6736 J-サン電子 2020-03-09 16:00:00
臨時株主総会の付議議案及び株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ [pdf]

                                                    2020 年 3 月 9 日
各      位
                             会 社 名 サ ン 電 子 株 式 会            社
                             代表者名 代表取締役社長           木村 好己
                                  (コード番号 6736 東証 JASDAQ)
                             問合せ先 取 締 役       山 本 泰
                                  電話 052-756-5981


臨時株主総会の付議議案及び株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ


     当社は、2020 年 3 月 4 日付け「臨時株主総会の開催日時等の決定に関するお知らせ」に
おいて、2020 年 4 月 8 日(水曜日)に臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいま
す。)を開催する旨をお知らせしておりましたが、本日開催の取締役会において、本臨時
株主総会の付議議案及び株主提案に対する当社取締役会の意見について決議いたしました
ので、下記の通りお知らせいたします。また、2020 年 3 月 4 日付け「臨時株主総会の開催
日時等の決定に関するお知らせ」においてもお知らせしましたとおり、新型コロナウイル
スが流行し、株主の皆様にもご心労が多い時期に、当社株主(以下「提案株主」といいま
す。)の要請とはいえ、株主総会を行わねばならなくなりましたこと、心よりお詫び申し
上げます。


                             記


1.    本臨時株主総会の付議議案
      第 1 号議案(会社提案)
            取締役(監査等委員である取締役を除く。)1 名選任の件
      第 2 号議案(会社提案・株主提案)
            取締役(監査等委員である取締役を除く。)2 名選任の件
      第 3 号議案(株主提案)
            取締役(監査等委員である取締役を除く。)4 名解任の件
      第 4 号議案(株主提案)
            取締役(監査等委員である取締役を除く。)3 名選任の件


2.    付議議案の要領、提案理由の概要


      (1)    第 1 号議案(会社提案)
             取締役(監査等委員である取締役を除く。)1 名選任の件
【議案の要領】
 取締役 1 名(監査等委員である取締役を除く。取締役候補者:辻野晃一郎)を選任
する。


【提案理由の概要】
 当社指名諮問委員会は、別紙 4 で詳述する当社の業績回復に向けた戦略の実行に向
けて、当社の現在の役員のスキルを分析し、特に、モバイルデータソリューション事
業を含む IT 関連事業における事業開発や赤字部門の立て直しを行ってきた経験を有す
る者が不足しているとの結論に至り、グローバルな IT 分野における事業開発や赤字部
門の黒字化の経験を豊富に有する辻野晃一郎氏を、社外取締役候補者として答申し、
当社取締役会は当該答申に基づき同氏を社外取締役候補者として決定いたしました。
辻野氏は、当社取締役会に新たな視点をもたらすだけでなく、当社の社外取締役とし
て、当社の経営を実効的にかつ独立した立場から監督することが可能であると考えら
れます。


 第 1 号議案の議案の要領及び提案理由の詳細については、別紙 1 をご覧ください。


(2)    第 2 号議案(会社提案・株主提案)
       取締役(監査等委員である取締役を除く。)2 名選任の件


【議案の要領】
 取締役 2 名(監査等委員である取締役を除く。取締役候補者:内海龍輔、岩田彰)
を選任する。


【提案理由の概要】
〈当社による提案理由〉
 当社指名諮問委員会は、提案株主から提案された取締役候補者のうち、内海龍輔氏
及び岩田彰氏のこれまでの経歴等の資料を検討した結果、別紙 4 で詳述する当社の業
績回復に向けた戦略の実行において、内海氏の有するコーポレートガバナンスに関す
る知見と、岩田氏の有する AI や IoT に関する技術的な専門知識及び経験により、当社
取締役に不足しているスキルが補完されるとともに、当社取締役会に新たな視点をも
たらすことが期待できると考え、これら 2 名は当社取締役に選任すべきであると答申
し、当社取締役会は当該答申に基づき両氏を当社取締役に選任すべきと判断いたしま
した。


〈株主による提案理由〉
 提案株主は、当社には第 3 号議案の提案理由の概要に記載の問題があると考えてお




                     - 2 -
り、第 4 号議案に係る取締役候補者 3 名を含む取締役候補者 5 名と代表取締役社長木
村好己氏のリーダーシップのもとに必要な役職員の採用及び配置を行い、会社の業績
回復のための中長期計画を策定し、その計画に沿った改革を確実に実行してゆくこと
が喫緊の課題であるため、第 2 号議案に係る取締役候補者 2 名及び第 4 号議案に係る
取締役候補者 3 名を含む、取締役候補者 5 名の選任を請求するとのことです。


 第 2 号議案の議案の要領及び提案理由の詳細については、別紙 2 をご覧ください。


(3) 第 3 号議案(株主提案)
      取締役(監査等委員である取締役を除く。)4 名解任の件


【議案の要領】
 取締役 4 名(監査等委員である取締役を除く。解任対象取締役:山口正則、山岸
栄、山本泰、入部直之)を解任する。


【提案理由の概要】
 提案株主は、当社が 2018 年 3 月期と 2019 年 3 月期の 2 期連続で営業損失を計上
し、2020 年 3 月期にも営業損失を計上することが見込まれているうえ、2020 年 3 月期
第 2 四半期累計の営業キャッシュフローもマイナスに陥っており、このまま営業損失
と営業キャッシュフローのマイナス計上が現在の経営陣と取締役会の下で継続すれ
ば、当社は JASDAQ の業績基準により上場廃止となる深刻なリスクにさらされる状況
におかれていることを踏まえ、かかる事態を招来した責任を負う現経営陣を刷新する
ため、解任対象取締役の解任を請求するとのことです。


(4)    第 4 号議案(株主提案)
      取締役(監査等委員である取締役を除く。)3 名選任の件


【議案の要領】
 取締役 3 名(監査等委員である取締役を除く。取締役候補者:ヨナタン・ドミニ
ツ、ヤコブ・ズリッカ、ヤニブ・バルディ)を選任する。


【提案理由の概要】
 提案株主は、当社には第 3 号議案の提案理由の概要に記載の問題があると考えてお
り、第 2 号議案に係る取締役候補者 2 名を含む取締役候補者 5 名と代表取締役社長木
村好己氏のリーダーシップのもとに必要な役職員の採用及び配置を行い、会社の業績
回復のための中長期計画を策定し、その計画に沿った改革を確実に実行してゆくこと
が喫緊の課題であるとして、第 2 号議案に係る取締役候補者 2 名を含む取締役候補者




                       - 3 -
     5 名の選任を請求するとのことです。


      第 3 号議案及び第 4 号議案の議案の要領及び提案理由の詳細については、別紙 3 を
     ご覧ください。


3.   株主提案に対する当社取締役会の意見
      当社取締役会は、株主提案に係る第 3 号議案及び第 4 号議案(以下合わせて「本株
     主提案」といいます。)に、以下の理由で反対します。


      当社は業績回復に向けた経営課題に取り組むべく事業ポートフォリオの再構築など
     様々な戦略を実行しており、Cellebrite DI Ltd.(当時の Cellebrite Mobile Synchronization
     Ltd.を指し、以下「Cellebrite 社」といいます。)の第三者割当による優先株式の発行
     や当社の転換社債及び新株予約権の発行もそのような取組みの一環として行われてい
     るところ、本株主提案が主張する、これらの増資等の実行により当社の企業価値が毀
     損されたという事実はありません。また、現在、Cellebrite 社はモバイルフォレンジッ
     ク企業からデジタルインテリジェンス企業へ転換しようとする重要なターニングポイ
     ントを迎えています。同社は、技術力を背景に、従来のデータ抽出だけではなく、
     データを活用するデータ分析分野に積極的に投資を行っており、従来のモバイルフォ
     レンジック市場を含むより大きなデジタルインテリジェンス市場でのリーディングカ
     ンパニーになるべく積極的にデータ分析システムやテクニカルサービスなどの幅広い
     製品・サービスの拡充を行うとともに、M&A も実施しながら、成長市場における
     シェア確保に努めています。解任対象取締役の 4 名は当社の業績回復に向けた戦略に
     おいて中心的役割を担っており、当社にとって不可欠の存在であると考えられます。
      これに対して、提案株主からは当社の経営方針について何ら具体的な提案はありま
     せん。また、本株主提案に係る取締役候補者 3 名は、当社の事業内容やその経営課題
     について十分な知見を有しているとはいえず、当社の経営課題に取り組む者としての
     適格性に疑義があります。加えて、本提案株主に係る取締役候補者が当社の経営を
     行った場合には、当社の既存の取引先や金融機関との信頼関係が消失する懸念がある
     うえに、Cellebrite 社を順調に成長させた実績があり、かつ中長期の事業戦略を支持
     し、尊重している当社取締役の解任及び提案株主側の候補者の当社の経営への介入が
     あった場合には、デジタルインテリジェンス分野で No.1 になるという中長期的な目標
     を持つ、Cellebrite 社の中核となる従業員の流出の可能性があり、結果として競争力低
     下という当社にとって回復しがたい損害が発生する可能性も否定できません。した
     がって、本株主提案に係る取締役候補者 3 名が当社の経営の中枢を担うこととなった
     場合には当社の企業価値が毀損される可能性が高いもの考えられます。
      なお、提案株主が主張するように、当社が上場廃止となるリスクにさらされている
     という事実はありません。




                                   - 4 -
以上のような理由から、当社は本株主提案に反対いたします。


当社取締役会の意見の詳細については、別紙 4 をご覧ください。


                                  以上




                 - 5 -
別紙 1


                第 1 号議案(会社提案)の議案の要領及び提案理由


        【議案の要領】
        取締役 1 名(監査等委員である取締役を除く。取締役候補者:辻野晃一郎)を選任
        する。


                                                             所有する
        候補者     氏名
                           略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況                当社株式
         番号    生年月日
                                                              の数
                        1984 年 4 月      ソニー株式会社入社
                        1997 年 9 月      同社 IT カンパニーデスクトッ
                                        プコンピュータ部統括部長
                            2001 年 4 月 同社 ネットワークターミナルソ
                                        リューションカンパニープレジデ
                                        ント
                            2003 年 4 月 同社 ホームストレージカンパ
                                        ニープレジデント
              つ じ の こう いちろう 2004 年 11 月 同社 コネクトカンパニー共同プ
              辻野晃一郎                     レジデント
         1    (1957 年 7 2007 年 4 月 グーグル日本法人執行役員 製品            0株
              月 10 日生)                  開発本部長
                            2009 年 1 月 同社 代表取締役社長
                            2010 年 10 月 アレックス株式会社創業 代表取
                                        締役社長(現任)
                            2011 年 6 月 KLab 株式会社 社外取締役
                            2012 年 4 月 早稲田大学商学学術院 客員教授
                            2012 年 6 月 株式会社 AOI Pro. 社外取締役
                            2017 年 8 月 株式会社ウェザーニューズ社外取
                                        締役(現任)
   (注)
   1.    取締役候補者と当社との間には、特別の利害関係はありません。
   2.    辻野晃一郎氏は社外取締役候補者であります。
   3.    本議案につきましては、監査等委員会より特に指摘すべき事項はない旨の意見表
         明を受けております。
   4.    当社は社外取締役として有能な人財を迎えることができるよう、取締役(業務執
         行取締役等であるものを除く。)との間で、当社への損害賠償責任を一定範囲に
         限定する契約を締結できる旨を定款に定めており、辻野晃一郎氏について、本議
         案が承認可決され、同氏が選任された場合、当社は同氏との間で当該責任限定契
         約を締結する予定であります。
   5.    「所有する当社株式の数」は、2020 年 2 月 18 日現在の株式数を記載しておりま




                                     - 6 -
      す。
6.    取締役候補者の選任理由
      辻野晃一郎氏は、ソニー株式会社において様々な事業責任者を経験し、かつ赤字
      部門を短期間で黒字に転換するなど変化するマーケットにおいて、事業に偏らな
      い豊富な経験・実績に基づく優れた経営判断能力及び経営執行能力を有しており、
      その後、グーグル日本法人代表取締役社長として異なる文化に接しながら、企業
      経営を行った経験があります。またアレックス株式会社を創業し、IT を活かした
      グローバルビジネスを展開しています。当社は国内事業の立て直しと海外子会社
      の成長という 2 つの大きなグループ経営課題に直面しているところ、これらの課
      題解決による当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた当社の取締
      役会の適切な意思決定及び経営監督の実現のため、辻野氏からは当社の経営に対
      して有益なご意見やご指導をいただけるものと期待し、社外取締役候補者として
      おります。


【提案理由】
     当社指名諮問委員会は、別紙 4 で詳述する当社の業績回復に向けた戦略の実行に向
けて、当社の現在の役員のスキルを分析し、特に、モバイルデータソリューション事
業を含む IT 関連事業における事業開発や赤字部門の立て直しを行ってきた経験を有す
る者が不足しているとの結論に至り、グローバルな IT 分野における事業開発や赤字部
門の黒字化の経験を豊富に有する辻野晃一郎氏を、社外取締役候補者として答申し、
当社取締役会は当該答申に基づき同氏を社外取締役候補者として決定いたしました。
辻野氏は、当社取締役会に新たな視点をもたらすだけでなく、当社の社外取締役とし
て、当社の経営を実効的にかつ独立した立場から監督することが可能であると考えら
れます。




                     - 7 -
別紙 2


             第 2 号議案(会社提案・株主提案)の議案の要領及び提案理由


        【議案の要領】
        取締役 2 名(監査等委員である取締役を除く。取締役候補者:内海龍輔、岩田彰)
        を選任する。


                                                        所有する
        候補者     氏名
                          略歴、地位、担当及び重要な兼職の状況            当社株式
         番号    生年月日
                                                         の数
                       2008 年 3 月     社団法人中部経営情報化協会 あ
                                      いちベンチャーハウス インキュ
              う つみ  りゅうすけ             ベーションマネージャー
              内海 龍 輔 2009 年 6 月 社団法人中部航空宇宙技術セン
         1    (1965 年 10                                 0株
                                      ター 産業支援部担当部長
              月 8 日生) 2012 年 6 月 当社入社
                          2018 年 10 月 当社 内部統制室室長
                          2019 年 4 月 当社 内部監査室室長
                          1985 年 4 月 名古屋工業大学 工学部情報工学
                                      科 助教授
                          1993 年 4 月 名古屋工業大学 工学部電気情報
                                      工学科 教授
                          1997 年 4 月 名古屋工業大学 工学部電気情報
                                      工学科 学科長
                          2002 年 11 月 名古屋工業大学 副学長
                          2004 年 1 月 名古屋工業大学 大学院工学研究
               い わた  あきら
               岩田 彰                   科 教授
         2    (1950 年 11 2004 年 4 月 国立大学法人名古屋工業大学 大      0株
              月 30 日生)                学院工学研究科教授
                          2004 年 4 月 国立大学法人名古屋工業大学 テ
                                      クノイノベーションセンター 知
                                      財管理部門長(併任)
                          2016 年 4 月 国立大学法人名古屋工業大学 名
                                      誉教授(現任)
                          2016 年 4 月 国立大学法人名古屋工業大学発ベ
                                      ンチャー企業 株式会社エンセ
                                      ファロン 代表取締役(現任)
   (注)
   1.    各取締役候補者と当社との間に特別の利害関係はありません。
   2.    岩田彰氏は社外取締役候補者であります。
   3.    本議案につきましては、監査等委員会より特に指摘すべき事項はない旨の意見表
         明を受けております。
   4.    当社は社外取締役として有能な人財を迎えることができるよう、取締役(業務執




                                    - 8 -
     行取締役等であるものを除く。)との間で、当社への損害賠償責任を一定範囲に
     限定する契約を締結できる旨を定款に定めており、岩田彰氏について、本議案が
     承認可決され、同氏が選任された場合、当社は同氏との間で当該責任限定契約を
     締結する予定であります。
5.   「所有する当社株式の数」は、2020 年 2 月 18 日現在の株式数を記載しておりま
     す。
6.   各取締役候補者の選任理由
     〈当社による選任理由〉
     内海龍輔氏は 2012 年から当社において勤務し、主に当社の製造部門での実務を
     経験し、2019 年 4 月から 2019 年 9 月までは内部監査室室長を務め、当社固有の
     コーポレートガバナンスの改善活動に尽力しておりました。また 2019 年 10 月か
     ら ITS プロジェクトで当社の IT 関連商材の販売に尽力しております。当社は、
     今後の成長過程でコーポレートガバナンスのさらなる強化が重要であると認識し
     ており、専任の取締役を選任することで当該課題に取り組んでまいりたいと考え
     ておりましたところ、内海龍輔氏の経験が適任であると判断いたしました。ま
     た、当社指名諮問委員会からの答申に基づき、当社取締役に不足しているスキル
     が補完されるとともに、当社取締役会に新たな視点をもたらすことが期待できる
     と考え、当社取締役に選任すべきと判断いたしました。また、内海氏は当社の創
     業家の一員であり、当社の経営理念を従業員・創業家という双方の立場で理解し
     てきた経緯から、幅広いステークホルダーの視点を踏まえ、当社の中長期的な企
     業価値の向上に向けて現在の取締役にない視点で業務に取り組むことが期待でき
     ると考えております。


     岩田彰氏は、AI、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、情報セキュリ
     ティ及び IoT の分野について高度な専門知識を有しており、また当該分野におけ
     るコンサルティングの知識も豊富であります。そこで、当社が業績回復に向けた
     事業ポートフォリオの選択と集中の中で特に強化しようとしている新規 IT 関連
     事業の分野について、その技術的知見とビジネス面でのアドバイスの経験を踏ま
     えて、大きく貢献することが期待できると考えております。


     〈提案株主による選任理由〉
     内海龍輔氏は当社の内部監査室室長であり、当社の内部統制の強化のための問題
     特定とリスク評価に努めてきました。内海氏は当社内で役職をもつ唯一の創業家
     出身者であり、当社のコーポレートガバナンス上の問題の把握と改善に真摯に取
     り組んで参りました。内海氏は当社の事情に精通し、かつ内部統制システムの構
     築と改善に関する高度な専門的知見を有しています。当社の変革と再構築のため
     には、当社の内部統制の問題に精通し、かつ効果的なコーポレートガバナンス体




                       - 9 -
 制構築のための是正措置を策定する能力を備えた取締役の存在が新経営陣に必要
 不可欠であるところ、内海氏はその職責を担える最適の人材です。さらに内海氏
 は当社の創業家の一員として当社の国内外の事業の建直しと発展に身を捧げ、業
 界を牽引する力強い事業を構築します。


 岩田彰氏は人工知能(AI)、ニューラルネットワーク、ディープラーニング、情
 報セキュリティの世界的権威です。45 年間にわたるキャリアを通じ、学術研究及
 び民間産業における業績で極めて高い評価を受けており、IOT センサーシステム
 の企画・開発・製造に関するコンサルティングの豊富な経験を有しています。
 当社が現在の業績不振を脱し国内外のビジネスの再構築を通じて成長を遂げるた
 めには、かかる技術的な専門知識と経験を有する取締役が不可欠であるところ、
 岩田教授はその高度な技術的専門知識と経験を通じて当社に必要な戦略とビジョ
 ンをもたらし、当社の技術的な潜在能力を見極めてこれを発展させ、高収益事業
 における当社の競争力を高めることができます。


 (会社注)内海龍輔氏が当社の内部監査室室長を務めたのは 2019 年 4 月から 2019
 年 9 月までであり、現在は内部監査室室長ではございません。


【提案理由の概要】
〈当社による提案理由〉
 当社指名諮問委員会は、提案株主から提案された取締役候補者のうち、内海龍輔
氏及び岩田彰氏のこれまでの経歴等の資料を検討した結果、別紙 4 で詳述する当社
の業績回復に向けた戦略の実行において、内海氏の有するコーポレートガバナンス
に関する知見と、岩田氏の有する AI や IoT に関する技術的な専門知識及び経験に
より、当社取締役に不足しているスキルが補完されるとともに、当社取締役会に新
たな視点をもたらすことが期待できると考え、これら 2 名は当社取締役に選任すべ
きであると答申し、当社取締役会は当該答申に基づき両氏を当社取締役に選任すべ
きと判断いたしました。
 なお、内海氏及び岩田氏からは、2020 年 3 月 9 日時点において、会社提案の取締
役候補者としての就任については承諾を得ておりません。当社としましては、本臨
時株主総会の開催日までの間、当社及び当社指名諮問委員会との協議を重ねていた
だくこと等を通じて、ご承諾を得られるべく引き続き努力を重ねて参る所存です。


〈提案株主による提案理由〉
 提案株主は、当社には第 3 号議案の提案理由の概要に記載の問題があると考えて
おり、第 4 号議案に係る取締役候補者 3 名を含む取締役候補者 5 名と代表取締役社
長木村好己氏のリーダーシップのもとに必要な役職員の採用及び配置を行い、会社




                   - 10 -
の業績回復のための中長期計画を策定し、その計画に沿った改革を確実に実行して
ゆくことが喫緊の課題であるため、第 4 号議案に係る取締役候補者 3 名を含む取締
役候補者 5 名の選任を請求するとのことです。




                 - 11 -
別紙 3


         第 3 号議案及び第 4 号議案(株主提案)の議案の要領及び提案理由


1.     第 3 号議案(株主提案)
       【議案の要領】
        取締役 4 名(監査等委員である取締役を除く。解任対象取締役:山口正則、山岸
       栄、山本泰、入部直之)を解任する。


       【提案理由の概要】
       (1) 当社の継続的な業績不振について
            当社は既に 2018 年 3 月期と 2019 年 3 月期の 2 期連続で営業損失を計上
          し、2020 年 3 月期にも営業損失を計上することが見込まれているうえ、2020
          年 3 月期第 2 四半期累計の営業キャッシュフローもマイナスに陥っており、
          このまま営業損失と営業キャッシュフローのマイナス計上が現在の経営陣と
          取締役会の下で継続すれば、当社は JASDAQ の業績基準により上場廃止と
          なる深刻なリスクにさらされる状況におかれています。かかる事態を招来し
          た責任を負う現経営陣を刷新するため、解任対象取締役 4 名の解任を請求し
          ます。


       (2) 解任対象取締役 4 名について
            山口正則氏は 2013 年 6 月から 2019 年 6 月まで当社の代表取締役社長
          (CEO)を、2008 年 6 月から 2013 年 6 月までは代表取締役を務めました。
          山口氏の在任期間中に、当社の純利益は 2013 年 3 月期の約 14 億円から 2019
          年の 3 月期の△約 10 億円(純損失)に悪化しました。また国内事業の売上
          高及び営業利益1は、山口氏の CEO 就任前にそれぞれ約 126 億円と約 4 億円
          であったところ、山口氏の CEO としての最後の決算期にはそれぞれ約 68 億
          円と△約 20 億円(営業損失)に悪化しました。2020 年 3 月期には更なる損
          失が見込まれています。山口氏の CEO としての経営は、上記損失を生じさ
          せたことに留まらず、国内事業における新たな成長分野の開拓を怠ったとい
          う意味においても、当社に相応しくないことが明らかです。
            また当社子会社の Cellebrite 社は 2019 年 7 月に Israel Growth Partners Capital
          の投資ビークルである IGP SAFERWORLD, LIMITED PARTNERSHIP(以下
          「IGP 社」といいます。)に対し第三者割当増資を行いましたが、その際当


1    国内事業の売上高及び営業利益の算出には、連結損益計算書の売上高及び営業利益から、モバイル
     デ一夕ソリューション事業の売上高及び営業利益を控除したものを用いています。




                                  - 12 -
社は IGP 社以外の提携先の選定や交渉を行わず、発行価額を過小評価して増
資 を行っ た結果 、当社の 企業価 値は不 当に毀損 されま した。 山口氏は
Cellebrite 社の Chairman としてこの業務決定に対する責任を多分に負ってい
ます。
 さらに当社は、2019 年末から 2020 年初にかけて不要かつ過小評価された
価額での転換社債型新株予約権付社債(以下「転換社債」といいます。)及
び新株予約権の発行を行い、その結果、当社の企業価値は毀損され、さらに
潜在的な株式希釈化により深刻な少数株主権の侵害が発生しました。山口氏
はその業務決定を行った取締役として責任を負っています。
 山口氏は既に CEO を退任しているとはいえ、前 CEO として今なお取締役
会及び会社経営に対する強い影響力を及ぼしています。当社の企業価値は既
にこの 4 年間で著しく毀損され、現在も毀損され続けています。「手遅れ」
になる前に当社を立て直すため、このような状況は直ちに終わらせなければ
なりません。


 山岸栄氏は 2017 年 6 月以来、当社の取締役でありエンターテインメント
事業部門を統括しています。同部門の売上高及び営業利益は、2017 年 3 月期
にそれぞれ約 83 億円と約 7 億円であったところ、2019 年 3 月期にはそれぞ
れ約 53 億円と約 2 千万円に悪化しました。エンターテインメント事業は山
岸氏の采配のもと悪化し続けており、今後の成長はもとより回復も見込めな
い状態です。
 また当社は 2019 年末から 2020 年初にかけて不要かつ過小評価された価額
での転換社債及び新株予約権の発行を行い、その結果、当社の企業価値は毀
損され、さらに潜在的な株式希釈化により深刻な少数株主権の侵害が発生し
ました。山岸氏はその業務決定を行った取締役として責任を負っています。


 山本泰氏は 2013 年 6 月より当社の取締役であり財務部門の最高責任者
(CFO)を務めており、かつ Cellebrite 社の取締役でもあります。山口氏と
同様、山本氏の在任期間中に当社の純利益は 2013 年 3 月期の約 14 億円から
2019 年の 3 月期の△約 10 億円(純損失)まで悪化し、また国内事業の売上
高及び営業利益は、山本氏の取締役就任前のそれぞれ約 126 億円と約 4 億円
から、昨年度の約 68 億円と△約 20 億円(営業損失)に悪化しました。
 山本氏はまた、Cellebrite 社の取締役として Cellebrite 社による不適切な第
三者割当増資の業務決定について責任を負っています。さらに当社の取締役
として、企業価値の毀損及び潜在的な株式希釈化により深刻な少数株主権の
侵害を招いた転換社債及び新株予約権の発行の責任も負っております。
 山本氏は、CFO として、かつ経理部門における経験と立場に基づき、上




                 - 13 -
           記の企業価値毀損行為の影響を取締役会に理解させる極めて重要な責務を
           負っていたにも関わらず、その責務を怠ったものであり、取締役として不適
           任であることは明らかです。


            入部直之氏は 2018 年 6 月から当社の社外取締役を務めています。2019 年
           3 月期にかかる第 48 回定時株主総会招集通知によれば、入部氏は「商品・新
           規ビジネス企画、業務改善に携わり、当社事業に対する識見及び経営コンサ
           ルタントしての専門知識と経験」を有しているとされています。しかしなが
           ら、入部氏の取締役就任以来、当社の企業価値は毀損され続けこそすれ、新
           規の価値を生み出していません。ビジネス戦略の変化はほぼなく、特段の成
           長を見込めるような新規ビジネスもありません。さらに、Cellebrite 社によ
           る第三者割当増資と、当社の転換社債及び新株予約権発行は、全て入部氏の
           取締役在任中に決定されたことです。入部氏は、企業価値増加と経営の監督
           という、同氏に託された職責を怠ったものであり、取締役として不適任であ
           ることは明らかです。


2.   第 4 号議案(株主提案)
     【議案の要領】
     取締役 3 名(監査等委員である取締役を除く。取締役候補者:ヨナタン・ドミニ
     ツ、ヤコブ・ズリッカ、ヤニブ・バルディ)を選任する。


                                                                   所有する
     候補者     氏名        略歴、当社における地位、担当及び重要な兼職
                                                                   当社株式
      番号    生年月日                の状況
                                                                    の数
                      2009 年 8 月   ICAEW ( イ ン グ ラ ン ド 及 び
                                   ウェールズ勅許会計士協会)より
                                   勅許会計士資格(ACA)認定
                     2006 年 8 月    RGL Forensics Accountants and
           ヨナタン・                   Consultants(ロンドン)フォレン
            ドミニツ                   ジック会計士
      1                                                             0株
           (1981 年 4 2010 年 1 月    C. Lewis & Company LLP(ロン
           月 21 日生)                ドン及び香港)フォレンジック会
                                   計士
                      2012 年 8 月   Oasis Management Company Ltd.
                                   (香港)ディレクター・戦略アナ
                                   リスト(現任)
                      1994 年 9 月   Hamburger, Evron 法律事務所(イ
           ヤコブ・ズ                   スラエル)クラークシップ
            リッカ       1996 年 1 月   Sadot 法律事務所(イスラエル)               0株
      2
           (1966 年 10              弁護士(1995 年 11 月よりイスラ
           月 4 日生)                 エル弁護士会会員)
                      1999 年 7 月   Maariv Daily Newspaper(イスラエ




                               - 14 -
                               ル)東京特派員
                   2002 年 11 月 Japan Israel Investment Corporation,
                               Ltd.マネージャー 事業開発
                   2004 年 7 月 ズリッカコンサルティング株式会
                               社 事業開発コンサルタント(現
                               任)
                   2007 年 6 月 メンター・グラフィックス・ジャ
                               パン株式会社*OEM セールスマ
                               ネージャー
                   2012 年 6 月 Screenovate Technologies Ltd. ( イ
                               スラエル)事業開発ディレクター
                   2015 年 11 月 インクレディビルドジャパン株式
                               会社 代表取締役兼カントリーマ
                               ネージャー
                   *2010 年 3 月 に Valor Computerized Systems
                               Japan を買収
                   1989 年 5 月 イ ス ラ エ ル 空 軍 Intelligence
                               Squadron
                   l996 年 9 月 イスラエル国防省 空軍兵器調達
                               マネージャー(ニューヨーク)
                   1999 年 8 月 DM Incorporated 社 スシテムイン
                               テグレーション部ディレクター
                   2001 年 7 月 Sparta Systems Europe 社 共同創
         ヤニブ・バ                 設者兼常務取締役 シニア・グ
           ルディ                 ローバルプロジェクトマネー
     3                                                                0株
         (1973 年 8             ジャー
         月 31 日生) 2004 年 4 月 同 社         オ ペ レ ー シ ョ ン Vice
                               President
                   2008 年 6 月 同社 マネージングディレクター
                   2012 年 11 月 Panoramic Power 社 最高経営責
                               任者(CEO)
                   2015 年 10 月 Centrica Business Solutions 社 国
                               際ビジネスマネージングディレク
                               ター(現任)
(注)
1.   各取締役候補者と当社との間に特別の利害関係はありません。
2.   ヤコブ・ズリッカ氏及びヤニブ・バルディ氏は社外取締役候補者であります。
3.   ヤコブ・ズリッカ氏及びヤニブ・バルディ氏が社外取締役に就任された場合、同
     氏らとの間で責任限定契約を締結する予定であります。なお、当該契約に基づく
     賠償責任限度額は、法令が定める最低責任限度額と致します。
4.   各取締役候補者の選任理由
     ヨナタン・ドミニツ氏は英国資格の勅許会計士です。ドミニツ氏は大手フォレン
     ジック会計事務所において財務モデリング・財務予測を含む包括的な財務分析
     や、市場環境その他の潜在的な外部リスク・財務リスク・業務リスク等の様々な
     業界の調査分析に携わりました。財務会計分野に高度な専門的知見を有してお




                                - 15 -
り、当社の財務会計部門を監督する能力を有します。また、Oasis Management
Company Ltd.においてドミニツ氏は、投資先企業の経営者らと連携して、様々な
事業・業界を対象に、収益性の向上、業務改善、競争力の強化、コーポレートガ
バナンス改革の実行、企業価値の向上のための戦略を策定しこれを主導してきま
した。ドミニツ氏は投資先企業に対する多角的な調査と徹底したデューデリジェ
ンスを主導し、かつ経営者と協働して、継続価値ベースで当該企業のリスクと経
営を監督するための重要業績評価目標(Key Performance Indicators)を確立してき
ました。ドミニツ氏はまた、企業価値評価とコーポレートファイナンスの専門的
知見を通じ、潜在的な M&A の機会を捕捉しこれを評価する能力を有していま
す。当社においては、中長期的な企業価値向上の戦略を策定するうえでも重要な
貢献を果たすことが期待されます。


ヤコブ・ズリッカ氏は 22 年間の長期にわたり日本とイスラエルの両国において
経験を有するイスラエル資格の弁護士です。ズリッカ氏は事業開発の豊富な経験
を有し、2004 年に事業開発コンサルティング会社、株式会社ズリッカコンサル
ティングを設立しました。多くの日本企業とイスラエル企業のために、医療機
器・ソフトウェア・特許等の分野において技術交流等の事業開発を行っていま
す。インクレディビルドジャパン株式会社においては、その代表取締役としての
約 3 年間の在任期間中に、高い収益率を維持しつつ顧客数を 2 倍以上に、売上を
3 倍以上に成長させました。当社にとっては国内外ビジネス間の技術交流や有機
的な連携が不可欠であるところ、ズリッカ氏はその事業開発の経験を通じてこれ
を当社に助言し、業績回復、国内ビジネスの再構築と収益性の向上をもたらすこ
とのできる最適の人材です。ズリッカ氏は非常勤取締役として、常勤取締役その
他経営陣の監督と助言を行います。法政大学法学修士号を有し、母語のヘブライ
語のほか、日本語と英語に堪能です。


ヤニブ・バルディ氏は、クラウドベースの分析機能を備えた独自のワイヤレス及
び自己給電回路技術を採用したエネルギーベースソリューションのビジネスを確
立したパイオニアであり、2015 年に Centrica Business Solutions 社(以下「Centrica
社 」 と い い ま す 。 ) が 傘 下 に 収 め た Panoramic Power 社 の 最 高 経 営 責 任 者
(CEO)として同ビジネスを展開してまいりました。バルディ氏は、Panoramic
Power 社 CEO として、同社の日常業務を管理し、戦略を決定し、その他あらゆる
面での経営に携わってきました。Panoramic Power 社に就任する前、バルディ氏は
Sparta Systems EMEA 社の共同創設者兼常務取締役として、同社のセールス、
マーケティング、オペレーションとプロフェッショナルサービスを成功に導きま
した。現在、バルディ氏は Centrica 社で 8 カ国を統括するマネージングディレク
ターを務め、主にヨーロッパ、南アメリカ、アジア太平洋地域における同社の地




                          - 16 -
 位の向上に向けた取組みをしています。バルディ氏は、エンタープライズソ
 リューション業界において 20 年以上にわたるエグゼクティブリーダーシップの
 経験を持つ、非常に練達の起業家であります。グローバルな事業戦略の策定と国
 際的成長を導く長年にわたる卓越した実績を有し、毎年約 2 億ドルの売上を
 Centrica 社にもたらしてきました。
 当社の国内ビジネスを的確に再構築するうえで、当社子会社の Bacsoft, Ltd.(以
 下「Bacsoft 社」といいます。)及び当社の M2M 事業の適切なコントロールが不
 可欠であるところ、バルディ氏はその豊富な経験を基に Bacsoft 社と M2M 事業の
 業務改善に貢献します。さらに、バルディ氏は在イスラエルの非常勤取締役とし
 て Cellebrite 社及び Bacsoft 社の業務を適切に監督し、業務執行取締役に助言を提
 供することが期待されます。


【提案の理由】
 提案株主は、当社には第 3 号議案の提案理由の概要に記載の問題があると考えて
おり、第 2 号議案に係る取締役候補者 2 名を含む取締役候補者 5 名と代表取締役社
長木村好己氏のリーダーシップのもとに必要な役職員の採用及び配置を行い、会社
の業績回復のための中長期計画を策定し、その計画に沿った改革を確実に実行して
ゆくことが喫緊の課題であるため、第 2 号議案に係る取締役候補者 2 名を含む取締
役候補者 5 名の選任を請求するとのことです。




                    - 17 -
別紙 4
                  株主提案に対する当社取締役会の意見


     当社取締役会は、本株主提案に反対します。反対の理由は以下のとおりです。


1.    当社は業績回復に向けて具体的な経営戦略を実行しており、解任対象取締役は当社の
      課題に取り組む者として適任であること


       提案株主は、解任対象取締役 4 名の解任を求める理由として、①当社の業績不振、
      ②Cellebrite 社の第三者割当増資による当社の企業価値の毀損並びに③当社の転換社債
      及び新株予約権の発行による当社の企業価値の毀損を挙げておりますが、以下のとお
      り、①から③のいずれについても解任理由として合理的ではなく、解任対象取締役は、
      当社の業績回復及び Cellebrite 社の成長に向けた経営戦略を含む当社の経営課題に取り
      組む者として適任であると考えられるため、当社は本株主提案に反対いたします。


      (1)   当社は業績回復に向けて様々な具体的戦略を実行していること


             当社は、「モバイルデータソリューション事業」、「エンターテインメン
            ト関連事業」、「新規 IT 関連事業」の開発・製造・販売を主たる事業内容
            としているところ、2018 年 3 月期には、モバイルデータソリューション事
            業について販管人件費及び研究開発費が増加したこと、新規 IT 関連事業に
            ついて AceReal や O2O の分野における販促・マーケティング・研究開発の
            各活動が本格化したことにより費用が増加したこと、さらに貸倒引当金の洗
            替えによる差額や本社機能の移転等により全社費用も増加したこと等が原因
            となって、約 10 億円程度の営業損失の計上に至っています。
             また、2019 年 3 月期には、エンターテインメント事業について 2018 年 2
            月 1 日に施行された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施
            行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規
            則」への対応等の影響から遊技機部品の販売が低調に推移して大幅な減収と
            なったこと、新規 IT 関連事業について O2O 分野における売上高は増加した
            ものの販促・研究開発の強化に伴い費用も増大したため損失が拡大したこと
            等が原因となり、前期に比べて損失幅は縮小したものの依然として約 2 億円
            程度の営業損失の計上に至っています。
             さらに、エンターテインメント関連事業についてはパチンコ・パチスロ市
            場規模の縮小により成長率が停滞しており、こうした環境も当社の 2018 年
            3 月期及び 2019 年 3 月期の営業損失の計上の要因のひとつとなっています。
             そのような中で、当社は業績回復に向けて様々な戦略を鋭意実行している




                           - 18 -
           最中であり、事業ポートフォリオの選択と集中の動きを加速させ、モバイル
           データソリューション事業の強化及びエンターテインメント関連事業におけ
           る生産性の向上、新規 IT 関連事業への投資を進めると共に、適切なリスク
           の範囲内での国内事業の開発に取り組んでいます。
            具体的には、モバイルデータソリューション事業においてはデジタルイン
           テリジェンスの分野を継続的に強化し、資源を集中させるとともに、その他
           のサイバーインテリジェンスへの取組みを加速させており、成長する市場に
           おいて受注総額を 2019 年 3 月期第 3 四半期累計の 127 百万米ドル(約 145
           億円)から 2020 年 3 月期第 3 四半期累計 146 百万米ドル(約 172 億円)へ
           と米ドルベースで 15.1%増加させることで、当市場におけるリーディングカ
           ンパニーとしてシェアを確保し、成長を続けております。その一部は前受収
           益の 19 億 48 百万円の増加として貸借対照表に計上され、これは売上高の先
           行的な成果指標であると当社としては考えております。損失についても、
           2020 年 3 月期第 3 四半期累計 18 億 25 百万円という大幅なセグメント損失と
           なりましたが、このうち 22 億円は Cellebrite 社の第三者割当による優先株式
           の発行に伴う一過性の費用が影響しており、当損失は継続的なものではあり
           ません。
            新規 IT 関連事業においては、M2M2の分野を強化し IoT セキュリティへの
           取組みを加速させることといった施策を実施しており、新規 IT 関連事業の
           売上高は 2019 年 3 月期第 3 四半期累計の 7 億 90 百万円から 2020 年 3 月期
           第 3 四半期累計 10 億 25 百万円と 29.8%増加しており、また当セグメント損
           失も 6 億 24 百万円から 3 億 6 百万円と大幅に改善をしております。
             M2M 事業について、死活監視サービス「SunDMS」の提供を行うこと
           で、M2M や IoT 導入時に課題となる、効率的な機器のセンター集中管理を
           容易にしております。この施策は、特に大型案件において導入後の管理コス
           トの低減などに寄与するため、M2M 事業ではこの点が評価され、案件の掘
           り起こしが進んでおります。
            また、AceReal 事業では、2019 年 2 月の正式リリース以降、空調設備の
           サービス・メンテナンス業務の利用など様々な実証実験を進めていく中で、
           遠隔支援を中心としたソリューションに一定の需要がある状況が判明したた
           め、現在は遠隔支援ソリューションを中心とした事業展開にシフトしており
           ます。
             O2O 事業では、正式リリース以降、高価格帯である寿司業態を中心に順
           調に利用店舗数を増やしてきましたが、市場の激しい環境変化の中で、まだ
           利益を出すほどの店舗数には達しておりません。このような状況下で、当社


2   Machine to Machine の略で、機器間通信を指します。




                                - 19 -
が実施しているマーケティングの結果を踏まえて、事業戦略・ビジネスモデ
ルなどの見直しに着手しております。この結果、構造改革費用として事業整
理損 5 億 93 百万円の特別損失を計上しております。これらの見直しの成果
は翌期以降、対象事業領域の絞り込みにより、年間の固定費で約 1 億円を超
えるコスト削減に寄与するものと考えております。
 また、上記のとおり市場の縮小による課題を抱えるエンターテインメント
事業についても、表現力の強化、効率化及び商材の絞込みといった施策の実
行により更なる生産性の向上及び外部環境の変化に応じた製品・サービスの
提供をすべく取り組んでおり、実際に開発効率を改善することにより利益率
の向上を実現し、2019 年 3 月期第 3 四半期累計で 19 百万円であった営業利
益が、2020 年 3 月期第 3 四半期累計では 2 億 83 百万円に増加しています。
当社は、遊技機部品事業では、顧客を限定することにより個別の顧客に対す
る独自ノウハウの蓄積を行ってきました。この結果、相対的なマーケット
シェアでは高いシェアを確保し、安定した売上・利益を維持しております。
一方、ホールシステム事業では、低調なホールの設備投資需要を背景とした
厳しい競争環境により業績は低調に推移しております。もっとも、現在、製
品販売を絞り込み、かつサービス販売の拡充を進めております。また、管理
遊技機など設備投資に関する業界環境の変化も生じていることから、この変
化に合わせた新製品を開発し、準備を進めております。
 その他事業については、現在、事業体制等の見直しを実施しており、2019
年 3 月期第 3 四半期累計で 2 億 80 百万円であった売上高が、2020 年 3 月期
第 3 四半期累計では 2 億 24 百万円と減少しておりますが、セグメント損失
は 2019 年 3 月期第 3 四半期累計の 2 億 2 百万円から、2020 年 3 月期第 3 四
半期累計では 79 百万円となり、その損失は減少しております。売上は減少
しているものの、利益率が改善しているのは、ゲームコンテンツについて、
既存タイトルの運営を中心として事業体制を再構築している現在の施策の成
果の表れであると考えております。これはスマートフォン向けゲーム市場に
おいて非常に新規顧客獲得コストが高まっている現状に鑑み、まずは既存タ
イトルの強化を図り、事業としての収益のベースを確固たるものとする施策
となります。またその他事業を担当している技術者は、コンテンツ開発者、
アプリ開発者、クラウドサーバー管理技術者などエンターテインメント関連
事業、新規 IT 関連事業それぞれに親和性のある能力を有する者であるた
め、他事業にこれらの技術者・開発者を振り分ける取組みも行っています。


 上記と並行して、外部のパートナーとの連携による経営改善も行ってお
り、下記(2)で詳述するとおり、2019 年 6 月には、Cellebrite 社の成長戦略
の実行の加速のために、デジタルインテリジェンス分野のノウハウと資金リ




                  - 20 -
      ソースを持ち、事業ビジョンを共有できる IGP 社をパートナーとして迎え入
      れることを決断し、また、下記(3)で詳述するとおり、同年 12 月には、当
      社の企業価値の向上を図るため、複数の上場会社への戦略的なアドバイスの
      提供実績のあるアドバンテッジアドバイザーズ株式会社(以下「アドバン
      テッジアドバイザーズ」といいます。)を事業提携の相手方として選定し、
      アドバンテッジアドバイザーズから受けるノウハウを活用することにより、
      業績向上のための諸施策の検討と着実な実行を積極的に推進している最中で
      あります。


(2)   Cellebrite 社の第三者割当増資により当社の企業価値が毀損されたという事実
      はないこと


       提案株主は、2019 年 7 月に実施された当社子会社の Cellebrite 社による第三
      者割当(以下「本第三者割当」といいます。)について、当社が IGP 社以外
      の提携先の選定や交渉を行わず、発行価額を過小評価して増資を行った結
      果、当社の企業価値が毀損されたと主張していますが、そのような事実はあ
      りません。


       当社は、2019 年 6 月 17 日付け「連結子会社における第三者割当による優
      先株式発行に関するお知らせ」でお知らせしておりますとおり、Cellebrite 社
      がデジタルインテリジェンス領域におけるリーディングカンパニー・統合的
      なプラットフォーマーとなることを目指すという戦略を加速させるために、
      同分野のノウハウと資金リソースを持ち、事業ビジョンを共有できるパート
      ナーを迎え入れることが最適と判断し、複数の提携先候補を検討し、これら
      の候補先と交渉の上、IGP 社をそのパートナーとして選定しました。提案株
      主は、当社が IGP 社以外のパートナーを探さなかったと主張しているとこ
      ろ、当社は、提案株主に質問状を送付し、上記主張の根拠について回答を求
      めましたが、現時点で具体的な根拠のある回答を得られておりません。IGP
      社を戦略的なパートナーとして選定した主な理由は、①提示された評価額が
      他の提携先候補の中で一番高額であったこと、②IGP 社が会社と一緒になっ
      て事業の成長を手助けする伴走型の投資家であること、③IGP 社がイスラエ
      ルの技術を評価し、IT 分野を延ばす実績を持つ投資家であることの 3 点で
      す。また、IGP 社は、Windows95 のメイン開発者を経験した者や、イスラエ
      ル財務省のトップを経た後 NASDAQ 上場企業において収益モデルをハード
      販売からソリューション販売へと転換させ、企業価値を数倍にしたメンバー
      等を擁しており、イスラエル国内でも M&A のノウハウ、資金リソース、ハ
      イテク企業のグローバル化を成長させた稀有で優秀な人材を揃えておりま




                       - 21 -
す。当社にとってモバイルデータソリューション事業のソリューション強化
に向けた実効性のある体制を構築できたと考えております。


 Cellebrite 社が上記戦略を実践するには必要な事業・技術を獲得するための
M&A の実行が不可欠であるところ、同社には継続的に収益に先行する形で
発生する研究開発費を賄うための現預金を超える M&A 向け資金が十分では
ありませんでした。提案株主は、そのウェブサイトにおいて、Cellebrite 社が
130 億円を超える十分な現預金を保有しており、また早急に資金を調達する
必要があれば有利子負債による低金利の調達も容易に行うことができたとし
ておりますが、Cellebrite 社の現預金のうち完全にリスクフリーである現預金
の金額は、前期末において前受収益部分を除いた 50 億 66 百万円であり、ま
た Cellebrite 社の自己資本比率は 31.1%となっております。これらの財務状況
及び Cellebrite 社が売上総利益率 80%をベースにした高い固定費をビジネス
モデルとする事業を運営していることを考えると、ある程度の自己資本比率
を維持し、財務安定性を確保する必要があると考えております。また、有利
子負債による調達を行う場合には将来的に返済の必要性があるところ、事業
成長を前提とした大型の有利子負債による調達は、高い固定費割合で事業運
営を行う Cellebrite 社にとって、技術進化が激しい市場環境という将来的な不
確実性も考慮すると、計画の達成状況次第では資金返済のために必要な成長
投資等が制限されるケースも想定され、適切ではないと判断しております。
そこで、本第三者割当の実行により、M&A の資金を調達するとともに、デ
ジタルインテリジェンスの分野に深い見識を有するパートナーを獲得すると
いう大きなメリットを得られることを踏まえて、当社は本第三者割当の実行
を決定しています。
 また、IGP 社に対する優先株式の発行価額は、当社から独立した第三者機
関による価格算定結果等を総合的に勘案して決定しており、発行価額を不当
に過小評価して当社の企業価値が毀損されたという事実はございません。本
第三者割当の実行後に当社株式の株価が大きく下落したという事実がないこ
とを踏まえても、そのことは明らかであると考えられます。提案株主は、そ
のウェブサイトにおいて、「公開情報に基づき、セレブライト社が保有して
いた多額の現預金を考慮すると、セレブライト社に IGP 社が第三者割当てで
支払った実質的な対価(買収コスト)は 58 百万ドルでしかありません。」と
述べておりますが、これは①今回の優先株式発行に伴う費用を一部考慮せ
ず、②リスクから解放されていない前受収益の利益相当額部分をすべて当社
保有分とし、③現預金をまったく M&A に利用しないことを前提に算定した
数字であり、当社の事業戦略や財務構造を踏まえた計算となっておりませ
ん。




                - 22 -
 提案株主は、そのウェブサイトにおいて、提案株主の調査では、当社が保
有する Cellebrite 社株式には 13.7 億ドルを超える価値があり、また、提案株
主が意見交換をした専門家は、Cellebrite 社を 20 億ドル以上と評価していた
等と主張しておりますが、これらの算定の根拠は全く示されておらず、合理
的な算定価格とは言い難いと考えております。当社は、提案株主に質問状を
送付し、Cellebrite 社の企業価値に関する上記の算定根拠について回答を求め
ましたが、現時点でその具体的な根拠は示されておりません。
 また、提案株主は、当社が Cellebrite 社の企業価値を算定するにあたり DCF
モデルを用いたことが間違いであったと述べておりますが、当社は、第三者
機関により算定された DCF 法、同業他社の類似会社比較法及び類似取引比較
法により、Cellebrite 社の企業価値の妥当性を複合的に確認しております。こ
の DCF 法の計算過程では、当社が主張した数値の幅の中で、上限に近い水準
の数値が採用されております。また、Cellebrite 社の成長性を加味するため、
評価期間を延長したシナリオも検討しており、そのようなシナリオについて
もレンジ内に収まる評価額になっております。また、類似会社比較法では同
業他社との比較及び高収益の分析企業の類似取引比較法により評価額の市場
的な妥当性も検証しております。上記のとおり多面的に金額の妥当性を検証
しており、その算定結果はモバイルデータソリューション事業の収益性や成
長性が織り込まれた水準であり、事業の立上げで不確実性の高い Analytics 分
野の収益貢献も一定程度織り込まれた妥当な企業価値評価額であったと考え
ております。提案株主の主張する評価額については算定根拠を示されておら
ず、かつ、主張のたびに提案株主の主張する Cellebrite 社の企業価値評価額は
大きく変動してきました。これは計算の前提となる状況理解が十分ではな
く、外形的に判断されたものであると考えられます。提案株主による評価に
おいては、使用デバイスやセキュリティトレンドなど市場環境の変化が激し
いデジタルフォレンジック市場における見積期間を少なくとも 10 年を超える
ような合理的に予測ができない長期に設定しているか、又は将来リスクの織
り込みが適切ではないがゆえに割引率が低すぎるのではないかと当社では推
察しております。


 このように当社取締役は、適正な手続、評価及び検討の過程を経て本第三
者割当の実行を決定しており、かつ、2020 年 1 月 14 日付け「BlackBag
Technologies Inc.の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」でお知らせし
ているとおり、本第三者割当の実行により得られた資金を活用して、実際に
コンピュータフォレンジックに強みのある BlackBag Technologies Inc.(以下
「BlackBag 社」といいます。)の M&A 等を実行し、Cellebrite 社の事業戦略




                  - 23 -
      の推進を実現できていること、当社が現在注力している分析分野の受注額が
      2020 年 3 月期は前期に比べると約 2 倍に相当する約 12 百万米ドル(約 13 億
      円)になる見込みであることを踏まえると、本第三者割当の実行についての
      経営判断に問題はなく、提案株主の主張は事実と異なります。


(3)   当社の転換社債及び新株予約権の発行により当社の企業価値が毀損されたと
      いう事実はないこと


       提案株主は、当社が 2019 年末から 2020 年初めにかけて実施した転換社債
      型新株予約権付社債及び新株予約権(以下「本新株予約権等」といいま
      す。)の発行について、不要かつ過小評価された価額で行われたものであ
      り、これにより当社の企業価値が毀損され、さらに潜在的な株式希釈化によ
      り深刻な少数株主権の侵害が発生したと主張していますが、そのような事実
      はありません。


       当社は、2019 年 12 月 20 日付け「事業提携に関するお知らせ」においてお
      知らせしておりますとおり、中長期的な経営戦略として掲げている①情報通
      信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創
      造、②エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大、③グロー
      バル市場におけるビジネス構築及び拡大の実現に向けて、資金調達のみなら
      ず、経営支援を受けることができ、当社の企業価値の向上を図ることが可能
      であると考えられる相手先として、複数の上場会社への戦略的なアドバイス
      の提供実績のあるアドバンテッジアドバイザーズを選定いたしました。
       また、当社単体の財務状況が悪化している中、借入金の比率が事業規模に
      対して大きくなっている状況にあり、そのような中で過度に借入金に依存す
      る資金調達は財務安定性を損なうリスクがあることや、公募増資又は第三者
      割当増資によると即時に希薄化が生じて株価に影響が及ぶことを踏まえ、当
      社は、2019 年 12 月 20 日付け「第三者割当により発行される第 8 回新株予約
      権及び第 1 回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集に関するお知らせ」
      でお知らせしているとおり、アドバンテッジアドバイザーズがサービスを提
      供するファンドに対して本新株予約権等の発行により資金調達を行うことを
      決定しました。


       当社及び当社を取り巻く環境が変革期である状況下において、過去の成功
      体験だけでは十分ではないところ、アドバンテッジアドバイザーズとの事
      業・資本両面での提携により、当社は事業ポートフォリオの再構築支援、
      M&A・PMI 支援、大手営業先・提携先の紹介、中期経営計画策定支援及び人




                       - 24 -
      材採用協力等の支援を受けることが可能となり、当社の業績回復に向けた戦
      略において大きなメリットがあります。
       また、本新株予約権等の発行価額については、当社から独立した第三者機
      関による価格算定結果等を総合的に勘案して決定しており、発行価額を不当
      に過小評価して当社の企業価値が毀損されたという事実はございません。本
      新株予約権等の発行後に当社株式の株価が大きく下落したという事実がない
      ことを踏まえても、そのことは明らかであると考えられます。なお、当社が
      価格算定を依頼した第三者機関は、価格算定モデルの決定に当たって、他の
      価格算定モデルとの比較及び検討を実施した上で、本新株予約権等の発行要
      項等やその引受契約の諸条件を相対的に適切に反映できる価格算定モデルと
      して、一般的な価格算定モデルのうちモンテカルロ・シミュレーションを用
      いて評価を実施しています。


       提案株主は、そのウェブサイトにおいて、当社は、本新株予約権等の発行
      時点で本第三者割当によって調達した資金に手を付けておらず、本新株予約
      権等の発行により更なる資金調達を行う必要がなかった等と主張しておりま
      すが、上記(2)のとおり、当社は本第三者割当の実行により得られた資金
      を活用して 2020 年 1 月に M&A を実行しております。また、提案株主は、本
      新株予約権等の発行及び行使により当社が調達する資金総額 18 億円は、当社
      の現預金に照らすと非常にわずかな金額であり、不必要であると主張してお
      りますが、当社単体が保有する現預金は 2019 年 3 月末時点で約 24 億円であ
      り、本新株予約権等の発行及び行使により当社が調達する資金は当社単体に
      とっては非常に大きなものとなります。したがって、提案株主による上記の
      ような指摘は的を得ないものであると言わざるを得ません。
       また、提案株主は、そのウェブサイトにおいて、「取引のタイミングへの
      疑念」を提起しておりますが、当社による本新株予約権等の発行は、会社法
      及び金融商品取引法が定める手続を遵守して行われており、株主及び投資者
      保護は十分に図られているといえます。また、公表のタイミングが 2019 年 12
      月 20 日夕方となったのは、具体的に案件が進捗してからクローズまでの事務
      的な手続及び関係者のスケジュールを考慮し、資金ニーズも含め、最短のス
      ケジュールで進めた結果であり、提案株主の懸念は事実ではありません。


       このように当社取締役は、適正な手続、評価及び検討の過程を経て本新株
      予約権等の発行を決定しており、本新株予約権等の発行についての経営判断
      に問題はなく、提案株主の主張は事実と異なります。


(4)   当社は Cellebrite 社の成長に向けて具体的な経営戦略を計画・推進しているこ




                     - 25 -
      と


          現在、Cellebrite 社はモバイルフォレンジック企業からデジタルインテリ
      ジェンス企業へ転換しようとする重要なターニングポイントを迎えていま
      す。同社は、技術力を背景に、従来のデータ抽出だけではなく、データを活
      用するデータ分析分野に積極的に投資を行っており、従来のモバイルフォレ
      ンジック市場を含むより大きなデジタルインテリジェンス市場でのリーディ
      ングカンパニーになるべく積極的にデータ分析システムやテクニカルサービ
      スなどの幅広い製品・サービスの拡充を行うとともに、M&A も実施しなが
      ら、成長市場におけるシェア確保に努めています。
          具体的には、2020 年 1 月に BlackBag 社の M&A を実施しました。Analytics
      分野を成長させるためには、重要な情報源であるコンピュータに対するフォ
      レンジックに関する多様なノウハウの取得が必要であるところ、近年、アッ
      プル向け PC フォレンジックで急成長を実現している BlackBag 社を M&A に
      よってグループ内に取り込むことにより、Analytics 分野の成長及び当社グ
      ループの特徴でもあるアップル向けフォレンジックの強化をも実現しており
      ます。Cellebrite 社は、成長する市場において、過去から継続して事業拠点
      を整備しながら競合他社にはできない研究開発投資を行うことで、技術的差
      別化を継続的に拡大させ、シェアの拡大に努めています。この BlackBag 社
      の M&A により、最も難易度の高いアップル向けフォレンジックについて、
      モバイル・パソコンの OS が統合化される流れの中で、差別化を実現するた
      めの体制を整備し、両者の研究開発部門のノウハウを活かしていくことでよ
      り競争力を高められると考えております。また、当社ではよりグループシナ
      ジーを追求し、子会社のガバナンスを強化するため、公的機関向けのビジネ
      スに通じ、日本・イスラエル間のビジネス文化をよく理解し、モバイルデー
      タソリューション事業や、今後進めていくサイバーセキュリティ分野の事業
      開発に経験を有し、監督できる者として、グローバルなサイバーセキュリ
      ティ分野における事業開発の経験を豊富に有するドロン・アイダルマン氏を
      ボードアドバイザーとして新たに採用し、加えてイスラエルを中心としたグ
      ループ管理を専門とした部署を 2020 年 4 月から立ち上げることとしており
      ます。


(5)   当社の業績回復に向けた戦略実行において、解任対象取締役は重要な役割を
      果たしていること


          上記(1)乃至(4)記載の当社の戦略において、解任対象取締役は、それ
      ぞれ以下のような重要な役割を果たしています。




                           - 26 -
①   山口正則氏
     山口正則氏(以下「山口氏」といいます。)は、当社における代表
    取締役在任中は、当社のエンターテインメント関連事業が属するパチ
    ンコ市場の縮小を見越して、新規 IT 事業への投資を行い、2015 年の
    M2M 遠隔監視制御のプラットフォームを提供している Bacsoft 社への投
    資や、同年の AR エンジンを開発している Infinity Augmented Reality,Inc.
    への投資といった、新規事業への投資を果敢に決定しております。た
    しかに、当社は 2019 年 3 月期には約 10 億円の純損失を計上しておりま
    すが、これは当社の従来の主力事業であるエンターテインメント関連
    事業が属するパチンコ市場において、2018 年 2 月 1 日に施行された「風
    俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機
    の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」への対
    応等の影響から、パチンコホールの遊技機の入替減少、新規出店や店
    舗改装等の設備投資を先送りする傾向等が強まり、将来的に不透明感
    が増大している市場環境の影響を主に受けているためであり、山口氏
    の代表取締役在任中に当社が投資を行った新規 IT 関連事業について
    は、IoT、AR、AI 等の最新技術の発展や、M2M、IoT、O2O 市場の拡大
    にあわせて、企業の IoT 化をトータルで支援出来るように、データ化の
    キーになるセンサーデバイス「おくだけセンサー」の販売や、産業用
    向け業務支援システム「AceReal One」の正式販売開始等を行い、2020
    年 3 月期第 3 四半期累計で前年同期比 29.8%増の 10 億 25 百万円の連結
    売上高を計上し、売上総利益も前年同期比の 19.3%増の 4 億 1 百万円を
    計上しております。
     また、山口氏は当社が買収した Cellebrite 社の Chairman として 2007
    年 7 月から Cellebrite 社の経営にも長年携わり、当社の状況も理解した
    うえで Cellebrite 社の管理を行う等、当社における Cellebrite 社の管理の
    要を担っており、Cellebrite 社を順調に成長させた実績を有しておりま
    す。
     また、山口氏は昨年当社代表取締役を退任したものの、引き続き当
    社の主力事業であるモバイルデータソリューション事業の強化におい
    て中心的な役割を担っております。モバイルデータソリューション事
    業は、2020 年 3 月期第 3 四半期累計の連結売上高、売上総利益はいず
    れも前期に事業譲渡した MLC 事業の売上減少に伴い前年同期比では減
    少しているものの、デジタルインテリジェンス事業単独では「UFFD
    4PC」の販売が引き続き好調に推移したほか、科学捜査の高度化に伴
    い、捜査官向けトレーニング及びテクニカルサービスについても順調




                     - 27 -
    に売上高を伸ばし、同第 3 四半期累計の受注総額では 146 百万米ドル
    (約 172 億円)と前年同期比で 15.1%の成長を実現し、引き続き成長市
    場で最も重要なシェアの確保を実現しております。
     このように、山口氏は、長年にわたって当社の技術開発部門及び海
    外事業部門の業務に携わってきたことによる豊富な知見を基に、過去
    における戦略的な提携の提案・推進などの実績も踏まえ、当社の主力
    事業であるモバイルデータソリューション事業の強化において要とな
    る存在であり、当社の業績回復にとって不可欠の人材であります。ま
    た、山口氏は、2007 年からイスラエル企業を経営するという日本でも
    数少ない企業経営のノウハウを保有しており、当社がイスラエルの技
    術等を活かしたグループ展開を行う過程において重要な役割を果たす
    と考えております。
     当社は、提案株主に質問状を送付し、提案株主が山口氏の経営実績
    について敢えて 2013 年 3 月期と 2019 年 3 月期の当期純利益と純損失を
    比較した理由について回答を求めましたが、現時点で具体的な回答を
    得られておりません。
     なお、提案株主は、山口氏が 2008 年 6 月から 2013 年 6 月まで当社の
    代表取締役を務めたとしておりますが、山口氏は 2012 年 6 月から 2013
    年 6 月までは代表権のない取締役であり、この点は事実に反することを
    指摘させていただきます。


②   山本泰氏
     山本泰氏(以下「山本氏」といいます。)は長年にわたって当社の
    経理部門の業務に携わってきた経験・実績に基づいて、Chief Financial
    Officer として当社の事業ポートフォリオの選択と集中の活動や戦略実
    施のためのアドバンテッジアドバイザーズとの事業提携を主導してい
    るほか、2012 年 6 月からは Cellebrite 社の Director として Cellebrite 社の
    経営にも携わり、2015 年 9 月には当社子会社で IoT ソリューションの
    開発・販売を担う Bacsoft 社の Director にも就任して同社の経営にも携
    わっております。
     このように、山本氏は、当社の Cellebrite 社との連携も含めたモバイ
    ルデータソリューション事業の推進、当社の Bacsoft 社との連携も含め
    た新規 IT 事業の推進、これらの事業ポートフォリオの選択と集中に向
    けた活動のいずれにおいても財務的な側面から中心的な役割を担って
    おり、金融機関等との関係も良好に維持しつつ、当社の業績回復に
    とって不可欠の人材であります。
     当社は、提案株主に質問状を送付し、提案株主が山本氏の経営実績




                      - 28 -
    について敢えて 2013 年 3 月期と 2019 年 3 月期の当期純利益を比較した
    理由について回答を求めましたが、現時点で具体的な回答を得られて
    おりません。


③   山岸栄氏
     山岸栄氏(以下「山岸氏」といいます。)は、長年にわたって当社
    のエンターテインメント事業に継続的に関与し、現在もエンターテイ
    ンメント事業の属するパチンコ市場の縮小に対応するため、開発効率
    などの改善を行うことによって、減収に伴う利益の落ち込みを抑制す
    る施策に取り組んでおります。これにより、エンターテインメント関
    連事業については、2019 年 3 月期第 3 四半期累計で 19 百万円であった
    セグメント利益が、2020 年 3 月期第 3 四半期累計では 2 億 83 百万円に
    増加しています。また、現在同事業の活動の見直しも進めており、引
    き続き山岸氏が同事業を担当することで、主要顧客との関係性が良好
    に維持され、かつ、パチンコ関連の特殊な市場環境の変化に対応する
    ために、各種施策を牽引することが当社の企業価値向上に資するもの
    と考えられることから、山岸氏は、当社の業績回復にとって不可欠の
    人材であります。
     なお、当社は、提案株主に質問状を送付し、当社のエンターテイン
    メント事業をどのようにして成長させるべきかと考えているかについ
    て回答を求めましたが、現時点で具体的な回答を得られておりませ
    ん。


④   入部直之氏
     入部直之氏(以下「入部氏」といいます。)は、長年にわたって商
    品・新規ビジネス企画、業務改善に携わり、当社事業について経営コ
    ンサルタントとして継続的にアドバイスを行ってきました。上記のと
    おり、当社は新規 IT 関連事業への投資を進めているところ、入部氏
    は、当該事業のうち AR や O2O の分野について、現場の状況を踏まえ
    て的確なアドバイスをしており、実際に AR 事業では産業用向け業務支
    援システム「AceReal One」について数社との実証実験の獲得に貢献
    し、O2O の飲食店向けの顧客フォーカス等において成果を出していま
    す。当社の業績回復に向けた取組みの中で、入部氏もまた必要な人材
    であり、解任されるべきではございません。
     当社は、提案株主に質問状を送付し、提案株主が入部氏の取締役就
    任以降、当社の企業価値が毀損され続けていて、特段の成長を見込め
    るような新規ビジネスもないなどと主張する理由について回答を求め




                 - 29 -
             ましたが、現時点で具体的な回答を得られておりません。


2.   本株主提案に係る取締役候補者は、いずれも当社の現状の経営課題を解決するために
     適任であるとはいえないこと


     (1)   提案株主は当社の企業価値の継続的な向上を目指すものではないこと


            上記 1 のとおり、当社はその現状の経営課題について、業績回復に向けた
           事業ポートフォリオの選択と集中、各主要事業の強化等にあると分析し、こ
           れらの実現に向けた個別具体的な方策を立案し、実行している段階にありま
           す。他方で、提案株主の提案理由では、「国内外のビジネスの再構築」と
           いった漠然とした目標が記載されているのみで、当社の経営課題の解決に向
           けた具体的な方策は全く示されていません。また、提案株主による本株主提
           案のためのキャンペーン用ウェブサイトにおいても、提案株主は当社の国内
           事業の問題点について縷々述べたうえで、抽象的な戦略見直しの案を提示す
           るにとどまり、具体的な解決策を示しておりません。当社は、提案株主に質
           問状を送付し、提案株主が経営陣の刷新後に策定するとしている「中長期計
           画」の内容について回答を求めましたが、現時点で具体的な回答を得られて
           おりません。また、提案株主はこれまでに日本国内において、当社のような
           事業会社に自ら取締役を派遣して経営した実績はなく、このことからも提案
           株主のみの提案に係る取締役候補者 3 名の当社取締役としての資質には疑念
           を持たざるを得ません。
            加えて、提案株主はそのウェブサイトにおいて、当社のコーポレートガバ
           ナンス上の課題として①役員と株主の利害関係を一致させる業績連動の役員
           報酬制度の導入、②役員と幹部職員が成長性の高い事業に焦点を当て、競争
           力の低い事業からの転換を行うための事業分野ごとの重要経営指標(KPI)
           の設定等を挙げていますが、上記①については、当社は、2014 年 6 月 25 日
           開催の定時株主総会における決議に基づき 2015 年 2 月 5 日に発行された株
           式報酬型新株予約権によって、役員と株主の利害関係を一致させる報酬制度
           を導入しております。また、上記②については、当社では事業の成長のため
           の KPI を設定し、管理をしております。例えば、主力事業のモバイルデータ
           ソリューション事業では、成長と収益性のバランスを取るため EBIT を中心
           とした利益面、受注・売上面、運転資本を中心とした財政面からそれぞれ
           KPI を設定しております。また、新規 IT 関連事業では、成長に向けた案件
           確保のための訪問件数などの取組状況や開発のマイルストーン設定などを
           行っています。さらに、エンターテインメント関連事業のうち遊技機部品事
           業では、タイトルのブランド維持のための稼働率や効率化のためのコストダ




                         - 30 -
      ウン案採用数などを中心に KPI の設定を行っています。
       また、提案株主は投資を通じて短期的かつ多額のリターンを得ることを目
      指すファンドであり、その性質上、中長期的な視点で当社の企業価値の継続
      的な向上を真摯に検討しているといえるかについては疑念を抱かざるを得ま
      せん。KPI はあくまでも事業成果を出すための指標であり、競争力の低い事
      業からの転換については、KPI の達成状況に限らず、当該事業の成長性や可
      能性など様々な要素を考慮したうえで、客観的に事業進捗を判断した結果と
      して選択するべきものであると考えています。提案株主が主張するように事
      業転換のために KPI を設定するということは、事業成長を追求する経営姿勢
      とは異なっていると言わざるを得ません。提案株主のように短期的利益を目
      指すことは、当社が現状の経営課題について上記のような方策を実行してい
      ることと全く相容れないものであり、受け入れることはできません。


(2)   本株主提案に係る取締役候補者はいずれも不適任であるうえに、当該取締役
      候補者による経営が行われた場合には当社に回復しがたい損失が生じること


       また、本株主提案に係る取締役候補者は以下のとおり当社の個別的業務に
      精通しておらず、かつ当社の業績回復を実現するための知見も不足している
      と言わざるを得ず、このような取締役が選任された場合には、当社が現状進
      めている戦略にとって大きな支障となり、株主の皆様の共同の利益が害され
      ることになることは明白であると考えられます。


       ヨナタン・ドミニツ氏(以下「ドミニツ氏」といいます。)、ヤコブ・ズ
      リッカ氏(以下「ズリッカ氏」といいます。)及びヤニブ・バルディ氏(以
      下「バルディ氏」といいます。)については、その経歴及び選任理由に照ら
      して、当社の事業に関する知見を有する者とは認めがたく、このように当社
      の事業の特性を踏まえた経営課題を理解できない取締役が選任された場合に
      は、当社の経営方針の策定において大きな混乱をもたらし、当社の企業価値
      が毀損されることは明らかです。
       また、ドミニツ氏は提案株主のグループ会社において勤務している者であ
      り、特定の大株主と関係のある取締役候補者であるうえに、上記のとおり提
      案株主による当社の経営方針が何ら具体的に示されていないことやドミニツ
      氏に事業会社の経営経験がないことを踏まえれば、ドミニツ氏が取締役に選
      任された場合には、提案株主のみの利益実現を目的とした経営が行われるお
      それがあり、他の株主の皆様の利益が害されることになります。
       当社は、提案株主に質問状を送付し、①ドミニツ氏が日本企業において財
      務会計部門を監督した経験を有しているか、②日本企業に対する具体的な投




                   - 31 -
資実績及び投資先企業の経営者らとの協働実績を有しているか、③コーポ
レートファイナンスの専門的知見を有することを示す実績はあるかという点
について回答を求めましたが、現時点で具体的な回答を得られておりませ
ん。


 さらに、ズリッカ氏及びバルディ氏はイスラエルと縁の深い者であり、提
案株主としては当社子会社のうちイスラエルに所在する Cellebrite 社及び
Bacsoft 社を重視していることがその選任理由等から推察されます。当社の
業績回復に向けた取り組みの中で、Cellebrite 社等の在イスラエル子会社が
一定の重要性を有することは事実ではありますが、当社の喫緊の経営課題で
あるその他の公的機関向けのモバイルデータソリューション事業分野ビジネ
スの成長及び当社単体の業績回復とのバランスを考慮せず、解任対象取締役
4 名の解任を提案するとともに、ズリッカ氏及びバルディ氏のようにモバイ
ルデータソリューション事業とは異なった分野の事業経験を持つ経営者を候
補者としており、また上記 2 社を監督するためにバルディ氏のような在イス
ラエルかつ当社主力事業のモバイルデータソリューション事業とは異なる業
界、製品・サービス、対象顧客を取り扱ってきた人物をあえて非常勤取締役
候補者として提案するという提案株主の姿勢は、当社グループが置かれてい
る状況を理解しようとせず、自らの短期的利益のみを追求しようとする意思
の表れであると言わざるを得ません。なお、提案株主は、そのウェブサイト
において、「最終的にセレブライト社を上場させるか、もしくは戦略的投資
家を特定し事業売却により得られる資本」により国内事業の育成につながる
再投資を行うと記載しており、Cellebrite 社を売却することも検討している
ようです。Cellebrite 社が当社の事業戦略において重要な存在であることを
主張しておきながら、同社を売却して資本を得ることを示唆する姿勢は、ま
さに提案株主が自らの短期的利益のみを追求しようとしていることの証左で
あると考えられます。
 当社は、提案株主に質問状を送付し、ズリッカ氏について、①医療機器・
ソフトウェア・特許等の分野に知見があるとのことだが当社事業とのシナ
ジーはどのような点にあるのか、②非常勤取締役候補者のようだが、具体的
にどのような形で経営に参加する予定なのかという点について回答を求めま
したが、現時点で具体的な回答を得られておりません。また、ズリッカ氏の
人柄や経営に対する意欲を確認するため、当社指名諮問委員会との面談又は
レターの提出を求めましたが、現時点では面談の実施又はレターの提出に応
じる旨の回答を得られておりません。
 また、当社は、提案株主に質問状を送付し、バルディ氏について、①当社
国内ビジネスである日本市場におけるルーター・センサーのマーケットに対




              - 32 -
         する知見をどの程度有しているか、②Bacsoft 社及び当社の M2M 事業の適切
         なコントロールとは具体的にどのようなことを想定しているのか、③非常勤
         取締役候補者のようだが、具体的にどのような形で経営に参加する予定なの
         かという点について回答を求めましたが、現時点で具体的な回答を得られて
         おりません。また、バルディ氏についてもその人柄や経営に対する意欲を確
         認するため、当社指名諮問委員会との面談又はレターの提出を求めました
         が、現時点では面談の実施又はレターの提出に応じる旨の回答を得られてお
         りません。


          以上に加えて、本株主提案について、既に既存の大口取引先や金融機関か
         ら、万が一本株主提案に係る取締役候補者が選任され当社を経営する立場と
         なった場合には既存の取引関係を見直す可能性があるとの連絡を受けてお
         り、当社がこれまで築き上げてきた既存の取引先や金融機関との信頼関係が
         消失する懸念があります。
          また、当社は、Cellebrite 社の従業員からも、事業を尊重する安定した日
         本の企業が株主であるという安心感から信頼を得ており、現に、2019 年 6 月
         17 日付け「連結子会社における第三者割当による優先株式発行に関するお
         知らせ」でお知らせしたとおり、2019 年 6 月の優先株式の発行の際には、
         従業員からの信頼喪失に伴う従業員の流失による競争力低下というデメリッ
         トを意識し、Cellebrite 社経営陣及び従業員への株式報酬に充当する新株式
         を併せて発行するリテンションプランを実施し、従業員の流出のケアをして
         おります。仮に当社の経営に提案株主側の候補者が介入した場合には、
         Cellebrite 社の事業を尊重し、デジタルインテリジェンス分野で統合的なプ
         ラットフォームを提供することにより、リーディングカンパニーになるとい
         うこれまでの当社の中長期的な視点に立った方針も転換を迫られる可能性が
         あり、そのような場合には、デジタルインテリジェンス分野で No.1 になる
         という中長期的な目標を持つ、Cellebrite 社の中核となる従業員の流出に伴
         う研究開発力の低下による競争力の低下という当社にとって回復しがたい損
         害が発生する可能性も否定できません。


          以上のような理由から、当社は、本株主提案に係る取締役候補者の選任に
         反対いたします。


3.   当社が上場廃止となるリスクにさらされているという事実はないこと


      提案株主は、本株主提案の提案理由として、当社が「JASDAQ の業績基準により上
     場廃止となる深刻なリスクにさらされる状況におかれている」ことを挙げておりま




                        - 33 -
す。
 しかしながら、当社に適用のある JASDAQ 上場会社の業績等に関する上場廃止基準
(東京証券取引所の有価証券上場規程第 604 条の 2 第 1 項第 2 号)によれば、当該
JASDAQ 上場会社は、「最近 4 連結会計年度における営業利益及び営業活動による
キャッシュ・フローの額が負である場合において、1 年以内に営業利益又は営業活動
によるキャッシュ・フローの額が負でなくならないとき」に上場廃止となるとされて
いるところ、当社の営業キャッシュ・フローは 2018 年 3 月期及び 2019 年 3 月期のい
ずれにおいてもプラスであるため、提案株主が本株主提案の提案理由に記載している
上記の記載は事実に反するものであります。


                                             以   上




                     - 34 -