6902 デンソー 2020-12-07 15:30:00
株式会社デンソーによるジェコー株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ [pdf]
2020 年 12 月7日
各 位
会 社 名 株式会社デンソー
代表者名 取締役社長 有馬 浩二
(コード:6902、東・名証第一部)
問合せ先 経理部長 篠田 吉正
(TEL.0566-61-5447)
会 社 名 ジェコー株式会社
代表者名 代表取締役社長 杉浦 さとし
(コード:7768、東証第二部)
問合せ先 常務取締役経営管理部長 葛巻 貞行
(TEL.048-556-7111)
株式会社デンソーによるジェコー株式会社の
完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ
株式会社デンソー(以下「デンソー」といいます。
)及びジェコー株式会社(以下「ジェコー」といいま
す。
)は、本日開催のそれぞれの取締役会において、デンソーを株式交換完全親会社とし、ジェコーを株式交
換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。
)を行うことに関し、両社間で株式交換契約
(以下「本株式交換契約」といいます。
)を締結することを決議し、本株式交換契約を締結しましたので、下
記のとおりお知らせいたします。
本株式交換の実施について、デンソーは、会社法第 796 条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続により、
デンソーの株主総会の承認を受けずに、ジェコーは、2021 年2月5日開催予定のジェコーの臨時株主総会に
おいて本株式交換契約の承認を受けた上で、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、関係当局の許認
可等が得られることを前提に、2021 年4月1日を効力発生日(以下「本株式交換効力発生日」といいます。
)
として行う予定です。
また、本株式交換の効力が発生した場合には、ジェコーはデンソーの完全子会社となり、以後、ジェコーの
定時株主総会の基準日制度の必要性が失われるため、ジェコーは、本日開催した取締役会において、当該臨時
株主総会において本株式交換が承認され、本株式交換契約が解除されておらず、かつ、本株式交換契約の効力
を失わせる事由が生じていないことを条件として、2021 年3月 30 日をもって、定時株主総会の基準日の定め
を削除することを内容とする定款の一部変更を決議しております。詳細は、ジェコーが本日公表いたしました
「臨時株主総会招集のための基準日設定及び定款の一部変更に関するお知らせ」をご参照ください。
なお、本株式交換効力発生日に先立ち、ジェコーの普通株式(以下「ジェコー株式」といいます。
)は、株
式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。
)市場第二部において、2021 年3月 30 日付で
上場廃止(最終売買日は 2021 年3月 29 日)となる予定です。
記
1.本株式交換の目的
デンソーは、1949 年 12 月に、トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車株式会社)から分離独立し、
日本電装株式会社として設立され、2020 年3月 31 日現在、デンソー及び子会社 200 社、関連会社 88 社(以
1
下「デンソーグループ」といいます。
)により構成されています。デンソーグループは、先進的な自動車技
術、システム・製品を提供するグローバルな自動車部品メーカーとして、主に自動車部品における「パワト
レインシステム」「エレクトリフィケーションシステム」「センサ&セミコンダクタ」「サーマルシステム」
、 、 、
及び「モビリティエレクトロニクス」並びに自動車部品以外の「非車載事業」の6つのコア領域において、
開発、製造及び販売を行っています。
一方、ジェコーは 1952 年2月にラジオコントロール付真空時計の生産販売を目的として、日本真空時計
株式会社として設立され、本日現在、ジェコー及び子会社2社(以下「ジェコーグループ」といいます。
)
により構成されています。ジェコーグループは、自動車時計、エアコンパネル、コンビネーションメータそ
の他表示装置、電流センサ、安全運転支援部品その他センサ類及び駆動装置類など、自動車機器の製造・販
売並びにこれらに付帯関連する業務を営んでおります。デンソーは 1978 年にジェコーの株式を取得し、そ
の後、2002 年7月に筆頭株主がトヨタ自動車株式会社からデンソーに異動して以来、デンソーがジェコー
の筆頭株主となっております。
デンソーグループ及びジェコーグループが属する自動車業界を取り巻く環境は、
「100 年に一度の大変革
期」を迎えております。世界的な人口増加や高齢化、都市化が拡大し、CO2排出による地球温暖化や交通
事故がますます大きな社会課題となっている中で、社会では、情報化・知能化の飛躍的な進展により、ビジ
ネスモデルの変化や、人々の価値観・消費行動の多様化が起こっております。デンソーグループ及びジェ
コーグループが事業を行うモビリティ領域においても、IoT(注1)やAI(注2)の進化により、
「C
ASE」
(注3)と呼ばれる動きが加速しており、モビリティ社会における急速なパラダイムシフトが進ん
でおります。こうした環境下において、デンソーグループやジェコーグループといった自動車部品サプライ
ヤーも、モビリティ社会の急速な変革を意識した技術開発・製品開発やそれに対応できる投資が求められて
おり、自動車部品業界では、Tier1と呼ばれる自動車部品メーカーを中心に、グループ体制の再構築や
合従連衡の進展により、いわゆる「メガサプライヤー」と称される自動車部品メーカーも誕生しつつあり、
より一層の競争の激化が予想されます。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、自動車業界全体
として販売台数の一定期間の伸び悩みが想定されており、自動車部品メーカーとしてもリソースの最適化や
効率化を図ることが急務となっております。
デンソーグループは、上記のような 100 年に一度の大変革期においても持続的に成長し続けるために、
2017 年 10 月に、2030 年の目指す姿を描いた「デンソーグループ 2030 年長期方針」を策定し、従来から注
力している「環境」と「安心」の提供価値を最大化することに加え、社会から「共感」していただける新た
な価値の提供を通じて、笑顔広がる社会づくりに貢献していきたいと考えております。さらに、足元の新型
コロナウイルスの影響や品質問題の発生などによる大変厳しい状況を踏まえ、
「環境」
「安心」分野での成長
戦略の立案・実行と、環境変化に左右されない「引き締まった強靭な企業体質への転換」を同時に推進すべ
く、デンソー変革プラン「Reborn(リボーン)21」の取り組みを開始しました。
ジェコーグループは、自動車時計をはじめ、設立以来、表示系製品分野の製品を自動車メーカー等に供
給してきましたが、上記のとおり、CASEに代表される大変革により、表示系製品分野においては、安全
かつ快適な運転をサポートするための様々な情報が自動車のコックピットパネル周辺に集約され、それらの
情報を制御するための大型表示系製品等の需要が増加する一方、時計やエアコンパネルなど、独立して機能
する車載製品の需要が減少傾向にあります。さらには機能性・操作性の充実やデザイン性の向上など、顧客
が求めるニーズも日々高度化しております。
ジェコーグループの事業は、主として、独自ブランド製品の製造及び販売と、デンソーグループからの
製造委託製品の製造及び販売の2つの事業により構成されておりますが、近年、ジェコーの独自ブランド製
品の売上が下落する一方で、デンソーからの製造委託製品の売上が大きく伸長し、ジェコーグループの売上
の大部分を占めるに至っており(デンソーに対する販売実績は、ジェコー全体の販売実績の 77.3%を占め
ており、これにトヨタ自動車株式会社に対する販売実績を加えると、ジェコー全体の販売実績の 90.8%を
占めております。、その生産対応のための設備投資負担が増大していることも現状の課題となっております。
)
そして、近年の自動車に搭載される製品は、表示系製品分野、センサ系製品分野を問わず、大規模なシステ
ム製品となっており、その開発を行うためには、車両システム全体を把握しなければならず、大手自動車部
品メーカーとの協業関係構築の必要性が高まっており、特にジェコーグループが多くの製品を供給するデン
2
ソーグループとの協業関係を深化させることが極めて重要であると考えております。
このような状況の下、デンソーは、ジェコーとの協業体制に関する検討を開始いたしました。その結果、
デンソーは、上記のような事業環境の中で、デンソーグループとして競争優位性を維持強化し、持続的な成
長を実現するためには、目覚ましい進歩への迅速な対応が不可欠であることから、経営資源のグループ間に
おける最適化及び一元管理、相互活用できる体制を整え、デンソーグループ及びジェコーグループの一体運
営による機動的な経営の推進が必要であると考えるに至りました。デンソーとしては、ジェコーグループは、
小物樹脂製品の加工・組付技術及び合理化技術、装飾塗装技術等、ジェコーグループの主力事業である時計
及び自動車コックピット製品の生産において培われた知見、生産技術、トヨタ生産方式(TPS)による工
場管理といった強みを有していると考えており、ジェコーがデンソーの完全子会社となれば、ジェコーグ
ループがデンソーグループの一員として、デンソーグループの技術、人材等のリソース及び情報等を活用し
つつ、ジェコーグループの強みを活かすことができる事業を担うことにより、デンソーグループとして事業
環境の変化に対応し、さらに競争力のある製品を顧客に提供することができるようになるものと考えており
ます。そこで、ジェコーをデンソーの完全子会社とすることが、ビジネス基盤の強化、生産性の向上につな
がり、人的リソース、財務基盤等の経営資源の活用等を通じた中長期的かつ安定的な企業価値の向上に資す
るとの判断に至り、ジェコーをデンソーの完全子会社とするにあたり、様々な手法と比較検討を行った上で、
デンソーは、ジェコーに対して、2020 年7月中旬に本株式交換の検討の申入れ(以下「本申入れ」といい
ます。
)を行いました。
ジェコーとしても、本申入れを受けデンソーとの協業体制について検討を行ったところ、ジェコーの有
するリソースをデンソーグループに提供することにより、デンソーグループにおけるさらなる競争力強化に
貢献することができると考えるに至りました。
ジェコーは本日現在、デンソーの持分法適用関連会社ではありますが、完全子会社でない状況下におい
ては、デンソーグループからジェコーグループに対して開示される情報は限定的にならざるを得ず、デン
ソーグループが有する技術や情報をジェコーグループの製品開発に最大限活かすことが困難な状態にあると
ころ、本株式交換により、ジェコーがデンソーの完全子会社となれば、デンソーグループからジェコーグ
ループに対して開示される情報の範囲は格段に広がり、デンソーグループが保有する市場トレンド、長期開
発戦略等の情報や技術、開発リソースについての情報開示を受けることが可能となり、将来の動向を踏まえ
た効率的な設備投資、重点投資を行うことで、製品競争力の強化に繋げることが可能になると考えておりま
す。さらに、ジェコー株式の非公開化に伴い、上場維持コストや株主対応コスト等の削減を図ることができ
るとともに、デンソーと他の少数株主との間における潜在的な利益相反関係の解消により、中長期的な企業
価値向上に向けて迅速かつ抜本的な経営施策の遂行が可能になると考えております。加えて、完全子会社化
の方法としては、本株式交換の対価としてデンソーの普通株式(以下「デンソー株式」といいます。)が
ジェコーの少数株主の皆様に交付されることにより、デンソー株式の保有を通じて、本株式交換に伴い期待
されるシナジー効果による長期的な利益を享受する機会をジェコーの少数株主の皆様に対して提供できる一
方で、流動性の高いデンソー株式を随時現金化することも可能であることから、本株式交換によりジェコー
をデンソーの完全子会社とすることは、ジェコーの少数株主の皆様にとっても有益な手法であると判断いた
しました。
これらの点を踏まえて、総合的に検討した結果、デンソー及びジェコーは、本株式交換によりジェコー
がデンソーの完全子会社となることが、デンソー及びジェコーそれぞれの企業価値の向上ひいては両社グ
ループの企業価値の向上に資するものであり、デンソー及びジェコーの双方の株主にとっても有益なもので
あるとの認識で一致したことから、両社において、本株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討
及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会決議により、デンソーがジェコーを完全子会社とするこ
とを目的として、本株式交換を実施することを決定いたしました。
(注1)IoT(Internet of Things)とは、モノのインターネット化をいいます。
(注2)AI(Artificial Intelligence)とは、人工知能のことをいいます。
(注3)CASEとは、Connected(コネクティッド)
、Autonomous(自動運転)
、Shared(シェアリング)
、
及び Electric(電動化)の頭文字をつなげた言葉です。
3
2.本株式交換の要旨
(1)本株式交換の日程
取締役会決議日(両社) 2020 年 12 月7日
本株式交換契約締結日(両社) 2020 年 12 月7日
臨時株主総会基準日公告日(ジェコー) 2020 年 12 月7日
臨時株主総会基準日(ジェコー) 2020 年 12 月 22 日
臨時株主総会決議日(ジェコー) 2021 年2月5日(予定)
最終売買日(ジェコー) 2021 年3月 29 日(予定)
上場廃止日(ジェコー) 2021 年3月 30 日(予定)
実施予定日(本株式交換効力発生日) 2021 年4月1日(予定)
(注1)デンソーは、会社法第 796 条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の決議による本株
式交換契約の承認を受けずに本株式交換を行う予定です。
(注2)本株式交換の日程は、本株式交換の手続遂行上の必要性その他の事由により必要な場合は、両社で協議及
び合意の上、変更されることがあります。
(注3)本株式交換効力発生日は、各国の競争当局の企業結合に関する届出許可等、関係当局の許認可等が得られ
ることを前提にしています。
(2)本株式交換の方式
本株式交換は、デンソーを株式交換完全親会社とし、ジェコーを株式交換完全子会社とする株式交換
です。本株式交換の実施について、デンソーは、会社法第 796 条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手
続により、デンソーの株主総会の承認を受けずに、ジェコーは、2021 年2月5日開催予定のジェコーの
臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、2021 年4月1日を効力発生日として行う予
定です。
(3)本株式交換に係る割当ての内容
デンソー ジェコー
(株式交換完全親会社) (株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率 1 0.55
本株式交換による交付する株式数 デンソー株式:450,115 株(予定)
(注1)株式の割当比率
ジェコー株式1株に対して、デンソー株式 0.55 株(以下「本株式交換比率」といいます。
)を割当交付
いたします。ただし、デンソーが保有するジェコー株式(本日現在 590,025 株)については、本株式交
換によるデンソー株式の割当てを行いません。
なお、本株式交換比率は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合等には、両社間で協議及
び合意の上、変更することがあります。
(注2)本株式交換により交付するデンソー株式の数
デンソーは、本株式交換に際して、本株式交換によりデンソーがジェコーの発行済株式(但し、デン
ソーが保有するジェコー株式(本日現在 590,025 株)を除きます。
)の全部を取得する時点の直前時(以
下「基準時」といいます。
)におけるジェコーの株主の皆様(但し、デンソーを除きます。
)に対し、そ
の保有するジェコー株式に代えて、上記表に記載の本株式交換比率に基づいて算出した数のデンソー株
式を交付いたします。
なお、ジェコーは、本株式交換効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、基準時の直前
の時点において保有する自己株式(本株式交換に関して行使される会社法第 785 条第1項に定める反対
株主の株式買取請求に応じてジェコーが取得する株式を含みます。
)の全てを、基準時の直前の時点に
おいて消却する予定です。本株式交換によって交付する株式数は、ジェコーの自己株式の取得及び消却
等の理由により、今後修正される可能性があります。
また、本株式交換により交付するデンソー株式は、全てデンソーの保有する自己株式(2020 年9月 30
4
日現在 13,042,200 株)を充当する予定であり、デンソーが新たに株式を発行することは予定しておりま
せん。
(注3)単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、デンソーの単元未満株式(100 株未満の株式)を保有することとなるジェコーの株
主の皆様については、デンソー株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。なお、金融
商品取引所市場において単元未満株式を売却することはできません。
① 単元未満株式の買増制度(100 株への買増し)
会社法第 194 条第1項及びデンソーの定款第 10 条の定め等に基づき、デンソーの単元未満株式を保有す
る株主の皆様が、デンソーに対して、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数のデン
ソー株式を売り渡すことを請求し、これをデンソーから買い増すことができる制度です。
② 単元未満株式の買取制度(100 株未満株式の売却)
会社法第 192 条第1項の規定に基づき、デンソーの単元未満株式を保有する株主の皆様が、デンソーに
対して、その保有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる制度です。
(注4)1株に満たない端数の処理
本株式交換に伴い、デンソー株式1株に満たない端数の割当てを受けることとなるジェコーの株主の皆
様については、会社法第 234 条その他の関連法令の定めに従い、その端数の合計数(その合計数に1に
満たない端数がある場合は切り捨てるものとします。
)に相当するデンソー株式を売却し、かかる売却
代金をその端数に応じて当該株主の皆様に現金でお支払いいたします。
(4)本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
デンソーの完全子会社となるジェコーは、新株予約権及び新株予約権付社債のいずれも発行していな
いため、該当事項はありません。
3.本株式交換に係る割当ての内容の根拠等
(1)割当ての内容の根拠及び理由
デンソー及びジェコーは、上記「1.本株式交換の目的」に記載のとおり、2020 年7月中旬に、デン
ソーからジェコーに対して本申入れを行い、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、デンソーが
ジェコーを完全子会社とすることが、デンソー及びジェコーそれぞれの企業価値向上ひいては両社のグ
ループ全体の企業価値向上にとって最善の判断と考えるに至りました。
デンソー及びジェコーは、本株式交換に用いられる上記「2.本株式交換の要旨」の(3)本株式交換
に係る割当ての内容」に記載の本株式交換比率の決定にあたり、本株式交換の公正性・妥当性を確保す
るため、それぞれ両社から独立した第三者算定機関に本株式交換に係る割当比率の算定を依頼すること
とし、デンソーは野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。
)を、ジェコーはみずほ証券株式会
社(以下「みずほ証券」といいます。
)を、それぞれの第三者算定機関に選定いたしました。また、デン
ソーは弁護士法人漆間総合法律事務所及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、ジェコーはTMI
総合法律事務所を、両社から独立したそれぞれのリーガル・アドバイザーとして選定し、本格的な検討
を開始いたしました。
デンソーにおいては、下記「
(4)公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機関で
ある野村證券から 2020 年 12 月4日付で取得した株式交換比率に関する算定書、リーガル・アドバイザー
である弁護士法人漆間総合法律事務所及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言等を踏まえ
て、慎重に協議・検討した結果、本株式交換比率は妥当であり、デンソー株主の皆様の利益に資すると
の結論に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
ジェコーにおいては、下記「
(4)公正性を担保するための措置」に記載のとおり、第三者算定機関で
あるみずほ証券から 2020 年 12 月7日付で取得した株式交換比率に関する算定書及びリーガル・アドバイ
ザーであるTMI総合法律事務所からの助言、並びに、下記「
(5)利益相反を回避するための措置」に
記載のとおり、デンソーとの間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下
「本特別委員会」といいます)から受領した答申書等を踏まえて、慎重に協議・検討した結果、本株式
5
交換比率は妥当であり、ジェコー株主の皆様の利益に資するものであること、また、2021 年3月期に営
業損失を計上する見込みであるジェコーにとっては、本株式交換がジェコーの経営の回復につながるも
のであり、ひいてはジェコー株主の皆様の利益に資するものであるとの結論に至ったため、本株式交換
比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
上記のほか、デンソー及びジェコーは、両社それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェ
ンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、デンソー及びジェコーの財務状況・資産状況・将来の見通し・
株価動向等の要因を総合的に勘案した上、両社間で交渉・協議を複数回に渡り重ねてまいりました。
その結果、デンソー及びジェコーは、本株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の皆様の利益に
資するとの判断に至ったため、それぞれの取締役会の承認を受け、両社間で本株式交換契約を締結いた
しました。
(2)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに上場会社及び相手会社との関係
デンソーの第三者算定機関である野村證券及びジェコーの第三者算定機関であるみずほ証券は、いず
れもデンソー及びジェコーから独立した算定機関であり、デンソー及びジェコーの関連当事者には該当
せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
② 算定の概要
野村證券は、デンソー株式が東京証券取引所市場第一部及び株式会社名古屋証券取引所(以下「名古
屋証券取引所」といいます。
)市場第一部に上場、ジェコー株式が東京証券取引所市場第二部に上場し、
市場株価が存在することから、市場株価平均法を、デンソー及びジェコーいずれについても比較可能な
上場類似会社が存在し、類似会社比較法による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法
を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法
(以下「DCF法」といいます。
)を採用して算定を行いました。
各評価方法によるデンソー株式の1株当たりの株式価値を1とした場合のジェコーの評価レンジは、
以下のとおりとなります。
採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価平均法 0.45~0.55
類似会社比較法 0.32~1.13
DCF法 0.51~0.73
なお、市場株価平均法においては、2020 年 12 月3日を算定基準日として、東京証券取引所における
算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平
均値を採用しております。
野村證券は、上記株式交換比率の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正
確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行ってお
りません。両社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債
務を含みます。
)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を
行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両社の各々の財務予測(利益
計画その他の情報を含みます。
)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予
測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2020
年 12 月3日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定
は、デンソーの取締役会が本株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としており
ます。
なお、野村證券がDCF法による算定の前提としたデンソーの将来見通しについては、大幅な増益を
見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、営業利益について、2021 年3月期と 2022 年
6
3月期にそれぞれ前年度に対して3割以上の大幅な増益を見込んでおり、2021 年3月期の増益は、主
に 2020 年3月期の利益水準が新型コロナウイルス感染症拡大による大幅な市場減速の影響を受けたこ
と及び品質費用の計上等により一過性の費用が大幅に増加していたこと等によるもの、2022 年3月期
の増益は、主に 2021 年3月期の業績予想に織り込んでいる車両生産の減少から回復すると見込んでい
ること等によるものです。ジェコーの将来の財務見通しについては、大幅な増減益を見込んでいる事業
年度が含まれております。具体的には、営業損益について、2022 年3月期、2023 年3月期、そして
2024 年3月期にそれぞれ前年度に対して3割以上の大幅な増益を、また、2021 年3月期と 2026 年3月
期にそれぞれ前年度に対して3割以上の大幅な減益を見込んでおり、2021 年3月期の減益は主に新型
コロナウイルス感染症拡大の影響に端を発した足元経済状況の悪化に基づく操業度減を受けたことによ
るもの、2022 年3月期の増益は主に 2021 年3月期に織り込んだ新型コロナウイルス感染症拡大による
操業度減が正常化する予想に基づく利益回復によるもの、2023 年3月期の増益は主に従来製品から新
製品への転換及び当該新製品搭載予定の新モデル生産開始に伴う売上成長、利益貢献等によるもの、
2024 年3月期の増益は主に新製品への転換継続及び当該新製品の増産による売上成長、利益貢献等に
よるもの、2026 年3月期の減益は主に一部製品の生産終了に伴う売上減少、利益剥落等によるもので
す。なお、当該財務予測は、本株式交換の実施を前提としておりません。
他方、みずほ証券は、デンソー株式及びジェコー株式について、デンソー株式が東京証券取引所市場
第一部及び名古屋証券取引所市場第一部に上場、ジェコー株式が東京証券取引所市場第二部に上場し、
市場株価が存在することから、市場株価基準法(2020 年 12 月4日を算定基準日とし、算定基準日以前
の1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の東京証券取引所における株価終値の平均値)を、また、両社の将
来の事業活動の状況を算定に反映させるため、DCF法を用いて算定を行っております。
なお、みずほ証券による株式交換比率算定書は、ジェコーの取締役会が株式交換比率を決定する際
の参考情報として作成されたものであり、両者間で合意・決定された株式交換比率の公正性について意
見を表明するものではありません。
各評価方法によるデンソー株式の1株当たりの株式価値を1とした場合の評価レンジは、以下のとお
りとなります。
採用手法 株式交換比率の算定結果
市場株価基準法 0.44~0.54
DCF法 0.39~0.59
みずほ証券は、上記株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開され
た情報等を採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提とし、独
自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、両社並びにその子会社及び関連会社
の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。
)について、個別の各資産及び各負
債の分析及び評価を含め独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依
頼も行っておりません。加えて両社の将来の事業見通し及び財務状況予測については、両社の経営陣に
より現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的にかつ適切な手段に従って準備・作成されてい
ることを前提としております。また、みずほ証券の株式交換比率の算定は、2020 年 12 月4日現在まで
の情報及び経済条件を前提としたものです。
なお、みずほ証券がDCF法による算定の前提としたデンソー及びジェコーの財務予測においては、
大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、デンソーは、営業利益におい
て、2021 年3月期と 2022 年3月期にそれぞれ前年度に対して3割以上の大幅な増益を見込んでおり、
2021 年3月期の増益は、主に 2020 年3月期の利益水準が新型コロナウイルス感染症拡大による大幅な
市場減速の影響を受けたこと及び品質費用の計上等により一過性の費用が大幅に増加していたこと等に
よるもの、2022 年3月期の増益は、主に 2021 年3月期の業績予想に織り込んでいる車両生産の減少か
ら回復すると見込んでいること等によるものです。ジェコーについては、営業利益において、2022 年
7
3月期、2023 年3月期、そして 2024 年3月期にそれぞれ前年度に対して3割以上の大幅な増益を、ま
た、2021 年3月期と 2026 年3月期にそれぞれ前年度に対して3割以上の大幅な減益を見込んでおりま
す。具体的には、2021 年3月期の減益は主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響に端を発した足元
経済状況の悪化に基づく操業度減を受けたこと等によるものであり、2022 年3月期の増益は主に 2021
年3月期に織り込んだ新型コロナウイルス感染症拡大による操業度減が正常化する予想に基づく利益回
復等によるものです。2023 年3月期の増益は主に従来製品から新製品への転換及び当該新製品搭載予
定の新モデル生産開始に伴う売上成長、利益貢献等によるものであり、2024 年3月期の増益は主に新
製品への転換継続及び当該新製品の増産による売上成長、利益貢献等によるものであり、2026 年3月
期の減益は主に一部製品の生産終了に伴う売上減少、利益剥落等によるものです。なお、当該財務予測
は、本株式交換の実施を前提としておりません。
(3)上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、本株式交換効力発生日である 2021 年4月1日(予定)をもって、ジェコーはデン
ソーの完全子会社となります。それに先立ち、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経
て、ジェコー株式は 2021 年3月 30 日付で上場廃止(最終売買日は 2021 年3月 29 日)となる予定です。
上場廃止後は、ジェコー株式を東京証券取引所市場第二部において取引することができなくなります。
ジェコー株式が上場廃止となった後も、本株式交換によりジェコーの株主の皆様(但し、デンソーを
除きます。
)に割り当てられるデンソー株式は東京証券取引所及び名古屋証券取引所に上場されており、
本株式交換効力発生日以降も金融商品取引市場での取引が可能であることから、ジェコー株式を基準時
において 182 株以上保有し、本株式交換によりデンソー株式の単元株式数である 100 株以上のデンソー株
式の割当てを受けるジェコーの株主の皆様に対しては、引き続き株式の流動性を提供できるものと考え
ております。
他方、基準時において 182 株未満のジェコー株式を保有するジェコーの株主の皆様には、デンソー株式
の単元株式数である 100 株に満たないデンソー株式が割り当てられます。そのような単元未満株式につい
ては金融商品取引所市場において売却することはできませんが、単元未満株式を保有することとなる株
主の皆様は、デンソーに対し、その保有する単元未満株式を買い取ることを請求することが可能です。
また、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元となる数の株式をデンソーから買い増すことも可
能です。かかる取扱いの詳細については、上記「2.
(3)
(注3)単元未満株式の取扱い」をご参照く
ださい。また、本株式交換に伴い1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細につい
ては、上記「2.(3)
(注4)1株に満たない端数の処理」をご参照ください。
なお、ジェコーの株主の皆様は、最終売買日である 2021 年3月 29 日(予定)までは、東京証券取引所
市場第二部において、その保有するジェコーの普通株式を従来どおり取引することができます。
(4)公正性を担保するための措置
デンソー及びジェコーは、デンソーが既にジェコー株式 590,025 株(2020 年9月 30 日現在の発行済株
式総数 1,675,805 株に占める割合にして 35.21%(小数点以下第三位を切り捨て。以下、保有割合の計算
において同じです。)を保有しており、ジェコーがデンソーの持分法適用関連会社に該当すること、ま
)
た、両社の間には下記「4.本株式交換の当事会社の概要(2020 年 3 月 31 日現在)
」の「
(13)当事会社
間の関係」に記載のとおりの関係があることから、本株式交換の公正性を担保する必要があると判断し、
以下のとおり公正性を担保するための措置を実施しております。
① 独立した第三者算定機関からの算定書
デンソーは野村證券を、ジェコーはみずほ証券を、第三者算定機関に選定し、それぞれ株式交換比率
に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要については、上記「
(2)算定に関する事項」をご
参照ください。なお、デンソー及びジェコーは、いずれも各第三者算定機関から、本株式交換比率が財
務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
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② 独立した法律事務所からの助言
デンソーは、リーガル・アドバイザーとして、弁護士法人漆間総合法律事務所及びアンダーソン・毛
利・友常法律事務所を選定し、本株式交換の諸手続及びデンソーの意思決定の方法・過程等について、
法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及び弁護士法人漆間総合法律
事務所は、デンソー及びジェコーから独立しており、デンソー及びジェコーとの間に重要な利害関係を
有しておりません。
一方、ジェコーは、リーガル・アドバイザーとして、TMI総合法律事務所を選定し、本株式交換の
諸手続及びジェコーの意思決定の方法・過程等について、法的助言を受けております。なお、TMI総
合法律事務所は、デンソー及びジェコーから独立しており、デンソー及びジェコーとの間に重要な利害
関係を有しておりません。
(5)利益相反を回避するための措置
ジェコーは、デンソーが既にジェコーの発行済株式総数の 35.21%を保有しており、ジェコーはデン
ソーの持分法適用関連会社に該当すること、また、両社の間には下記「4.本株式交換の当事会社の概
要(2020 年 3 月 31 日現在)の「
(13)当事会社間の関係」に記載のとおりの関係があることから、上記
「
(4)公正性を担保するための措置」に記載の措置を実施することに加え、利益相反を回避するため、
以下のような措置を講じております。
① 特別委員会の設置及び答申書の取得
ジェコーは、2020 年7月中旬のデンソーからの本申入れを受け、本株式交換に係るジェコーの意思
決定に慎重を期し、また、ジェコーの取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを
排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本株式交換を行う旨の決定をすること
がジェコーの少数株主にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、2020 年7月 17
日に、デンソーとの間で利害関係を有しておらず、かつ、東京証券取引所に独立役員として届け出てい
るジェコーの社外取締役である大江忠氏(弁護士、大江忠・田中豊法律事務所)及び社外有識者2名の
合計3名によって構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、(a)本株式交換の目的の合
理性(本株式交換はジェコーの企業価値の向上に資するかを含む。
)に関する事項、(b)本株式交換の取
引条件の妥当性(本株式交換の実施方法や対価の種類の妥当性を含む。
)に関する事項、(c)本株式交換
の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。
)に関する事項、(d)
上記(a)乃至(c)を踏まえ、本株式交換がジェコーの少数株主にとって不利益でないこと、(e)上記(a)乃
至(d)を踏まえ、本株式交換を行うことの是非(以下総称して「本諮問事項」といいます。)について
諮問するとともに、(I)本株式交換に係る調査(本株式交換に関係するジェコーの役員若しくは従業員
又は本株式交換に係るジェコーのアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を
行い、説明を求めることを含む。
)を行うことができる権限、(II)ジェコーに対し、(i)本特別委員会と
しての提案その他の意見又は質問を相手方当事者に伝達すること、及び(ii)本特別委員会自ら相手方当
事者(本株式交換に関与するその役職員及び本株式交換に係るそのアドバイザーを含む。
)と協議する
機会の設定を要望することができる権限、(III)ジェコーが選任したアドバイザーの独立性に問題があ
ると判断した場合、ジェコーが選任したアドバイザーを承認しないことができ、その場合、ジェコーは
本特別委員会の意向を最大限尊重しなければならないものとする権限、(IV)特に必要と認めるときは、
ジェコーの費用で、本特別委員会独自のアドバイザーを選任することができる権限等を付与いたしまし
た。本特別委員会の構成員である社外有識者2名については、ジェコーの社外取締役である大江忠氏に
その選定を一任しており、大江忠氏により、いずれもデンソーとの間で利害関係を有していない小池良
輔氏(弁護士、奥野総合法律事務所・外国法共同事業)及び安田昌彦氏(公認会計士、ベネディ・コン
サルティング株式会社)が選定され、2020 年8月6日付でジェコー取締役会において追認されており
ます。
本特別委員会は、2020 年8月 25 日から 2020 年 12 月4日までに合計8回開催したほか、情報収集を
行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、
9
まず、ジェコーが選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券並び
にリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がな
いことを確認し、その選任を承認いたしました。その上で、ジェコーからは、本株式交換の目的、本株
式交換に至る背景・経緯、本株式交換に係る割当比率の算定の前提となるジェコーの事業計画の策定手
続及び内容、本株式交換の検討体制・意思決定方法等について説明を受けたほか、デンソーに対して本
株式交換の目的等に関する質問状を送付した上で、デンソーから本株式交換の目的、本株式交換に至る
背景・経緯、株式交換を選択した理由、本株式交換後の経営方針や従業員の取扱い、本株式交換比率に
関する考え方等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、ジェコーのリーガル・アドバイ
ザーであるTMI総合法律事務所から本株式交換に係るジェコーの取締役会の意思決定方法、本特別委
員会の運用その他の本株式交換に係る手続面の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するた
めの措置に関して助言を受けるとともに、デンソーに対する法務デュー・ディリジェンスの結果につい
て説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、ジェコーの依頼に基づきデンソーに対する財務・税務
デュー・ディリジェンスを実施した山田コンサルティンググループ株式会社及び税理士法人山田&パー
トナーズより、当該財務・税務デュー・ディリジェンスの結果について説明を受け、質疑応答を行いま
した。加えて、ジェコーのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券から
本株式交換に係る割当比率の算定方法及び算定結果の説明を受け、質疑応答を行い、その合理性の検証
を行いました。また、本特別委員会は、みずほ証券及びTMI総合法律事務所の助言を受け、本株式交
換に係る割当比率等の交渉方針を定めるとともに、その交渉内容について随時報告を受け、必要に応じ
て指示を行う等、デンソーとの交渉に実質的に関与いたしました。
本特別委員会は、かかる手続を経て、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、本株式
交換に係る決定はジェコーの少数株主にとって不利益ではない旨及び本株式交換を行うことは妥当であ
る旨の答申書を、2020 年 12 月7日付で、ジェコーの取締役会に対して提出しております。本特別委員
会の意見の概要は以下のとおりです。
(a)本株式交換の目的の合理性
(i)自動車業界を取り巻く環境は、「100 年に一度の大変革期」を迎えており、IoTやAIの進
化により、CASEに代表される大変革が生じており、機能性・操作性の充実やデザイン性の向上な
ど、顧客が求めるニーズも日々高度化していること、(ii)ジェコーグループにおいては、近年、ジェ
コーの独自ブランド製品の売上が下落する一方で、デンソーからの製造委託製品の売上が大きく伸長
し、その生産対応のための設備投資負担が増大していることも現状の課題となっており、また、近年
の自動車に搭載される大規模なシステム製品の開発を行うためには、大手自動車部品メーカーとの協
業関係構築の必要性が高まっており、特にジェコーグループが多くの製品を供給するデンソーグルー
プとの協業関係を深化させることが極めて重要であると考えていること、(iii)こうした状況の中、
100 年に一度の大変革期を乗り越えるために、ジェコーが単独では開発・製品化することができない
ような大規模なシステム関連の製品の開発を行う上で、デンソーグループの保有する技術を活用する
ことが不可欠であると判断するととともに、一方で、ジェコーの有するリソースをデンソーグループ
に提供することにより、デンソーグループにおけるさらなる競争力強化に貢献することができると考
えるに至ったこと、(iv)本株式交換により、ジェコーがデンソーの完全子会社となれば、デンソーグ
ループからジェコーグループに対して開示される情報の範囲は格段に広がり、将来の動向を踏まえた
効率的な設備投資、重点投資を行うことで製品競争力の強化に繋げることが可能となり、さらに、
ジェコー株式の非公開化に伴い、上場維持コストや株主対応コスト等の削減を図ることができるとと
もに、デンソーと他の少数株主との間における潜在的な利益相反関係の解消により、中長期的な企業
価値向上に向けて迅速かつ抜本的な経営施策の遂行が可能になると考えていること、(v)本株式交換
の対価として、デンソー株式がジェコーの少数株主に交付されることにより、デンソー株式の保有を
通じて、本株式交換に伴い期待されるシナジー効果による長期的な利益を享受する機会をジェコーの
少数株主に対して提供できる一方で、流動性の高いデンソー株式を随時現金化することも可能である
ことから、本株式交換によりジェコーをデンソーの完全子会社とすることは、ジェコーの少数株主に
とっても有益な手法であると考えているという、本株式交換の目的等に係る説明の具体的な内容等に
10
ついて、ジェコー及びデンソーに対する質疑を通じ、詳細な検討を実施した。
その結果、完全子会社化の方法として、株式交換を選択し、その対価をデンソー株式とすることは、
ジェコーの少数株主にとっても有益であると認められ、合理的であると判断するに至った。そして、
ジェコー及びデンソーから説明された内容に不合理な点及び相互に矛盾する点は認められず、また、
ジェコーを取り巻く経営環境等に鑑み、本株式交換を実施し、ジェコーがデンソーの完全子会社とな
ることで、迅速かつ抜本的な施策を遂行することは、ジェコーの持続的な成長に寄与することが期待
され、中長期的な企業価値向上に資すると認められ、本株式交換の目的は合理的であると判断するに
至った。
(b) 本株式交換の取引条件の妥当性
みずほ証券から取得した株式交換比率算定書の算定結果は、市場株価基準法 0.44~0.54、DCF
法 0.39~0.59 とされているところ、本株式交換比率は、市場株価基準法による算定結果のレンジの
上限を上回り、DCF法による算定結果のレンジの範囲内の比率であり、かかる算定書に不合理な点
は認められず、プレミアムの水準は、近年に実施された、本株式交換と類似する、直近期又は進行期
の業績予想において親会社株主に帰属する当期純損失を計上した上場子会社の株式交換による完全子
会社化事例における平均的なプレミアム水準より高い水準である。
また、デンソーに対するデュー・ディリジェンスにおいては、デンソーグループが製造する燃料ポ
ンプの不具合に関するリコールの問題(以下「本件リコール」という。)についても検討がなされて
いるが、デンソーにおいて合理的と判断する製品保証引当金がデンソーの 2021 年3月期第2四半期
の財務状況に織り込まれていること、協議・交渉の過程においても本件リコールの存在が考慮されて
いると認められることから、直ちに本株式交換の取引条件の妥当性を否定するものではなく、本株式
交換比率を含む本株式交換の取引条件は公正な交渉の結果を踏まえて決定されたものであると認めら
れ、本株式交換の対価をデンソー株式とすることの妥当性も認められる。
加えて、2021 年3月期に営業損失を計上する見込みであるジェコーにとっては、本株式交換を実
行することがジェコーの経営の回復につながるものであり、ひいてはジェコーの株主の利益に資する
との事情も踏まえれば、本株式交換比率には合理性が認められるため、本株式交換の取引条件は妥当
である。
(c) 本株式交換の手続の公正性
本株式交換にあたり、ジェコー及びデンソーはそれぞれ独立した外部専門家からの助言等を取得し
ていること、少数株主の利益保護の観点から本株式交換比率を引き上げるための実質的な協議・交渉
を行っており、その過程においては特別委員会の意見が適切に反映されていること、交渉過程におい
て特別の利害関係を有する者を関与させていないこと、本株式交換の検討は特別委員会の意見が十分
に尊重される形で行われていると認められること、ジェコーがマーケット・チェックを実施していな
いことは本株式交換の手続の公正性に疑義を生じさせるものではないことより、本株式交換の手続は
公正である。
(d) 上記(a)乃至(c)から、本株式交換はジェコーの少数株主に不利益でない。
(e) また、上記(a)乃至(d)から、本株式交換を行うことが妥当である。
② 利害関係を有する取締役及び監査役を除く取締役全員の承認
ジェコーの取締役会における本株式交換に関する議案は、デンソーとの間で利害関係を有しないジェ
コーの取締役6名の全員一致により承認可決されております。また、ジェコーの監査役3名全員につい
ては、岩谷直樹氏は 2020 年6月までデンソーからジェコーへの出向者であったため、新村淳彦氏はデ
ンソーの常勤監査役を兼務しているため、林田篤氏はデンソーのコックピット事業部長及び理事職を兼
務しているため、利益相反の疑いを回避する観点から、上記取締役会における本株式交換に関する審議
には参加しておらず、また、本株式交換の協議及び交渉に参加しておりません。
11
4.本株式交換の当事会社の概要(2020 年3月 31 日現在)
株式交換完全親会社 株式交換完全子会社
(1) 名称 株式会社デンソー ジェコー株式会社
(2) 所在地 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 埼玉県行田市富士見町1丁目4番地1
代表者の
(3) 取締役社長 有馬 浩二 代表取締役社長 杉浦 さとし
役職・氏名
(4) 事業内容 自動車部品の製造販売 自動車時計、自動車機器の製造・販売等
(5) 資本金 187,457 百万円 1,563 百万円
(6) 設立年月日 1949 年 12 月 1952 年2月
(7) 発行済株式数 787,944,951 株 1,675,805 株
(8) 決算期 3月 31 日 3月 31 日
(9) 従業員数 (連結)170,932 人 (連結)684 人
トヨタ自動車株式会社、本田技研工業株
株式会社デンソー、トヨタ自動車株式会
(10) 主要取引先 式会社、FIAT CHRYSLER AUTOMOBILES
社
N.V.
三菱UFJ銀行、埼玉りそな銀行、三菱
(11) 主要取引銀行 三井住友銀行、三菱UFJ銀行
UFJ信託銀行、みずほ信託銀行
トヨタ自動車株式会社 24.38%
株式会社豊田自動織機 8.95%
日本マスタートラスト信託
株式会社デンソー 41.89%
銀行株式会社(信託口) 7.43%
株式会社ケイエムコーポジェ 4.25%
株式会社日本カストディ銀
コー取引先持株会 3.09%
行(信託口) 4.46%
アイシン精機株式会社 2.64%
大株主及び 東和不動産株式会社 4.29%
セコム損害保険株式会社 2.62%
持株比率 日本生命保険相互会社(常
(12) 日本生命保険相互会社 2.36%
(2020 年9月 30 日 任代理人 日本マスタート
ジェコー従業員持株会 1.88%
現在) ラスト信託銀行株式会社) 2.79%
阪田和弘 1.60%
デンソー従業員持株制度会 1.91%
新光商事株式会社 1.46%
アイシン精機株式会社 1.61%
光通信株式会社 1.15%
株式会社日本カストディ銀
行(信託口7) 1.22%
株式会社日本カストディ銀
行(信託口5) 1.18%
(13) 当事会社間の
関 係
デンソーは、本日現在、ジェコーの発行済株式数(1,675,805 株)の 35.21%に相当
資 本 関 係
する 590,025 株を保有しております。
デンソーの出身者3名がジェコーの取締役に就任しております。デンソー出身者1
人 的 関 係 名がジェコーの監査役に就任しており、デンソーの監査役1名及び従業員1名が
ジェコーの監査役を兼務しております。
デンソーはジェコーから製品を購入しており、またジェコーはデンソーから製品生
取 引 関 係
産用の部品を購入しております。
関連当事者へ
ジェコーは、デンソーの持分法適用関連会社であり、デンソーとジェコーは、相互
の
に関連当事者に該当します。
該 当 状 況
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(14) 最近3年間の経営成績及び財政状態
デンソー(連結) ジェコー(連結)
決算期 2018 年 2019 年 2020 年 2018 年 2019 年 2020 年
3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期
連 結 純 資 産 3,774,293 3,770,366 3,558,869 14,729 14,758 13,261
連 結 総 資 産 5,764,417 5,792,414 5,651,801 20,960 20,925 19,518
1株当たり連結純資産
4,614.87 4,640.36 4,384.14 8,766.58 8,855.71 9,415.10
( 円 )
連 結 売 上 高 5,108,291 5,362,772 5,153,476 24,798 27,465 25,940
連 結 営 業 利 益 412,676 316,196 61,078 653 639 16
連 結 経 常 利 益 - - - 737 686 124
親会社株主に帰属する
320,561 254,524 68,099 527 463 △368
当 期 純 利 益
1 株 当 た り
410.45 326.47 87.89 316.37 277.81 △229.24
連結当期純利益(円)
1株当たり配当金
130.00 140.00 140.00 75.00 100.00 40.00
( 円 )
(単位:百万円。特記しているものを除く。
)
(注1) 持株比率は、発行済株式総数から自己株式数を除いた株式数に対する所有株式数の割合です。
(注2) デンソーは自己株式 13,042 千株を保有していますが、上記大株主からは除いております。
(注3) 株式会社豊田自動織機の保有するデンソー株式の持株比率は、退職給付信託の信託財産として拠出しているデンソー
株式 6,798 千株を除いて表示しています。
(株主名簿上の名義は、
「株式会社日本カストディ銀行(三井住友信託銀行
再信託分・株式会社豊田自動織機退職給付信託口)
」であり、その議決権行使の指図権は株式会社豊田自動織機が留保
しています。
)
(注4) デンソーは国際会計基準(以下、
「IFRS」といいます。
)に準拠して連結財務諸表を作成しております。
「連結純資
産」「連結総資産」「1株当たり連結純資産」「連結売上高」「連結営業利益」「親会社株主に帰属する当期純利
、 、 、 、 、
益」
、及び「1株当たり連結当期純利益」は、それぞれデンソーの連結ベースでの「資本合計」「資産合計」「1株当
、 、
たり親会社所有者帰属持分」「売上収益」「営業利益」「親会社の所有者に帰属する当期利益」「基本的1株当たり
、 、 、 、
当期利益」の金額を、IFRS に基づいて算出したものを記載し、また、
「連結経常利益」については、該当する項目が
ないため、その記載を省略しています。
5.本株式交換後の状況
株式交換完全親会社
(1) 名 称 株式会社デンソー
(2) 所 在 地 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
(3) 代表者の役職・氏名 取締役社長 有馬 浩二
(4) 事 業 内 容 自動車部品製造販売
(5) 資 本 金 187,457 百万円
(6) 決 算 期 3月 31 日
(7) 純 資 産 現時点では確定しておりません。
(8) 総 資 産 現時点では確定しておりません。
6.会計処理の概要
本株式交換は、
「企業結合に関する会計基準」における「取得」に該当します。なお、本株式交換に伴い、
デンソーの連結財務諸表上、のれん又は負ののれんが発生する見込みですが、発生するのれん又は負ののれ
んの金額は現時点で未定です。
13
7.今後の見通し
本株式交換により、デンソーの持分法適用関連会社であるジェコーは、デンソーの完全子会社となる予
定です。本株式交換がデンソーの連結業績に与える影響は、現時点では軽微となる見通しですが、今後、業
績予想修正の必要性及び公表すべき事項が生じた場合は、速やかに開示いたします。
以 上
14
(参考)デンソーにおける当期連結業績予想(2020 年7月 31 日公表分)及び前期連結実績
(単位:百万円)
親会社の所有者に
売上収益 営業利益 税引前利益
帰属する当期利益
当期業績予想
4,540,000 100,000 131,000 75,000
(2021 年3月期)
前期実績
5,153,476 61,078 89,631 68,099
(2020 年3月期)
(参考)ジェコーにおける当期連結業績予想(2020 年 11 月6日公表分)及び前期連結実績
(単位:百万円)
親会社株主に帰属
連結売上高 連結営業利益 連結経常利益
する当期純利益
当期業績予想
25,000 △250 △250 △350
(2021 年3月期)
前期実績
25,940 16 124 △368
(2020 年3月期)
15