6856 堀場製 2019-08-06 15:00:00
中長期経営計画「MLMAP2023」を策定 [pdf]

                                                               2019 年8月6日
各位
                                                   会社名 株式会社堀場製作所
                                                代表者 代表取締役社長 足立 正之
                                               (コード番号 6856 東証第一部)
                                                問合せ先 経営管理部長 羽部 哲弘
                                                     (TEL.075-313-8121)

                中長期経営計画「MLMAP※12023」を策定
        事業領域拡大と新たなビジネスモデル構築を通して「ONE STAGE AHEAD」
            売上高 3,000億円、営業利益 400億円の達成をめざす

  株式会社堀場製作所(以下、当社)は、2023年を最終年度とした新しい中長期経営計画
 「MLMAP2023」を策定しました。3つの重点施策の実現により、新しいステージへと躍進します。
   重点施策1:       「Market Oriented Business」
      メガトレンドをリードする3フィールド(Energy/Environment、Materials/Semiconductor、
      Bio/Healthcare)に、コア技術を活用した分析・計測ソリューションを展開
   重点施策2:       「Solution Provider Beyond Life Cycle Management」
      製品導入からリプレイスまで、全方位でお客様のコアビジネスをサポート
   重点施策3:       「HORIBA Core Values」“The Next Stage of Super Dream Team”
      すべての事業活動推進の原動力となる「強い人財※2」を作る組織体制の強化

     【 数値計画(2023年)売上高 3,000億円、営業利益 400億円、 (自己資本当期純利益率):10%以上 】
                                         ROE

  当社はこれまで、社是「おもしろおかしく」の精神と“HORIBA Group is One Company.”の経
 営方針を浸透させてきました。また、5つの事業部門(自動車計測、環境・プロセス、医用、半
 導体、科学)と、3つの地域(アジア、欧州、米州)によるマトリックス組織を通じてグループ
 一体となった経営を行い、事業成長を実現してきました。
  一方で、当社を取り巻く事業環境は劇的に変化しています。自動車産業においては技術の潮目
 が変わり、電動化や自動運転といった次世代技術に大きな進展を見ることができます。また、AI
 やIoTといった先進技術の普及促進により、半導体、バイオ、ヘルスケアといった市場においても
 地殻変動が起きています。さらに、中国やインドを中心としたアジア諸国は先進国に肩を並べる
 勢いで成長を遂げ、世界の市場構造そのものが大きく変わり始めています。
  このような状況下で、当社は2015年のホリバMIRA社(イギリス)や、2018年のホリバ・フュー
 エルコン社(ドイツ)の買収による自動車計測事業の強化、医用事業のアライアンス拡大、半導
 体事業における供給力増強など、ビジネスモデルの変化を伴う決断を行ってきました。2018年12
 月期には、売上高2,105億円、営業利益288億円となり、2020年に売上高2,500億円、営業利益300
 億円をめざす現行の中長期経営計画「MLMAP2020」に対して、早い段階で達成水準に近づくことが
 できました。
  今後、さらに加速度を増して変化する外部環境にスピーディに対応し、さらなる事業成長と企
 業価値向上を実現するため、当社は「ONE STAGE AHEAD」をスローガンに据えた中長期経営計画
 「MLMAP2023」を策定し、新たなスタートを切る決断をしました。3つの重点施策の実現を通じ
 て、2023年に売上高3,000億円、営業利益400億円の達成をめざします。




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●重点施策1:「Market Oriented Business」
 メガトレンドをリードする3フィールドに、コア技術を活用した分析・計測ソリューションを展開
    当社が5つの事業部門でグローバルに保有する技術、営業チャネル、生産拠点、顧客ネットワーク
   を有機的に組み合わせ、お客様のニーズに応える独自の分析・計測ソリューションを提供します。
   当社の強みである「はかる」技術を通じて、メガトレンドをリードする3フィールドにおいて、イノ
   ベーションを加速させる企業体への変革をめざします。
【3フィールドにおける主な施策】
   Energy / Environment
    ホリバ MIRA 社、    ホリバ  ・フューエルコン社とのシナジーを最大化させた自動車計測事業に加え、
     科学事業のリソースも活用し、エネルギー効率向上への寄与が期待される、電動化や自動運転
     などの次世代自動車技術におけるビジネスを拡大します。また、自動車開発全般におけるフロ
     ントローディング(開発プロセス短縮による工数低減)を実現する最適アプリケーションの提
     供を通じて、お客様の課題を解決し、自動車開発に欠かせないパートナーとしての地位確立を
     めざします。
    環境・プロセス事業においては、ガス、水、大気、石油化学領域における多様な製品ラインアッ
     プを生かし、新興国における規制対応から、先進国における生産性向上に至るまで、グローバ
     ルレベルでの環境保全/改善に貢献します。
   Materials / Semiconductor
    自動車の電動化加速により拡大する二次電池開発需要や、半導体材料や有機材料の解析などの
     分野では、     当社がグローバルに展開するアカデミアや自動車/半導体産業といった幅広い顧客層
     に、科学事業が保有する最先端の分析・計測装置を提供することで、事業拡大を実現します。
    半導体事業においては、グローバルに展開する強固な開発/供給体制を基盤に、主力製品である
     マスフローコントローラーと薬液濃度モニターのさらなるシェア拡大をめざします。また、半
     導体製造装置周辺に搭載された、          当社の計測/制御機器が生み出す様々なデータを活用できる環
     境を提供し、半導体生産プロセスの改善に貢献します。
   Bio / Healthcare
    医用事業においては、         当社の強みである検体検査市場でのさらなるビジネス拡大をめざします。
     ローム株式会社からの事業承継により取得した、微量血液検査システムの技術を生かして製品
     ラインアップを拡充するとともに、シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス社(アメリ
     カ)との長期的パートナー契約により対象市場を拡大します。得意分野の開業医/中小型病院市
     場に加えて、中大型病院市場にも切り込み、グローバルな事業成長を加速させます。
    創薬/製薬分野においては、主に科学事業が保有するノウハウを活用し、粒子計測や分光分析技
     術の応用により、独創的なソリューションを提供します。

    そして、当社の創業技術を有する科学事業においては、3フィールドにおいて各事業のリソースと
   連携しながらシナジーを最大化させ、「技術の HORIBA」をリードする役割を果たします。

●重点施策2:「Solution Provider Beyond Life Cycle Management」
 製品導入からリプレイスまで、全方位でお客様のコアビジネスをサポート
    当社では、1,000 を超える製品群の中からお客様に最適なソリューションパッケージを提供し、        保
   守点検からリプレイスまでトータルにサポートするビジネスモデルを築いてきました。今後は、今
   まで見えなかった情報の定量化により、新たなアプローチからお客様の課題解決に貢献する、デー
   タマネジメントの領域にもビジネスを拡大します。製品の稼動データによる正確な機器管理により、
   顧客設備の効率運用をサポートすることに加え、計測データの解析により新しい価値の提供を実現
   し、機器販売と高付加価値なサポートの融合を実現します。   「Always with You」をキーワードに、常
   にお客様に寄り添ったソリューションを提供していきます。

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●重点施策3:「HORIBA Core Values」
                          “The Next Stage of Super Dream Team”
 すべての事業活動推進の原動力となる「強い人財」を作る組織体制の強化
     重点施策1、      2で挙げた事業活動を推進していく原動力は人財にあります。これまで当社は、  人財
                                                    ※3
   育成の面においても様々な施策に取り組んできました。ブラックジャックプロジェクト は、フロ
   ントライン、すなわち現場の最前線の情報を経営陣と共有するシステムとして機能し、当社の新し
   い企業文化として根付いてきました。       今後は、成長著しいアジア地域でのアクティビティを強化し、
   全グループへのさらなる浸透を進め、経営目標を現場に繋げる活動を推進していきます。ダイバー
   シティ推進プロジェクトであるステンドグラスプロジェクト※4 についても、グループ会社間での人
   財交流活性化を通じて、活動をさらに発展させています。ホリバリアン※5 がより働きやすく、働き
   甲斐を感じられる職場環境を整備することで、多様な人財による Super Dream Team を実現し、既存
   ビジネスの変革や新ビジネスの創出を加速します。
     これらの企業文化を含めた資産価値の最大化を実現するために導入した経営指標、HORIBA
   Premium Value を用いて、事業部門やグループ各社、そして当社グループ全体の資産効率の最適化に
   向けた活動を加速します。迅速な経営判断により機動的な資源投入を実現するだけでなく、利益拡
   大と継続投資双方のバランス成長を実現します。



     「MLMAP2023」における事業部門別の数値計画は以下のように設定しています。
                                                      (単位:億円)
                                2018年(実績)         2023年(計画)
              (事業部門)            売上高 営業利益         売上高      営業利益
            自 動 車 計         測       796     77      1,200    120
            環 境 ・ プ ロ セ     ス       193     20        280     28
            医               用       260     18        400     40
            半     導         体       577    170        770    177
            科               学       277      2        350     35
                合 計               2,105    288      3,000    400
               R  O  E               14.3%            10%以上


  <用語説明>
  ※1 MLMAP(Mid-Long Term Management Plan):当社では中長期経営計画を「MLMAP」として社内浸透さ
     せています。
  ※2 人財:当社では、従業員を大切な財産と考えて「人財」と表現しています。
  ※3 ブラックジャックプロジェクト:              「従業員の意識と行動の変革」を目的として1997年に開始した当
     社独自の業務改善活動で、当初から専任組織を設置して活動の促進を図ってきました。経営者が最
     前線の現場(フロントライン)からの直接の情報を得る機会であるとともに、グローバルでの経験
     /知識を共有する大切な役割も担っており、Super Dream Team実現のための重要な活動のひとつで
     す。
  ※4 ステンドグラスプロジェクト:             「性別、年齢、国籍、障害などを乗り越えて多様な個性と才能が輝
     き、新たな価値を創造し続けることで強いHORIBAを実現する」をミッションに掲げたプロジェクト
     です。2014年開始。
  ※5 ホリバリアン:当社グループで働くすべての人を同じファミリーであると考え、ホリバリアンと
     呼んでいます。


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