8.34%      8.34%     △0.71
じもとホールディングス
                   8.70%       8.39%       8.07%      8.12%     △0.58
(参考:連結)




                           5
2.経営強化計画の実施期間

  当社は、金融機能の強化のための特別措置に関する法律第 22 条の規定に基づき、
2021 年 4 月から 2024 年 3 月まで経営強化計画を策定し実施いたします。
  この実施期間については、         当社の子銀行であるきらやか銀行及び仙台銀行において
も金融機能強化法に基づく経営強化計画を実施することから、          当社グループとして当
社を含む 3 社の計画期間を統一して、計画管理に対応してまいるものでございます。
なお、今後計画に記載された事項について重要な変化が生じた場合、または生じるこ
とが予想される場合は、遅滞なく金融庁に報告いたします。




                       6
3.じもとホールディングスの新中期経営計画

3-1   経営理念と目指す姿

 当グループの経営理念は、   「宮城と山形をつなぎ、本業支援を通じて、地元中小企
業や地域に貢献する」ことです。本計画では、コロナ禍への対応を重要課題とし、グ
ループの強みである「本業支援」をさらに深化させ、取引先に貢献してまいります。
 また、次の 5 年、10 年後を見据え、SBIグループとの連携を積極活用し、業務
変革のスピードアップ、経営管理の高度化を図ります。
 そして、これらの取り組みを通じ、取引先業況の改善、グループ収益改善へつなげ
る「共通価値の創造」の実現を目指してまいります。

≪じもとホールディングスの新中期経営計画(2021 年 4 月~2024 年 3 月)≫




3-2 本業支援の機能強化
 当社計画の柱である本業支援は、「中小企業成長戦略」を深化させ、お客さまの事
業・本業の発展、復興そして地方創生に貢献するとともに、グループの経営基盤を強
化する方針としております。
 その上で、コロナ禍を踏まえ、本業支援によるお客さまの経営改善・事業支援に
注力し、宮城と山形をつなぐ取組みに新たなビジネスマッチング手法の導入、さらに、
当社コンサル子会社との連携等により、事業継承やM&A等のニーズにも対応してま
いります。
 また、取組みに当たっては、SBIグループとの連携を積極的に活用し、レベル
アップを図ってまいります。


                           7
≪じもとホールディングス   本業支援の深化≫




                  8
4.持株会社の剰余金の処分の方針

4-1 配当方針

   当社は、地域金融グループとしての公共性と健全性維持の観点から、当社及び
 子銀行の内部留保の充実を図るとともに、中間配当及び期末配当の年 2 回の安定
 した配当を維持することを基本方針としております。
   そうした中、新型コロナウイルス感染症による地域経済への影響が拡大したこ
 とから、地元中小企業への安定かつ円滑な資金供給を行うため、内部留保を確
 保・充実させ、自己資本の増強を図るべきと判断し、2020 年 3 月期の期末配当よ
 り、一株当たり 2.5 円から 1.5 円へ減配いたしました。また、2021 年 3 月期の期
 末配当は、きらやか銀行において有価証券のポートフォリオの大幅な見直しを図
 るため保有有価証券の損失処理を行ったことなどから、          連結当期純利益が△31 億
 76 百万円となったことを受け、      一株当たり 10 円へ減配いたしました(当社は 2020
 年 10 月 1 日付で 10 株につき 1 株の割合で株式併合を行っております)。
   2022 年 3 月期の中間配当及び期末配当につきましては、     新型コロナウイルス感
 染症の影響から地域経済の先行きが不透明であることを踏まえ、地元中小企業や
 低迷する地域経済を支えるための支援が継続的に必要との総合的な判断から、年
 間配当は一株当たり 20 円を予定しております。
   今後も、当社及び子銀行の経営強化計画を確実に実行し、地域経済の復興にさ
 らに貢献することで、グループ収益力を向上させてまいります。

4-2 内部留保の状況

(1)じもとホールディングス
   当社は各事業年度において、子銀行から受け取る配当金を原資に配当を行って
  おり、当社単体のその他利益剰余金は 18 億円(計画比△1 億円)となりました。
  その他利益剰余金は、計画期間中に 12 億円まで減少する見通しですが、その後
  は、同程度を確保する見込みです。
   公的資金返済は子銀行が各行で積み上げるその他利益剰余金を充当する方針
  ですが、出口戦略を明確にするため、新たな資本調達も検討を開始いたします。



(2)きらやか銀行
   きらやか銀行は、 有価証券ポートフォリオ見直しによる有価証券償還損等の計
  上、コロナ禍の影響や一部取引先の業況不振に応じて引当金を計上したなどによ
  り、当期純利益が△48 億円となり、単体のその他利益剰余金は 84 億円(計画比
  △61 億円)となりました。


                        9
   今後は毎期収益を積上げ、2024 年 9 月に公的資金 200 億円を返済する計画と
  しております。また、本計画期間中での公的資金返済に向けた出口戦略を明確に
  するため、新たな資本調達についての検討も開始しております。
   その後も更に収益を積み上げ、2037 年 3 月期末までに利益剰余金 415 億円を
  確保し、公的資金 100 億円を返済する計画としております。
   このように、きらやか銀行が受け入れております公的資金 300 億円の返済は、
  十分に可能であると見込んでおります。

(3)仙台銀行
   仙台銀行は、経営強化計画を確実に実行し、中小規模事業者等貸出の増強等に
  より収益力の強化を図ってまいります。
   2021 年 3 月期末の仙台銀行単体での利益剰余金は 146 億円(計画比+9 億円)
  であり、今後も毎期収益を積上げ、経営強化計画の終期である 2036 年 3 月期末
  において、仙台銀行の利益剰余金は 431 億円の積上げとなる見込みです。
   これにより、仙台銀行が受け入れております公的資金 300 億円の返済は十分に
  可能であると見込んでおります。

 ≪計画期間の当期純利益とその他利益剰余金の実績・見通し≫                                    (単位:億円)
                    2021/3 末     2022/3 末      2023/3 末   2024/3 末   計画期間
                      実績             見通し        見通し        見通し       増減

          当期純利益             4              4          4          4         0
じもとHD
         その他利益剰余金          18           16           14         12     △5

          当期純利益         △48             15           17         22        70
きらやか銀行
         その他利益剰余金          84           95          109        127        43

          当期純利益            17           15           20         23         6
 仙台銀行
         その他利益剰余金        146           159          179        201        55




                                10
≪2037 年 3 月までの当期純利益とその他利益剰余金の見通し≫
                                                                 (単位:億円)
                    2021/3 末
                                    2022/3 末   2023/3 末   2024/3 末   2025/3 末
                    (実績)
          当期純利益            4               4          4          4          4
じもとHD
         その他利益剰余金         18              16         14         12         11
          当期純利益         △48               15         17         22         22
きらやか銀行
         その他利益剰余金         84              95        109        127        149
          当期純利益           17              15         20         23         24
 仙台銀行
         その他利益剰余金        146             159        179        201        224




                    2026/3 末        2027/3 末   2028/3 末   2029/3 末   2030/3 末
          当期純利益            4               4          4          4           4
じもとHD
         その他利益剰余金         11              11         11         11          11
          当期純利益           22              22         22         22          22
きらやか銀行
         その他利益剰余金        171             193        216        238         260
          当期純利益           27              20         20         20          13
 仙台銀行
         その他利益剰余金        250             268        287        306         318




                    2031/3 末        2032/3 末   2033/3 末   2034/3 末   2035/3 末
          当期純利益            4               4          4          4           4
じもとHD
         その他利益剰余金         12              12         12         12          12
          当期純利益           22              22         22         22          22
きらやか銀行
         その他利益剰余金        282             304        326        348         371
          当期純利益           20              20         20         20          20
 仙台銀行
         その他利益剰余金        337             356        375        394         412




                    2036/3 末        2037/3 末   2038/3 末
          当期純利益            4               4          4
じもとHD
         その他利益剰余金         12              12         12
          当期純利益           22              22         22
きらやか銀行
         その他利益剰余金        393             415        337
          当期純利益           20              20         20
 仙台銀行
         その他利益剰余金        431             150        169

※きらやか銀行:2024 年 9 月に公的資金 200 億円返済する計画としておりますが、返済方法につ
いては今後協議していく予定であり利益剰余金への影響額について上記表では反映しておりま
せん。




                               11
4-3   自己資本比率の状況

 本計画期間におけるきらやか銀行及び仙台銀行の自己資本比率の見通しは、以下
のとおりでございます。

【きらやか銀行】
             2021/3 期        2022/3 期   2023/3 期   2024/3 期
               実績              予定         予定         予定

                              8.17%      8.31%      8.50%
   自己資本比率     8.09%
                               程度         程度         程度



【仙台銀行】
             2021/3 期        2022/3 期   2023/3 期   2024/3 期
               実績              予定         予定         予定

                              8.21%      8.20%      8.20%
   自己資本比率     8.34%
                               程度         程度         程度




                        12
5. 株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となった会社における責任
   ある経営体制の確立に関する事項

5-1 完全親会社としての経営管理体制

(1)子会社の議決権の保有
   当社は、当該経営強化計画を実施する子銀行の完全親会社であり、両行の議決
  権 100%を保有しております。本計画においても、子会社の議決権保有方針に変
  更はございません。

(2)基本的な管理体制
   当社取締役会は、銀行持株会社として、子銀行及びグループ各社の業務の健全
  かつ適切な運営を確保するため、グループ全体の経営計画・経営戦略を策定し、
  その進捗状況を管理するとともに、  グループ経営において発生するリスク全般に
  ついて管理する体制としております。
   この体制のもと、当社と子銀行は、中期経営計画(計画期間:2021 度~2023
  年度)をグループ 3 社で統一・策定し、併せて 3 社の経営強化計画も同一計画期
  間で更新・統一しております。
   当社は、グループの取締役会・経営会議・業績進捗会議において、中期経営計
  画及び経営強化計画の進捗状況を定期的に管理し、    必要な改善を子銀行に指示し
  ております。
   また、コンプライアンスやリスク管理、グループの重要戦略である本業支援の
  展開など、高い専門性が求められる部署や機能は、当社に集約することにより、
  その機能をより発揮し経営効率化を図る体制としております。

(3)内部規程の整備
   当社取締役会は、子銀行やグループ各社の経営がグループ全体に与える影響の
  大きさを認識し、グループの内部管理規程の整備・運用に取り組んでいます。
   具体的には、「グループ経営管理規程」及び「職務権限規程」等を定め、子銀
  行及びグループ各社が当社に付議・報告する事項を明確にしております。
   また、
     「コンプライアンス基本方針」 「統合的リスク管理方針」
                    及び           等を定め、
  子銀行等にその方針に基づくコンプライアンス管理及びリスク管理を行わせる
  態勢としております。
   これらの内部規程の整備・運用により、当社は、グループ全体の経営を適切に
  管理・監視する態勢を構築しております。




                    13
5-2 SBIホールディングスとの資本業務提携による経営管理体制強化

   当社は経営管理体制の強化を目的として、2020 年 11 月 20 日にSBIホール
  ディングス株式会社と資本業務提携契約を締結いたしました。
   本資本業務提携契約に基づき、第三者割当の方法によりSBI地銀ホールディ
  ングス株式会社に対して普通株式 35 億円を発行し増資いたしました。

(1)本提携の目的及び理由
   地域の環境が大きく変化する中、当社グループが、持続的な地域社会の発展に
  貢献していくためには、銀行業のみならず、厳しい経営環境を乗り越える様々な
  術を持つ企業との連携を強化することが重要であるとの認識のもと、当社グルー
  プ内で慎重に協議・検討を重ねた結果、SBIホールディングスを持株会社とす
  るSBIグループが最適なパートナーであると判断し、SBIホールディングス
  と資本業務提携契約を締結いたしました。
   SBIホールディングスを選定した理由は、銀行業をはじめ様々な業種を傘下
  に収め、多様化する金融環境を乗り越えるための IT FinTech 技術を活用した様々
                           ・
  なコンテンツを持った企業で、連携強化を図ることにより、増資による財務基盤
  の強化だけでなく、当社グループ取引先への金融サービス提供の充実、当社グル
  ープの収益力向上や業務の効率化・変革が進展すると判断したからであります。
  また、既に当社グループと同社の間では共同店舗の運営、各種ファンドへの投資
  など連携実績も有しており、最適なパートナーであると考えております。

(2)本提携の内容
   当社及びSBIホールディングスは、資本業務提携契約に基づく業務提携の内
  容として、以下の事項を進めてまいります。
   ① SBIグループのアセットマネジメント事業への運用資産の委託               (資産運用
     の高度化)を通じた当社傘下の銀行の収益力の強化
   ② 地元企業への本業支援、ビジネスマッチング、事業承継支援・M&A による協
     業、地域通貨の発行等を通じた地方創生、地域経済の活性化に向けた連携
   ③ 地元企業を支援するための共同ファンド等を通じた資本性資金及び資本性
     ローン等の提供およびハンズオンによる本業支援
   ④ SBIマネープラザ株式会社との共同店舗の推進、            株式会社 SBI 証券との金
     融商品仲介業サービスの強化
   ⑤ マネータップ株式会社、          SBIネオフィナンシャルサービシーズ株式会社及
     び SBI FinTech Incubation 株式会社などが提供する新規技術の導入及びコ
     スト削減やSBIグループが開発中の次世代システムの導入の検討
   ⑥ 目的に資する協業・連携の検討及び推進




                          14
(3)取締役の指名権に関する合意内容等
   当社及びSBIホールディングスは、     資本業務提携契約における第三者割当増
  資の実施後に、SBIホールディングスが当社の社外取締役(監査等委員である
  取締役を除く)候補者 1 名を指名することができること、また資本業務提携契約
  に基づく業務提携の内容を円滑に遂行するため議決権のないオブザーバー2 名を
  派遣することができることにつきまして合意しております。
   2 名のオブザーバーにつきましては、当社グループの取締役会、経営会議等の
  意思決定機関をはじめとした各種会議体に出席し、活発に意見・情報を交換して
  おります。
   また、SBIホールディングスの指名する社外取締役(監査等委員である取締
  役を除く)候補者 1 名につきましては、第三者割当増資の実施後に開催される最
  初の定時株主総会(2021 年 6 月開催の定時株主総会)において、長谷川靖氏(地
  方創生パートナーズ株式会社執行役員事務局長)が選任されております。

5-3 経営管理組織の機能

5-3-1 銀行持株会社としての組織体制

(1)取締役会

  ① 取締役会の構成
    当社は、2019 年 6 月より監査等委員会設置会社へ移行しており、取締役会は
   取締役 15 名(うち監査等委員である取締役 4 名)で構成しております。
    また、 コーポレートガバナンス態勢を強化するため、    取締役 15 名のうち独立
   社外取締役は 5 名(うち監査等委員である社外取締役 3 名)を選任しており、
   その構成比は 33.3%であります。
    子銀行も同様に、監査等委員会設置会社へと移行しており、社外取締役につ
   いては、 当社の社外取締役と兼任することなく、   きらやか銀行において 4 名 (う
   ち監査等委員である社外取締役 2 名) 仙台銀行で 3 名
                        、       (うち監査等委員である
   社外取締役 2 名)を選任しております。

  ② 取締役会の運営
    当社取締役会は、原則として月 1 回開催し、グループ経営の重要事項やグル
  ープ経営計画・戦略、リスク管理などの議案を協議・決議しております。
    当社の監査等委員会設置会社移行に伴い、当社定款及び取締役会規程を改定
  し、重要な業務執行の決定の一部を、取締役全員で構成する経営会議へ委任い
  たしました。これにより、業務意思決定の迅速化に取り組んでおります。



                      15
 併せて、協議事項を新設し、付議事項のうち特に重要な議案は、決議に先立
って複数回にわたり議論を充実させております。また、決議や報告を要しない
事項についても、中長期的な視点から経営の議論を行っております。
 これら重要議案に係る審議時間を確保するため、報告議案は重要度に応じて
区分し、取締役会での説明レベルに強弱をつけて進行しております。


 ≪じもとホールディングス・取締役会の主な議案≫
                    取締役会の議案
 ① グループ経営の重要な事項についての協議・決議
 ② グループ経営計画・戦略の策定、グループ業務執行状況の監視
 ③ グループ経営リスク管理


③ コーポレートガバナンス態勢の強化への取組み

<指名・報酬協議会>
   当社の「指名・報酬協議会」は、取締役会の諮問機関であり、当社及び子
  銀行の取締役等の指名並びに報酬を決定するにあたって、透明性・公正性を
  確保することを目的に設置しております。
   当会議は、当社代表取締役 2 名及び社外取締役 2 名の 4 名で構成し、社外
  取締役が議長を務めております。
   また 2019 年 6 月より、監査等委員会委員長(社外取締役)がオブザーバ
  ーとして参加しており、同委員会が株主総会において取締役の指名・報酬に
  係る意見陳述を行うために必要な情報を入手しております。

<グループ社外役員連絡会>
   当社の「グループ社外役員連絡会」は、当社及び子銀行の社外役員で構成
 し、代表には当社社外取締役を選任しております。
   本会議は、原則として半期毎に開催し、社外役員が取締役会の運営方法に
 係る評価や要望など、多岐にわたる意見交換を行っております。それらの意見
 を取締役会運営に反映させ、議論の活発化や改善につなげております。

 ≪グループ社外役員連絡会の主な意見と対応≫
      社外役員の意見                 意見を踏まえた対応

 取締役会の運営            ・監査等委員会設置会社へ移行し、付議事項と報告事
 ・社外役員の責務として議論の充実   項を削減。中長期的な経営課題、重要な議題を複数
  を図りたい。            回にわたり議論する態勢とした。




                     16
        社外役員の意見               意見を踏まえた対応

   監査等委員会の運営
                      ・グループの監査等委員、監査部長が参加し、監査意
   ・監査等委員として、グループ監査
                      見交換会を 5 回開催。
    体制を充実させたい。



 <取締役会実効性評価アンケート>
   当社及び子銀行は、取締役会の構成、運営状況及び取締役の活動状況などを基
  に、事業年度毎に取締役会が自己評価を行うこととしております。
   この自己評価にあたっては、毎年 6 月に取締役を対象とした「実効性評価アン
  ケート」を行い、取締役会運営に係る課題抽出と改善活動を繰り返しております。
  これにより取締役会の機能を継続的に高めてまいります。

 <業績連動型株式報酬制度の導入>
   当社及び子銀行の取締役(いずれも社外取締役を除く)を対象に、2016 年 8 月
  に信託制度を利用した業績連動型株式報酬制度を導入しております。
   本制度は、対象役員の報酬と当社グループの業績及び株式価値との連動性をよ
  り明確にし、対象役員が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクま
  でも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢
  献する意識を高めることを目的として導入したものです。

 <社外役員の研修体制>
   当社は、当社の社外役員が会社経営者や弁護士、公認会計士、行政経験者で構
  成していることから、社内外において銀行経営や金融情勢に係る研修機会を提供
  しております。
   当社グループの支店長会議に出席するほか、日本銀行等が主催する外部セミナ
  ーにも積極的に出席いただいております。

  ④ 社外役員からの提言・意見
    社外役員からは、それぞれの専門的な知見に基づき、中期経営計画の進捗や
  内部管理などグループ経営全体に対して、今まで以上に積極的に提言や意見表
  明をいただいております。
    当社は、これらの意見を踏まえ、経営方針や施策の決定、子銀行への指示に
  反映させております。

(2)監査等委員会
   当社は 2019 年 6 月より監査等委員会設置会社へと移行しております。




                       17
   監査等委員会は、取締役 4 名(うち社外取締役 3 名)で構成し、社外取締役
  が委員長を務めております。
   本会は、原則として月 1 回開催し、「監査等委員会規程」、「監査等委員会監
  査等基準」に基づき、監査に関する重要な事項について協議、決議を行っており
  ます。
   また、監査等委員会は、監査部と連携を深め、監査計画の策定・管理に関与す
  るとともに、取締役の職務執行を監視・監督しております。さらに、常勤監査等
  委員は、経営会議、各種委員会等へ出席し必要に応じて意見を述べるなど、監査
  を適切に実施するため必要な権限行使を行っております。
   2020 年 6 月からは、当社及び子銀行の監査等委員と監査部長で構成する「監
  査意見交換会」を設置し、グループ監査態勢の強化に係る意見交換を半期毎に実
  施しております。

(3)経営会議
   本会は、取締役会の下部組織の会議体であり、取締役(社外取締役除く)で構
  成しております。
   本会議には、常勤監査等委員である取締役、リスク統括部長、監査部長、子銀
  行経営企画部長等も参加のうえ、原則として週 1 回開催し、以下の議案を討議・
  決議しております。
    ≪じもとホールディングス・経営会議の主な議案≫
                           議 案
    ① 取締役会の方針に基づくグループの業務執行に係る事項の決議
    ② 取締役会に委任された重要な業務執行の一部の協議・決議
    ③ グループ経営計画・戦略の執行状況の管理


5-3-2   子会社の経営管理を担当する役員の配置

  当社の取締役 15 名のうち社外取締役 6 名及び監査等委員である取締役 1 名を除く
8 名は、子銀行の取締役を兼職し、子銀行取締役としての知識及び経験を有しており
ます。
  これにより当社の取締役は、持株会社のガバナンス機能を発揮するにあたって、子
銀行の経営管理を的確・公正に遂行することができる状況にあり、かつ十分な社会的
信用を有しております。
  また、以下の取組みにより、当社による子銀行の掌握をより確かなものとし、持株
会社としての適切な経営管理と運営、   銀行業務の健全かつ適切な運営に資する態勢と
しております。




                      18
(1)代表取締役及び常勤役員の配置
  ① 当社の代表取締役 2 名は、子銀行の代表取締役頭取が兼職しております。
  ② 当社の常勤取締役 2 名(子銀行の取締役を兼職)は、持株会社に常勤して当社
    の持株会社業務の全般を統括管理しております。

(2)子銀行会議への出席と監督
  ① 当社の常勤取締役 2 名は、子銀行の取締役会及び経営会議に出席し、子銀行
    の意思決定及び業務執行状況を監督する態勢としております。
  ② 当社のコンプライアンス担当取締役及びリスク統括部長は、子銀行のリスク
    管理委員会及びコンプライアンス委員会に出席し、子銀行の内部管理態勢を
    監督する態勢としております。
  ③ 子銀行の経営企画担当及び営業推進担当の取締役は、両子銀行の収益委員会
    及び業績進捗会議にオブザーバーとして相互に出席し、グループ計画の達成
    に向けて連携し、意見・情報交換等を実施する態勢としております。
  ④ 子銀行の監査部長は、リスクアセスメントの観点を取り入れたリスクベース
    の内部監査を実施するにあたり、自行の各会議に出席し、リスク状況をモニ
    タリングする態勢としております。

5-3-3   経営管理態勢の高度化

 前計画における子銀行の有価証券評価損の発生などを踏まえ、じもとグループのガ
バナンス態勢の実効性向上に向け、有価証券運用・管理の高度化、信用リスク管理強
化などに取組んでいく方針としております。主な取組みは次の通りです。
 <リスク管理全般>
 ・じもとグループに重大な影響を与える子銀行懸念事項は当社決議とし、議案提出
  子銀行の頭取は参加できない
 ・子銀行当期純利益の一定以上の損失発生が懸念される事項は当社で決議
 <有価証券リスク管理>
 ・有価証券運用方針の決議・変更の権限を子銀行から当社に変更
 ・有価証券運用におけるアラームポイント抵触時対応権限を子銀行から当社に変更
 <信用リスク管理>
 ・政策融資の新規取組み状況の当社報告
 ・残高が一定以上の政策融資先業況悪化時の対応方針を当社報告・付議
 ・地元企業の業況悪化時の対応方針を当社へ報告
 また、グループの資本政策については、中長期的な視点も含めながら、継続的に検
討してまいります。
 これらの取組みに当たり、SBIグループとの連携を積極的に活用してまいります。



                     19
 ≪じもとホールディングス    経営管理≫




5-3-4    業務変革と経営効率化

(1)じもとグループ設立からの統合効果
    当社は、グループ設立以来、 子銀行の会議体や本部組織、     業務運営について、
  その体系や体制を統一することでグループ運営の一体性、効率性、適切性を高
  める方針としております。
    この方針に基づき経営効率化を進め、    本年、設立 10 年目を迎える当社の統合
  効果は、累計で「システム統一」14.6 億円、「グループ事務集中」3.3 億円、
  「コスト全般削減」1.2 億円、合計 19.2 億円となりました。

≪じもとグループ設立からの統合効果によるコスト削減(全体)≫
        区分                    内   容      削減効果
1   システム統合     サブシステム統一、勘定系システム統一         14.6 億円
2   グループ事務集中   新事務センター運用統合、市場バックオフィス統一    3.3 億円
3   コスト全般削減    コスト削減コンサル導入                1.2 億円
                    合計                    19.2 億円


(2)業務運営組織の設置
   当社は、銀行持株会社として以下の業務運営組織を設置し、グループ全体で
  経営機能面の徹底した効率化・強化をさらに実現していく方針としております。
   持株会社の更なる機能発揮に向けて、2019 年 10 月に市場金融部証券管理課を
  新設しました。グループ傘下のきらやか銀行と仙台銀行の市場金融部門の証券
  管理事務業務を統一し、当社が業務執行を行う体制とすることで、グループ全
  体のガバナンス態勢強化と業務効率化を進めております。



                         20
   また、総合企画部に経営戦略部及び総務部を統合し、業務集約による効率化
  も実施しております。

≪現在のじもとホールディングスの業務運営組織≫
         部署名                 役割・機能
                 ・グループ全体の経営戦略の策定及び管理
 総合企画部           ・各部門別の経営戦略の策定及び管理
                 ・総務関連業務
 リスク統括部          ・グループのリスク管理の統括
 経理部             ・決算、経理に関する業務
 本業支援戦略部         ・グループ長期戦略の「本業支援」に係る統括的な管理
 市場金融部 証券管理課     ・子銀行の証券管理事務業務


(3)新計画の取組み
    新たな計画では、「店舗戦略」「業務効率化・DX」「人員戦略」を一体で
  進め、グループの業務変革に取組んでまいります。取組みに当たっては、SB
  Iグループのテクノロジーや多様なノウハウを積極的に活用し、一層の経営の
  効率化・合理化を実現し、グループ経営資源を重要戦略である「本業支援」に
  再配分するなど、経営統合効果・相乗効果をさらに発揮してまいります。

≪じもとホールディングス   業務変革と経営効率化≫




                      21
5-4 業務執行に対する監査又は監督の体制の強化

(1)監査等委員会
   当社は、「監査等委員会規程」を定め、経営管理組織として監査等委員会を設
  置しております。本会の開催頻度は原則として月 1 回であり、監査に関する重要
  な事項について報告を受け、協議または決議をする態勢としております。
   当社の監査等委員は、4 名のうち 3 名を社外取締役としております。
   監査等委員である取締役は、取締役会などの重要な会議への出席、代表取締役
  との定期的な意見交換会等を通じて、   第三者的な立場から公正かつ有効に業務執
  行に対する監査機能が発揮できる態勢としております。

(2)監査部
   当社取締役会は、「内部監査方針」及び「内部監査規程」を定め、内部監査
  部門として監査部を設置しております。
   監査部は、監査等委員会と連携し、内部管理態勢等の適切性及び有効性を客
  観的・公正に検証し、問題点等の改善方法の提言を行う態勢としております。
   当社は、リスクアセスメントの観点を取り入れたリスクベースの内部監査の
  一環として、監査部長が経営会議やリスク管理委員会、コンプライアンス委員
  会などの主要会議に出席し、リスク状況をモニタリングしております。
   監査の実施にあたっては、子銀行の内部監査部門と連携し、これまで蓄積し
  たノウハウを活用して効率性と実効性のある内部監査を実施しております。
   加えて、監査部が子銀行の内部監査部門の態勢評価を行い、子銀行の内部監
  査部門の強化につなげております。
   また、これらの取り組みに加え、子銀行同士による合同監査を実施し、両行
  監査員が相互に営業店監査に参加することで、監査スキルの共有化とレベルア
  ップに取り組んでおります。




                    22
5-5       リスク管理(不良債権の適切な管理を含む。)の体制の強化のための方策

5-5-1       基本方針及び管理体制

(1)基本方針
   当社取締役会は、
          「統合的リスク管理方針」を定め、以下の基本方針に基づき、
  適切なリスク管理態勢の構築と整備を図り、グループ業務の健全かつ適切な運営
  を確保することとしております。

   ≪じもとホールディングス・統合的リスク管理方針≫
           グループ子会社が収益確保を優先するあまりリスク管理を軽視することのないよう管
      1    理し、業務の健全かつ適切な運営を確保するようリスク管理重視の企業風土を醸成す
           る。
           グループの業務の健全性及び適切性を確保する観点から、グループ子会社が抱える各
      2
           種リスクの所在の把握と評価に努め管理する。
           モニタリング等によるリスク管理と内部監査及び外部監査による監査を行い、内部牽
      3    制機能を構築することにより、グループ子会社のリスク管理の状況を的確に把握・分
           析し、問題点等改善すべき点を検討し、指導管理する。
           統合的リスク管理態勢の整備・確立は、グループの業務の健全性及び適切性の観点か
      4    ら極めて重要であると認識し、グループの業務の規模・特性等を考慮しつつ、適切な
           統合的リスク管理態勢の整備・確立を図る。
           管理対象とするリスクは、グループの信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペ
      5
           レーショナル・リスク、及び業務運営上グループが損失を被るその他のリスクとする。


(2)グループリスク管理委員会
   当社取締役会は、「グループリスク管理委員会規程」を定め、取締役会の下部
  組織としてグループリスク管理委員会を設置しております。
   本委員会は、当社取締役で構成し、子銀行のリスク管理担当部署の担当役員及
  び部長も出席しております。
   開催頻度は月 1 回であり、グループ経営の「健全性の確保」 「収益性の向上」
                                と
  を図るため、「グループのリスク管理態勢の整備」や「グループの各種リスクの
  状況把握と評価」などに取り組んでおります。

(3)リスク管理部門
   当社取締役会は、リスク管理部門としてリスク統括部を設置しております。
  この部署は、高い専門性や機能が求められることから、子銀行の当該部署及び機
  能を当社に集約し、経営効率化を図るとともに高い専門性を発揮する体制として
  おります。




                           23
5-5-2   リスク管理態勢

(1)統合的リスク管理
   当社取締役会は、「統合的リスク管理方針」及び「統合的リスク管理規程」を
  定めております。
   リスク統括部は、これらを役職員及びグループ子会社に周知するとともに、定
  期的かつ必要に応じて速やかに、グループ子会社から統合的リスクに関する事項
  の報告を受け、取締役会及びグループリスク管理委員会に対しこれを報告する態
  勢としております。
   グループリスク管理委員会は、子銀行のリスク管理状況について定期的に報告
  を受け、問題がないかどうかを確認し、必要に応じて是正を命じるなど適切に把
  握・管理する態勢としております。
   また、子会社で顕在化したリスク等がグループ内の子銀行の経営に影響を与え
  ることのないよう、本委員会が中心となって適切な対策を検討し、子銀行等に実
  行させる態勢としております。

(2)信用リスク管理
   グループリスク管理委員会は、子銀行それぞれの地域経済環境等を踏まえ、取
  引方針及び審査方針等は各行の主体性を維持しつつ、互いのノウハウを共有・活
  用し、信用リスクに係る基準・手法等の統一に取り組んでおります。これにより
  グループとしての信用リスクの計量化を行い、    自己資本に見合った適切な信用リ
  スクリミットの設定を行っております。
   グループリスク管理委員会は、グループ内の与信管理状況について、法令等に
  抵触しない範囲で総合的に把握するとともに、    グループとしての与信限度管理額
  を設定することで、    グループとして特定の業種または特定のグループに対する与
  信集中の状況等を適切に管理する態勢としております。
   また、  一方の子銀行において顕在化した融資先の破綻等の信用リスクについて、
  その取組み状況から破綻に至るまでの判断・管理、該当企業の財務・業況推移な
  どの分析結果を踏まえた対応策等について、法令等に抵触しない範囲で共有し、
  取引方針及び審査方針として活用することにより、    信用リスク管理の高度化につ
  なげております。さらには、法令等に抵触しない範囲で、それぞれの子銀行が持
  つ経営改善及び事業再生に係るノウハウを共有・活用することにより、グループ
  としての資産内容の健全化につなげております。
   2019 年 4 月からは、きらやか銀行の審査担当者を仙台銀行融資部に配置して
  おり、両行にて積極的に情報共有を進めていくことで、更なる信用リスク管理態
  勢の強化を図っております。




                    24
   さらに新計画においては、政策融資の新規取組み状況の当社報告、政策融資先
  (残高一定額以上)の業況悪化時対応方針の当社報告・決議等、信用リスク管理
  の強化に向けたガバナンス態勢の向上を図ってまいります。

(3)市場リスク管理
   グループリスク管理委員会は、子銀行がそれぞれ制定・運用している市場リス
  クに係る管理方法等の情報を共有することで、グループとしての市場リスク管理
  強化を行い、自己資本に見合った適切な市場リスクリミットの設定を行っており
  ます。
   また、グループ内の市場リスク管理の状況について総合的に把握し、グループ
  としての有価証券等のポートフォリオ状況を適切に管理する態勢としておりま
  す。
   そして、有価証券運用方針の決定やアラームポイント抵触時の対応権限を、子
  銀行から当社に移行するなど、入口管理と緊急時管理を中心に、当社の関与・権
  限を強化しております。

5-6   法令遵守の体制の強化のための方策

(1)グループコンプライアンス委員会
   当社取締役会は、地域社会の健全な発展に資するため、法令等遵守を経営の最
  重要課題の一つとして位置づけており、「コンプライアンス基本方針」、「コン
  プライアンス規程」及び「グループコンプライアンス委員会規程」を定め、取締
  役会の下部組織としてグループコンプライアンス委員会を設置しております。
   本委員会は、当社取締役で構成し、開催頻度は月 1 回としております。法令、
  や社内諸規程の遵守、及び企業倫理を確立するため、当社におけるコンプライア
  ンスの徹底状況を把握するほか、グループ内各社のコンプライアンス委員会から
  報告を受け、必要に応じ、協議を行う態勢としております。
   また、子会社で顕在化した法務リスク等がグループ内の子銀行の経営に影響を
  与えることのないよう、本委員会が中心となって適切な対策を検討し、子会社等
  に指導・実行させる態勢としております。

(2)コンプライアンス統括部署
   当社取締役会は、コンプライアンス統括部署としてリスク統括部を設置してお
  ります。この部署は、高い専門性や機能が求められることから、子銀行の当該部
  署及び機能を当社に集約することにより、経営効率化を図るとともに高い専門性
  を発揮する体制としております。




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6.協定銀行による株式等の引受け等に係る事項

      当社は、B種優先株式、C種優先株式及びD種優先株式について、10 株を 1 株の割合を
      もって併合し、2020 年 10 月 1 日(木)にその効力が生じております。


(1)じもとホールディングス C 種優先株式(きらやか銀行関係1)
            項目                             内容
 1    種類           株式会社じもとホールディングス C 種優先株式
 2    申込期日(払込期日)   平成 24 年 12 月 28 日
 3    発行価額         1株につき 200 円
      非資本組入れ額      1株につき 100 円
 4    発行総額         20,000 百万円
 5    発行株式数        100 百万株
                   本優先株主は、全ての事項につき株主総会において議決権を行使することができない。
                   ただし、定時株主総会に本優先配当金の額全部(本優先中間配当金を支払ったときは、
                   その額を控除した額)        の支払を受ける旨の議案が提出されないときはその定時株主総会
 6    議決権          より、本優先配当金の額全部(本優先中間配当金を支払ったときは、その額を控除した
                   額)  の支払を受ける旨の議案が定時株主総会において否決されたときはその定時株主総
                   会の終結の時より、       本優先配当金の額全部の支払を受ける旨の決議がなされる時までの
                   間は、全ての事項について株主総会において議決権を行使することができる。
                   12 ヶ月日本円 TIBOR+1.15%
                   (平成 25 年 3 月 31 日を基準日とする期末の剰余金の配当の場合は、   払込期日から平成
      優先配当年率
                   25 年 3 月 31 日までの間の日数で日割り計算により算出される割合とする。    ただし、  8%
 7                 を上限とする。)
      優先中間配当金      本優先配当金の 2 分の 1 を上限
      累積条項         非累積
      参加条項         非参加
                   普通株主に先立ち本優先株主が有する本優先株式 1 株当たりの払込金額相当額に経過
 8    残余財産の分配
                   優先配当金相当額を加えた額を支払う。このほかの残余財産の分配は行わない。
      取得請求権        本優先株主は、取得請求期間中、当社が本優先株を取得するのと引換えに当社の普通株
      (転換予約権)      式を交付することを請求することができる。
      取得請求期間の開始日   平成 24 年 12 月 29 日
      取得請求期間の終了日   平成 36 年 9 月 30 日
      当初取得価額       当社普通株式の平成 24 年 12 月 21 日(当日を含む)までの直近の 5 連続取引日の終値
 9
      (当初転換価額)     の平均値に相当する金額
      取得請求期間中の取得   毎月第 3 金曜日の翌日以降、当該第 3 金曜日まで(当該日含む。      )の直近の 5 連続取引
      価額修正         日の当社普通株式の終値の平均値に相当する金額
      取得価額の上限      無し
      取得価額の下限      55 円
                   当社は、平成 31 年 10 月 1 日以降、取締役会が別に定める日(当該取締役会の開催日ま
                   での 30 連続取引日(開催日を含む。      )の全ての日において当社普通株式の終値が下限取
      金銭を対価とする取得
                   得価額を下回っている場合で、かつ、金融庁の事前承認を得ている場合に限る。            )が到
      条項
 10                来したときに、法令上可能な範囲で、本優先株式の全部または一部を、金銭を対価とし
                   て取得することができる。
                   本優先株式 1 株につき、      本優先株式 1 株当たりの払込金額相当額に経過優先配当金相当
      対