「グループ経営方針2019」
2019年5月8日
代表取締役社長 満岡 次郎
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved.
目次
1. 「グループ経営方針2016」振返り................................................. 3
「グループ経営方針2016」振返り............................................................ 4
品質を守る............................................................................................. 9
2. 「グループ経営方針2019」........................................................... 10
「グループ経営方針2019」 － 長期視点の「目指す姿」........................... 11
「グループ経営方針2019」 － 3カ年の取組み....................................... 12
IHIグループの各事業領域の目指す方向性............................................. 14
資源・エネルギー・環境事業領域の取組み.............................................. 15
社会基盤・海洋事業領域の取組み.......................................................... 17
産業システム・汎用機械事業領域の取組み............................................. 19
航空・宇宙・防衛事業領域の取組み........................................................ 21
変革を支える人づくり.............................................................................. 23
経営目標............................................................................................... 24
新配当政策............................................................................................ 26
＜参考資料＞................................................................................. 27
「グループ経営方針2016」の集中と選択.................................................. 28
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved.
「グループ経営方針2016」振返り
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 3
「グループ経営方針2016」振返り①
「グループ経営方針2016」経営目標の振返り
想定以上の市況の悪化，特定工事の下振れ継続，為替変動等により目標未達。一方で，リスクマ
ネジメント強化，集中と選択の進展により営業利益率およびROICは改善傾向。
（営業利益率） （億円）
10.0% 2,000
20,000
15,903
8.0% 15,393
14,863 14,834
7.0% 15,000
1,500
営業利益率（経営方針2016）
6.0% 5.6%
営業利益率（実績）
4.5% 1,000 【参考】
4.1% 824 売上高（実績）
4.0% 722 営業利益（実績）
3.2%
473
500
2.0% 1.4%
220
0.0% 0
2015FY
2015FY 2016FY
2016FY 2017FY
2017FY 2018ＦＹ
2018FY
ROIC 2.3% 5.0% 7.7% 8.7%(10.0%)* ＊カッコは経営方針
2016の目標値
為替 118.27 108.27 111.00 111.09
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 4
「グループ経営方針2016」振返り②
2018年度の営業利益率増減分析（「グループ経営方針2016」当初目標対比）
エネルギー関連
（営業利益率） 新設工事の
600 市況悪化
7.0% 為替影響 PW1100G
7.0% エンジン
台数減
500
補用部品・
航空エンジン スペアエンジン
素形材高騰 ボイラ
400 増加 大型案件
悪化
当 5.6%
北米向け
300 初 プロセスプラント その他
目 悪化
2018
標 年
200
度
実
100
績
0.0%
0
※当初目標：’16.5.10公表（前提為替レート ¥115/US$）
※2018年度売上平均レート：¥111.09/US$
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 5
「グループ経営方針2016」振返り③
事業領域別の営業利益率の推移
（営業利益率）
資源・エネルギー・環境事業 （営業利益率）
社会基盤・海洋事業
8.0% 10.0%
9.0% 9.9%
6.8% 5.0%
6.0% 1.9% 7.5%
0.0%
4.0% 3.0%
-5.0%
2.0% -10.0%
-7.6%
0.9% -15.0%
0.0%
-0.5% -2.5% -3.0% -20.0%
-2.0%
-25.0%
-29.1%
-4.0% -30.0%
2015FY 2016FY 2017FY 2018FY 2015FY 2016FY 2017FY 2018FY
（営業利益率） 産業システム・汎用機械事業 （営業利益率） 航空・宇宙・防衛事業
6.0% 14.0%
5.9% 13.0%
12.0% 11.2%
5.0%
4.3% 5.2% 9.6%
10.0% 11.7%
4.0% 9.4%
3.1% 4.1%
8.0%
3.0% 7.8%
3.4% 6.0%
2.0%
4.0%
1.0% 2.0%
0.0% 0.0%
2015FY 2016FY 2017FY 2018FY 2015FY 2016FY 2017FY 2018FY
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 6
「グループ経営方針2016」振返り④
航空・宇宙・防衛事業 営業利益の推移（「グループ経営方針2016」対比）
経営方針2016時 PW1100G（搭載用）売上台数見通し
億円 PW1100G（搭載用） 売上台数実績・見通し 台数
経営方針2016時 営業利益推移見通し
700 1400
営業利益実績・見通し（点線）
600 1200
500 1000
400 800
300 600
200 400
100 200
0 0
2015FY 2016FY 2017FY 2018FY 2019FY 2020FY 2021FY
PW1100Gの状況
「グループ経営方針2016」策定時
量産開始後，コストダウンが進まない期間に売上が急増する，2016年度~2017年度を業績の底と見込む。
現状
2016年度~2017年度は初期トラブル等の影響で売上が伸びず，結果として業績は好転。
直近の素材高騰，生産性向上の未達の影響が2019年度以降に現れ，業績の底が2019年度へズレ。
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 7
「グループ経営方針2016」振返り⑤
米国大型工事で大きな下振れ
新設工事の市況悪化が予想以上
資源・エネルギー・環境
環境に応じ，領域横断でのリストラを本格化
事業領域
【課題】リスクマネジメントを強化し 下振れ防止を徹底，
国内外の改造・更新需要の獲得
F-LNG事業からの撤退
社会基盤・海洋 プロジェクト管理の徹底や橋梁・シールド等の採算改善により，経営
事業領域 目標を達成
【課題】保全工事の付加価値向上，着実な海外展開
経営目標は未達であるものの，業績改善に向けたポートフォリオマ
産業システム・汎用機械 ネジメントを推進中であり，利益は改善傾向
事業領域 【課題】集中と選択の継続，お客さま視点の価値提案による
サービス提供，海外市場の取り組み刷新
為替円高（115⇒111円/$)，素材高騰によるコストダウン未達等の悪
化を補用部品やスペアエンジンの販売増により改善し，経営目標を
航空・宇宙・防衛 概ね達成
事業領域 PW1100Gの計画からの遅れ等により，業績の「底」が2016年度から
2019年度へ大幅ズレ
【課題】品質問題への対応，着実な競争力強化
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 8
品質を守る
航空機エンジン事業で発生した不適切事象に対し，国土交通省及び経済産業省のご指導，加えて第三
者による原因分析と再発防止策の提言も反映し，航空・宇宙・防衛事業領域では以下の再発防止策に
取り組んでいる。
安全意識の再徹底及びコンプライアンス教育
安全管理体制の抜本的見直し
業務実施体制の見直し
本事象に関連し，再発防止をはかるため，海外を含めてグループ全社活動を開始
(1) IHIグループ「行動規範」「品質宣言」の制定・展開
(2) コンプライアンス体制の強化
(3) 品質保証体制・品質マネジメントシステムの強化
(4) 声の出る職場づくり
(5) リスク管理活動の強化
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 9
「グループ経営方針2019」
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 10
「グループ経営方針2019」 － 長期視点の「目指す姿」
社会とお客さまの課題にお客さまと共に真正面から取り組み
新たな価値を創造する
持続可能な社会への貢献
企業価値の向上
2019
社会課題 お客さま価値の向上
増大
ハードウェア供給を中心
社会課題の増大に対し，「グループ経営方針2016」の
とした社会への貢献
利益の成長
取り組みを更に進化させる
「グループ経営方針2016」 ３つの“変える”取り組み
「収益基盤の強化」 新たなポートフォリオマネジメントによる集中と選択
プロジェクト遂行体制の強化による収益力向上
事業規模の成長
グループ共通機能の活用によるビジネスモデル変革 11
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved.
「グループ経営方針2019」 － 3カ年の取組み①
「グループ経営方針2019」
社会とお客さまの課題に真正面から取り組む / 事業変革の本格化
《目指す方向性》 持続可能な社会の実現とIHIグループの成長に向け，長期を見据えた目指す方向性を設定
《「グループ経営方針2019」の３ヵ年》
●「グループ経営方針2016」のもと整備した収益基盤を土台に，事業の中身の組み替えを進める
●“新たな価値を創造する企業へと変革を加速する3ヵ年”と位置付け
年度 2015FY 2016FY 2017FY 2018ＦＹ 2019FY 2020FY 2021FY
＊カッコは経営方
ROIC 2.3% 5.0% 7.7% 8.7% (10.0%)* 8.0% - 10.0%以上 針2016の目標値
CCC 97日 87日 83日 97日 97日 - 80日
10.0% 2,000
（億円）
営業利益率 2021年度に
営業利益率8％達成
15,903
8.0% 15,393
14,863 14,834 8.0% 8.0%
7.0% 1,500
15,000
15,000
5.6% 5.7%
6.0%
1,200
4.5% 1,000
4.1% 824
営業利益率（経営方針2016）
4.0% 3.2%
722
営業利益率（実績）
473 営業利益率（経営方針2019）
【参考】 500
2.0% 1.4% 売上高（実績・経営方針2019）
220
営業利益（実績・経営方針2019）
0.0%
0.0% 0
（為替） （118.27）
2015FY （108.27）
2016FY （111.00）
2017FY （111.09）
2018FY （105.00）
2019FY 2020FY （105.00）
2021FY
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 12
「グループ経営方針2019」 － 3カ年の取組み②
「グループ経営方針2019」
「グループ経営方針2016」
社会とお客さまの課題に真正面から取り組む
の振返り
事業変革の本格化
ハードウェア供給中心の
ビジネスを変えるスピード不足 ３つの取り組み
特定工事での下振れが
継続的に発生 事業基盤の お客さまと共にライフサイクル視点で
強化 アフターマーケット事業展開を加速
集中と選択の進展・継続
堅固な事業運営 リーン＆フレキシブルな
環 境 変 化 体制の構築 経営体質への変革
技術革新スピードの加速 将来に向けての 価値創造に向けた
準備を加速 ビジネスモデル変革の推進
持続可能な社会を実現する
インフラ全般への対応の要請
変革を支える人づくり
安全と品質 リスクマネジメント
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 13
IHIグループの各事業領域の目指す方向性
持続可能な社会に求められる新たな価値を創造する
資源・エネルギー・環境 社会基盤・海洋
地域・お客さまごとに最適な 橋梁・トンネルを軸に安全・安心な
総合ソリューションを提供することにより 社会インフラの実現にグローバルかつ
“脱CO2・循環型社会”に貢献する ライフサイクルにわたり貢献する
事業共通の目標
先進技術により，航空輸送，防衛システム
先進技術により，航空輸送，防衛システム
お客さまと共にオペレーションの最適化を
及び宇宙利用の未来を切り拓き，
および宇宙利用の未来を切り拓き，
ライフサイクルで徹底追求することにより
豊かで安全な社会の実現に貢献する
豊かで安全な社会の実現に貢献する
産業インフラの発展に貢献する
産業システム・汎用機械 航空・宇宙・防衛
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 14
資源・エネルギー・環境事業領域の取組み（１/２）
目指す方向性
地域・お客さまごとに最適な総合ソリューションを提供することにより
“脱CO2・循環型社会”に貢献する
“環境”
ライフサイクル・循環型社会の枠組みでＣＯ₂排出量を評価・削減する
“再生可能資源” “再エネ利用”
脱ＣＯ₂・循環型社会における 地域・産業の分散型・再エネ循環型
新たな資源を創成する 社会を目指す
“枯渇性資源利用”
ライフサイクルで
エネルギーを 低ＣＯ₂化を実現する
資源
つくる
CO2排出量を削減する為には
国内外のお客さまの現行CO2
もどす 循環型 排出量の50%削減
社会 ためる ① 排出原単位を下げる
高性能化・高効率化，燃料転換・再生可能資源利用，等
(2035年)を目指す
つかう
② 使用エネルギー物量を削減する ソリューション提案
すてる
省エネ，エネルギーマネジメント，等 既存技術 新規 他社
③ 吸収・利活用分を増やす 活用 技術開発 連携
排出されているCO2
資源化・化学変換，化学吸収・貯蔵，等
社会課題への対応
気候変動対策としてエネルギーメガトレンド(*4D+E)の動きが加速するなか，環境負荷低減・CO2排出量削減に対応
＊Decarbonization(脱炭素)， Decentralization(脱集中化・分散化)，Digitalization(デジタルコネクション)，
Deregulation(自由化)， Electrification(電化・電動化)
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 15
資源・エネルギー・環境事業領域の取組み（２/２）
3カ年の力点
事業基盤の強化
中核技術を強化し，ライフサイクルでお客さまの価値を向上
超々臨界圧技術，バイオマス燃焼，燃料ハンドリング技術といった強みを最大限に活用する。
ライフサイクル・バリューチェーン・グローバルの視点で，高効率化・分散化・燃料多様化・再エネ安
定化等の多様化する社会のニーズに応えるプラントシステムやサービスの提供などを，新たなエネ
ルギービジネスとして創成する。
創成したエネルギービジネスを組み込んだ工業団地開発や分散型エネルギー供給事業などのイン
フラ開発を，パートナーと共に構想し，実現する。
堅固な事業運営体制の構築
事業構造改革を通じた，リーン＆フレキシブルな体制の構築
デジタル化による共通業務プロセスプラットフォームの確立 および グループ横断でのリソース最適配
置の推進による事業構造改革を通じて，リーン＆フレキシブルで効率良くビジネスを遂行する堅固な事
業運営体制を構築する。
将来に向けての準備を加速
脱CO2・循環型社会に向けた新たな価値を創成
CO2排出量の削減に資する多様な技術開発を進めると同時に，有効なビジネスモデルを検討し，次世
代の中核事業に繋がる技術ポートフォリオを策定する。
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 16
社会基盤・海洋事業領域の取組み（１/２）
目指す方向性
橋梁・トンネルを軸に安全・安心な社会インフラの実現に
グローバルかつライフサイクルにわたり貢献する
ライフサイクル型事業の強化
建設を主体とした事業から，計画・運営・保守・保
全まで含めたライフサイクル型事業に展開・拡大 最適な都市環境を実現する
し，社会インフラの長期の運用を実現する 社会インフラ創り
将来の最適な都市環境の実現に資する
グローバル展開の加速 社会インフラシステムの提供を目指す
各地域の特性に合わせた事業運営を行い地域
の課題に対応した社会インフラを提供する
社会課題への対応
強靭な社会インフラの構築
• 新興国の旺盛な経済発展を導くインフラ開発 • 深刻化する気候変動と自然災害に適応可能なインフラ整備
• 先進国で進行するインフラ老朽化への対策 • インフラ開発・運用・保全・廃却・再開発の統制ある循環の確立
持続可能な都市と豊かな生活
• 秩序ある都市開発の基盤となるインフラシステムの構築
• ITを駆使する生活者のクリーンで豊かな毎日を可能にするインフラシステムの確立
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 17
社会基盤・海洋事業領域の取組み（２/２）
3カ年の力点
事業基盤の強化
計画・診断を含めた保全技術を強化し，ライフサイクルでお客さまの価値を向上
大規模・高難度な社会インフラの製作・建設や事後保全の施工遂行能力といった卓越した強みを追求
する。
お客さまのニーズに見合う新たな発想による工期短縮と経済性向上の実現と点検・診断技術の高度
化に取り組み，事後保全の包括対応や予防保全(診断・保全優先順位付け・施工)などのライフサイク
ル型事業を拡大する。
地域に根差す地場パートナーと，地域特性・ライフサイクルに応じた製品・サービスをグローバルに提
供する。
堅固な事業運営体制の構築
あるべき工期と経済性を徹底追求するリーン＆フレキシブルな体質の構築
あるべき工期と経済性を実現すべく，BIM/CIM(※)モデルを基盤にデータ・情報の統合を進め，
エンジニアリング業務・工場・建設現場などの業務プロセス改革・リードタイム短縮・生産性向上等を加速
するリーン＆フレキシブルな体質に変革する。 ※BIM/CIM： Building Information Modeling/Construction Information Modeling
将来に向けての準備を加速
最適な都市環境を実現する社会インフラ創り
橋梁・トンネル・道路を中心としたインフラ・ライフサイクル型事業ノウハウ，豊洲地区等の都市づくりノ
ウハウの組合せにより，将来の最適な都市環境の実現に資する社会インフラシステム提供に向けた枠
組みを構築する。
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 18
産業システム・汎用機械事業領域の取組み（１/２）
目指す方向性
お客さまと共にオペレーション（事業運営）の最適化を
ライフサイクルで徹底追求することにより，産業インフラの発展に貢献する
～ 社会・お客さまの人とエネルギーと資産の効率を最大化 ～
“人” “資産”
プロセスの自動化，省力化，省人化，無人化 設備の稼働率の最適化やバランスシートの最適化
“エネルギー”
電気，熱，空気，水などのエネルギーの効率的な利用
効率を最大化する為には
①製造プロセスおよび物流プロセスの省人化・最適化による オペレーションをライフサイクルで最適化した
スループット向上およびコスト削減
新しい産業インフラの構築
②電気，熱，空気などのエネルギーの効率化による
環境負荷低減および電力コスト削減
お客さまの人・エネルギー・資産のトータルな効率化に着
③安全・安心で利便性が高く,環境負荷低減にも寄与したモビリティインフラの
目した新しい産業システムの創発を目指す
提供による車両事故0,移動弱者の解消およびCASE(※)への先駆的対応
社会課題への対応
エネルギー貯蔵・消費の効率化，産業と技術革新基盤の進展，都市部の過密化・交通渋滞，CO2排出増加・環境汚染，
先進国における少子高齢化
自動車業界におけるCASE(※)対応，産業機械業界におけるデジタルトランスフォーメーション，物流業界における垣根を
越えた業界構造の変化，都市開発の進展
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved.
※CASE： Connected，Autonomous，Shared&Services，Electric 19
産業システム・汎用機械事業領域の取組み（２/２）
3カ年の力点
事業基盤の強化
ライフサイクルビジネス強化によるお客さま価値向上とグローバル展開の加速
産業機械分野の製品・サービス提供により蓄積した豊富なお客さまとのつながりという強みを生か
して，お客さまのオペレーションの価値向上のため，アフターサービスの高度化を加速する。
東南アジアを皮切りに，アフターサービス機能を充実させたグローバル展開を本格化する。
堅固な事業運営体制の構築
リーン＆フレキシブルな体質に向けたグループ一体経営を柱とした構造改革の推進
個別事業経営からお客さま対応最優先のグループ経営へ変革を進める。
具体的には，お客さま対応のためのグループ内統合やCRM(※)機能の強化等によりお客さまの価値を
創造するリーン＆フレキシブルな体質へ変える。 ※CRM： Customer Relationship Management
将来に向けての準備を加速
産業インフラの発展を目指した新たなビジネスモデルの展開
製造・物流・モビリティ等の産業機械分野におけるお客さま・社会の現実空間とデジタル空間を繋ぐこ
とで，お客さまの人・エネルギー・資産のトータルな効率化に着目した新しい産業システムの創発を加
速する。
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 20
航空・宇宙・防衛事業領域の取組み（１/２）
目指す方向性
先進技術により，航空輸送，防衛システムおよび宇宙利用の
未来を切り拓き，豊かで安全な社会の実現に貢献する
民間エンジン事業
独自技術・ものづくり力の高度化により，安全・快適・経済的で環境に
優しい航空輸送の実現に貢献
強靭な品質保証体制の
もと，独自技術・ものづ
防衛事業
くり力をテコに，世界の
高度なシステム技術をもとに，正面装備並びに後方支援の高度化に
航空宇宙産業における
対応し国家安全保障に貢献
メインプレーヤーとして
の地位を確立する
ロケットシステム・宇宙利用事業
社会のニーズにマッチしたロケット・ラインナップ構築と打ち上げサービスを
展開
多様な産業・分野で衛星データを活用した宇宙利用ソリューションを提供
社会課題への対応
環境負荷低減 安全・安心・快適な暮らし
資源・エネルギーの効率的な利活用 航空輸送の安全性・信頼性の向上
技術革新の拡大 気候変動への対策
社会の平和と安寧
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 21
航空・宇宙・防衛事業領域の取組み（２/２）
3カ年の力点
事業基盤の強化
先進技術の適用により，ライフサイクルでお客さまの価値を向上
安全と品質の確保を最優先課題と捉え，強靭な品質保証体制を確立・維持する。
航空エンジンでは，民間を主にアフターマーケット対応を質・量の両面で拡充すべく，先進IoT/ICT技
術を活用した整備拠点の整備，部品修理体制の充実等，整備事業の高度化を加速する。
防衛では，サポート範囲の拡張等，後方支援を高度化する。
宇宙事業では，ロケットシステム製造に加え，打ち上げサービス事業を促進する。
堅固な事業運営体制の構築
競争力の更なる強化を実現するリーン＆フレキシブルな体制の構築
確かな品質を創り込む人づくり・職場づくりを促進し，必要なリソースを投入したうえで早期信頼回復
へ向けた体質の強化を図る。
グローバル競争力を更に強化するため，スマートファクトリー深化による生産性向上の加速とともに，
エンジニアリング・リソースのグループ横断での最適・迅速配分を推進する。
将来に向けての準備を加速
バリューチェーン全体にわたり，高い価値を提供できるビジネスモデル構築にチャレンジ
素形材事業の拡大，複合材等の独自技術・ものづくり力の高度化を図る。
将来戦闘機用エンジンの開発，防衛装備品の海外展開を推進する。
衛星データ活用による新たな宇宙利用ソリューション事業の展開に取り組む。
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 22
変革を支える人づくり
IHIグループの「変革」を支える人づくり
求める人材像
お客さまと 世界レベルの
誠実と信頼 創造と革新 チームワーク プロフェッショナル
社会のために
＜主要施策＞
① 大胆なグループ人材の流動化と最適配置の実現
② プロアクティブな「学び直し」の仕組みの構築と推進
③ 高度プロフェッショナルの育成と積極的な獲得
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 23
経営目標①
10年後の目指す姿
売上高 2兆円規模／安定して営業利益率10％以上の実現
＜３ヵ年の目標と位置づけ＞
持続可能な社会と成長の実現に向けて，新たな価値を創造する企業へと変革を加速する
３年と位置づけ，事業の中身の組み替えを進めつつ以下の目標を達成する。
経営目標（2021年度） 投下資本収益性
投資効率を意識した事業運営を進めるとともに，変革へ
投下資本 ROIC
収益性 ※税引後ROIC
10%以上 の投資を拡大することで持続的な成長と企業価値の向上
を図る。
収益性 営業利益率 ８％
収 益 性 ・ キ ャッ シ ュ創出力
CCC 投下資本収益性を高めるため，営業利益率，キャッシュ・コ
キャッシュ
創出力 ※キャッシュ・コンバー 80日 ンバージョン・サイクルを業績管理の重要な指標とする。
ジョン・サイクル
売上高水準 15,000億円
投資水準（３年間） 4,200億円
※税引後ROIC=（営業利益+受取利息・配当金）税引後／（自己資本+有利子負債）
※CCC（キャッシュ・コンバージョン・サイクル）＝運転資本÷売上高×365日
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 24
経営目標②
事業領域別の営業利益率見通し
（億円）
営業利益／営業利益率 売上高
2018年度 2019年度 2021年度 2018年度 2019年度 2021年度
（実績） （見通し） （目標） （実績） （見通し） （見通し）
33 180 280
資源・エネルギー・環境 3,770 3,300 3,500
0.9% 5.5% 8.0%
142 150 180
社会基盤・海洋 1,431 1,700 1,700
9.9% 8.8% 10.6%
231 250 320
産業システム・汎用機械 4,410 4,500 4,400
5.2% 5.6% 7.3%
464 330 420
航空・宇宙・防衛 4,922 4,600 4,900
9.4% 7.2% 8.6%
その他 23 20 0 793 800 1,100
調整額 -70 -130 0 -494 -900 -600
1,200
合計 824 800 14,834 14,000 15,000
5.6% 5.7% 8.0%
為替レート 111.09円/$ 105円/$ 105円/$ 111.09円/$ 105円/$ 105円/$
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 25
新配当政策
配当については，安定的に実施することを基本に，当社グ
ループの成長に応じて，持続的に増加することを目指す。
配当政策 配当金額については，企業価値向上のための投資と自己
資本の充実・強化などを総合的に勘案しつつ，連結配当性
向30％程度を目安にする。
2019年度
１株当たり70円 （中間30円/株，期末40円/株）
配当予想
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 26
＜参考資料＞
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 27
「グループ経営方針2016」の集中と選択①
優先投資SBUを中心に更なる収益性の向上を目指した事業構造改革を実施
事業性に懸念のある事業（再生・再編指定SBU）については，2年以内（2017年度末）の再生・再編
を図り一定の目途をつけ，3年目も継続して構造改革プランを実行
＜2016年度以降の「集中と選択」と「構造改革」の進捗状況①＞
事業名 分類 時期 概要
IHIの子会社であるIHI運搬機械株式会社は光洋機械産業株式会社
パーキング事業 集中 2016年10月
から機械式立体駐車装置の保守・保全事業を譲受
IHIの子会社であるジャパントンネルシステムズ株式会社と三菱重工
シールド事業 集中 2016年10月 メカトロシステムズ株式会社のトンネル用シールド掘進機事業を統
合し，新事業会社「JIMテクノロジー株式会社」を発足
圧延機事業 ストリップキャスター事業を行なうCastrip社のIHIの持分や特許等の
選択 2016年10月
（ストリップキャスター） 権利を譲渡し，当該事業から撤退
構造 営業部門をIHIから株式会社IHI物流産業システムに統合して製販一
物流・産業システム事業 2016年10月
改革 貫体制にし，より迅速かつ機動的な事業活動を行える体制を確立
IHIの子会社であるIHI建機株式会社の全株式を株式会社加藤製作
建機事業 選択 2016年11月
所に譲渡
トルコDALGAKIRAN社とトルコに汎用ターボ圧縮機の生産・販売拠
回転機械事業 集中 2016年12月
点となる合弁会社を設立
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 28
「グループ経営方針2016」の集中と選択②
＜2016年度以降の「集中と選択」と「構造改革」の進捗状況②＞
事業名 分類 時期 概要
インフルエンザワクチン バイオ医薬品原薬製造会社である株式会社UNIGENのIHIの持分を
選択 2017年1月
原薬製造事業 アピ株式会社に譲渡
構造 株式会社神鋼環境ソリューションと廃棄物処理施設関連分野におけ
廃棄物処理事業 2017年3月
改革 る包括的業務提携契約を締結
舶用甲板機械事業（デッキクレーン，係船機）を株式会社大島造船
舶用機械事業 選択 2017年5月
所の子会社で舶用機械メーカの株式会社相浦機械に事業譲渡
IHIの子会社である株式会社IHIシバウラの防災事業を，ニューホラ
防災事業 選択 2017年6月 イズン キャピタル株式会社が管理運営するニューホライズン2号投
資事業有限責任組合が設立した会社へ承継
構造 IHIの子会社である株式会社IHIシバウラと株式会社IHIスターを統合
農機事業 2017年10月
改革 し，株式会社IHIアグリテックが発足
IHIの回転機械事業（圧縮機・分離装置など）と，IHIの子会社である
構造
回転機械事業 2017年10月 株式会社IHI回転機械が事業統合し，株式会社IHI回転機械エンジ
改革
ニアリングが発足
IHIの子会社であるIHI運搬機械株式会社はナブコドア株式会社から
パーキング事業 集中 2018年2月
機械式立体駐車装置の保守・保全事業を譲受
IHIの子会社であるIHI運搬機械株式会社と中国 華通集団傘下の華
パーキング事業 集中 2018年6月 通能源投資有限責任公司，華通科工投資有限責任公司の２社で，
中国に機械式駐車場事業を行なう合弁会社を設立
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 29
「グループ経営方針2016」の集中と選択③
＜2016年度以降の「集中と選択」と「構造改革」の進捗状況③＞
事業名 分類 時期 概要
IHIの子会社である株式会社IHIエアロスペースは，キヤノン電子株
ロケットシステム事業 集中 2018年6月 式会社，清水建設株式会社，株式会社日本政策投資銀行と共同で，
小型ロケット打上げ事業を行なうスペースワン株式会社を設立
F-LNG・海洋構造物事業の主力工場である愛知工場が受注済案件
F-LNG・海洋構造物事業 選択 2018年9月
を完工し，生産拠点としての機能を終了
IHIの子会社であるIHI運搬機械株式会社はオリエント産業株式会社
パーキング事業 集中 2018年10月
から機械式立体駐車装置の保守・保全事業を譲受
IHIの子会社であるJIMテクノロジー株式会社は，シールド掘進機の
シールド事業 集中 2018年10月
グローバル競争力強化に向け香港Terratec社の株式の51%を取得
IHIの子会社である株式会社IHIアグリテックの小型原動機事業を米
小型原動機事業 選択 2018年12月
国キャタピラー社へ継承
IHI子会社である株式会社IHI環境エンジニアリングの廃棄物処理施
環境対応システム事業 選択 2019年1月
設関連事業等を，株式会社神鋼環境ソリューションへ継承
IHIのプロセスプラント事業とIHIの子会社である株式会社IHIプラント
構造
プラント事業 2019年4月 エンジニアリングをIHIの子会社であるIHIプラント建設株式会社に統
改革
合し，株式会社IHIプラントが発足
IHIの原動機事業とIHIの子会社である株式会社ディーゼルユナイ
構造
原動機事業 2019年7月 テッドをIHIの子会社である新潟原動機株式会社に統合し，株式会社
改革
IHI原動機が発足予定
Copyright © 2019 IHI Corporation All Rights Reserved. 30
本資料のうち，業績見通し等に記載されている将来の数値は，現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通
しであり，リスクや不確実性を含んでいます。従いまして，これらの業績見通しのみに依拠して投資判断を下すこ
とは控えるようお願いいたします。実際に業績は，様々な重要な要素により，これら業績見通しとは大きく異なる
結果となり得ることをご承知置きください。実際の業績に与える重要な要素には，当社の事業領域を取り巻く政
治，経済情勢，対ドルをはじめとする円の為替レートなどがあります。