7035 anfac 2021-12-01 16:00:00
新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書 [pdf]
2021 年 12 月 1 日
各 位
会 社 名 and factory株式会社
代 表 者 名 代 表 取 締役 社 長 青 木 倫 治
( コ ー ド番 号 : 7 0 3 5 東 証 第 一部 )
問合わせ先 取 締 役 蓮 見 朋 樹
TEL. 03-6712-7646
新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書
当社は、2022 年 4 月に予定される株式会社東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、本日プライム市
場を選択する申請書を提出いたしました。当社は、移行基準日時点(2021 年 6 月 30 日)において、当該市場
の上場維持基準を充たしていないことから、下記のとおり、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書
を作成しましたので、お知らせいたします。
記
1.当社の上場維持基準の適合状況及び計画期間
当社の移行基準日時点におけるプライム市場の上場維持基準への適合状況は、以下のとおりとなってお
り、流通株式時価総額については基準を充たしておりません。しかしながら、当社がプライム市場に移行す
ることは、より幅広い投資家層への訴求や中長期的な企業価値向上の実現において重要であると考えており
ます。業績の改善並びに資本市場との継続的なコミュニケーションを通じ、流通株式時価総額に関して、
2021 年 8 月に公表しております「第一次中期経営計画」の最終年度となる 2024 年 8 月期までに上場維持基
準を充たすための各種施策を進めてまいります。
流通株式数 流通株式時価総額 流通株式比率 1 日平均売買代金
(単位) (億円) (%) (百万円)
当社の状況
47,447 単位 33.4 億円 48.2% 67 百万円
(移行基準日時点)
上場維持基準 20,000 単位 100 億円 35.0% 20 百万円
計画書に記載の項目 ○
2.選択申請の内容
東証新市場区分「プライム市場」を選択申請いたしました。
1
3.上場維持基準の適合に向けた取組の基本方針、課題及び取組内容
上場維持基準の適合に向けては、流通株式時価総額の向上が課題であります。業績の改善と株価倍率の
向上の双方を通じて、上場維持基準への適合を達成してまいります。
当社は 2022 年 8 月期を初年度とする 3 カ年にわたる「第一次中期経営計画」を 2021 年 8 月に公表してお
ります。より当社が強みを有する事業領域への経営資源の集中並びに新規事業の創出を通じて、2024 年 8 月
期において、売上高:約 45 億円、営業利益:7 億円の達成を目指してまいります。計画の達成のみならず、
更に先の成長を見越した投資も行いつつ、飛躍的な業容の拡大を実現し、投資家の皆様のご期待にお応えし
たいと考えております。
「第一次中期経営計画」の詳細に関しては、以下をご参照ください。
参照リンク:第一次中期経営計画に関するお知らせ
当社の具体的な取組については以下の「第一次中期経営計画に基づく基本方針」「上場維持基準と業績
、
目標との整合性検証」及び「今後の IR 方針並びに目指す株主構成」に記載のとおりです。
(1) 第一次中期経営計画に基づく基本方針
当社の収益構造は、マンガアプリ事業による収益が全体の約 8 割から 9 割を占めております。今後
は、この既存マンガアプリ事業から創出した資本(利益)を、新規事業や既存事業の更なる成長に重
点的に投下していくことで、新たな付加価値を生み出すサービスの確立を目指してまいります。また、
安定的な利益創出が可能なフェーズに差し掛かりつつあるエンタメ事業においては、キャッシュの確
保と成長投資のバランスを図りながら利益の再投資を行うことで成長を加速させてまいります。RET
事業においては、現在&AND HOSTEL 事業がメインとなっておりますが、新たなストック型のビジネス
モデルの構築を進めてまいります。
各事業の成長により、第一次中期経営計画期間中には、既存のマンガアプリ以外からの収益貢献を
全体の 3 割以上にまで引き上げていくことを目指してまいります。更に、第 4 の事業領域となり得る
全く新しい事業ドメインについても、常に検討を行ってまいります。
各事業の計数目標及び具体的な施策につきましては、以下のとおりです。
① マンガアプリ事業
計 数 目 標:2024 年 8 月末時点の MAU1,300 万人、営業利益 7 億円から 10 億円
(成長投資との兼ね合いにより中期経営計画期間中に調整する可能性あり)
具体的施策:既存マンガアプリ事業においては、MAU 及び売上を伸長させつつ、利益確保と投資
のバランスを図り、確保したキャッシュを新規事業領域及び既存アプリの成長へ
と投資してまいります。新規事業領域として、Webtoon 領域への進出に注力してい
く予定であり、オリジナルコンテンツや IP を自社で創出可能な体制を構築し、ア
プリ内での配信を行いたいと考えております。将来的には他社が展開するマンガ
アプリ等への作品提供等、横展開を狙っていくことで既存のマンガアプリ事業の
規模以上にまで成長させて行くことを目指します。
② エンタメ事業
計 数 目 標:2024 年 8 月期の営業利益 2 億円から 3 億円
具体的施策:エンタメ事業の中核として「占い総合プラットフォーム」を構築し、幅広いサー
ビスを提供していくプラットフォームとして進化させることで、新たな面の獲得
を推進してまいります。2022 年 8 月期においては積極的なプロモーション活動を
行い、事業規模の拡大を図ってまいります。
2
③ RET 事業(不動産事業)
計 数 目 標:2024 年 8 月期の営業利益黒字化から 1 億円程度
具体的施策:短期的にインバウンド需要が復調することは想定しておらず、先ずは国内需要の
着実な取込により、&AND HOSTEL 事業単独での黒字化を目指してまいります。また、
新たな取組として、従前から行ってきた不動産プロデュース事業に加え、付随
サービスを構築することにより、安定的なストック収益を獲得可能なビジネスモ
デルへの移行を図ってまいります。
(2) 上場維持基準と業績目標との整合性の検証
プライム市場の上場維持基準に関して、当社においては「流通株式時価総額」のみが適合していな
い状況にあります。流通株式時価総額は流通株式数と株価によって定義されますが、当社としては株
価の向上を通じた流通株式時価総額の改善を基本施策として考えております。現時点では発行済株式
数や流通株式比率に大きな変化を与えるような資本政策の実施は想定しておらず、直近の流通株式比
率である 48.2%を試算の前提として置いております。以下では「第一次中期経営計画」における計数
目標の達成を前提としつつ、類似比較企業分析を通じた想定流通株式時価総額と上場維持基準との比
較検証を行っております。
なお、参照するマルチプルとしては今後も成長が見込まれる産業や企業群を分析する際に用いられ
ることが多い株価収益率(以下、PER)をベースに検討を行っております。
① 類似比較企業における PER マルチプルを参照した検証
図 1 では当社の収益の大宗を占めるマンガアプリ事業における競合他社の PER マルチプルの推移
を示しております。各企業固有の事象や株式相場の変動なども含まれますが、PER のマルチプルと
しては 2021 年 1 月以降、49 倍~73 倍のレンジで推移しております。電子書籍市場に関しては、図
2 にお示ししているとおり、今後も年平均で 7%程度の成長が見込まれます。電子書籍市場において
事業を展開する企業群の PER マルチプルも引き続き高い水準で継続していくものと当社では考えて
おります。本計画期間の終了時点における想定 PER マルチプルとしても同程度の水準(49 倍~73
倍)以上となる蓋然性が高いと当社では想定しております。
(A)
当社の「第一次中期経営計画」においては 2024 年 8 月期の売上高並びに営業利益の計画数値を
お示ししておりますが、当期純利益の見通しについては非開示とさせて頂いております。仮に、①
運転資金に係る借入金以外の利息が大きく発生していない、②特別損益についても発生していない、
③法人税等の試算において現時点の法定実効税率:30.62%用いる、ということを前提とした場合、
少なくとも当社としては約 4.8 億円程度の当期純利益を確保可能であると考えており、今回の PER
マルチプルに基づく検証の前提として用いております。
(B)
上記(A)に基づく PER マルチプルのレンジ:49 倍~73 倍及び(B)に基づく当期純利益の水
準:約 4.8 億円から算出される当社の想定時価総額は約 235 億円から 350 億円となります。現時点
の流通株式比率である 48.2%を乗じて得られる想定流通株式時価総額は約 113 億円から 169 億円と
算出されます。当社の「第一次中期経営計画」の計数目標の達成と外部環境が大きく悪化しないと
いう前提において、プライム市場の上場維持基準である流通株式時価総額:100 億円は想定レンジ
の下限においても達成可能な水準であると判断しております。
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図 1:マンガアプリ事業における競合他社の平均 PER マルチプル推移
注 1:各社の当期純利益実績値に基づく。進行中の会計期間については各社が開示する当期純利益の業績予
想を参照
注 2:マンガアプリ事業における競合他社として、株式会社 Amazia(証券コード:4424、以下同様に括弧内
に証券コードを記載)、株式会社メディアドゥ(3678)、株式会社 Link-U(4446)、株式会社ビーグ
リー(3981)を参照
出所:各社開示資料より当社試算
図 2:電子書籍市場規模の見通し
出所:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書 2019」「電子書籍ビジネス調査報告書 2020」
、
及び「電子書籍ビジネス調査報告書 2021」
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② 当社の過去 PER マルチプルを参照した検証
上記では競合他社の PER マルチプルを参照しておりますが、別の観点からの検証として、当社の
PER マルチプル推移から副次的な検証を行っております。2020 年初頭から始まるコロナ禍において、
当社は IoT 事業を中心に大きく収益が悪化しました。そのため、PER(実績値)の時系列データと
しては 2018 年 9 月の上場から最終利益が黒字となった最後の会計年度である 2019 年 8 月期までが
参照可能な期間となっております。当社としては 2021 年 8 月期に公表し、推進してきた「IoT 事業
における事業構造改革」を経て、従前の成長路線に回帰し、利益を着実に創出可能な会社として同
等以上の株価マルチプルの評価を得ていくことは十分に可能であると考えております。
図 3 にお示ししているとおり、当社の PER マルチプルは 50 倍から 80 倍で推移しておりました。
上記(B)で前提としている当期純利益:約 4.8 億円に対して当該マルチプルレンジを適用した場合、
約 240 億円から 384 億円の時価総額、116 億円から 185 億円の流通株式時価総額という水準が一つ
の目線として想定されます。IoT 事業における事業縮小及び撤退を経て、本検証で参照している期
間における当社の事業ポートフォリオと今後当社が目指す姿には異なりがあるものの、マンガアプ
リやその他事業領域における新規事業の広がり等を資本市場に訴求することにより、当該基準を超
える流通株式時価総額の維持は可能であるとみております。
図 3:当社の PER マルチプル推移
注 1:当社の当期純利益実績値に基づく
出所:当社開示資料より当社試算
(3) 今後の IR 方針並びに目指す株主構成
株価の向上に向けては、
「第一次中期経営計画」における計数目標の達成を前提としつつ、今後の
当社事業の成長性を資本市場に訴求することを通じた PER の向上が肝要となります。そのためにも当
社では今まで以上に IR 活動に重点を置き、資本市場とのコミュニケーションの拡充に努めてまいり
ます。
今後は決算プレゼンテーション資料等における経営管理計数の開示範囲拡大や英文開示の拡充を図
ることで、投資判断に資する情報開示の充実を推進していく所存です。また、既存の機関投資家との
面談等を継続して実施するとともに、新規機関投資家層へのアプローチを積極的に行うことで投資家
層の拡大を目指します。積極的な IR 活動を通じて、個人投資家向けの情報発信を充実させてまいり
ますが、中長期的には機関投資家比率を現在の水準より高めることも一つの目標としております。
以 上
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