2021年3月期第1四半期 決算概要
2021年3月期 業績見通し
2020年7月31日
カシオ計算機株式会社
本資料における業績予想及び将来の予想等に関する記述は、
現時点で入手された情報に基づき判断した予想であり、潜在的
なリスクや不確実性が含まれております。
従って、実際の業績は、様々な要因により、これらの業績とは
異なることがありますことをご承知おき下さい。
2021年3月期第1四半期 決算概要
2021年3月期第1四半期 連結決算実績
単位:億円
20年3月期 21年3月期
連結 1Q 1Q
前年比
売上高 661 400 61%
営業利益 75 ▲12 -
利益率 11.4% ▲3.0%
経常利益 70 ▲11 -
当期純利益 49 ▲9 -
1株利益(円) 19.97 ▲3.72
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セグメント別実績 売上・営業利益
単位:億円
20年3月期 21年3月期
連結 1Q 1Q
前年比
売
コンシューマ 581 352 61%
上 システム 67 38 56%
その他 14 11 79%
高
合計 661 400 61%
営
コンシューマ 101 25 24%
業 システム ▲9 ▲18 -
その他 0 1 137%
利
調整額 ▲18 ▲20 -
益
合計 75 ▲12 -
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2021年3月期第1四半期の事業別実績
時計 教育関数 収益改善 1Q
その他
事業 事業 事業※
売上高 222 50 115 13 400
営業利益率 11% 2% -17% ー -3%
増収率 -44% -52% -21% ー -39%
(現地通貨ベース) (-42%) (-50%) (-19%)
※収益改善事業…電子辞書、楽器、プロジェクター、その他システム
収益改善事業の内訳)
売上高 :電子辞書約17% 楽器約46%
システム約33%(内プロジェクター 約18%)
他電子文具
営業利益:プロジェクター -9億円
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事業別売上 前年比
現通ベース 売上前年比
1Q 4月 5月 6月
時計 58% 46% 55% 70%
教育関数 50% 48% 45% 56%
辞書 64% 50% 60% 98%
楽器 127% 120% 132% 133%
プロジェクター 38% 34% 26% 46%
その他システム 65% 54% 59% 82%
合計 62% 53% 58% 72%
時 計:アジア・新興国地域での主要店舗への客数の戻りが鈍く、売上回復に遅れ
教育関数:メイン市場のアジア新興国・欧州では約半数の国が休校中
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時計事業(成長拡大事業)
■1Q売上高:222億円 利益率:11%
【ジャンル別】(円ベース)
(前年比 44%減収、現通ベース 42%減収)
・販売数量、平均単価 G-SHOCK
フルメタル
-時計全体:数量-45%、単価 +1%(円ベース)/+3%(現通ベース) 『GMW-B5000』
G-SHOCK, BABY-G(メタル)
G-SHOCK, BABY-G(プラ)
G以外 ■G-SQUAD販売好調スタート
・心拍計、GPS機能を搭載した健康チェックやトレーニングに
G-SQUAD
心拍計・GPS搭載
『GBD-H1000』
最適なG-SQUAD『GBD-H1000』(5月発売)が好調
億円
G-SHOCKファンの指名買いに加え、SNSを通じてコロナ下
で健康意識が高まった新規ユーザーの取り込みも寄与
・GメタルはEC販売比率の高い中国では拡大したが、
日米欧ではジュエラー等実店舗での販売が中心のため、 G-SHOCK
FROGMAN
店舗休業、外出制限の影響を受けた 『GWF-A1000』
【販売数量、平均単価】
-Gメタル:数量-45%、単価-2%(円ベース)/±0%(現通ベース)
・購買マインドの強いG-SHOCKも実店舗休業の影響を
受け、売上は減少
OCEANUS
カシャロ
『OCW-P2000』
■G-SHOCK以外の売上減少
コロナウイルス影響による消費者マインドの冷え込み、
20年3月期
1Q
21年3月期
1Q
時計市場縮小が響き減収
EDIFICE
Honda Racing
・ノンブランドなどの一般時計に大きなマイナス影響 限定モデル
『ECB-10HR』
・OCEANUSは一部新製品の販売延期影響あり
・EDIFICEのHonda Racing限定モデル『ECB-10HR』好調 8
時計事業(成長拡大事業)
【エリア別】
【エリア別概況】(前年比:現地通貨ベース)
日本 北米 欧州
億円
各エリア共にコロナウイルス影響により減収 中国 その他
■日 本(前年比 -52%)
インバウンド消失と量販店休業により大きく減少
■北 米(前年比 -25%)/欧 州(前年比 -32%)
店舗休業、外出制限の影響あるも、ECは好調推移
■中 国(前年比 -10%)
4月は実店舗・EC共に大きく減少したものの、5・6月に回復
但し、6月については北京でのクラスター発生影響あり
■その他(前年比 -59%) 20年3月期 21年3月期
1Q 1Q
新興国はEC販売比率が低いことから、店舗休業による
影響を大きく受けた 億円 【実店舗】
億円 【EC】
【EC販売実績】
全体:EC販売前年比105%(EC販売比率35%超)
■中 国:EC販売比率50%強、天猫ブランドデイ好調
■欧 米:EC販売大幅拡大、特に自社EC販売拡大が顕著
20年3月期 21年3月期 20年3月期 21年3月期
1Q 1Q 1Q 1Q 9
教育関数事業(成長拡大事業)
【既存事業】
・関数電卓:新興国を中心に学校休校影響により売上2Q以降にずれ込み
(メイン市場の新興国・欧州では約半数の国が休校中)
・一般電卓:量販店、文具流通休業により減収
ClassWiz
『FX-991EX』
【新規事業】
・日本のオンライン学習化支援のため、ClassPad.net※を無償公開
※パソコンやタブレットで関数計算、
グラフ描画ができる数学学習ツール
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収益改善事業
電子辞書
学生向けは学校での販売会中止の影響で売上の一部が
2Q以降にずれ込み
社会人・シニア向けは一時的に需要減退
楽 器
巣ごもり需要により日米欧を中心に売上拡大
「Slim & Smart」の好調継続
プロジェクター
市場縮小に加え、メインの教育市場における学校休校影響
により大幅減収
⇒ 抜本的な見直し推進中
その他システム
コロナ影響による商談延期に伴う売上のずれ込み
SA:抜本的な見直し推進中
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今期(2021年3月期)の取り組み
アフターコロナで一変する市場環境に適応するための
事業戦略の推進、並びに構造改革を今期中に完遂
⇒ コロナ後(来期を想定)の高収益体質の基盤を確立
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2022年3月期計画
アフターコロナを想定した来期事業計画(2022年3月期)
売上高 営業利益 利益率
時計事業 1,600億円 290億円 18%
教育関数事業 550億円 80億円 15%
収益改善事業 600億円 30億円 5%
新規事業・その他
50億円 -80億円
(全社調整額含)
合計 2,800億円 320億円 11%
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成功事例(中国:時計事業)
■対前年実績/計画
4月 5月 6月※ 1Q 2Q計画 上期計画
※6月は北京でクラスター発生
67% 93% 105% 90% 約145% 約120% 影響のため想定より伸長せず
■2Qの営業政策
【昨年】 【今年】
オフライン 主要モール店頭での
大規模イベント7回 小規模ロードショーイベント 61回
全体の ・BMX
約45% ・3on3 主要モールと3月から商談
モールのアプリで集客、アプリでも購入可能
Eコマース、SNSの活用を数年前から積極的に進めてきたのが中国の強み
オンライン 7月:天猫狂暑季イベントでの実販好調
全体の 9月:9月6日京東スーパーブランドデイ獲得 (タイアップ企業として昨年とは桁違いの露出量)
約55% G-SHOCK動画・コンテンツ配信、消費者の体験企画
新たなGファンの増加を図り、11月11日独身の日商戦へ繋げる
オンライン・オフライン双方で成功しているのはCASIOだけとの業界評価
⇒ 中国での成功事例を他地域(特にアジア・新興国の成長ドライバー市場)へ積極展開
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成功事例(楽器事業)
超高品質なコンパクトピアノ、グランドピアノへの
憧れを実現しつつ新しいピアノライフを提案
◇ユーザーターゲット:30〜40代現役経験者/過去経験者
◇商品特性
・世界最短奥行き/容量世界最小&タッチパネルデザイン ※
・自然なタッチ感を実現した新鍵盤/自然で豊かな響きを実現したAiR音源
・スマホのオーディオ曲を本体スピーカーで再生 ※ハンマーアクション付き88鍵盤・スピーカー内蔵
デジタルピアノの奥行サイズにおいて スタイル・音・タッチの最適バランスを
(2019年1月現在、カシオ調べ)
実現した電子ピアノ PX-S1000
身近においてすぐに使えるスリムキーボード。
キーボードを身近にし新しい使用シーンを提案
◇ユーザーターゲット:従来の子供/ローティーンに加えて音楽好きの10〜20代
◇セールスポイント
・スリム&スタイリッシュなグリップ付デザイン 手軽に持ち運び、好きな場所で演奏が
・初心者でも操作しやすいインターフェイス 楽しめる電子キーボード CT-S200
・演奏の楽しさを広げるダンスミュージックモード with ボイス
コロナ禍で顕在化 ⇒ 余暇時間活用のビギナー/昔弾いたことがある復活層
Slim&Smartコンセプト(商品特性)が新規ユーザー獲得に成功
楽器売上に占めるSlim&Smart比率:約40%(前年約30%)
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アフターコロナに向けた今期取り組み(事業戦略)
時計
■「商品中心の集客型マーケティング」から「ユーザー中心のデジタルマーケティング」へ
ライフスタイルブランドとなったG-SHOCKは『製品のサービス化』を実現しファンに豊かな
『体験』を提供することを目指す
■G-SQUAD(トレーニング向けG-SHOCK)によるスポーツ・健康志向ユーザへの
新たな価値提供
教育関数/辞書
■GAKUHAN活動再拡大
教師向けオンラインワークショップを通じた「エミュレーター授業使用」促進
⇒ 先生はPC、生徒は関数電卓実機による数学授業
■全世界的な教育のDX加速への対応
・WEBアプリビジネス拡大(北米に加え日本、欧州も)
・日本のGIGAスクール構想により新たに発生する学習ツール・コンテンツのニーズに対し
GAKUHANで培った資産、ノウハウを活用
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アフターコロナに向けた今期取り組み(事業戦略)
システム
■プロジェクター
・抜本的な見直し推進中
・当社の半導体光源技術を活用した小型モジュールビジネスにシフト
■SA
・前期特損計上により高級機ジャンルからは撤退
・キャッシュレス決済対応レジを中心とした新たなビジネスモデル構築
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アフターコロナに向けた今期取り組み事例(構造改革)
営業本部
■事業及び市場環境の変化に合わせた、営業体制・流通・マーケティングの
抜本的な見直し
・グローバルでの営業本部体制見直し
・EC販売比率拡大、自社EC強化
時計EC比率の将来ターゲット 全体:40%(内、自社EC:10%)
⇒ 自社EC強化による双方向型のユーザーコミュニケーションの実現
・海外拠点/代理店政策の見直し
・デジタルマーケティングへの大幅シフト
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アフターコロナに向けた今期取り組み事例(構造改革)
本社
■あるべき本社機能に即した体制の見直し(本社費の最適化)
■新たな働き方に向けたITインフラ整備
・緊急事態宣言下(日本:4/7~5/25)での在宅勤務率は85%
・全従業員へのスマートフォン配布
・業務の電子化/ペーパーレス化推進
変革オフィス
■構造改革を強力に推進する全社横断組織(6月スタート)
■外部知見も活用し、改革テーマを推進
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アフターコロナ社会に対応した事業別中間ゴールイメージ
【中間ゴールイメージ】
売上高 営業利益 利益率
時計事業 2,000億円 400億円 20% コロナ前の右肩上がりの状態へ戻す
GAKUHAN再拡大
教育関数事業 550億円 80億円 15% +WEBアプリビジネスの事業貢献
事業を抜本的に見直し、
収益改善事業 600億円 30億円 5% 構造改革完遂。継続的黒字体質へ
カシオの強みを生かし、継続的に
新規事業 100億円 50億円 営業利益最低年間50億円を
毎期確保できる新規事業構造確立
調整額 -80億円
合計 3,250億円 480億円 15%
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2021年3月期 業績見通し
2021年3月期計画
足元7月度の全社売上見込みは対前年約76%
今期の業績予想については、今後のコロナウイルス影響が不透明なため
第2四半期、及び下期の売上高を対前年の約75%※水準で推移するものと想定
(※下期は昨年2~3月のコロナ影響を考慮)
単位:億円
2021年3月期計画
連結
2Q 前年比 上期 前年比 通期 前年比
売上高 600 75% 1,000 69% 2,200 78%
営業利益 22 24% 10 6% 60 21%
利益率 3.6% 1.0% 2.7%
経常利益 21 24% 10 6% 50 18%
当期純利益 14 18% 5 4% 30 17%
1株利益(円) 5.78 2.06 12.37
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2021年3月期計画 セグメント別売上・営業利益
単位:億円
2021年3月期計画
連結
2Q 前年比 上期 前年比 通期 前年比
売
コンシューマ 543 79% 895 71% 1,985 81%
上 システム 42 45% 80 49% 165 55%
その他 14 94% 25 87% 50 90%
高
合計 600 75% 1,000 69% 2,200 78%
営
コンシューマ 50 47% 75 36% 190 49%
業 システム ▲7 - ▲25 - ▲50 -
その他 ▲1 - 0 - 0 -
利
調整額 ▲21 - ▲40 - ▲80 -
益
合計 22 24% 10 6% 60 21%
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<ご参考①>
為替影響について
1円変動による影響額(年間)
為替感応度(22/3) 為替前提
(主要通貨) (年間) 売上高 営業利益
米ドル 108円 10億円 ― (※1)
ユーロ 118円 3.5億円 2.5億円
人民元 15.0円 18億円 12億円
※1 ドル円は輸出・輸入がほぼ均衡しており影響軽微
為替レート実績(21/3)
(前年差) 第1四半期 為替影響額
米ドル 107.6円(-2.3円) 1Q対前年比
ユーロ 118.5円(-5.0円) 売上高 -22億円
人民元 15.2円(-0.9円) 営業利益 -10億円
<ご参考②>
財務状況
■手元流動資金・有利子負債・ネットキャッシュ(第1四半期対比)
(億円)
<ご参考③>
■自己資本比率・D/Eレシオ
(倍)
<ご参考④>
■年金財政
・年金財政は積立超過(財政健全化)を維持
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
3月 3月 3月 3月 3月
年金資産 653億円 693億円 684億円 652億円 600億円
退職給付債務(A) 576億円 567億円 557億円 543億円 532億円
積立超過額(B) +78億円 +126億円 +127億円 +108億円 +68億円
超過割合(B÷A) +14% +22% +23% +20% +13%
電機・精密25社平均 -30% -27% -26% -25% -28%
END