7003 三井E&S 2019-11-01 16:00:00
連結決算及び個別決算における損失の計上並びに業績予想の修正に関するお知らせ [pdf]
2019 年 11 月 1日
各 位
会 社 名 株式会社三井 E&S ホールディングス
代表者名 代表取締役社長 岡 良一
(コード:7003、東証第一部)
問合せ先 財務経理部長 三宅 一徳
(TEL 03-3544-3121)
連結決算及び個別決算における損失の計上
並びに業績予想の修正に関するお知らせ
当社は、2020 年3月期第2四半期連結決算及び個別決算において、下記のとおり損失の計上を行うこ
とといたしました。これに伴い、2019 年5月 10 日に公表した連結業績予想を修正しましたのでお知らせ
いたします。
記
1.連結決算における損失の計上
現在、当社グループのエンジニアリング事業で建設中のインドネシア共和国における火力発電所土木建
築工事においては、当社グループを挙げてサポート体制を構築し、工事の遂行に全力で当たっております
が、新たに以下の事象が発生したことから、対応するコストとして、当第2四半期連結決算において、受注
工事損失引当金を含む約 713 億円(売上原価)の損失を追加で計上することとなりました。
なお、今回の全体コスト見直しにあたっては、これまで度重なる追加損失を計上していることを踏まえ、
外部専門家による客観的な判断を加え、内在するリスクの徹底的な洗い出しを行い、再精査した結果による
ものです。
本工事は現在、発電用ボイラ向け冷却水循環用の取放水管(CW 管)を鋼製管に変更し、設置する工事を
遂行しております。
CW 管の設置工事は、①浚渫工事、②杭打設工事、③据付工事、④埋戻工事から構成されており、現在は
浚渫工事がほぼ完了し、杭打設工事、据付工事を遂行中です。
杭打設工事では、 海底の地盤が想定をはるかに超えて脆弱なため、一部の杭が支持力不足となる事象が発
生しました。そこで、杭の支持力強化のために、一部で施工方法を変更することとした結果、物量が増加す
ることとなりました。 また、現地ではダイバーが不足しており、日本から熟練したダイバーを多数呼び寄せ、
安全対策を十分に実施した結果、これに時間を要したことから工事の着工が遅れ工程遅延が発生しました。
据付工事では、 脆弱な地盤に加え海象条件も厳しい中での施工となることから、工事の困難さを見極める
ために、先行的に一部の工事を開始しました。その結果、工事遂行の目途は立ちましたが、極めて難易度が
高く、更に工事の進捗が気象・海象条件に大きく左右されるため、天候次第で多大な費用が発生するリスク
があることが判明しました。
埋戻工事では、施工方法や埋戻材料を見極めるために試験施工を開始しました。その結果、脆弱な海底地
盤への CW 管設置に必要な埋戻材料の物量に関する技術的評価が難しいことに加え、埋戻材料も変更となる
可能性が生じたことから、調達すべき物量の増加が予想されることとなりました。
また、更なる追加損失を計上することのないよう、あらゆるリスクを想定した結果、工程見直しによる挽
回費用や更なる海中工事の追加コストに備えるための追加費用も見込むことといたしました。
当社グループは、本工事の損失により財務基盤が大きく毀損し、この回復が急務であると認識していま
す。 毀損した自己資本の回復に向け、 資産の売却、固定費の圧縮を進めるほか、資本対策についても検討し、
2019 年5月 10 日公表の「三井 E&S グループ事業再生計画」に沿った施策を追加・加速させることにより、
早期に財務体質を改善し、収益体質の強化を図ります。
2.個別決算における損失の計上
主に前項の損失計上に伴い、当社個別決算において、関係会社事業損失引当金繰入額約 663 億円を特別
損失として追加計上いたします。なお、関係会社事業損失引当金繰入額は、連結決算では消去されるため
連結業績には影響いたしません。
3.連結業績予想の修正
2020 年3月期 通期連結業績予想数値(2019 年4月1日~2020 年3月 31 日)
親会社株主に
1 株当たり
売 上 高 営業利益 経常利益 帰属する
当期純利益
当期純利益
百万円 百万円 百万円 百万円 円 銭
前回発表予想(A) 840,000 12,000 17,000 3,000 37.11
今回修正予想(B) 790,000 △72,000 △67,000 △88,000 △1,088.64
増 減 額(B-A) △50,000 △84,000 △84,000 △91,000 -
増 減 率(%) △0.8 - - - -
(ご参考)前期実績
656,504 △59,703 △50,502 △69,599 △861.09
(2019 年3月期)
修正の理由
売上高は海洋開発セグメントで三井海洋開発株式会社(コード番号 6269)が本日公表した業績予想の
修正を織り込んだことに加え、エンジニアリングセグメント及びその他セグメントにおける工事進捗の
見直し等により減少する見通しです。営業利益及び経常利益は、船舶、機械、その他セグメントにおい
ては概ね計画通りですが、上記1項の理由に加え、海洋開発セグメントの下振れにより大幅に悪化する
見通しです。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、上記に加え事業再生計画に沿った構造改革費
用の増加を見込み、大幅に悪化する見通しです。
<ご参考>
2020 年3月期 セグメント別通期連結業績予想数値の修正(2019 年4月1日~2020 年3月 31 日)
前回発表予想 今回修正予想 増減額
売上高 営業利益 売上高 営業利益 売上高 営業利益
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
船 舶 120,000 △2,000 120,000 △2,000 0 0
海洋開発 350,000 8,000 320,000 △6,000 △30,000 △14,000
機 械 200,000 8,000 200,000 9,000 0 1,000
エンジニアリング 80,000 △4,000 70,000 △75,000 △10,000 △71,000
そ の 他 90,000 2,000 80,000 2,000 △10,000 0
合 計 840,000 12,000 790,000 △72,000 △50,000 △84,000
(注)上記予想は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、
実際の業績は今後様々な要因により上記数値と異なる可能性があります。なお、セグメント別の前回
発表予想は 2019 年5月 10 日に公表したものです。
4.役員報酬の減額
上記のとおり、本工事において多額の損失を計上し、業績予想を修正いたしましたことは、株主の皆様を
はじめとする関係者の方々の信用を失うものであります。
このような状況を厳粛に受け止め、経営責任を明確にすべく、本年7月より月額報酬の35%~10%の
範囲で役職に応じて実施している社内取締役の役員報酬減額を、下記の期間50%~15%の範囲へ変更
し継続実施いたします。
報酬減額期間
2019 年 11 月から 2020 年 6 月まで(8ヶ月間)
なお上記の他、社外取締役より報酬の一部自主返上の申し入れがありましたので、あわせてお知らせいた
します。
以上