6844 新電元 2020-11-06 15:30:00
事業構造改革に関するお知らせ [pdf]

                                                  2020 年 11 月6日
各 位

                               会 社 名   新 電 元 工 業 株 式 会 社
                               代表者名    代表取締役社長         鈴木 吉憲
                                        (コード番号 6844 東証第 1 部)
                               問合せ先    経営企画室企画部長 松本 義明
                                           (TEL 03 – 3279 – 4431)


                 事業構造改革に関するお知らせ


 当社グループは、2019 年度より第 15 次中期経営計画をスタートし、『持続的成長に向けた製品戦略の
加速』を方針に掲げ、2021 年度までの3ヶ年に留まらず、さらに先を見据えた構想とし取り組んでおり
ます。特にモビリティ市場を重点市場と位置付け、     自動車の電動化・電装化や環境規制の強化などにより
需要が拡大していくと見込み、より一層注力しております。
 しかしながら、米中貿易摩擦の長期化により半導体事業が減速したことにくわえ、     新型コロナウイルス
感染症の世界規模での拡大により、  外出自粛やロックダウン等の活動制限が広がり、   東南アジアを中心に
モビリティ関連事業のビジネス環境が悪化し、収益が急激に減退しました。
 このような環境下、市場環境の変動に左右されない収益構造を追求し、     経営基盤を強固なものとするた
めに、下記の通り「事業構造改革」を実施いたしますので、お知らせいたします。

                         記
1.事業構造改革の目的
   市場環境の変動に左右されない収益構造を構築し、重点市場として定めているモビリティ市場、産
  業機器市場を中心に競争力を強化することにより、企業価値向上を図る。



2.事業構造改革の施策内容
  (1)開発体制の再編
      2021 年4月開設予定の朝霞事業所 (埼玉県朝霞市)および国内生産会社に、飯能工場(埼玉
     県飯能市)の各種開発機能を移設し、開発の合理化と効率化を図ります。朝霞事業所には、飯
     能工場の研究開発機能・事業運営機能、大手町本社の営業機能等を集約し、ICT 環境の整備な
     どにより生産性向上を実現してまいります。併せて、当該構造改革の一環として、飯能工場の
     クリーンルームは 2021 年3月をもって閉鎖することを決定いたしました。これにより飯能工
     場は、研究開発機能・事業運営機能としての活動は停止いたします。

  (2)生産体制の適正化
    Ⅰ. デバイス事業では、秋田新電元(秋田県由利本荘市)のパワーモジュール生産ラインの一
      部をランプーン新電元(タイ国)の IoT を導入した生産性の高いラインに統合し、合理化と
      生産性向上を図ります。秋田新電元は、 次世代パワーモジュール製品の生産ラインを構築し、
      モビリティ市場・産業機器市場向けにパワーモジュール事業の更なる成長を目指してまいり
      ます。
       東根新電元(山形県東根市)は、クリーンルーム1棟を閉鎖し、前工程の稼働率を 20%程度
      改善します。これにより、前述の飯能工場クリーンルーム閉鎖と合わせて、国内に5棟ある
      クリーンルームのうち2棟を閉鎖し3棟体制といたします。くわえて、秋田新電元と東根新
     電元における半導体ウェーハのインチアップ化により当社グループにおける前工程の生産性
     を 30%程度向上させます。

    Ⅱ. 電装事業では、モビリティ市場における競争力強化のため、生産の合理化・効率化を目指
      します。国内生産品の一部を海外工場へ生産移管するほか、    タイ、ベトナム、インドネシア、
      インド、中国の生産体制を見直し、    製品群ごとに最適化を進めます。また、国内では環境対応
      車向け DC/DC コンバータなどの四輪製品を中心に、自動化・省人化を進展させます。

  (3)不採算製品の整理による収益性の改善
      不採算の太陽光発電向けパワーコンディショナ製品の生産を計画的に終了いたします。
      その他の事業におきましても、製品ポートフォリオの見直しを加速し、採算性の低い製品の
     整理および収益性の改善を進めます。

  (4)人員の削減・適正化
      急激な収益減退に対応し、   海外生産会社では既に人員の適正化を進めておりますが、国内に
     おいても 2021 年3月期中に希望退職の募集等により本体および国内グループ会社にて 10%
     程度にあたる人員を削減し、事業規模に合わせた体制の適正化を行います。

   これら構造改革は既に着手しており、2021 年度から効果を生む見通しです。2022 年度中に全て完
  了する予定です。



3.構造改革費用および効果
   飯能工場(埼玉県飯能市)の研究開発機能・事業運営機能としての活動停止により、これを主とし
  た減損損失として、当第2四半期にて 1,357 百万円を特別損失に計上しております。
   なお、このほか、開発体制の再編、生産体制の適正化、   人員の削減・適正化などで発生する費用等、
  現段階では算出が出来ていない構造改革費用は、当連結会計年度末までに特別損失として計上する
  予定ですが、本日付けで公表いたしました「特別損失の計上、繰延税金資産の取崩し、および 2021
  年3月期第2四半期連結累計期間の業績予想と実績値の差異、ならびに通期業績予想修正に関する
  お知らせ」には反映しておりません。確定次第速やかにお知らせいたします。

   これらの事業構造改革による増益効果は 2022 年3月期に約 35 億円を見込んでおります。

                                                    以上