6969 松尾電機 2020-04-10 16:00:00
当社の事業の現状及び今後の事業展開等について [pdf]

                                                                    2020 年4月 10 日

各 位
                                             会 社 名   松 尾 電 機 株 式 会 社
                                             代表者名 代表取締役社長執行役員 常俊 清治
                                                  (コード番号 6969 東証第2部)
                                             問合せ先 常務取締役執行役員総務経理部門長 網谷 嘉寛
                                                  (TEL 06-6332-0871)


                    当社の事業の現状及び今後の事業展開等について


 当社は、下記のとおり、事業の現状及び今後の事業展開等について、株式会社東京証券取引所に対し、同
社有価証券上場規程第 601 条第1項第4号a本文に定める書面を提出いたしましたので、お知らせいたしま
す。
 本書面の提出により、2020 年 10 月末日までのいずれかの月において、月間平均時価総額及び月末時価総
額が 10 億円以上になった時は、同上場廃止基準に該当しないこととなります。
 当社は、この度、時価総額基準に抵触いたしましたが、下記「2.今後の展開について」に記載いたしま
した事業計画の推進により、業績の向上を図り、市場の信頼を回復することによって、今後も東京証券取引
所市場第二部上場を維持するよう努めてまいる所存であります。

                                         記

1.事業の現状について
(1)経営の基本方針
 当社は、1949 年 12 月に創業し、「企業の存在を許容するのは、お客様である」ことを原点に、世界中の
お客様の信頼を得ることができる価値ある技術商品の開発・製造・販売を事業活動の軸とする「技術立社」
であり続けることを経営の基本理念としています。この経営理念の推進により、経済的・環境的・社会的に
持続可能な質の高い成長を目指し、株主価値の向上等を図ることができるように経営に取り組んでおります。
 なお、当社情報の詳細につきましては、下記の当社ホームページをご参照ください。
当社ホームページアドレス(https://www.ncc-matsuo.co.jp/ir/investor/ataglance/)


(2)当社の事業の現状
   当社の 2020 年3月期第3四半期累計期間(2019 年4月1日から 2019 年 12 月 31 日まで)の業績は、
 売上高 2,693 百万円、営業損失 27 百万円、経常損失 29 百万円、四半期純損失 117 百万円となりました。
 (当社は、2019 年3月期より、従来の連結決算から単体決算へ移行しているため、対前年同四半期増減率
 については記載しておりません。)
   営業損失計上の主要因は、売上高が低調な水準で推移した影響によるものであり、経常損失計上の主要
 因は、営業損失に加えて、為替差益 13 百万円及び支払利息 15 百万円の計上によるものです。
   また、四半期純損失計上の主要因は、経常損失に加えて、コンデンサ取引に関する当局等の調査対応の
 ための弁護士報酬等の独占禁止法等関連損失 81 百万円を計上したことによるものです。
   なお、セグメント別の業績は次のとおりです。
 ① タンタルコンデンサ事業
   コンデンサとは一時的に電気を蓄える電子部品で、小形かつ長寿命で信頼性を高めるために、希少金属で
 あるタンタルを利用したものがタンタルコンデンサです。タンタルコンデンサ事業につきましては、自動車
 電装を始めとするカーエレクトロニクス向けのタンタルコンデンサの需要が低調に推移しました。この結果、


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タンタルコンデンサ事業の売上高は、2,115 百万円、セグメント利益は、140 百万円となりました。
 ② 回路保護素子事業
  回路保護素子とは、過電流や過電圧(静電気)からその回路を保護又は加熱や発火といった事故を防止
 する目的で使用される電子部品です。回路保護素子事業につきましては、車載用回路保護素子及びリチウ
 ムイオン電池向けの高電流ヒューズが順調に推移しました。この結果、回路保護素子事業の売上高は、458
 百万円、セグメント利益は、130 百万円となりました。
 ③ その他
  その他の売上高は、119 百万円、セグメント損失は、11 百万円となりました。
  また、最近の当社の業績の推移は下表のとおりです。
                                                                            (単位:百万円)
                                                                                   2020年3月期
             2015年3月期      2016年3月期      2017年3月期      2018年3月期      2019年3月期       第3四半期
       期別                                                                            累計期間
 区分
              2014年4月1日     2015年4月1日     2016年4月1日     2017年4月1日     2018年4月1日     2019年4月1日
             ~2015年3月31日   ~2016年3月31日   ~2017年3月31日   ~2018年3月31日   ~2019年3月31日   ~2019年12月31日

売上高               5,648         4,684          4,484        4,733         4,383          2,693

営業利益又は営業損失
                  △266          △296           △281           162            91          △27
(△)
経常利益又は経常損失
                  △240          △284           △266           148            53          △29
(△)
当期(四半期)純損失
                △1,139        △1,748          △1,136        △115          △647           △117
(△)
総資産額              8,080         7,080          6,209        6,006         5,784          5,442

純資産額              5,756         3,850          2,628        2,405         1,757          1,639

※2015 年 3 月期以降の個別の状況を記載しています。


2.今後の展開について
 当社の売上高は、2019 年以降、米中貿易摩擦の影響等により、自動車電装を始めとするカーエレクトロニ
クス向けのタンタルコンデンサの需要が低迷しています。一方で、販売重点製品である、補聴器等の医療機
器向けの下面電極構造のタンタルコンデンサ、車載用回路保護素子及び高電流ヒューズの売上高は、計画を
達成し好調に推移しています。
 タンタルコンデンサ事業につきましては、当社が世界に先駆けて開発し高密度実装が可能な下面電極構造
のタンタルコンデンサの新製品開発を完了し、補聴器等の医療機器向けの売上高の増加を図ります。
 回路保護素子事業につきましては、新製品開発により車載用回路保護素子及び高電流ヒューズに関する売
上高の増加を図り、また、2019 年3月1日付で当社の連結子会社であった島根松尾電子株式会社を吸収合併
した統合効果も合わせ、収益性の向上を図ります。
 当社の中期経営計画は、2020 年3月 31 日をもって終了しました。業績に関する数値は、現在集計中です
が、誠に遺憾ながら、当該中期経営計画立案時の数値目標(2020 年3月期において連結売上高 50 億円以上、
連結営業利益 1.5 億円以上の計上)を達成することは、非常に困難な状況であると見込んでいます。
 2020 年4月1日以降につきましては、当社を取り巻く事業環境が、先行き非常に不透明であることを勘案
し、新たな中期経営計画を立案せず、目下の経営課題を 2020 年度の単年度の経営計画として立案し、実行を
開始しています。
 当該計画では、今後の業績回復の手立てとしては、原価低減として島根工場の回路保護素子生産設備の福
知山工場への移転、経費削減として一般管理費の固定経費削減並びにキャッシュ・フロー改善として売掛金
の電子記録債権化の促進及びたな卸資産の削減を推進していくことにより、業績の回復を図る所存です。
 なお、新型コロナウィルス感染症の拡大による業績への影響は、2020 年3月期においては、ほとんど発生

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せず、今後につきましては、現時点では不透明な状況です。


3.今後の見通し及び上場維持について
 当社は、2020 年3月期通期業績予想につきましては、2019 年 11 月6日付で公表し、売上高 3,700 百万円
(前年同期比 15.6%減少)、営業利益 30 百万円(前年同期比 67.3%減少)、経常利益 10 百万円(前年同期
比 81.4%減少)、当期純損失 120 百万円(前年同期は 647 百万円の損失)としています。
 「2.今後の展開について」に掲げました施策の実施等により、今後、業績予想の修正が生じた場合は、
速やかにお知らせいたします。
 以上のように、業績改善を図り、市場からの信頼回復と企業価値の向上に向けて取り組んでまいります。
これにより、当社株式の月間平均時価総額及び月末時価総額について、株式会社東京証券取引所の定める基
準を上回ることにより、今後も東京証券取引所市場第二部上場を維持すべく努力してまいる所存であります。
 株主の皆様をはじめ関係者の皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけいたしますが、今後ともご理解とご
支援を賜りますようお願い申し上げます。
                                                         以上




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