7014 名村造船 2021-02-12 15:30:00
2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]
2021年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年2月12日
上場会社名 株式会社 名村造船所 上場取引所 東
コード番号 7014 URL https://www.namura.co.jp
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名) 名村 建介
問合せ先責任者 (役職名) 執行役員経営業務本部長 (氏名) 向 周 TEL 06-6543-3561
四半期報告書提出予定日 2021年2月15日
配当支払開始予定日 ―
四半期決算補足説明資料作成の有無 : 無
四半期決算説明会開催の有無 : 無
(百万円未満四捨五入)
1. 2021年3月期第3四半期の連結業績(2020年4月1日∼2020年12月31日)
(1) 連結経営成績(累計) (%表示は、対前年同四半期増減率)
親会社株主に帰属する四
売上高 営業利益 経常利益
半期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期第3四半期 73,432 △12.6 △7,945 ― △8,878 ― △17,077 ―
2020年3月期第3四半期 83,966 △5.1 △13,140 ― △13,342 ― △13,811 ―
(注)包括利益 2021年3月期第3四半期 △15,413百万円 (―%) 2020年3月期第3四半期 △13,098百万円 (―%)
潜在株式調整後1株当たり四半期
1株当たり四半期純利益
純利益
円銭 円銭
2021年3月期第3四半期 △247.22 ―
2020年3月期第3四半期 △199.96 ―
(2) 連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率
百万円 百万円 %
2021年3月期第3四半期 112,725 40,427 35.5
2020年3月期 138,122 56,048 40.2
(参考)自己資本 2021年3月期第3四半期 40,058百万円 2020年3月期 55,582百万円
2. 配当の状況
年間配当金
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計
円銭 円銭 円銭 円銭 円銭
2020年3月期 ― 5.00 ― 3.00 8.00
2021年3月期 ― 0.00 ―
2021年3月期(予想) ― ―
(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無
2021年3月期(予想)の期末配当金につきましては、未定としております。
3. 2021年 3月期の連結業績予想(2020年 4月 1日∼2021年 3月31日)
(%表示は、対前期増減率)
親会社株主に帰属する 1株当たり当期
売上高 営業利益 経常利益
当期純利益 純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円銭
通期 ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(注)直近に公表されている業績予想からの修正の有無 : 無
2021年3月期の連結業績予想につきましては、未定としております。
詳細につきましては、添付資料P.4 「1. 当四半期決算に関する定性的情報 (3) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
※ 注記事項
(1) 当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
新規 ― 社 (社名) 、 除外 ― 社 (社名)
(2) 四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用 : 無
(3) 会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 無
④ 修正再表示 : 無
(4) 発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年3月期3Q 69,099,551 株 2020年3月期 69,099,551 株
② 期末自己株式数 2021年3月期3Q 21,104 株 2020年3月期 31,204 株
③ 期中平均株式数(四半期累計) 2021年3月期3Q 69,076,133 株 2020年3月期3Q 69,068,558 株
※ 四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の
業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、四半期決
算短信(添付資料)4ページ「連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご覧ください。
株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
○添付資料の目次
1.当四半期決算に関する定性的情報 …………………………………………………………………… 2
(1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………… 2
(2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………… 4
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………… 4
2.四半期連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………… 5
(1)四半期連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………… 5
(2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ………………………………………… 7
(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………… 9
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………… 9
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………… 9
(追加情報) …………………………………………………………………………………………… 9
(四半期連結損益計算書関係) ……………………………………………………………………… 9
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………………… 11
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………………… 12
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい
状況にあったものの、一部の製造業には生産の回復や輸出持ち直しの動きがみられました。
先行きについては、改善の動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れリスクも懸念され
ております。
日本造船工業会によりますと、2020年1月から9月までの世界の新造船受注量は1,842万総トン(前年同期比
41.2%減)、新造船竣工量は4,567万総トン(前年同期比11.8%減)と2016年以降は継続して新造船の受注量が竣
工量を下回り、過剰船腹の調整が進んだことから海運市況は改善基調に入りました。しかしながら新造船需要は、
船主にとって環境規制厳格化による新造船の陳腐化やコロナ禍による世界経済の低迷と米中摩擦などによる海上
荷動量の減少などが懸念材料となり新規発注を手控えたこと、加えて日本市場においては、中国造船所の安値攻
勢もあって厳しい状況が続いております。この結果、世界の新造船手持工事量は12,195万総トン(前年同期比
12.6%減)、特に日本の手持工事量は1,970万総トン(前年同期比28.6%減)と大きく減少し、多くの造船所は生
産体制の再編や操業計画の見直しと仕事量の確保が大きな課題となっております。
このような事業環境下ではありますがコロナ禍の沈静化に伴う海上荷動量の増加、環境規制強化による既存船
退出圧力と代替新造船需要の期待など、新造船需要環境の改善が期待されます。
国内においては、海洋立国である日本の海事産業を再構築し、事業再編と生産性向上等により国際競争力の強
化を目指す政策が検討されており、新型コロナウイルス感染症が収束した後の世界経済の再成長と新造船の需要
回復を見越して、次世代に求められる温室効果ガス排出量の大幅削減船などの環境配慮型船の技術開発にも積極
的に取り組んでまいります。
当第3四半期連結累計期間の業績は、修繕船事業および鉄構・機械事業の売上高が前年同期比で増加したもの
の、中核である新造船事業において受注環境に合わせて操業量を下方に修正したことや円高の影響により、売上
高は73,432百万円(前年同期比12.6%減)となりました。損益面では、グループを挙げてのコスト削減活動によ
り原価率は大幅に改善されましたが、依然として低船価船の建造・引渡が続いていることから、営業損失は7,945
百万円(前年同期は13,140百万円の営業損失)、経常損失は8,878百万円(前年同期は13,342百万円の経常損失)
にとどまり、当社の連結子会社である佐世保重工業株式会社が、厳しい受注環境にあって体質強化に多くの時間
と費用が見込まれる新造船事業を休止し、同社の強みである艦艇修繕船事業を柱とし機械事業との両輪による安
定収益体制の構築を図る方針を決定したことにより、当第3四半期連結累計期間にて固定資産の減損損失8,243百
万円を計上した結果、税金等調整前四半期純損失は17,215百万円(前年同期は13,729百万円の純損失)、親会社
株主に帰属する四半期純損失は17,077百万円(前年同期は13,811百万円の純損失)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は35.5%(前年同期末は40.9%)であります。
主力の新造船事業は、売上の対象となる隻数・船型・船価は四半期毎に異なりますし、操業量の調整にも大き
く影響されます。また、資機材価格や為替などの大きな変動要因があり、それに伴って採算も変動いたします。
工事損失引当金額につきましても、受注残全船を対象に四半期毎の洗い替えによる増減に加え、新規受注に伴う
新たな計上もあり得ます。これらの事情もあって第3四半期業績と年度業績とは必ずしも連動いたしません。
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
新造船事業
受注から完工まで1年を超える新造船事業では工事進行基準を採用しております。
当第3四半期連結累計期間の売上高は57,614百万円(前年同期比18.2%減)、営業損失は7,136百万円(前年同
期は12,480百万円の営業損失)となりました。
当第3四半期連結累計期間におきましては、超大型油送船(VLCC)1隻、大型撒積運搬船2隻、中型撒積運搬船
8隻、ハンディ型撒積運搬船3隻等の合計15隻を完工し、大型撒積運搬船2隻、中型撒積運搬船1隻を受注した
結果、受注残高は96,177百万円(前年同期比37.3%減)となりました。
グループを挙げての原価削減活動の効果により製造原価率は大幅に改善されつつあるものの、依然として低船
価船の建造・引渡が続いており、業績不振が長期化している状況を改善するため、佐世保重工業株式会社の新造
船事業の休止を決議するなどグループにおける体制の抜本的な再構築による事業体質の改善を推進いたします。
なお、当第3四半期連結累計期間における売上計上の米ドル額は541百万米ドルで、その平均レートは1米ドル
当たり105円95銭であります。
修繕船事業
函館どつく株式会社および佐世保重工業株式会社が担う修繕船事業は、艦艇工事を主力としつつ、立地特性を
生かした官庁船、一般商船、特殊船、漁船の修繕工事にも積極的に取り組んでおります。当第3四半期連結累計
期間の売上高は8,033百万円(前年同期比34.8%増)となりましたが、新たに挑戦した特殊船の定期検査案件にお
いて工事物量の見積りの誤り等により大幅な損失となったため、営業損失は70百万円(前年同期は148百万円の営
業損失)となりました。この経験を生かした技術力・管理体制の強化により今後の営業拡大に繋げる所存であり
ます。
なお、佐世保重工業株式会社の新造船事業休止に伴い、修繕船事業を同社の柱とし強化・拡大を進めてまいり
ます。
当第3四半期連結会計期間末の受注残高は5,430百万円(前年同期比4.0%減)であります。
鉄構・機械事業
当第3四半期連結累計期間の売上高は、橋梁の中型工事等を予定通り完工し、4,278百万円(前年同期比13.9%
増)となりましたが、佐世保重工業株式会社が担う舶用機器の収益が伸び悩んだこと等から、営業利益は189百万
円(前年同期比37.7%減)となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は4,908百万円(前年同期比28.3%減)であります。
その他事業
当第3四半期連結累計期間の売上高は3,507百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は479百万円(前年同期比
37.2%減)となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は1,135百万円(前年同期比56.1%増)であります。
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(2)財政状態に関する説明
流動資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、現金及び預金が減少したこと等により、前連結会計年度末
比18,878百万円減少し、65,940百万円となりました。
固定資産
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、主に固定資産の減損損失を計上したこと等により、前連結
会計年度末比6,519百万円減少し、46,785百万円となりました。
流動負債
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、主に支払手形及び買掛金が減少したこと、前受金が減少し
たこと等により、前連結会計年度末比8,721百万円減少し、53,000百万円となりました。
固定負債
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、主に長期借入金が減少したこと等により、前連結会計年度
末比1,055百万円減少し、19,298百万円となりました。
純資産
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等に伴い、利益剰
余金が減少したこと等により、前連結会計年度末比15,621百万円減少し、40,427百万円となりました。
(3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
当社連結子会社であります佐世保重工業株式会社の新造船事業の休止を決定したことによる費用は、予測が
可能な範囲で当第3四半期連結決算に反映させておりますが、現時点で合理的に見積もることが困難な費用の
発生もあり得るため、2021年3月期通期の連結業績予想は引続き未定とし、予想の開示が可能となった時点で
速やかに公表させていただきます。
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2.四半期連結財務諸表及び主な注記
(1)四半期連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当第3四半期連結会計期間
(2020年3月31日) (2020年12月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 44,256 24,081
受取手形及び売掛金 28,165 28,203
商品及び製品 61 79
仕掛品 5,294 6,802
原材料及び貯蔵品 1,650 1,238
その他 5,392 5,537
流動資産合計 84,818 65,940
固定資産
有形固定資産 42,920 35,160
無形固定資産 487 386
投資その他の資産 9,897 11,239
固定資産合計 53,304 46,785
資産合計 138,122 112,725
負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 20,180 16,580
電子記録債務 9,693 6,542
短期借入金 4,617 7,958
未払法人税等 584 64
前受金 11,068 7,282
工事損失引当金 10,485 9,745
保証工事引当金 505 426
その他 4,589 4,403
流動負債合計 61,721 53,000
固定負債
長期借入金 11,472 9,357
その他の引当金 229 252
退職給付に係る負債 5,935 6,212
その他 2,717 3,477
固定負債合計 20,353 19,298
負債合計 82,074 72,298
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(単位:百万円)
前連結会計年度 当第3四半期連結会計期間
(2020年3月31日) (2020年12月31日)
純資産の部
株主資本
資本金 8,135 8,135
資本剰余金 33,874 33,874
利益剰余金 14,161 △3,127
自己株式 △14 △6
株主資本合計 56,156 38,876
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 △328 1,334
繰延ヘッジ損益 △12 2
為替換算調整勘定 382 360
退職給付に係る調整累計額 △616 △514
その他の包括利益累計額合計 △574 1,182
新株予約権 277 272
非支配株主持分 189 97
純資産合計 56,048 40,427
負債純資産合計 138,122 112,725
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(2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
四半期連結損益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
売上高 83,966 73,432
売上原価 92,735 77,389
売上総損失(△) △8,769 △3,957
販売費及び一般管理費
給料及び手当 1,526 1,456
その他 2,845 2,532
販売費及び一般管理費合計 4,371 3,988
営業損失(△) △13,140 △7,945
営業外収益
受取利息 113 84
受取配当金 220 187
受取保険金 16 64
その他 43 102
営業外収益合計 392 437
営業外費用
支払利息 239 197
支払手数料 34 71
固定資産除売却損 42 97
為替差損 211 865
その他 68 140
営業外費用合計 594 1,370
経常損失(△) △13,342 △8,878
特別利益
契約解約益 233 -
特別利益合計 233 -
特別損失
減損損失 4 8,243
投資有価証券評価損 616 57
投資有価証券売却損 - 37
特別損失合計 620 8,337
税金等調整前四半期純損失(△) △13,729 △17,215
法人税、住民税及び事業税 253 155
法人税等調整額 △127 △196
法人税等合計 126 △41
四半期純損失(△) △13,855 △17,174
非支配株主に帰属する四半期純損失(△) △44 △97
親会社株主に帰属する四半期純損失(△) △13,811 △17,077
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
四半期連結包括利益計算書
第3四半期連結累計期間
(単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間 当第3四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2019年12月31日) 至 2020年12月31日)
四半期純損失(△) △13,855 △17,174
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 693 1,665
繰延ヘッジ損益 △56 14
為替換算調整勘定 △25 △21
退職給付に係る調整額 145 103
その他の包括利益合計 757 1,761
四半期包括利益 △13,098 △15,413
(内訳)
親会社株主に係る四半期包括利益 △13,058 △15,321
非支配株主に係る四半期包括利益 △40 △92
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
前連結会計年度末日と比較して著しい変動が認められないため、記載しておりません。
(追加情報)
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの中核である新造船事業において、新型コロナウイルス感染
症の拡大による世界経済の急激な落ち込みにより国内外の船社・船主が新規投資を抑制し、新造船需要、船価水準
とも厳しく推移しました。
海運市場では、新造船竣工量の継続的な減少により船腹需給の調整が進み、また、一部の海上荷動量の伸びに伴
って運賃水準の改善が続くなどの好材料も見られますが、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大による新
造船需要への悪影響が一定期間続くと想定しております。
このような厳しい状況下で当社は、主要な連結子会社である佐世保重工業株式会社と共に抜本的な事業再構築を
検討してまいりました結果、同社の前身である海軍工廠の発足時から主要業務としてきた艦艇修繕船事業を柱とし
機械事業との両輪による強みを生かした安定収益体質の構築を図ることとし、既受注船の最終引渡(2022年1月予
定)を以って新造船事業を休止することを決定し、固定資産の減損会計における将来キャッシュ・フローを見直し
ました。
その結果(四半期連結損益計算書関係)に記載のとおり、佐世保重工業株式会社に関連する減損損失を計上して
おります。
(四半期連結損益計算書関係)
減損損失
以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
前第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(単位:百万円)
場所 用途 種類 金額
長崎県佐世保市 その他の資産 ソフトウェア 4
(グルーピングの方法)
事業用資産については地域性を考慮した事業の種類別セグメント単位とし、将来の使用が見込まれていない遊
休資産については個々の物件単位で、本社設備等の共用資産についてはより大きな単位でグルーピングしてお
ります。
(経緯)
当社の連結子会社である佐世保重工業株式会社において、その他の資産で将来キャッシュ・フローの見通しが
低下したため、減損損失を認識し、回収可能価額まで減額いたしました。
(回収可能価額の算定方法等)
回収可能額は正味売却価額により算定し、実質的な処分価値を考慮して零としております。
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(単位:百万円)
場所 用途 種類 金額
建物及び構築物 4,910
ドック船台 186
機械装置及び運搬具 1,562
事業用資産 船舶 23
長崎県佐世保市
工具、器具及び備品 136
土地 1,334
その他 91
その他の資産 機械装置及び運搬具 1
合計 8,243
(グルーピングの方法)
事業用資産については地域性を考慮した事業の種類別セグメント単位とし、将来の使用が見込まれていない遊
休資産については個々の物件単位で、本社設備等の共用資産についてはより大きな単位でグルーピングしてお
ります。
(経緯)
当社の連結子会社である佐世保重工業株式会社において、既受注船の最終引渡(2022年1月予定)を以て新造
船事業を休止する方針を2021年2月12日の取締役会にて決議いたしました。それに伴い、佐世保重工業株式会
社において、事業用資産について新造船資産グループ並びに共用資産を含むより大きな単位について減損損失
を認識し、回収可能価額まで減額いたしました。この他、佐世保重工業株式会社において、その他の資産で将
来キャッシュ・フローの見通しが低下したため、減損損失を認識し、回収可能価額まで減額いたしました。
(回収可能価額の算定方法等)
回収可能額は正味売却価額または使用価値により算定しております。正味売却価額は、償却資産については実
質的な処分価値を考慮して零とし、土地については不動産鑑定評価額、固定資産税評価額を基礎として算定し
ております。使用価値は、将来キャッシュ・フローに対して10.1%の割引率を使用して算出しております。
なお、使用からの将来キャッシュ・フローが見込まれない資産グループは、備忘価額にて評価しております。
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(セグメント情報等)
Ⅰ 前第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
(単位:百万円)
報告セグメント 四半期連
調整額 結損益計
合計
(注)1 算書計上
新造船 修繕船 鉄構・機械 その他 額(注)2
売上高
外部顧客への売上高 70,398 5,958 3,756 3,854 83,966 - 83,966
セグメント間の内部
- - - 1,018 1,018 △1,018 -
売上高又は振替高
計 70,398 5,958 3,756 4,872 84,984 △1,018 83,966
セグメント利益又は
△12,480 △148 304 761 △11,563 △1,577 △13,140
セグメント損失(△)
(注) 1 セグメント利益又はセグメント損失の調整額△1,577百万円には、セグメント間取引消去△38百万円及び各
報告セグメントに配分していない全社費用△1,539百万円が含まれております。全社費用は、主に当社の総
務部、経営管理部等の管理部門に係る費用であります。
2 セグメント利益又はセグメント損失は、四半期連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
重要な事項はありません。
Ⅱ 当第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
(単位:百万円)
報告セグメント 四半期連
調整額 結損益計
合計
(注)1 算書計上
新造船 修繕船 鉄構・機械 その他 額(注)2
売上高
外部顧客への売上高 57,614 8,033 4,278 3,507 73,432 - 73,432
セグメント間の内部
- - - 965 965 △965 -
売上高又は振替高
計 57,614 8,033 4,278 4,472 74,397 △965 73,432
セグメント利益又は
△7,136 △70 189 479 △6,538 △1,407 △7,945
セグメント損失(△)
(注) 1 セグメント利益又はセグメント損失の調整額△1,407百万円には、セグメント間取引消去△43百万円及び各
報告セグメントに配分していない全社費用△1,364百万円が含まれております。全社費用は、主に当社の総
務部、経営管理部等の管理部門に係る費用であります。
2 セグメント利益又はセグメント損失は、四半期連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
(単位:百万円)
報告セグメント
調整額
合計
(注)1
新造船 修繕船 鉄構・機械 その他
減損損失 6,308 646 442 1 846 8,243
(注) 1 減損損失の調整額846百万円は各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
(重要な後発事象)
当社および連結子会社である佐世保重工業株式会社は2021年2月12日開催の取締役会において、佐世保重工業株
式会社における新造船事業の休止を決議いたしました。また、これに併せて当社および佐世保重工業株式会社は、
同日開催の取締役会において、佐世保重工業株式会社およびその子会社において希望退職者の募集を行うことを決
議いたしました。
1.佐世保重工業株式会社における新造船事業休止の理由
新造船事業の事業環境は、「海運・造船バブル」とも呼ばれる2007年前後に大量発注された新造船が2010年以
降の3年間に順次竣工し2011年の商船建造量が過去最高になるなど、2008年後半以降の金融危機による新造船発
注量の激減にもかかわらず船腹量の増加ペースは衰えず、船腹の需給ギャップの拡大による過剰供給が常態化
し、新造船需要と価格の低迷が長期化いたしておりました。こうした状況を受けて中韓政府は造船業支援を強化
いたしましたが、これらの支援策が船腹量の需給ギャップ拡大と新造船価格の低迷を更に長期化させたとも言え
ます。しかしながら、海運市況が好転するなど漸くにして船腹量の需給に改善の兆しが見え始めた昨年初めに新
型コロナウイルス感染症が世界的に急拡大し、世界の経済活動縮小により海上輸送需要が落ち込んだ結果、新造
船需要は急減し、日本の2020年の受注量は2019年比でほぼ半減、2年半程度が適正と言われる受注残は1年程度
に落ち込み、中国造船所の安値攻勢もあって船価も下落いたしました。
このような厳しい環境の中、当社は佐世保重工業株式会社の新造船事業継続に向けて、老朽設備の更新・整
備、要員の派遣、生産システムの近代化、当社伊万里事業所との一体運営など、様々な手段を講じてきました
が、受注環境が一段と悪化して受注残が急激に減少した上に、内外の新鋭造船所に比べて大きく見劣りするコス
ト競争力を短期間に改善させることが困難であることから、同社と共に抜本的な事業再構築を検討してまいりま
した。
その結果、同社の前身である海軍工廠の発足時から主要業務としてきた艦艇修繕船事業を柱とし機械事業との
両輪による強みを生かした安定収益体質の構築を図り、既受注船の最終引渡(2022年1月予定)を以って新造船
事業を休止する方針とし、現在建造中の案件については当社および佐世保重工業株式会社が協力して完成させ、
引き渡し後のアフターサービスについても、これまで同様に両社が責任を持って対応することに決定いたしまし
た。
新造船事業の休止に伴い、新造船事業部門の従業員の艦艇修繕船事業部門への配置転換や当社への出向・転籍
などの経営資源の再配分を実施しますが、新造船事業の全従業員の再配置先を確保することは困難であることに
加え、今後の収益力強化のためには全社的な固定費削減が不可欠であり、苦渋の決断とはなりましたが同社は希
望退職者の募集を行うことといたしました。
2.休止する事業の概要
佐世保重工業株式会社における新造船事業
3.休止する事業の規模
連結売上高実績のうち佐世保重工業株式会社における新造船事業の売上高
2020年3月期
2020年3月期
佐世保重工業㈱ 比率(a/b)
連結実績(b)
新造船事業(a)
売上高 23,089百万円 111,887百万円 20.6%
4.日程
(1)取締役会決議日 2021年2月12日
(2)事業休止日 2022年1月末(予定)
5. 希望退職者募集の概要
(1)対象会社 佐世保重工業株式会社および同社子会社
(2)募集人員 250名(予定)
(3)募集期間 2021年5月6日より2021年5月21日(予定)
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株式会社名村造船所(7014) 2021年3月期 第3四半期決算短信
6.今後の見通し
現時点では事業休止による損失は確定しておりませんが、当第3四半期連結累計期間において、佐世保重工業
株式会社の新造船事業休止に係る固定資産の減損損失を計上しております。また、第4四半期以降において事業
の休止に伴う人事関連費用等が発生する見込みですが、現時点では希望退職者募集に対する応募者数及びその内
訳が未確定であるため、業績に与える影響額は未定です。
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