6954 ファナック 2021-04-27 15:00:00
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年4月27日
上場会社名 ファナック株式会社 上場取引所 東
コード番号 6954 URL https://www.fanuc.co.jp
代表者 (役職名) 代表取締役社長 (氏名) 山口 賢治
問合せ先責任者 (役職名) 広報・SR部長 (氏名) 行貞 直樹 (TEL) 0555 (84) 5555
定時株主総会開催予定日 2021年6月24日 配当支払開始予定日 2021年6月25日
有価証券報告書提出予定日 2021年6月30日
決算補足説明資料作成の有無 : 有
決算説明会開催の有無 : 有
(百万円未満四捨五入)
1.2021年3月期の連結業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)連結経営成績 (%表示は、対前期増減率)
親会社株主に帰属する
売上高 営業利益 経常利益
当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期 551,287 8.5 112,514 27.4 128,744 25.2 94,012 28.1
2020年3月期 508,252 △ 20.0 88,350 △ 45.9 102,816 △ 44.0 73,371 △ 52.4
(注) 包括利益 2021年3月期 124,079百万円 (116.3%) 2020年3月期 57,377百万円 (△61.6%)
1株当たり 潜在株式調整後 自己資本 総資産 売上高
当期純利益 1株当たり当期純利益 当期純利益率 経常利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2021年3月期 490.11 ー 6.8 8.2 20.4
2020年3月期 381.89 ー 5.3 6.6 17.4
(参考) 持分法投資損益 2021年3月期 11,640百万円 2020年3月期 8,752百万円
(2)連結財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2021年3月期 1,625,191 1,435,554 87.7 7,431.58
2020年3月期 1,512,499 1,362,865 89.6 7,064.22
(参考) 自己資本 2021年3月期 1,425,479百万円 2020年3月期 1,355,100百万円
.
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2021年3月期 117,996 △ 16,770 △ 53,132 577,919
2020年3月期 144,872 △ 84,319 △ 140,726 515,008
2.配当の状況
年間配当金 配当金総額 配当性向 純資産配当
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期 末 合 計 (合計) (連結) 率(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2020年3月期 ー 125.35 ー 174.65 300.00 57,558 78.6 4.1
2021年3月期 ー 87.93 ー 206.14 294.07 56,407 60.0 4.1
2022年3月期
(予想) ー ー ー ー ー ー
(注) 2020年3月期 期末配当金の内訳 普通配当103円79銭 特別配当70円86銭
(注) 2022年3月期の第2四半期末および期末の配当金につきましては、開示が可能になった時点で速やかに開示する予定です。
3.2022年3月期の連結業績予想(2021年4月1日~2022年3月31日)
(%表示は、通期は対前期、四半期は対前年同四半期増減率)
親会社株主に帰属 1株当たり
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
する当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
第2四半期(累計) 348,200 51.1 87,700 171.3 97,400 154.8 70,800 151.8 369.11
通期 657,100 19.2 148,400 31.9 164,500 27.8 120,500 28.2 628.21
(注)当予想は、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の程度や収束の時期などにより大きく変動する可能性があります。開示すべき
重要な事項が発生した場合には、速やかに業績への影響をお知らせします。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動 (連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 : 無
② ①以外の会計方針の変更 : 無
③ 会計上の見積りの変更 : 無
④ 修正再表示 : 無
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2021年3月期 201,922,097株 2020年3月期 204,031,841株
② 期末自己株式数 2021年3月期 10,108,169株 2020年3月期 12,205,848株
③ 期中平均株式数 2021年3月期 191,820,543株 2020年3月期 192,123,630株
(参考)個別業績の概要
1.2021年3月期の個別業績(2020年4月1日~2021年3月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は、対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2021年3月期 415,939 18.0 63,481 67.1 87,889 30.0 70,451 28.8
2020年3月期 352,407 △ 25.1 37,992 △ 64.1 67,586 △ 54.3 54,697 △ 59.9
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2021年3月期 367.28 ー
2020年3月期 284.69 ー
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2021年3月期 1,236,223 1,116,242 90.3 5,819.40
2020年3月期 1,177,585 1,084,633 92.1 5,654.25
(参考) 自己資本 2021年3月期 1,116,242百万円 2020年3月期 1,084,633百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
本資料に記述されている業績予想および将来予想は、主要市場における製品の需給動向、競合状況、経済情勢その他に不透明な面があ
本資料に記述されている業績見通し等の将来に関する記述は、主要市場における製品の需給動向、競合状況、経済情勢その他に不透明
り、実際の業績は見通しと異なる可能性があることをご承知おき願います。業績予想につきましては、添付資料5ページ「今後の見通し」をご
な面があり、実際の業績は見通しと異なる可能性があることをご承知おき願います。業績予想につきましては、添付資料5ページ「今後の見
覧下さい。なお、2019年3月期の第2四半期末および期末の予想配当金につきましては、公表が可能になった時点で速やかに開示する予定
通し」をご覧下さい。なお、2022年3月期の第2四半期末および期末の予想配当金につきましては、公表が可能になった時点で速やかに開
です。
示する予定です。
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
○ 添付資料の目次
1.経営成績等の概況 2
(1) 当期の経営成績の概況 2
(2) 当期の財政状態の概況 3
(3) 当期のキャッシュ・フローの概況 4
(4) 今後の見通し 5
(5) 利益配分に関する基本方針および当期の配当 5
2.経営方針、経営環境および対処すべき課題等 6
(1) 経営方針 6
(2) 経営環境、対処すべき課題 7
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 8
4.連結財務諸表及び主な注記 9
(1) 連結貸借対照表 9
(2) 連結損益計算書及び連結包括利益計算書 11
(3) 連結株主資本等変動計算書 13
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書 15
(5) 連結財務諸表に関する注記事項 16
(継続企業の前提に関する注記) 16
(セグメント情報等) 16
(1株当たり情報) 17
(重要な後発事象) 17
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ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
当期(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における当社グループを取り巻
く事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界的に設備投資の
減少傾向が続くなど、厳しい市場環境となりましたが、中国がいち早く回復した
ほか、その他の地域も第2四半期頃から緩やかに回復してきました。
このようななか、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染拡
大防止を最優先としつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続に努めて
きました。また、市場環境の変化に対処すべく、経費削減、業務の効率化など企
業体質の強化を図りました。
2020年度における連結業績は、売上高が5,512億87百万円(前期比8.5%増)、
経常利益が1,287億44百万円(前期比25.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利
益が940億12百万円(前期比28.1%増)となりました。
なお、当期におきまして、「安全性」「使いやすさ」「高信頼性」の全てを兼ね
備えた新型協働ロボット「ファナック ロボット CRXシリーズ」が「2020年日
刊工業新聞十大新製品賞 本賞」「2020年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新
聞賞」および「第9回ロボット大賞 経済産業大臣賞」を受賞いたしました。
部門別の状況は、以下のとおりです。
[FA部門]
FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、中
国ではいち早く回復し好調に推移しました。インドでも、農機、二輪車関係を中
心に需要が回復しています。これまで需要が低調に推移していた国内や欧州、韓
国、台湾でも、中国市場向けをはじめとして機械の輸出需要が少しずつ増えてき
ました。これらの結果、当社グループのCNCシステムの売上高は前年度に比べ増
加しました。
レーザについては、中国市場および欧州市場で回復基調にありますが、海外メ
ーカとの厳しい競争が継続しています。
FA部門の連結売上高は、1,492億40百万円(前期比4.2%増)、全連結売上高に
対する構成比は27.1%となりました。
2
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
[ロボット部門]
ロボット部門については、米州では一般産業向けが堅調で、自動車産業向けも
EV関連の需要を取り込み、売上が増加しました。また、中国でIT関連のほか、EV、
建機、重機、その他の機械加工向けも加わり、売上が好調に推移しました。欧州
では、一般産業向けは堅調でしたが、自動車産業向けが設備投資の谷間となり、
前年同期に比べて売上が減少したほか、国内では売上が低調に推移しました。ロ
ボット部門の連結売上高は、2,100億24百万円(前期比3.7%増)
、全連結売上高に
対する構成比は38.1%となりました。
[ロボマシン部門]
ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)は、期の後半から
中国を中心に、パソコン、タブレット、スマートフォン市場向けの需要が急増し
たため、売上が増加しました。ロボショット(電動射出成形機)も、期の後半か
ら中国、欧米を中心に、IT関連、医療市場向けの需要が増加し、売上が回復しま
した。ロボカット(ワイヤカット放電加工機)については、期の後半から回復し
ましたが、年間では売上が減少しました。
ロボマシン部門の連結売上高は、1,145億18百万円(前期比52.9%増)、全連結
売上高に対する構成比は20.8%となりました。
[サービス部門]
サービス部門については、第1四半期における世界各地でのロックダウンなど
による影響を受け、お客様の工場の稼働停止や工場の稼働率低下等により、当社
サービスへの依頼が減少したものの、その後当社サービスへの依頼は回復しまし
た。
サービス部門の連結売上高は、775億5百万円(前期比11.5%減)、全連結売上高
に対する構成比は14.0%となりました。
(2)当期の財政状態の概況
資産合計は、前年度末比1,126億92百万円増の1兆6,251億91百万円となりまし
た。
負債合計は、前年度末比400億3百万円増の1,896億37百万円となりました。
純資産合計は、前年度末比726億89百万円増の1兆4,355億54百万円となりまし
た。
なお当社は、当社の株主還元方針(2020年4月24日公表の2020年3月期決算短
3
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
信に記載)に基づき、発行済株式総数の5%を超える自己株式(2,109,744株、
22,095百万円)を2020年5月29日付で消却しました。(本消却に伴う純資産合計額
への影響はありません。
)
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。
)は、前年度末比629
億11百万円増の5,779億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比268億76百万円減の1,179億96百万
円であり、これは主に売上債権が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比675億49百万円減の167億70百万
円であり、これは主に有形固定資産の取得による支出が減少したことによるもの
です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比875億94百万円減の531億32百万
円であり、これは主に配当金の支払額が減少したことによるものです。
4
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
(4)今後の見通し
今後しばらくの間、FA、ロボット、ロボマシンの各分野において、IT関連など
様々な分野で旺盛な需要が見込まれることから、2021年度(2022年3月期)の連
結業績予想を以下のとおりとします。
当予想は、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の程度や収束の時期などに
より大きく変動する可能性があります。開示すべき重要な事項が発生した場合に
は、速やかに業績への影響をお知らせします。
2022年3月期通期の連結業績予想
金額(百万円) 対前期増減率(%)
売上高 657,100 19.2
営業利益 148,400 31.9
経常利益 164,500 27.8
親会社株主に帰属
120,500 28.2
する当期純利益
注)2021年4月1日から2022年3月31日までの期間における為替レートは、
平均105円/ドル、125円/ユーロを想定しております。
(5)利益配分に関する基本方針および当期の配当
当社は、株主の皆様への利益還元につきましては、以下の基本方針に基づき
行います。
1.配当について
連結配当性向60%を基本方針として実施する。
2.自己株式取得について
成長投資とのバランスを考慮し、株価水準に応じて、自己株式取得を機
動的に行う。
3.自己株式の消却について
自己株式の保有は発行済株式総数の5%を上限とし、それを超過する部
分は原則として毎期消却する。
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ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
当期の配当金につきましては、以下を予定しております。
期末配当 年間配当 配当
中間配当
(予定) (予定) 性向
当期
87円93銭 206円14銭 294円07銭 60.0%
(2020年度)
(ご参考) 174円65銭 300円00銭
前期 125円35銭 78.6%
(普通配当103円79銭) (普通配当229円14銭)
(2019年度) (特別配当70円86銭) (特別配当70円86銭)
2.経営方針、経営環境および対処すべき課題等
(1)経営方針
当社グループは1956年に日本で民間初の NCとサーボ機構の開発に成功して
以来、一貫して工場の自動化を追求しています。
創業期に目指した、小柄でもしっかり根を張った巨人のごとき逞しさがある企
業、技術で勝負する企業を希求し続け、 「狭い路」を真っ直ぐに歩むことに努め
ています。
その企業像を実現するために、当社グループは基本理念として「厳密と透明」
を掲げています。そこには、企業の永続性、健全性は厳密から生まれ、組織の腐
敗、企業の衰退は不透明から始まる、という考えがあります。
当社グループは、基本技術であるNCとサーボ、レーザからなるFA事業と、そ
の基本技術を応用したロボット事業およびロボマシン事業、そして製造現場の
IoT事業に絞り込んで商品の開発を行い、世界に無くてはならない価値をお客様
に提供し続けてまいります。
また、生産財のサプライヤであるとの原点に立ち、お客様がファナックの商品
をお使いになる限り、保守サービスを提供し続けてまいります。
当社グループはこれらの事業活動を通じて、お客様の工場の自動化と効率化を
推進することで国内外の製造業の発展に貢献し、今後も中長期的に拡大が見込ま
れる工場の自動化分野において、着実な成長を実現してまいります。
6
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
(2)経営環境、対処すべき課題
ファナックの商品は景気変動の影響を大きく受け易い生産財であることから、
短期的な事象に左右されない、長期的な視点に立った経営を続けています。
米中貿易摩擦が長期化する中、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響
等もあり、予断を許さない状況が続くものと思われます。その一方で、工場の自
動化への要求は中長期的に拡大することが見込まれます。
当社グループは、 「one FANUC」を合言葉に、FA・ロボット・ロボマシンが一
体となったトータルソリューションの提供、およびグループ一体となった世界の
お客様への対応、という当社グループならではの強みを最大限活かしてまいりま
す。特に、CNC工作機械とロボットとの連携、ロボマシンとロボットとの連携を
重要テーマの一つと捉え、商品を開発してまいります。
また、ファナックの商品は製造現場でご使用いただく生産財であるとの原点に
立ち、お客様の工場におけるダウンタイムを最小にして稼働率向上を図るため、
「壊れない」 「壊れる前に知らせる」 「壊れてもすぐ直せる」ことを商品開発にお
いて徹底いたします。また、工場の自動化への要求が拡大する一方、熟練労働者
の確保が難しくなる状況に対応するため、使い易さを一層重視した商品開発にも
取り組んでまいります。
そして世界中のどこでもファナックのグローバルスタンダードに沿った高度な
保守サービスを提供すること、お客様が使用し続ける限り保守を続ける「生涯保
守」を行うこと、を基本理念とした「サービス ファースト」を実践してまいり
ます。特に、競合会社が追随することが難しい「生涯保守」については、当社グ
ループの大きな特長として、引き続き注力してまいります。
さらに、当社グループは、今後も競争力の高い商品を開発し市場投入していく
うえで、IoT・AI技術を必要不可欠なものと考えております。これらの技術をFA・
ロボット・ロボマシンのすべての分野に積極的に適用していくことで、お客様に
おける生産の効率化を一層推進します。 IoT技術についてはオープンプラットフォ
ーム「FIELD system」などの開発も進めています。AI技術については実際の製造
現場で役立つ機能の開発を進めています。当社にない技術については、引き続き
他社との協業も積極的に推進して、スピーディな開発に努めてまいります。
当社グループは、長期的視点に立ち、商品競争力の強化、セールス・サービス
活動の強化、工場の自動化・ロボット化の推進、業務の合理化など、より強い企
業にするための施策を推し進めます。また、生産財のサプライヤとして、いかな
る場合にもお客様への供給責任を果たし、サービス活動を維持することができる
よう、生産拠点やサービス拠点の複数化に取り組んでおります。さらに、部品調
達先の複数化、適切な部品在庫の保有など、サプライチェーンの強化にも取り組
7
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
んでいます。
こうした活動の一方で、当社グループは経費と時間の削減および業務の合理化
にも取り組み、強い企業体質の維持に努めています。また、中長期的な成長のた
めには、人材が最重要であるとの観点に立ち、社員がより働きやすい職場の実現、
社員のモチベーションの一層の向上も重要課題として取り組んでまいります。
経営に当たっては、ファナックの商品はSDGsの達成にも大きく貢献すること
を一層意識してまいります。また、営業利益率、経常利益率、ROEなどに加えて、
市場シェアも重要な経営指標と捉え、総合的に判断してまいります。
喫緊の課題として、当社グループは、お客様、お取引先、社員およびその家族
の新型コロナウイルス感染予防・感染拡大防止を最優先としつつ、お客様への商
品の供給とサービス活動の継続を図ってまいります。
今後もあらゆる面で当社グループは、基本理念である「厳密と透明」 を徹底し、
こうした諸施策をグループ一丸となって推し進めることにより、お客様の当社グ
ループへの安心と信頼を高めるとともに、激しい環境変化に適応することで、永
続的な企業となるべく努力してまいります。
3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性および企業間の比較可能性を
考慮し、当面は、日本基準で連結財務諸表を作成する方針であります。
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ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
4.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結貸借対照表
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産の部
流動資産
現金及び預金 405,861 429,784
受取手形及び売掛金 85,266 128,171
有価証券 126,700 157,000
商品及び製品 65,122 81,253
仕掛品 51,979 52,008
原材料及び貯蔵品 25,450 31,007
その他 10,833 11,253
貸倒引当金 △831 △782
流動資産合計 770,380 889,694
固定資産
有形固定資産
建物及び構築物(純額) 310,060 309,113
機械装置及び運搬具(純額) 60,216 59,863
土地 146,085 148,389
建設仮勘定 65,458 44,408
その他(純額) 15,317 15,073
有形固定資産合計 597,136 576,846
無形固定資産 10,219 9,952
投資その他の資産
投資有価証券 83,337 109,212
繰延税金資産 33,912 31,141
退職給付に係る資産 13,968 4,772
その他 4,003 3,998
貸倒引当金 △456 △424
投資その他の資産合計 134,764 148,699
固定資産合計 742,119 735,497
資産合計 1,512,499 1,625,191
9
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
負債の部
流動負債
支払手形及び買掛金 26,974 44,015
未払法人税等 9,270 22,131
アフターサービス引当金 8,306 8,860
その他 56,413 60,112
流動負債合計 100,963 135,118
固定負債
退職給付に係る負債 44,652 49,379
その他 4,019 5,140
固定負債合計 48,671 54,519
負債合計 149,634 189,637
純資産の部
株主資本
資本金 69,014 69,014
資本剰余金 96,265 95,995
利益剰余金 1,351,122 1,373,018
自己株式 △127,822 △106,008
株主資本合計 1,388,579 1,432,019
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金 5,058 16,910
為替換算調整勘定 △26,608 △4,849
退職給付に係る調整累計額 △11,929 △18,601
その他の包括利益累計額合計 △33,479 △6,540
非支配株主持分 7,765 10,075
純資産合計 1,362,865 1,435,554
負債純資産合計 1,512,499 1,625,191
10
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(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
売上高 508,252 551,287
売上原価 326,095 349,327
売上総利益 182,157 201,960
販売費及び一般管理費 93,807 89,446
営業利益 88,350 112,514
営業外収益
受取利息 3,861 2,088
受取配当金 1,444 1,339
持分法による投資利益 8,752 11,640
雑収入 2,733 3,330
営業外収益合計 16,790 18,397
営業外費用
固定資産撤去費用 971 523
投資有価証券評価損 454 772
寄付金 300 481
雑支出 599 391
営業外費用合計 2,324 2,167
経常利益 102,816 128,744
特別損失
減損損失 1,973 -
特別損失合計 1,973 -
税金等調整前当期純利益 100,843 128,744
法人税、住民税及び事業税 24,450 32,385
法人税等調整額 1,776 101
法人税等合計 26,226 32,486
当期純利益 74,617 96,258
非支配株主に帰属する当期純利益 1,246 2,246
親会社株主に帰属する当期純利益 73,371 94,012
11
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期純利益 74,617 96,258
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金 △4,053 11,852
為替換算調整勘定 △18,634 22,072
退職給付に係る調整額 7,408 △6,672
持分法適用会社に対する持分相当額 △1,961 569
その他の包括利益合計 △17,240 27,821
包括利益 57,377 124,079
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 56,796 120,951
非支配株主に係る包括利益 581 3,128
12
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
(3)連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 69,014 96,265 1,380,439 △91,040 1,454,678
会計方針の変更によ
△63 △63
る累積的影響額
会計方針の変更を反映
69,014 96,265 1,380,376 △91,040 1,454,615
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △102,541 △102,541
親会社株主に帰属す
73,371 73,371
る当期純利益
合併による変動 -
非支配株主との取引
に係る親会社の持分 -
変動
自己株式の取得 △36,875 △36,875
自己株式の処分 4 5 9
自己株式の消却 △4 △84 88 -
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 -
額)
当期変動額合計 - - △29,254 △36,782 △66,036
当期末残高 69,014 96,265 1,351,122 △127,822 1,388,579
その他の包括利益累計額
その他有価証券評 退職給付に係る調 その他の包括利益 非支配株主持分 純資産合計
為替換算調整勘定
価差額金 整累計額 累計額合計
当期首残高 9,111 △6,677 △19,337 △16,903 7,371 1,445,146
会計方針の変更によ
△63
る累積的影響額
会計方針の変更を反映
9,111 △6,677 △19,337 △16,903 7,371 1,445,083
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △102,541
親会社株主に帰属す
73,371
る当期純利益
合併による変動 -
非支配株主との取引
に係る親会社の持分 -
変動
自己株式の取得 △36,875
自己株式の処分 9
自己株式の消却 -
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 △4,053 △19,931 7,408 △16,576 394 △16,182
額)
当期変動額合計 △4,053 △19,931 7,408 △16,576 394 △82,218
当期末残高 5,058 △26,608 △11,929 △33,479 7,765 1,362,865
13
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 69,014 96,265 1,351,122 △127,822 1,388,579
会計方針の変更によ
-
る累積的影響額
会計方針の変更を反映
69,014 96,265 1,351,122 △127,822 1,388,579
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △50,369 △50,369
親会社株主に帰属す
94,012 94,012
る当期純利益
合併による変動 346 346
非支配株主との取引
に係る親会社の持分 △270 △270
変動
自己株式の取得 △283 △283
自己株式の処分 2 2 4
自己株式の消却 △2 △22,093 22,095 -
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 -
額)
当期変動額合計 - △270 21,896 21,814 43,440
当期末残高 69,014 95,995 1,373,018 △106,008 1,432,019
その他の包括利益累計額
その他有価証券評 退職給付に係る調 その他の包括利益 非支配株主持分 純資産合計
為替換算調整勘定
価差額金 整累計額 累計額合計
当期首残高 5,058 △26,608 △11,929 △33,479 7,765 1,362,865
会計方針の変更によ
-
る累積的影響額
会計方針の変更を反映
5,058 △26,608 △11,929 △33,479 7,765 1,362,865
した当期首残高
当期変動額
剰余金の配当 △50,369
親会社株主に帰属す
94,012
る当期純利益
合併による変動 346
非支配株主との取引
に係る親会社の持分 △270
変動
自己株式の取得 △283
自己株式の処分 4
自己株式の消却 -
株主資本以外の項目
の当期変動額(純 11,852 21,759 △6,672 26,939 2,310 29,249
額)
当期変動額合計 11,852 21,759 △6,672 26,939 2,310 72,689
当期末残高 16,910 △4,849 △18,601 △6,540 10,075 1,435,554
14
ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益 100,843 128,744
減価償却費 45,913 45,102
減損損失 1,973 -
貸倒引当金の増減額(△は減少) △261 △121
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) 2,762 4,252
退職給付に係る資産の増減額(△は増加) △7,456 9,040
受取利息及び受取配当金 △5,305 △3,427
持分法による投資損益(△は益) △8,752 △11,640
売上債権の増減額(△は増加) 18,358 △37,122
たな卸資産の増減額(△は増加) 10,288 △16,828
仕入債務の増減額(△は減少) △8,646 15,239
その他 14,118 △2,985
小計 163,835 130,254
利息及び配当金の受取額 11,965 7,082
法人税等の支払額 △29,655 △20,153
その他 △1,273 813
営業活動によるキャッシュ・フロー 144,872 117,996
投資活動によるキャッシュ・フロー
定期預金の預入による支出 △32,248 △31,849
定期預金の払戻による収入 28,672 40,021
有形固定資産の取得による支出 △75,429 △21,768
その他 △5,314 △3,174
投資活動によるキャッシュ・フロー △84,319 △16,770
財務活動によるキャッシュ・フロー
自己株式の取得による支出 △36,870 △283
配当金の支払額 △102,546 △50,484
その他 △1,310 △2,365
財務活動によるキャッシュ・フロー △140,726 △53,132
現金及び現金同等物に係る換算差額 △12,533 14,465
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △92,706 62,559
現金及び現金同等物の期首残高 607,714 515,008
非連結子会社との合併に伴う現金及び現金同等物の
- 352
増加額
現金及び現金同等物の期末残高 515,008 577,919
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ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
(5) 連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(セグメント情報等)
1 セグメント情報
前連結会計年度(自 2019 年 4 月 1 日 至 2020 年 3 月 31 日)及び
当連結会計年度(自 2020 年 4 月 1 日 至 2021 年 3 月 31 日)
当社グループは、ファクトリーオートメーション(FA)の総合的なサプライヤと
して、自動化による生産システムに使用される CNC システムと CNC システムの技
術をベースとしたその応用商品の開発、製造、販売を主な事業とする単一業種の事
業活動を営んでおります。
当社グループでは、すべての商品に、CNC、サーボモータが使用されていること
から、投資の意思決定は、特定の商品の状況だけではなく、すべての商品の受注・
売上、製造の状況により判断しております。
このように、当社グループにおいては投資の意思決定を全体で実施し、事業セグ
メントは単一であるためセグメント情報の記載を省略しております。
2 関連情報
当連結会計年度(自 2020 年 4 月 1 日 至 2021 年 3 月 31 日)
(1) 製品及びサービスごとの情報
(単位:百万円)
FA ロボット ロボマシン サービス 合計
外部顧客への売上高 149,240 210,024 114,518 77,505 551,287
(2) 地域ごとの情報
◎ 売上高
(単位:百万円)
日本 米州 欧州 アジア その他の地域 合計
82,456 120,738 85,413 258,814 3,866 551,287
(注)売上高は顧客の所在地別を基礎とし、国又は地域別に分類しております。
◎ 有形固定資産
(単位:百万円)
日本 その他の地域 合計
518,299 58,547 576,846
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ファナック㈱(6954)2021年3月期決算短信
(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月 1日 (自 2020年4月 1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
1株当たり純資産額 7,064.22円 1株当たり純資産額 7,431.58円
1株当たり当期純利益金額 381.89円 1株当たり当期純利益金額 490.11円
なお、潜在株式調整後1株当たり当期純利益 なお、潜在株式調整後1株当たり当期純利益
金額については、潜在株式が存在しないため記 金額については、潜在株式が存在しないため記
載しておりません。 載しておりません。
(注) 1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
項目 (自 2019年4月 1日 (自 2020年4月 1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
親会社株主に帰属する当期純利益金額(百万円) 73,371 94,012
普通株主に帰属しない金額(百万円) ─ ─
普通株式に係る親会社株主に帰属する当期純利益 73,371 94,012
金額(百万円)
普通株式の期中平均株式数(千株) 192,124 191,821
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2021 年 4 月 27 日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第 165 条第 3
項の規定により読み替えて適用される同法第 156 条の規定に基づき、自己株式取得に係る事
項について決議しました。
1 自己株式の取得を行う理由
経営環境の変化に対応し、資本政策の柔軟性・機動性を確保するため。
2 取得に係る事項の内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 250 万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 1.30%)
(3)株式の取得価額の総額 500 億円(上限)
(4)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(5)取得期間 2021 年 4 月 28 日から 2022 年 3 月 31 日まで
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