2020年度 第１四半期
決算説明資料
2020年９月10日
ハイライト
■ いちごトラストからのエクイティファイナンス： 総額1,108億円（注1）
Ｂ種・D種優先株式及びE種優先株式を目的とする新株予約権発行
自己資本の改善
継続企業として成長戦略を図るための大型資金の確保
■ 白山工場譲渡： 譲渡総額713億円（注2）
コスト削減 ・・・・・ 年間約80億円
負債(前受金)削減・・・・ 743億円
バランスシート健全化
不稼働資産処理・・・・・ 502億円
譲渡益計上 ・・・・・ ≧159億円
■ 生産・販売状況
生産： コロナ影響の制約から大幅に回復
販売： 車載向けは第1四半期に大幅販売減も、足下需要は順調に
回復。スマートフォン向けは下期の需要を要注視
（注1）B種優先株式：20年3月発行、D種優先株式及びE種優先株式を目的とする新株予約権：20年8月発行 （注2）譲渡に係る基準日、為替レート等の前提はP7に記載
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2020年度 第１四半期（1Q）サマリ
■ 6月30日付予想の範囲内に着地
■ 19年度第１四半期比
• 売上高はほぼ同水準
• 構造改革とコスト削減等により、売上総利益は黒字化、
営業損失は＋201億円、EBITDAは＋170億円の改善
（億円）
19年度 20年度 20年度 19年度
1Q 1Q Q1 (6/30予) 4Q
売上高 904 880 850-890 1,162
売上総利益 ▲168 10 - 34
営業利益 ▲271 ▲70 ▲70-▲90 ▲59
親会社に帰属する当期純利益 ▲789 ▲163 - 95
EBITDA ▲202 ▲32 - ▲20
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分野別 四半期売上高推移
四半期売上高推移 分野別販売状況
モバイル（欧米）
モバイル（中国・他）
■モバイル分野（欧米554億円、中国・他63億円、
ノンモバイル 前年同期比＋15％）
1,500
1,473 車載 顧客のOLED採用拡大とコロナ影響に伴う需要
減により軟調。2Qは前四半期比増収見込も、
1,162
下期の需要は要注視
車載分野（148億円、前年同期比▲42％）
904 65% 69% 880
自動車生産の大幅調整に伴うディスプレイ需要
63% の減少により、これまでにない急減となるも、2Q
42% からは回復へ
63%
18% 7% 5%
ノンモバイル分野（115億円、前年同期比＋3％）
5%
12% 9% 8% 11%
後工程生産の回復遅れとデジタルカメラ向け需
7%
13% 要の急減を、ノートPC、ウェアラブル、VR向けの
28% 19% 18% 21%
17%
堅調な需要が一部取戻し。ウェアラブル増加に
より、2Q以降改善へ
1Q19 2Q19 3Q19 4Q19 1Q20
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連結損益計算書（四半期）
（億円）
前年同期比 前四半期比
1Q-FY19 1Q-FY20 4Q-FY19
(1Q19vs1Q20) (4Q19vs1Q20)
売上高 904 880 ▲24 1,162 ▲282
売上原価 1,072 870 ▲202 1,129 ▲259
売上総利益 ▲ 168 10 ＋178 34 ▲23
販売費及び一般管理費 103 80 ▲22 93 ▲12
営業利益 ▲ 271 ▲ 70 ＋201 ▲ 59 ▲11
営業外損益（▲は損失） ▲ 41 ▲ 18 ▲23 ▲ 52 ▲34
経常利益 ▲ 312 ▲ 88 ＋224 ▲ 111 ＋23
特別損益（▲は損失） ▲ 477 ▲ 72 ＋405 220 ▲292
税引前当期純利益 ▲ 789 ▲ 160 ＋630 109 ▲269
親会社株主に帰属する当期純利益 ▲ 789 ▲ 163 ＋626 95 ▲258
EBITDA ▲ 202 ▲ 32 ＋170 ▲ 20 ▲12
平均為替レート（円/米ドル） 109.9 107.6 108.7
期末為替レート（円/米ドル） 107.8 107.7 108.8
主な特別損益： 事業構造改善費用戻入益７億円、事業構造改善費用(白山工場譲渡に伴う費用）76億円
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連結営業利益 増減要因
単位：億円
（億円）
前年同四半期（1Q-FY19）比 直前四半期（4Q-FY19）比
1Q-FY19 1Q-FY20 4Q-FY19 1Q-FY20
(前年同期) (直前四半期)
売上高: 904 売上高: 880 売上高: 1,162 売上高: 880
営業利益: +201 営業利益: 営業利益: ▲11 営業利益:
▲271 ▲70 ▲59 ▲70
営
営 業 営
業 利 在 業
利 益 庫 利
在 数 製 販
益 量 売 変 益
庫 造
販 ・ 固 管 動
売 変 等
動 ミ 定 理
管 ッ 費 費
理 等
ク
費 ス
数 製
営 造
業 量 Covid-19影響による
・ 固
利 定
益 ミ 構造改革による 売上急減に伴い、在庫
ッ 費 固定費削減効果 増加
ク
ス
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白山工場の譲渡（8月28日契約完了、10月末までに資産引渡し）
白山工場の譲渡によりコスト削減とバランスシートの健全化を進捗
今後も基幹工場である茂原工場にて高付加価値製品の開発・生産を継続
1. 工場の維持管理費用や固定資産税等の費用削減（損益改善）
意義 2. 同工場建設の際に受領した当社顧客からの前受金返済（キャッシュ・フロー改善）
3. 不稼働資産及び負債削減（バランスシート改善）
生産設備 当社顧客：301億円(注)
譲渡
内容
土地、建物、付帯設備 シャープ株式会社：412億円(注)
不稼働資産 502億円 譲渡
財務 (20年8月末現在帳簿価額)
譲渡益≧159億円(注)
効果 743億円(注)
前受金 完済
(20年８月末日現在残高)
2020年10月末までにクロージング予定
（注）1ドル＝105.7円での換算額
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いちごによる追加ファイナンス完了
本年3月の優先株式発行に続くエクイティファイナンスの実施により、
継続企業として成長戦略を実行するための大型資金を確保
払込期日 2020年8月28日
発行新株式数 D種優先株式 500株 @1,000万円
D種優先株式
第三者割当 調達資金の額 50億円
資本金の増加額 25億円
資本準備金の増加額 25億円
割当日 2020年8月28日
当該発行による潜在株式数 E種優先株式 5,540株 @1,000万円
第12回 調達資金の額 554億円
内訳： 第12回新株予約権発行による調達額 0円
新株予約権 第12回新株予約権行使による調達額 554億円
第三者割当
権利行使期間 ①2020年10月1日～2023年9月30日 (138.5億円)
②2021年1月1日~2023年12月31日 (138.5億円)
③2021年4月1日~2024年3月31日 (138.5億円)
④2021年7月1日~2024年6月30日 (138.5億円)
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2020年度の見通し
コロナ影響を極力抑え、業績回復と成長に向けて収益基盤を再構築
■ 20年度の見通しと対策
売上高: 19年度(5,040億円)比▲15～▲25％ （前回予想は▲15～▲20％）
車載向けは2Qから改善。スマートフォン向けは下期需要を要注視
営業利益: 売上挽回、更なる費用削減策実施により、改善目指す
財務: いちごトラストの追加ファイナンス、白山工場譲渡によりBS/PL/CFを改善
設備投資・研究開発 （億円）
FY19 FY20 FY20
（実） （6/30予） （今回予） 徹底的なコスト削減により、
設備投資額 161 139 128 設備投資・研究開発の効率向上を実現
減価償却費 207 182 168
研究開発費 103 98 90
■2Q-FY20予想
（億円）
2Q-FY19 (実) 2Q-FY20 (予)
売上高 1,473 1,100～1,200
営業損益 ▲81 ▲30～0
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聖域なき構造改革（19年度決算説明会資料から再掲）
原点に立ち返り、「技術立社」 として圧倒的な付加価値を取り戻す
ガバナンスの強化
グローバル・ベストプラクティスを取り入れ、社内の意識を改革、
指名委員会等設置会社へ移行、内部統制を強化、等
収益基盤の再構築
施 アセットの適正化、コスト競争力の強化、サプライチェーンの多様化
策
「設備投資」 から 「研究開発」会社 へ
当社の豊富なIP（知的財産）※ を戦略的に活用
※：米国保有登録特許件数 5,252件 [6/1時点、共同出願含む]
新収益源の確立
ポスト/ウィズコロナも見据えてヘルスケア分野に参入
ディスプレイ一本足打法から脱却、コア技術をヘルスケア分野に応用し、「オンリーワン」 製品群を創出
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「聖域なき構造改革」 の推進概況
• 8月26日の株主総会決議をもって、同日付で、社外取
締役が各委員会の過半数を占め、強い監督機能を持
つ指名委員会等設置会社へ移行
ガバナンスの強化 • 社外メンバーが過半数を占める新設の「ガバナンス向上
委員会」の答申の下、 「改善報告書」に基づき、ガバナ
ンス体制の強化と改善、役職員の意識改革と向上等を
施 実施中
策 • コロナ禍の緊急施策として、聖域なく全ての投資、固
定・変動費を見直し、徹底的なコスト削減を断行、現在
も継続中
収益基盤の再構築 • 顧客からのサポートも得て白山工場譲渡最終契約を締
結。これにより大幅かつ抜本的な「固定費低減」「BS・
CF改善」を実現
• コロナ余波・地政学リスクを見据え、一部国内回帰を含
めて、サプライチェーンの多様化を検討中
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「聖域なき構造改革」 の推進概況
• OLED：当社独自OLED技術のさらなる進化により、
低消費電力・長寿命・高精細の製品を徹底追求
「設備投資」から • 液晶：透明ディスプレイやホバリング技術等により、ハイ
「研究開発」会社へ ジェニック用途に対応可能なディスプレイを開発
• IP：豊富な知的財産を法的手段を含めて積極的・戦
略的に企業価値向上の為に活用
施
策 • OLED：現製品にて高歩留り・量産安定化を実現。コ
アビジネスとして確立し更なる飛躍を目指す
• ヘルスケア：眼科・脳外科手術にも対応の医療・放送
用途向けディスプレイ（30“8K サンプル出荷開始、2021
新収益源の確立 年量産予定）を始めとする製品ラインナップを順次拡大。
ヒト全ゲノムを含めた全体像について継続検討中
• セキュリティ：米国FBIの認定を取得、高セキュリティな
指紋センサモジュールを量産開始。欧米向けに販売予
定(注) （注）米国Federal Bureau of Investigationによる Personal Identity Verification。
Image Match Design Inc. との協業予定
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Appendix
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最近の技術開発の発表事例
コア技術をヘルスケア・セキュリティー等の新事業分野に応用し、新しい製品を創出
2020/7/29 リリース 2020/7/31 リリース 2020/8/24 リリース
米国連邦捜査局（FBI※1）PIV※2認定
SID DISPLAY WEEK 2020 30.2インチ8K4K
静電容量式ガラス指紋
ホバーディスプレイ等展示 液晶ディスプレイ292ppiを開発
センサの量産開始
JDIのインセル型ホバリング技術により、視 用途に応じて使い分けられるよう世界トップ 台湾の指紋センサメーカーであるImage
認性を維持しながら、非接触で情報を入 レベルの高輝度モデル(1,000 ㏅/m2)と、 Match Design Inc.（以下iMD社）と
出力することが可能。 広色域モデル(BT.2020カバー率90%)を の協業により、米国FBIによってPIV認定*
用意。 を受けた2製品を開発、量産開始。
不特定多数が触れる設備や厳しい衛生 繊細な表示を求められる眼科や脳外科手 当社はセンサガラス基板を供給し、
管理を要する環境に最適。 術といった医療用途、および放送局や画像 iMD社がモジュールの生産及び販売。
編集用途に適しています。 当社グループ販売網での欧米向けモジュー
ル販売も予定。
*Personal Identity Verification
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ガバナンスの強化
不適切会計の原因分析と再発防止およびガバナンスの向上を徹底的に議論
改善報告書に基づき、改善策実行中
・文書およびビデオメッセージを発信し、社内に浸透
(1) 会計処理と情報開示に対する
・最も保守的かつ透明性の高い会計処理の適用を規定
社内の意識変革 ・経理部門全員による再発防止策確認と実行
(2) 指名委員会等設置会社への
・株主総会で承認され移行が決定
主
移行
な
取 ・棚卸の精度向上のため、棚卸方法を変更
り (3) 経理上の統制の強化 ・業務工程の可能な限りのシステム化（明確化と透明化）
組
み ・相互監督の強化による権限集中の防止
・内部監査部の増員と経理業務への監査を強化
(4) 内部監査体制の強化 ・J-SOX業務を独立させ、有効性評価を確認
・内部監査部人事の、監査委員会事前承認を規定
・リニエンシー制度導入、人事評価見直しによる通報促進
(5) 内部通報制度の改善 ・半期毎の従業員アンケートによる掘り起し
・監査委員会へ直接通報する窓口を設置
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連結貸借対照表
（億円）
2020年3月 2020年6月
現金及び預金 667 452
売掛金 709 382
未収入金 481 360
在庫 391 471
その他 46 73
流動資産合計 2,294 1,737
固定資産合計 1,603 1,570
資産合計 3,897 3,308
買掛金 893 600
有利子負債 980 975
前受金 891 826
その他負債 599 536
負債合計 3,364 2,936
純資産合計 534 371
自己資本比率 13.1% 10.5%
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連結キャッシュ・フロー
（億円）
1Q-FY20
税引前当期純利益 ▲ 160
減価償却費 44
運転資金 75
前受金 ▲ 65
構造改革関連費用 77
その他 ▲ 121
営業キャッシュフロー ▲ 150
固定資産の取得 ▲ 31
その他 0
投資キャッシュフロー ▲ 31
財務キャッシュフロー ▲ 33
期末現預金残高 449
フリーキャッシュフロー ▲ 182
（注）１．１Q-FY20「期末現預金残高」と連結貸借対照表「現金及び預金」との差異： 預け金３億円
２． フリーキャッシュフロー＝「営業キャッシュフロー」 ー 「固定資産の取得（設備投資）」
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