6789 ローランドDG 2021-02-12 15:00:00
中期経営計画(2021年度~2023年度)策定に関するお知らせ [pdf]

                                                     2021 年 2 月 12 日
 各    位
                       会 社 名     ロ ー ラ ン ド デ ィ ー . ジ ー . 株 式 会 社
                       代 表 者 名   取   締    役   社   長   田 部    耕 平
                                  (コード番号 6789        東証第一部)
                       問 合 せ 先   執行役員コーポレート本部長        小 川    和 宏
                                  (TEL.053 - 484 - 1400 )




          中期経営計画(2021 年度~2023 年度)策定に関するお知らせ



 このたびローランド ディー.ジー.グループでは、2021 年度を初年度とする 3 ヶ年の中期経営計画(2021 年度~
2023 年度)を策定いたしましたので、下記のとおり、お知らせいたします。



                             記

1. 策定の背景
  前回の中期経営計画(2016年度~2020年度)では、「イノベーションによる持続的成長」を実現すべく、①成長
分野の事業化の加速、②ソリューションプロバイダへの転身、③イノベーション集団への転身、という3つの重点課
題を設定し、スタートいたしました。しかしながら、従来からの主力市場であるサイン(広告・看板製作)市場では、
業務用大型インクジェットプリンターの普及にともなう市場の成熟化に加えて大手メーカーの参入によって競争環
境が想定以上のスピードで激しさを増し、プリンターおよびインクの売上減少が続くなど、業績が伸び悩む結果と
なりました。
  これを受け、2018年8月には重点課題を見直し、2020年度までを「成長ステージに向けた転換期」として、①成
長分野の拡大、②サイン市場向けプリンター売上の下げ止め、③収益性の改善、を重点課題として再設定いたし
ました。

 歯科技工のデジタル化が進むデンタル(歯科医療)分野を中心とした3Dものづくり事業を「DGSHAPE(ディージ
ーシェイプ)株式会社」として子会社化したほか、リテイル(小売業)分野でのパーソナライズ・サービスの確立を目
的としたCOTO(コト)事業の立ち上げ、DP(デジタルプリンティング)事業では、外部パートナーとの協業で新たな
デジタルプリンティング市場の創出を目指すCo-Creation活動など、ニッチで高付加価値な市場の開拓を進めて
まいりました。

 しかしながら、主力のサイン市場への売上比率は依然として高い中、成熟市場のため製品の差別化が困難とな
っていることや、先進国中心の売上構造にも大きな変化がなく、成長ステージを目指すためには、スピード感をも
って事業ポートフォリオを転換していく必要があります。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響は当社グループ
の事業活動にも大きな影響を与えておりますが、こうした外部環境の急激な変化や新しい取り組みへのリスクにも
耐えうる柔軟で筋肉質な強い企業体質への進化が求められます。

 このような経営課題の認識のもと、2021年から2023年までの中期経営計画では、次の通り、方針と基本戦略を
設定いたしました。




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2. 中期経営計画の方針

『真に “創造・BEST・共感” の RDG に生まれ変わる』
 筋肉質な強い組織へ進化し、新たなビジネスの山を造り出す




3. 中期経営計画の基本戦略
  基本戦略に「筋肉質な企業体質への変化」と「事業ポートフォリオの転換」を設定して、本中期経営計画の両
 輪と位置付けて取り組んでまいります。
  1) 筋肉質な企業体質への変化
       新興国への展開や新領域への参入など、攻めるための足場固めとして、固定費の削減、組織のスリ
      ム化、プロセスの効率化により、リスクに耐えながらもチャレンジできる筋肉質な企業体質を目指します。
       固定費削減
        量産機能をタイ工場へ完全移管し価格競争力を強化。国内工場はマザーファクトリー化を推進す
        る。本社では早期希望退職制度による人員の適正化を実施するほか、継続的な経費削減を行う。
        海外子会社においては地域ごとに組織構造の見直しを図ることで固定費の削減をはかる。
       組織のスリム化
        2020 年 10 月に先行して実施済みの COTO 事業部の DP 事業への統合、新規市場専任部隊の
        設置など、スリム化をはかりつつ事業戦略に適した組織に変更する。
       プロセス効率化
        PSI(生産・販売・在庫)管理のアップグレードや、権限移譲などの各種社内プロセスを見直すことで、
        業務効率と品質を高め事業成長を支援する。


  2) 事業ポートフォリオの転換
       DP 事業および DGSHAPE 事業ともに、既存事業から新興国および新領域へシフトすることで事業ポ
      ートフォリオの転換を図ります。
       既存事業戦略
         DP 事業では、低溶剤インクから環境に配慮した他インクへの技術の転換を進めることで既存顧客
         への付加価値提供を強化し、顧客基盤を一層強固なものとしていきます。また、生産拠点の統合
         や製品ポートフォリオの見直し、プラットフォーム開発による効率の追求により、厳しい市場環境の
         中でも収益性を維持しながら、新興国および新領域開拓へのリソースを創出します。
       新興国戦略
         これまで先進国中心だった事業展開に加えて、今後も市場拡大が見込まれる新興国の成長を取り




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          込みます。DP 事業では、外部パートナーとの協業等を通じて新興国への本格参入を目指します。
          DGSHAPE 事業では、デンタル加工機のタイ工場への生産移管や新興国モデルの立ち上げにより
          価格対応力を強化し、売上およびシェアの拡大を図ります。
         新領域戦略
          前回の中期経営計画では、COTO 事業によるパーソナライズ・ニーズの発掘や外部パートナーと
          の Co-Creation 活動により、リテイル市場や玩具市場などのユニークな市場領域の開拓を進めて
          まいりました。なかでも商品のパーソナライズ化の流れは、スマートデバイスや SNS の発達によりニ
          ーズが加速しています。DP 事業では、Co-Creation 活動を発展拡大させることで、主にパーソナラ
          イズに必要な“加飾”を実現するアナログプロセスのデジタル化を提案し、新規市場を創主に出し
          てまいります。一方、DGSHAPE 事業では、究極のパーソナライズともいえる歯科技工分野におい
          てクリニック(歯科医院)用途の拡大や歯科技工所におけるアナログプロセスのさらなるデジタル化
          推進はもちろん、医療現場の安全安心を担保するトレーサビリティや病院経営の効率化につなが
          る在庫管理システムなどを提供するエルテミスにより、医療・ヘルスケア分野の事業化を目指します。


4. 連結業績計画


                          2020/12期        2023/12期
                           (実績)          (最終年度計画)
   売上高                        347億円           480億円
   営業利益                         5億円            60億円
   営業利益率                          1.4%         12.5%
   ROE                            1.0%         15.0%
   ROIC                           0.6%         15.0%
   CCC                          141日            120日
   為替レート          USD     106.83円        100円(想定)
                  EUR     121.86円        125円(想定)


5. 財務戦略
    筋肉質な企業体質の実現と成長戦略の確実な遂行により収益性を高めることに加えて、バランスシートを意
   識した財務戦略を織り込み、資産効率を向上させてキャッシュの創出力を高めます。
    1) 筋肉質な企業体質の実現と事業ポートフォリオの転換による成長戦略の遂行で収益力を高める
    2) 在庫削減などによりキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)を改善し、キャッシュ創出力を高める
    3) 収益性および資本効率の向上により、ROE15%、ROIC15%を実現する
    4) 生み出したキャッシュを成長領域へ積極的に投資するとともに、M&A やアライアンスを含めた“+α”の
       成長投資へ活用する
    5) 成長投資などへの資金ニーズを考慮した上で、適切な株主還元を実施する

6. 配当方針
    当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と位置付け、持続的な成長と企業価値向上に向
   けた投資やリスクに備えるための財務健全性とのバランスを考慮した上で、業績を勘案しながら安定した配当
   の維持に努めてまいります。
    具体的な基本方針としましては、連結利益に対する配当性向 30%もしくは株主資本配当率(DOE)2%以上
   の両基準で算出した数値のいずれか高い金額を基準に、安定した配当を継続的に実施することを目標として、
   今後の事業展開を総合的に勘案の上、決定したいと考えております。




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※本資料に記載されている業績見通し、計画、戦略などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関係する見通しです。
これらは本資料発表日現在において入手可能な情報に基づき当社の経営者が判断したものであり、リスクや不確実性を含ん
でいます。実際の業績は、これらの見通しとは大きく異なる結果となる場合があります。




                                                   以   上




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