7012 川崎重 2021-05-11 11:30:00
川崎重工業株式会社による川重冷熱工業株式会社の簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ [pdf]
NO.2021012 2021 年5月 11 日
各 位
会 社 名 川崎重工業株式会社
代 表 者 名 代表取締役社長執行役員 橋本 康彦
コード番号 7012 東京① 名古屋①
問合先責任者 コーポレートコミュニケーション総括部
総括部長 鳥居 敬
【東京】 TEL 03-3435-2130
【神戸】 TEL 078-371-9531
会 社 名 川重冷熱工業株式会社
代 表 者 名 代表取締役社長 篠原 進
コード番号 6414 JASDAQ
問合先責任者 取締役生産総括室長 植村 博
【大阪】 TEL 06-6325-0300
【滋賀】 TEL 077-563-1111
川崎重工業株式会社による川重冷熱工業株式会社の
簡易株式交換による完全子会社化に関するお知らせ
川崎重工業株式会社(以下「川崎重工」といいます。 )および川重冷熱工業株式会社(以下「川重冷熱」
といいます。 )は、2021 年5月 11 日開催の両社の取締役会において、川崎重工を株式交換完全親会社
とし、川重冷熱を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。 )を行うことを
決議し、両社間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。 )を締結いたしましたので、下記
のとおりお知らせいたします。
なお、本株式交換は、川崎重工においては、会社法(平成 17 年法律第 86 号。その後の改正を含みます。
以下同じです。 )第 796 条第2項本文の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の承認を得ずに、
また、川重冷熱においては、2021 年6月 25 日に開催予定の定時株主総会における承認を得た上で、
2021 年8月1日を効力発生日として行う予定です。
本株式交換の効力発生日(以下「本効力発生日」といいます。 )に先立ち、川重冷熱の普通株式(以下
「川重冷熱株式」といいます。 )は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。 )
JASDAQ(スタンダード) (以下「JASDAQ スタンダード」といいます。)において、2021 年7月 29 日付
で上場廃止(最終売買日は 2021 年7月 28 日)となる予定です。
記
1.本株式交換の目的
川崎重工は、1896 年 10 月に、株式会社川崎造船所として設立され、2021 年3月 31 日現在、川崎重工、
川崎重工連結子会社 99 社および持分法適用関連会社 19 社(以下「川崎重工グループ」といいます。 )
により構成されています。川崎重工グループは川崎重工を中心として航空宇宙システム事業、エネルギー
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ソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、車両事業、モーターサイクル&エンジン事業
およびその他事業を営んでいます。
川崎重工グループは、2030 年に目指す将来像として、グループビジョン 2030「つぎの社会へ、信頼
のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」を制定しており、社会課題へのソリューション
を提供するため、今後注力するフィールドを①安全安心リモート社会、②近未来モビリティ(人・モノ
の移動を変革) 、③エネルギー・環境ソリューションとし、変化に合わせて、より成長できる事業体制へ
の変革を目指しています。当該事業方針のもと、2021 年4月にエネルギー・環境プラント事業と船舶
海洋事業を統合し、2021 年 10 月には車両事業およびモーターサイクル&エンジン事業を分社する予定
です。また、各事業の連携をより効果的なものにするため、川崎重工グループの事業を陸・空輸送システム
(航空宇宙システムカンパニーおよび車両(新会社)で構成) 、モーションコントロール&モータービークル
(精密機械・ロボットカンパニーおよびモーターサイクル&エンジン(新会社)で構成)ならびにエネルギー
&マリンエンジニアリング(エネルギー・環境プラントカンパニーおよび船舶海洋カンパニーを統合)
の3つのグループに再編成いたしました。車両事業およびモーターサイクル&エンジン事業の分社化に
ついては、既に 2021 年3月に、2021 年 10 月1日を効力発生日として、川崎重工が行う事業のうち、
車両事業については川崎車両株式会社へ、およびモーターサイクル&エンジン事業についてはカワサキ
モータース株式会社へ、それぞれ権利義務を吸収分割により承継させる旨公表しております。なお、
川重冷熱が属するエネルギー&マリンエンジニアリンググループにおいては、これまで水素エネルギー
の利活用に早くから取り組んできた川崎重工の強みを活かすことで、水素エネルギー分野における
リーディングカンパニーとして、水素社会実現に向けた取組みを加速していく考えです。詳細について
は、2020 年 11 月2日に川崎重工が公表したプレスリリース「車両およびモーターサイクル&エンジン
事業の分社、ならびに船舶海洋とエネルギー・環境プラントの事業統合について(方針決定)」ならびに
2021 年3月 31 日に川崎重工が公表したプレスリリース「当社車両事業の会社分割(簡易分割)による
当社子会社への承継に係る吸収分割契約の締結に関するお知らせ」および「当社モーターサイクル&
エンジン事業の会社分割(簡易分割)による当社子会社への承継に係る吸収分割契約の締結に関する
お知らせ」をご覧ください。
一方、川重冷熱は、1972 年3月に川崎重工が製造・販売する空調機器・汎用ボイラの西日本地区
(静岡県大井川以西)における改修改造工事、メンテナンス(以下「メンテナンス工事」といいます。 )
を担当することを目的に、川重冷熱サービス株式会社として、川崎重工の 100%出資にて設立されました。
1978 年7月には、現社名である川重冷熱工業株式会社に商号変更を行い、同月東日本地区(静岡県
大井川以東)のメンテナンス工事を所管する川重東京冷熱サービス株式会社を合併し、併せて川崎重工
より同社の空調機器・汎用ボイラの営業部門の移管を受けました。さらに 1984 年には川崎重工の空調
機器・汎用ボイラ製造部門(滋賀工場)の移管を受け、それ以来現在まで、川崎重工が営むエネルギー
&マリンエンジニアリング事業における中核子会社として、空調用熱源、工場でのプロセス用熱源となる
吸収冷温水機・冷凍機と汎用ボイラの開発、製造、販売、およびメンテナンス工事までの一貫した事業
を行っております。主要製品として、空調機器分野においては、主に空調用の熱源として冷水、温水を
発生させる吸収冷温水機・冷凍機、汎用ボイラ分野においては、主に工場用の熱源として蒸気を発生
させる貫流ボイラ、排熱ボイラ、水管ボイラ、炉筒煙管ボイラがございます。なお、川重冷熱が取り扱う
汎用ボイラはいずれもパッケージボイラ(完成品としてトレーラー等で運送ができる製品)であり、
川崎重工が取り扱う大型ボイラ(現地での組み立てが必要な製品)は含んでおらず、川崎重工とは異なる
市場で事業展開しております。川重冷熱は、1990 年に日本証券業協会への店頭登録を行い、2004 年の
株式会社ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所 JASDAQ スタンダード)への株式上場を経て、
2010 年4月の株式会社ジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」
といいます。 )の合併に伴い大阪証券取引所 JASDAQ に上場、その後、2013 年7月の東京証券取引所と
大阪証券取引所との現物株式市場の統合に伴い現在東京証券取引所 JASDAQ スタンダードに株式を上場
しております。
川重冷熱は設立以来、川崎重工から受け継いだ技術を深化させるかたちで、 「省電力」「省エネ」
「省CO2」
「高度で広範な排熱利用」をキーワードに、熱交換技術を核とした冷熱機器・システムメーカーとして
社会に貢献することを掲げ、ものづくりに注力してまいりました。
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空調機器分野では、川崎重工において吸収冷温水機・冷凍機メーカーのパイオニアとして 1959 年に
国内で初めて吸収冷凍機を製造して以来、1964 年に世界で初めて二重効用吸収冷温水機を製造、その後
川重冷熱として受け継いでからは、二重効用機としてエネルギー消費効率が業界最高レベルの機器の
製品化をはじめ、吸収冷温水機としてエネルギー消費効率が世界最高となる三重効用吸収冷温水機の
世界初の製品化や太陽熱を利用するソーラー吸収冷温水機を製品化するなど、常に先進的な製品を市場
に送り出すトップランナーとして業界をリードしてまいりました。川重冷熱設立後も、川崎重工との間
では、電気式水冷媒ターボ冷凍機の共同開発や川崎重工が製造するバイナリー発電機の熱交換器を川重冷熱
が担当する等、技術交流は継続しております。川重冷熱の吸収冷温水機・冷凍機は、ホテル・病院・
オフィスビル・大型商業施設・工場・地域冷暖房施設といった空調用の熱源として様々な場所で採用
されており、近年では、省電力機器であることや自然冷媒である水を冷媒としていること、また未利用熱
を有効に活用できることから、その優れた環境性能が再評価されています。
汎用ボイラ分野では、川崎重工における 1899 年の初号機製造以来 120 年を超える歴史をもち、長年
にわたり培われた燃焼技術を活かし、川重冷熱においてさらに進化させた水管ボイラ・炉筒煙管ボイラ、
これらの大型汎用ボイラで培った技術を活かして、業界に先駆けて大型貫流ボイラを製品化し、業界に
一石を投じました。また、排熱を有効利用する排熱ボイラ、特に、川崎重工の発電システムには欠かすこと
ができない大型から小型の排熱ボイラを製品化するなど、多様な汎用ボイラを製造・販売してきました。
川重冷熱の汎用ボイラは、発電システム用の排熱ボイラ、地域冷暖房・工場用の大型汎用ボイラから
暖房・給湯用等の小型汎用ボイラまで様々な品揃えがあり、主には産業用途の熱源・動力源として採用
されています。
また、近年では、将来の水素エネルギーの普及を見据え、水素エネルギーサプライチェーンに必要な
インフラ技術の開発・製品化に取り組んでおります。2018 年5月には川崎重工と共同で、水素燃焼で
課題となるNOx排出値が世界最小レベルのドライ式低NOx水素専焼バーナを開発し、小型貫流ボイラ
への搭載による製品化の計画を進めております。生産工程の副産物として水素が発生する化学品メーカー
などに有効活用していただくことを含め、ボイラ単体だけのモノでなく、エネルギーを活用するコトに
ついて、川崎重工グループの一員としてトータルソリューションの提供に努めています。
昨今、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞からの経済復興策としてグリーン・
リカバリーの機運が高まり、世界的な脱炭素化に向けた動きが加速しております。我が国においても
2020 年 10 月 26 日の菅内閣総理大臣所信表明演説において「2050 年カーボンニュートラル、脱炭素社会
の実現を目指す」方針が宣言され、川崎重工グループが推進している「水素エネルギー社会の実現」に
向けた取組みはますます重要性を増しております。川重冷熱を取り巻く事業環境は、これらの流れにより、
熱源機器市場(空調機器・汎用ボイラ)の市場環境変化が加速すると予測され、川重冷熱のビジネス
領域においても脱炭素化への対応が求められます。
このような状況下で、川重冷熱は、吸収冷温水機・汎用ボイラを核として、省エネ要求に対応する
製品・システム開発を推進し、熱源機器メーカーとして省電力・省エネ・省CO2等のエネルギー
ソリューションを積極的に展開し、市場の技術要求にお応えするとともに、脱炭素社会実現への貢献を
目指しております。具体的にはCO2を排出しないクリーンエネルギーとして水素への注目が世界的に
ますます高まっている中、水素専焼貫流ボイラの製品化を進め、販売を 2021 年5月より開始するほか、
水素利用技術の空調機器への展開も既に手掛けております。しかし、変化する市場ニーズを的確にとらえ、
さらに成長を加速するためには、これまで以上に様々な一次エネルギーや省エネ要求に対応する製品・
システム開発の取組みを強化する必要があると考えております。また、近年、空調市場・ボイラ市場の
国内の総需要自体は安定的に推移しておりますが、リプレイス需要を中心とする成熟市場であり、
脱炭素化の流れの中で今後の更なる事業拡大を確実なものとするためにも、市場の様々な要請に対応する
製品・システム開発を行うと共に、東南アジアを始めとする海外ビジネスの展開が不可欠と考えており
ます。
今後は、足下では以下のとおり、既存事業を成長させ利益確保に努めつつ、新規事業として脱炭素化
ビジネスへの注力を成長戦略と定め、新たなビジネスモデル構築に向け取り組んでまいります。
そのためにも以下に記載する川崎重工との連携強化分野におけるシナジー創出により、技術・ノウハウ・
経営資源の共有化を進め、企業競争力を強化してまいります。
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(既存事業)
① 既存市場において、メンテナンス売上高の基盤となり、かつ新製品へのリプレイスにつなが
るストック台数を増加させるため、市場ニーズに合致した省エネ、省CO2製品の上市
② ボイラ機器を中心とした海外市場でのシェアアップ
③ 未利用廃熱や再生エネルギーの高度利用が可能な機器の開発
④ エネルギーソリューション(注)の更なる展開による付加価値を付けた営業展開
⑤ 遠隔監視システムの更なる活用によるサービスの高度化および周辺機器を含めたメンテナン
ス工事の範囲拡大
(注)エネルギーソリューションとは、機器単体のみでなく空調設備全体の省エネルギー・省CO2を
提案する営業活動のことをいいます。
(川崎重工との連携強化分野)
① 川崎重工の発電システムに必要な排熱ボイラでの連携強化
② 生産リソースの有効活用
③ 海外販売拠点での更なる連携強化
④ 水素関連事業を中心とした脱炭素技術での協業
近年、上場子会社のガバナンスに関し、構造上の利益相反リスクとその対応策強化を求める動きが
高まっており、経済産業省策定の 2019 年6月 28 日付「グループ・ガバナンス・システムに関する実務
指針」においても、上場子会社においては、 「取締役会における独立社外取締役の比率を高めること(1/3
以上や過半数等)を目指すことが基本」とされる等、上場子会社の今後の更なるガバナンスの強化は必須
となっています。さらに、今般、東京証券取引所が公表した 2020 年2月 21 日付「新市場区分の概要等
について」および 2020 年 12 月 25 日付「市場区分の見直しに向けた上場制度の整備について(第二次
制度改正事項)(以下総称して「新市場区分に関する東京証券取引所公表資料」といいます。
」 )によれば、
2021 年6月を移行基準日として、2022 年4月より、従来の市場第一部、市場第二部、JASDAQ
(スタンダードおよびグロース) 、マザーズの5つの市場区分は、新たにプライム市場、スタンダード市場、
グロース市場の3市場に整理される方針となっております。現在東京証券取引所 JASDAQ スタンダード
に上場している川重冷熱は、新市場区分への移行に際してスタンダード市場への移行を選択することに
なるところ、現時点において、川重冷熱株式の 83.30%(発行済株式総数に対する割合。間接保有分を
含みます。 )は川崎重工が所有しており、川重冷熱は東京証券取引所が公表しているスタンダード市場の
上場維持基準である、 「流通株式比率 25%以上」の条件を充たしておりません。新市場区分に関する
東京証券取引所公表資料によれば、東京証券取引所においては、新市場区分への移行後も、当分の間は
一定の条件のもとで経過措置として緩和された上場維持基準が適用される見通しではあるものの、川崎
重工としては、川重冷熱の株主構成が上記のとおりであることを主たる原因として川重冷熱株式の東京
証券取引所 JASDAQ スタンダードにおける流動性が乏しいこと等に鑑みると、上記条件を充足するため
に流通株式数を増加させる等の実効性のある対策をとることは現時点においても将来においても経営負担が
決して小さくない上に、現在の株主構成が大幅に変更されない限りは上記の経過措置を経て上場廃止と
なる可能性があり、結果として将来的に川重冷熱の一般株主の皆様において川重冷熱株式の売買の機会
が奪われてしまう事態が生じる可能性があると考えております。
このような認識のもと、川崎重工と川重冷熱は、2020 年 10 月より、今後の協業体制の在り方につい
て、協議を開始致しました。具体的には、川崎重工および川重冷熱を取り巻く事業環境、今後の企業価
値向上に向けた成長戦略、東京証券取引所の新市場区分への移行の見通しなどを踏まえた川崎重工と川
重冷熱の最適なガバナンスの在り方などについて協議を行いました。協議の結果、川崎重工としては、
新市場区分への移行前に、株式交換により川重冷熱の完全子会社化を実施し、親子上場の利益相反の懸
念を解消すること、川重冷熱の株式を流動性の高い川崎重工の株式と交換し、川重冷熱の一般株主の皆
様に対して流動性を確実に提供すること、ならびに、これまで川重冷熱が行ってきた顧客の生産プロセ
スにおけるエネルギー関連機器・設備の一体ソリューション提供や川崎重工の販路を活用した川重冷熱
の製品の海外拡販に加え、水素関連技術のボイラ・空調機への応用など、更なる協業体制の強化による
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経営資源の有効活用、川重冷熱上場に係る直接・間接経費削減等の施策実現を通じ、川崎重工グループ
の企業価値向上を目指すことが適切であるとの判断に至り、2021 年1月中旬に、川重冷熱に対し、株
式交換による完全子会社化に向けた協議の申入れを行いました。川崎重工としては、特に、排熱ボイラ
での連携強化や生産リソースの有効活用は、川崎重工グループにとっても足下での製品競争力・提案力
の強化や生産能力の最適化に寄与するものであると考えており、期待しております。
このような提案を受け、川重冷熱においても取り巻く環境や課題について改めて検討いたしました。
川重冷熱としても、ますます脱炭素化ニーズが高まることが想定される事業環境下において、足下での
利益確保に加えて、中長期的視点で「脱炭素社会の実現」に向けた対応を進めていく必要があると認識
しております。とりわけ水素は「脱炭素社会の実現」に向けて大きな期待が寄せられており、川崎重工
グループは、水素エネルギー分野におけるリーディングカンパニーとして、水素社会実現に向けた取組
みを加速していくこととしていますが、施策を実行していくために必要な人材面での強化や、新たな技
術領域での開発体制の強化、合理化による販売管理費等の更なるコスト低減等が経営上の重要な課題で
あると認識しております。これらを解決し、川崎重工グループとしてエネルギー&マリンエンジニアリ
ング事業の市場競争力をさらに向上させていくためには、川崎重工と川重冷熱が従来以上に連携を深化
させ、川崎重工グループ一体としての事業運営を強化することが必須であるとの認識に至りました。
川重冷熱は、本株式交換を実行することで、支配株主である川崎重工と川重冷熱の一般株主との間の
構造的利益相反関係に留意することなく、従前以上に両社間の協力関係を深化させ、グループ力を発揮
するための機動的かつ迅速な意思決定環境を整備し、両社の一体的な事業経営および両社の経営資源を
最大限に活用した事業戦略の推進が可能となり、川重冷熱としての企業価値向上に繋がり、ひいては川
崎重工グループの企業価値向上に貢献できると考えております。
具体的には、川重冷熱としては、主に以下のシナジーが両社に現れると考えております。
1. 川崎重工グループの知的財産の有効活用による市場対応力の強化および新規事業の創出
現在川重冷熱は川崎重工グループと、水素関連事業等、特に脱炭素技術で共同開発を行っており
ますが、本株式交換を通じて、川崎重工の新規技術に関する知的財産の一層の有効活用が可能にな
ると考えております。具体的には、川重冷熱が川崎重工の完全子会社となることにより、川重冷熱
の独立性への留意が不要となり、かつ川崎重工の知的財産から創出される利益が川崎重工グループ
外へ流出することへの配慮が不要となるため、川崎重工から川崎重工の特許をはじめとする知的財
産を共有される範囲が広がることが期待され、その応用によって川重冷熱の新製品の開発期間の短
縮を図り、市場対応力を強化することが期待できます。また、川崎重工の知的財産を活用すること
により、空調機器分野、汎用ボイラ分野、その他既存分野に捉われない新規事業の創出の推進を図
ることが期待できます。
2. 川重冷熱の海外事業展開における川崎重工拠点の積極活用
現在川重冷熱はマレーシアとタイにおいて、川崎重工の現地拠点を活用し、両国における川重冷
熱製品拡販の足掛かりとしております。本株式交換を通じて、川崎重工海外拠点の一層の活用が可
能になると考えており、川崎重工拠点の活用により、当該地域における川重冷熱シェアを拡大する
ことができ、顧客基盤の拡大につながります。
3. 川崎重工グループの購買情報共有化によるコストダウン
現在川重冷熱は川崎重工グループの集中購買に部分的に参加しておりますが、今後は、川崎重工
グループ内における横断的な購買情報の共有化により素材・部品のコストおよび輸送コストの削減
に活用できると考えております。また、コストダウンだけでなく新しい取引先との協働による新製
品の開発等につながることが期待できます。
4. 人材育成の一環としての人事交流の活発化
現在川重冷熱と川崎重工の人事交流は、川崎重工から非常勤の取締役1名と監査役1名を受け入
れているほか、営業等の人事交流に限られております。今後は、技術者の双方向の人事交流や、生
産集中時の人的資源の機動的な配置等、現在以上に川崎重工グループ内での人事交流を活発化でき
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ると考えており、その結果グループ全体での最適な人材配置を図ることができるのみならず、人材
育成の観点からも好影響が期待され、さらに人事交流の結果として両社の技術、営業その他のノウ
ハウが共有されることにより、新たな製品やサービスの創出につながることも期待できます。
5. 川崎重工経営資源の有効活用
本株式交換を通じて、川重冷熱は川崎重工の経営資源を現在以上に活用できるようになると考え
ております。具体的には、川崎重工グループの法務機能のノウハウの有効活用による川重冷熱間接
部門の強化、川崎重工のマーケティング力の活用による川重冷熱のビジネス機会の拡大、川崎重工
の品質管理ノウハウの有効活用による川重冷熱の技術力・品質管理ノウハウの一層の向上が期待さ
れます。
6. 上場維持コストの削減等
経済産業省策定の 2019 年6月 28 日付「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」
において、上場子会社においては、取締役会における独立社外取締役の比率を高めることを目指す
ことが求められている等、親子上場に対する経営監視の目が一層厳しくなっております。また、新
市場区分に関する東京証券取引所公表資料によれば、2022 年4月より現在東京証券取引所
JASDAQ スタンダードに上場している川重冷熱が移行すると想定されるスタンダード市場では、
「流通株式比率 25%以上」が上場維持基準の一つとなっております。しかし、現状の川重冷熱と川
崎重工の資本関係では、この基準を充たすための流通株式の増加等の実効性のある対策を取ること
が、現在においても将来においても困難な状況にあります。このような状況下において、川重冷熱
が独立性の維持を意識した上で上場を維持するためには、増員が要請される独立した社外取締役の
確保や、川重冷熱の現状の市場での売買状況を鑑みると流通株式数の増加等の施策の実現性のハー
ドルが極めて高く、本株式交換によって非上場化を実現することにより、このような負担やハード
ルから解放されるほか、上場会社として必要となる管理部門の維持のための費用その他のコストな
ど、上場維持によるその他の経営負担も解消され、開発投資等事業成長への経営資源の有効活用を
図ることが可能となり、川重冷熱の企業価値の向上に資すると考えております。
完全子会社化の方法としては、(a)本株式交換の対価として川崎重工の普通株式(以下「川崎重工株
式」といいます。)が川重冷熱の一般株主の皆様に交付されることにより、川崎重工株式の保有を通じて、
本株式交換に伴い期待される川重冷熱の展開する排熱ボイラ製品分野での連携強化、熱交換および燃焼
に関する技術・知見の活用、川崎重工製品の競争力強化およびソリューション提案強化等のシナジーの
実現による川崎重工グループの企業価値向上の成果を川重冷熱の一般株主の皆様に対して提供できる一
方で、流動性の高い川崎重工株式を市場で取引することで随時現金化することも可能であること、並び
に(b)川崎重工は、川重冷熱の一部の取引先が川重冷熱株式を所有しており、川重冷熱株式の所有を
通じた資本関係が、川重冷熱と当該取引先との関係性の構築・維持に寄与していると認識しているため、
川重冷熱株式に対する公開買付けといった金銭のみを対価とするスキームによって川重冷熱の完全子会
社化をすることで、当該取引先と川重冷熱の間の資本関係を完全に失わせるのではなく、川重冷熱の非
公開化後は川崎重工株式を所有していただくことで、川重冷熱と当該取引先との関係性を維持・発展さ
せた方が川重冷熱の企業価値向上に資すると考えたことから、川崎重工および川重冷熱は株式交換のス
キームを選択することが望ましいと判断いたしました。
これらの点を踏まえて、総合的に検討した結果、川崎重工および川重冷熱は、本株式交換により川重
冷熱が川崎重工の完全子会社となることが、川崎重工および川重冷熱それぞれの企業価値の向上ひいて
は川崎重工グループの企業価値の向上に資するものであり、川崎重工および川重冷熱の双方の株主に
とっても有益なものであるとの認識で一致したことから、両社において、本株式交換に係る割当比率を
含む諸条件についての検討および協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会決議により、川崎重工
が川重冷熱を完全子会社とすることを目的として、本株式交換を実施することを決議し、本株式交換契
約を締結いたしました。
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2.本株式交換の要旨
(1)本株式交換の日程
本株式交換契約承認定時株主総会基準日(川重冷熱) 2021 年3月 31 日
本株式交換契約締結に係る取締役会決議日(両社) 2021 年5月 11 日(本日)
本株式交換契約締結日(両社) 2021 年5月 11 日(本日)
本株式交換契約承認定時株主総会(川重冷熱) 2021 年6月 25 日(予定)
最終売買日(川重冷熱) 2021 年7月 28 日(予定)
上場廃止日(川重冷熱) 2021 年7月 29 日(予定)
本株式交換の本効力発生日 2021 年8月1日(予定)
(注1)上記日程は、本株式交換に係る手続進行上の必要性その他の事由によって必要となる場
合には、両社の合意により変更されることがあります。上記日程に変更が生じた場合に
は、速やかに公表いたします。
(注2)本株式交換は、川崎重工においては、会社法第 796 条第2項本文の規定に基づき、簡易
株式交換の手続により、株主総会の承認を得ずに行われる予定です。
(2)本株式交換の方式
川崎重工を株式交換完全親会社、川重冷熱を株式交換完全子会社とする株式交換を行います。な
お、本株式交換は、川崎重工においては、会社法第 796 条第2項本文の規定に基づき、簡易株式交
換の手続により、株主総会の承認を得ずに、川重冷熱においては、2021 年6月 25 日に開催予定の
定時株主総会において承認を得た上で、2021 年8月1日を効力発生日として行う予定です。
(3)本株式交換に係る割当ての内容
川崎重工 川重冷熱
(株式交換完全親会社) (株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率 1 0.60
本株式交換により交付する株式数 川崎重工の普通株式:841,268 株(予定)
(注1)株式の割当比率
川重冷熱株式1株に対して、川崎重工株式 0.60 株を割当交付いたします。ただし、川
崎重工が保有する川重冷熱株式(本日現在 6,985,300 株)については、本株式交換に
よる株式の割当ては行いません。なお、上記表の本株式交換に係る割当比率(以下「本
株式交換比率」といいます。 )は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合
には、両社協議し合意の上、変更することがあります。
(注2)本株式交換により交付する川崎重工の株式数
川崎重工は、本株式交換に際して、川崎重工が川重冷熱の発行済株式(ただし、川崎重
工が保有する川重冷熱株式を除きます。 )の全部を取得する時点の直前時(以下「基準
時」といいます。 )の川重冷熱の株主の皆様(ただし、下記の自己株式の消却が行われ
た後の株主をいうものとし、川崎重工を除きます。 )に対して、その保有する川重冷熱
株式に代えて、本株式交換比率に基づいて算出した数の川崎重工株式を割当交付いたし
ます。本株式交換によって交付する川崎重工株式には、新たに発行する川崎重工株式を
使用する予定です(ただし、川崎重工の判断により、上記に従い割当交付される川崎重
工株式の一部として、川崎重工が保有する自己株式を充当する可能性があります。。な )
お、川重冷熱は、本効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、基準時の
直前の時点において保有している自己株式(本株式交換に際して行使される会社法第
785 条第1項に基づく反対株主の株式買取請求により川重冷熱が取得する自己株式を含
みます。 )の全部を、基準時の直前の時点において消却する予定です。本株式交換によ
り割当交付する川崎重工株式の総数については、川重冷熱による自己株式の取得・消却
等の理由により、今後修正される可能性があります。
7
(注3)単元未満株式の取扱い
本株式交換により、川崎重工の単元未満株式(100 株未満の川崎重工株式)を保有する
こととなる川重冷熱の株主の皆様につきましては、川崎重工株式に関する以下の制度を
ご利用いただくことができます。なお、東京証券取引所、株式会社名古屋証券取引所
(以下「名古屋証券取引所」といいます。 )およびその他の金融商品取引所においては
単元未満株式を売却することはできません。単元未満株式を保有することとなる株主の
皆様においては、以下の制度をご利用いただくことができます。
① 単元未満株式の買増制度(1単元(100 株)への買増し)
会社法第 194 条第1項および川崎重工の定款第 10 条の定め等に基づき、単元未満株式
を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元(100 株)と
なる数の川崎重工株式を売り渡すことを請求し、これを川崎重工から買い増すことがで
きる制度です。
② 単元未満株式の買取制度(1単元(100 株)未満株式の売却)
会社法第 192 条第1項の規定に基づき、川崎重工の単元未満株式を保有する株主の皆様
が、その保有する単元未満株式を買い取ることを川崎重工に対して請求することができ
る制度です。
(注4)1株に満たない端数の処理
本株式交換に伴い、川崎重工株式1株に満たない端数の割当交付を受けることとなる川
重冷熱の株主の皆様に対しては、会社法第 234 条その他の関連法令の規定に基づき、そ
の端数の合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合は、これを切り捨てるものと
します。)に相当する数の川崎重工株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて
当該株主の皆様に交付いたします。
(4)本株式交換に伴う新株予約権および新株予約権付社債に関する取扱い
川崎重工の完全子会社となる川重冷熱は新株予約権および新株予約権付社債のいずれもを発行し
ていないため、該当事項はありません。
3.本株式交換に係る割当ての内容の根拠等
(1)割当ての内容の根拠および理由
川崎重工および川重冷熱は、2020 年 10 月より、今後の協業体制の在り方について、協議を行っ
ておりましたが、それを踏まえて、上記1. 「本株式交換の目的」に記載のとおり、2021 年1月中
旬に、川崎重工から川重冷熱に対して本株式交換の正式提案が行われ、両社の間で真摯に協議・交
渉を重ねた結果、川崎重工が川重冷熱を完全子会社とすることが、両社の企業価値向上の観点で最
善と考えるに至りました。
川崎重工および川重冷熱は、本株式交換比率の決定に当たって公正性・妥当性を確保するため、
それぞれ別個に両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、川崎
重工は野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。 )を、川重冷熱はSMBC日興証券株式会
社(以下「SMBC日興証券」といいます。 )を、それぞれのファイナンシャル・アドバイザーおよ
び第三者算定機関に選定いたしました。
川崎重工においては、下記(4) 「公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機
関である野村證券から 2021 年5月 10 日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リーガル・ア
ドバイザーである弁護士法人大江橋法律事務所(以下「大江橋法律事務所」といいます。 )からの助
言等を踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当であり、川崎重工の株主の
皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うこ
とが妥当であると判断いたしました。
川重冷熱においては、下記(4) 「公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機
関であるSMBC日興証券から 2021 年5月 10 日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リー
ガル・アドバイザーである北浜法律事務所・外国法共同事業(以下「北浜法律事務所」といいます。 )
8
からの助言、支配株主である川崎重工との間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特
別委員会(以下「本特別委員会」といい、詳細については、下記(5) 「利益相反を回避するための
措置」に記載のとおりです。)からの指示、助言および 2021 年5月 10 日付で受領した答申書等を
踏まえて慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当であり、川重冷熱の株主の皆様の
利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥
当であると判断いたしました。
上記のほか、川崎重工および川重冷熱は、それぞれの第三者算定機関から提出を受けた株式交換
比率の算定結果を参考に、適宜、それぞれのリーガル・アドバイザーから助言等を受けるとともに、
両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、
また、相手方の財務状況、業績動向、株価動向等を勘案し、交渉・協議を重ねてまいりました。
その結果、本株式交換比率が妥当であり、それぞれの株主の利益に資するものであるとの判断に
至り、本株式交換比率により本株式交換を行うことに合意いたしました。
なお、本株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協
議し合意の上、変更することがあります。
(2)算定に関する事項
① 算定機関の名称および両社との関係
川崎重工の第三者算定機関である野村證券および川重冷熱の第三者算定機関であるSMBC日興
証券は、いずれも川崎重工および川重冷熱から独立した算定機関であり、両社の関連当事者には該
当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
② 算定の概要
野村證券は、川崎重工については、同社が東京証券取引所市場第一部および名古屋証券取引所市
場第一部に上場しており、市場株価が存在することから、市場株価平均法(算定基準日である2021
年5月 10 日を基準日として、東京証券取引所における川崎重工株式の算定基準日の株価終値、
2021 年4月 28 日から算定基準日までの直近5営業日の終値平均値、2021 年4月 12 日から算定
基準日までの直近1ヶ月間の終値平均値、2021 年2月 12 日から算定基準日までの直近3ヶ月間の
終値平均値、2020 年 11 月 11 日から算定基準日までの直近6ヶ月間の終値平均値を採用しており
ます。 )を採用して算定を行いました。
川重冷熱については、同社が東京証券取引所 JASDAQ スタンダードに上場しており、市場株価が
存在することから、市場株価平均法(算定基準日である 2021 年5月 10 日を基準日として、東京証
券取引所における川重冷熱株式の算定基準日の株価終値、2021 年4月 28 日から算定基準日までの
直近5営業日の終値平均値、2021 年4月 12 日から算定基準日までの直近1ヶ月間の終値平均値、
2021 年2月 12 日から算定基準日までの直近3ヶ月間の終値平均値、2020 年 11 月 11 日から算定
基準日までの直近6ヶ月間の終値平均値を採用しております。 )を、また川重冷熱には比較可能な上
場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較
法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フ
ロー法(以下「DCF 法」といいます。 )を、採用して算定を行いました。
川崎重工の1株当たりの株式価値を1とした場合の各評価方法における算定結果は以下のとおり
です。
採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価平均法 0.53~0.63
類似会社比較法 0.16~0.28
DCF 法 0.46~0.68
野村證券は、株式交換比率の算定に際して、公開情報および野村證券に提供された一切の情報が
正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性および完全性についての検証は
行っておりません。両社およびその関係会社の資産または負債(金融派生商品、簿外資産および負
9
債、その他の偶発債務を含みます。 )について、個別の資産および負債の分析および評価を含め、独
自に評価、鑑定または査定を行っておらず、第三者機関への鑑定または査定の依頼も行っておりま
せん。川重冷熱の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。 )については、川重冷熱の経営陣に
より現時点で得られる最善かつ誠実な予測および判断に基づき合理的に検討または作成されたこと
を前提としております。野村證券の算定は、2021 年5月 10 日までに野村證券が入手した情報およ
び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、川崎重工の取締役会が株式交換比率を
検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、野村證券が DCF 法による算定の前提とした川重冷熱の利益計画において、大幅な増減益が
見込まれている事業年度はありません。また、当該事業計画は、本株式交換の実施を前提としてお
りません。
他方、SMBC日興証券は、川崎重工については、同社が東京証券取引所市場第一部に上場して
おり市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いました。市場株価法におい
ては、2021 年5月 10 日を算定基準日として、東京証券取引所市場第一部における1ヶ月間
(2021 年4月 12 日から 2021 年5月 10 日まで)、3ヶ月間(2021 年2月 12 日から 2021 年5
月 10 日まで)および6ヶ月間(2020 年 11 月 11 日から 2021 年5月 10 日まで)の各期間の終値
の単純平均値を採用しております。
川重冷熱については、同社が東京証券取引所 JASDAQ スタンダードに上場しており市場株価が存
在していることから市場株価法を、また比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社との
比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、加えて、将来の事業活動
の状況を評価に反映するために DCF 法を用いて算定を行いました。
市場株価法においては、2021 年5月 10 日を算定基準日として、東京証券取引所 JASDAQ スタ
ンダードにおける1ヶ月間(2021 年4月 12 日から 2021 年5月 10 日まで) 、3ヶ月間(2021 年
2月 12 日から 2021 年5月 10 日まで)および6ヶ月間(2020 年 11 月 11 日から 2021 年5月
10 日まで)の各期間の終値の単純平均値を採用しております。
類似上場会社比較法については、川重冷熱と類似性があると判断される類似上場会社として、株
式会社富士通ゼネラル、三浦工業株式会社および新晃工業株式会社を選定した上で、事業価値に対
する EBITDA の倍率を用いて算定を行いました。
DCF 法では、川重冷熱が作成した 2022 年3月期から 2031 年3月期までの財務予測に基づく
2022 年3月期以降に川重冷熱が創出すると見込まれるフリーキャッシュフローを、一定の割引率で
現在価値に割り引くことによって事業価値や株式価値を評価しております。DCF 法における継続価
値の算定については永久成長法およびマルチプル法により算出しております。具体的には割引率は
5.59%~6.84%を使用しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average
Cost of Capital, WACC)を使用しております。また、永久成長法では永久成長率として-0.25%~
0.25%を使用し、マルチプル法では EBITDA マルチプルとして 10.0 倍~12.2 倍を使用しておりま
す。
なお、本株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点にお
いて収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF 法による算定の前提とした
財務予測には反映しておりません。また、SMBC日興証券が DCF 法の採用に当たり前提とした川
重冷熱の事業計画の各期において、大幅な増減益は見込んでおりません。
なお、各評価方法による川重冷熱の普通株式1株に対する川崎重工の普通株式の割当株数の算定
レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価法 0.56~0.63
類似上場会社比較法 0.48~0.64
DCF法 0.47~0.79
10
(注)SMBC日興証券は、株式交換比率算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料お
よび情報は全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性および完全性に関して独自
の検証は行っておらず、その義務および責任を負うものではなく、提供された情報が不正確または
誤解を招くようなものであるとする事実または状況等につき川崎重工および川重冷熱において一切
認識されていないことを前提としております。また、川崎重工、川重冷熱およびその関係会社の資
産または負債に関して、独自に評価、鑑定または査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、
鑑定または査定の依頼も行っておりません。これらの資料および情報の正確性および完全性に問題
が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、川崎重工および川重
冷熱並びにその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶
発債務・簿外債務並びに株式交換比率算定書に重大な影響を与えるその他の事実については存在し
ないことを前提としております。SMBC日興証券が、株式交換比率算定書で使用している川重冷
熱の事業計画等は、算定基準日における最善の予測および判断に基づき、川重冷熱により合理的か
つ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、株式交換比率算定書において、
SMBC日興証券が提供された資料および情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている
場合には、提供された資料、情報および仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。
SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性および実現性について独自の検証は
行っておらず、その義務および責任を負うものではありません。
なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が川重冷熱の依頼により、川重冷熱の
取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的として川重冷熱に提出し
たものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本株式交換比率の公正性について意見を表明
するものではありません。
(3)上場廃止となる見込みおよびその事由
本株式交換により、その本効力発生日である 2021 年8月1日(予定)をもって、川重冷熱は川
崎重工の完全子会社となることから、川重冷熱株式は、東京証券取引所 JASDAQ スタンダードの上
場廃止基準に従って、2021 年7月 29 日付で上場廃止(最終売買日は 2021 年7月 28 日)となる
予定です。上場廃止後は、川重冷熱株式を東京証券取引所 JASDAQ スタンダードにおいて取引する
ことができなくなります。
川重冷熱株式が上場廃止となった後も、本株式交換により川重冷熱株主の皆様(ただし、川崎重
工を除きます。 )に割り当てられる川崎重工株式は、東京証券取引所市場第一部および名古屋証券取
引所市場第一部に上場されており、本株式交換の効力発生日以降も、東京証券取引所市場第一部お
よび名古屋証券取引所市場第一部において取引が可能であることから、基準時において川重冷熱株
式を 167 株以上保有し本株式交換により川崎重工の単元株式数である 100 株以上の川崎重工株式の
割当てを受ける川重冷熱の株主の皆様は、株式の保有数に応じて一部単元未満株式数に満たない川
崎重工株式の割当てを受ける可能性はあるものの、1単元以上の株式については引き続き東京証券
取引所市場第一部および名古屋証券取引所市場第一部において取引が可能であり、株式の流動性を
提供できるものと考えております。
ただし、基準時において 167 株未満の川重冷熱株式を保有する川重冷熱株主の皆様には、単元株
式数に満たない川崎重工株式が割り当てられます。そのような単元未満株式については東京証券取
引所市場第一部および名古屋証券取引所市場第一部において売却することはできませんが、株主の
皆様のご希望により、川崎重工の単元未満株式の買増制度または単元未満株式の買取制度をご利用
いただくことが可能です。これらの取扱いの詳細については、上記2.(3) 「本株式交換に係る割
当ての内容」の(注3) 「単元未満株式の取扱い」をご参照ください。
また、本株式交換に伴い、1株に満たない端数が生じた場合における端数の処理の詳細について
は、上記2.(3) 「本株式交換に係る割当ての内容」の(注4) 「1株に満たない端数の処理」をご
参照ください。
11
なお、川重冷熱の株主の皆様は、最終売買日である 2021 年7月 28 日(予定)までは、東京証券
取引所 JASDAQ スタンダードにおいて、その保有する川重冷熱株式を従来どおり取引することがで
きるほか、基準時まで会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
(4)公正性を担保するための措置
川崎重工および川重冷熱は、川崎重工が、2021 年3月 31 日現在、川重冷熱株式 7,009,500 株
(間接保有分 24,200 株を含みます。2021 年3月 31 日現在の発行済株式(自己株式を除く)の総
数 8,387,414 株に占める割合にして 83.57%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計
算において同じです。)を保有し、川重冷熱は川崎重工の連結子会社に該当することおよび川重冷
)
熱には川崎重工出身の取締役が存在すること等から、本株式交換の公正性を担保する必要があると
判断し、以下のとおり公正性を担保するための措置を実施しております。
① 独立した第三者算定機関からの算定書の取得
本株式交換に用いられる株式交換比率の算定に当たって公正性を期すため、川崎重工は野村證
券を、川重冷熱はSMBC日興証券を第三者算定機関として選定し、それぞれ本株式交換に用い
られる株式交換比率の算定を依頼し、2021 年5月 10 日付で、それぞれ株式交換比率に関する算
定書を取得しました。当該算定書の概要については、上記(2)②「算定の概要」をご参照くだ
さい。
なお、川崎重工および川重冷熱はいずれも、第三者算定機関から本株式交換比率が財務的見地
から妥当または公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
② 独立した法律事務所からの助言
本株式交換のリーガル・アドバイザーとして、川崎重工は大江橋法律事務所を、川重冷熱は北
浜法律事務所を選定し、各々本株式交換の諸手続を含む取締役会の意思決定の方法・過程等につ
いて、法的助言を受けております。なお、大江橋法律事務所および北浜法律事務所は、川崎重工
および川重冷熱から独立しており、川崎重工および川重冷熱との間に重要な利害関係を有してお
りません。
③ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
本特別委員会は、川重冷熱および川崎重工から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして、
弁護士法人御堂筋法律事務所(以下「御堂筋法律事務所」といいます。
)を選任し、本株式交換の
公正性を担保するために講じるべき措置、ならびに本株式交換に係る本特別委員会の審議の方法
およびその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、御堂筋法律事務所は、
川崎重工および川重冷熱から独立しており、川崎重工および川重冷熱との間に重要な利害関係を
有しておりません。
(5)利益相反を回避するための措置
川重冷熱は、川崎重工が、本日現在、川重冷熱株式 7,009,500 株(間接保有分 24,200 株を含み
ます。2021 年3月 31 日現在の発行済株式(自己株式を除く)の総数 8,387,414 株に占める割合
にして 83.57%)を保有し、川重冷熱は川崎重工の連結子会社に該当することおよび川重冷熱には
川崎重工出身の取締役が存在すること等から、利益相反を回避するため、以下の措置を講じており
ます。
① 川重冷熱における独立した特別委員会の設置および答申書の取得
川重冷熱は、2021 年1月中旬に川崎重工から本株式交換の申入れを受けたことを受け、
2021 年1月 29 日に開催された取締役会の決議により、本株式交換に関し、川重冷熱の意思
決定に慎重を期し、川重冷熱取締役会の意思決定における恣意性および利益相反のおそれを
排除し、その公正性を担保するとともに、川重冷熱取締役会において本株式交換を行う旨の
決定をすることが川重冷熱の一般株主にとって不利益なものでないかどうかについての意見
12
を取得することを目的として、川重冷熱の社外取締役・独立役員である坂部彰一氏、川重冷
熱の社外監査役・独立役員である東風龍明氏(弁護士)および支配株主である川崎重工およ
び川重冷熱との間で利害関係を有しない独立した外部の有識者である秋山洋氏(弁護士、御
堂筋法律事務所)の3名によって構成される本特別委員会を設置しました。なお、本特別委
員会の委員のうち、坂部彰一氏は、過去に川崎重工またはその関連会社の役職員の地位に
あったものの、川崎重工またはその関連会社の在籍時より 10 年以上が経過しており、川崎重
工からの独立性を有することを、川重冷熱のリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所
からの助言も踏まえて確認しております。また、各委員に対しては、その職務の対価として、
答申内容に関わらず、固定額の報酬を支払うものとされております。
その上で、川重冷熱は、本株式交換を検討するに当たり、本特別委員会に対し、(a)本株式交
換が川重冷熱の企業価値の向上に資するか否か、(b)①本株式交換の条件の妥当性、および②
本株式交換の手続の公正性の検討を踏まえて、本株式交換が川重冷熱の一般株主にとって不
利益でないか否か、(c)その他、本特別委員会設置の趣旨に鑑み、本株式交換に関し、川重冷
熱取締役会または代表取締役が必要と認めて諮問する事項を検討し、川重冷熱取締役会に意
見を述べること(以下「本諮問事項」といいます。、について、諮問いたしました。また、
)
川重冷熱は、本特別委員会の設置に当たり、本特別委員会を川重冷熱取締役会から独立した
合議体と位置付け、本株式交換に関する意思決定については、本特別委員会の判断内容を最
大限尊重して行うこととし、本特別委員会が取引条件が妥当でないと判断した場合には、本
株式交換に賛同しないことといたしました。さらに、川重冷熱は、本特別委員会に、(a)取引
条件等について川崎重工と交渉を行う権限、および取引条件等の交渉過程に実質的に関与す
る権限、(b)適切な判断を確保するために、川重冷熱のファイナンシャル・アドバイザー、第
三者算定機関、リーガル・アドバイザー等の外部専門家(以下「アドバイザー等」といいま
す。)を指名・承認する権限、および必要に応じ、独自のアドバイザー等を選任する権限、な
らびに(c)川重冷熱の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に、本特別委員会
への出席、書面による回答その他適宜の方法により、必要な情報について説明・提供を求め
る権限を付与することを決議しております。
これを受けて、本特別委員会は、2021 年1月 29 日、(i)川重冷熱において、ファイナンシャ
ル・アドバイザーおよび第三者算定機関としてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイ
ザーとして北浜法律事務所をそれぞれ選任することを承認するとともに、(ii)川重冷熱および
川崎重工から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして御堂筋法律事務所を選任し、本
株式交換に係る検討・交渉を行う体制を構築しました。
本特別委員会は、2021 年1月 29 日から 2021 年5月 10 日までの間に、委員会を合計 15
回開催したほか、川重冷熱担当者等を通じて情報収集を行った上、必要に応じて随時協議を
行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。本特別委員会は、かかる検討に
当たり、川重冷熱の代表取締役を含む経営陣との間で、本株式交換の目的、本株式交換の検
討経緯、川重冷熱の事業環境・経営課題、本株式交換後に想定される施策の内容、本株式交
換のメリット・デメリット等について質疑応答を行っており、また、SMBC日興証券から、
本株式交換における株式交換比率の評価に関する説明や適時に川崎重工との交渉状況の報告
を受けているほか、SMBC日興証券を通じて、川崎重工との間の株式交換比率の交渉に参
画しております。また、本特別委員会は、川崎重工に対してインタビューを実施し、川崎重
工グループにおける川重冷熱の位置付け、本株式交換の検討経緯、本株式交換の目的および
本株式交換後に想定される施策の内容、本株式交換のメリット・デメリット等について確認
しております。また、川重冷熱のリーガル・アドバイザーである北浜法律事務所から、本株
式交換の手続面における公正性を担保するための措置ならびに本株式交換に係る川重冷熱の
取締役会の意思決定の方法および過程その他の利益相反を回避するための措置の内容に関す
る助言を受けるとともに、川崎重工に対する法務デュー・ディリジェンスの結果について説
明を受け、質疑応答を行っております。加えて、川重冷熱は、EY ストラテジー・アンド・コ
ンサルティング株式会社(以下「EY ストラテジー」といいます。 )に対して、川崎重工に対
13
する会計デュー・ディリジェンスの実施を依頼し、本特別委員会は、EY ストラテジーより会
計デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行っております。
本特別委員会は、かかる経緯の下、これらの説明、算定結果その他の検討資料を前提として、
本株式交換が川重冷熱の企業価値向上に資するとの判断の過程、内容に著しく不合理な点は
認められず、本株式交換は川重冷熱の企業価値を向上させる旨、および、本株式交換の交換
対価の決定を含む本株式交換に関する意思決定は、公正な手続を通じて行われ、川重冷熱の
一般株主が受けるべき利益が損なわれることのないよう配慮がなされている旨の答申書を、
2021 年5月 10 日付で、川重冷熱の取締役会に対して提出しております。
本特別委員会の意見の概要については、下記8. (3)「当該取引等が少数株主にとって不利
益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない者から入手した意見の概要」を
ご参照下さい。
② 川重冷熱における利害関係を有しない取締役全員の承認および利害関係を有しない監査役全
員の異議がない旨の意見
川重冷熱の取締役9名のうち、螺澤雅人氏、森脇健氏、吉村裕氏、および秋岡稔氏は、過去
に川崎重工の役職員であった者であり、また、川崎重工を退社してからの期間が短期間であ
ることに鑑み、および実松俊博氏は川崎重工の従業員を兼務していることから、利益相反を
回避する観点から、(ⅰ)螺澤雅人氏、森脇健氏、吉村裕氏、秋岡稔氏、および実松俊博氏を
除く他の4名の取締役で審議し全員の賛成により決議を行い、(ⅱ)その上で、取締役会の定
足数を確実に満たすという観点から、川崎重工の出身者ではあるものの、川崎重工またはそ
の子会社の役職員を兼任しておらず、かつ、川崎重工を退社してから5年以上経過しており、
その意味で利益相反関係が薄く、また、社外取締役でもある、秋岡稔氏を加えた5名の取締
役において改めて審議し、全員の賛成により決議を行うという二段階の手続を経ております。
また、上記の取締役会には川崎重工との間で利害関係を有しない監査役1名が参加し、いず
れも上記決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、利益相反を回避する観点から、
螺澤雅人氏、森脇健氏、吉村裕氏、秋岡稔氏、および実松俊博氏は、川重冷熱の立場で本株
式交換に係る協議および交渉に参加しておりません。
また、川重冷熱の監査役のうち、笠井信雄氏は、過去に川崎重工の役職員であったため、お
よび川西崇氏は、川崎重工の従業員を兼務しているため、利益相反を回避する観点から、上
記取締役会における本株式交換に係る議案の審議には参加しておらず、意見を述べることを
差し控えております。
4.本株式交換の当事会社の概要
株式交換完全親会社 株式交換完全子会社
(1) 名 称 川崎重工業株式会社 川重冷熱工業株式会社
兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁
(2) 所 在 地 滋賀県草津市青地町 1000 番地
目1番1号(本店所在地)
代表取締役社長執行役員 代表取締役社長
(3) 代 表者 の役 職・ 氏名
橋本 康彦 篠原 進
航空宇宙システム事業、エネル 空調用熱源、工場でのプロセス用
ギーソリューション&マリン事 熱源となる吸収冷温水機・冷凍機
(4) 事 業 内 容 業、精密機械・ロボット事業、車 と汎用ボイラの開発、製造、販
両事業、モーターサイクル&エン 売、および改修工事・メンテナン
ジン事業およびその他事業 ス
104,484 百万円 1,461 百万円
(5) 資 本 金
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
(6) 設 立 年 月 日 1896 年 10 月 15 日 1972 年3月 10 日
(7) 発 行 済 株 式 数 167,080,532 株 8,415,000 株
14
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
(8) 決 算 期 3月 31 日 3月 31 日
(連結)36,691 名 (単体)520 名
(9) 従 業 員 数
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
川崎重工、川重商事株式会社他、
(10) 主 要 取 引 先 防衛省他、国内外の企業
国内外の企業
みずほ銀行、三井住友銀行、三菱 みずほ銀行、三井住友銀行、滋賀
(11) 主 要 取 引 銀 行
UFJ銀行、三井住友信託銀行 銀行
株式会社日本カスト 8.49% 川崎重工業株式会社 83.28%
ディ銀行(信託口)
日本マスタートラスト 8.39% 川重冷熱取引先持株会 7.46%
信託銀行株式会社(信
託口)
日本生命保険相互会社 3.44% 宗教法人萬福寺 0.60%
川崎重工業従業員持株 2.69% 川重冷熱従業員持株会 0.49%
会
株式会社みずほ銀行 2.50% 株式会社トーヨーコー 0.48%
ポレーション
川崎重工共栄会 2.43% 株式会社是永鉄工所 0.35%
(12) 大株主および持株比率
株式会社日本カスト 1.79% 日本汽力株式会社 0.35%
ディ銀行(信託口7)
東京海上日動火災保険 1.67% 株式会社シガMEC 0.34%
株式会社
株式会社日本カスト 1.43% KEE環境工事株式会 0.29%
ディ銀行(信託口5) 社
BNYMSANV AS 1.32% 丸茶株式会社 0.26%
AGENT / CLIENTS
LUX UCITS NON
TREATY 1
(2021 年3月 31 日現在) (2021 年3月 31 日現在)
(13) 当事会社間の関係
川崎重工は、川重冷熱の発行済株式数(8,415,000 株)から自己株式
数(27,586 株)を減じた株式数の 83.57%に相当する 7,009,500 株
資 本 関 係
(間接保有分 24,200 株を含みます。)の普通株式を保有しており、親
会社であります。
川崎重工の従業員2名が川重冷熱の取締役および監査役を兼務してお
人 的 関 係 り、川崎重工グループの出身者2名が川重冷熱の社外取締役に就任し
ております。
川崎重工は、川重冷熱の機器の購入およびサービス工事の発注を行っ
取 引 関 係 ております。川重冷熱は、川崎重工と資金の借入、貸付を行っており
ます。
関 連 当 事 者 へ の 川重冷熱は、川崎重工の連結子会社であり、川崎重工と川重冷熱は相
該 当 状 況 互に関連当事者に該当いたします。
(14) 最近3年間の経営成績および財政状態
川崎重工(連結) 川重冷熱(単体)
決算期 2019 年 2020 年 2021 年 2019 年 2020 年 2021 年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
15
純資産 492,261 471,562 482,775 5,750 5,888 6,189
総資産 1,838,855 1,957,845 1,963,276 15,775 14,370 15,975
1株当たり純資産(円) 2,851.84 2,727.59 2,785.71 685.59 702.01 737.92
売上高 1,594,743 1,641,335 1,488,486 17,864 17,564 18,159
営業利益 64,023 62,063 △5,305 616 341 539
経常利益 37,861 40,429 △2,855 616 337 538
親会社株主に帰属する
27,453 18,662 △19,332 413 249 396
当期純利益/当期純利益
1株当たり当期純利益(円) 164.34 111.72 △115.73 49.24 29.76 47.21
1株当たり配当金(円) 70.0 35.0 - 12.0 12.0 12.0
(単位:百万円。特記しているものを除く。
)
5.本株式交換後の状況
株式交換完全親会社
(1) 名 称 川崎重工業株式会社
(2) 所 在 地 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号(本店所在地)
(3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長執行役員 橋本 康彦
(4) 航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密
事 業 内 容 機械・ロボット事業、車両事業、モーターサイクル&エンジン事業およ
びその他事業
(5) 資 本 金 104,484 百万円
(6) 決 算 期 3月 31 日
(7) 純 資 産 現時点では確定しておりません。
(8) 総 資 産 現時点では確定しておりません。
6.会計処理の概要
本株式交換は、企業結合に関する会計基準における共通支配下の取引等に該当する見込みです。
7.今後の見通し
川重冷熱は、既に川崎重工の連結子会社であり、本株式交換による川崎重工および川重冷熱の業績
への影響は、いずれも軽微であると見込んでおります。
8.支配株主との取引等に関する事項
(1)支配株主との取引等の該当性および少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況
川崎重工は既に川重冷熱の親会社であることから、本株式交換は、川重冷熱にとって支配株主との
取引等に該当します。
川重冷熱は、2020 年6月 26 日に開示したコーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下「コー
ポレート・ガバナンス報告書」といいます。 )の「Ⅰ 4.支配株主との取引等を行う際における少数
株主の保護の方策に関する指針」において、川重冷熱は、川崎重工および川崎重工の企業グループに
おいて、明確な事業領域の棲み分けがなされていることから、川崎重工グループから川重冷熱の自由
な事業活動を阻害される状況にはなく、またその取引についても市場価格等を参考にしながら合理的
に決定する旨を示しております。
川重冷熱は、本株式交換に関して、上記3. (4)
「公正性を担保するための措置」および3.(5)
「利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、構造的な利益相反の問題および情報の非対称性
の問題に対応し、その公正性を担保し、利益相反を回避するための措置を講じており、かかる対応は、
コーポレート・ガバナンス報告書の記載の上記指針に適合しているものと考えております。
16
(2)公正性を担保するための措置および利益相反を回避するための措置に関する事項
上記(1) 「支配株主との取引等の該当性および少数株主の保護の方策に関する指針への適合状況」
に記載のとおり、本株式交換は、川重冷熱にとって支配株主との取引等に該当することから、川重冷
熱は、構造的な利益相反や情報の非対称性の問題に対処するため、公正性を担保するための措置およ
び利益相反を回避するための措置が必要であると判断し、その取締役会において、本株式交換に関す
る諸条件について慎重に協議・検討し、さらに上記3.(4) 「公正性を担保するための措置」および
3.(5)「利益相反を回避するための措置」に記載の措置を講じることにより、公正性を担保し、利
益相反を回避した上で判断しております。
(3)当該取引等が少数株主にとって不利益なものではないことに関する、支配株主と利害関係のない
者から入手した意見の概要
川重冷熱は、上記3.(5)「利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本株式交換が川重
冷熱の一般株主にとって不利益な条件の下で行われることを防止するため、本特別委員会を設置いた
しました。川重冷熱は、本株式交換を検討するに当たって、本特別委員会に対し(a)本株式交換が川重
冷熱の企業価値の向上に資するか否か、(b)①本株式交換の条件の妥当性、および②本株式交換の手続
の公正性の検討を踏まえて、本株式交換が川重冷熱の一般株主にとって不利益でないか否か、(c)その
他、本特別委員会設置の趣旨に鑑み、本株式交換に関し、川重冷熱取締役会または代表取締役が必要
と認めて諮問する事項を検討し、川重冷熱取締役会に意見を述べることについて、諮問いたしました。
その結果、本特別委員会からは、2021 年5月 10 日付で、(a)本株式交換は川重冷熱の企業価値の
向上に資すると認められること、(b)①本株式交換の条件の妥当性、および②本株式交換の手続の公正
性はいずれも確保されており、本株式交換は川重冷熱の一般株主にとって不利益ではないものと認め
られることを答申内容とする答申書を入手しております。本特別委員会の答申書の概要は、次のとお
りです。
(a) 本株式交換が川重冷熱の企業価値向上に資するか否か
近時における川重冷熱の主たる経営課題は、地球温暖化への対策として世界的に脱炭素化に向けた
動きが活発化しており、さらには、新型コロナウィルスの感染拡大による景気後退への対策として、
環境を重視した投資等を通じて経済を復興させようといういわゆるグリーン・リカバリーの機運が高
まっていることを背景に、水素製品の製品化準備や水素利用技術を活用した新規製品等の脱炭素化に
向けた取り組みや、開発、生産および販売の各面における経営資源の強化、海外展開等による機器販
売の拡大といった点にあるところ、本株式交換によって川重冷熱が川崎重工の完全子会社となった場
合には、川崎重工としてその技術、知的財産、生産拠点や国内外の販売拠点といった経営資源を川重
冷熱に投入することに障壁がなくなり、川重冷熱は、かかる川崎重工の経営資源をより迅速かつ効果
的に活用し、上記課題を解決・改善することが期待できる。また、川重冷熱は原材料等の調達にあ
たって川重冷熱よりも広い購買網と高い交渉力を有している川崎重工の購買網に参加することが可能
となり、より安価かつ安定的に原材料等を調達し、生産コストの低減を図ることも可能となる。さら
に、川重冷熱は、川崎重工の完全子会社となることによって社内での意思決定方法を単純化し、日々
の変化に対して従前よりも柔軟かつ迅速に対応できるようになるとともに、一般株主との利益相反を
懸念することなく中長期観点から抜本的な経営施策を実施することも可能となる。なお、株式の非上
場化によって、これまで株主総会運営等の株主関連業務に割いていた人員を本業に集中させることに
よる経営の効率化や、監査費用等の上場維持コストの削減といった点も、メリットとして挙げられる
が、川重冷熱株式について証券取引市場再編後の流通株式比率 25%以上という上場維持基準を満たす
ことが困難とみられることを踏まえれば、これらの点を本株式交換自体によるメリットとして特段強
調することは相当ではない。
一方、本株式交換によるデメリットとしては、非上場化による知名度や信用力の低下、あるいはこ
れに伴う人材採用の困難化や従業員のモチベーション低下といった点が想定される。しかし、これら
の点は、上記のとおり、証券取引市場再編後の上場維持基準を満たすことが困難とみられることから
すれば、上記の非上場化のメリットと同様に非上場化そのものに起因する懸念についてもデメリット
17
としては控え目に評価することが相当であり、また、川崎重工が世界的に著名な大企業であることを
踏まえると、川重冷熱単体が上場廃止となることによる知名度・信用度という面でのデメリットは、
上場企業が単純に非上場化する場合と比較すれば限定的なものと考えられるうえ、川崎重工の完全子
会社となることによってより積極的な人材交流や技術提供等を受けることができることは、川重冷熱
の企業価値向上という観点からみれば、証券取引市場の再編による上場廃止リスクが現実化した場合
のデメリットを補うものということができる。
以上を総合的に勘案すると、本株式交換は、川重冷熱の企業価値向上に資するものであると認めら
れる。
(b) ①本株式交換の条件の妥当性、および②本株式交換の手続の公正性の検討を踏まえて、本株式交
換が川重冷熱の一般株主にとって不利益でないか否か
① 本株式交換の条件の妥当性について
以下の点を総合的に考慮すれば、本株式交換比率は、本株式交換の取引条件として客観的妥当性に
欠けるところはないといえる。
・ 0.60 という本株式交換比率(すなわち、川重冷熱株式1株につき 0.60 株の川崎重工株式が付与
される。 )は、川重冷熱が選任した第三者算定機関による株式交換比率の算定結果において、市場
株価法、類似上場会社比較法および DCF 法のいずれの方法により川重冷熱株式価値を計算した場
合であっても、株式交換比率の算定レンジの範囲内にあると認められる。当該算定結果における
DCF 法による計算の基礎とされた事業計画は、川崎重工と利害関係のない川重冷熱のプロジェク
トチームのメンバーにより作成されたものであり、その内容について特段不合理な点や恣意的な
下方修正が加えられたような事情は認められず、株式交換比率算定の方法および過程に不合理な
点は見られない。川崎重工株式は、市場における流動性の高さおよび中長期的に見た場合の配当
に対する期待という点においても川重冷熱株式を上回るものといえる。
・ 川重冷熱株式については、証券取引市場再編後の上場維持基準適用に関する経過措置の終了によ
り、意図せずして上場廃止となり、市場における換価が不可能となるリスクが存在することに留
意する必要がある。
以上に加え、本株式交換比率を巡っては、川重冷熱の各アドバイザーおよび当委員会の実質的な関
与の下、川重冷熱からは3度、川崎重工からは4度にわたって株式交換比率に関する提案がなされ、
それぞれの機会において両者間で協議の場が持たれており、その過程において川崎重工が当初 0.55 と
提示していた本株式交換比率が 0.60 まで増加するに至ったという経緯にも鑑みると、本株式交換比率
は川崎重工によって一方的に定められたものではなく、川重冷熱が十分な交渉力をもって真摯かつ継
続的に交渉を行った結果、川崎重工としても一定程度妥協して提示されたものと認められる。
以上のように、本株式交換比率は、本株式交換の取引条件として客観的妥当性に欠けるところはな
く、また、適切な交渉の結果として提示されたものであることを総合的に考慮すれば、本株式交換の
条件は、妥当なものと認められる。
② 本株式交換の手続の公正性について
本株式交換は、支配株主による川重冷熱の完全子会社化を目的とするものであり、川崎重工のみな
らず、本株式交換について意思決定を行う立場にある川重冷熱の取締役会と一般株主との間でも構造
的な利益相反のおそれが存在することから、本特別委員会は、(ⅰ) 取引条件の形成過程において独立
当事者間取引と同視し得る状況が確保されているか、および(ⅱ) 一般株主に十分な情報に基づく適切
な判断の機会が確保されているかという観点から、本株式交換に係る手続の公正性について検討を
行った。
(ⅰ) 取引条件の形成過程において独立当事者間取引と同視し得る状況の確保
川重冷熱は、本株式交換の条件について川崎重工との間で交渉を行うにあたり、独立した委員によ
り構成される本特別委員会を設置するとともに、川崎重工との間に利害関係のない役員および従業員
のみによる社内検討体制を確立し、第三者算定機関としてSMBC日興証券を選任して株式交換比率
の算定を行ったうえ、本特別委員会による交渉過程への実質的関与、並びに、SMBC日興証券、
18
リーガル・アドバイザーである北浜法律事務所、および本特別委員会独自のリーガル・アドバイザー
である御堂筋法律事務所の助言も受けながら、川崎重工から提案された株式交換比率の妥当性を検証
したうえで、本株式交換の条件に関する交渉を行った。これらの点を勘案すれば、本株式交換の条件
の形成過程においては、株式交換比率の算定および交渉、並びに本株式交換に関する意思決定にあた
り、川崎重工の川重冷熱に対する影響を排除するための十分な措置がとられているものと評価するこ
とができ、独立当事者間と同視し得る状況が十分に確保されていたものと認められる。
(ⅱ) 一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性向上
本株式交換に係る適時開示においては、本特別委員会に関する情報、株式交換比率算定書に関する
情報、その他本株式交換の是非、取引条件の妥当性や手続の公正性について一般株主が適切に判断す
るために有益と認められる情報の開示が予定されており、本株式交換においては、一般株主への情報
提供の充実とプロセスの透明性の向上のための手続が十分に講じられているものと認められる。
以上のとおり、本株式交換においては、取引条件の形成過程において独立当事者間取引と同視し得
る状況が十分に確保されているとともに、一般株主に十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保さ
れており、一般株主の利益保護という観点から、手続の公正性を確保するための措置が適切に講じら
れているものと認められる。
以 上
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(参考)
川崎重工における当期連結業績予想(2021 年5月 11 日公表分)および前期連結実績
(単位:百万円)
親会社株主に帰属する
連結売上高 連結営業利益 連結経常利益
当期純利益
当期業績予想
1,500,000 30,000 20,000 17,000
(2022 年3月期)
前期実績
1,488,486 △5,305 △2,855 △19,332
(2021 年3月期)
(参考)
川重冷熱における前期実績
(単位:百万円)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
前期実績
18,159 539 538 396
(2021 年3月期)
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