7161 じもとHD 2019-03-01 17:30:00
平成30年9月期における経営強化計画の履行状況について1/2 [pdf]

                                                      平成 31 年 3 月 1 日


各    位
                                 会社名:株式会社じもとホールディングス
                                 ( コ ー ド 番 号 : 7161      東証第一部)
                                 代表者名:取締役社長                  粟野     学
                                 問合せ先:取締役総合企画部長                尾形    毅
                                 (    T E L . 0 2 2 - 7 2 2 - 0 0 1 1 )



         平成 30 年 9 月期における経営強化計画の履行状況について


    当社及び当社連結子会社である株式会社きらやか銀行と株式会社仙台銀行は、
                                      「金融機能の強化
のための特別措置に関する法律」に基づき、平成 30 年 9 月期の経営強化計画の履行状況を取り
まとめましたのでお知らせいたします。
    今後も経営強化計画を着実に履行し、東日本大震災からの復興及び中小規模事業者等に対する
信用供与の円滑化に積極的に貢献してまいります。



                                                                  以 上




                  本件に関するお問い合わせ先
              きらやか銀行経営企画部     小林     (023) 628-3896
              仙台銀行経営企画部       柴田 (022) 225-8258




                          1
【別紙】経営強化計画の履行状況(平成 30 年 9 月期)の概要

1.じもとグループとしての復興支援(平成 30 年 12 月末現在)
 (1)成長期・成熟期にある中堅・中小企業を対象に成長資金の提供を行い、地域雇用の創造と地域
         経済活性化を目指すため、日本政策投資銀行と協働し、両行の出資により「じもと創生本業
         支援ファンド」を平成 27 年 10 月に組成し、平成 30 年 9 月に第 5 号案件を引受。
 (2)平成 28 年 11 月、東京きらぼしフィナンシャルグループと「本業支援に関する連携協定書」を
         締結し、それぞれの経営基盤・営業エリアにおいて有する情報・ネットワークを活用し、両
         金融グループが経営方針に基づき積極的に取り組んでいる、地元中小企業への本業支援の進
         化・発展を図ることを目的とした相互の連携・協力により、取引先の連携も開始。


 ≪ビジネスマッチング実績≫                               ≪協調・紹介融資等実績(事業性)≫

                               件数(件)                              件数(件)            金額(百万円)
  ビジネスマッチング件数                     2,253           協調融資                       50        20,483
       うち成約件数                          459        紹介融資                       76            3,851
 ※平成 25 年 4 月~平成 30 年 9 月末まで                       合   計                    126            24,334
                                             ※平成 24 年 10 月~平成 30 年 9 月末まで

2.両行の具体的な支援取組み内容
 (1)きらやか銀行
     ①    平成 28 年 10 月から『本当に本業支援を必要としている先』に対し、「財務の本業支援」や
          「成長の為の本業支援」を行う『中小企業成長戦略』に経営資源を集中。
     ②    仙台銀行と連携し、平成 30 年 10 月に、山形市が実施する「街なか賑わいフェスティバル
          2018」と連携し、
                   「じもとまつり in 山形」を開催。その他、定期的に「食の商談会」を実
          施。
 (2)仙台銀行
     ①    被災企業等の経営改善を支援するため、経営改善計画の策定支援や訪問活動、モニタリン
          グ等を行うとともに、外部機関と連携した事業再生支援を実施。
     ②    平成 30 年 7 月、地方創生に関する取り組みの一環として、宮城県内の「働き方改革」の推
          進による地域経済の活性化を目的に、宮城労働局と「働き方改革に関する包括連携協定」
          を締結。10 月には本連携協定に基づき、宮城労働局との連携による中小企業のための「働
          き方改革」セミナーを開催。


3.支援取組み実績
 (1)被災者向け新規融資実績(平成 30 年 11 月末現在)

                                                                                   合計
                                事業性融資                  消費性融資
          きらやか銀行           1,412 件/402 億円          150 件/ 19 億円             1,562 件/421 億円
          仙 台 銀 行         6,721 先/2,259 億円        3,792 先/231 億円        10,513 先/2,491 億円


 (2)債権買取機構等の活用状況(平成 30 年 12 月末現在)
                                                 東日本大震災事業者再生          個人版私的整理ガイドラ
                          産業復興機構の活用
                                                 支援機構の活用              インの活用
          きらやか銀行                   -                   決定 7 先                     成立 4 先
          仙 台 銀 行               決定 28 先          決定 67 先/検討中 1 先       成立 42 先/検討中 2 先
                                                                                           以   上


                                             2
経営強化計画の履行状況報告書




     平 成 30 年 12 月


 株式会社 じもとホールディングス
 株式会社 きらやか銀行
 株式会社 仙 台 銀 行
                         目   次

Ⅰ.株式会社じもとホールディングス
1.金融組織再編成で設立した会社の概要                   ・・・    2
2.平成 30 年 9 月期決算の概要                   ・・・    3
   2-1   経営環境                         ・・・    3
   2-2   決算の概要                        ・・・    3
3.経営強化計画実施に伴う労務に関する事項                 ・・・    5
4.持株会社の剰余金の処分の方針                      ・・・    7
   4-1   配当方針                         ・・・    7
   4-2   内部留保の状況                      ・・・    7
5.株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となった会社におけ ・・・       9
  る責任ある経営体制の確立に関する事項
  5-1 完全親会社としての経営管理体制              ・・・       9
   5-2   経営管理組織の機能                    ・・・   10
   5-3   業務運営組織の機能                    ・・・   16
   5-4   業務執行に対する監査又は監督の体制の強化         ・・・   18
   5-5   リスク管理(不良債権の適切な管理を含む。)の体制の強化の ・・・   19
         ための方策
   5-6   法令遵守の体制の強化のための方策             ・・・   21
   5-7   経営に対する評価の客観性の確保のための方策        ・・・   21
   5-8   情報開示の充実のための方策                ・・・   22



Ⅱ.株式会社きらやか銀行
1.収益の状況                               ・・・   24
  1-1    平成 30 年 9 月期決算の概要            ・・・   24
  1-2    平成 30 年度以降の収益計画              ・・・   29
2.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の当該金融機関等が ・・・      30
  主として業務を行う地域における経済の活性化に資する方策の進捗状況
  2-1    中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策   ・・・   30
  2-2    被災者への信用供与の状況及び被災者への支援をはじめとす ・・・    52
         る被災地域における東日本大震災からの復興に資する方策
  2-3    その他主として業務を行っている地域における経済の活性化 ・・・    70
         に資する方策
3.剰余金の処分の方針                           ・・・   84
  3-1   配当に関するグループ方針                  ・・・   84
  3-2   配当に向けた態勢整備                    ・・・   84
  3-3   役員に対する報酬及び賞与についての方針           ・・・   85
4.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策     ・・・   85
  4-1   経営管理に係る体制及び今後の方針              ・・・   85
  4-2   業務執行に対する監査又は監督の体制及び今後の方針      ・・・   86
  4-3   与信リスクの管理(不良債権の適切な管理を含む。)及び市場 ・・・    87
        リスクを含む各種リスクの管理状況及び今後の方針




Ⅲ.株式会社仙台銀行
1.平成 30 年 9 月期決算の概要                   ・・・   95
  1-1   経営環境及び震災復興への取組み体制             ・・・   95
  1-2   決算の概要                         ・・・   96
2.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の当該震災特例金融 ・・・      99
  機関等が主として業務を行っている地域における経済の活性化に資する
  方策の進捗状況
  2-1   中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策    ・・・   99
  2-2   被災者への信用供与の状況及び被災者への支援をはじめと ・・・ 117
        する被災地域における東日本大震災からの復興に資する方策
  2-3   その他主として業務を行っている地域における経済の活性化 ・・・ 151
        に資する方策
3.剰余金の処分の方針                           ・・・ 157
4.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策     ・・・ 159
  4-1   経営管理に係る体制                     ・・・ 159
  4-2   業務執行に対する監査又は監督の体制及び今後の方針      ・・・ 160
  4-3   与信リスクの管理(不良債権の適切な管理を含む。)及び市場 ・・・ 161
        リスクを含む各種リスクの管理の状況
Ⅰ.株式会社じもとホールディングス




        1
1.金融組織再編成で設立した会社の概要

  株式会社じもとホールディングス    (以下、当社) 株式会社きらやか銀行
                              は、         (以下、
きらやか銀行)と株式会社仙台銀行(以下、仙台銀行)が、共同株式移転方式にて
平成 24 年 10 月に設立した銀行持株会社であります。
  現在、 当社グループは、   当社、連結子会社 6 社及び関連会社(持分法適用関連会社)
1 社で構成し、銀行業務を中心に金融サービスに係る事業を行っております。
  当社グループは、    東日本大震災の復興支援を重要なグループ戦略と位置付けており、
改正金融機能強化法に基づき総額 600 億円の国の資本参加をいただいております。
これにより、安定した財務基盤を確保し、適切かつ積極的に復興支援に向けた金融仲
介機能を発揮する態勢を整えております。
  当該経営強化計画において、当社グループは、中小規模事業者への「顧客本位の本
業支援」を通じて復興支援並びに信用供与の円滑化に貢献するとともに、       「統合効果
発揮」を通じてグループ経営の更なる効率化・合理化を実現してまいります。

 ≪株式会社じもとホールディングスの概要(平成 30 年 9 月末現在)≫
 名               称   株式会社じもとホールディングス
 本 社 所 在 地           仙台市青葉区一番町二丁目 1 番 1 号            仙台銀行本店 9 階
 設   立       方   法   きらやか銀行と仙台銀行の共同株式移転方式による完全親会社設立
 設       立       日   平成 24 年 10 月 1 日(月)
 資       本       金   170 億円
 業   務       内   容   銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理                      ほか
 上 場 取 引 所           東京証券取引所

 ≪子会社等に関する事項≫
                 会社名               所在地                 事業内容          区分
 株式会社きらやか銀行                        山形市         銀行業                連結子会社
 株式会社仙台銀行                          仙台市         銀行業                連結子会社

 ■きらやか銀行子会社等
 きらやかカード株式会社                       山形市         クレジットカード・信用保証業務    連結子会社
 きらやかコンサルティング&パート                              コンサルティング・
                                   山形市                            連結子会社
 ナーズ株式会社                                       ベンチャーキャピタル業務

 山形ビジネスサービス株式会社                    山形市         事務受託業務             連結子会社
 きらやかリース株式会社                       山形市         リース業務              連結子会社
 株式会社富士通山形インフォテクノ                  山形市         コンピュータシステム開発業務等    持分法適用関連会社




                                           2
2.平成 30 年 9 月期決算の概要

2-1      経営環境

 平成 30 年 9 月期におけるわが国経済は、個人消費が総じて持ち直しの動きが続い
ており、設備投資が増加し企業収益が改善するなど、全体的な景気は緩やかな回復基
調が続く動きで推移しました。
 当社の営業エリアである宮城県経済は、東日本大震災から 7 年が経過し、個人消費
や生産活動が回復しており、雇用情勢は復興需要などを背景に改善するなど、緩やか
な回復となりました。また、山形県経済は、個人消費が緩やかに回復しつつあり、雇
用情勢は改善し生産活動も緩やかに持ち直しております。


2-2      決算の概要

2-2-1        損益の状況(連結ベース)

 当社グループの連結経常収益は、      貸出金利息及び有価証券利息配当金が減少したも
のの役務取引等収益が増加したことなどにより、      前年同期比 1 億 73 百万円増加し 213
億 98 百万円となりました。
 連結経常費用は、資金調達費用が減少したことなどから前年同期比 83 百万円減少
し 196 億 38 百万円となりました。
 その結果、経常利益は、前年同期比 2 億 57 百万円増加し 17 億 60 百万円、親会社
株主に帰属する中間純利益は、前年同期比 58 百万円増加し 12 億 42 百万円となりま
した。

≪損益の状況(連結ベース)≫                                        (単位:百万円)

                   平成 29 年 9 月期     平成 30 年 9 月期
                                                     平成 29 年 9 月期比
 経   常   収   益             21,224           21,398              173

  うち貸出金利息                  11,031           10,813            △218

  うち有価証券利息配当金               3,089            2,719            △370

  うち役務取引等収益                 2,736            2,820               84

 経   常   費   用             19,721           19,638             △83

 経   常   利   益              1,502            1,760              257
 親会社株主に帰属する
                            1,183            1,242               58
 中 間 純 利 益




                              3
2-2-2     資産・負債の状況(連結ベース)

 当社グループの総資産は、        前年同期末比 407 億円減少し 2 兆 5,299 億円となりまし
た。純資産は、同比 8 億 36 百万円増加し 1,176 億円となりました。
 主な勘定残高については、貸出金残高は、事業性貸出が増加したことなどから、同
比 246 億円増加し 1 兆 7,225 億円となりました。
 預金残高   (譲渡性預金含む) 同比 374 億円減少し 2 兆 3,338 億円となりました。
                      は、
 有価証券残高は、投資環境や市場動向に留意しながら効率的な資金運用に努め、同
比 871 億円減少し 5,373 億円となりました。

≪資産・負債の状況(連結ベース)≫                                          (単位:百万円)

                   平成 29 年 9 月末        平成 30 年 9 月末
                                                         平成 29 年 9 月末比
 資 産                       2,570,715         2,529,933          △40,781
  うち貸出金                    1,697,914         1,722,539            24,625
  うち有価証券                    624,537           537,337           △87,199
 負 債                       2,453,913         2,412,295          △41,617
  うち預金・譲渡性預金               2,371,271         2,333,821          △37,449
 純資産                        116,801           117,638                 836


2-2-3     自己資本比率

 当社の連結自己資本比率は、8.70%となりました。
 また、当社グループ子会社の自己資本比率は、きらやか銀行が 8.60%、仙台銀行
が 8.99%となりました。


≪自己資本比率の状況≫
                 平成 30 年                   平成 30 年 9 月期
                 3 月期実績         計画予定          計画実績             差異

 きらやか銀行(単体)       8.56%        8.45%程度         8.60%          +0.15

 仙台銀行     (単体)    9.05%        9.01%程度         8.99%          △0.02

 じもとホールディングス
                  8.70%            -           8.70%            -
   (参考:連結)




                                  4
3.経営強化計画実施に伴う労務に関する事項

(1)じもとホールディングス
   当社の従業員は、きらやか銀行及び仙台銀行(以下、子銀行)の在籍職員で構
  成しております。当社設立時は 103 名でしたが、その後、本業支援戦略部の新設
  等により増員し、平成 30 年 9 月末現在 165 名となっております。
   これにより銀行の業務に関する知識及び経験を有する従業員を十分に確保す
  るとともに、持株会社の業務運営を的確に遂行する体制としております。

(2)きらやか銀行と仙台銀行

  ① 経営強化計画の期間中における従業員数
    子銀行は、今般の経営強化計画実施にあたり、東日本大震災の復興支援に係
  る資金供給機能を強化し、地域の中小規模事業者に対する信用供与の実施体制
  を構築するため、労務態勢の整備に努めております。
    子銀行では、本計画期間中において、職員年齢構成上で多数を占める 50 歳代
  の従業員が定年退職を迎えることから、新規採用で一部をカバーするものの、
  計画始期に比べて従業員数は減少する見込みです。
    このため子銀行は、定年退職者の雇用延長、若手職員及び女性職員の法人営
  業分野での育成、預かり資産等での女性職員やパートナー職員の活用、営業店
  体制の効率化等を通じて、営業ノウハウの継承や強化に取り組んでおります。
    また、当社グループの長期戦略である本業支援を強化するため、行内専門部
  署へ戦略的に人員を配置するなど、高度化・多様化するお客さまのニーズに対
  応できる人材の配置に努めております。
    従業員の採用にあたっては、新卒採用を継続するとともに、他業態からの中
  途採用や、 専門的知識、金融知識を有する優れた人材の確保に努めております。

    ≪従業員数計画≫                                               単位:名

                      始期            終期                      実績
                                              差異
                  30 年 4 月 1 日   33 年 3 月末               30 年 9 月末

    じもとホールディングス            163          163         -           165
    きらやか銀行               1,065          996        ▲69        1,039
    仙台銀行                   773          743        ▲30          757




                           5
     ② 経営の強化に充てる予定の従業員数と実績
       平成 30 年 9 月の従業員数は、じもとホールディングスが 165 名(計画比+2
     名)、きらやか銀行が 1,039 名(計画比△3 名)、仙台銀行が 757 名(計画比+3
     名)となり、概ね計画通りに進捗しております。

≪従業員数計画と実績≫
          30 年 4 月             30 年 9 月          31 年 3 月   31 年 9 月   32 年 3 月   32 年 9 月   33 年 3 月
            実績        計画          実績      差異       計画         計画         計画         計画         計画

じもとHD       163 人     163 人       165 人   +2 人     163 人      163 人      163 人      163 人      163 人



きらやか      1,065 人    1,042 人    1,039 人   △3 人   1,010 人     1,039 人   1,006 人    1,026 人      996 人



 仙   台      773 人     754 人       757 人   +3 人     733 人       756 人     741 人      762 人      743 人

※じもとホールディングスの従業員は、子銀行の在籍職員で構成しております。


     ③ ②中、新規採用される従業員数
       じもとホールディングス、子銀行ともに予定どおりの計画進捗となっており
     ます。

         ≪従業員数計画と実績≫
                                            計画・従業員数                    30 年 9 月実績

          じもとホールディングス                                        0名                       0名

          きらやか銀行                                            150 名                    60 名

          仙台銀行                                              171 名                    84 名

         ※計画・従業員数は 3 年間(平成 30 年度~平成 32 年度)の新規採用計画です。


     ④ 経営の強化に伴い出向又は解雇される従業員数
       じもとホールディングス、子銀行ともに予定どおりの計画進捗となっており
     ます。

         ≪従業員数計画と実績≫
                                            計画・従業員数                    30 年 9 月実績

          じもとホールディングス                                        なし                      なし

          きらやか銀行                                             なし                      なし

          仙台銀行                                               なし                      なし




                                             6
4.持株会社の剰余金の処分の方針

4-1   配当方針

 当社は、地域金融グループとしての公共性と健全性維持の観点から、当社及び子銀
行の内部留保の充実を図るとともに、    中間配当及び期末配当の年 2 回の安定した配当
を維持することを基本方針としております。
 こうした方針に基づき、平成 30 年 9 月期の当社グループの連結純利益は 12 億 42
百万円を計上し、平成 30 年 9 月期の中間配当(普通株式)は、当初計画どおり一株
あたりの中間配当を 2.5 円といたしました。また、平成 31 年 3 月期の年間配当は一
株あたり 5.0 円を予定しております。
 今後も、当社及び子銀行の経営強化計画を確実に実行し、地域経済の復興にさらに
貢献することで、グループ収益力を向上させてまいります。



4-2   内部留保の状況

(1)3社合算
    平成 30 年 9 月期の当社及び子銀行合算のその他利益剰余金は 265 億円(平成
  30 年 3 月比 9 億円増)となりました。
    その他利益剰余金の残高は、    経営強化計画の平成 31 年 3 月期の計画予定額(262
  億円)を上回っております。
    当社は、今後も子銀行とともに経営強化計画を着実に実施し、被災地の早期復
  興に全力で貢献するとともに、利益剰余金の積み上げに取り組んでまいります。

 ≪当期純利益と利益剰余金の実績・計画≫                                            (単位:億円)

                      30/3 期        30/9 期                       31/3 期計画
                                                  増   減
                      実   績         実   績                       (強化計画)

  じもと HD    当期純利益              12            6             -            12

           その他利益剰余金            19            20           0.5           19

  きらやか      当期純利益              19            9             -            15
   銀行      その他利益剰余金           116           119            3           120

  仙台銀行      当期純利益              15            7             -            6

           その他利益剰余金           120           125            5           123

  3社合算     その他利益剰余金           256           265            9           262




                               7
(2)じもとホールディングス
    当社は、各事業年度において、子銀行から受け取る配当金を原資に配当を行っ
  ており、当社単体のその他利益剰余金は、平成 30 年 3 月末比 0.5 億円増加し、
  20 億円となりました。
    今後も各期末に同水準程度のその他利益剰余金を安定的に確保する見込みで
  すが、 公的資金返済は子銀行が各行で積み上げるその他利益剰余金を充当する方
  針であり、下記のとおり、返済は十分に可能と見込んでおります。

(3)きらやか銀行
    きらやか銀行は、経営強化計画を確実に実行し、中小規模事業者等貸出の増強
  等により収益力の強化を図ってまいります。       また、財務基盤の安定化の観点から、
  内部留保の蓄積に努めてまいります。
    きらやか銀行単体のその他利益剰余金は、平成 30 年 3 月末比 3 億円増加し、
  119 億円となりました。
    今後も毎期収益を積み上げ、平成 36 年 3 月期末のその他利益剰余金は 206 億
  円まで積み上がる見込みです。平成 36 年 9 月に公的資金 200 億円を返済し、そ
  の後平成 49 年 3 月期末までにさらに 217 億円まで積み上げ、公的資金 100 億円
  を返済する計画です。
    これにより、 きらやか銀行が受け入れております公的資金 300 億円の返済は十
  分に可能であると見込んでおります。

(4)仙台銀行
   仙台銀行は、経営強化計画を確実に実行し、中小規模事業者等貸出の増強等に
  より収益力の強化を図ってまいります。
   仙台銀行単体のその他利益剰余金は、平成 30 年 3 月末比 5 億円増加し、125
  億円となりました。
   今後も毎期収益を積み上げ、経営強化計画の終期である平成 48 年 3 月期末に
  おいて、その他利益剰余金は 301 億円まで積み上がる見込みであります。
   これにより、仙台銀行が受け入れております公的資金 300 億円の返済は十分に
  可能であると見込んでおります。




                       8
5. 株式交換等により当該発行金融機関等の完全親会社となった会社における責任
   ある経営体制の確立に関する事項

5-1   完全親会社としての経営管理体制

(1)子会社の議決権の保有
   当社は、当該経営強化計画を実施する子銀行の完全親会社であり、両行の議決
  権 100%を保有しております。本計画においても、子会社の議決権保有方針に変
  更はございません。

(2)基本的な管理体制
   当社取締役会は、銀行持株会社として、子銀行及びグループ各社の業務の健全
  かつ適切な運営を確保するため、グループ全体の経営計画・経営戦略を策定し、
  その進捗状況を管理するとともに、    グループ経営において発生するリスク全般に
  ついて管理する体制としております。
   この体制のもと、当社と子銀行は、中期経営計画(計画期間:平成 30 年度~
  平成 32 年度)をグループ 3 社で統一・策定し、併せて 3 社の経営強化計画も同
  一計画期間で更新・統一しております。
   当社は、グループの取締役会・経営会議・業績進捗会議において、中期経営計
  画及び経営強化計画の進捗状況を定期的に管理し、    必要な改善を子銀行に指示し
  ております。
   また、コンプライアンスやリスク管理、グループの重要戦略である本業支援の
  展開など、高い専門性が求められる部署や機能は、当社に集約することにより、
  その機能をより発揮し経営効率化を図る体制としております。

(3)内部規程の整備
   当社取締役会は、子銀行やグループ各社の経営がグループ全体に与える影響の
  大きさを認識し、グループの内部管理規程の整備・運用に取り組んでいます。
   具体的には、「グループ経営管理規程」及び「職務権限規程」等を定め、子銀
  行及びグループ各社が当社に付議・報告する事項を明確にしております。
   また、
     「コンプライアンス基本方針」 「統合的リスク管理方針」
                    及び           等を定め、
  子銀行等にその方針に基づくコンプライアンス管理及びリスク管理を行わせる
  態勢としております。
   これらの内部規程の整備・運用により、当社は、グループ全体の経営を適切に
  管理・監視する態勢を構築しております。




                     9
5-2   経営管理組織の機能

5-2-1   銀行持株会社としての組織体制

(1)取締役会

  ① 取締役会の構成
    当社取締役会は、グループ経営の健全性・透明性をさらに高めるため、社外
  役員は 5 名体制(社外取締役 2 名、社外監査役 3 名)としております。
    これまで当社の社外役員は、子銀行の社外役員を兼任しておりましたが、平
  成 28 年 6 月開催の当社及び子銀行の定時株主総会にて新任の社外役員を選任し、
  相互の兼任を解消しており、これにより当社及び子銀行の経営体制をより明確
  にいたしております。

   ≪じもとホールディングス・社外役員:平成 30 年 12 月末現在≫
        役職名              氏名                重要な兼職

  社外取締役         内藤   和暁            弁護士

  社外取締役         大山   正征            株式会社ユアテック相談役

  社外監査役         伊藤   吉明            公認会計士

  社外監査役         三浦   俊一            元宮城県総務部長

  社外監査役         髙橋   節             元山形県副知事
   ※大山正征氏は、平成 30 年 12 月 11 日開催の臨時株主総会において承認され、社外取締役に
    就任しております。

   ≪きらやか銀行・社外役員:平成 30 年 12 月末現在≫
        役職名              氏名                重要な兼職

  社外取締役         佐藤   明夫            弁護士

  社外監査役         結城   章夫            元山形大学長、文部科学省事務次官

  社外監査役         五十嵐正明              公認会計士

   ≪仙台銀行・社外役員:平成 30 年 12 月末現在≫
        役職名              氏名                重要な兼職

  社外取締役         堀内   政司            弁護士

  社外監査役         笠原   周二            元仙台市副市長

  社外監査役         柴田   純一            公認会計士




                              10
② 取締役会の運営
  当社取締役会は、原則として月 1 回開催し、グループ経営の重要事項やグル
ープ経営計画・戦略、リスク管理などの議案を討議・決議しております。
  取締役会の運営にあたっては、グループの重要議案(例:重要戦略である本
業支援の進捗状況、内部監査の状況等)に係る議論を十分に行うため、事務局
が会議議案を早めに取りまとめ、社外役員(社外取締役 2 名、社外監査役 3 名)
への事前説明を充実させております。
  また、重要議案に係る審議時間を確保するため、報告議案は内容に応じて整
理・簡略化を進めております。

 ≪じもとホールディングス・取締役会の主な議案≫
                    取締役会の議案
 ① グループ経営の重要な事項についての決議
 ② グループ経営計画・戦略の策定、グループ業務執行状況の監視
 ③ グループ経営リスク管理


③ コーポレートガバナンス態勢の強化への取組み

 <グループ社外役員連絡会>
   当社は、平成 27 年 10 月に「グループ社外役員連絡会」を設置しておりま
  す。本会議は、当社及び子銀行の社外役員で構成し、代表には当社社外取締
  役を選任しております。
   本会議は、原則として半期毎に開催し、社外役員が取締役会の運営状況や
 今後の子銀行における経営戦略等、多岐にわたる意見交換を行い、それを反
 映させることで、取締役会の議論の高度化・活発化につなげる体制としてお
 ります。

 ≪グループ社外役員連絡会の主な意見と対応≫
     社外役員の意見                  意見を踏まえた対応

 取締役会の運営
 ・社外役員の責務として議論の充実 ・論点の明確化と議案の絞り込みを検討し十分な審議
  を図りたい。            時間が確保できるよう、引き続き運営を工夫する。


 監査役会の運営
 ・両行各々の相違点や議論した点な   ・監査報告は、必要に応じて両行で各々議論した点を
  ど情報共有が必要である。      紹介する。




                     11
       社外役員の意見                 意見を踏まえた対応

  取締役・監査役のトレーニング
                     ・平成 30 年 12 月に開催された日本銀行金融機構局主
  ・銀行経営や金融情勢に係る知識
                      催のセミナーに、当社グループから 5 名の社外役員
   拡充が必要である。
                      が参加した。

  子銀行における経営戦略
  ・IT技術を活用した戦略の検討も   ・両子銀行とも、法人及び個人向けにIT技術を活用
   必要である。             した新たな金融サービスの提供を検討していく。




<指名・報酬協議会>
  当社は、平成 27 年 11 月に取締役会の諮問機関として「指名・報酬協議会」を
 設置しております。当会議は、当社代表取締役 2 名及び社外取締役 2 名の 4 名で
 構成しております。
  当会議は、当社取締役・監査役の指名並びに当社取締役の報酬を決定するにあ
 たっての透明性・公正性を確保することを目的としております。社外取締役も出
 席する当会議での検討を通じて、実効的なコーポレートガバナンスを実現してま
 いります。

<取締役会実効性評価アンケート>
  当社は、取締役会の構成、運営状況及び取締役の活動状況などを基に、事業年
 度毎に取締役会が自己評価を行うこととしております。
  この自己評価にあたっては、平成 30 年 6 月に取締役を対象とした「実効性評
 価アンケート」を行い、定期的に課題抽出と改善活動を繰り返し、取締役会の機
 能を継続的に改善してまいります。
  当社のほか、子銀行においてもこのアンケートを実施し、コーポレートガバナ
 ンス態勢を強化してまいります。

<業績連動型株式報酬制度の導入>
  当社及び子銀行の取締役(いずれも社外取締役を除く)を対象に、平成 28 年 8
 月に信託制度を利用した業績連動型株式報酬制度を導入しております。
  本制度は、対象役員の報酬と当社グループの業績及び株式価値との連動性をよ
 り明確にし、対象役員が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクま
 でも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢
 献する意識を高めることを目的として導入したものです。




                      12
<社外役員の研修体制>
  当社は、当社の社外役員が会社経営者や弁護士、公認会計士、行政経験者で構
 成していることから、社内外において銀行経営や金融情勢に係る研修機会を提供
 しております。
  平成 30 年 7 月には当社グループ役員を対象に、外部講師による銀行決算等に
 係る社内研修会を開催しております。

 <株主優待制度の導入>
   じもとホールディングス創立 5 周年を記念し、一定株式数を保有の株主に地場
  産品や商品券をプレゼントする株主優待制度を導入しており、  平成 29 年 12 月に、
  株主優待品の贈呈を行っております。

  ④ 社外役員からの提言・意見
    社外役員からは、それぞれの専門的な知見に基づき、中期経営計画の進捗や
  内部管理などグループ経営全体に対して、今まで以上に積極的に提言や意見表
  明をいただいております。
    当社は、これらの意見を踏まえ、経営方針や施策の決定、子銀行への指示に
  反映させております。

(2)監査役会
   当社は監査役会設置会社であり、本会は、原則として月 1 回開催し、グループ
  監査等に係る議案を討議しております。

    ≪じもとホールディングス・監査役会の主な議案≫
                               議 案
    ①   グループ会計監査、内部統制監査
    ②   持株会社、グループの業務監査


(3)経営会議
   本会は、取締役会の下部組織の会議体であり、取締役(社外取締役除く)、監
  査役、経営戦略部長、リスク統括部長、監査部長、子銀行経営企画部長等で構成
  し、原則として週 1 回開催し、以下の議案を討議・決議しております。

    ≪じもとホールディングス・経営会議の主な議案≫
                               議 案
    ① 取締役会の方針に基づく業務執行に係る事項の決定
    ② グループ経営計画・戦略の執行状況の管理




                          13
(4)グループコンプライアンス委員会
   本会は、取締役会の下部組織の会議体であり、取締役(社外取締役除く)、子
  銀行リスク担当役員・部長等で構成し、原則として月 1 回開催し、以下の内容を
  討議・決議しております。

    ≪じもとホールディングス・グループコンプライアンス委員会の主な議案≫
                           議 案
    ① グループ全体のコンプライアンス態勢の検証


(5)グループリスク管理委員会
   本会は、取締役会の下部組織の会議体であり、取締役(社外取締役除く)、子
  銀行リスク担当役員・部長等で構成し、原則として月 1 回開催し、以下の内容を
  討議・決議しております。

    ≪じもとホールディングス・グループリスク管理委員会の主な議案≫
                           議 案
    ① グループ連結での各種リスクコントロール、資産ポートフォリオ管理
    ② グループ経営リスク管理、グループ全体での資産負債管理




5-2-2   子会社の経営管理を担当する役員の配置

 当社の取締役 12 名のうち社外取締役等 2 名を除く 10 名は、子銀行の取締役を兼職
し、子銀行取締役としての知識及び経験を有しております。
 これにより当社の取締役は、持株会社のガバナンス機能を発揮するにあたって、子
銀行の経営管理を的確・公正に遂行することができる状況にあり、かつ十分な社会的
信用を有しております。
 また、以下の取組みにより、当社による子銀行の掌握をより確かなものとし、持株
会社としての適切な経営管理と運営、  銀行業務の健全かつ適切な運営に資する態勢と
しております。

(1)代表取締役及び常勤役員の配置
  ① 当社の代表取締役 2 名は、子銀行の代表取締役頭取が兼職しております。
  ② 当社の常勤取締役 2 名(子銀行の取締役を兼職)は、持株会社に常勤して当社
    の持株会社業務の全般を統括管理しております。




                      14
(2)子銀行会議への出席と監督
  ① 当社の常勤取締役 2 名は、子銀行の取締役会及び経営会議に出席し、子銀行
    の意思決定及び業務執行状況を監督する態勢としております。
  ② 当社のコンプライアンス担当取締役及びリスク統括部長は、子銀行のリスク
    管理委員会及びコンプライアンス委員会に出席し、子銀行の内部管理態勢を
    監督する態勢としております。
  ③ 子銀行の経営企画担当及び営業推進担当の取締役は、両子銀行の収益委員会
    及び業績進捗会議にオブザーバーとして相互に出席し、グループ計画の達成
    に向けて連携し、意見・情報交換等を実施する態勢としております。
  ④ 子銀行の監査部長は、リスクアセスメントの観点を取り入れたリスクベース
    の内部監査を実施するにあたり、自行の各会議に出席し、リスク状況をモニ
    タリングする態勢としております。

5-2-3   子銀行の業務統一と経営効率化

 当社は、じもとグループ発足後、子銀行の会議体や本部組織、業務運営について、
その体系や体制を統一することでグループ運営の一体性、効率性、適切性を高める方
針としております。
 この方針に基づき、これまでに両子銀行のサブシステムや規程等の統一、業務運営
フローの統一等に取り組むとともに、人事制度の統一、市場部門のオフィス統一や本
部事務集中部門などの本部管理部門の統一、共同化に向けた対応に取り組んでおりま
す。
 当社は、引き続きグループの統合効果を最大限に発揮するため、グループ組織、業
務運営態勢の見直しや、グループ内コスト削減に取り組んでまいります。
 これを通じて当社は、グループ全体で合併と同等の経営の効率化 合理化を実現し、
                              ・
グループ経営資源を重要戦略である「本業支援」に再配分するなど経営統合効果・相
乗効果をさらに発揮してまいります。

   ≪じもとホールディングス・経営の効率化・合理化≫




                    15
5-3   業務運営組織の機能

(1)業務運営組織の設置
   当社は、銀行持株会社として以下の業務運営組織を設置し、グループ全体で経
  営機能面の徹底した効率化・強化をさらに実現してまいります。
   また、子銀行の本部管理部門の統一化・効率化などを通じて、持株会社として
  のさらなる機能発揮を検討・実施してまいります。


 ≪じもとホールディングスの業務運営組織≫
       部署名                   役割・機能
 総合企画部        グループ全体の経営戦略の策定及び管理

 経営管理グループ     経理部、リスク統括部、総務部

              各部門別の経営戦略の策定及び管理
 経営戦略部        (企画部会、融資戦略部会、市場戦略部会、人事戦略部会、
                  総務戦略部会、営業戦略部会、事務戦略部会)

 本業支援戦略部      グループ長期戦略の「本業支援」に係る統括的な管理


(2)本業支援の機能強化
   当社は、本計画において、お客さまに選ばれ、信頼される「顧客本位の本業支
  援」の確立を目標とし、じもとグループ独自のビジネスモデルとして特徴を発揮
  し、お客さまの事業・本業の発展、復興そして地方創生に貢献するとともに、グ
  ループの経営基盤を強化する方針としております。
   本報告期間においては、グループ全体で県境を越えた情報収集・管理フォロー
  を徹底するとともに、取引先のマッチングニーズを集約した「ビジネスマッチン
  グ情報」を毎月発行し、取引先へ配布・提案してまいりました。これらにより平
  成 30 年度上期のビジネスマッチング実績は、紹介件数 213 件・成約件数 35 件と
  なっております。
   また、本業支援のさらなる強化に向け、マネジメント能力向上のための研修や
  若手、女性渉外職員の育成を目的とした研修を実施するなど、人材育成の充実化
  を図るとともに、グループ内外の専門家等との連携を図ることで、多様化する取
  引先の経営課題解決に向けて取り組んでまいりました。
   今後は、グループ内の人事交流も活性化させることで、子銀行におけるノウハ
  ウの共有とレベルアップを目指してまいります。




                        16
≪じもとホールディングスによる本業支援強化≫




                 17
5-4   業務執行に対する監査又は監督の体制の強化

(1)監査役会及び監査役
   当社は、「監査役会規程」を定め、経営管理組織として監査役会を設置してお
  ります。本会の開催頻度は原則として月 1 回であり、監査に関する重要な事項に
  ついて報告を受け、協議または決議をする態勢としております。
   当社の監査役は、 名のうち 3 名を社外監査役としております。
               4                   前述のとおり、
  平成 28 年 6 月の定時株主総会において社外監査役の子銀行兼務を解消しており
  ます。
   監査役は、取締役会などの重要な会議への出席、代表取締役との定期的な意見
  交換会等を通じて、    第三者的な立場から公正かつ有効に業務執行に対する監査機
  能が発揮できる態勢としております。
      ≪じもとホールディングス監査役:平成 30 年 12 月末現在≫
            役職名            氏名                重要な兼職

      監査役         早坂   正代            仙台銀行監査役

      社外監査役       伊藤   吉明            公認会計士

      社外監査役       三浦   俊一            元宮城県総務部長

      社外監査役       髙橋   節             元山形県副知事



(2)監査部
   当社取締役会は、「内部監査方針」及び「内部監査規程」を定め、内部監査部
  門として監査部を設置しております。
   監査部は、内部管理態勢等の適切性及び有効性を客観的・公正に検証し、問題
  点等の改善方法の提言を行う態勢としております。
   当社は、リスクアセスメントの観点を取り入れたリスクベースの内部監査の一
  環として、監査部長が経営会議やリスク管理委員会、コンプライアンス委員会な
  どの主要会議に出席し、リスク状況をモニタリングしております。
   監査の実施にあたっては、子銀行の内部監査部門と連携し、これまで蓄積した
  ノウハウを活用して効率性と実効性のある内部監査を実施しております。
   加えて、監査部が子銀行の内部監査部門の態勢評価を行い、子銀行の内部監査
  部門の強化につなげております。
   また、これらの取り組みに加え、子銀行同士による合同監査を実施し、両行監
  査員が相互に営業店監査に参加することで、監査スキルの共有化とレベルアップ
  に取り組んでおります。




                                18
5-5       リスク管理(不良債権の適切な管理を含む。)の体制の強化のための方策

5-5-1       基本方針及び管理体制

(1)基本方針
   当社取締役会は、
          「統合的リスク管理方針」を定め、以下の基本方針に基づき、
  適切なリスク管理態勢の構築と整備を図り、グループ業務の健全かつ適切な運営
  を確保することとしております。

   ≪じもとホールディングス・統合的リスク管理方針≫
           グループ子会社が収益確保を優先するあまりリスク管理を軽視することのないよう管
      1    理し、業務の健全かつ適切な運営を確保するようリスク管理重視の企業風土を醸成す
           る。
           グループの業務の健全性及び適切性を確保する観点から、グループ子会社が抱える各
      2
           種リスクの所在の把握と評価に努め管理する。
           モニタリング等によるリスク管理と内部監査及び外部監査による監査を行い、内部牽
      3    制機能を構築することにより、グループ子会社のリスク管理の状況を的確に把握・分
           析し、問題点等改善すべき点を検討し、指導管理する。
           統合的リスク管理態勢の整備・確立は、グループの業務の健全性及び適切性の観点か
      4    ら極めて重要であると認識し、グループの業務の規模・特性等を考慮しつつ、適切な
           統合的リスク管理態勢の整備・確立を図る。
           管理対象とするリスクは、グループの信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペ
      5
           レーショナル・リスク、及び業務運営上グループが損失を被るその他のリスクとする。


(2)グループリスク管理委員会
   当社取締役会は、「グループリスク管理委員会規程」を定め、取締役会の下部
  組織としてグループリスク管理委員会を設置しております。
   本委員会は、当社取締役で構成し、子銀行のリスク管理担当部署の担当役員及
  び部長も出席しております。
   開催頻度は月 1 回であり、グループ経営の「健全性の確保」 「収益性の向上」
                                と
  を図るため、「グループのリスク管理態勢の整備」や「グループの各種リスクの
  状況把握と評価」などに取り組んでおります。

(3)リスク管理部門
   当社取締役会は、リスク管理部門としてリスク統括部を設置しております。
  この部署は、高い専門性や機能が求められることから、子銀行の当該部署及び機
  能を当社に集約し、経営効率化を図るとともに高い専門性を発揮する体制として
  おります。
   本報告期間においては、日本銀行のマイナス金利政策の導入に伴う影響を検証
  したほか、投資信託を中心とするその他有価証券の増加など、グループ内での市
  場運用構成の変化を踏まえたリスク管理態勢の構築に取り組んでおります。


                           19
5-5-2   リスク管理態勢

(1)統合的リスク管理
   当社取締役会は、「統合的リスク管理方針」及び「統合的リスク管理規程」を
  定めております。
   リスク統括部は、これらを役職員及びグループ子会社に周知するとともに、定
  期的かつ必要に応じて速やかに、グループ子会社から統合的リスクに関する事項
  の報告を受け、取締役会及びグループリスク管理委員会に対しこれを報告する態
  勢としております。
   グループリスク管理委員会は、子銀行のリスク管理状況について定期的に報告
  を受け、問題がないかどうかを確認し、必要に応じて是正を命じるなど適切に把
  握・管理する態勢としております。
   また、子会社で顕在化したリスク等がグループ内の子銀行の経営に影響を与え
  ることのないよう、本委員会が中心となって適切な対策を検討し、子銀行等に実
  行させる態勢としております。

(2)信用リスク管理
   グループリスク管理委員会は、子銀行それぞれの地域経済環境等を踏まえ、取
  引方針及び審査方針等は各行の主体性を維持しつつ、互いのノウハウを共有・活
  用し、信用リスクに係る基準・手法等の統一に取り組んでおります。これにより
  グループとしての信用リスクの計量化を行い、自己資本に見合った適切な信用リ
  スクリミットの設定を行っております。
   グループリスク管理委員会は、グループ内の与信管理状況について、法令等に
  抵触しない範囲で総合的に把握するとともに、グループとしての与信限度管理額
  を設定することで、グループとして特定の業種または特定のグループに対する与
  信集中の状況等を適切に管理する態勢としております。
   また、一方の子銀行において顕在化した融資先の破綻等の信用リスクについて、
  その取組み状況から破綻に至るまでの判断・管理、該当企業の財務・業況推移な
  どの分析結果を踏まえた対応策等について、法令等に抵触しない範囲で共有し、
  取引方針及び審査方針として活用することにより、信用リスク管理の高度化につ
  なげております。さらには、法令等に抵触しない範囲で、それぞれの子銀行が持
  つ経営改善及び事業再生に係るノウハウを共有・活用することにより、グループ
  としての資産内容の健全化につなげております。

(3)市場リスク管理
   グループリスク管理委員会は、子銀行がそれぞれ制定・運用している市場リス
  クに係る基準・手法等(決裁権限、保有限度額、損失管理等)を統一することに



                  20
  より、グループとして同一基準での市場リスクの計量化を行い、自己資本に見合
  った適切な市場リスクリミットの設定を行っております。
   また、グループ内の市場リスク管理の状況について総合的に把握し、グループ
  としての有価証券等のポートフォリオ状況を適切に管理する態勢としておりま
  す。

5-6   法令遵守の体制の強化のための方策

(1)基本方針
   当社取締役会は、「コンプライアンス基本方針」を定め、地域金融機関の完全
  親会社として公共的使命や社会的責任を果たすとともに、地域社会の健全な発展
  に資するため、法令等遵守を経営の最重要課題の一つとして位置付け、実効性あ
  るコンプライアンス態勢を確立し、広く社会からの信頼に応えることを基本方針
  としております。

(2)グループコンプライアンス委員会
   当社取締役会は、「コンプライアンス規程」及び「グループコンプライアンス
  委員会規程」を定め、取締役会の下部組織としてグループコンプライアンス委員
  会を設置しております。
   本委員会は、当社取締役で構成し、開催頻度は月 1 回としております。法令、
  や社内諸規程の遵守、及び企業倫理を確立するため、当社におけるコンプライア
  ンスの徹底状況を把握するほか、グループ内各社のコンプライアンス委員会から
  報告を受け、必要に応じ、協議を行う態勢としております。
   また、子会社で顕在化した法務リスク等がグループ内の子銀行の経営に影響を
  与えることのないよう、本委員会が中心となって適切な対策を検討し、子会社等
  に指導・実行させる態勢としております。

(3)コンプライアンス統括部署
   当社取締役会は、コンプライアンス統括部署としてリスク統括部を設置してお
  ります。この部署は、高い専門性や機能が求められることから、子銀行の当該部
  署及び機能を当社に集約することにより、経営効率化を図るとともに高い専門性
  を発揮する体制としております。

5-7   経営に対する評価の客観性の確保のための方策

<社外取締役の選任>
  前記のとおり、当社は経営の透明性を一段と高めるため、社外取締役を選任して
 おります。



                    21
 社外取締役は、子銀行の内部監査で発見された課題について、他の子銀行での対
応状況を確認して改善を促すなど、第三者の客観的な立場からの評価、助言を行う
ことで、経営の透明性を発揮する体制としております。

  ≪社外取締役の取締役会出席状況≫                                          (単位:回)

           28 年度        29 年度        30 年 4 月~
                                                        社外取締役名
            実績           実績           12 月実績

  取締役会
                   17           18           15
  開催回数

  うち                                              社外取締役   熊谷   満
  社外取締役            17           18           4    株式会社ユアテック相談役
  出席回数                                            (平成 30 年 6 月退任)
  うち
                                                  社外取締役   内藤   和暁
  社外取締役            16           15           15
  出席回数                                            弁護士

  うち                                              社外取締役   大山   正征
  社外取締役            ―            ―            2    株式会社ユアテック相談役
  出席回数                                            (平成 30 年 12 月就任)



5-8   情報開示の充実のための方策

(1)財務・業績情報の開示
   当社は、グループ財務・業績情報について、四半期の適時開示のほか、プレス
  リリース、ホームページへの掲載等により、適時適切な開示を実施しております。
   また、地元の宮城県及び山形県においては、中間期、通期の決算発表記者会見
  を実施し、詳細な説明を行っております。
   同時期には、宮城県内及び山形県内で株主、お取引先に対しIR活動(インベ
  スターリレーションズ:投資家向け広報)を実施しているほか、毎年6月に東京
  での投資家向けIRを実施しております。

(2)復興支援を含めた経営強化計画実績の開示
   当社は、本業支援・復興支援を含めた経営強化計画の取組み状況についても、
  IR活動やディスクロージャー誌、ホームページ、ニュースリリース等を通じて、
  地域社会へ継続的に発信し、グループに対する地域社会からの信頼と支持をさら
  に高め、経営の透明性を充実させております。
   じもとグループIRでは、本業支援や復興実績を継続的にPRしており、地元
  の地方自治体や商工会議所にも参加を案内しております。
                                   以 上



                                22
Ⅱ.株式会社きらやか銀行




     23
1.収益の状況


1-1    平成 30 年 9 月期決算の概要

(1)経営環境
       平成 30 年 9 月期における国内経済は、企業収益が引き続き改善傾向で
      推移し、個人消費の持ち直しや設備投資の増加などを背景に、緩やかな
      回復基調で推移しました。先行きについては景気回復が期待されている
      一方で、海外経済の不確実性や、金融資本市場の変動に留意する必要が
      あり引き続き不透明な状況となっております。
       山形県内経済につきましては、個人消費や雇用情勢の改善が緩やかに
      続いていることなどを受け、総合的に緩やかな回復基調となりました。
       このような経済環境の下、当行では「第 5 次中期経営計画(平成 30
      年 4 月~平成 33 年 3 月)」を策定し、本業支援を更に進化させ、5 年後
      10 年後を見据えた持続可能性のあるビジネスモデルの構築に取組んでお
      ります。
       また、じもとグループにおいても、県境を越えた地域金融グループと
      して、「本業支援」を中核とするビジネスモデルを更に進化・発展させ、
      地域経済の復興・創生の貢献に取組むべく、中期経営計画を策定してお
      ります。また、仙台銀行との連携を強化し、復興支援並びに中小規模事
      業者に対する信用供与にグループ一体となって積極的に貢献しておりま
      す。

(2)決算の概要(平成 30 年 9 月期決算:単体)
 ①資産・負債の状況
 ア.貸出金
       平成 30 年 9 月末の貸出金残高は、中小企業者向け貸出は増加しました
      が、地方公共団体向け貸出が減少したことから前年同期比 133 億 3 百万
      円減少の 1 兆 100 億 67 百万円となりました。




                           24
【貸出金残高の推移】                                        (単位:百万円、%)


                    29 年 9 月末     30 年 9 月末
                                                29 年 9 月末比    増減率
貸出金残高                 1,023,370     1,010,067       △13,303   △1.2
 うち中小企業向け貸出残高           503,531       513,327         9,796     1.9
  うち証書貸付                389,184       392,725         3,541     0.9
 うち消費者ローン               245,205       255,273        10,068     4.1
  うち住宅ローン               226,426       238,071        11,645     5.1
 うち地方公共団体向け貸出
                        123,052       100,608       △22,444   △18.2
 残高


 イ.預金
    平成 30 年 9 月末の預金残高は、高利回り商品の抑制により個人預金が
      減少したこと等により前年同期比 293 億 10 百万円減少の 1 兆 2,891 億 67
      百万円となりました。

【預金残高の推移】                                         (単位:百万円、%)


                    29 年 9 月末     30 年 9 月末
                                                29 年 9 月末比    増減率
預金残高(譲渡性預金含む)         1,318,478     1,289,167       △29,310   △2.2
 うち個人預金                 883,122       865,356       △17,766   △2.0
 うち法人預金                 353,049       332,456       △20,593   △5.8
 うち公金預金                  79,270        87,694         8,424    10.6


 ウ.有価証券
    平成 30 年 9 月末の有価証券残高は、有価証券運用ポートフォリオの見
   直しを実施したことにより、前年同期比 355 億 50 百万円減少の 2,453 億
      78 百万円となりました。




                            25
【有価証券残高の推移】                                             (単位 百万円、
                                                           :    %)

                  29 年 9 月末        30 年 9 月末
                                                   29 年 9 月末比    増減率
有価証券残高                280,928           245,378        △35,550   △12.6
 国債                    93,224            67,311        △25,912   △27.7
 地方債                    7,641            14,781          7,140    93.4
 社債                    54,825            57,596          2,771     5.0
 株式                    10,961            12,224          1,262    11.5
 その他証券                114,276            93,465        △20,811   △18.2


      以上の結果、平成 30 年 9 月末の資産 負債は以下のとおりとなりました。
                           ・

【資産 負債の推移】
   ・                                                   (単位 百万円、
                                                          :    %)

                  29 年 9 月末        30 年 9 月末
                                                   29 年 9 月末比    増減率
資産                   1,450,886         1,421,079       △29,807    △2.0
 貸出金                 1,023,370         1,010,067       △13,303    △1.2
 有価証券                 280,928            245,378       △35,550   △12.6
負債                   1,383,175         1,352,926       △30,249    △2.1
 預金等                 1,318,478         1,289,167       △29,310    △2.2
 社債・借用金                  3,400             1,800        △1,600   △47.0
純資産                    67,711             68,153           442     0.6


 ②収益状況
 ア.資金利益
       資金利益については、有価証券利息配当金が 3 億 53 百万円減少したこ
      とや、貸出金利回りの低下により貸出金利息が 2 億 63 百万円減少したこ
      と等を要因に、前年同期比 5 億 15 百万円減少の 79 億 39 百万円となりま
      した。


 イ.役務取引等利益
       役務取引等利益については、個人のお客様に対する「最適提案」を実
      践し、預かり資産取引の推進に取組んでおります。
       役務取引等利益は前年同期比 31 百万円減少の 5 億 51 百万円となりま
      した。




                              26
ウ.経費
   人件費については、労働時間管理の徹底から、前年同期比 2 億 31 百万
  円減少いたしました。物件費は、業務委託費の削減等により前年同期比
  81 百万円減少し、経費全体では前年同期比 3 億 78 百万円減少の 73 億 36
  百万円となりました。


   以上の結果に加え、国債等債券損益(5 勘定尻)が前年同期比 4 億 73
  百万円増加したこと等により、業務純益は前年同期比 5 億 95 百万円増加
  の 16 億 15 百万円となりました。また、コア業務純益は前年同期比 1 億
  22 百万円増加の 14 億 56 百万円となりました。


エ.臨時損益
   臨時損益については、貸倒引当金戻入益が減少したこと等により前年
  同期比 5 億 46 百万円減少の△2 億 65 百万円となりました。


   以上のことから、経常利益は前年同期比 48 百万円増加の 13 億 49 百万
  円となりました。
   中間純利益は、法人税等調整額が前年同期比 2 億 16 百万円増加したこ
  とから、前年同期比 93 百万円減少の 9 億 1 百万円となりました。




                    27
【損益状況の推移】                                             (単位:百万円)

                29 年 9 月期   30 年 9 月期
                  実績             実績        計画        計画比       前年比
業務粗利益               8,734        8,951     8,880        71       216
【コア業務粗利益】           9,049        8,792     8,880      △88       △256
  資金利益              8,454        7,939     8,100      △161      △515
  役務取引等利益             582         551       780       △229      △31
  その他業務利益           △302          460           0      460       763
  (うち国債等関係損益)       △314          158           0      158       473
経費                  7,715        7,336     7,540      △204      △378
  うち人件費             3,876        3,644     3,802      △158      △231
  うち物件費             3,276        3,194     3,228      △34       △81
一般貸倒引当金                 0             0         0          0         0
業務純益                1,019        1,615     1,340       275       595
【コア業務純益】            1,334        1,456     1,340       116       122
臨時損益                  281        △265      △635        370      △546
  不良債権処理額              62         177       300       △123       115
  株式関係損益              359             77        0       77      △281
経常利益                1,301        1,349      704        645        48
特別損益                 △99          △69       △25       △44         29
税引前中間純利益            1,202        1,279      679        600        77
法人税等                   62             17        95    △78       △44
法人税等調整額               144         360           25     335       216
中間純利益                 995         901       559        342      △93




                            28
1-2    平成 30 年度以降の収益計画

       平成 31 年 3 月期以降の収益計画については、経営強化計画に基づく施
      策を着実に実行して、収益基盤の強化を図ってまいります。

【損益の計画】                                                  (単位:百万円)

                30 年 3 月期        31 年 3 月期   32 年 3 月期     33 年 3 月期
                     実績               計画          計画            計画

業務粗利益              17,570           17,781      17,998        18,212
【コア業務粗利益】          18,191           17,781      17,998        18,212
 資金利益              16,819           16,030      16,207        16,381
 役務取引等利益            1,337            1,751       1,791         1,831
 その他業務利益            △586                 0           0             0
 (うち国債等債券損益)        △621                 0           0             0
経費                 15,259           14,734      14,674        14,080
 うち人件費              7,649            7,513       7,513         7,513
 うち物件費              6,552            6,108       5,514         5,514
一般貸倒引当金               763                0           0             0
業務純益                1,548            3,047       3,324         4,132
【コア業務純益】            2,932            3,047       3,324         4,132
臨時損益                  158           △1,235      △1,011        △1,011
 不良債権処理額              206              570         570           570
 株式関係損益               599                0           0             0
経常利益                2,470            1,812       2,313         3,121
特別損益                △174              △50         △50           △50
税引前当期純利益            2,295            1,762       2,263         3,071
法人税等                   84              122         149           215
法人税等調整額               259               50          50            50
当期純利益               1,953            1,590       2,064         2,806




                            29
2.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の当該金融機関等が主
 として業務を行う地域における経済の活性化に資する方策の進捗状況

2-1    中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策

2-1-1    中小規模の事業者に対する信用供与の実施体制整備のための方策


(1)経営方針
    当行は、地元中小企業者等への安定的かつ円滑な資金供給機能を通じ
      た地域経済の活性化に資するため、地域に根ざす金融機関として、地域
      経済及び取引先との共存共栄を目指し、地域密着型金融を推進してまい
      りました。平成 22 年 10 月からは『地域の皆様と共に「活きる」』を経営
      方針に掲げ、地元中小企業者のお客様に対しては「本業支援」、個人のお
      客様に対しては「最適提案」に全力で取組むビジネスモデルを再構築し、
      営業推進の強化に努めること、また「ルールを守る」を合言葉に、徹底
      した内部管理の強化に努めることを最重点施策として進めてまいりまし
      た。特に、中小企業者のお客様に対する「本業支援」につきましては、
      当行の特徴とすべく、本部に専門部署を設置するなど体制を整備し、全
      行員が組織的かつ継続的に取組んでおります。
       さらに、今年度よりスタートしております第 5 次中期経営計画におい
      ては、平成 28 年 10 月から取組んでいる「中小企業成長戦略」を更に進
      化させ「本業支援を完成させるための 3 年間」と位置付け、
                                  「中小企業成
      長戦略」への経営資源の集中、銀行業から「本業支援業」への転換を目
      指した取組みを展開しております。


       また、じもとグループにおいても、県境を越えた地域金融グループと
      して、「本業支援」を中核とするビジネスモデルを更に進化・発展させ、
      地域経済の復興・創生の貢献に取組むべく、中期経営計画を策定してお
      ります。経営計画の柱を以下のとおり掲げ、仙台銀行との連携を強化し、
      復興支援並びに中小規模事業者に対する信用供与に積極的に貢献してお
      ります。




                      30
【じもとグループ中期経営計画の柱】




(2)経営戦略
 ①ビジネスモデルの進化
    当行では、これまで「本業支援」と「最適提案」を主軸としたビジネ
   スモデルを土台とし、「お客さま」「地域社会」「株主」「行員」それぞれ
   から“喜ばれる”銀行を目指してまいりました。今後の金融業界に予想
   される変化を踏まえれば「5 年後 10 年後を見据えた持続可能性のあるビ
   ジネスモデルの構築」や「地方創生の実現に向けた地域密着型金融の徹
   底・強化」に取り組む必要があると考えております。
    新中期経営計画では、「顧客本位の本業支援」と「統合効果発揮」をキ
   ーワードに、「持続可能なビジネスモデルの確立」と「効率化・合理化」
   を新計画の柱とし取り組んでまいります。

 ②本計画のビジネスモデル




                    31
【新中期経営計画の目指す姿】




当行の新中期経営計画の基本骨子は以下の通りです。

【新中期経営計画の基本骨子】
① 本業支援戦略     中小企業成長戦略(①財務の本業支援・②成長の為の本業支援・
             ③資産形成のお手伝い(職域)
                          )
② 効率化戦略      店舗・人材戦略・IT戦略・経営資源の最適化
③ 人材戦略       顧客本位の本業支援ができる人材育成
④ リスクテイク戦略   経営方針、戦略にあったリスク管理態勢の高度化(信用リスク・
             市場リスク)


 ア.中小企業成長戦略
    当行の営業エリアには、地域経済の中核を担いながらも、金融・事業
   面の悩みを相談できる先が少ない企業が多数存在します。当行はこのよ
   うな企業こそ本当に本業支援を必要としている先と認識しております。
    そこで当行では、平成 28 年 10 月から『本当に本業支援を必要として
   いる先』に対し、
          「財務の本業支援」や「成長の為の本業支援」を行う『中
   小企業成長戦略』に経営資源を集中しております。

                      32
【中小企業成長戦略のアプローチ方法】

 「財務の本業支援」とは                 「成長の為の本業支援」とは
 ①決算書からストーリーを創る              ①ヒアリング・事業性評価を通じ
 ②ヒアリング・事業性評価を通じ             て「課題」を見つける
 て「強み」を見つける                  ②「本業支援を責任を持ってやる
 ⇒取引先の資金繰り安定を図る              決意」「将来にわたり一緒に歩む
 融資の実行                       決意」を示す“宣言”を行う
                             ⇒取引先の課題解決、成長を図る
                             ための本業支援を行う



イ.リース業務
    当行では、本業支援による課題解決のサービス充実を図るため、平成
  29 年 5 月より銀行本体によるリース業務の取扱を開始しました。これに
  より、資金ニーズのワンストップ対応を実現し、お客さまのニーズに迅
  速に応える態勢を整えております。

ウ.コンサルティング
   当行は、コンサルティング機能をさらに強化するため、平成 29 年 1 月
  に「きらやかコンサルティング&パートナーズ㈱」
                        (KCP)を設立しま
  した。銀行の枠にとらわれないコンサルティング業務を実施することで、
  お客さまの多様な事業ニーズに対し、より最適なソリューション提供を
  行う態勢を構築してまいります。

【KCPの業務内容】
    主な取扱業務                    内容
 コンサルティング業務    事業承継対策サポート・M&Aコンサル、経営戦略策定コンサル、
               財務コンサル
               日報コンサル・・・日報添削により売上増強をサポート
 人材育成支援業務      各種セミナー、階層別研修、人事制度検討サポート
 キャピタル業務       お取引企業向け投資事業
 その他業務         きらやかビジネスクラブ、情報ステーションの運営


エ.職域
   中小企業の従業員の皆さまとのつながりを強化するため、掲示板・ア
  ンケート、職域サイト、セミナーを活用しております。中小企業の従業
                     33
      員の皆さまの資産形成のニーズにも木目細かく対応してまいります。


       これらの施策を実践することにより、本業支援による他行差別化や地
      方創生の実現を果たし、私たちの想いであります「本業支援を通して地
      元の中小企業とそこに働いている従業員の皆さまから喜んでいただき地
      域と共に活きること」の実現に繋がるものと考えております。

 ③仙台銀行との経営統合と震災復興支援及び地域経済活性化の強化
    当行と仙台銀行では、被災地の金融グループとして両行の力を結集し、
      東日本大震災からの復興応援に取組んでおります。
       じもとホールディングスが掲げる「じもと復興戦略」の一つでありま
      す「資金供給機能の強化」については、経営統合後から平成 30 年 9 月末
      までの協調・紹介融資の実績として 126 件の 243 億 34 百万円(30 年度上
      期実績:6 件の 18 億 93 百万円)となっております。
       じもとグループの両行が連携して本業支援に対応することにより、今
      後も被災企業の円滑な事業再生に貢献してまいります。

【事業性融資における協調・紹介融資実績】                                           (単位:件、百万円)
                   協調融資                       紹介融資                   合   計
             件数      金    額          件数         金    額         件数        金   額
 24 年度下期       3           2,055         2                80    5             2,135
 25 年度上期       9           3,677         6               517    15            4,194
 25 年度下期       8           5,446         6               134    14            5,580
 26 年度上期       5              995        4               143    9             1,138
 26 年度下期       8           2,007         3                74    11            2,081
 27 年度上期       4           1,005         7               750    11            1,755
 27 年度下期       4              158        1                88    5                246
 28 年度上期       3           1,440         11              724    14            2,164
 28 年度下期       2           1,000         8               555    10            1,555
 29 年度上期       0               0         17              298    17               298
 29 年度下期       1           1,000         8               295    9             1,295
 30 年度上期       3           1,700         3               193    6             1,893

  累     計     50          20,483         76          3,851     126           24,334


       また、両行の情報をつなぐことで商流の形成に取組んでいくことを柱
      とした「じもと経済活性化戦略」につきましては、経営統合後から平成

                                    34
    30 年 9 月末までのビジネスマッチングの紹介件数として 2,320 件、成約
    件数は 473 件となっております。

          【ビジネスマッチング実積推移】                  (単位:件)
                          紹介件数             成約件数
             24 年度                 67               14
             25 年度                113               30
             26 年度                287               55
             27 年度                498             101
             28 年度                559             113
             29 年度                583             125
            30 年度上期               213               35

             累     計             2,320            473


(3)本業支援の進化について
 ①本業支援本部の設置
    当行では営業戦略の柱とする「本業支援」を推進する態勢を強化する
    べく、これまでの営業推進体制を大きく刷新し、平成 30 年 6 月に「本業
    支援本部」を設置いたしました。これにより、あらゆる営業戦略の企画
    立案が一本化され、スピード感を持って本業支援を行う体制を整えまし
    た。
     また、これまで独立していた事業再生支援部門を本業支援本部に統合
    することで、事業再生支援部門の有する経営改善ノウハウを営業推進部
    門に取込み、お客さまの事業のライフサイクルに合わせた支援が可能と
    なりました。

【本業支援本部組織図(平成 30 年 9 月時点)
                        】
                                         本業支援グループ



                                         成長支援グループ

本業支援本部   本業支援戦略部       本業支援推進室

                                         法人営業グループ



                                         個人営業グループ        きらやかお客様サービスステーション




 ②財務と成長の為の本業支援
     当行では、平成 28 年 10 月から、『本当に本業支援を必要としている


                            35
 先』に対し資金繰りの改善などを図る「財務の本業支援」や、将来の成
 長に向けた「成長の為の本業支援」を行う『中小企業成長戦略』に経営
 資源を集中しております。平成 30 年度 9 月期の財務の本業支援は 1,334
 先(前年同期比+322 先)、成長の為の本業支援は 501 先(前年同期比▲
 143 先)となりました。なお、成長の為の本業支援の主な取組内容は、販
 路支援と経費削減、効率化支援の割合が高くなっております。

 【財務と成長の為の本業支援実績】                                 (単位:先数)
                  財務の本業支援                 成長の為の本業支援
      29 年度上期                   1,012                      644
      29 年度下期                   1,500                      802
      30 年度上期                   1,334                      501


       【平成 30 年度上期本業支援の主な内容】                    (単位:件数)
                                       事業ニーズ
                                   件数      割合
        財務の本業支援                     1,358     55.8%
        販路支援                            382        15.7%
        経費削減・効率化支援                      209         8.5%
        仕入支援                            137         5.6%
        その他                             347        14.4%


③リース業務の取扱開始
   当行では、本業支援による課題解決のサービス充実を図るために、平
 成 29 年 5 月よりリース業務の取扱を開始しました。これにより、お客様
 が設備投資を行う際の選択肢が増え、当行の財務面のサポート体制を一
 層強化しております。
  平成 30 年 9 月末時点で、リースの累計契約件数は 1,038 件となりまし
 た。


 【リース契約実績】                      (単位:百万円)
                件数(件)              金額
   29 年度上期          428                   746
   29 年度下期          326                 1,105
   30 年度上期           284                1,487
      累計           1,038                3,338




                           36
 ④福利厚生支援
    当行では、お取引先企業の従業員の方へのサービス拡充を図るために、
   取引先企業の従業員の皆さまに対して資産形成のお手伝いを行う職域専
   担者を営業店に 21 名配置いたしました。
    また、30 年 1 月、資産形成をお手伝いする新たなサービスとして、お
   取引先企業の従業員の方が利用できる職域サイトを新設いたしました。
    さらに、″私たちの想い″を込めた新たなサービスとして、中小企業
   の皆さまの福利厚生をサポートする「ふっくりパッケージ」の提供を開
   始いたします。
         「ふっくりパッケージ」とは、中小企業で働く従業員さま
   の資産形成をサポートするサービスや地元企業の優待サービスを受ける
   ことができるサービスなどであり、中小企業で働く従業員の皆さまから
   喜んでいただくとともに、中小企業の雇用安定化にも貢献できるものと
   考えております。
    お取引先企業をあらゆる側面から支援することで「地域の皆様ととも
   に“活きる”」銀行を目指してまいります。


(4)本業支援の取組強化について
 ①顧客本位の本業支援
    当行が行っている本業支援とは、アクティブリスニングという活動を
   通して共有した事業ニーズを一緒に考え解決し、お客さまに喜んでいた
   だくことに本質を見出しております。アクティブリスニングとは、経営
   者との会話を通じて潜在的なニーズを含めた課題を洗い出し、企業の問
   題点・課題などを共有するためのコミュニケーション活動です。販路拡
   大やビジネスマッチングによる課題解決だけではなく、アクティブリス
   ニングにより企業内容を把握し、事業性評価等による財務の改善や原価
   管理の指導等の企業指導も含まれており、企業の様々なライフステージ
   に応じた課題解決に向けて取組んでおります。
    平成 29 年度下期に、販路拡大支援が成約した取引先に対し、マッチン
   グ成立から平成 30 年 9 月までに売上が増加となった先を調査した結果、
   334 先の取引先で 8 億 70 百万円の売上が増加いたしました。今後も取引
   先の販路拡大支援を継続することによって、売上増加が見込まれる取引
   先の数は増えていくと考えております。
    また、平成 30 年上期に、お客さまへ当行のイメージに関するアンケー
   トを実施いたしました。本業支援を成約したお客さまからは、全体と比
   較して高い評価をいただいております。




                    37
②本業支援の定着に向けた営業店支援策
   当行では、本業支援の定着と行員のレベルアップを図るために、本業
  支援本部が中心となり、営業店で登録した取引先企業の事業ニーズに対
  する示唆・助言やアクティブリスニング能力向上に向けた営業店への訪
  問指導、営業店行員向けの本業支援研修・よろず相談といった営業店へ
  の積極的な関与とお取引先企業への直接訪問による課題解決サポートを
  行っております。
   また、本業支援の成約事例を本業支援好事例として、定期的に社内イ
  ントラにて全行員へ周知しており、ノウハウの共有を図っております。
   本業支援の本部組織である本業支援推進室には、本業支援グループ、
  成長支援グループ、法人営業グループ、個人営業グループの4グループ
  を設置しております。グループの1つであります本業支援グループには
  事業コーディネーターや情報トレーダーを設置するほか、戦略チームに
  よる高度な事業ニーズにも対応できる体制としております。具体的な営
  業店支援策は以下のとおりです。

ア.【情報トレーダーによるサポート】
  ・アクティブリスニング能力向上のための助言、指導
  ・情報提供機能の強化 等


イ.【事業コーディネーターによるサポート】
 ・事業ニーズの明確化、アクションプランの策定
 ・業務提携先、戦略チーム、当行専門家との連携による課題解決支援   等

                38
ウ.【戦略チームによるサポート(KCPとの連携)】
  ・事業承継、M&A、相続対策支援
  ・事業計画シミュレーション作成支援
  ・成長分野、大型への対応
  ・実践的研修/OJT実施   等

   また、営業店の与信取組みに対する指導を目的として、融資部による
  全営業店への案件組成指導や事前審査を実施し、本部と営業店との連携
  強化を継続しております。


③本業支援の実施体制強化
   事業ニーズや経営課題を解決するためには、お客さまの事業性評価が
  必要不可欠であることから、営業店が登録したお客さまの事業ニーズ等
  に対し、じもとホールディングス本業支援戦略部の情報トレーダーが情
  報の集約と仕分けを行うと共に、事業性評価について示唆・助言を行っ
  てまいりました。
   平成 28 年 4 月に本業支援フローの見直しを実施し、お客さまの事業ニ
  ーズに対して 3 営業日以内に回答する取組みを開始し、スピードアップ
  を図っております。
   なお、営業店から報告される情報に速やかに対応するため、平成 28 年
  4 月より情報トレーダーを 1 名増員し 5 名体制といたしました。

④ツールの充実
   当行では、『お客様から評価される(=真に喜ばれる)』本業支援を実
  践し、企業の実態を把握することで真のニーズ・経営課題の解決を目指
  しているため、お客様に提供するツールの充実を図っております。
   これまで、当行と仙台銀行の取引先の事業ニーズをピックアップして
  紹介する「じもとHDビジネスマッチング情報」
                       (毎月 1 回発行)と企業
  の実態(強み、弱み)と課題を共有するための「ヒアリングシート」を
  活用して本業支援に取組んでまいりました。
                     「じもとHDビジネスマッチ
  ング情報」については、平成 30 年 9 月で 47 号を数えております。
   また、平成 28 年 4 月より財務データのほか、事業の強みや弱み、技術
  やノウハウ等の定性的な情報を整理・分析する「事業性評価シート」を
  仙台銀行と統一して制定いたしました。アクティブリスニングを通じて
  本シートを作成し、取引先の成長性や将来性を適正に評価しながらライ
  フサイクルに合わせた本業支援を実践してまいります。具体的には、収

                     39
    益の中核となっている売上規模の先やメイン先ながらシェアが減少して
    いる先等を対象に本シートを作成し、経営課題の抽出と解決に向けた本
    業支援の推進に取組んでまいります。
     そのほか、平成 29 年 4 月からは、本業支援検索システム「Secon
    d」の運用を開始し、情報提供力のスピード化を図っております。


 ⑤営業店への訪問指導
     本業支援の定着と行員のスキルアップを図るために、本業支援戦略部
    が中心となり営業店に訪問指導を行っております。営業店行員と帯同で
    お客様を訪問し、実践的なアドバイスを行うことで、リレーションを重
    視した本業支援を徹底してまいりました。また、期初に本業支援戦略部
    の情報トレーダーが全店を臨店し、現状の課題を踏まえながら、アクテ
    ィブリスニングの進め方等を指導しております。
     今後も本業支援の実践力向上を図るために、本部担当部署による行員
    のスキルアップ研修を継続的に実施してまいります。
      平成 30 年度上期の訪問指導実績は以下のとおりとなっております。

【平成 30 年度上期   営業店への訪問指導】
  研修名                 内容           開催回数   受講者数
         □本業支援戦略部の情報トレーダーが営業店を訪問
 訪問指導                              55 回   287 名
          し、企業の味方や本業支援の進め方などを指導


 ⑥専門家チームの充実
    当行では、体制整備に加えて、より専門的な分野での本業支援を実践
    するため、生産性向上を専門としたインストラクターの紹介及び補助金、
    助成金の活用等、経営コンサルタント、製造業担当(工学博士等)を専
    門部門担当の事業コーディネーターとして配置し、専門的な事業ニーズ
    に対応しております。
      具体的には、公益社団法人山形県企業振興公社にてものづくり振興部
    長を歴任した、スペシャリストを招聘し、製造業の取引先からの「仕事
    が多忙のため部品加工又は製品製造の受注企業を探して欲しい」
                                「仕事が
    少ないため当社に該当する発注企業を探して欲しい」等といった事業ニ
    ーズについても取り組んでおります。
     これら専門家による、平成 30 年度上期の事業ニーズへの取組み実績は
    以下のとおりです。




                           40
           【専門家チーム実積】
            生産性向上・社員研修      1件
            補助金申請支援         55 件


   また、課題解決型のスペシャリスト集団である「戦略チーム」が、高
  度な事業ニーズにも対応できる体制としております。営業店行員のよろ
  ず相談として「戦略チーム」の機能が定着しつつあり、平成 30 年度上期
  に、「戦略チーム」が携わった案件数は 88 件となっております。

           【戦略チーム相談内容】
            M&A・事業承継        70 件
            ファイナンス          6件
            事業戦略・資本政策       2件
            その他             10 件
            計               88 件


   引き続き、専門部署の担当者を増員していくことで専門的な分野にも
  アドバイスできる体制を強化していくとともに、コンサルティング&パ
  ートナーズ(株)との連携により、多様化する取引先の事業ニーズを積極
  的に解決してまいります。

⑦人材育成の徹底
ア.研修
   当行では、平成 29 年度上期より、新たに『本業支援実践力』にかかる
  『行内認定資格』を導入し、制度にリンクさせた本部担当部署及び外部
  講師による行員のスキルアップ研修を実施しております。
   具体的には、
        『本業支援実践力』を[①実績]と[②スキル・知識]の 2 つ
  の要素で客観的、公平、公正な評価を行い、行員各自が成長の為に「や
  るべきこと・具体的な課題」を明確に見える化したうえで、行員各自の
  レベルに応じた指名制、公募制の各種研修を実施することで、効果的な
  人材育成に取り組んでおります。




                       41
【平成 30 年 9 月末現在】
          研修                  内容         開催回数     受講者数
                   決算書の着眼点や事例研究を通じて財務分
経営支援力研修                                   1回
                   野における問題発見力と課題解決力を習得            39 名
                                         (2 日間)
                   する。
                   顧客との深い信頼関係の構築方法や、ヒア
                   リング力向上のスキルを習得する。顧客と
交渉力・プレゼン研修                                1回
                   の折衝、関係者間の調整、プレゼン力の向            38 名
                                         (2 日間)
                   上によりクロージング出来る能力を習得す
                   る。
                   顧客の実態をロジカルに分析する手法を習
                   得し、実態把握力、課題整理力を高めると    1回
実態把握力向上研修                                         41 名
                   ともに、発想力を鍛えるラテラルシンキン   (2 日間)
                   グを学習し顧客に対する提案力を高める。
                   ロールプレイングにより、決算書をベース
情報収集力 ヒアリング研
     ・                                    1回
                   にした会話力、ヒアリング力、コミュニケ            10 名
修 STEP1                                  (2 日間)
                   ーション力を習得する。
                   担当企業の決算書、事業性評価シートなど
情報収集力 ヒアリング研
     ・             に基づいて、グループ討議によって具体的    1回
                                                  18 名
修 STEP2            な本業支援策を策定し、ロールプレイング   (2 日間)
                   で提案力向上を図る。
                   グループディスカッションや担当企業に対
事業承継研修             する提案書の作成を通じて、事業承継の全    1回
                                                  12 名
                   体像をつかみ、課題解決につながる提案ノ   (2 日間)
                   ウハウを習得する。
                   新規開業、新分野進出等を検討している顧
新規事業進出支援研修         客に対して、構想準備段階から具体的なビ    1回
                                                  44 名
                   ジネスプラン策定、計画実現までの支援ス   (1 日間)
                   キルを習得する。
                   企業活性化に向けたビジネスマッチングを
ビジネスマッチング                                 2回
                   通して経営課題を見つけ出し、課題を解決            69 名
研修                                       (2 日間)
                   できる提案力を身に付ける。




                              42
【平成 30 年下期計画】
       研修                  内容          開催回数     受講者数
                本業支援戦略チームのOJT指導の下で、
                受講者の担当企業の具体的案件を取扱いな
ハイレベルトレーニー                              1回
                がら、一連のコンサルティングの流れのな              4名
                                       (4 日間)
                かで、業務で確実に使える知識とスキルを
                実践で習得する。
                企業価値の向上を視点として、財務体質の
タックスプランニング研     強化、戦略的資金の確保、人材育成と採用、    1回
                                                28 名
修               後継者と株式評価などを税金との関連性を    (1 日間)
                踏まえながら企業の将来を考える。
                補助金・助成金を活用して中小企業が成長
                するためのポイントを学習する。顧客の業     1回
補助金・助成金研修                                       52 名
                況を理解した上で、ニーズに合致した最適    (1 日間)
                な制度を提案できる力をつける。
                業務提携先、外部支援機関の効果的な活用
                法を習得し、顧客に対する本業支援の実践     1回
外部専門家活用研修                                       59 名
                及び役務収益の獲得に繋げる方策を学習す    (1 日間)
                る。
                企業の事業内容や成長の可能性を適切に評
                価し、
                  「融資や提案」を行い、企業の成長を     2回
事業性評価研修                                         72 名
                支援しながら、
                      「銀行の業績(収益)
                               」に結     (2 日間)
                び付ける力を習得する。
                グループディスカッションや担当企業に対
事業承継研修          する提案書の作成を通じて事業承継の全体     1回
                                                15 名
                像をつかみ、課題解決につながる提案ノウ    (2 日間)
                ハウを習得する。


    イ.外部機関との提携による人材育成
       平成 27 年度から日本政策投資銀行(DBJ)へ出向していた人員 1 名
      を平成 29 年 10 月より本業支援部「戦略チーム」に配置し、当行と仙台
      銀行、DBJで組成している「じもと創生本業支援ファンド」の提案や、
      シンジケート・ローン等の高度なコーポレートファイナンスを案件化す
      る機会を通じて、DBJの持つ目利き力、審査力を行内に浸透させてお
      ります。
       また、更なる人材育成強化を図るため、業務提携先のコンサルティン
      グ会社から講師を招き、ブロック店行員を対象とした勉強会を開催して
                           43
      おります。M&Aや事業承継対策といった近年ニーズが増加しているテ
      ーマについて、税制等の理解を深めるとともに、具体的な事例紹介等を
      行いながら営業店行員のレベルアップに繋げる取組みを実施しておりま
      す。


 ⑧本業支援の効果
    当行は、お客様に対する「本業支援」を当行の特徴とすべく、本部に
      専門部署を設置するなど体制を整備し、全行員が組織的かつ継続的に取
      組んでまいりました。
       また、じもとグループでは、平成 25 年 4 月より「本業支援」をグルー
      プ統一行動指針として掲げ、仙台銀行との連携を強化し、山形・宮城の
      経済交流を促進し、地域経済の活性化と復興支援に貢献すべく取組んで
      おります。さらに、グループ両行取引先同士のビジネスマッチングにも
      積極的に取組んでおり、両行間ビジネスマッチングの紹介実績件数と成
      約実績件数についても本業支援を通じた地域密着型金融の実践の効果と
      して測定・評価しております。
       なお、本業支援の実践効果につきましては、「本業支援実績」「本業支
      援取引増加実績」「ビジネスマッチング実績」「本業支援(販路拡大)先
      の効果」にて測定・評価しており、実績は以下のとおりです。

【当行における本業支援実績】   (平成 30 年度上期)
                      事業ニーズ                     成約
                    件数     割合             件数         割合
 販路支援                  631  19.19%             382    15.70%
 仕入支援                  176        5.35%        137      5.63%
 不動産支援                  86        2.61%         30      1.23%
 事業・創業支援               185        5.62%        103      4.23%
 経営戦略支援                 66        2.01%       28        1.15%
 生産性向上支援               353       10.73%      209        8.59%
 業者紹介支援                238        7.24%      121        4.97%
 その他                 1,554       47.25%    1,423       58.49%
       財務の本業支援       1,358       41.29%    1,358       55.82%
 合計                  3,289      100.00%    2,433      100.00%




                         44
【本業支援実績推移】                                                                            (単位:件)

           26 年度      26 年度         27 年度      27 年度       28 年度    28 年度    29 年度    29 年度    30 年度
           上期             下期         上期            下期      上期       下期       上期       下期       上期

事業ニーズ件数     1,969         1,858       1,867        2,199    3,479    3,042    5,156    3,020    3,289

本業支援成約件数    1,364         1,416       1,288        1,575    2,825    1,325    2,973    3,056    2,433



【本業支援(販路拡大)先の効果】                                                         (単位:先、百万円)
              先数               金額                           調査対象・調査期間
                                          調査対象:26 年下期販路拡大成約先
                    230            880
                                          調査期間:マッチング成立時~27 年 9 月 30 日
                                          調査対象:27 年上期販路拡大成約先
                    267           1,847
                                          調査期間:マッチング成立時~28 年 3 月 31 日
                                          調査対象:27 年下期販路拡大成約先
                    299            869
                                          調査期間:マッチング成立時~28 年 9 月 30 日
販路拡大支援に                                   調査対象:28 年上期販路拡大成約先
                    291           1,737
よる売上増加額                                   調査期間:マッチング成立時~29 年 3 月 31 日
                                          調査対象:28 年下期販路拡大成約先
                    101            397
                                          調査期間:マッチング成立時~29 年 9 月 30 日
                                          調査対象:29 年上期販路拡大成約先
                    385            672
                                          調査期間:マッチング成立時~30 年 3 月 31 日
                                          調査対象:29 年下期販路拡大成約先
                    334            870
                                          調査期間:マッチング成立時~30 年 9 月 30 日


     以下に当行と仙台銀行の情報連携によるビジネスマッチング成約の事
    例を紹介いたします。


 【ビジネスマッチング事例】じもとグループのネットワークを活用し山形県の
  おもてなし料理を提供する企業を、宮城県のフカヒレ製品の加工製造業者へ
  紹介
       当行取引先A社は、山形県西川町で山菜やきのこを使用したおもてな
    し料理を提供しており、特に四季折々の節句料理に力を入れ内容の拡充
    を検討しておりました。
     当行では、じもとグループの持つネットワークを活用し、これまでも
    様々な情報をA社へ提供してまいりましたが、同社より、七夕料理に使
    用する宮城の食材に関する情報提供の依頼を受けていました。
       一方、仙台銀行取引先で宮城県気仙沼市でフカヒレ製品の加工製造業

                                              45
  を営んでいる企業B社は、事業拡大を見据えた販路拡大のため、仙台銀
  行へ情報提供を依頼していました。
   当行と仙台銀行の担当者は、じもとグループ両行間のビジネスマッチ
  ング情報として、じもとホールディングス本業支援戦略部に企業紹介を
  依頼いたしました。
   じもとホールディングス本業支援戦略部では、本件をじもとグループ
  の情報データベースに登録し、両行の情報が本業支援戦略部に集約され
  た結果、両社のニーズが合致していることが判明し、A社とB社に情報
  提供を行いました。
   両行からの情報提供を受けたA社とB社は、後日商談を実施し、じも
  とグループが両社のニーズをタイムリーにつなぐことで取引成約となり
  ました。

⑨外部機関連携強化等
   本業支援を実践する中で、より多くの経営課題に的確に対応するため、
  外部機関との連携を一層強化しております。特に、企業が新事業を展開
  する際のコンサルティング業務は重要なことと位置付けております。そ
  のため銀行単独で情報提供できない分野については、信用力のある専門
  企業と提携を結び、コンサルティング機能を補完実行しております。
   平成 30 年度は新たに 6 企業と連携し、現在 53 企業と連携をして販路
  の拡大はもとより、不動産の有効活用や経営の多角化、効率化、衛生管
  理、品質管理、電力のコスト削減などの本業支援を取引先のニーズに応
  じてコーディネートできる体制を構築しております。
   また、平成 28 年 11 月に連携協定を締結した東京きらぼしフィナンシ
  ャルグループとの本業支援に関する連携も着実に進んでおります。東京
  圏を地盤とする当社との連携により成長が見込める広域マーケットの情
  報を広く提供できるようになりました。
   更に、きらやかコンサルティング&パートナーズ(株)も、事業承継・
  M&A・事業計画書作成支援・日報コンサルなど、付加価値の高い本業
  支援を実践しております。

 【じもとHD・東京TYFG(現:きらぼし銀行)間ビジネスマッチング実績】
                                     (単位:件)
                        29 年度        30 年度
                 上期             上期    上期
      紹介実績        44            32    32
      成約実績        8             4      5


                   46
⑩ファンド出資
    本業支援の取組みを更に強化するために各ファンドへ出資を行い、フ
   ァンドを通じてお客さまのライフステージに合わせた資金供給を可能と
   する体制も整えております。各ファンドは、当行の本業支援の取組みに
   合致しており、出資を通じて地元中小企業のお客さまへの支援につなが
   るものです。
ファンド名     サクセッション 1 号投資事業有限責任組合
          国内の中小企業の事業承継問題解決と地方創生を目的として、株式会社あ
ファンド目的
          おぞら銀行と日本アジア投資株式会社の共同により設立。
無限責任組合員   AJ キャピタル株式会社


ファンド名     SBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合
          AI 等のフィンテック関連企業等への投資により、投資先企業の成長及び出
ファンド目的
          資者のフィンテック関連サービスの向上を図る。
無限責任組合員   SBI インベストメント株式会社